令和4年度子供の読書活動推進に関する有識者会議(第6回)議事録

1.日時

令和4年11月29日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

WEB会議(Webex利用)

3.議事録

令和4年度子供の読書活動推進に関する有識者会議(第6回)
令和4年11月29日(火曜日)15時59分~18時01分

【秋田座長】  定刻前でございます。ただいまから第6回「令和4年度子供の読書活動推進に関する有識者会議」を開催いたします。本日はお忙しいところ、御参加いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、委員の皆様全員、御出席の予定です。鎌田委員におかれましては、30分ほど遅れての御参加の予定です。
【工藤専門官】  事務局でございます。本日の配付資料ですけれども、議事次第にございますとおり、資料1が論点まとめ(案)、資料2が今後の日程(案)ということで御用意しております。委員の皆様におかれましては、資料を事前にメールにてお送りしておりますので、お手元に御用意いただきますよう、お願いいたします。
 以上でございます。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。今回の会議では、前回までの議論を踏まえ、次期読書計画の策定に向けた本会議としての議論をまとめていきたいと思います。まず、資料1の論点まとめ(案)を事務局で作成しておりますので、前回からの変更点を中心に、前半、後半の2回に分けて事務局から説明をいただいた後、それぞれ協議していきたいと思います。
 なお、委員の皆様全員、広く御意見をいただきたく、お一人様、二、三分程度で御発言をおまとめいただきたいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。
 それでは、論点まとめ(案)の前半部分につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【工藤専門官】  事務局でございます。前回の会議でお示しいたしました議論の整理について、前回の会議で、皆様から御意見、御発言等いただきまして、それを踏まえた修正と、事務局及び関係各課とも文言を確認いたしまして、直しておりますので、その修正部分を中心にして御説明したいと思います。
 前半につきましては、「はじめに」から12ページの第3の子供の読書活動の推進体制等についてまで、前半部分を御説明させていただきます。
 まず表紙のところですが、論点まとめ(案)の副題をつけさせていただいております。「全ての子供たちの可能性を引き出す読書活動の推進」ということで、今回、今日含めて6回の御議論を踏まえて副題をつけさせていただきました。
 1枚めくっていただき、2ページになります。「はじめに」を書かせていただいております。こちらのほうは、子どもの読書活動の推進に関する法律の理念ですとか経緯等を記載してまとめております。
 引き続いて次に、3ページの第1の近年における子供の読書活動に関する状況等についてというところです。前回の会議から記述を整理させていただいて、第1のパートに、家庭・地域・学校の取組状況について、そして、2つ目のところで、子供の読書の状況について、不読率の取組の状況や現状のデータをこちらに集約して載せております。
 3ページから4ページにかけてのところでは、不読率の状況については、令和4年度の学校読書調査の状況の結果というデータも更新して、こちらに書かせていただいております。
 続きまして、第2の基本的方針のパートになります。6ページになりますけれども、3つ目の丸になります。前回の会議でも御発言がございましたが、読むことの楽しさが重要であるというところと、あとはそうした体験がウェルビーイングにつながるというところを追記させていただいております。
 続いて、1枚めくっていただいて、7ページになります。前回の会議で、委員の皆様に御発言いただきましたが、高校生の不読の状況が大人に近い部分があるというところで、大人も含めての読書活動の推進計画等をつくる自治体があるという事例も御紹介いただきましたので、そうしたところを追記させていただいております。
 続いての修正箇所になりますけれども、8ページの下の3番目のデジタル社会に対応した読書環境の整備のところになります。こちらにつきましては、GIGAスクール構想の小・中学校の端末の整備状況ですとかネットワーク環境の状況について、データ的なところを追記させていただいております。
 続いて、9ページになります。4番目の子供の視点に立った読書活動の推進というところで、2つ目の丸になります。前回の会議で委員の先生からも御意見いただきましたけれども、子供の主体性や意思を尊重することが大切だというところがありましたので、文言を追加させていただいております。
 第2のところは、修正点については以上になります。
 続いて、第3の子供の読書活動の推進体制等につきましては、前回からは基本的には変わらず、引き続きの記述になっております。前半部分については、以上のところを修正しておりますので、もし委員の皆様からも追加で御意見等ございましたら御発言いただきますようよろしくお願いいたします。
【秋田座長】  ありがとうございました。それでは、説明いただいた前半の部分につきまして、御意見等のある方は、どうぞ挙手ボタンを押していただきますよう、お願いいたします。
 稲井委員、お願いいたします。
【稲井委員】  おまとめいただきまして、どうもありがとうございました。私からは、7ページの高校生の不読率について、前回申し上げるのを忘れてしまった点がありまして、この点について少しお話し申し上げたいと思います。
 高校生の場合は、高等学校での読書指導なんですけれども、小学校、中学校のような教員の組織とは文化がかなり違うという面がございます。例えば小中学校などでは全校一斉読書とか、読書集会とか、そういう組織を挙げての取組が実現しやすい環境にあると思います。しかしながら、高等学校は、教員の独自性や専門性に対する意識が大変強いために、読書指導についても、これは国語科が行えばいいとか、あるいは学校を挙げて組織的な課題として注力するような文化がございませんので、学校としての組織的な読書に対する指導であるとか関心を教員が持つということの必要性のようなものを少し盛り込んだほうが学校への促しなるのではないのかなと考えているところでございます。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。大変貴重な御意見ありがとうございます。
【工藤専門官】  続いて、福田委員、富永委員、島委員、清水委員の順で、挙手が挙がっております。
【秋田座長】  ありがとうございます。それでは、まず福田委員、お願いします。
【福田委員】  文科省の皆様、今までの意見を吸い上げてくださってありがとうございました。大変な労力を費やされたことと思います。まず感謝申し上げたいと思います。
 最後ですので、ちょっとお話をさせていただきますが、具体例が挙がっているのは紙媒体のものです。紙媒体の読書については、長い歴史もあり、定評ある書籍は時代を超えて読み続けられており、読書への取組は国際的にも、教員、それから、司書やボランティアなど、読書支援活動の取組は国際的にも確かめられたものが使用されたりしています。
 これに対してデジタル図書や資料の使い方及び成果についてはこれからなので、まだ曖昧なままです。デジタル先進国のアメリカ合衆国など、近年、二、三十年の様子を調査することとか、また、日本においても、ここで御紹介されている先進的に導入されている地域の実例とその成果を調査して、評価した上での御紹介や導入が望まれると思っております。今回の計画のことだけではなくて、次への読書推進計画のこともありますので、調査・検証して取り組んでいただければいいなと思っています。
 デジタル環境を整えるのは重要ですし、調べたり、情報を得たりしていく上で、ICTを活用していくのは今や必然なことになっています。ただ、デジタル図書や資料の導入を先行させる場合には、紙芝居や本や絵本のコピー的なものが中心ではなくて、紙媒体ではできないような、グラフィック等を使った、イメージが湧くような歴史物語とか宇宙や天体、ウイルスとワクチンの世界とか様々な、今まであるものとは違うイメージのものでどんどん活用ができていったらいいなと思っています。
 紙媒体がただデジタル媒体に代わるものとしてではなく、デジタルならではのものと組み合わせながら、今までにないものをつくり出していくことや、両者の使い分けが重要です。紙媒体で済むものは、今ある財産として有効に活用しながら読書推進がなされていけばいいなと思っております。
