学校安全の推進に関する有識者会議(令和5年度)第4回 議事録

1.日時

令和6年2月27日(火曜日)10時00分~(最大2時間)

2.場所

Zoom利用によるWeb会議

3.議題

  1. 各ワーキンググループの検討状況について
  2. その他

4.議事録

【渡邉座長】予定の10時になりましたので、ただいまより第4回学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。座長の渡邉です。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
それでは最初に、事務局より本日の配付資料と出席委員の確認をお願いいたします。
【合田補佐】事務局の合田でございます。よろしくお願いいたします。
まず、配付資料の確認をお願いいたします。安全点検要領の関係で資料1から資料1-5までございます。また、学校事故対応に関する指針の関係で資料2-1から資料2-5までございます。また、資料3といたしまして、令和6年度の検討事項についての資料でございます。
あと、参考資料といたしまして1-1から1-4まで、本有識者会議及びワーキンググループに関する基礎資料を用意してございます。また、参考資料2といたしまして、前回第3回の有識者会議の主な意見をまとめた資料を用意してございます。
あわせて、委員の出欠状況の報告でございますけれども、本日は所用により、大木委員、神内委員におかれましては欠席と伺っております。なお、神内委員におかれましては、11時頃から出席の可能性ありと伺っております。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
配付資料に皆様、不備はございませんでしょうか。何かございましたら、Zoomの挙手機能で事務局のほうへお知らせください。
それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。本日の議事は、各ワーキンググループの検討状況と次年度の検討事項についてです。
では、1つ目の議事1、各ワーキンググループの検討状況の①になりますが、学校の安全点検等在り方検討につきまして、第3回親会議以降の検討の状況をワーキンググループ座長の小川先生のほうからお願いいたします。
【小川委員】学校の安全点検等の在り方検討ワーキンググループ座長の小川です。どうぞよろしくお願いいたします。
前回の親会議の意見を踏まえましてワーキンググループで検討し、今回、安全点検要領の最終案を取りまとめましたので御報告いたします。
私からは、資料の1-2、1-3を使って報告したいと思いますので、御準備よろしくお願いします。特に、前回会議からの修正点や前回説明できなかった点を、今回、資料1-2を使って御説明したいと思います。
では、8ページになります。前回の親会議でいただいた意見に、安全点検は子供の行動の特徴などから来る危険、それから、子供の命の危険に対してより重点を置くこととの意見を踏まえまして、基本的に、設備の劣化等の専門性を要する箇所は専門家へ依頼することとして、学校の役割として、日頃の学習や活動において事故発生の要因となるものがないか、それから、施設を日常的に使用する者として、施設や設備の異常や不具合を早期に発見することを追加で示しております。左側の赤字のところが、特に今回修正を加えたところであります。
次、10ページ、11ページをお願いします。整理整頓、不要なものの廃棄などについての御意見もいただきました。この御意見を踏まえまして、改善措置と計画的な環境整備について、11ページに新たに計画的な環境整備の在り方を示しております。整理整頓というのを示すためにこういう写真を加えております。
では次、13ページになります。安全点検の子供の行動の特徴などから来る危険、子供の命の危険に対して重点を置くことという御意見をいただきました。この御意見を踏まえまして、新たに、日常の安全点検の実施の考え方、この上のオレンジ色で囲んだ赤字の部分です。日常の安全点検の実施の考え方を3点に絞りまして整理し、子供の視点に立って点検することやそのポイントを示しております。
前回の意見でもありましたように、ポイントを3点に絞っております。①児童生徒等の行動の様子、②が物の移動などを含む状況の変化、③が機器設備等の劣化や損傷、特に授業等で頻繁に使用するものを中心に点検してほしいということです。簡単に言いますと、人の行動、そのときどきの状況、そして環境、この3点を中心に点検していただきたいということをここで明記しております。
次、14ページ目、同じく点検の対象を考える際にも、児童生徒等の多様な行動から起こる危険や日常の中で変化していく危険を把握することを明記しております。先ほどの3点と繰り返しになりますが、ここでも同様に明記しております。
次、33ページに飛びます。安全点検表になります。安全点検表は編集可能なデータで、集計表も自動で集計される形式で、学校の集計作業の負担軽減を考慮する形で提供します。安全点検等の記載の仕方や共同編集機能でもって、簡単にできることを記載しております。
次、34ページになります。ここは解説になります。安全点検の方法の解説では、点検の箇所ごとの留意点等を記載しています。多くの項目に子供たちの動き等に配慮した点検の視点を記載しております。
次、39ページになります。点検方法を説明する映像を入れました。一部紹介したいと思います。1つは窓点検、もう一つは壁や天井の点検ということになります。
では動画お願いします。
(動画上映)
【小川委員】ありがとうございます。次、もう一つお願いします。
(動画上映)
【小川委員】ありがとうございました。北村委員に御協力いただきまして、ポイントを絞って非常に分かりやすく解説をしていただきました。
では、次に行きます。前回の会議で御意見をいただきました、フードのついた服、ひもがついている服で遊具に引っかかってしまうという話があったと思いますが、57ページです。リュックサックだとかフードのついた服で、ひもがついていると、それで遊具に引っかかる事故の問題とか、それから、戻りますが43ページ、薬品の管理についても御意見いただきましたので、そのことについても言及しております。
それから、67から69ページ、取組事例として専門家との連携や教職員の負担軽減に関する参考となる取組を23事例掲載いたしました。各学校や設置者に参考としていただくという趣旨で掲載することにしました。
以上で、安全点検要領本体の説明は終わります。
次、資料1-3、リーフレットについて御説明をしたいと思います。
こちらは、啓発周知用として作成したリーフレットです。まずはこの安全点検要領に触れていただくことが第一歩として大切ですので、見て学んで実践し、事故防止につなげることをキーワードに、使用方法も含め、どんな内容があるのか、どんなことが学べて、情報を得て、どう点検に生かせるのかということを簡単にまとめております。
以上で、ワーキングでの検討内容について私からの報告は終わりたいと思います。
続けて文部科学省より、活用の在り方や周知等について御説明があります。遠藤専門官、よろしくお願いします。
【遠藤専門官】それでは、資料1-4になります。学校における安全点検要領ですが、案の段階で、映像等も含めて複数校に試行協力をいただきました。その学校からの意見、感想等をまとめたものでございます。資料にはございますが、若干ポイントを絞って御報告させていただきます。
まず、良さや活用しやすさという点で、安全定期の視点ですけれども、点検の映像も含めて、これまでやはり学校の安全点検というと、施設設備の劣化を見る点検というのをしてきたんだけれども、今回のこの視点をしっかり示したことで、子供の動きを踏まえるといったことを含めた事故防止の視点が大変分かりやすくてよいというふうな御意見等をいただいてございます。
