学校安全の推進に関する有識者会議(令和5年度)第2回 議事録

1.日時

令和5年8月24日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 各ワーキンググループの検討状況についての報告
  2. 学校安全に関する施策(令和4年度)のフォローアップについて

4.議事録

【渡邉座長】皆さん、おはようございます。会議開始時間となりましたので、第2回学校安全の推進に関する有識者会議をこれから開催したいと思います。座長の渡邉でございます。本日は、御多忙の中、御出席いただきありがとうございます。
まずは、本年8月8日付の人事異動により、新たに望月禎総合教育政策局長が就任されましたので、委員の皆様に御挨拶を申し上げます。
【遠藤専門官】事務局の遠藤でございます。今、局長、到着しますので、先に私から、本日の配付資料の確認と委員の出席状況の報告をさせていただきたいと思います。座長、よろしいでしょうか。
【渡邉座長】お願いします。
【遠藤専門官】では、本日の資料でございますけれども、次第にあります配付資料でございますが、資料は1-1から資料3-2まで7点、それから、参考資料につきましては、参考資料1-1から参考資料4までの7点、それぞれ7点となってございます。
本日の出席の委員でございますけれども、参考資料1-1になりますが、裏面の名簿を御覧いただければと思います。桐淵委員、嵯峨委員、神内委員、3名が欠席ということになってございます。
ここで、局長が到着しましたので、御挨拶をさせていただけたらと存じます。
【渡邉座長】それでは先ほど申し上げましたように、8月8日付で望月局長が就任されましたので、御挨拶よろしくお願いいたします。
【望月局長】8月8日付で局長を拝命しています望月でございます。よろしくお願いいたします。
渡邉座長をはじめとして、委員の先生方には、学校安全についていろんな御知見をいただいておりまして、この場をお借りして感謝申し上げます。どうぞ、引き続きよろしくお願いいたします。
学校安全、全国でいろんな思ってもいないような事故が起きたり、少し対処しておけば防げたかもしれないようなこともあったり、あるいは、我々がふだん気がつかないようなことも実はあったりするようなことが突然起こったり、そういう危機管理的なものもあるかと思っておりますので、いろんな御知見を今後ともいただきまして、全国の学校、保護者、子供たち、地域の方々にしっかりその方針なり取組を、横展開を含めて、行政としても推進してまいりたいと思っております。
全国の教育委員会のほうも、それぞれの地域の状況、実情は違いますけれども、皆の思いとしては、子供たちの安全・安心を確保していくということに一体となって取り組んでいるという認識でございます。御知見を引き続きお借りできればと思っております。よろしくお願いいたします。
【渡邉座長】ありがとうございました。
先ほど配付資料の御説明をいただきましたけれど、もし配付資料で不備がございましたら、Zoomの挙手機能で事務局のほうにお知らせください。
それでは、議事のほうに入りたいと思います。本日は、大きく2点について議事を予定しております。まず1つ目は、各ワーキンググループの検討状況についての御報告とその議論を予定しております。2つ目は、学校安全に関する施策(令和4年度)のフォローアップについての議事を取り上げたいと思っております。
それでは、最初の議事(1)になりますが、各ワーキンググループの検討状況について。現在、当有識者会議の下で優先的に検討を進める学校事故対応に関する指針の見直しと、学校の安全点検等の在り方検討の2つのワーキンググループを立ち上げて、検討を進めていただいております。
本日は、それぞれのワーキンググループの座長から検討状況の報告をいただき、各委員から今後のワーキンググループでの検討を進めていくに当たって御意見をいただきたいと思います。
それでは、最初に、学校事故対応に関する指針の見直しについて、当ワーキンググループの座長である藤田先生に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【藤田委員】学校事故対応に関する指針の見直しワーキンググループ座長の藤田です。当ワーキンググループの検討状況について御説明いたします。お手元に資料1-1と資料1-2を御用意ください。
今提示いただいております資料1-1は、学校事故対応に関する指針の見直しワーキンググループの検討事項とスケジュールを示した資料です。
資料1-1の2ページ目には、検討事項を示しております。上段にこれまでの有識者会議、親会議から出された意見等の課題が示されておりますが、これらを踏まえまして、下段に主な検討課題として挙げられている点、詳細調査に移行する判断基準及び基本調査・詳細調査の在り方や、国への死亡事故報告の在り方などについて、当ワーキンググループで検討することとされております。
これを受けまして、当ワーキンググループでは、実体を踏まえた検討をしていくために、現指針運用に関する実体調査を都道府県教育委員会及び市町村教育委員会並びに都道府県私学担当課を対象に行うこととし、また、詳細調査を行った教育委員会等からヒアリングを行うこととしました。
3ページ目に、これまでの開催状況と今後の検討スケジュールを示しております。
6月23日に第1回のワーキングを開催し、検討の方向性を確認するとともに、指針運用の実態調査に関する調査項目について検討しました。また、事故原因の検証、再発防止策の検討の参考とするため、こども家庭庁より、予防のための子どもの死亡検証(CDR:チャイルド・デス・レビュー)についてのヒアリングを行いました。
このCDRは、子供が死亡したときに、医療機関、警察、消防、行政関係者等の複数の機関や専門家が、子供の既往歴や家族背景、死に至る直接の経緯等に関する様々な情報を基に、死亡原因の検証を行うことにより、効果的な予防策を導き出し、予防可能な子供の死亡を減らすことを目的として行われているものです。
令和5年度現在、体制整備に向けた検討材料とするため、一部の都道府県において、実施体制の整備をこども家庭庁のモデル事業として試行的に実施されていると伺っております。
8月4日には、第2回のワーキングを開催しました。ここでは、指針運用の実態調査の7月末現在の回答結果、暫定値となりますが、結果が得られましたので、この数値を基に課題の確認を行うとともに、指針の見直しの検討事項案について協議を行いました。詳細は、後ほど、資料1-2において説明いたします。
また、指針に基づく対応が実際にどうであったのかという観点で、これまでに詳細調査を実施した教育委員会の中から一団体にお声がけし、ヒアリングを行いました。学校における基本調査の実施状況や、被害生徒の保護者との関係、詳細調査への移行の判断、詳細調査の第三者委員会設置などについて、事案の対応に当たった担当者から説明を聴取し、意見交換を行いました。
9月11日に予定している第3回のワーキングでは、第2回までの検討事項や、本日のこの親会議での委員の皆様からの御意見を踏まえまして、指針の見直し内容、素案を検討していきたいと考えております。そして、本ワーキングの検討の状況を、12月に実施予定されている第3回親会に報告いたします。
第4回のワーキングは、12月付近の実施を予定しており、指針の見直し案や周知方法等について検討し、来年2月に実施を予定している第4回の親会に報告いたします。
以上の形で検討を進めていきたいと考えております。
次に、資料1-2を御覧ください。
第2回のワーキングでは、「学校事故対応に関する指針」見直しの検討事項等(案)の検討として、資料の左側にあります検討事項案について、実態調査等から把握できた実態(暫定値)を踏まえて検討を行いました。
