学校安全の推進に関する有識者会議(令和6年度)第2回 議事録

1.日時

令和6年7月26日(金曜日)13時00分~(最大2時間)

2.場所

Zoom利用によるWeb会議

3.議題

  1. 学校安全を推進するための組織体制の在り方について
  2. 教職課程における学校安全の学修の充実に向けた取組について
  3. 「学校における安全点検要領」の周知等について
  4. その他

4.議事録

【渡邉座長】 定刻になりましたので、ただいまから、第2回学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。座長の渡邉です。本日も御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
冒頭、事務局の人事異動がありましたので、御紹介をお願いいたします。
【岩倉室長】 安全教育推進室長の岩倉でございます。
事務局の3名の人事異動がございましたので、御紹介をいたします。
7月11日付で、総合教育政策局長が茂里毅に交代いたしました。また、大臣官房審議官(総合教育政策局担当)が江﨑典宏に交代をいたしました。さらに7月5日付で、男女共同参画共生社会学習・安全課長が中園和貴に交代をいたしました。
代表いたしまして、総合教育政策局長の茂里より御挨拶を申し上げます。
【茂里局長】 ありがとうございます。総合教育政策局長に着任いたしました茂里でございます。皆様におかれましては、日頃より学校安全の推進に関する施策や取組につきまして幅広い御意見をいただき、改めて感謝を申し上げたいと思います。
今年度はこの会議におきまして、「コミュニティ・スクールなどを生かした組織的な学校安全の推進」や「学校安全の中核を担う教員の役割や校内組織体制の在り方」、こういったことについて検討をいただいているところと、前任から引き継いでおります。
この内容というのは極めて重要な内容でございまして、実際に実践的な学校安全、こういったものを実現する上で重要なポイントだと我々も認識してございます。
皆様方の御議論、そして御提言を踏まえまして、文部科学省といたしましてもしっかりとそれを必要な取組につなげてまいりたいというふうに思ってございます。引き続き、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
【渡邉座長】 茂里局長、ありがとうございました。
それでは、事務局から、本日の配付資料と出席委員の確認をお願いいたします。
【遠藤専門官】 では、事務局でございます。
本日の配付資料でございますが、本日の資料の次第の下のほうに記載してございます。配付資料、資料1から資料3、そして参考資料としましては、資料1-1から資料2までとなってございます。御確認をお願いいたします。
また、本日の欠席の委員でございますけれども、欠席の連絡がございましたのは、東北工業大学の小川委員、それから、兵庫教育大学の神内委員の欠席の連絡を受けてございます。
また本日、地域学習推進課、高木課長にも御同席いただいておりますので、御紹介申し上げます。
事務局からは以上でございます。
【渡邉座長】 配付資料に不備はございませんでしょうか。もし何かございましたら、Zoomのチャットのほうで御連絡いただければと思います。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。本日の議事は、検討事項として、ワーキンググループにおいて検討いただいた「学校安全を推進するための組織体制の在り方について」ということになります。報告事項では、教職課程における学校安全の学習の充実に向けた取組について、そして、「学校における安全点検要領」の周知等についてという報告がございます。
それでは、1つ目の議事になりますけれども、「学校安全を推進するための組織体制の在り方について」、これを皆さんで議論していただきたいと思います。
当有識者会議の下に置きました「学校安全を推進する組織体制の在り方検討ワーキンググループ」において、まずはコミュニティ・スクールなどを生かした組織的な今後の推進について検討いただき、中間まとめの案を提示していただいております。本日は、この中間まとめ案を御報告いただき、有識者会議として取りまとめるため、皆様に御意見をいただきたいと思います。
それでは、まず事務局より、中間まとめ案を作成する経緯をお話しいただきまして、その後、引き続きまして、当ワーキンググループの座長の大阪教育大学、藤田先生より、中間まとめ案について御説明をお願いしたいと思います。
それでは、まず、事務局のほうからお願いします。
【合田補佐】 事務局の合田です。よろしくお願いいたします。
まず、初めに事務局のほうから、今回、コミュニティ・スクールの活用を主とした地域との連携に関する部分に絞りまして、早々に中間まとめという形で取りまとめていく理由につきまして、改めて御説明しておきます。
コミュニティ・スクールの制度自体につきましては、学校安全を所管しております当課ではございませんで、同じ総合局内の地域学習推進課が所掌している制度ということでございまして、現在、中央教育審議会における働き方改革などの議論におきましても、コミュニティ・スクールの活用の重要性といったことは指摘をされているといったところでございます。
こうした中で、今後コミュニティ・スクールの推進全体をどのように進めていくのかという検討が進められていくに当たりまして、学校安全の観点においても大変重要であるということをなるべく早い段階で、当有識者会議の立場から意思表明をしておく必要があるだろうということでございまして、今回ワーキンググループにおきまして、先行して集中的に議論を進め、このたび中間まとめ案として本親会議に提示するものでございます。
このような位置づけであるということを踏まえまして、今回、特にコミュニティ・スクールの活用など、地域との連携に主に焦点を絞った中間まとめの内容につきまして、ワーキンググループ座長の藤田先生より御報告をいただきまして、皆様から御意見をいただいた上で取りまとめを行ってまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
藤田先生、お願いできますでしょうか。
【藤田委員】 それでは、学校安全を推進する組織体制の在り方検討ワーキンググループ座長を務めております藤田でございます。