 ページに沿っていきますと、5ページです。注16の文の後に、例えばこの結果はデジタル図書資料が学校に普及する前の成果として特に留意する必要があると付け加えていただくといいと思います。注16では、デジタル機器による読書も含むとありますが、PISAの2018の実施時点では、GIGAスクール構想が実施されていなかったにもかかわらず、よく読む生徒の読解力の得点が高いとして結果が出ていますので、ぜひその点の確認として付け加えていただきたいと思います。
 それから、6ページですが、ウェルビーイングに注釈があったほうがいいかなと思います。
 次に、7ページです。文末の最後に、注を付け加えていただくといいなと思っているのですが、文末の最後か、あるいは文中でもいいのですけれども、ちなみにPISAの2018には、日本では国語ですが、「今年度、言語の授業のために読まなくてはならない最長のものは何ページでしたか」という生徒調査があり、長文の読書と読解力指導があるほど、PISA型読解力の得点は高いという結果が出ています。
 ですから、長編を読むということに関してのただの読書推進だけではなくて、長編を読んでいきましょうという働きかけも必要だと思いますので、ぜひそこに、そのことを付け加えていただけるといいと思います。
 それから、9ページです。9ページの7行目です。「子供の視点に立った読書活動の推進」と付け加えていただきまして、ありがとうございました。これはとても大事なことだと思います。ただ、それと同時に、読書指導の部分もありますので、子供たちが好きな本ばかり、例えば、おやつだけの本では育ってはいかないということで、大人や教育者としての成長をしてもらいたいとか考えてもらいたいと薦める読書もあると思いますので、そこをちょっと1行か2行付け加えた上で、子供たちのそういう思いを大切にしていくということを書いていただくと、これを読まれた全国の皆さんも納得なさるのではないかと思います。
 あと、同じ9ページですが、7行目、「電子図書館を開設し、小学生の電子書籍を含む図書の貸出数が急増した地方公共団体もある」というところで、これも文末に付け加えるか、あるいはまた、注のところで、この事例については、その成果を調査し、結果を共有することが必要であると付け加えていただければいいと思っています。
 取りあえずは以上です。長くなりました、すみません。
【秋田座長】  ありがとうございます。いずれも重要な点をありがとうございます。
 それでは、富永委員、お願いいたします。
【富永委員】  市川市教育委員会の富永です。私は、11ページなんですけれども、前回多分見落としたと思うんですが、市町村の取組と都道府県の取組のところで、「保育所、認定こども園、学校」とあるんですけれども、ここに「幼稚園」という表記が何でないのかなというのがちょっと思ったところで、同じように、13ページとか21ページ、24ページもやっぱり「幼稚園」がなくて、ただ、16ページや28ページには「幼稚園」という表記があるので、そこのところだけ気になりました。
 私からは以上です。
【秋田座長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、島委員、お願いいたします。
【島委員】  島でございます。8ページから9ページのデジタル社会に対応した読書環境の整備についてですが、子供の発達段階を考慮するという視点を加えていただきまして、ありがとうございました。電子書籍等の利用では、多くの子供の場合、やはり発達段階への配慮というのが大切であると思っております。子供には乳幼児から絵本による読み聞かせや、その後、小学生でも紙の本による読書習慣が大切だと思っております。物としての本は、大きさ、厚さ、装丁、表紙など、子供が本を選ぶ上でも、また、内容理解においても大切なものだと思います。
 一方、電子書籍等は、多様な子供たちの読書機会を確保するためには有効な方法です。私はまず子供たちの周りに潤沢な紙の本の環境を整備すること。それにプラスした形で、電子書籍等を加える構造が大事だと思っております。
 9ページの「子供の視点に立った読書活動の推進」ですが、今回この視点が強調されたことはよかったと思っております。第5次の計画に反映されるようにお願いしたいと思います。
 先ほどのデジタル社会に対応した読書環境の整備との関係で言えば、子供の選択肢が電子書籍等だけという状況だけは避けてもらいたいと思います。17ページでも触れられていますが、紙媒体と電子媒体等を柔軟に子供が選べる環境が大事だと思います。利便性や効率性を優先する大人目線ではなく、子供の視点に立った読書環境の整備をする必要があろうと思っております。
 以上、感想といいましょうか。意見ということでお話しさせていただきました。失礼します。
【秋田座長】  どうもありがとうございます。
 それでは、清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  まず3ページの1つ目の丸の最後の文章のところに、「児童用図書の貸出冊数が減少している」とありますが、子供の数はそもそも減っているので、児童1人当たりの貸出冊数がどう変化したのかというようなデータがあれば、そういったことも併せて表記されると親切かなと思いました。
 それから、もう1点、表記についてですが、一般国民にあまり浸透していないような片仮名語や、英語の表記については、初出のときに、例えば9ページの「デジタルトランスフォーメーション」のように注をつけていただくか、具体例がその言葉の前に出ていると親切なのではないかと思いました。例えば8ページの2つ目の丸の「障害のある子供等のためのアクセシブルな書籍及び電子書籍の充実」という書き方よりも、24ページの1つ目の丸のように、アクセシブルな書籍や電子書籍がどういうものを指すのか、具体的だと分かりやすいと思いました。
 もしくは、8ページのところですけれども、「障害などの必要に応じ、多様な読書機会を可能にする、アクセシブルな書籍及び電子書籍の充実」というような日本語を補うとよいと思いました。
 それから、先ほど福田委員からもありましたが、6ページの「ウェルビーイング」や、それから、13ページの「コンソーシアム」、31ページの「STEAM」のような言葉も御検討いただければと思います。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、有山委員、お願いいたします
【有山委員】  軽井沢風越学園の有山です。取りまとめ、本当にありがとうございました。日々、子供たちの読書に関わっているところで、改めていろいろ考えさせられることがたくさんありました。ほかの委員の方もおっしゃっている、電子書籍、電子図書館辺りはやはり今後いろいろまた検討していく必要があるのかというのは感じていますが、いろいろな選択肢を子供たちが選べるのはとてもいいことだなと感じています。
 今回はまだそこまでではないと思いますが、いろんな電子図書館だけではなく、サブスクリプションのようなサービスがあったり、あるいは、いろんなネットの中にも読める本みたいなのがいろいろ出てきたりすることも今後入れていく必要があるのかなと思います。
 一つ、9ページ、ほかの委員の方もおっしゃっている学校向けの電子図書館のあたりの記述なのですが、この学校向け電子図書館というのがちょっと分かりにくいのかなと思って、例えば公共図書館が自治体さんの中で全員に子供たちにID、パスワードを付与されているところもありますし、積極的に電子図書館の活用を進めている自治体さんがあったり、あるいは子供の端末に電子図書館のアイコンを載せているということもあるので、その辺りの学校向け電子図書館という言葉についての説明がもう少しあったらいいのかなということを感じましたので、それを付け加えさせてください。
 また、最初の副題ですが、サブタイトルは多分、この論点の核になるところだと思います。記述の中の「全ての子供たちの可能性」について、「可能性」という言葉は、便利ではありますが、ここで言う可能性というのは何なのかなと私自身は引っかかったので、その辺りの捉え方というのを、もしかしたら少し考えたほうがいいのかなということを感じました。
 私からは以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、設楽委員、お願いします。
【設楽委員】  全国学校図書館協議会の設楽です。まとめていただいてどうもありがとうございます。さらに、当会の学校読書調査、更新いただいてどうもありがとうございます。4ページのところで、学校読書調査の結果が前に比べて冊数が増えていると書いていただいていますが、数字だけ見ると、どうしても高校生の読書冊数が極端に少ないように見えてしまいます。これは、小学生から中学生、高校生になるに従って、ページ数の多い本を読むということがあるので、どうしても冊数が減少してしまいます。そのことも一言入れていただけると、この数字の意味を正確に理解していただけるのではないかと考えます。