指針の運用に関する実態調査については、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会並びに都道府県私学担当課を対象に、令和2年度から令和4年度までの過去3年間の状況について調査を実施し、7月31日までに回答のあった教育委員会等の結果を暫定値として掲載しており、7割を超える自治体から回答を得ております。
主な議論を紹介しますと、まず、事故の報告対象については、「治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う場合等重篤な事故」の報告対象の範囲を明確にすることについて、学校等に分かりやすいように、具体的な例などを示していく必要があるのではないかなどの意見が出されました。
国への一報については、今回の実態調査でも、死亡事故について国まで報告されていないケースが見られ、国まで報告するシステムの検討が必要ではないかなどの意見が出されました。
基本調査の報告については、「死亡事故」及び「治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う場合等重篤な事故」があったと回答した教育委員会において、基本調査を実施していないケースが見られました。このことから、基本調査をしっかりと行うことが必要であるのではないかなどの意見が出されました。また、再発防止の観点を踏まえた基本調査の在り方については、次回会議で具体的に検討していきたいと考えております。
次のページに移りまして、基本調査の実施主体については、現行の指針にも記載していますが、場合によっては、警察等の関係機関等の助言も得られるとよいのではないかなどの意見が出されました。
詳細調査の実施の在り方については、詳細調査を確実に実施していくようにしていくために、国の支援が必要ではないかなどの意見が出されました。
次のページに移りまして、詳細調査に移行する判断基準については、詳細調査に移行するための準備を促していく手だてが必要ではないかなどの意見が出されました。
被害児童生徒等やその家族への配慮した支援については、現在の事故対応指針に示されているコーディネーターの記載の在り方や役割を含め、事故対応支援について、実効性のある内容を示していく必要があるのではないかなどの意見が出されたほか、教育委員会が長期的に遺族に寄り添い、その意向を丁寧に聞き取っているなどの対応をしている事例などについても御発言があり、ワーキンググループで共有いたしました。
事故の再発防止に向けた情報発信等では、事故事案の再発防止策の実行状況をフォローアップできるような仕組みが発表ではないかということや、第三者委員会からの報告を受けてから、教育委員会等の学校設置者は、被害児童生徒等の保護者の意向を取り入れながら、再発防止策を出していくことが必要ではないかなどの意見が出されました。
次のページに移りまして、基金の運用に関する周知徹底については、特段やり取りはありませんでしたが、指針が改定されましたら、当該指針に沿った運用が徹底されるよう、周知徹底を図ることは当然必要なことだと座長としては考えております。
指針の全体構成については、本指針には、現在、事故発生後のことのみならず、事故の未然防止策として実施すべきことについての記載も盛り込まれておりますが、これらの記載の重要性を改めて指摘する意見があった一方で、文部科学省が示している学校安全に関する各種資料との関係性を考慮し、指針の記載として、事故の発生後の対応を示すことに重点を置いたほうがよいのではないか、そのほうが現場により役立つ、現場に届きやすいものとなるのではないかといった意見が出されました。
以上が、第2回会議までの検討事項でございます。本日のこの会議での御意見を踏まえまして、今後、指針の見直しの素案を検討してまいりたいと考えております。
これで、学校事故対応に関する指針の見直しワーキンググループの検討状況の報告を終わります。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ただいま御説明いただいた見直しの素案ですけれど、これにつきまして、本日は各委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。
もちろん、この事故指針のワーキンググループの委員として参加されている先生方もいらっしゃると思うんですけれど、そうではない、もう一つの安全管理のほうに参加されている委員の方は、今回初めてお話をお聞きするということだと思いますけれど、ぜひ、御自身ともう一方のワーキングのほうの内容についての御意見をいただければと思います。
それでは、御意見のある方いらっしゃいますでしょうか。御質問でも結構です。挙手を使っていただければ、こちらのほうで分かりますので、いかがでしょう。
御意見ございませんか。なければ、こちらのほうから指名させていただいてもよろしいでしょうかね。
もう一つ、安全管理のワーキングのメンバーでいらっしゃいます木間委員、いかがでしょうか。すみません、突然指名させていただきまして。
【木間委員】ありがとうございます。
今聞かせていただいて、いろいろと勉強させていただきました。
今の報告の中に、国に報告に上がっていない例が幾つもあるということを聞きまして、学校現場では、学校事故がありますと、各区市町村の教育委員会には報告しますが、その後、その扱いがどのようになっているかというのは、校長であっても分からないというのが実際実情のところがありましたので、区の教育委員会のほうがどう判断して、次の段階の都道府県に上げているかとか、その都道府県が今度国に上げているかということなのかなというふうに感じまして、学校現場としては、全ての事故があった場合、事故報告書を出して教育委員会に報告するという手順はしっかりと踏んでいるのかなと思いますと、その在り方については、本当に考えていかなければいけないなと、聞いていて思いました。ちょっと雑駁で申し訳ありません。感想です。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、同じく、安全管理のほうになりますが、北村委員、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。
【北村委員】ありがとうございました。
私も、今、木間委員がおっしゃった、報告がなされていないものがあるという件がやっぱりちょっと気になりました。
あと、後半のほうにお話があった指針の周知の仕方というところも、現行では、学校安全ポータルサイトに掲載しているというような感じでしたが、これまで私が学校現場でいろいろやり取りさせていただいたときなども、なかなかこの学校安全ポータルサイト自体があまり知られていなさそうな反応をよく耳にしていたので、せっかくここで学校事故対応に関する指針がいいものができても、それが現場に伝わってうまく活用される形にならないと意味がないので、ここの周知の仕方とか、資料を配布するとか、指針を郵送して送るとか、そういうのではなく、しっかりと理解して活用できるようなやり方というのは考えなければいけないのかなと思っています。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、指針のワーキングのほうに入られた委員の方々も御意見を述べていただければと思います。
首藤委員、いかがでしょうか。
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤でございます。
私はワーキングの席上でも申し上げたんですけれども、ほかの先生も御指摘のように、事故の報告がしっかりと国に上がっていない状況。下手をすると、子供さんが亡くなられた事故についても全て国として把握できていないという状況が、やはり非常に問題ある状況だと思っております。
その一つの要因として、そもそも事故対応指針がしっかりと周知されていないということもあるかと思いますし、どういった事案について報告すべきなのかということの理解が進んでいないということもあるかなと思っております。