また、安全点検表でございますけれども、行った学校では、例えば「窓」としか点検項目がなかったりということで、実際どういった観点で点検したらいいのかというふうなことが具体に書かれているところが非常によかったと。
それから、集計シートにおいてもデジタルで実際にやっていただきましたけれども、異常があった箇所、バツとか三角といった箇所が自動で色がつく形で管理職も簡単に確認できるところが、事務の軽減につながっているかなというふうな御意見をいただいております。
次の教職員の負担軽減でございます。今ほど話をした部分と関連しますが、点検表のデジタル化で、本来、ペーパーで点検表を作っていた部分で、集計作業についても効率化が図られるというふうな観点でありますとか、管理職の方々も点検結果の全体像がすごく把握しやすいというふうな御意見もいただいてございます。
それから、専門家の活用というところで、デジタル化をしたことで点検結果を教育委員会とも共有できるというふうな御意見もいただいてございます。さらに、共有できることで専門家へもつなぎやすい、専門家活用の事例も非常に参考になるというふうな御意見もいただいてございます。実際、試行いただいた学校さんのところには、設置者の教育委員会さんも御参加いただいたりというふうなことがございまして、そういった御意見もいただいてございます。
それから、安全教育の部分につきましても、子供たちの安全教育にも比較的生かせるというふうなところであるとか、安全教育とか一体的に進めることが重要ということで、それがきちっと示されているのが非常によいというふうなお話をいただいておりますし、また、この安全点検要領をぜひ校内研修でも活用したいというふうな御意見もいただいてございます。
また、課題、懸念点としまして、理解度、活用のしやすさと分けましたけれども、やはり点検表の中に見慣れない言葉、専門用語的な部分もございまして、そこをちょっとうまく案内することが必要ではないかというふうな御意見をいただいておりまして、その辺はちょっと改善した形で今回示させていただきました。
それから、日常点検の記載の部分も、どのタイミングで記載したらよいかというふうな御意見もいただいてございます。その辺につきましても、先ほどお見せしました記入の仕方、点検表の活用の仕方というふうなところで解説する形をしております。
活用全体に関することとしまして、今回、安全点検要領を各学校に使ってもらうことがやはり大事であって、これにうまくアクセスして使ってもらうということが重要なので、学校に理解してもらう研修というふうなものもやはり重要ではないのかというふうな御意見をいただいているところでございます。
以上が、試行協力いただいた学校からの意見についてまとめたものでございます。
次に、資料1-5になります。学校における安全点検要領の周知等についてでございます。
学校、また、学校の設置者の方々に理解、活用促進をしていただくために、今後、学校安全に関する各種会議のほうで説明、周知等を図っていきたいと思います。
加えまして、先ほども研修等の必要性についてお話がありましたけれども、学校の設置者向け、学校向けの研修会、これを国立、公立、私立問わず、研修の機会を設けていきたいなと思っています。
点検の視点を実際の場所を確認しながらフィールドワークをやってもらうというふうなところが非常に効果的でもありますので、そういった機会をちょっと持っていきたいなと思っております。どういったものを置いたりすると危険であるとか、そういう事故防止の観点で、先生方が見る視点を学ぶ研修会というふうなところで考えてございます。
また、資料の作成ということで、今回、リーフレットも作成はしたわけでございますが、この安全点検要領につきましては、文部科学省の学校安全ポータルサイトのほうで運用していきたいと思います。今後、更新のたびに学校等へしっかり広報して、活用いただくような形を考えてございます。
また、その他としまして、各教育委員会等が主催する研修の機会という中でも周知を図っていただけるように、働きかけを文部科学省のほうからもしていきたいと思ってございます。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ただいま安全点検要領、周知などについて御報告いただきましたけれども、この後、各委員の皆様から御意見あるいは御質問があれば受けたいと思います。いかがでしょうか。
桐淵委員、お願いいたします。
【桐淵委員】ありがとうございます。すごく分かりやすくて、児童生徒の行動について視点の中にきちんと入れていただいているのがすばらしいと思いました。御尽力に感謝いたします。
その上で意見です。安全点検表、ちょっと細かくてよく見きれていないのですが、この中に、自由記述で、教職員が子供たちを見ていて、子供の行動で危険な点がないかどうかを記入できる欄を設けていただけないでしょうか。
例えば、私は中学校で教員やっていましたけれども、もう40年以上前だと思います。「失神遊び」という非常に危険な遊びが流行ったことがあります。胸骨をトーンと押して失神させる。当時、医学的には解明されていなかったかもしれませんけれども、今では心臓震盪と言われる事案だと思います。あるタイミングで心臓に衝撃を与えると心臓が止まるケースがあるということで、野球でピッチャーライナーを受けたピッチャーが倒れて亡くなったという事例もあります。サッカーでもありますが、そういう危険な遊びが流行ったことがありました。
それから、前回の会議でも申し上げましたけれども、ランドセルを背負ったまま遊具で遊んでいて、引っかかって首が締まったという事例もある。
また、最近、埼玉県久喜市の保育園で、遊びで登る山にロープがついていて、そのロープに首が絡まって、助かったものの園長等が書類送検されたという朝日新聞埼玉面での一連の報道がありました。
安全点検表の中に、子供の行動でちょっと危ないなと先生のどなたかが気づいたらそれを書いて、学校の中で議論できる、危険な遊びが流行っていないか、危険なものが持ち込まれていないか、それから引っかかりそうな服装だとか、かばんを背負ったまま遊具で遊んでないかというふうなことが書き込める、先生たちの気づきを促すという欄があるとよいというのが意見です。
それに絡んで、私は首が挟まる事故というのは非常に心配なのですが、例えば14ページに、安全点検は児童生徒等の多様な行動から起こる危険等を把握することが重要ということで、これはすごくいい、とても重要な視点だと思いますが、この事例の中に、令和3年にJSC、スポーツ振興センターが出している「固定遊具の事故防止マニュアル」というマニュアルの中にある、「荷物を持ったり引っかかるものを身につけたりしたまま遊ばないよう指導する」という内容も、ここに加えていただけるとありがたい。
随所に、服装だとか、持ち物だとかということも触れていただいて、実際に起こっている事故の例を挙げながら、教職員が子供の行動を見るときの具体的なヒントがもうちょっと加わるとよいというのが意見です。
3点目に、18ページでしょうか、「家具」という言葉がありますが、これは学校内の設備、備品のことですよね。細かいことですが、検討していただければと思いました。
子供の行動を見る視点で具体的な事例をもうちょっと増やしていって、安全点検表の中にその気づきが書き込めるようなシステムにするとよいと思いました。
【渡邉座長】ありがとうございました。御意見を賜りましたけれども、これに対して何かございますか。
【小川委員】大変重要なポイントを御指摘いただきまして、ありがとうございます。ごもっともだなと思いました。
今回の点検要領に盛り込めるかどうかは事務局に御相談したいと思います。特に点検表の中に自由記述の欄を作る、それから、可能な限り事例を入れていくということで、その点については事務局に検討をお願いしたいと思います。
あと、家具についても事務局に検討をお願いしたいと思います。