 あと1点、非常に瑣末なことですけれども、6ページの脚注のところです。読書とはという定義が出ていますが、下から3行目です。「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説では」の後、括弧があって、「読書」、その後、括弧がついて、「とは」となっています。この読書の後の括弧は要らないと思いました。御検討ください。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】  おまとめありがとうございました。先ほど有山委員もおっしゃっていた学校向け電子図書館のところですけれども、確かに具体的に何を指すのかというのが、初めて読む方はイメージしづらいところもあるかもしれません。多分想定しているのは、学校向けにサービス提供されているサブスクモデルも含めての電子書籍サービスのことかなと思うので、その辺、先ほど福田委員からも御指摘あったような、今後、引き続き検討が必要だということも含めて、注で補っていただくと、より具体的になるのかなと思いました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 ほかには今、お手が挙がっておられないように見えますが、大丈夫でしょうか。
 大丈夫ですか。それでは、また後での機会もございますので、今度は論点まとめ(案)の後半部分について、事務局より御説明をお願いいたします。
【工藤専門官】  事務局でございます。前半部分で御発言いただいたところで一つ、事務局から御説明させていただきたいと思います。富永委員から御意見いただきました、保育所や認定こども園の並びの中で幼稚園が入っていないということで、11ページの真ん中のところにあります都道府県の取組等の1つ目の丸がありますけれども、こちらの幼稚園につきましては、学校の中に含まれているという整理で、学校教育法の定義に基づいて整理させていただいていますので、決して幼稚園が何も入っていないということではなくて、学校の中に含まれているということで御理解いただければと思っております。
 それでは、後半部分について御説明を続けたいと思います。13ページになります。こちら、第4の子供の読書活動の推進方策について、1番目、まずは共通事項としてまとめております。前回からの修正点につきましては、共通事項1の連携・協力になりますけれども、1つ目の丸の5行目になります。「社会教育、学校教育の両面から読書活動を推進していくこと」という御指摘を前回いただきましたので、その点につきましては追加させていただいております。
 同じく、最後の文章になりますけれども、「また」以下のところの図書館等が地域の拠点などの民間団体との連携に努めていくというところで、読書環境の醸成に取り組んでいくことを追加しております。
 続いての修正は14ページになります。人材育成の下のほうの「司書教諭及び学校司書等の研修等」についてです。こちらは司書教諭や学校司書だけではなくて、一般の教師やり、指導主事、校長等の研修についても、読書活動に関する内容の充実が図られることが望まれるという形で、御意見を踏まえて追記させていただいております。
 あと最後、14ページ、15ページにかかっていますけれども、教職課程についてもそこで、読書指導に関する内容の充実が図られることが期待されると、前回御意見いただいておりますので、そうした観点も追加しております。
 続いて、16ページになります。発達段階に応じた取組になりますけれども、こちらについては、まずは発達段階ごとの特徴を時期ごとでまとめてはいるんですが、前回の御意見でもございましたけれども、子供の発達段階は多様だと。あとは個々の子供の状況等も十分に勘案するというような留意事項を付した上で、こうした形でまとめさせていただいております。
 続いて、17ページになりますけれども、発達段階ごとの特徴の下のところの1つ目の丸になります。こちらについては、小学校入学前までにブックスタートのような取組が、機会を設けて、何度も行っている地域もあるという事例を紹介していただきましたので、そうしたところを追加させていただいて、読書活動に対する切れ目のない支援という観点からも重要という形で追記させていただいております。
 続いて17ページの丸になりますけれども、紙と電子媒体について、今回の会議でも様々な意見をいただいたところですが、乳幼児期においては紙媒体等に触れることが望ましいという意見ですとか、あとは読書バリアフリー法等を踏まえまして、アクセシブルな電子書籍やICTを活用することで、多様な子供の読書の可能性を広げるというところで、様々な意見、御指摘等もいただいたところですので、そうした点を踏まえまして、読書活動を推進する上では、発達段階や子供の状況等に応じて、紙媒体と電子媒体を柔軟に選択できるようにすることが望ましいという形で書かせていただいております。
 続きまして、5番目の子供の読書への関心を高める取組になりますけれども、こちらについては、具体的な取組を委員の皆様から御提案いただいておりますので、そうしたものを新たに追加させていただいております。また、具体的な取組だけではなくて、手話を添えたり、手遊びや歌を交えたり、様々な言語を使用したりという形で、多様な子供たち、誰もが参加できる活動が重要だというような文言も追加させていただいております。
 続きまして、21ページになります。こちらは家庭のパートになりますけれども、3つ目の丸になります。多様な子供ですとか多様な家庭状況があることを配慮してというところでの家庭における読書活動推進という形で、追記しております。
 続きまして、22ページになります。こちらは3番目の地域のパートの1番の図書館の役割取組です。こちらにつきましても、前回の会議で、委員の皆様からの御意見等を踏まえまして、①のところですと、資料・情報の整備・提供ですとか、乳幼児のお話会という取組の追記ですとか、②、③については、保護者にもというところで、文言を追加させていただいております。
 同じく④については、やさしい日本語による利用案内ですとか、⑤は、移動図書館、そうしたところの御指摘いただいておりますので、そこは追記させていただいております。
 続きまして、多様な子供たちの読書機会の確保の24ページになります。24ページ、下から2つ目の丸になりますけれども、保育所や認定こども園、学校、児童館だけでなくて、子ども食堂などの民間団体への団体貸出等のお話もございましたので、追記させていただくとともに、一番下の丸になりますけれども、図書館自体が家庭でも学校でもない落ち着ける空間というところでの見直しがされてきており、子供たちにとって立ち寄りやすく、心地よい場所だというところも追記させていただいております。
 続いて、25ページになります。デジタル社会等に対応した読書環境の整備の3つ目の丸になります。前回の会議で御発言いただきました、デジタルアーカイブの充実等の機会ということも書かせていただいております。
 続いて26ページになります。子供の視点に立った読書活動の推進については、3つ目の丸になりますけれども、高校生を含んだ青少年層の要望を把握して、資料の充実を図っていくというところで、例示としてヤングアダルトコーナーの設置ですとか、企画の段階から参加するという事例を紹介させていただいております。
 続きまして、2の図書館における取組の促進等については、27ページの真ん中のところからの司書及び司書補等の適切な配置については、2つ目の丸になります。後半部分で、特に、子供の読書活動の推進に資する安定的なサービスを実施するためには必要な専門性を持った人たちが適切に配置されることが期待されるという形で、司書と司書補の適切な配置についても追記させていただいております。
 続いて、4番目の学校等のパートになりますけれども、1番の幼稚園、保育所、認定こども園等については、4つ目の丸のところにありますが、異年齢交流については、高校生もというお話が前回ございましたので、そこは追記させていただきます。
 2番目の初等中等教育段階の学校等の役割・取組については、ここには学習指導要領等の文言を書かせていただいております。
 続いて、29ページになります。こちらは4つ目の丸のところになります。学校図書館の機能として3つ挙げさせていただいておりましたけれども、プラスとして、「心の居場所」となる側面も有しているという形で追記させていただいております。