先ほどほかの委員がおっしゃられていたように、学校現場から設置者に向けては報告はきちんとされているようですので、設置者の方々にしっかりと理解をしていただいて、国としてしっかり把握をして、その結果に基づいて様々な対策を取れるような仕組みがしっかり回っていくということを構築することが大事かなと思っております。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、平塚委員、いかがでしょう。 
【平塚委員】平塚です。よろしくお願いいたします。
やはり、現場への周知ということが課題になるかと思っています。
実態調査の中で、学校事故の再発防止に役立つ支援策として、文科省に実施してほしい施策で一番多かったのが、「全国の学校での死亡事故や重篤な事故の発生要因等に関する分かりやすい資料等の提供」ということで65%でした。現場的に言うと、裏を返すと、分かりにくい周知になっているのではないかと思っています。
事故等については、いろいろ(個人)情報等で制限はあるものの、より具体性を持った学校現場で分かりやすい周知の仕方というのはやっぱり必要なのかなということを改めて考えたところです。
それから、再発防止という点で、調査から再発防止策策定までは、いろいろ外部の方が関わるのだけれども、実際そういう事故が起きた現場と考えた場合に、果たしてその再発防止策がしっかり実施されるのかというと、やはりその組織の脆弱さがあったからこそ、そういう事故が起きているわけで、その立て直しをどうしていくのかというところは、今いろいろ話を聞いていて、考えなければならないなと思っていました。それを実際指針の中にどう盛り込むかというのはまた別問題として、現場としては、そこをどう外部からサポートしてもらうかということを考えなければならないと思います。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、山中委員、お願いいたします。
【山中委員】今までほかの先生方が御指摘になったこと、例えば、周知といいますか、情報が伝わっていないということは、情報の伝え方をいろいろ工夫しなければいけないと思っております。
あと1点、ちょっと私、気になっておりますのは、検証委員会を開くときに、保護者の同意といいますか、その辺りがやや曖昧になっているので、私としては、やはり死亡事故に関しては、保護者の同意があろうがなかろうが、やはり検証する必要があるのではないかと思っていますので、その辺りを今回の指針でどういうふうに取り上げるかというのは、これは検討しなければいけない課題だと思っております。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
もう一方のワーキングの座長をされていますが、小川先生も何か御意見があったらお願いします。
【小川委員】御説明ありがとうございました。
私が気になったのは、調査対象のところで、死亡事故はもちろん調査の対象というのは分かるんですが、重傷事故とか重大事故というのはやっぱり大事だなと思っていまして、御家族の同意等を得ながら進めていかないとということを考えると、死亡事故の調査には困難を伴うということが想定されますので、重傷事故の調査ということから、いろんな有効な情報が得られる可能性が非常にあると思います。ただ、件数がどれぐらいになるかという問題があるので、重大事故、重傷事故の調査をどうするかということも重要かなと思います。
その際、重大事故とか重傷事故の定義というのはどうなるのかなというのがちょっと気になりました。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
皆様から御意見いただきましたが、藤田先生、何かそれに対してございますか。
【藤田委員】今の御意見いただきましたように、平塚委員のほうからもありましたが、いわゆる評価の在り方というのが今後重要になってくるのかな。事故があって、報告が上がって、それが検証された後、改善された中でどう生かされていっているのかというところまで、今までなかなかフォローアップができていなかった点などは、これからやっぱり検討しておくべき課題になっていくんだろうということを感じました。
あと、小川委員のほうからもありましたが、いわゆる重大・重傷事故の範疇について、今回、死亡及び30日以上の治療を要した事案という中で、もう一つの視点としては、後遺障害の状況というものもやっぱり一つのポイントになってくるんだろうと。その辺りを踏まえて、改めてまたワーキングのほうで検討しなければいけないのかなと感じているところです。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、これで指針の見直しワーキングのほうは終了させていただきます。
引き続きまして、学校の安全点検等の在り方検討につきまして、座長の小川先生より御説明をお願いいたします。
【小川委員】学校の安全点検等の在り方検討ワーキンググループ座長の小川です。よろしくお願いします。
当ワーキングの検討状況について、では、御説明をしたいと思います。お手元に資料2-1、2-2、2-3を御用意ください。
初めに、資料2-1について御説明します。こちらは、学校の安全点検等の在り方検討ワーキンググループの検討事項及びスケジュールを示した資料です。
資料2-1の2ページ目には、当ワーキングの検討事項が示されております。上段に、これまでの有識者会議、この親会から出された意見等が示されておりますが、これらの課題を踏まえまして、下段の主な検討課題として示されている事項が下段になります。
消費者安全法第33条に基づく意見等を受けた安全点検、学校と教育委員会が行う安全点検体制、教職員が行う安全点検の視点や対象、外部人材(専門家)等の活用、子供の視点を取り入れた安全点検について、当ワーキングで検討することとされております。
これらの検討を進めまして、教職員が安全点検を行うに当たって参考となる資料、仮称ですが、「教職員のための安全点検要領」とこちらでは今のところ呼んでおりますけども、そうした要領というものの作成を今後検討していくこととしております。
これらの検討を実態を踏まえて進めていくために、全国の学校・園を対象に、消費者安全法第33条に基づく意見等を受けた安全点検の状況や、前年度の安全点検の状況、外部人材等の活用を行ったかどうか等の調査を行うとともに、各教育委員会に対しても、所管の学校への安全点検の状況について調査を行うこととしました。また、先進的な事例、例えば外部人材の活用など、そうした先進的な事例に当たってはヒアリングを行うこととしております。
3ページ目は、これまでの検討の状況と今後のスケジュールを示しております。
6月23日に第1回ワーキングを開催し、当ワーキングとしての検討課題を確認するとともに、安全点検に関する調査の項目について検討しました。また、検討の参考とするため、文部科学省大臣官房文教施設企画防災部より、地震による落下物や転倒物から子供たちを守るための耐震点検の実施に関する「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」について御説明いただき、ヒアリングを行いました。
この「学校施設非構造部材の耐震化ガイドブック」は、学校設置者と学校向けにまとめられており、学校設置者から依頼を受けた専門家の参考にもなるように、点検のための体制づくりと役割分担が示されているほか、日頃学校の建物を使っている学校教職員の方々向けの点検のポイントもまとめられているものとなっており、今回検討する教職員のための安全点検要領を作成するに当たっても、関連性を検討しながら進めていく必要があることが分かりました。