先生のお話をお伺いしながら私も感じたんですけれども、子供の多様な行動が原因となるということですが、その多様な行動ってどういうものがあるのかということが、私どもはまだこの段階で分からなかったものですから、行動のチェック表までは作ることができませんでした。どういう危険な行動が事故と結びつくのかについては、少し網羅的に調査をしたほうがいいのかなと思いました。今ある事例の中で分かること、あるいは現場へ行ってインタビュー調査とかを踏まえて、いろんな形で、一度網羅的に調査をしたほうがいいのかなと。子供が身に付けているもので起きるとか、子供の遊びの中で起きるとか、幾つか分類ができると思うんです。分類ができると、今度は先生方の見る視点が定まってくると思うので、少し網羅的な調査をしたほうがいいのかなと思いました。また文科省の担当の方と相談していきたいと思います。
【桐淵委員】ありがとうございます。
冷静に考えてみて、単純に施設、設備だけが原因で事故が起きることは、実は少ないのではないかと思います。そこで人間である子供がどう関わったかで起きているケースが多いと思うので、今、先生がおっしゃったとおり、すごく大事な視点を今回入れていただきましたので、今後調査していくということもすごく大事だと思います。
【小川委員】ありがとうございました。
遠藤専門官はいかがですか。
【遠藤専門官】桐淵先生、ありがとうございました。
先生方の、子供たちの危険な行動というか、いわゆるヒヤリ・ハットといいますか、そういったところを今回もしっかり収集して、学校の中できちっと共有をして、しっかり事故防止に生かすということが、この点検要領の一つの肝になっている部分だと思います。
今回、そのヒヤリ・ハットの事例を収集、記録をする用紙も、シートも併せて提示したいと思って準備をしておりましたので、その辺も、あとうまくリンクを貼って、学校によっては、記録用紙への記載だけじゃなくて例えばGoogleフォームでやったりとか、うまく学校のほうで活用できるような形でお示ししたいなというふうに思ってございました。
あと、先生からいただきましたそのほかの事故の事例についても、今回、重大事故をきちっと教訓として、しっかり事故防止に生かすというふうなことが大きな狙いでもございますので、その辺ちょっと加筆等、全体構成を見ながら最終整理していきたいなと思ってございました。
あと、小川先生からもお話しいただいた、事故の、子供の行動のチェックに関する内容については、一番最後の議事の部分でもちょっとお話をする予定ではございましたけれども、来年度、事故のデータをちょっと分析してというふうな取組もございますので、そういったところとうまく連動しながら、先生方の御意見をいただきながら、学校にお示しできる形で考えていきたい、検討していきたいなと思ってございました。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
首藤委員、挙手されておりますので、よろしくお願いいたします。
【首藤委員】社会安全研究所の首藤です。御説明ありがとうございました。私も桐淵先生と同じように、すごくいいものができたなと思って、皆様の御努力、御尽力に感謝したいなと思っております。
今後は、このいいものをいかに普及していくかとか、さらに内容を充実していくかということが大きなポイントになるかなというふうに思っておりまして、例えば、今回ほぼ完成された安全点検要領、多分パワーポイントのスライドだと思いますけれども、112ページもありまして、これを全部頭から読みなさいというのは結構苦しいよなということ。さらに、先ほど来出ていますように、事例を実際に追加するというのは私もすごくいい案だと思いまして、実際の事例を見ることで学校の先生方は実感を持って、安全点検の大切さとか、どういったポイントが大事なのかということをすごく感じることができると思うんですけれども、そういうものを増やせば増やすほど量が多くなっていくというジレンマを抱えることになるなというのが、ちょっと心配な事項だと思っております。
ただ、これはポータルサイトで、インターネット上で公開されるということなので、ネット上であれば、例えばこのページからここへリンクを貼って飛ぶとか、いろんな工夫ができると思うんです。ですので、まず最初は今あるPDFの形で、サイトに上げられるだけでもいいですけれども、もっとインターネットの機能を上手に使って、見やすいとか、必要なものにすぐ飛べるですとか、あるいは概略を見ようと思えば概略が見られるとか、そういった工夫をしていただくと、よりいいのかなというふうに思いました。
今後さらに発展する可能性をすごく秘めている、いい点検要領ができたなと思って、今後ぜひ活用できるようにと思っております。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。
【遠藤専門官】渡邉座長、よろしいでしょうか。
【渡邉座長】どうぞ。
【遠藤専門官】首藤委員、ありがとうございました。
この点検要領ですけれども、今画面に出ております。今回お示ししました資料につきましては、資料全体版として印刷して使えるものではありますけれども、基本的には全てホームページで運用できるような形で、これからホームページを作成していく段取りを、ステップを踏んでいきたいと思ってございまして、それぞれの各項目をこのように分けてございますので、本当に必要な情報をピンポイントに学べるような形で今回作成をしていきたいなというふうに思ってございます。そういったところで、今回、安全点検要領を作成しているところでございます。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ほかには皆さん、御意見ございますか。
平塚委員、お願いします。
【平塚委員】ありがとうございます。私も実際使ってみた感想も含めてですが、本当にすばらしいというか、いいものができたなと思っております。
特に、これまで安全点検は紙ベースでやっていた部分をデジタル化することによって、いち早く集約したりできるなど、そういった点で非常にいいのではないかと思っています。
先ほど首藤委員からもお話があったように、どう普及するかということが大事ですし、学校の中で使ってもらって、それがシステム化していかないと持続可能な取組にはならないと思いますので、例えば研修会で実際に手に取って触ってもらって、その便利さに気づいてもらうというような、そういう研修会の持ち方を考えていかなければいけないのかなと思っています。
それから、実際の安全点検シートはエクセルを使用しているのですが、本来であればGoogleフォーム等を使ったほうがより簡単に、集約も楽なのかなと思うのですが、何かいろいろメーカーとのこともあって、公開には難しいという話をいただいていました。その辺は各校の事例という形で下ろしていく必要があるのかなと思っていますし、これを土台にして、さらに使いやすいものというか、ブラッシュアップを各校でしてもらうということも必要になってくるのかなと思っています。
ありがとうございました。以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ただいま入力フォームの話が出ましたけれど、これについてはよろしいですか、特に文科省のほうからは。
【遠藤専門官】平塚委員、ありがとうございました。
今回、文部科学省のほうでは、エクセルというふうな形で、本当に基本的な部分で、うまく自動集計できてというふうなところを出させていただきますけれども、事例の中でも、例えばGoogleフォーム等を活用してやっている事例も今回入れさせていただきまして、お話を聞くと、先生方の事務の軽減が大分図られているというふうなところもございましたので、そういったところも、今後も各学校の活用事例等もこの要領の中に事例として追加して、各学校、設置者等にお役立てていただきたいなというふうに思ってございます。ありがとうございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ほかには御意見ございませんか。よろしいでしょうか。それでは、この第4回の会議が最終になりますので、ワーキンググループの座長をされました小川先生から一言お願いいたします。