先ほど事務局より、今回中間まとめとして取りまとめた経緯について報告いただきました。前回の親会議後、2回のワーキンググループを開催し、コミュニティ・スクールの仕組みを生かして学校安全を推進している先進事例のヒアリングを行い、学校安全を推進するための組織体制の在り方に関する重要な取組等を検討し、今回、特にコミュニティ・スクールの活用に焦点を絞った中間まとめ(案)として取りまとめました。これより、資料1に基づき御報告いたします。
中間まとめ(案)の内容について、まず全体の構成についてですが、1において、学校安全を推進するための組織体制に関するこれまでの議論を整理し、2において、5月の親会議及びワーキングでの議論や意見を「学校安全を推進するための組織体制の充実に必要となる視点」としてまとめております。さらに3において、1、2の内容を踏まえて、「学校安全を推進するための組織体制の在り方に関する提言」としてまとめています。
それでは、まず、1、これまでの議論について要点を説明いたします。上段では、第3次計画などでも繰り返し述べられているとおり、安全の確保は子供たちの学校生活において不可欠の前提であること。一方で、各種大災害など、学校の努力だけでは必ずしも防止できないような事案も発生していることを述べています。
さらに学校における働き方改革も喫緊の課題となる中で、学校だけでなく、地域や関係機関等と連携して、組織的に実効性のある持続可能な学校安全を推進することが強く求められているというのが最も重要な観点であると考えており、その上で、実践的な避難訓練、交通安全教育、一次救命等に関する教職員研修や、児童生徒への救命実習、登下校の見守り、専門家の協力を得た安全点検など、具体的に地域や関係機関と連携が必要となる場面を例示しております。
また、後段から2ページ目の前段では、地域の関係機関等との連携を定めた学校保健安全法第30条を示すとともに、第3次計画においてもセーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた学校安全の取組の充実や、コミュニティ・スクールの活用を含む地域との連携・協働の必要性、学校安全計画や危機管理マニュアルのPDCAサイクルの構築などが求められてきたことを改めて確認しております。
次に、2ページ目、2、学校安全を推進するための組織体制の充実に必要となる視点として、これまでの有識者会議及びワーキンググループでの議論を整理しています。
中項目として、まず、地域や関係機関等との連携についてと題して、安全な生活を送る基礎や安全な社会づくりに貢献できる資質・能力を養う安全教育と、子供たちの安全を確保することについての両方の観点で、地域の関係者との協力が必要であること、過去の悲しい事件、事故等を繰り返さないためにも、子供の視点、専門的な知見、地域の協力が必要となってくること、地域社会全体で学校と多様な主体との継続的な協働が必要となってくることを示しています。
また、学校保健安全法第30条において、地域の関係機関等との連携が定められており、現在の教育政策の大方針である第4期教育振興基本計画においても、全ての公立学校に地域と連携・協働する体制を構築するため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を一層推進すると示されている中で、持続可能かつ組織的に学校安全の質の向上を図るためには、この仕組みを最大限活用することが効果的であることを示しています。
さらに、学校運営協議会が、学校運営やそれへの支援について協議を行う機関であることから、協議を通じて関係者の理解と協力を得て、効果的な取組の実行につながるといった点、学校運営協議会を通じて、地域住民等が学校運営に参画し、安全教育や安全管理の共通理解を得ることは、その双方を下支えし、実効性を高めるための学校安全の組織活動の一環として効果的な取組と位置づけられていることを示しています。
3ページ目にかけてになりますが、その上で、各学校で策定が義務づけられている学校安全計画や危機管理マニュアルを学校運営協議会の場で共有し、その実効性について協議を行うことは、持続可能な学校安全の取組を充実させる観点からも非常に効果的であることを示しています。
また、学校運営協議会や地域学校協働活動の関係者に実際に通学路や学校の安全点検、避難訓練などの取組に参画いただくことで、外部の視点を取り入れた評価や、各種取組の見直しは、取組の実効性向上につながる方策の1つであること、特に自然災害などには地域においても共通の課題であり、学校安全に関わる地域のステークホルダーとなる関係者も交えて協議を行うことは、学校安全の取組の質の向上を図る上でも有効であり、学校運営協議会の場を通じて、学校と地域の合意形成を図ることも1つの方策であることの例示などを示しています。
さらに自治体の防災・安全担当部局の参画を得ることは、学校運営協議会の役割や学校安全の取組について、地域全体の防災の取組と学校安全の取組との連携・調整を図る上でも意義があり、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを活用して取組を進めていくことは、地域や関係機関との連携強化、外部評価や改善を継続的に進めていく上で非常に有効であり、セーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた学校安全の推進にもつながるものとしています。
3ページ目の中段になります。次の中項目の校内の組織体制整備についてですが、まずは校長のリーダーシップの下、学校保健安全法27条を踏まえた学校安全の計画策定と、それを実施するための校内の組織体制の整備が必要であることを示しています。またその際、「学校安全の中核を担う教職員」を置くことが重要であり、その位置づけや役割を、今後さらに整理する必要があることとし、学校の設置者による各学校への位置づけやその育成、確保、さらに4ページ目ですが、研修体制の整備を行っていく必要性に触れています。
さらに「学校安全の中核を担う教職員」を中心として、救命処置などの研修が計画的に実施できるよう、国や各都道府県等において研修事例を示すほか、学校の設置者が組織的に取り組める校内研修の実施について指導や助言を行うことの必要性を示しています。