7月18日には第2回ワーキングを開催しました。ここでは、教職員が担う安全点検と外部人材との連携について検討しました。教職員が担う安全点検に関する検討事項については、後ほど、資料2-2、2-3において説明します。要するに、誰がどの範囲を点検するかという検討をしたわけであります。
外部人材の活用では、技術士が学校の安全点検に参画する取組と、教育委員会における自治体の職員による学校の安全点検の取組についてヒアリングをし、意見交換を行いました。
ヒアリングは、技術士が学校の安全点検に参画する取組については、公益社団法人日本技術士会の下に組織される子供の安全研究グループから、横浜市立東山田中学校においてモデル実施した、現場の技術的課題に対するアドバイスやリスクアセスメントを行う取組について説明を受けました。具体的には、定期点検時の技術的アドバイスや、老朽化以外の点検や、リスクアセスメントなどを学校に提案し、学校の安全体制に対する助言が行われているという内容でありました。
それから、もう一つのヒアリングですけれども、教育委員会における自治体の職員による学校の安全点検の取組については、板橋区教育委員会から、安全点検体制について説明を受けました。建築基準法に定められた点検における区の有識者職員による実施、学校の教職員による日常点検に加え、教育委員会による安全確認のための学校訪問が行われ、学校による日常点検の補完的役割も持っているとのことでした。そして、この点検結果は区内の校長会等でも共有され、各学校の安全体制整備に生かされているということでありました。
9月21日に予定されている第3回のワーキングでは、第2回までの検討や、本日のこの親会の委員の皆様からの意見を踏まえまして、8月末までの回答を依頼している緊急点検及び安全点検の調査結果の分析とともに、教職員のための安全点検要領の骨子案を検討する予定でおります。
11月に予定しております第4回ワーキングでは、教職員のための安全点検要領の検討を進め、検討の状況を、12月に実施を予定している第3回親会に報告します。
すなわち、第3回、第4回では、どのように点検するかというところを中心に議論を進めていき、安全点検要領作成のための基礎的な議論を積み重ねていきたいと思います。
それから、第5回のワーキングを来年1月ぐらいに実施を予定しておりますが、安全点検要領案の検討や周知方法等について検討し、来年2月に実施を予定しておる第4回の親会に報告します。
以上の形で、今後検討を進めていく。そういうスケジュールであります。
次に、資料2-2を御覧ください。それから、資料2-3も併せて御説明します。
第2回のワーキングでは、教職員が担う安全点検について検討を行いました。資料2-2では、教職員が担う安全点検の考え方を検討するため、学校と教育委員会や設置者の安全点検の役割を概要的に整理したものです。誰がどの範囲を検討するか、細かな項目の検討まで至っておりませんけれども、概略、大体この範囲を点検したらどうかというふうに、誰がどの範囲を点検するかということを検討いたしました。
それから、資料2-3、ちょっと細かいんですけれども、これは、これまでの文部科学省が学校で行う安全点検の例として示してきました事項を整理したものです。具体的には、令和元年3月に改訂した「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」と、平成27年3月改訂、平成31年3月に追補した「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」に示されている、学校が行う安全点検の項目例を整理したものであります。これら資料から、教職員が担う安全点検はどのようなものか、これまで教職員が担っている安全点検で専門家が関わったほうがよいものとは何かということについて検討を行いました。細かい項目について一つ一つは検討しておりませんけれども、考え方、点検、誰がどの範囲というところについて検討した次第です。
そこで議論した結果、主に2点ほど意見が共有されました。
1つ目ですが、教職員が担う点検としては、基本的に目視等で確認できる安全点検など、授業等の業務に付随して行う日常点検が想定される項目でよいのではないか。これに加え、特に日常の使い方に関わるもの、家具等を含め、例えば、教職員や生徒が日常的に動かす可能性があるものや、日常使う場所などについては、やはり現場にいる教職員が中心となって点検することがいいのではないかなどの意見が出されました。
もう一つですが、一方、専門家が関わるものとしては、設備的な構造とか見た目では判断できないもの、固定されているもの、天井など高所にあるもの、窓ガラス等の危険性が高いもの、避難経路、避難に関わるものなど、安全性のレベルに関わるものなどがこれに該当するのではないかといった意見が出されました。
要するに、日常的に授業等の業務で使う場所、子供たちが活動する場所は、教職員が中心に点検してはどうか。また、日常の活動で変化するもの、移動があったり物が移動されたり、変化するものについては、やはり先生が点検したほうがいいのではないか。それから、構造物や設備等、見た目ではなかなか判断できない専門的な知識や観点が必要なものについては、専門家にお願いしたらどうか。大まかに分けると、そういった意見に分かれました。
また、今後、国として教職員のための安全点検要領を作成するときには、教職員が具体的に何を見るべきなのかという視点を示すことが必要であるといった意見もありました。ただこれを見なさい、点検しなさいということだけではなく、なぜそれを見ないといけないのか、過去の事例なんかも併せて示していく必要があるのではないかということです。
ただ、もう一つ大事な意見は、負担感があってはいけないので、できるだけ負担感がない、感じられないような形で点検表、項目表みたいなものを示す方法は考えられないだろうかということも、重要な意見として示されております。
以上が、第2回のワーキングの会議で検討された状況でございます。
本日の会議での皆様の御意見を踏まえまして、今後、具体的に教職員が担うべき安全点検要領骨子案の検討、そして、素案の作成を進めていきたいと考えております。
これで、学校の安全点検等の在り方検討ワーキンググループの検討状況の報告を終わります。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明についても、皆様から御意見もしくは御質問があったらお願いしたいと思います。何かございますか。
では、平塚委員、お願いします。
【平塚委員】丁寧な説明ありがとうございました。
1つ質問です。事例の件で、板橋区の事例だったと思うのですが、安全点検の結果を他校にも、校長会議等でしょうか、共有するというような話があったのですが、そういう話はあまり聞かないもので、どんな形で行われていて、どういうふうに各校がそれを受け止め,反映させるのかというのを、ちょっとお聞きしたかったのですが,よろしくお願いします。
【小川委員】そこまでヒアリングの際、質問できなかったんですけれども、いかがですかね。遠藤専門官、どうでしたでしょうか。
【遠藤専門官】安全教育推進室の遠藤でございます。
ヒアリングですけれども、板橋区の教育委員会さんのほうからヒアリングをさせていただいた中で、教育委員会のほうが各学校を訪問して、改めて重点的に確認する項目を定めていて、その辺は現地確認をしているというふうな取組をされているということでございました。
安全点検をした上で、どういったところが課題であったかというところなどを校長会等の折に共有して、お互いに、ヒヤリハット的な部分もあろうかと思いますけれども、各学校の安全体制に役立てていただけるような形でというふうなことで御報告をいただいたところでございます。
また、必要に応じ、具体に教育委員会のほうからヒアリングを進めて、また重要な点確認をして、ワーキングのほうで議論を進めていただきたいなと考えております。
以上でございます。
