子供の体験活動推進に関する実務者会議(第5回) 議事要旨

1.日時

令和4年12月16日(金曜日)10時~12時

2.場所

WEB会議(Webex利用)

3.出席者

委員

青木委員、秋本委員、秋山委員、阿部委員、市田委員、柏崎委員、佐藤委員、多田委員、長澤委員、夏苅委員、平野委員、村松委員、山下委員、山本委員、吉村委員

4.議事要旨

子供の体験活動推進に関する実務者会議(第5回)での主な委員の御意見は以下のとおり。
 

「子供の体験活動推進に関する実務者会議これまでの議論の整理(案)」の全体について

  • サブタイトルとしているほうが本題で、論点のまとめというほうが副題なのではないかと思う。
  • 「家庭の経済環境によって体験活動に格差が生じている」という文言について、保護者の教育や子供への関心といったものも、体験活動の格差につながっていると感じるため、「経済環境等」としていただければと思う。
  • (体験活動の定義について)企業が提供できる可能性のある体験活動を含むということを、明記したほうがいいのではないかと思う。例えば、ものづくりの原点や原理原則、科学体験、科学実験、あるいは仕事の仕組み等が重要なのではないかと思う。
  • 国際交流体験も今後、グローバル社会の中で重要になってくるので、(体験活動の定義の中で)具体的なものを少し挙げていくほうが、各企業にとってもイメージがつきやすいのではないかと思う。
  • 学校の先生も人手不足であったり、学校のカリキュラムも忙しい中で、合間を縫って御依頼をいただくことも多いため、(継続的な取組以外に)単発の取組も想定していただければと思う。
  • コーディネーターについて、地域ごとに合わせた形で、学校の先生方や企業側ともに過剰な負担にならないような仕組みをつくった上で推進していくということを、実際に回していく上で強調していただければと思う。
  • 文科省での表彰といった取組だけではなく、自治体でも企業のインセンティブになるような施策を推進していただければと期待している。
  • 「体験型キャンプ」という文言があるが、キャンプは普通体験だろうと思うので、「体験型」という言葉は取り、「体験教室やキャンプ等」でよいのではないかと思う。
  • 青少年機構とボーイスカウト、ガールスカウトで取り組んでいる「そとチャレラリー」は、これ自体は野外活動ではなく懸賞企画であり、いわゆるインセンティブそのものであるため、「そとチャレラリーを通じた野外活動への参加」などに記載を変えたほうが、より正確であると思う。
  • 表彰制度の充実について、連携による好事例を表彰し、それが地域の取組を促進することにつながればと思う。項目としてそういった表彰をしていくことも打ち出しておいたほうがよいのではないかと思う。
  • 地域の中で、企業と教育現場をつなぐところは、社会福祉協議会やNPO法人等の中間支援組織も担っているので、そういった方にも今後も担ってほしいということをメンションしておいたほうがいいのではないかと思う。
     

「子供の体験活動推進に関する実務者会議」の全体を通して

  • 生きる力が初めて書かれた1996年の答申では、当時、学校教育でも体験活動を重視していくことは大事だが、やはり家庭や地域で行っていくことが本来の姿なので、そこで充実させていこうと書かれていたが、10年前の学習指導要領の改訂の答申から、地域の教育力等、また家庭の状況が課題になっており、やはり子供たちの体験活動を支える上では、学校教育でしっかりやっていこうと、この10年体験活動の学校教育の推進が進められてきたと感じている。その中で、やはり企業の力をこうした学校教育の中に取り込んでいく、また、企業との協働で地域の体験活動を推進していく新たな視点が今回クローズアップされ、今後、体験活動の充実の新たな在り方が、この議論を起点に進んでいくのではないかと感じている。その中でも特にマッチングについて、全ての子供たちに体験をくまなく伝えていくといった場合に、マッチングをどうしていくのかというのは非常に重要になってくると思う。
  • 教育課程の中で、社会に開かれた教育課程というのが打ち出されており、徐々に授業や学校行事で(体験活動を)取り上げることも含め、地域でそれをカバーしたり、そういった形で社会全体で子供の体験を保障していくというのは本当にいい方向なのではないかと思う。発達段階に応じて選べるようになるということが、子供たちにとっては幸せになることと思う。
  • 青少年教育制度というのは、脆弱性があるというふうに言われている。根拠的な法律が青少年教育にはなく、逆にそれを裏返して言えば、いろんなところと連携をして、新しいものを生み出せるという力が社会教育にはあるのかなというふうに思っている。例えば、教育以外の福祉部局とつながっていくというのも、やはり考えていかねばいけないと思う。
  • まとめの最後で、PDCAが適切に行われることが求められるとあったが、やはりこういった体験学習の成果が統計的に把握されるというのは非常に大事なことと思う。
  • 今年、3年ぶりにリアルの自然体験プログラムを少人数ながら再開したが、そのときの子供たちの笑顔というのは非常に忘れられないと思っている。やはりリアルの大切さというのは重要だということを改めて実感した。
  • 青少年、リアル体験、それから自然体験というような体験活動を青少年の教育のために後押しする法律の整理がまだない。活動をさらに後押しするための議論ができるとよいと感じた。
  • フィードバックという成果の確認というところと、実際どうなのかというところの定期的なチェックもしていきながら進めていったほうがよいだろうと考えている。
  • 将来の担い手となる子供たちがどのような経験をして大人になっていくのかというのは、今後の社会を支える上でも非常に重要だと思っている。(体験活動に取り組む)ハードルを下げるとともに、より促進できるような地域ぐるみ、まちぐるみでの活動も必要ではないかと思う。
  • 体験活動の質という面では、今まで教育課程の環境は各学校長に委ねてきたところだが、より教育委員会が主体性を発揮して取り組んでいかなければならないと思う。
  • つくって終わりではない話ということを前提に、これからも定期的に様々な方の意見や情報を聞き、情報交換できるような場というものを定期的に設けていただければと思う。企業としてこうした活動を進めていくに当たっては、国や自治体がこういう方針で、このためにやっていかなければならないんだというような指針を積極的にPRしていただいたり、打ち出していただくということが非常に重要かと思う。
  • 今回の取りまとめをこれから具体的な事業として進めていく上で、ぜひ実効性のあるものにしていただきたいと思う。
  • 企業と教育関係者、活動団体とをつなぐプラットフォームをきっちりとした形で構築いただいて、単発的ではなく、継続的に発展的に使えるような形で運営できることを望んでいる。体験活動の経験が非常に乏しい大人が増えているという部分も非常に大きな課題かと思う。地域、教育関係者の皆さんも含めて、積極的により活動意識の啓発をしていただくとともに、企業としても、そのあたりを意識して活動していければと思う。
  • 自然体験ではいろいろな養成体系があるが、もっと広げた、いわゆる体験活動という中で、子供たちが安心安全に活動できるにはどうすればいいのかというようなことももっと議論されていかなくてはいけないと思っている。
     

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