コミュニティ・スクールの仕組みを生かした取組の実質化のため、学校運営協議会に依頼に応じて学校安全に関わる教職員が参画するなど、協議の成果を組織として円滑に活用・推進できる体制の工夫にも触れています。
最後、これら校内体制の整備についても、セーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた学校安全の推進につながることを示しています。
続いて、中項目の最後、学校安全の取組の実効性を高めるための留意点についてですが、まず、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを活用することで、学校安全に関する取組について、家庭や地域、行政等の関係者間で共通理解を図るとともに、連携・協働を進める中で適切な役割分担を行うことで、教職員の負担にも配慮しながら、児童生徒等の安全確保の強化につなげていくことを示し、その具体例も示しています。
また、5ページ目にかけてですが、特に登下校時の安全については、学校保健安全法や「学校・教師が担う業務に係る3分類」での整理を示した上で、児童生徒等の登下校時の安全確保のために学校が果たすべき役割と、保護者や関係機関等との連携した対応の在り方について、学校運営協議会等の場で確認することが効果的な取組の1つであることを示しています。
さらに、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的取組を進める上で、学校と地域をつなぐ地域学校協働活動推進員・地域コーディネーターの役割が大変重要であり、そのさらなる配置・活用を進めることが望まれることにも触れています。
そのほか、複数校で1つの学校運営協議会を設置する場合について、安全に関する地域の共通課題への対応や、小学校から中学校へのつながりを持たせた安全教育を協議することが効果的な取組につながることを示しています。
最後に、これらの学校安全を推進するための組織体制の充実に必要となる視点は、学校運営協議会を設置していない公立学校はもとより、国立学校や私立学校にも共通して重要となる考え方であることを示しています。
次に、3、学校安全を推進するための組織体制の在り方に関する提言についてです。まず、学校安全を取り巻く課題が複雑化・多様化する中にあって、学校安全の取組の実効性を効果的かつ継続的に高めていくためには、保護者や地域住民、関係機関等の理解を得つつ、連携・協働を図っていくことが不可欠であること。
そして、地域の実情を踏まえた児童生徒の安全確保とともに、将来の地域社会の人材育成の観点も見据え、地域と連携した学校安全計画や危機管理マニュアルの見直しサイクルの確立、学校安全の取組充実、組織的・継続的な推進体制の構築が必要としています。
同時に、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みを活用し、学校と家庭や地域、行政等の関係者間で共通理解を図ることにより、教職員の負担にも配慮しながら、登下校の安全を含めた児童生徒等の安全確保の強化につなげていく観点を示しています。
6ページ目にかけてになりますが、このような観点を踏まえ、地域の実情を踏まえた安全確保、安全教育について、学校運営協議会の場で積極的に議題として取り扱うこと等を通して、その取組を充実させるとともに、持続的なものとしていくことが期待される。また、このために具体的な方策を検討する必要があるとしています。
さらに、コミュニティ・スクールを活用した学校安全の取組が実質化していくことも大変重要ですので、そのための体制整備の必要に触れるとともに、今後の検討事項として、「学校安全の中核を担う教職員」の位置づけや果たすべき役割、養成・育成についてさらに検討を進める必要があるとして、現時点の中間まとめとしています。この「学校安全の中核を担う教職員」をはじめとする組織体制については、今年度、これからさらに検討を深めていくこととします。
中間まとめ(案)の説明は以上となります。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ワーキンググループにおいて取りまとめていただきましたただいまの中間まとめ(案)について、委員の皆様から御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょう。御意見のある方いらっしゃいますか。挙手機能のボタンで挙げていただければと思います。どういった点でもよろしいです。
ワーキングのメンバーじゃない方は初めてでありますが、今回のまとめ(案)は御覧になっていると思いますので、ワーキング以外の方からの御意見というのをぜひ出していただきたいんですが、もちろんワーキングに参加された方でも構いません。いかがでしょう。桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 私もワーキンググループのメンバーですので、そのこともお含みおきいただいたうえで発言させていただきます。
今回、学校安全を教職員だけの仕事ではなく、学校運営協議会、あるいはコミュニティ・スクールという考え方の下にきちんと位置づけようという提言で、これは極めて重要なことだと思います。いわゆるコミュニティ・スクールがまだ日本の学校の全てに広がっているわけではありませんが、地域との連携は本質的な教育の課題ですので、そこにしっかり位置づけていこうということは極めて重要な視点だと思います。
それからもう一つ、「学校安全の中核を担う教職員」という、名称もそうですけれども、その概念がはっきり打ち出されたこと、これもすごく大きいと思います。
ワーキンググループで、宮城県の先進的な取組で、「安全主幹」という、主幹教諭の先生の実践が報告されましたけれども、そういう先生たちをしっかり育成するという研修制度の下で、特に東日本大震災の大変な被害を受けた経験を基に、校内組織体制をきちんと確立していこうという、極めて優れた実践事例だと思いました。
今後さらに、現有教職員の中から育成するという視点だけでなく、これから教員を目指す人にも、きちんとそういう力量を備えた人を育てていこうという養成の視点も含めて、今回中間まとめに打ち出されたことは極めて重要なことではないかと思います。