【平塚委員】ありがとうございます。
【小川委員】もう一度、情報共有の在り方についてまた調べまして、後ほど、分かりましたら、また皆様方に御報告したいと思います。
【渡邉座長】それでは、次に、首藤委員、お願いします。
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤でございます。
私から、大きく2点、意見のような形で申し上げたいと思います。ちょっと資料を拝見して、本日の報告を伺っただけなので、的外れだったら申し訳ないんですけれども。
まず1点目ですけれども、教職員が担う安全点検の範囲について、今日の御報告で、使い方という部分に関わるところは教職員が担う部分の重点であるというふうなお話になっているということで、とても安心したというか、そのように絞り込んでいただくということはいいことだなと思いました。
たとえ目視で確認できるとしても、例えば、劣化ですとか経年変化ですとか、そういったものは施設・設備を設置する側が、できれば複数のデータに基づいて劣化の予測などをしながら、責任を持って担うべきだというふうに私も思っておりまして、設置者と使用者という観点で役割分担をしっかり区分けをするというような考え方でやっていただく方向がいいかなと思っております。
その意味で、これは描き方だと思うんですけれども、資料2-2の左側の学校という範囲の中に、教職員と専門家が関わったほうがよいものというふうに分けていただいていますが、私の個人的な感覚としては、設置者が専門的な観点も踏まえて点検すべきものというふうにあって、学校の教職員は、学校の教職員が使い方の範囲で点検して、確認をし、改善するべきことに絞るべきかなと思っていまして、学校の枠の中に専門家が関わったほうがよいものって置くべきなのかなというのがちょっと疑問に感じました。これは別にこだわるわけではないので、よりよい、分かりやすい示し方をしていただければいいかなとは思っておりますので、一つの意見としてお聞きいただければと思います。
もう一つは、最終的につくっていただく安全点検要領の名前なんですけれども、今の仮称では、教職員のための安全点検要領というふうになっております。そうすると、もちろんそれが重点なのは分かりますけれども、全体の安全点検の中の教職員が担う部分の要領というふうになってしまって、全体の安全点検の中で教職員が担うものはどこで、それ以外の部分は誰がどういうふうに分担して担うのかという枠組みが、ちゃんとこの要領に書いてあるよということが分かりにくくなってしまうかなと思います。
もちろん、教職員がやるべき内容について、より詳しくすることは大切ですけれども、まずは、全体を通して、誰がどういう役割分担でやるのかということがすごく大事で、そこを周知徹底することが大切だと思うので、その部分もしっかり書き込んでいただくとともに、この点検要領の名称についても、そちらもしっかり書いてあるということがぜひ伝わるような名前にしていただきたいなと思いました。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。御意見ということで承ってよろしいですね。
【小川委員】貴重な御意見ありがとうございます。
確かに、最初の1番目の御質問にありますように、劣化するというのはなかなか目視では難しいので、やはり専門的な知識や蓄積がある専門家が見たほうがいいのではないか。ただ、見た目、これはちょっと怪しいぞということについては、これは専門家に見てもらったほうがいいんじゃないかというふうにバトンタッチするというか、つなぐとか、そういう点検はあってもいいのかなとは思っています。
それから、御指摘いただいた点、資料2-2の枠のつくり方、学校という枠でやるのか、設置者のほうが入ってくるのかというところについては、また資料をまとめる段階で検討させてください。これも議論しながら、本当に暫定的に出来上がってきたものなので、これも議論させていただきたいと思います。
また、御指摘いただいたように、全体の枠組みというか、点検した後、どうなるのかとかいうこともワーキングで議論がありまして、点検した結果をどうしていくのかということもありましたので、全体の枠組みを示すような資料がどこかにあったほうがいいというのは、御指摘いただいたとおりだと思いますので、要領をつくる際の参考として、今御指摘いただいた意見は反映させていきたいなと思います。
【渡邉座長】ありがとうございました。
ほかに、いかがでしょうか。
山中委員、いかがでしょうか。何か御意見ございますか。
【山中委員】ありがとうございます。
点検のする人を、例えば、教職員とか、専門家とかと、きちっと明記できるのは大変よろしいのではないかと思います。
ちょっと気になっておりますのは、紙ベースでかなり細かい項目に分かれているんですけど、例えば、冊子でこのマニュアルが出たとしても、それを実際に行うのは、紙ベースではなかなか難しいのではないかと思うので、それを本当に点検に使うためのツールみたいなものも、できれば、今回のこの会議で作るかどうかは分かりませんけれども、いずれは、例えば、教職員がソフトか何かを作って、実際に現場に行って、ソフトに入力しながらできるような、実際に具体的に現場の人が使えるようなツールにまでつながるような流れで作っていただきたい。
多分、冊子だけでいっぱい項目があると、現場にはなかなか使えないのではないかと思うんですね。ですから、少なくとも教職員の方が点検というソフトを出したら、それでチェックしながら、そして、そのデータが教育委員会なり管理者のところに行って、管理者がそれを見て全体の流れをチェックするとか、そういう使い方の辺まで少しつながるような検討をしていただければと思います。
今回のチェック項目と少し違うんですけれども、その先のことも少し考慮していただければと思いました。
以上です。
【小川委員】大切な御意見ありがとうございます。
その点については、常々私たち心配しておりまして、細かい項目をだーっと羅列されても、多分現場では活用されないだろうと。負担感だけが増すだけだろうということで、点検の紙ベースがいいのか、アプリを使うのがいいのかということも、そういった意見も出ておりますし、また、絵で表して、その絵の中に項目を入れていったほうがチェックしやすいのではないかとか、例えば、教室の絵だとかというようなことも検討してもいいのかなとも思ったりしております。
また、それは先進的な事例として、教育委員会でそういった点検のシートみたいなのを作っているところもありますので、そういったことも少し参考にしながら、できるだけ負担感のないような形で、しかも効果的にするような方法を模索して、提案していきたいなと思います。
貴重な御意見ありがとうございました。
【渡邉座長】それでは、管理のほうのワーキングに参加されています北村委員、何かございますか。
【北村委員】ありがとうございます。
ワーキングのほうでも少し意見を出させていただいたんですけれども、現場での安全点検を見ていると、基本的には、今の状況は安全だというのが前提で、それで何か破損がないかとか、設置がちゃんとされているかというチェックの仕方が一般的かなとは思うんですけれど。幾つか学校を見ていると、そもそもリスクのある遊具が設置されていたりとか、そもそもリスクがあるような、例えば、体育館の上のキャットウォークと言われるような、あそこが柵がもうすかすかで簡単に落ちてしまうようなものになっていても、その柵が破損していないかというチェックを幾らしても、そこから転落する事故というのは防げるわけではないので、そもそもの環境が安全な状態かという話と、いわゆる日常的にやる安全点検というのが少し質が違うので、そういう観点も少し整理しながら、安全点検の在り方というのを考えていく必要があるかなと思っています。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございました。