 続いて、31ページになります。2つ目の丸になりますけれども、全校一斉読書を通じて子供たちが本を取るきっかけとなっているという形で、学校において、そうした読書の時間の機会を確保されることは、子供の読書習慣を形成する上で重要であるという形で、前回の御指摘を踏まえて追記しております。
 続いて32ページになります。デジタル社会に対応した読書環境の整備については、1つ目の丸になりますけれども、教職員が、情報科や技術科の教師と連携・協力することも有効であるという形で、御指摘を踏まえて追記しております。
 続いて、33ページの真ん中のところで、子供の視点に立った読書活動の推進でございますけれども、例示として、実際に子供たちが主体的に取り組むような事例としては、学校図書館便りの作成などの事例も追記しております。
 続いて、(2)学校等における取組の促進等については、2つ目の丸になりますけれども、図書の選定や廃棄、更新等を適切に行うという御発言がございましたので、そこは追記させていただいております。
 続いて34ページの真ん中のところで、電子書籍やデータベース等のデジタル資料の導入に当たっては、国等が先進事例を共有することが期待されるという形で、前回の御発言を踏まえて追記させていただいております。
 続いて、体制整備のところになりますけれども、34ページ、35ページにまたがっております。こちら、都道府県、市町村の体制整備の支援というところで、事例といたしまして、前回の会議では、手引きというお話もございましたけれども、学校関係者の参考となるような学校図書館の活用等に関する資料を作成することが考えられると、例示として挙げさせていただいております。
 続いて、35ページの司書教諭の配置につきましては、2つ目の丸です。小中高の司書教諭の配置の状況に加えまして、特別支援学校の配置の状況を追記しおります。
 続いて、同じく学校司書の配置につきましては、学校司書の特別支援学校の中での配置状況も追記しております。
 その次の丸になりますけれども、36ページになります。学校司書の配置に当たっては、専門性等が一層発揮できるように、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境への配慮の上、司書教諭の授業負担の軽減等も併せて、学校図書館の人的整備の拡充を図っているということ、特別支援学校についても、読書バリアフリー法の成立などを踏まえて、配置の拡充に努めるという形で追記しております。
 最後に、38ページになります。今回の会議でのまとめを「おわりに」で書かせていただいております。これまでの議論のまとめを踏まえて書かせていただいておりまして、まず3段落目に、読書の子供の頃からの習慣形成につきましては、個々のウェルビーイングの実現に資するという形でありますし、あとはウェルビーイングや共生社会の実現については、推進法にもあるような基本理念を実現していくという重要性は増しているという形で書いておりまして、それを踏まえて、今回の会議で基本的方針として4つ挙げておりますけども、そうしたものの推進方策というところも強調させていただいているという形になっております。
 修正点については以上になりますので、よろしくお願いいたします。
【秋田座長】  御説明ありがとうございました。
 それでは、後半部分につきまして、御意見のある方はどうぞ挙手ボタンを押してください。お願いいたします。ありがとうございます。
 では、まず堀川委員、続いて、福田委員、お願いいたします。
【堀川副座長】  ありがとうございます。堀川です。大きく3つあるんですけれど、一つは、22ページの資料の種類のところですが、この中に、マルチメディアDAISYとか、LLブックとか、布の絵本、さわる絵本、そうしたものも入ったほうがいいと思います。24ページにはアクセシブルな資料とありますが、この資料の種類のところにも、マルチメディアDAISYを入れていただければと思います。
 それから、23ページの1行目と8行目に代読サービスがあるんですが、これは子供に向けての代読サービスというのは、実際どのくらい行われているのでしょうか。マルチメディアDAISYですと、読み上げ機能がありますし、それから、パソコンの読み上げ機能がありますので、どうなのかなと思います。
 そして、23ページの8行目は、ボランティアのところですが、代読サービスよりは、布の絵本や点訳絵本などの製作とか、そうしたボランティア活動のほうがより適している、ふさわしいのではないかと思います。
 それから、もう一つ、13ページから14ページのところに、学校と公立図書館の電子書籍サービスの連携ということが書いてあります。これは今年の8月2日の文科省の事務連絡も出て、推奨されているところですが、こんな話を聞いたんです。ある自治体の話なんですが、電子書籍を導入したら、児童生徒も利用できるので、その分の学校図書館予算を削減してもいいだろうという考え方が出たということを聞いて、これはちょっと違うと。連携というのは、学校の読書環境を豊かにするためであって、それからまた、相乗効果が期待されるもので、学校のほうの活動が縮小されるとか、予算が圧迫されるという、そうしたこと、そういう考え方にならないような表現を何かここで追加していただけたらありがたいなと思っています。
 長くなって申し訳ありません。もう一つ、第2の基本的方針の中に4項目が掲げられていますが、2、3、4については、第4の推進方策の中で見出しが出てくるんです。しかし第1の不読率の低減に関しての具体的な方策が見えないというか、実際に、先ほどの31ページの2つ目の丸の10分から15分程度の短い時間を活用して、児童生徒が自らの興味や関心に応じて選んだ図書についてという、全校一斉の読書活動などは不読率の改善につながる可能性があると書いてあるので、よくよく見てみるといろんなところに不読率の低減のための方策が書かれているんです。それらをそれぞれの部分で、読書率の低減の方策としてまとめていただけるとありがたいなと思っています。
 長くなってすみません。以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、福田委員、お願いします。
【福田委員】  幾つかありますが、まず14ページの研修のところです。司書教諭及び学校司書等の研修等というところで、教員の研修も入れていただいてありがとうございました。全ての、それから、「教師」なのか、次の項目は「教員」となっていますので、語句の統一が必要かなと思うんですが、「全ての教師が読書活動の重要性を認識し」と入れていただいて、ありがたいところです。ここにもう一言、例えば生きる力としての読書活動の重要性とか、一言何か入れていただくと、単なる趣味の読書じゃないんだよと、学校で支えていくのはというところが分かるかなと思いますので、お願いしたいと思っています。
 それから、15ページの1つ目の丸ですが、学校図書館を活用した指導の充実というところで、文面を読んでくると、きっと読書指導ということだろうと思うんですが、それも、何の指導なのかということが明確になればいいなと思いました。
 そして、17ページの乳幼児期においては、「紙媒体等に触れることが望ましいという意見や」、その「等」が何なのかというところなんです。それで例えば、括弧して、「紙媒体」、先ほどもちょっと出ていましたが、島さんなどもおっしゃっていましたが、実物や、例えば手遊びだとか、そういうような具体的なところを、括弧でもいいので、「等」の後にでもいいので書いていただいたほうが明確に分かると思います。
 それで、ここの乳幼児期はとても大切な時期で、実は今年、都内の学校司書の方から、1年生が入学してきて、本を学校図書館で4月に渡して読もうといったときに、手をめくらずに、縦に動かしたと。スクロールする。それから、そういう子だけではなくて、ページをめくれない。めくることに慣れていないので、紙が、本が破損するという話を聞きました。乳幼児期をいかに過ごさせるかということは、もう電車に乗っても、レストランに行っても、お母さんもスマホを見ているけど、3歳、4歳の子もスマホを見ている、あるいは赤ちゃんも見ている。そういう状況ばかりの中にあるので、この文章がとても重要だなと実は思っています。
 それで、「発達段階や子供の状況等に応じて」という、「応じて」なんですけど、「大切にしながら」とか、ここの文章も大切に、もう一度、練り直していただけたらいいかなと思います。選択できる条件だけを整えるのではなく、何というんでしょうか。そういうふうな子供たちの学び、成長のために大切だというところをもう一言あればいいなとちょっと感じたところです。