私はワーキンググループのメンバーですので、特に強調したい点を今申し上げましたけれども、ほかの委員の先生方からも、ぜひ御意見をいただきながら深めていきたいと思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。御意見ということで、特に質問ということではないということですね。分かりました。
ほかにはいかがでしょう。大木委員、お願いします。
【大木委員】 ありがとうございます。私も意見というかコメントなんですけれども、すごくいいなと思って拝聴していました。
途中で訓練の話とか、自然災害というのは学校だけでピンポイントに起きることではなくて、そもそも地域全体が被災するというものだというくだりのところでちょっと思ったんですけれども、訓練をどんどんリアリティーのあるものに改善していく、それを研究しているんですけれども、それをやっていくと、ある段階から学校の中で過不足なくできるようになってくると、それ以上を極めるためにはステークホルダーを増やしていくという方向性になっていくんですよね。それで保護者に来てもらったりとか、地域住民が実際避難者として来てもらうとか、そういうようなことに入っていきます。
そういった意味でも、学校の安全のために入ってほしいというよりは、地域の防災力そのものを高めるためにもそういう方向性に行くということが、ちょっと研究として明らかにするということと、もう一つ多くの人が取り組むことで、個々人が持っている、本当に来るのか来ないか分からないけど災害というものが、いろんな人がそういうふうに思う。そういうのを少しずつ思っている人が集まることで、災害が起きるんだというふうにリアリティーが共同的に構築されていくという現象があります。社会構成主義的な認識とかそういうふうに表現するんですけど。ですので、その意味では学校だけではなくて、実は地域の人にとっても意義の大きいことであるという、そういうことを、訓練のところのくだりでは、学校の安全点検とかを外の目線でも評価してもらったりすると、そういうときだろうというふうに書いてあるんですけど、実はそれだけではなくて、地域の方にとってもいいことである。そうすることで、その地域全体の防災力が高まるという、そういう趣旨でもし含めてもいいなら、そのぐらい踏み込んで書いてもいいんじゃないかなというふうにちょっと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
それでは、木間委員、お願いします。
【木間委員】 ありがとうございます。木間です。私もこれを事前に昨日もらって読ませていただいて、学校運営協議会の仕組みの中に、学校安全の取組が入っていくと推進されていくなというのをとても感じました。
その中で、私は東京都の公立小学校の校長でしたので考えると、東京都はコミュニティ・スクールの実施状況がまだ50%以下であり、また、区内ではやっていない、23区の中ではそれ自体もない区が大変多いんです。三鷹市が一番先駆的に進めている。ただ、三鷹市のコミュニティ・スクールについても、学校安全という視点ではない形での学校運営協議会が進められているなというのが現実であるときに、学校運営協議会の中に安全教育の視点を入れていくというのは大変困難なことでもあるなというのは現場でも感じていて、その1つは、学校運営協議会の中にメンバーをどう入れていくかといったときに、私の自分の学校でも、やはり各地域の有力自治会長であったり、有力な方がメンバーに入っていると、その方たちが学校安全の視点を、地域安全の視点を持って参加しているかというと、そういう話には実際ならないんです。
そうすると、地域や学校機関の連携を深めるためには、学校運営協議会の中にどのようなメンバーを位置づけていくのかということはっきりと打ち出していってもらったほうが、例えば、消防署、警察署の方も入れていくべきではないかとか、また、自治会の防災担当の方を入れていくべきじゃないか、また、PTAの中の防災担当の方を必ず入れていくべきじゃないかとか、そういうこともないといけないと思いますし、また学校運営協議会と、地域側の窓口になる人と、学校側の窓口の人をしっかりと設けていかないと、結局なかなか持続していかないのかなというのが現実かなということを、まず地域や学校機関との連携という部分では感じさせていただきました。
もう1点だけ、ちょっと長くなって申し訳ないんですけれども、2点目の校内組織体制の中に、たくさん校長のリーダーシップの下ということが書かれていて、私もずっと第3次計画にも関わらせていただいたときに、これこそが肝かなと思っていまして、やはり学校経営上、校長がそういう意識を持っていないと、結局その部分については進まないというのが現実なんです。
そうなったときに、4ページの一番上に、中核教員の研修体制の充実を図ると書いてあるけれども、その前に学校長の研修体制の充実をやらないと、それぞれの都道府県単位か区市町村単位でちゃんと安全教育につく体制を取らないと、本当に第3次計画さえも知らない校長もまだまだ東京都内でもたくさんいますので、ちょっとそんな危惧があってその1項目を、中核教員だけではなく中核教員を指名する校長側のほうにしっかりとした研修体制を位置づけていくことが大事かなというふうに読ませていただいて感じました。
以上です。長くなって申し訳ありません。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかには何か御意見ございませんか。いかがでしょう。桐淵委員、また手を挙げられましたか。どうぞ。
【桐淵委員】 ただいまの木間委員さん、校長先生の御発言、大変共感いたしました。
学校運営協議会の設置は、現状では全ての学校ではありませんけれども、学校安全、これは地域の安全も含めてやっぱりみんなで取り組むことですので、この機会に例を示して、学校運営協議会の設置も広げていき、なおかつ安全のレベルを地域と一体となって上げていくという発想が極めて重要ですので、強く打ち出していただきたいと思います。
そのときに、行政であれば地域防災の担当箇所の人ですとか、あるいは消防の方とか、そういう安全に関わる仕事に就いておられる方も協議会のメンバーに入っていただくような、今までの協議会の見直しも含めて提言をしていくことが大切だと思います。まさしく木間委員さんの意見に強く賛同いたします。