【小川委員】貴重な御意見を皆様からいただきましたおかげで、ここまで持っていくことができました。点検の大切さということはすごく分かりますし、子供の命を守るために大切で必要なことだとは思っておりますが、先ほどの皆様方の御意見の中にありましたように、負担感という問題があったり、現場の先生方の意識の差というのが、やはり一つ普及のネックになるのかなと思っています。この問題をどう乗り越えていくのかというのは今後大きな課題だし、研修会で周知といっても、どういうふうな研修会を展開すれば、この負担感や意識の差がなくなっていくのかということも今後検討する必要があるかなと思います。
もう1点は、気づいて分かってきたんですけれども、私たちは安全管理と安全教育は両輪だと言っていますが、どうしても管理面が強くなってしまって、教育のほうが何か管理にくっついているような感じで、より負担感を増しているような感じがします。学校の先生方は教育をすることが仕事だと思っておられるので、教育にもう少し重点を置けるような展開の仕方はできないのかなと。教育に興味を持ってもらえれば、管理という負担感もなくなってくるし、管理のやり方もいろいろ工夫ができるかなと思うので、もう少し管理と教育がどう両輪として機能しているのかということを、どうつながっているのかということを示していく必要があります。
教育に興味を持ってもらえれば、安全教育はすごく興味深いし、楽しいし、管理の部分も、もう少し質が上がっていくのかなと思います。先ほど桐淵委員がおっしゃったように、子供の行動というところにも目が行くかもしれないですし、子供たち自身の安全に関する資質能力の育成にもつながっていくかなと思うので、もう少し教育というものにどうつながっていくのかということを、私たちは今後検討する必要があると思いました。
以上です。ありがとうございました。
【渡邉座長】ありがとうございました。
これまでも安全点検については、いろいろ議論されたことがあったんですけれども、ここまで具体的に示されたのは今回初めてですし、また、この周知のことまでいろいろ話し合っていただいたのは非常によかったかと思います。今後、これが普及することを願っております。
本日の意見を踏まえまして、公開に向けて準備、周知を進めていただきたいと思います。
それでは、次の議事に入りたいと思います。②ですけれども、学校事故対応に関する指針の見直しについて、これは事務局から御説明をお願いいたします。
【合田補佐】事務局でございます。資料2-1から2-5を御用意いただければと思います。前回の有識者会議の後の対応と、また、今後の周知等について御説明をいたします。
前回の会議の後、1か月間パブリックコメントを実施いたしました。ですので、今回主にパブリックコメントなどを踏まえて修正した点を中心に御説明させていただければと思います。資料2-2をベースに説明させていただければと思います。
もともとの資料は溶け込み版で用意しておりますけれども、投影するものにつきましては、見え消しのものを投影させていただきますので、適宜そちらを見ながら確認いただければと思います。
まず、3ページでございます。本指針の目的・対象・構成のところでございますけれども、対象のところで、「本指針の対象とする「事故」は、原則として、学校の管理下(本指針においては登下校中に発生した事故もその対象に含むものとする)で発生した事故とする」と少し表現を変えさせていただいております。こちらはもともと、「登下校中を含めた学校の管理下」という表現をしておったんですけれども、こちらにつきまして、登下校中の事故について全て学校に責任が生じるかのようにも読めるので、そこの記載を改めてほしいといった指摘がございまして、そこについて修正をしたものでございます。
あわせまして、こちらにつきましてはQ&Aのほうでもその解釈について補足する説明を記載したところでございます。資料2-3の一番最初に新しいQ&Aを一つ追加したところでございます。
続きまして、12ページでございます。事故発生に備えた事前の取組の中で、(2)保護者や地域住民、関係機関等との連携・協働体制の整備というところでございます。ここの学校の2つ目の丸のところで、団体と意図的・意識的に連携をする事例を幾つかポツで挙げておるんですけれども、そこの一番下に、「その他学校現場と関係を有する者・団体」といったものを1つ追記してございます。こちらにつきましては、スクールカウンセラーやスクールロイヤーなどとの関係も重要といった指摘を踏まえて追記をしたものでございます。
なお、各学校においては、いろいろな団体との関わりもあると思いますので、あえて狭めずに、ちょっと幅広に読める形で追記をしたものでございます。
次、12ページの一番下のところでございます。ここの文脈の中で、学校の設置者と都道府県等担当課のところで一つ丸を追加してございます。「事故の未然防止や事故発生時の対応(調査実施の判断や調査の実施を含む)に備える観点から、日頃から学校安全に知見を有する者(第三者)との関係を構築することも有効である」というのを追記してございます。
こちらにつきましては、調査実施の判断等のために日頃から第三者との関係づくりが重要であるといった指摘がありましたので、それについて追記をしたものでございます。
続いて14ページでございます。4、事故発生後の対応の流れのところですけれども、一番最後のところで、なお書き以下でございます。「なお、事故発生後の対応が滞ることのないよう、各学校は必要に応じ、学校の設置者や都道府県等担当課に対応について相談することも考えられる。また、学校の設置者や都道府県等担当課は、状況に応じ、国や学校安全に知見を有する第三者に助言を求めつつ、学校の対応を支援することも考えられる」と追記しております。
こちらにつきましては、事故後の対応が滞ることのないように第三者の関わりが必要であるといった指摘を踏まえまして追記をしたものでございます。
次、同じページ、4-1の(1)事故発生直後の取組の応急手当の実施のところでございます。最初の丸のところで、下2行追加してございます。「学校内での情報共有等も大事であるが、まずは被害児童生徒等の応急手当を最優先で行うことに十分留意することが必要である」と追記しております。
こちらにつきましては、現場は、保護者への連絡や管理職等への報告をどうしても優先してしまう傾向にあるため、応急手当の重要性を強調する必要があるのではないかといった指摘がございまして、その旨を踏まえた追記をしております。
次、少し飛びまして39ページです。7、被害児童生徒等の保護者への支援のところでございます。こちらの最初のところで、「学校教育は、学校が安全で安心して学べる環境であるという前提の下で行われている」というのを追記しております。また、その後の文章ですけれども、「被害児童生徒等の保護者への支援に当たっては、その前提に立ち返り」ということを追記しておりますのと、「学校及び学校の設置者が組織的に」、あと「丁寧かつ誠実に対応していく必要がある」といったことを、「丁寧かつ誠実に」というところを追記しております。
こちらにつきましては、被害児童生徒等の保護者への支援がなぜ重要なのかということについて理解を深める観点から、保護者は学校を信頼しているという前提を強調する必要があるという指摘がございまして、それを踏まえて修正をしているものでございます。