木間委員、いかがでしょうか。
【木間委員】ありがとうございます。
実は、小川先生と一緒に7月26日に宮城県の学校施設等安全点検講習会に参加させていただいて、そこで技士の方から安全点検のポイント等を教えていただくというか、私も勉強させていただいたんですけれども。先ほど山中委員のほうからあったように、日常点検を目視で教職員がやるといっても、どう目視するのかというところが、やはり教職員は知識がないなというのを、その講習会でも私も実感をしまして、そのときに、絵と実際にどういうところを見なければいけないのかというような項目があって、こういうことが学校安全点検に使えるなというふうなことも学んできましたので、やはり教職員が見て、こういう点検をしなければいけないんだということが分かる点検表でないと、紙で今まで書かれていたところだと、見ているつもりでも見ていないというのは確かだなというふうなことは感じておりますので、そういう点を生かしていきたいなというのが1点あります。
また、先ほど板橋区の話がありましたけれども、私のでは、確かに修繕をする箇所を施設課が点検するというような、毎年各学校には来ているんですけれども、どういうところが修繕箇所になるのかというような報告等が、校長会でまとまったものがないというのは事実なんですね。各学校ごとに送られていると。
そうすると、板橋区の場合には、安全点検という場が、見に来る方もおり、それで、どういう点がということが各学校に返されるということは、校長にとっては、そういう箇所がうちはどうなっているかというところで、全員とは言いませんけれども、役立つかなということで、事例があったときに、やはり校長会で周知徹底していくことは、我々管理職にとっては、それを自分の学校ではどうかと見直す意識のきっかけにはなりますので、大切なことかなというふうに事例報告などでも聞いておりました。
以上です。
【渡邉座長】  ありがとうございました。
 それでは、もう一方の座長をされています藤田先生も、何か御意見がございましたらお願いします。
【藤田委員】  大阪教育大、藤田です。
 今回の発表いただいた安全点検、ほかの委員の方からも御指摘があって、今回、教職員のための安全点検という観点で指針の提案が出されるということなんですが、これ、第3次学校安全推進計画等での子供目線の活用であるとか、PTAとか、専門家の活用を進めている学校を増やしていくというのが出ておりましたので、その辺り、この教職員のための指針の中に、今度、予定では、本学の附属池田中学校の安全点検の活用等について、生徒のやっている安全点検をヒアリングいただけるということですが、そういった中で、教職員が主体となって、子供たちだったり、PTAを巻き込んでというふうな在り方の方向性というのもまたあるのかなというふうに、今発表をお伺いしていて感じたんですが。
 というのは、例えば、高等学校等では、取組として、防災士の資格を生徒に取らせている学校があったりとか、また、教職員が防災士の資格を取っている学校があるとも聞いていますので、例えば、そういった防災士の資格を持ったような生徒、教職員、保護者なんかの協力体制というのが体制として可能かどうか、学校のそういった活動の運用に当たって、制約等がいろいろあるかとも思ったりするんですが、そういった中で、可能な範囲で、いわゆる多面的な確認が行われているという中での方向性というものも、ぜひ教職員主体となった安全点検の中に含めていただけたらいいのかなというふうに今感じた次第です。感想でございます。
【渡邉座長】  ありがとうございました。
 最後、小川先生のほうから、今の皆さんの御意見を伺った上で、何かございますか。
【小川委員】  貴重な御意見ありがとうございました。
今、藤田委員がおっしゃっていただいた点は、すごく重要だなと思いますので、教職員のためと言いながら、実は、先生方、日常の環境に見慣れてしまって、それが危なくなっているということにだんだん気づかなくなるという意見もあるので、第三者が入って、例えば、PTAの方でも、見たら、これはおかしいんじゃないかと気づくこともあるだろうし、子供が見てもおかしいだろうなと気づくことがあると思いますので、あるいは、専門家が見れば、おかしいと気づくことがあると思うので、先生方だけが見るということではないようにはしていきたいなと。だから、どういうふうに点検を進めていくのか、いろんな方の視点が入るような点検の仕方ということを、今回の要領の中に含めていきたいなとは思いました。
それから、北村委員がおっしゃったように、確かに環境そのものが安全なのかという視点はすごく重要かなと思いますし、私も、先ほど木間委員がおっしゃっているように、学校の現場へ行って参加しましたが、こういったものを廊下に置く必要があるんだろうかとか、そんなことをいろいろ考えながら見ましたし、環境そのものが安全なのか。例えば、遊具なんかもそうですし、環境そのものが安全なのかということは確かに感じました。
例えば、小学校で鋼鉄製のサッカーゴールが本当に必要なのかどうかという、その根本的なところも議論してもいいのではないかなというふうに思った次第で。要するに、点検項目がどんどん増えていくだけなので、環境をできるだけシンプルにしていく、不要なもの、使わないものはもう廃棄してとか、そういったことも考える必要があるのではないか。これはワーキングでは検討はしていないんですが、今、御意見を伺いながらそう感じました。
それから、木間委員がおっしゃったように、点検した結果を校長会で共有するということはすごく重要で、点検しっ放しではなく、その結果がどうなっているのかということはみんなで共有しないといけない。
それが気になったのは、板橋区の業者に委託して点検をするという話ですが、業者が入札で決まるものですから、継続するわけではないので、業者が変わる可能性もあるので、その情報が継続していくということにちょっと疑問を感じたものですから、やっぱりまずどこかで、校長会だったら校長会で点検した結果の情報が共有されていく、次々と伝わっていく。それがどうなったのかということを含めて、そういう仕組みも含めて検討する必要があるかなと思いました。
どうも貴重な意見ありがとうございました。次回のワーキングで検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【渡邉座長】ありがとうございました。
2つのワーキンググループからの御報告と、それで皆さんの御意見をいただいたわけですけれど、最後に、私から一言お話ししたいと思います。
両方のワーキングにも関わることなんですが、例えば、ここで見直しを図った指針であるとか、安全点検の方法をつくって、それを徹底していくということを考えると、学校保健安全法や施行規則の改正も必要になるのではないのかと思いました。
特に安全点検については、学校保健安全法の施行規則の中に規定されていますので、その中に例えば専門家も加えて実施するとか、そういうようなことがあれば、より運用が徹底されて、また周知もされていくということもありますので、ここでそれを議論する場ではないのかもしれませんが、ぜひ国のほうにはそういったことも検討していただければと、私の要望というか、意見を述べさせていただきます。
それでは、ワーキンググループのほうの議事については、これで終了させていただきます。
それでは、議事(2)になりますが、学校安全に関する施策(令和4年度)フォローアップについてです。
第3次学校安全の推進に関する計画においては、国は、第3次計画に基づく施策の進捗状況について毎年度フォローアップを行い公表するとしています。令和4年度は、第3次計画の初年度となりますが、施策の進捗状況を踏まえ、以降の計画期間に向けて、各委員から御意見を頂戴したいと思います。
まず、事務局のほうから御説明をお願いします。
【林補佐】事務局でございます。文科省安全教育推進室室長補佐の林でございます。私から、議事(2)の資料について説明させていただきます。画面を共有させていただきます。少々お待ちください。