もう1点の、管理職の研修を重視すべきだという点も強く賛同いたします。
私は、さいたま市教育長任期中に起きたお子さんの死亡事故の教訓から、ご遺族と協力して再発防止のためのテキスト『ASUKAモデル』をつくって、現在AED財団の理事としても、その普及活動をやっているのですが、専門職である養護教諭の方々から講演にお招きいただくことがすごく多いです。そして、いろいろなお話をうかがうことができます。
最近聞いた中に、現場から119番をした先生が、校長先生に叱られたという話がありました。何で私を通さないんだ。どうしてスマホで119番したんだと叱られたということです。
養護教諭の危機意識は高いのですが、校長先生の中で、救命措置が秒を争うこと、そして現場から119番しないといけないということが分かっていない人がいる。心停止が疑われる緊急事態に管理職を探していては間に合わない、また、通信指令員に子供の症状を伝えて、具体的にこうしてくださいという指導を受けるためには、職員室から電話したのではいけない。現場から直ちに119番、が鉄則です。
このことは、文部科学省が『学校事故対応に関する指針』の改訂版でも強調していっているのですが、知らない校長先生がまだまだいらっしゃる。
木間委員さんと同様に私も痛切に感じています。ぜひ管理職がきちんと学ぶこと、管理職にきちんと伝えることを重視して取り組んでいただきたいと思います。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほか。𠮷門委員、お願いします。
【𠮷門委員】 𠮷門でございます。最初に少し入室が出遅れまして、大変失礼いたしました。
私もワーキングのメンバーでもありますけれども、まずいろいろ様々なヒアリングや様々な意見を基に、このように体系化しておまとめいただいたこと、ありがとうございます。皆様方がおっしゃっているように非常に多岐にわたって、特に学校運営協議会で、地域の方々とともに学校の安全に関する方針をきちんとそこで議論していくということがしっかり書かれたことは、とても大きいことだと思います。
一方で、皆様方の御意見を総合しますと、またチャットで首藤委員からも御意見が共有されていますけれども、ここに書いたことを今後どのように実現していくかということが最も重要だと思っていまして、学校安全の中核となる教員のことの役割とか位置づけについては後半の議論でというふうにここにおまとめいただいていますので、それについては、今後詳細にまた検討をしていくことになるとは思うんですけれども、学校運営協議会の中で安全の内容も、学校安全計画や危機管理マニュアルを議題に乗せるということは、しっかりとそのことが皆さんに周知が図られて、皆さんがそういう御認識でないと駄目だということは、そうするとちょっと書きぶりとしてもしかしたら何か加えるならば、管理職のリーダーシップは強く書かれていて、また、中核となる教員の設置者という言葉はそこで出てきますけれども、そうしたことをきちんと設置者としても、それぞれの学校の取組に目配りしていくというふうなことが、もし何かそういうことでどこかに書ければ、設置者の責任ということも、学校が行うことですから、当然設置者はしっかりと目配りしていただかないといけないんですけれども、そんなふうなことがどこかにもし加えられると、皆様方の御意見が少し反映できるのかなというふうに思ったことでした。
要は中核となる教員についても、東日本大震災直後に策定された第1次の推進計画からずっと書かれてきている言葉でして、特に第3次計画でも、いよいよこれから本当にそういうことの位置づけについて議論が必要だというふうなことで書かれていると思っていますので、それを今年度、実現に向かって進めていくのであれば、今後の書いている内容以上に、それぞれどう進めていくのかという周知の方法でありますとか、周辺のそれぞれのコミュニティ・スクールの担当、それから、いろんなこの人材配置の担当課との協議をしながら、どう実現性を高めていくのかということは一番重要なのかなというふうに感じました。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかにはございますか、御意見。北村委員、お願いします。
【北村委員】 ありがとうございました。まず初めにちょっとお聞きしたかったのが、まとめたものの位置づけなんですけれども、このまとめたものは委員会としてまとめて、今後こういう方向で進みましょうねという意味のまとめになるのか、まとめたものが、いわゆる教職員に配られてというか、周知されるものなのかという、どういう位置づけになるのかなというのをまずちょっと確認をしたかったんですけれども。この点は、文科省の方へお聞きするのがいいんですか。
【渡邉座長】 そうですね。では、この点につきましては、文科省のほうから御説明いただきたいと思います。
【合田補佐】 こちら、有識者会議として政策の方向性を提言いただいているということだと思いますので、もちろん公表するものではございますけれども、我々文部科学省としてそれをしっかりと受け止めた上で、政策のこれからの検討に生かしていくという位置づけだと思っております。
また、現場への周知等につきましては、恐らくどちらかというと全体の取りまとめをして、より方向性を明確にした上で発出等していくという形になるのかなというふうに思っているところです。
【北村委員】 ありがとうございます。先ほどの𠮷門委員のお話にもあったとおり、多分この状態で現場に行っても、現場の人はどうしていいか分からないという状態になって困ると思うので、これ、やっぱりちゃんと具体的に実効性あるものとして進めていくためには、具体的にどう取り組めるのかというのを示す必要がありますし、といっても今それはないと思うので、ほとんど場合は。なのでやっぱりモデル地域なりモデル学校なりでしっかり取組をやって、取組のいいものを広めていくという仕組みにしないと、今かなり概念的な線で、これは非常に位置づけとか整理した段階だと思うんで非常に大事だと思うんですけれども、これが現場にそのまま行っても現場もどうしていいか分からないという状態になっちゃうと思うので、やっぱり何らかの具体的な取組をやって、このやり方ができるよねとか、こういう場合にはこの仕組みが使えるよねとかというのをやる必要があるかなと思うので、今後そういうモデル地域なり、既にうまくいっているところがあれば、そういうのを幾つか集めて整理をして、こういう入り込み方ありますよとか、こういうステークホルダーが参画するとこういう効果ありますよとかいうのを整理するというのも非常に大事かなと思いました。