 それから、あと30ページなんですけれども、「多様な子供たちの読書機会の確保」というところで、1つ目の丸のところで、「地域の多様な人々の参画も得る等」と書いてあるんですが、ボランティアをやってくださる方々に本当に感謝なんですけれども、いろんな方がいらっしゃいますので、ここに一言、そのことで苦労している、ボランティアの中にも多様な方がいらっしゃるので苦労している学校も現場としてはあります。そこで、「学校教育方針の下」とか一言付け加えていただくと、好きにやっていいんですよということにはならないかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 まだちょっとありますが、また後で触れさせていただきます。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 では、中野委員、桑原委員、鎌田委員の順でお願いします。
【中野委員】  東京都立多摩図書館の中野でございます。よろしくお願いいたします。
 まず24ページですけども、24ページの一番上の項に、アクセシブルな書籍というところがあるかと思うんですが、そういったものを配架したりんごの棚というコーナーを当館ではつくっているんですが、公共図書館の中で、このりんごの棚の設置に取り組んでいる図書館は非常に増えてきているところでございます。ですので、事例ですとか注記で結構なので、りんごの棚について取り入れて、触れていただけると、分かりやすいのではないかなと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 あと、24ページの上から5つ目の項ですが、子供読書支援センターを設置とございますが、子供読書支援センターだけではなくて、学校図書館支援センターを開設している公共図書館もございますので、子供読書支援センターや学校図書館支援センターという、そういったふうに付記していただけるとよろしいのかなと思いました。
 あと、先ほど、福田委員のお話を聞いて改めて思ったんですけど、紙の絵本ですね。特に紙の絵本の大切さというのを改めて思い至ったところでございまして、私どものほうでは、低年齢の子供向けの絵本として、電子書籍は取り入れていないんですけども、非常に子供は、紙の絵本とか布の絵本を、すごく喜びます。小さい子供が親と一緒に来てコミュニケーションが取れているというか、深まっているという事例もよく目にしますので、そういう意味では、やはり子供の時期は、紙の絵本とか、手でさわれる絵本、布も含めてですけども、そういったものが大事なのかなというのを改めて思った次第でございます。
 あと、24ページのところなんですが、全体的に図書館という場について言及していただきまして、本当に感謝申し上げたいと思います。子供たちが本に触れるきっかけをつくるには、図書館がもちろん立ち寄りやすく、居心地のよい場所になることは大切だと思うんですが、それだけではなくて、子供たちが実際に図書館に来て、図書館で実際に棚の本を自由に手に取って、あれこれ選んでみる。あと、分からなければ、ちょっと図書館の人に聞いてみようと思って、聞いてみるとか、図書館は図書館を利用する人が、図書館資料や、職員を大いに利用していいんだよということを、そういう場所であるということを子供たちに気づいてほしいなと思っているところでございます。そのためには図書館が、図書館の役割ですとか使命を子供たちに、分かりやすく、親しみやすい方法で伝える努力というのは必要だと考えております。
 また、本に触れるきっかけが生まれるには、子供の本ですとか、子供の読書に通じた司書が配置されていることで一層達成されるのではないかと考えてございます。例えば25ページの上から2番目の項目で、子供たちがOPAC、これを利用する場合、利用方法について、子供向けに分かりやすく説明してあげる。これもやはり図書館司書の役割ではないかと思っております。
 そういう意味では、27ページに、専門性を持った司書の配置について言及していただいて大変ありがたいと思っているところでございます。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、桑原委員、お願いいたします。
【桑原委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 まず16ページにあります、その前の15ページからの続きで文章がついているところで、優れた取組の奨励というところで、以前言させていただきました、こども園等々がこういった対象になったらいいなということでお話しさせていただきましたことを取り上げていただき、本当にうれしく思っております。本当にありがとうございます。
 新たに幼稚園、保育所、認定こども園等を対象になったことで、きっとこれはモチベーションにつながるということだけではなくて、いろんな園の取組を知るきっかけにもなるのではないかなと思っています。表彰された団体というのは、表彰は本当にうれしいことだなということに加えて、この表彰を知る人の目に触れたことで、活動の参考になるんじゃないかなと。そうすることがきっと現場の活気というものにつながるんじゃないかなとも思っています。そういった取組をする、奨励をするということ自体がいろいろな幅を広げてくれるんじゃないかなと期待しているところです。
 あと、先ほどの前の文章に戻ってしまって申し訳ないんですが、事務局様から、「学校」という表記の中に幼稚園が含まれますということで、説明を先ほどいただいたんですけれども、これは結局、所管の違いというか、そういうものも含まれているんだろうなと思っておりまして、厚労省とか内閣府とか文科省という違いがあってのくくりと私は受け止めていたんですが、学校の中に幼稚園が含まれるという解釈であれば、注釈を入れていただけると、いろんな方にも分かりやすいんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、鎌田委員、お願いいたします。
【鎌田委員】  鎌田でございます。よろしくお願いいたします。まず14ページの最後の丸になります。教員養成、教職課程においてというところの記述がございますが、もう一歩踏み込めないかなという思いでここは読ませていただきました。ICTに関しては、教育職員免許法施行規則の改正が行われて、教職課程コアカリキュラムが改正されました。ですから、例えばコアカリキュラムの「各教科の指導法」であるとか、「教育課程の意義及び編成の方法」や「教育の方法及び技術」といった、教職課程コアカリキュラムの内容に触れながら、そういうところでも、もちろん各大学の主体的な判断によりだとは思うのですけれども、もう少し踏み込んだ形で養成期、研修のところで、読書について指導してもらえるよう、言及してもらえるようにする必要があるのではないかと思いました。
 続きまして、15ページでございます。15ページの丸の1つ目なのですけれども、各学校における校内研修と、校内研修から始まっているのですが、校内研修からスタートしてしまうと、どのようにしてよいかわからず、なかなか取り組めない学校が多いと思いますので、各都道府県や市町村などの自治体の教育研究会や研修会などでということにも言及していただいてはどうかと思いました。これが15ページの丸でございます。
 飛んで、22ページに参ります。22ページの図書館の役割ですが、比較的、読み聞かせ等の文学的文章の読書に関する支援について書かれているのですが、公共図書館などで探究的な学習への支援を行っている自治体もございます。例えば夏休みの自由研究であるとか、調べる学習などの探究的な学習の支援も行っているということも、事例として入れていただいてはどうかなと思いました。
 30ページに参ります。30ページなのですが、学校図書館図書標準について触れられています。学校図書館図書標準の達成率がまだ十分とは言えない状況のときに、このようなことを申し上げるのはどうかとも思いますが、ただ、論点まとめの一番最後のまとめのところで、新しい社会を展望しながら読書活動の意義ということを説かれているのですから、触れるべきだと思われます。現在の学校図書館図書標準では新しい時代の教育に見合うだけの資料規模を備えられていないというのが、私が感じるところであります。
 例えば、全国学校図書館協議会でも探究的な学習等も視野に入れたような標準を出されていますので、これ、さすがに、なかなか記述が難しいところなんですが、教育が変わってきているので学校図書館図書標準の見直しなども求められる、程度の表現はしてもよいのではないのかなと思いました。
 それに関わるところですが、33ページ、前回のところで私、質問させていただいたのですが、地方財政措置はあくまで自治体がどのように使うかというのは裁量が決まっていますので、これ、文科省の姿勢としては、ここまで措置しているということが非常に重要なことはよく分かるのですが、実質としてどれぐらい使われているかということで、自治体に見直しをかけてもらえるような記述ができないものかなと思いながら、ここ33ページは読ませていただきました。