先ほど渡邉座長からお話がありましたように、第3次学校安全の推進に関する計画におきまして、こちら、参考資料2のほうにつけさせていただいておるものです。関連する資料は、本議事については、資料3-1と3-2にございます。
ちょっと前振りのお話として、計画を画面のほうで共有させていただきたいと思います。
こちらの3ページに、第2次計画までの課題、そして、第3次計画策定に当たっての、どういったことに留意すべきかという課題が書かれているんですが、その中に、計画自体のフォローアップが不十分なため十分に進捗が図られていない事項があるといったことが、第3次計画策定の際にいみじくも指摘いただいています。
これを踏まえまして、計画自体の中に、最後の21ページに、計画の最後の取り組む施策、取組の中に、学校安全に関する施策のフォローアップという形で盛り込まれました。3次計画に基づく施策の進捗状況について毎年度フォローアップを行い公表するとともに、計画期間中における成果や課題、情勢の変化等も踏まえ、必要に応じて計画の見直しを行うということを計画の中に盛り込んでいただきまして、これを踏まえまして、今回、このような議事を第2回の会議で取り扱わせていただく次第でございます。
それを踏まえて用意させていただいた資料が2点ございまして、まず資料3-1であります。学校安全の推進に関する施策のフォローアップについてというタイトルをつけさせていただいておるんですが、3次計画の中に位置づけられている施策の進捗状況を、資料3-1と3-2の中で見ていきたいと考えております。
順番に御説明していきますと、御案内のように、今の第3次計画については、昨年度、令和4年度から令和8年度までの5年間になります。ここで、5か年ではありますが、毎年度計画に基づいてフォローアップをしていくということになります。
このフォローアップの仕方ですが、資料のような形で事務局、文科省のほうで御用意させていただいさせていただいたものを会議にお諮りをして、御意見をいただくという形で進捗管理をしていきたいと、このように考えています。
資料3-1のローマ数字4番、令和4年度における施策の進捗状況の概要です。この後、算用数字1、2、3、4、5で列記されております推進方策につきましては、御案内のように、第3次計画の5つの推進方策の項目であります。
まず1つ目の学校安全に関する組織的取組を推進につきましては、取組の推進を都道府県・政令指定都市学校安全主管課長会議等の各種会議において周知いたしました。
各学校における取組の推進を周知啓発という点については、具体的な取組といたしまして、中点がありますが、学校安全に関する専門性向上支援事業における「学校安全管理職セミナーの開催」による周知や「専門家派遣」による支援等を行った次第です。令和4年度の取組です。
2番目の家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全の推進という推進方策に関してです。
家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全推進体制の構築に向けて、各地域のモデル的な取組を支援しています。
具体的な事業といたしましては、学校安全総合支援事業の委託を43自治体で行っておりまして、都道府県が39、政令指定都市が4になります。こうした事業を今実施しております。
また、学校や通学路の安全対策について、地域ぐるみで子供の安全を見守る体制整備を図る取組を支援しておるところでございます。
3番の学校における安全に関する教育の充実に関してです。
これについては、こうした教育の充実に資する支援事業の実施や実践事例の周知を今年度も行っているところです。
学校安全総合支援事業におけるモデル地域における実践的な防災教育の取組を、全国成果発表会、毎年、年度末のほうに行っておりますが、こういった発表会や、学校安全ポータルサイトにて共有させていただいているところです。
都道府県教育委員会に作成いただいている実践事例集なども収集いたしまして、こういったものをポータルサイトで周知を行っています。
4つ目の学校における安全管理の取組の充実についてです。
学校における安全点検の在り方、そして、事故発生の際の学校事故対応指針の見直しのことが意味されるところではございますが、こうしたものをまさに今皆様方にお集まりいただいて、この有識者会議において検討を行っていただいています。ちょうど昨年12月から会議を設置して検討を開始したところですので、これも取組の内容として記載させていただいた次第です。
そして、最後の5ポツの学校安全の推進方策に関する横断的な事項等に関しましては、JSCの災害共済給付に関するデータ等について、関係省庁間での共有を図ることや、効果的な活用を図ることを「学校安全の推進に関する有識者会議」、本会議において御検討いただいているところです。
また、国は、設置主体の別を問わず、全ての学校への適切な情報や研修の機会が実質的に十分行きわたるよう、学校安全に関する専門性向上支援事業を実施しています。これは計画の内容でもうたわれているところでございます。
概要は以上でありまして、次は資料3-2のほうを御覧いただきたいと思います。画面を切り替えます。
文字が小さくてすみません。資料の記載方法ですが、一覧表にしてございます。
体裁といたしましては、推進方策ごとに、その推進方策の中に細かい取組、国として取り組むべきことが記載されています。まず、3次計画における学校完全の推進方策の具体的な内容を項目別に欄を分けてございます。それが左の欄になります。
次に、右の欄のほうを御覧いただきたいと思いますが、特記事項ということで、それぞれの項目を事務局のほうで整理して箇条書のような形で記した、左の欄に対応する、令和4年度に行った取組内容と、また、今後の取組予定を、それぞれ隅付き括弧で記載しています。
そして、実施状況を評価ということで記載しております。その実施状況の見方の凡例ですが、表の一番上に欄外に書いてございますように、一重丸が、令和4年度、昨年度で実施して終了したものです。二重丸は、令和5年度以降も計画期間中継続的に実施してまいります。そして、黒ひし形については、令和5年度以降、今年度以降から実施予定ということで、令和4年度は未着手でございましたが、今年度以降実施、計画期間中に実施していく内容ということで記載しております。
取組の事案をカウントしていきますと、最後は69番まであるということで、かなり大部な資料になってございますが、それぞれの項目に関しまして、多くが令和5年度以降も継続実施ということで二重丸がついておりますが、内容によっては、例えば、5番であります危機管理マニュアル見直しのガイドラインの適時更新といった項目については、この黒のひし形になっておりますように、今年度以降、計画期間中に取り組んでいくということで整理をしております。
先ほど御説明しましたように、閣議決定されている学校安全の推進に関する計画のフォローアップ、今回3次計画になりますが、2次計画までが、こうしたシステマティックなフォローアップを行ってはございませんでした。
すみません。総括説明の前に、1点、資料の訂正説明がありましたので、そこだけ、資料3-1に戻らせてください。
説明では十分触れなかったんですが、ローマ数字3番の計画期間内の取組状況把握に関する調査の実施についてでございます。
学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査を定期的に行っているわけですが、これは令和5年度ではなく、令和6年度、今年度ではなく来年度です。5ではなく6ということで、この1点だけ訂正をお願いいたします。失礼いたしました。
説明が前後してしまって申し訳ありません。