続きまして、42ページ、ちょっと41ページから続いていくところでございますけれども、先ほどの被害児童生徒等の保護者への支援の中で、(2)児童生徒等の心のケアの学校の部分で、42ページのところですけれども、1つ追加しております。「関係する保護者等への適切な情報提供にも留意するこが必要である」ということを記載しております。
こちらにつきましては、被害児童以外の児童生徒等や、その保護者に対するケアなども適切に行われるべきといった指摘がございまして、その点を強調するように追記をしております。
パブリックコメントを踏まえた修正点は以上となります。
なお、パブリックメント全体の意見につきましては、資料2-4でまとめております。パブコメ自体は12月26日から今年の1月26日まで実施をいたしまして、総意見数は27件でございました。いただいた意見はこちらでまとめておりますので、これは御参考までに御覧いただければと思います。こちらの中でも反映できる部分につきましては、2-2のほうに反映したところでございます。
続いて、今後の周知等についてでございます。資料2-5を御覧ください。
先ほどの安全点検要領とかぶってくる面もございますけれども、やはり周知が非常に重要であるということでございまして、文科省では、学校及びで学校設置者等の理解及び活用促進を図るために、学校安全に関する各種会議のほか、以下の取組により周知を図っていく予定としております。
1つ目は、学校の設置者及び学校向けの研修会ということで、参集またはオンライン等で、期日は未定ですけれども開催をしていきたいと思っております。
また2つ目、周知用資料の作成ということで、学校向け、学校の設置者向けの周知用の映像等の作成、また、学校安全ポータルサイトにおいて、項目別に活用できる形式にリニューアルするといったことを考えております。
また3つ目、その他といたしまして、各教育委員会等が主催する研修機会での理解、活用促進に係る周知を図っていきたいと思っております。管理職や安全担当向け研修にも、理解及び活用促進を図るための内容を組み入れてもらうことを文科省から周知していきたいと思っております。
説明は以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ただいま、パブリックコメントの対応も含めてお話ししていただきましたけれども、委員の皆様からは、ただいまの案につきまして御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょう。
首藤委員、お願いします。
【首藤委員】社会安全研究所の首藤です。御説明ありがとうございました。こちらも事故対応指針がしっかりと見直しができてよかったなというふうに安堵しております。
今回特に、学校設置者の役割というのをすごく明確にしっかりと書いたということが大きな特徴かなというふうに思っております。やっぱり事故対応については、学校現場ももちろんですけれども、設置者がいかにしっかりとやるかということがとても大事だと思いますので、今後の普及啓発に当たっても、ぜひ設置者向けの普及、周知をしっかり力を入れていただきたいと思います。
それに際しては、設置者の方ももちろんお忙しいとは思いますけれども、学校現場と比べるとまだ、こういった研修とかにお出になることが比較的やりやすいのかなとも思いますので、もちろんオンラインもいいですけれども、できるだけ集合型の研修にしていただいたりして、事故対応がどれだけ大事なのか、設置者としての役割がどれだけ重要なのかということがしっかり伝わるようにしていただけるといいかなと思いました。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
先ほど木間委員、御発言されましたよね。お願いします。
【木間委員】挙手機能を押せなくてすみませんでした。
事故対応に関する指針、ありがとうございました。私も現場として読ませてもらって、概要版を中心に読んだんですけれども、とてもよくまとめられていて、どういう手順で学校事故に対応していくのかということが分かるのではないかなというふうに思いました。
ただ、やっぱり現場としては、これってフローチャート化できないのかなというところをちょっと、長いので難しいと思うんですけれども、1画面で、こういう手順で事故が起こったときに対応できるとやってくれると、教員たちにも理解が。校長たち管理職はこれをしっかり読まなければいけないとは思うんですけれども、教員たちにはやはり、これをしっかりと読んで共有しようというのはなかなか難しい面があるので、そういうものも作っていただけるとありがたいかなというふうにも考えたところです。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。このことにつきまして、文科省のほうはよろしいですか。
【合田補佐】お答えします。参考資料のところで、例えば45ページで事故発生後の対応の流れの概要の図ですとか、あるいは47ページ、緊急時対応に関する事前の体制整備の中で、事故等の対処、緊急及び緊急連絡体制の一例といったようなものは御用意しておりますので、ちょっとこういったものも活用しながら周知を図っていくというのも重要かなと思っております。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】ありがとうございました。私は、桐田明日香ちゃんの事故以降、AED財団でその研究、普及活動を続けています。
今回、応急手当に関する内容が非常によく整理されて、要するに、救急隊を待っていては間に合わないということがもうはっきりしていますので、そこでやってほしいこと、管理職への報告よりもその場でやるということもはっきり出て、これは非常にすばらしいと思います。感謝いたします。
1つ確認ですが、今、部活動を地域にアウトソーシングしていくという動きになっていますよね。そういう場合に、この指針、1つは、学校外のそういうところで起きた、部活動を外に出したときの事故の対応についての考え方がどうなっているのか、またもう1つは、部活動の指導者に対する研修といいますか、実際そこで事故が起きるわけで、特に、突然死などは運動部活動の場面で起こっているケースがすごく多いので、教員ではない外部の指導者にこの研修の輪を広げていくという必要性も出てくるのではないかと思います。その点についてはどうなっているのでしょうか。管理の考え方と、それから広げていくという取組について、お願いします。
【渡邉座長】御質問が出ましたので、これは文部科学省のほうでお答えいただけますか。
【合田補佐】地域移行のところはスポーツ庁ともやり取りはさせていただいておりますけれども、完全に移行する場合であると、当然学校の外になってきますので、ちょっと別の話になってくるんですけれども、その際も、事故の防止につながるように保険の加入ですとかいったことも含めて体制を整えていただくように、今、スポーツ庁とも連携して周知を図っていくということかと思っております。
【桐淵委員】続けてすみません。
【渡邉座長】どうぞ。
【桐淵委員】私、何年か前に佐賀県の教育委員会にお招きいただいて、ASUKAモデルの講演、研修会をやってきましたが、「運動部活動指導者研修会」という研修会があります。これは教員だけでなく、運動部活動を指導している地域のボランティアの方たちも含めた指導者の研修会で、突然の心停止、突然死を防ぐための処置ということで勉強してもらいました。
今後、関係を整理する中で、現実として、運動部活動中に突然の心停止のリスクが高いということはもうはっきりしていますので、そのときに周りにいた大人だけではなくて、生徒もどういう行動ができるかというのは非常に大きいので、その研修の輪をどうやって広げていくかもぜひ取り上げていただけるとありがたいです。
【渡邉座長】ありがとうございました。今、桐淵委員のおっしゃったことと関係することですけれども、スポーツ庁がスポーツ事故防止の研修を全国でやっていますので、そういうところでも取り上げているはずですので、いろいろ情報が広まっていくといいかなと思っています。