 すみません、あと2つ言わせてください。
 34ページになります。この体制整備のところで、教育委員会のことが書かれているのですが、教育委員会の指導主事の方は、基本的に万能で何でもやられるわけですけれども、比較的、学校図書館の担当をされる方の知識とか御経験とか資質・能力が十分でないところも見受けられます。これは文科省も研究費を出されて、全国学校図書館協議会が引き受けられて、教育委員会の指導主事向けの研修などについての取組も始まっていますが、ぜひ教育行政の担当者の資質・能力の向上についても、何か例えば注釈だけでも結構ですので、述べていただけるといいのかなと。ここまで書いていただきましたので、もう一息かなと思いました。
 最後、35ページになります。司書教諭のところと学校司書の配置のところなのですが、司書教諭は実働時間についてあまり述べられていないのです。配置はされているのですけど、実際に司書教諭として機能できるような勤務体制になっているかというと、なかなか厳しい。
 今回、文科省の「学校図書館の現状に関する調査」で、司書教諭の職務専念時間に関する調査項目が上がったのは、非常に重要なことだと思いまして、それについてぜひ、調査項目も上がっていることですから、言及していただけるとありがたいなと思います。
 同じく学校司書の配置についても、確かに配置状況はよくなってきていると思うのですが、これは例えば3校とか4校兼務されている学校司書の配置は、4校分でカウントされているのです。実態として反映されていない部分があるので、実情を表せていないとの意見もある、というようなことを注釈で書いていただけるとありがたいと思いました。
 すみません、たくさん述べさせていただきましたが、以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
【工藤専門官】  ありがとうございます。事務局です。いただいた意見につきましては、注釈等の書き方も含めまして、こちらで検討させていただきます。
 挙手ですが、清水委員、設楽委員、富永委員の3名の方が挙手されております。
【秋田座長】  ありがとうございます。ほかの方もおられると思いますが、まず清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  東京子ども図書館の清水です。先ほどから御指摘があったところですが、17ページの2つ目の丸、「乳幼児期においては紙媒体に触れることが望ましいという意見がある」と追加していただきましたが、このような表現ではなく、より具体的に、例えば「電子媒体への早期・過剰な接触は、発達途上の子供の健康に悪影響を及ぼすとの危惧が専門家からも出されている。今後の研究にも注視する必要がある」というようなところで一旦文章を区切って言い換えることができないでしょうか。
 その上で、例えば、「一方、障害などでアクセスが制限される子供にとっては」と加えて、「読書バリアフリー法等を踏まえ、アクセシブルな電子書籍やICTを活用することで、多様な子供の読書の可能性を広げることができるなど積極的な面もある。読書活動を推進する上では、発達段階や子供の状況等に応じて、紙媒体や電子媒体等を柔軟に選択できるようにすることが望ましい」というふうにつなげてはどうかと思いました。
 紙と電子と両輪で進めつつも、よく分かっていない部分でもあるので、デジタル機器の適正な利用について、調査とかそれから情報提供のようなものが必要だということは、どこかに入れておいたほうがよいのではないかと考えました。
 それからもう1点なんですけれども、27ページの「司書及び司書補等の適切な配置」の2つ目の丸の最後のところに、「特に、子供の読書活動の推進に資する安定的なサービスを実施するために必要な専門性等を持った人材が適切に配置されることが期待される」と追加していただけて、一歩前進したと思いますが、36ページの「学校司書の配置」の箇所のところでは、「学校司書の配置に当たっては、その専門性等が一層発揮できるよう、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境への配慮の上」と、より具体的に追加されたことに、司書および司書補も文言を合わせてほしいと思いました。
 ですので、「特に、子供の読書活動の推進に資する安定的なサービスを実施するために必要な専門性等を持った人材が、継続的・安定的に職務に従事できるよう適切に配置されることが期待される」というふうに、官製ワーキングプアの問題などもありますので、ぜひ加えていただきたいと思いました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 続きまして設楽委員、お願いいたします。
【設楽委員】  それでは35ページをお願いします。学校司書の配置のところです。その1つ目の丸の一番最後、「学校図書館法第5条」とあります。これは「第6条」だと思いますので御確認ください。
 それから、ちょっと前に戻りますと、32ページ、デジタル社会に対応した読書環境の整備のところで、最初の行のところに「1人1台端末」と書いてあります。多分これはGIGAスクール構想のことだと思いますので、「1人1台の情報端末」であるとか「PC端末」としたほうが分かりやすいと思います。
 同じページの下のほう、下から2つ目の丸の最初のところも、「校内LANや配付された端末」、これも「情報端末」とか「PC端末」に変えていただければと思います。
 31ページ、下から2つ目の、日本人学校においても豊かな読書活動を体験できるよう、「電子図書」とあります。ほかのところは「電子書籍」となっていたと思います。もし意図があって「電子図書」にされたのであればそのままで構いません。そろえていただいたほうが分かりやすいと思います。
 最後です。26ページ、下から2つ目、「高校生を含む青少年層の要望を把握し」のところに、「ヤングアダルトコーナー」という表記があります。これについては最近「ヤングアダルト」という言い方ではなく「YA」と表記していますので、「YA(ヤングアダルト)」のようにしてほしいと思います。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは富永委員、お願いいたします。
【富永委員】  市川市教育委員会の富永です。私からは3点お願いします。
 まず28ページ、「幼稚園・保育所・認定こども園への公立図書館等の団体貸出しを利用する」とあるんですけれども、ここのところに、例えば学校図書館の利用や、学校図書館からの貸出しというものは追記できないのかなと思いました。
 学校図書館は基本的には地域に開いていく場所ですし、また架け橋プログラムなどで幼保小の連携もあるので、もし可能であればそのようにしていただけるといいかなと思いました。
 次、29ページです。「国語科を要としつつ、各教科等の特質に応じて」という、この表現自体はこれで仕方ないかなと思うんですけれども、ちょっと斜めな見方をすると、「国語科」という言葉に引っ張られて、中学校とか高校だと国語の先生だけに限られてしまったり、あと「各教科の特性」というと、特性だからやらなくてもいいのかなというマイナスの見方を聞くこともあるので、ここのところ、何か「全ての教科、領域」とか、とにかくみんなで使っていくんですよ、全教科で使っていくんですよという、何か表現があるといいのかなと。全てではないんですけど、そういう一面があるように感じました。
 最後ですけれども、34ページ、「学校図書館の運営は、校長のリーダーシップの下、司書教諭を含む全ての教職員、学校司書、地域ボランティア等が連携・協力して」とあるんですけれども、これはとても大事なことなんですけれども、これもちょっと伝え方が難しいのですが、行政的な視点からいうと、学校司書の方は市がお金を払って雇う職員なんですけれども、ボランティアの方はただになってしまいます。そうすると、学校司書の方とボランティアの方が同じ仕事ができるなら予算は要らないというふうに、財政のほうで言われてしまうことがあります。
 なので、ここのところも、専門職として雇っている学校司書の方と、あとボランティアとしてやっていただく皆さん、気持ちは同じで、「チーム学校」としてやっていただくんですけれども、見方によっては予算を切られる可能性があるので、ちょっとここのところをうまく表現できたらなと思いました。
 私からは以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