というのが1つで、あともう一つは、組織体制という整理の仕方なので、ちょっとここには入らないのかもしれないんですけれども、組織も非常に大事で、そのときに大事だなと思うのは、やっぱりちゃんとデータを活用するというのは非常にやっぱり大事で、これは事故のデータだけではなくて、防災とか防犯であれば警察のデータだったりとか消防のデータだったりとかという、データをちゃんと活用しながら地域の課題を整理して取り組んでいくというのも大事なので、データを活用する仕組みもこの組織体制の中に入れるというような定義も入れていただけると非常にいいんじゃないかなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
桜井委員、お願いします。
【桜井委員】 ありがとうございます。今まで出た御意見の中で、私もワーキンググループのメンバーで議論に加わってきたところでしたので、意見はこの中間取りまとめに報告はいただいているんですけれども、今日の議論をまたいろいろ御指摘をいただいて考えさせていただいたことから、2点ちょっと申し上げたいと思います。
まず、防災の専門ということで、特にこの文章については、防災の観点から意見を申し上げさせていただいたんですけれども、大木先生からあった学校防災って、学校だけじゃなくて地域もやっているということで、このつながりが大事だというところについては全く同感でございまして、それで3ページ目の上から2つ目のポツに、自然災害についてはということで、共通の課題であるという形であえて明記をさせていただいていたり、緊急避難先などについて合意形成を図ることの必要性というところは入れさせていただいたんですけれども、大木先生の言うとおり、あとそれから皆さんの意見としてやっぱり考えたのは、この委員会自体が学校安全に関する会議の場なので、どうしても学校寄りの視点にはなっているというところは否めないんですけれども、出てきているテーマというのはやっぱり地域との共通の課題であるというところは大変大事だと思いますので、これが恐らく、先ほど首藤委員からもお話あった点ともリンクしてきて、この問題をどうやって大切な問題か、みんなで話し合うための大切な課題なんだというところをそれぞれの学校でステークホルダーと共有できるように持っていくかという、ここが本当に大きな課題だなという点を感じましたので、ちょっとその点はまだもう少し考える必要があるのかなというところで、今日のお話を聞いていて思った点です。
それから、先ほど御提案があったモデルの話なんですけれども、実は私、石巻でずっと活動しているんですが、昨年コミュニティ・スクールの担当の方も交えて、毎年夏にやっている学校防災フォーラムでこのテーマを議論していたときに出てきたんですけれども、コミュニティ・スクールとしては、毎回、毎年それぞれ取組をされている意見交換の場というか発表の場、情報共有の場があるというふうに伺っていて、そこには学校関係者だけじゃなくて、コミュニティ・スクールなんで地域の関係者もたくさんやってきて共有されると伺ったんです。我々、学校安全とか学校防災ということだけでフォーラムやってもなかなか地域の人に集まってもらえないという実は限界があって、なので今日、コミュニティ・スクールの担当課からもいらっしゃっているということだったので、この取組を進めるに当たっては、地域の方々をどう巻き込めるかというところが本当にポイントになってきますので、ぜひ連携を深めていただいて、コミュニティ・スクールと学校安全の連携として、コミュニティの方も巻き込んでそれぞれテーマについて議論を共有できるという場が、モデルをつくるなりした場合も、学校関係者だけでなくてというところをどうにかして実現する場というものをつくれると、それが1つの解決策に当たるのかなというふうにも思いました。
それから、2点と言ったんですけど3点目がありまして、申し訳ありません。管理職のリーダーシップの話がずっと議論されておりまして、これは全くそのとおりだというふうに思っているんですけれども、実は昨年から石巻で、今まで防災主任向けの研修をやっていたんですが、管理職研修にも関わるようになりました。実際に管理職研修の企画や実施をやらせていただいていて分かっていることは、中核となる教員向けの研修と管理職向けの研修って内容が全然違うということなんです。やっぱり管理職というのは意思決定をする立場にあるということで、中核となる教員も、あくまでもその日々の準備をしたり情報収集したりというような役目にはなるんですけれども、やっぱり最初のときにも申し上げたんですけど、チーム学校として情報が回って意思決定するための情報が集まってできるようになるためには、やっぱり管理職のリーダーシップというのは必要になるんですけど、その研修内容については、ちょっと別途内容を検討して、より実践的に実効性を上げるためには、例えば今、山形県が大雨で大変なことになっていますけど、ああいう状況に子供たちが学校管理下にいる状況であれが今どうなっているか、ちょっと全然把握できてないんですけれども、そうなった場合、校長や管理職が判断するということになるんだというところを、より管理職の方には認識をしていただいて、だからこそ中核となる教員を学校挙げてサポートして、だからこそ地域との連携が必要で、学校だけでは決めてはいけないし、決められないんだというところが分かるような、そんな連携が生まれていくことを期待していますので、管理職についてはこのように申し上げます。
以上です。すみません、ありがとうございます。
【渡邉座長】 桐淵委員、手を挙げられていますけど、御意見あれば。
【桐淵委員】 先ほどの北村委員の御意見に協調する意味で申し上げますけれども、これは中間まとめの案で、きちっとしたまとめはこの先ですよね。
それから、学校も確かにこの内容だけでは困るというのも分かります。もっと具体策が欲しいし、データの活用などの視点も入れるということも大事だと思います。ですが、私はこの内容は、学校よりも学校の設置者、教育委員会が、これを実践すべき内容なのだと思っています。学校運営協議会についても中核となる教員の育成についても。