こうした様式でフォローアップを2次計画までしてまいりませんでしたので、3次計画において学校安全の施策をフォローアップしていくということが初めての取組になります。その資料の整理に当たりましては、いわゆる閣議決定されている計画、フォローアップをいずれもしているわけなんですが、どういうフォローアップの仕方があるのか、事務局でいろいろお調べした上で、この様式をひとまず案として作っております。
本日説明させていただきましたが、この後の御意見いただく際には、施策の内容、記述の内容に加えまして、今後、このような様式、体裁でフォローアップを行っていきたいと考えておりますので、この形式的な体裁面に関しましても、こうしたほうが見やすくなるとか、進捗管理がしやすくなるといった点からも御意見を賜れたら幸いでございます。
事務局からの説明は、以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
このフォローアップ、毎年度フォローアップするということは、第3次計画から初めて入ってきたことですので、これから取り組んでいくといいますか、そういうことになるかと思います。
今日御説明いただきました内容につきまして、何か御意見、御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
首藤委員、お願いします。
【首藤委員】ありがとうございます。社会安全研究所の首藤でございます。
フォローアップについての御説明、本当にありがとうございました。
第3次計画でようやくと言うと失礼ですけれども、きちんと計画が進捗しているか、フォローアップする仕組みができて、それが動いているということについて、とても良いことだと思いますし、ぜひこの取組をしっかりと続けていただきたいと思っております。
1点だけ、今回のフォローアップで御紹介いただいた現状の取組の状況ですとか、そういったもの、まずこういった形で、今何をやっているかということを整理いただくことはとてもいいことだと思うんですけれども、やはり計画を立てて、それを実行していくということが成果につながっているかということがとても大事かと思います。
例えば、周知のためのこういう活動をしましたということはもちろん大事なんですけれども、その活動の結果、こういうふうに周知が進んで、学校現場の安全のための対策がこれだけ進んでいるということがあって初めて、計画が適切に推進されているということになろうかと思います。
ですので、先ほどの御説明で、例えば、今見せていただいた資料3-1で、令和5年度ではなくて6年度とか8年度になさるという取組状況調査、こちらのほうで、恐らく実施してきた施策の成果として、学校現場の取組がこういうふうに進んだとか、そういったことが分かるようになるかと思いますので、ぜひ、この取組状況に関する調査の結果と結びつけて、取組の結果、こういうふうに安全が向上しているというところまで把握できるような形で整理をしていただくといいかなと思いました。
以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
これについて、お願いします。
【林補佐】首藤先生、大変貴重な御意見ありがとうございました。まさに私の説明の中で不足している点を御指摘いただいたかなと思います。
計画でありますので、進捗管理においては、定量的な指標をお示しすることも大変重要かと思います。御案内いただきました取組状況調査、いわゆる取組状況調査と言えば、委員の先生方はお分かりと思うんですが、2年おきに実施していまして、ちょうど令和3年度のデータを今集計しておりまして、本日の会議には間に合わなかったんですが、今後、あまり時間を置かないうちにお示ししたいと思っています。
ただ、令和3年度実績なものですから、非常に行政計画的な話で恐縮なんですが、第3次計画期間以前のものになりますので、その示し方も含めての御相談になっていくのかなと思うんですが。いずれにいたしましても、取組状況調査の数値は、この計画の進捗管理には不可欠なものだと思います。ちょうど2年に1回のサイクルになりますので、計画期間において毎年度取っているデータではないので、隔年のデータを参考にした経年変化を見ていくということになるんですが、今後、調査を実施し、成果を可視化していくという点で、首藤先生の御意見、まさにしっかりと計画のフォローアップの中でも取り入れさせていただきたいと、このように考えております。
どうも御指摘ありがとうございました。
【渡邉座長】ほかに、委員の皆様から御意見や御質問ございませんでしょうか。
それでは、北村委員、お願いします。
【北村委員】ありがとうございます。
私もまさに首藤委員が御指摘いだいた点がすごく気になりました。
それで、もう今の御指摘でいいかなと思うんですけど、今後評価していくに当たって、定量的に評価できるようなものと、なかなか定量的には評価しにくいものもあると思うんですけれども。例えば、セミナー実施とか専門家派遣によってどう変わったかみたいなのは、なかなか定量的には表しにくいと思うんですけれども、令和6年度なんかにこの取組状況の調査をされるということなので、これからなので、今の時点の現状の状態で、例えば、どんな安全点検の仕方をしているのかというのと、セミナーや専門家派遣したことによって、どうそのやり方が学校で変わったのかというもの、前後比較なんかもできるといいかなと思うので、今だったら、その前の状態がデータを取れるところもあるのではないかなと思うので、全て定量というわけではなく、ちょっと定性的になる部分もあるかもしれないですけど、そういった前後比較みたいなのもできると、評価の一つにはなるかなと思いました。
以上です。
【渡邉座長】ありがとうございます。
これにつきまして、林補佐のほうから。
【林補佐】北村先生、どうもありがとうございます。
計画期間内の第1回目の調査が、令和5年度実績のものを、ちょっと先になるんですが、年度明け、来年の春先に実施したいなと考えておりまして、まさにその調査票の中に、可能な限り定量的に把握できるような観点から調査票を検討していきたいと思っています。御指摘ありがとうございます。
【渡邉座長】ほかには、委員の皆様から何か御意見、御質問ございますか。よろしいでしょうか。
それでは、本日議事(1)と(2)に皆さんから御意見いただいたわけですが、全体を通して何か御意見を述べたいということがあれば、お聞きします。いかがでしょう。フォローアップ以外のことでもよろしいですし、この会議全体のことでもよろしいですが。特にございませんか。
それでは、今後も2つのワーキングの皆さんには、年度末に向けて、ぜひまとめていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、少し予定よりも早いですが、議事はこれまでとさせていただきます。今回の議事について、追加で何かございましたら、メールで事務局のほうまでお寄せください。
重ねまして、本日の積極的な御議論に感謝いたします。ありがとうございました。
それでは、事務局のほうにお渡しいたします。
【遠藤専門官】事務局でございます。
議事(3)その他についてでございますけれども、資料はございません。口頭のみの御説明となりますが、内容としましては、今後の予定でございます。
次回は12月頃の開催を考えてございます。日程につきましては追って事務局から御連絡を差し上げたいと思っておりますので、御承知おきいただければと思います。
事務局からは以上でございます。
【渡邉座長】ありがとうございました。
それでは、第2回学校安全の推進に関する有識者会議は以上とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ出席いただき、ありがとうございました。これで終了いたします。
―― 了 ――

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)