【工藤専門官】  ありがとうございます。文言とか修正が必要な場所は、失礼いたしました。見直しをさせていただきます。
 委員の方については、島委員、野口委員、稲井委員、有山委員の4名の方が手を挙げております。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして島委員、お願いいたします。
【島委員】  島でございます。22ページ以降の図書館の役割・取組のところですが、前回の論点整理案より豊かな内容になったと思います。ありがとうございました。
 図書館では、職員の問題、運営面の問題、いろいろな課題があるわけですけども、1点だけ今回強調したいと思っているのは、資料費についてです。
 今回の論点まとめ案の冒頭に、図書館の児童用図書の貸出冊数が減少しているとの記述がありました。貸出冊数の減少の一番大きな要因は、資料費の減少だろうというふうに思います。
 この有識者会議の2回目の会議で、私も事例報告をさせていただきました。その時、ここ20年間の資料費の比較を報告いたしました。平成13年(2001年)と令和3年(2021年)を比較しますと、図書館数は3,316館と23%増加しています。一方、1館当たりの資料費を見ますと、2001年は1,313万円でした。2021年では842万と、2001年を100とすると64.1%というふうに大きく減少しています。
 このことが、貸出冊数の減少の理由の一つだろうと思っております。私は地方自治体での努力が大切だとは思いますが、国による支援も大切になると思います。
 27ページでは、「公立図書館の図書館資料の整備については、地方財政措置が講じられている」とあります。これは地方交付税の措置だろうと思いますが、地方交付税の措置は、例えば市町村であれば10万人の標準団体、基準財政需要額が前提になります。その基準財政需要額の積算のための資料費の数値が低いのではないかと思っております。
 財政措置が行われているかどうかではなく、その措置の基礎数値を上げていくことをお願いしたいと思っております。
 今回の論点まとめ案でも公立図書館への期待が高いわけですけども、図書館サービスの基本の一つは資料の充実だろうと思います。新しい新鮮な資料がなければ、図書館サービスの展開が出来にくくなります。子供の読書活動の推進の上でも、資料費の増加は重要な要素だと思っております。国としてもぜひとも取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして野口委員、お願いいたします。
【野口委員】  先ほど、堀川委員からお話のあった代読サービスですけれども、実は学校図書館でも代読を行っているところは、特別支援学校以外でもあります。ただし、数が少ないというか実施率が低い状況です。ですので、可能であれば「代読サービス」の文言は残しておいていただけるとありがたいです。そういう文言があることを意識していただくのも重要かなと思いますので、お願いいたします。
 私から2点あるのですけれども、まず35ページのところです。体制整備等のところで、先ほど富永委員も触れられていたところとも重なるのですが、「学校図書館の運営は、校長のリーダーシップの下」という文言に関してです。校長先生次第で学校図書館の運営も活用も大きく左右されるという状況があります。ですので、校長先生に学校図書館のことを強く意識していただくためにも、「学校図書館ガイドライン」では校長が館長としての役割も担っている旨が記載されておりますので、「館長としての役割も担う校長」というような文言を付け加えていただきたいと思います。
 それからもう1点ですけれども、これまでの全体の議論の中で、高校生の不読の改善などがテーマとして扱われているのですが、高校生段階の子供たちは高等専門学校でも学んでいます。ところが、学校図書館法によりますと、高等専門学校の図書館は学校図書館に含まれないのです。ですので、高校生段階の子供を考えると、高等専門学校の図書館の果たす役割も大きいと思いますので、学校図書館または適切なところに、注でも結構ですので、その点も触れていただけたらと思います。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして稲井委員、お願いいたします。
【稲井委員】  4点、大きくございます。まず、先ほど鎌田委員からの御指摘もあった、14ページ一番下の丸から15ページにかけての教職課程のところです。私もやはりもう少し踏み込んだほうがいいと思います。
 例えば、「教員養成段階において、読書の意義や読書活動の方法について扱うことが大切である」といったような文言、あるいは、「GIGAスクール構想や読書指導の実態を確実に踏まえ」とか、こういう文言を入れてはと思います。
 教職課程の先生方はいろいろな方が担当していまして、なかなか学校現場の実態を御存じではない、そういう研究者の方もいらっしゃいますので、やはり教員養成の段階が非常に重要なことは言うまでもありませんので、実態を踏まえながら読書について扱っていくという文言を入れることで、踏み込めるのではないかというふうに思います。
 また、「期待される」がちょっと弱いので、「望ましい」というほうがよいと、私は考えております。
 2点目です。29ページの一番上の丸です。「学習指導要領等を踏まえ、各教科等を横断的に捉え」とあるのですが、いわゆるこれはカリキュラムマネジメントということになるかと思います。
 この「各教科等を横断的に捉え」というのが、校種によっては大変難しい部分ですが、学校図書館の利活用、あるいは読書指導というのはこの視点が非常に欠かせないものですから、「カリキュラムマネジメントの視点に立って」というような文言を入れて、お読みになる方が学習指導要領を必ずしも読んでいるわけでありませんので、例えば注釈の中で、学習指導要領における総則の中での定義などを入れるということで、分かりやすくつくり込んでいくということが必要だというふうに思います。
 併せて、29ページの一番下の丸の3行目の「また」というところです。ここは総合的な学習(探究の時間)が挙げられているのですが、探究的な学習では教科の学びも大変必要だと言われていますので、「教科や」というのも入れたほうがいいと思います。
 と申しますのは、この総合的な学習の時間が新たに設けられたときに、図書資料を活用した「調べ学習」が「丸写し学習」になってしまっているというような批判もございましたし、そういう情報活用能力や学校図書館の利活用や読書指導というものを総合的な学習の時間だけで行うわけではありませんので、教科の学習というのは非常に重要な役割を担っていますので、入れていただきたいというふうに考えています。
 最後でございます。32ページです。一番上の、デジタル社会に対応した読書環境の整備のところなんですけれども、これは有識者会議で御発表があったところが踏まえられていますけれども、このときに、学校図書館が場所的に教室から離れていて、なかなか本を使わず、もうインターネットのウェブ検索だけで授業を進めていくと。GIGAスクール構想の、ある意味便利さと同時に課題が浮き彫りにされているわけですけれども、今のZ世代の児童生徒というのは、インターネットで検索した情報をそのまま教科や総合的な学習の時間の学びでの答えにしてしまっているんです。その情報を基に自分の思考を深めていくということをされていない。
 情報を鵜呑みにしてしまうような姿勢というのもありますので、情報源を適切に選択できるように指導するということを、メディアの選択ということになると思いますが、情報源を適切に選択する、その一つにウェブサイトがありますし、場合によっては図書があるというようなことを、特にデジタル社会ではメディア選択というのは適切な選択が求められますので、そこを入れていかないと、何でもかんでもインターネットの情報で授業を完結させてしまう、学びを完結させて、「それでよし」としてしまうというところが出てしまいます。
 Z世代の子供たちというのは、それが当たり前のように育ってきていますし、先ほど申し上げた、先生方もそういう世代がこれからどんどん増えてきますので、そういう警鐘を鳴らす意味で、ここに入れていただきたいというふうに思います。
 私からは以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして有山委員、お願いいたします。
【有山委員】  軽井沢風越学園の有山です。よろしくお願いします。
 まず1つ目、読書への関心を高める取組、たくさん取り上げていただきありがとうございました。新しい取組もいろいろあるので、また何かの機会に、冊子のような形で広く御紹介できたら、ということを感じながら読ませていただきました。