ぜひその点、文部科学省としても設置者にきちんと呼びかける、その方向を示すものだということをはっきりと打ち出して取り組んでいただければと思います。
【渡邉座長】 先ほどから文部科学省のほうも手を挙げられていらっしゃいましたけど、今の御回答も含めてお願いします。
【遠藤専門官】 ありがとうございます。今、桐淵先生からお話いただいた点、また、委員の皆様からいただきました点につきまして、今後、最終のまとめに向けてしっかりと議論をしていきたいなというふうに思っておりますし、また今後、ワーキングの議論の中でも、先進的な自治体の取組でありますとかそういうのもきちっとヒアリングをしながら議論を積み重ねて、方向性を示せる形に持っていけたらなというふうに思ってございます。
すみません、先ほどから首藤委員のチャットのメッセージをいただいておりまして、ちょっと私のほうから代わって紹介させていただきたいなというふうに思ってございました。私のほうからちょっと代読させていただきます。
学校のみでなく、地域社会を巻き込んだ学校安全の推進という考え方そのものには、私も両手を挙げて賛成です。しかし、一方でワーキンググループの会議席上でも出ていた意見ですが、学校が主体となって地域社会の防災対策を推進していくという位置づけになっては、学校側に大きな負担となってしまうということが懸念されます。その意味で、地域の方々、住民や関係機関とどのように役割を分担しつつ協働していくかが重要になろうかと思いますというふうな首藤先生からのメッセージをいただいてございます。
以上です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
大分皆さんから御意見をいただきましたので、この議題に関してはよろしいでしょうか。
それでは、本日の皆様の御意見を踏まえまして、座長扱いとさせていただきたいと思います。そして、中間まとめの最終確認をこちらのほうでさせていただきます。
それでは、次に、議事の(2)報告事項についてです。教職課程における学校安全の学習の充実に向けた取組、「学校における安全点検要領」の周知等につきまして、文部科学省で対応を進めておりますので、事務局より2つ続けて御説明をお願いします。
【合田補佐】 事務局の合田です。よろしくお願いいたします。
まず、議題の報告事項、教職課程における学習について御説明させていただきます。資料2、投影をお願いできますでしょうか。
こちらですけれども、本年6月3日付で全国の教育委員会、教職課程を置く大学等に発出した通知でございます。学校において事故の防止に努めることはもちろんですけれども、様々な要因により事故が発生してしまった際には、その状況に応じて速やかに救急要請するとともに、教職員が可能な限り適切な応急処置を行うことが非常に重要です。そこで、前回の本会議におきまして、御議論、御指摘いただいたことも踏まえまして、AEDの使用を含む応急手当ての手法や心構えなどについて、特に実習を通じて学んでおくことが、有事の際にちゅうちょせずに対応するために大変重要であるといった問題意識から、教員養成段階、現職段階それぞれにおいて積極的な取組を行っていただきたいことを全国へ通知したところでございます。
通知の3ページ目でございますけれども、各地における取組の例としていただくため、養成段階、現職段階それぞれの事例も掲載をしておりまして、養成段階については、藤田委員が所属されている大阪教育大学における例も紹介させていただいているところでございます。
また、こうした応急手当に関する実習・研修の実施については、各地の消防本部、消防署との連携が重要でございます。本通知において、消防本部等との具体的な連携のポイント、どのように相談したらスムーズかといった点について、消防庁の協力も得てコンパクトにまとめて紹介するとともに、消防庁からも、各地の消防本部へ大学を含む各学校や教育委員会等からの相談に適切に応じていただきたいことを周知していただきました。引き続き、教職課程及び現職段階において、AEDを用いた実習を含む一次救命処置等の学習及び研修が着実に実施されるよう、状況の把握及びそれを踏まえた取組の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、次、資料の3、「学校における安全点検要領」の周知等について御報告をいたします。
昨年度、小川委員を座長とする学校における安全点検の在り方検討ワーキンググループの委員の皆様と本有識者会議で精力的に御議論いただきまして、3月末に取りまとめました「学校における安全点検要領」につきましては、各都道府県教育委員会等への通知の発出ですとか、4月に行われた学校安全の担当者会議をはじめとする各種関係者が集まる会議の場などで、その活用について周知を図ってきているところでございます。
さらに資料3にございますように、この夏より、安全点検を行う際の重要な視点や専門家との連携を含む安全点検の進め方を、フィールドワークなどを通じて学ぶ研修会の実施を計画しております。
具体的には、まず、学校の設置者向けとして、8月1日と5日に全国3か所、宮城県、岐阜県、岡山県の学校を会場としてフィールドワーク型の研修を予定しております。講師には、本有識者会議で安全点検要領の作成に御尽力いただいた北村先生と首藤先生にお願いすることとしております。
実際に学校現場でフィールドワーク型で行うということで、また、参加者の声のフィードバックなどをしっかり拾って、点検要領のさらなる改善や活用の促進方策の検討などにもつなげていきたいと考えております。
また、今年度はさらに市区町村教育委員会・学校向けとして、オンラインで1回、フィールドワーク型をもう1回開催予定としております。こちらについても鋭意準備を進めていきたいと思いますので、御承知おきのほどよろしくお願いいたします。
もう1点、こちらは資料なし、口頭での報告となりますけれども、本安全点検要領の策定につきまして、先週の18日の木曜日に、第143回消費者安全調査委員会におきまして、対応状況の報告を行ってまいりました。全体といたしましては、消費者安全調査委員会からの意見を受けて、1年間で精力的に検討を進めていただいたといった好意的な評価をしていただいたと受け止めておりますけれども、特に教職員の負担軽減のための外部人材等のさらなる活用の推進方策などにつきましては、幾つか御意見もいただいたところでございます。今回報告を受けました、消費者庁のほうの委員会としての正式な見解につきましては、また先方にて検討の後、追って伝達があるということですので、今後の動きにつきましては、また随時、こちらの親会議においても報告させていただければと考えております。