【桐淵委員】ありがとうございます。
【渡邉座長】ほかには御意見ございますか。よろしいでしょうか。それでは、こちらのほうも今回が最後ということになりますので、ワーキングの座長をされました藤田先生に一言お願いしたいと思います。
【藤田委員】大阪教育大学の藤田です。学校事故対応に関する指針の見直しのワーキングを担当させていただきまして、委員の皆様方には大変活発な御意見、また、多面的な、多様的な御意見をいただき、今回その取りまとめができ、公示することに至ったことを大変喜ばしく思っております。また、御協力に対し深く感謝申し上げます。
先ほどの安全点検等の関係もあるわけですが、いわゆる学校の管理下において、子供たちの死亡事項を限りなくゼロに向けて対策を講じていくというのが国の方針になっておりますが、こういった中で安全点検、安全教育、これをさらにまた、地域の方々を含めた組織活動を含めながら、より安全で安心な学校づくりをしていく、もしそういった中で事故災害が起こったときに、いわゆる先ほどの、今回見直しもありましたが、被害を受けた子供たち、家庭、また、その関係者を含めていかに手厚く対応していくのかという指針に今回まとめられたということで、今後の学校事故の対応に当たっての設置者責務、また、国の参画というものが明記されたということで、今後、現場におかれましても、さらにこの学校事故対応がスムーズに、また、誤解がないように対応が進められていくのではないかというふうに期待をしております。
学校管理下で事故災害が発生した際には、現場において大変混乱が発生いたしますし、また、教職員に対する負担、また、当然被害を受けられた方はもちろんですが、その関係者全てに対しての負担を軽減していくという観点で、やはり事前の準備としての情報の共有というのが重要かと思っております。今回、この事故対応指針の見直しを通じて、これからのより安全な学校環境を構築していく指針が示されたものというふうに理解をしております。
ぜひ国におかれましても、この事故対応指針をさらに普及、進めていただきまして、より安全で安心な学校づくりの旗振り役を務めていただけますようお願いしたいと思っております。
最後となりますが、特に事故対応指針のワーキングに参加いただいた先生方に改めて感謝の言葉を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
【渡邉座長】ありがとうございました。
今日の議論も含めまして、公開に向けて準備、周知を進めていただきたいと思います。
なお、今日の議論、2つのワーキングの議論の取りまとめに関しましては、座長と文科省のほうに御一任いただければと思います。
それでは、次の議事に入りたいと思います。次年度の検討事項ということになりますが、これにつきまして事務局のほうから御説明お願いします。
【合田補佐】お手元、資料3を御用意いただければと思います。当有識者会議における次年度の検討事項について御説明させていただければと思います。
資料3の1ページを御覧いただければと思いますけれども、来年度につきましては、学校安全の推進に関する有識者会議、本会議、親会の下に、学校安全を推進する組織体制の在り方検討ワーキンググループを設置して、そちらについて深掘りをする議論をしたいと考えております。
2ポツの検討の進め方で書いてございますけれども、もともと第3次計画期間中に以下6点、ここに書いてある6点について、本会議の検討テーマとするとなっておりました。このうち、学校事故対応の指針と安全点検の在り方につきましては今年度検討いたしましたので、検討済みになりますけれども、残っている4点につきまして、この中で、学校事故防止に向けたデータの活用と施策の検証、また、学校における安全教育の取組のさらなる充実につきましては、テーマの性質上、継続的に議論をするということで、親会中心に継続的に議論をしていきたいと考えております。
さらに、先ほど申し上げましたとおり、組織体制の在り方についてはワーキンググループを設置して、深掘りして検討をしたいと考えております。
来年度、組織体制の在り方の検討をした後に、恐らく次々年度かと思いますけれども、危機管理マニュアル等の見直し・実効性を高める方策についてはその後やっていくといった流れを考えております。
2ページ目以降につきましては、学校安全を推進するための組織体制の在り方について、これまで出てきた方向性を簡単に整理しているところでございます。
まず、第3次計画の中で、学校安全に関する組織的取組の推進ということで、学校における人的体制の整備の中で、学校安全の中核を担う教職員が配置されるよう、制度上の位置づけを含めた具体的な検討をするといったことですとか、その他、関係者の研修ですとか、教員養成における学校安全の学習の充実といったことも出されていたというところがございます。
次のページでございます。もう一つ大きな視点といたしまして、家庭、地域、関係機関との連携・協働による学校安全の推進という項目の中で、例えば、地域学校安全委員会や学校警察連絡協議会の設置・活用、また、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動などの学校と地域の連携、協働の仕組みを活用するといったようなことも項目としては取り上げられているところでございまして、こういったものも組織体制の在り方の中でどういうふうに活用していくのか、地域ぐるみでの学校安全の取組を行っていくことのために必要なことは何かといったことについても検討していきたいと考えております。
最後、3ページのところは、令和4年の会議におきましても幾つか、組織体制の関係で関連の発言をいただいているところでございます。こういったものが既に検討すべき内容としては挙げられているということの中で、次年度さらに深掘りした検討をしていきたいと思っているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いします。
【渡邉座長】ありがとうございました。次年度の検討事項について御説明をいただきました。
特に、学校安全を推進する組織体制の在り方検討を取り上げていくということなんですけれども、各委員の皆様から、来年度の検討について何か御意見がありましたらお願いいたします。特に重要なポイント、こういう点について議論していただきたいとか、そういうようなことがありましたら、ぜひ御意見をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
桐淵委員、お願いします。
【桐淵委員】度々ありがとうございます。
1つは、これは意見ですが、今の資料の2ページ、第3次計画の(6)に、前も申し上げたかもしれませんが、「一次救命措置」という用語があります。これは普通「処置」と表現しています。BLS、ベーシック・ライフ・サポートは一次救命処置という表現をしますので、運用上はぜひその言葉を使っていただけるとありがたい。「措置」は恐らく広い概念で使っていると思いますが、一般には使われていません。
「処置」には、病気やけがの手当てという意味が語釈としてありますが、「措置」にはその意味がないので、運用上はぜひ、「処置」を使っていただけるとありがたいということが意見です。
もう一つは、今、報道に上がっていますけれども、給食のうずらの卵を喉に詰まらせて亡くなったお子さんがいるというニュースが出ています。もちろん未然防止のために危険を除去するということもありますが、もし万一、気道異物によって窒息を起こしているというときに、教員は適切に対応できるか、それを把握する必要があると思います。
「一次救命処置」の中には心肺蘇生(胸骨圧迫、人工呼吸)とAED、気道異物除去も入っています。それが現在の定義で、一般市民ができる一次救命処置の内容です。