説明は以上です。
【渡邉座長】 それでは、今、御説明いただきました2つの事項についてなんですけど、まず、教職課程における学校安全の学習の充実に向けた取組についてですが、こちらのほうに御意見ございますか。皆さん、何かございますか。では、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】 この通知を出していただけたことは、大変ありがたく思っています。御尽力に敬意を表します。
しかし、参考資料等もかなり詳細につけていただいていいますが、先ほど私が発言した119番通報に関連して、「参考2」の令和5年の文書の「記」の中に、「必ずしも管理職による必要はないこと」という記述があります。
救命処置、応急手当の観点からすると、現場で、呼びかけても反応がない、心停止が疑われる時点で即座に119番、救命処置を開始することが大事なので、「必ずしも」という表現では弱いと思います。さっきの、校長が教員を叱った、先生を叱った話からしても、「現場から110番」は絶対必要なことですので、その点が強調されればよいと思いました。
この表現の背景には、教職員の不祥事、私用のスマホを使ったわいせつ事案などを防ぐために、勤務中はスマホを持たないというふうなルールを決めている学校もあるということがあるのかもしれません。
しかし今は、民間の会社では業務用のスマホを社員に配るというのがほぼ広がってきています。学校でも一人一人の子供たちに端末を配っているという時代です。不祥事防止のためにスマホを持たせず、そのため緊急事態で子供への救命処置が遅れるというようなことがあっては、これは説明がつかないのではないかと思います。通知の内容も大切ですが、今後の体制整備の上で、緊急事態に備えて業務用の通信体制を整えるということも考えなければいけないと思います。
しかし現状においても、現場からの119番通報を徹底するなど、人が倒れたときにとにかくベストを尽くせるように、学校の様々な環境も含めて、それを整理し、充実させていくことが重要だという意見表明です。
【渡邉座長】 ありがとうございました。
ほかにこの件につきまして、御意見、御質問とかございますか。よろしいでしょうか。
では、ちょっと私のほうから意見ということで。御存じのように、中学校、高校の保健体育では、現在、今の指導要領では、AEDも含めた心肺蘇生法をやっているんです。ただ、今、大学に入っている学生は、その前の指導要領を受けていましたから、恐らくAEDも触れたことはないというような方たちも結構いるかと思いますので、これは割と緊急性があるのかなというふうに思いました。
これからは使ったことある人が増えてくるとは思うんですけれども、でもやはりそういう人であっても、教員養成課程でもう一度しっかりと誰もができると。これまでは保健体育の先生とか養護教諭しかできないというような、そのくらい、そういう状態でしたので、そうじゃなくてもできるというようなほうにぜひ進めていただきたいというふうに思いました。
よろしいでしょうか、この件につきましては。
それでは、もう一つのほう、「学校における安全点検要領」の周知等のほうについて、何か御意見とか御質問ございますでしょうか。平塚委員、お願いします。
【平塚委員】 平塚です。よろしくお願います。
学校安全点検要領の周知ということで、以前に北村先生とかが作成した動画等、非常に分かりやすく、ああいう視点でフィールドワークをされるんだろうなと思っています。それについては、今まで学校安全点検の大切な部分というか、そういうところを知らずにやってきた部分もあると思うんで、分かりやすい解説等は非常に役立つのかなというふうに思っています。
ただもう一つ、安全点検をする際のツールとして、エクセルを使用してなさるんでしょうか。それについては本校で先行的にやってはいるんですが、実際問題エクセルのスプレッドシートは非常に使いづらいというような部分があって、本校でグーグルホームに直してというか、本校でつくってやっていったりするんですが、その辺り研修会の中ではどこまでをやって、どのような形でやっていくのかというのをちょっとお聞きしたかったんですけれども。
【渡邉座長】 ただいまの御質問につきまして、これは文科省のほうでお答えいただければと思います。
【遠藤専門官】 研修会の中で、事例発表していただくことに一応予定をしてございまして、その中で、安全点検票の記録、それから集約等を簡潔にできると、そういうシステムを取り入れて、先ほど平塚先生がお話しいただいたグーグルホームを活用した、その辺も事例発表していただきながら、各自治体等にうまく周知、活用できるような働きかけを、機会を設けていきたいなというふうには思ってございます。
以上です。
【渡邉座長】 よろしいでしょうか、何か。
【平塚委員】 何かちょっと具体的なイメージだけ、分かりました。よろしくお願いします。
【渡邉座長】 ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。
それでは、予定された議事はここまでということになります。
議事の(3)なんですけど、その他ですが、委員の皆様、あるいは事務局より何かございますでしょうか。今日の議事のほかにですね。よろしいでしょうか。
それでは、議事はここまでとさせていただきます。重ねまして、本日は積極的な御議論に感謝いたします。
それでは、事務局から、次回の予定等について御説明をお願いします。
【遠藤専門官】 次回の開催につきましては、9月を予定してございます。詳細につきましては、追って事務局から連絡を差し上げたいと考えてございます。
以上でございます。
【渡邉座長】 ありがとうございました。予定よりもかなり早く進みましたけれど、これで第2回の学校安全の推進に関する有識者会議は終了させていただきます。
委員の皆様におかれましては、本日もありがとうございました。それでは、終了いたします。

―― 了 ――

 

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)