要するに、全国の学校の先生たちが応急手当の研修を受けている、その内容がどうなっているのかという把握はできるのかどうか、調査は来年度以降になるかもしれませんが、万一の事故防止のための、私が今言っているのは応急手当に関してですけれども、先生たちがどんなことを学んでいるのかという調査が可能かどうかも検討していただけるとありがたいです。事故の実態プラス、事故に対応する能力の研修状況といいますか。
今後も、何か食べ物を詰まらせるという、特別支援学校などでも結構頻度が高くありますので、その対応について先生たちがどう勉強しているのかというふうなことを把握することも大事ではないかと思いました。
【渡邉座長】ただいま御質問が1つございましたけれども、これについて文部科学省のほうから何かございますか。
【合田補佐】教育内容の調査のところにつきまして、隔年で実施している取組状況調査なども、どのように活用できるかといったことも含めて検討していきたいなというふうに思います。
【渡邉座長】ありがとうございました。
【桐淵委員】この取組状況調査というのは、今、隔年ですか、3年に1回ですか。
【合田補佐】これは隔年です。
【桐淵委員】隔年で。
【合田補佐】はい。
【桐淵委員】この調査ではそこまで細かくはないですよね。応急手当に関しては、以前は、全教職員を対象にしてやっているか、AEDを含むという条件はついていましたが、気道異物除去法については調べていないと思います。さっき言ったように、喉に詰まらせる事例も実際は起こっているわけで、研修内容がどこまでできているかというのを、もうちょっと細かく、応急手当に関しては直接命に関わりますので、そこに反映することは可能でしょうか。意見です。
【合田補佐】ちょっとどういった形が可能かについては、検討させていただければと思います。
【桐淵委員】ぜひお願いします。実際起こっている事例に対しては反応する必要があると私は思います。
【渡邉座長】それでは、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤です。
学校安全を推進するための組織体制の在り方についてというふうに表現されると、何となく、すごく大きな漠然としたテーマかなというふうにちょっと感じていたんですけれども、先ほどもありました第3次計画の関連記述のところを拝見して、大きく2つの視点があるなというふうに思いました。
1つは、現場の教職員への研修とか訓練とか、あるいは大学の教員養成課程での教育の内容とか、個々人の能力をいかに上げていくかという観点で、もう一つは、今示していただいている(4)の上のほうですけれども、そういった学校安全に関わる人々が、学校の組織の中でどういうふうに位置づけられるのかというような組織の体制、まさに体制の話というふうに、大きく2つのポイントがあるかなというふうに思いました。
前者の個別の人々の能力の向上とか、知識やスキルの向上という意味では、先ほど桐淵委員もおっしゃられましたけれども、実際にどんな研修がなされているのか、大学でどんな教育がなされているのかという実態を把握することがまず第一かなというふうに思います。私も過去に教員養成大学でどういったことを教えられているのかというのを調べることを一度やったことがあるので、すごく手間がかかって大変だということは分かるんですが、やっぱり実態把握なくして今の課題と今後の在り方というのは検討ができないので、ぜひちょっと努力をしていただいて、現実どうなっているのかということをまず、検討の素材としてお示しいただく必要があるかなというふうに思います。
もう一つの、組織の中でどういう位置づけに学校安全を担う方々をしていくかというのは、先ほどもお示しいただいた過去の意見の中にもあったかと思いますが、やはり学校安全主任みたいな形で、残念ながらまだ、第3次計画でも中核を担う教職員という表現でしかないんですけれども、もうちょっと役割とか位置づけとかをしっかりと明確にして、学校安全に関わる人が、必ず重要な立場に各学校園にいるということ、そして、それをやっている方々が、それを誇りを持って周りに認められながら日々お仕事できるような仕組みをつくっていただきたい。そのために、今ネックになっていることは何で、それを解決するのはどうしたらいいのかという議論ができるようになればいいかなというふうに思います。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、藤田委員、お願いします。
【藤田委員】ありがとうございます。大阪教育大学の藤田です。
先ほど桐淵委員からも御指摘ありましたが、学校安全等の授業の中で、実は本学、大阪教育大学では、教員免許を取得する学生は普通救命講習の修了を認定されていないと免許を発行しないという形で運用しているわけですが、ただ、その際には当然、学生の指導に当たって、応急手当普及員等の整備が重要になってくると。
そういった中で、一般校におきましても、令和元年から再課程認定を国のほうで行っていただきまして、学校安全に関する項目が、いわゆる教員免許法上、必修項目として位置づけていただいているわけですが、改めてそういった中で、このAEDを使った普通救命講習とかエピペンであったりとか、そういった活動を進めていくに当たって、多分、外部講師等を含む場合は予算との兼ね合いも出てくるのではないかというふうにも思いますので、その辺り、今後の可能性としてどこまで広げることが可能なのかというのがすごく重要なポイントになってくるんじゃないかというふうに感じましたので、発言させていただきました。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ほかには何かございませんか。まだ少し時間がありますので、御意見あれば。
では、山中委員、お願いします。
【山中委員】小児科医の山中です。
今回、安全のためのいろんな体制をということなんですけれども、大本はやはり、現場で起こっている事故の情報をきちっと収集して、それを分析して評価をして、そして対策を考えると、これが必要だと思うんですが、現時点では、日本スポーツ振興センターで年間に全部で災害共済給付は80万件以上、その9割はけがですので、70万件ぐらいのけがが起こっているものの分析を行って、それを対策に結びつけるようなシステムがまだ確立していないのではないかと思っているんです。
ですから、安全をいろいろ考える大本の資料をうまく活用するような、何かそういう流れをぜひつくっていくのが、やはり安全を考える基本といいますか、スタート地点ではないかと思うので。あまり今までJSCのデータをうまく利用して、それを結びつけるような活用がまだシステムになっていないような気がしますので、その辺りもちょっと、大本になりますけれども、システムのことをそろそろ検討してもよろしいのではないかというのでお話ししました。
ちょっと、皆さんが見ていらっしゃることと要点が違うかもしれないんですけれども、もう少しJSCのデータについて検討することがあってもよいかなというふうに考えております。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
今のお話の内容は、データの活用のところと関係すると思うんですけれども、これについて文科省のほうからは何かございますか。
【合田補佐】おっしゃるとおりでございまして、こちらの検討のテーマの中で、学校事故予防に向けたデータの活用と施策の検証についても来年度のテーマの一つに入ってくるかと思いますので、その中で主に議論していこうかなというふうに思っております。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは次に、平塚委員、お願いします。
【平塚委員】ありがとうございます。先ほどお示しいただいた中の組織体制の在り方についての2、家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全の推進、そちらの下のほうに、「コミュニティ・スクールや地域学校協働活動などの学校と地域の連携・協働の仕組みを活用」というところがあります。本校でも実は、藤田先生の大学でやっていらっしゃるSPS、セーフティプロモーションスクール、今年で取組としては5年目になります。本校は、宮城の中でも最大被災地、石巻にある学校で、東日本大震災のときに非常に被害の大きい学校でした。防災、災害安全中心の活動にはなるのですが、その中で、安全の当事者としての生徒を育てていくという視点と、地域ぐるみと、いわゆる地域を巻き込んで安全をつくっていくという視点で、特にコミュニティ・スクールを活用した取組をしているところです。
先ほど藤田先生からもお話があったように、地域ぐるみという視点は、今後すごく大事になっていくと思いますし、その具体的な取組ということで、例えば避難訓練等は、なかなか外部から評価をしてもらうという機会がないと思うのですが、それをコミュニティ・スクールの委員の方を活用して評価をしてもらい、防災の取組等についても外部の視点を取り入れながらブラッシュアップしていく、外部の人も巻き込んで一緒に防災について考えていくことが大事だと思います。例えば本校で実施している防災マップ作りであるとか、市の総合防災訓練で地域と連携した取組等を行うなど、そういったことを今後も進めていく方向で考えていく必要があるのかと、今、話を聞いていて思いました。
今後も現場の視点で、進めていければと思っています。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ただいまの取組は、文科省による専門性支援の取組ともつながっているかなと思います。
それでは次に、北村委員、お願いします。
【北村委員】北村です。
2つちょっと私は申し上げたいなと思うんですけれども、1つは、今回、学校内での人的体制とかについてという議題が上がっていますけれども、学校内の人材の組織ももちろん大事なんですが、それだけではなかなかできないこともたくさんあるので、外部人材をどう、そこと連携していくかとか、今の時点で外部人材も十分いるとは思えないので、どうつくっていくかということも大事かなと思っています。
今回のまとめの中でも、幾つかそういう外部人材を活用した例なんかも載っていますけれども、あれだけ見ても、多分学校現場がすぐ動いて、自分のところもそういう体制をつくるということは難しいと思うので、誰にどういう形で参加してもらうのかとか、どう養成していくのかというところも含めて議論していく必要があるのかなと思っています。
もう1点は、今回、人的なというところが比較的多いかなと思うんですけれども、こういう学校安全をやっていく上で支援するようなシステムというか、その仕組みづくりみたいなものも必要だなと思っています。今回、安全点検の表に関してはエクセルの表ができましたけれども、あれが本当はもうちょっと、現場で使っていくと、もう少し使い勝手がこうなっているといいというような、やりやすいものなんかが出てくるともっと浸透していくと思いますし、周知という意味でも、今回の議論の中でも大分御意見ありましたけれども、あれを全部見るのは大変なので、どう現場に浸透させるかが大事というお話がありましたけれども、今回作られるウェブページだけではなかなかそれがうまくいかないということも出てくると思うので、そこはやっぱり学校現場のヒアリングなんかもしながら、どういう形であれば学校現場に落とし込みやすいのかとか、活用しやすいのかという、そういう形づくりなんかも含めて、学校安全をやるための支援する仕組み、システムというのが、どういう形があるべきなのかという議論もできるといいかなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
今後の例えばこの取組、文科省の取組調査の中にそういったことを聞くような項目があるといいのかなというふうにちょっと思いました。やはり意見を集めて、それをさらにうまく活用していくという、そういう形ができていくとすごくいいかと思います。
ほかには御意見ございますか。よろしいでしょうか。
それでは、途中から御参加されたと思うんですけれども、神内委員、何かございますか。
【神内委員】途中からで申し訳ありませんでした。特に大丈夫です。
【渡邉座長】ありがとうございます。議事の2については、これで一応終了させていただきます。
次、議事の3、その他ですけれども、これについて皆様何かございますか。
特にないようですので、以上で議事を終了させていただきます。
それでは、今回最後ということですので、私のほうからも最後御挨拶させていただきます。
委員の皆様におかれましては、今年度、約1年にわたって議論に御参加いただきまして、ありがとうございました。
第3次学校安全の推進に関する計画に基づき、2つのワーキンググループを立ち上げ、検討を続けてまいりましたけれども、皆様のおかげをもちまして、公開の準備までたどり着くことができました。もちろんこれを周知し、実際に運用していくことが重要ですので、引き続き皆様の御協力、御支援をいただきながら、第3次計画の実施を進めていければと思っております。
また、事務局の皆様も議論の取りまとめ、お疲れさまでした。まだ公開の手続がありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今後も、第3次計画が目指す姿の実現を願い、私のまとめの挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
最後に、事務局からも挨拶がございますので、お願いいたします。
【淵上審議官】大臣官房審議官の淵上と申します。この1月に着任をいたしました。最後の御挨拶ということで、一言、御礼の御挨拶をさせていただきます。
令和5年度の学校安全の推進に関する有識者会議でございますけれども、親会議、ワーキンググループ合わせて13回にわたりまして開催をさせていただきました。座長の渡邉先生をはじめ、委員の皆様方におかれましては、様々なお立場から非常に活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。今年度は、おかげさまで、学校における安全点検要領と学校事故対応に関する指針の改訂版について充実した資料がまとまりました。
学校安全に関しましては、まさに本日の新聞報道にもありましたように、まだまだ十分にこれらの考え方が浸透し切れていない面があるという指摘もあろうかというふうに思います。おまとめいただきました資料が、その込められた思いのとおり現場で実効性を持ち、子供たちが安全に安心して学べる環境づくりにつながるためには、現場の先生方を含む関係者の皆様にしっかり届いて、そして、その趣旨を御理解いただくことが不可欠だというふうに考えております。私ども文部科学省としても、現場の皆様とともに実効性を高めていけるよう、精いっぱい取り組んでまいりたいと思っております。
今年度の会議といたしましては、本日が最後でございますので、ひとまずの区切りといたしまして、この間の委員の皆様方からいただきました御指導、御助言に心よりの感謝を申し上げまして、御礼の御挨拶とさせていただきたいと思います。
誠にありがとうございました。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、第4回学校安全の推進に関する有識者会議は以上とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、本日、御多忙のところ御出席いただき、ありがとうございました。これで終了いたします。
 
――了――
 
 

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)