 私からは3つお伝えしたいんですけど、1つ目、公共図書館と学校図書館の関わりというところで、電子図書館であったりとか、団体貸出しであるとか、いろんな資料提供の取り組みはもちろん、さらに司書同士、職員同士の交流のような形の研修会みたいなものを開催できたらいいなと思っています。私の住んでいる自治体では、公共図書館が主体となって学校司書の研修なども行っていますので、そうしたつながり、研修だけではなく意見交換や、鎌田委員からもあった探究的なことなども、公共図書館さん、進められているので、その辺りの情報交換等が進められるようなものも含まれたらいいなと思いました。
 それから、設楽委員からも出ていた「ヤングアダルト」「YA」あたりの言葉ですけど、例えば「高校生を含む青少年層」、これは何だろうとか、あるいは「中高生」とかいろいろ出てきているので、統一した形で表記できたらいいかなというのを感じました。
 それから最後に学習指導要領の話、触れられている委員の方もたくさんいらっしゃいましたけども、誰もが知っているわけではない。教員は当たり前になっていますけど、例えば「2020年から順次小中高に導入されている」ということで、いつの学習指導要領なのかということを注記していただいたりするなど、もう少し丁寧に書いていただけたらと思います。例えば新しい学習指導要領の中でキーワードにもなっている「主体的・対話的で深い学び」みたいなキーワードで、例えば読書は子供主体の読書の在り方を今回は考えていますとか、あるいは対話的なところではこんな読書イベントが使えますといったような切り口でも学習指導要領に踏み込んでいけるのかなということを感じました。
 私からは以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。あと堀川委員、福田委員のお手が挙がっているかと思いますが、堀川委員、お願いします。
【堀川副座長】  ありがとうございます。堀川です。
 これまでにも、14ページの研修のところについては、鎌田委員さん、稲井委員さん、それから今の有山委員さんも触れられましたけれど、これを読みますと、今の文章では最初の2行だけが研修について書いてあるので、あとはまた教職課程とか、あるいは学校の研修ということになりますので、もうちょっと、司書教諭及び学校司書の、それから養成も含めて、稲井委員さんは養成のことを言ってくださいましたけれど、養成・研修ということで、もう少し教育委員会や、県立図書館とか市町村立図書館で行われている研修とかも含めて、もう少し研修を膨らませていただけたらと思います。
 それからもう一つ、これはどこか、13ページ辺りだと思うのですが、国際子ども図書館の学校図書館貸出しセットとか、あるいはサピエ図書館との連携とか、そうしたこともどこか文言が入ればありがたいと思います。
 それからもう一つ、30ページに、多様な子供のための読書機会の確保でしたか、その中に電子書籍や新聞は入っているんですが、LLブックとか、あるいは、「リーディングトラッカー」というのは商品名ですが、そういう道具を備えるということも入れていただけたらと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは福田委員、お願いします。
【福田委員】  34ページです。先ほどもお話をしましたが、先進事例を共有するというところですが、やはり、共有した上で、「その成果を踏まえて導入されることが望ましい」というふうに、ちゃんと評価をするというところを入れていただきたいと思います。
 それから、同じページですが、学校図書館支援センターの存在ということを入れていただいてありがとうございました。学校図書館支援センターは、やはり地域の中でも大きな存在になっていくと思いますので、ありがとうございました。
 それから36ページの、先ほどから皆様のところから出ていますが、学校司書配置のことなのですが、3校掛け持ちでも「3校に入った」と先ほども報告されていましたが、1日入っていても「配置されている」という形の数になってきています。入れてあるからもういいでしょうということで、2日ぐらいしか入っていなくても10年そのままだったりもしますので、「全日配置できるよう」というか、そういう文言を入れていただくといいと思います。
 そうすると、自治体によっては2日、3日しか入れていないところも、ただ入れるということではなくて、全日配置へとなると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 事務局から何かありますか、ここまでで。
【工藤専門官】  事務局からですが、前半部分で、有山委員からタイトルのところで御指摘があったかと思うんですけれども、今回挙げさせていただいたのが「全ての子供たちの可能性を引き出す読書活動の推進」ということで、国の教育関係の会議でも、「誰一人取り残さないで、全ての人の可能性を引き出す教育の実現」というようなフレーズ等も使っておりますので、そうした大きな方向性を踏まえて、御提案をさせていただきました。
 そうしたものを踏まえて、それぞれの子供たち、全ての子供たちに対してウェルビーイングを向上させていくとか、実現をさせていくとか、そうしたところの願いや思いを込めてつけさせていただいたところではあるんですけれども、もし委員の皆様から、ほかのフレーズとかそうした言葉で何かいい言葉があれば、そこは今この会議の場でも結構ですし、後ほどそれぞれの委員で御発言いただくことにはなるかと思うので、そうしたところでの御発言で、何かしらヒントとかをいただければいいのかなと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
【秋田座長】  いかがでしょうか。何かあればいただければと思います。
 今、文部科学省のほうの審議会ではいろいろ、こうしたまとめにサブタイトルを、象徴的な文言をつけるというようなことが多く行われておりまして、それで考えていただいたものになります。もしまた御意見のところでも、いただけたらありがたいかと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、数多くの御意見をいただきありがとうございました。本日、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて、論点まとめ案について、適宜、修正をしていっていただきたいと思います。
 論点案の内容の調整と公表の手続につきましては、最終的には、今日が最終なので座長一任という形で行いたいと考えますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【秋田座長】  ありがとうございます。座長、副座長等で相談させていただいて、責任を持って進めさせていただきたいと思います。
 それでは続きまして、本有識者会議としては本日が最後になりますので、皆様からお一人1分程度、それから今事務局から何かサブタイトルがあればというようなこともございましたので、御意見や御感想など、簡潔に御発言いただければと思います。
 今度は手挙げではなく、私から順番に指名させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 五十音順になりますが、それでは有山委員、稲井委員、鎌田委員の順で御発言をまずお願いしたいと思います。有山委員、お願いいたします。
【有山委員】  有山です。ありがとうございました。このような機会をいただいて、委員の皆様方といろんな意見交換できたことを本当にうれしく思います。
 最後の「可能性」に込められた文部科学省の方の思いはとてもよく分かりつつ、だからなおさら、もったいないな、もう少し適切な言葉がないかなと、私自身は思っていますが、今これですというのが言えないので、ちょっと宿題にさせていただいて、こんなのどうでしょうというような御提案がさせていただけたらなと思います。
 子供たちが本当に豊かな読書環境の中で様々な体験ができるように、これからも現場で頑張っていきたいなと思っています。このたびは貴重な機会をいただきありがとうございました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして稲井委員、お願いいたします。
【稲井委員】  6回の御議論に参加させていただきまして、誠にありがとうございました。
 私は、現在勤務する大正大学で、附属図書館長という仕事をしております。教職課程は担当しているんですけれども、コロナ禍で開館した新しい図書館なので、ようやく対面の授業が始まって、学生たちがキャンパスに戻ってきたんですけれども、コロナ禍の中で、これまでとは価値観、物の考え方、見方というのが大分変化したのではないかなと思います。
 学校図書館あるいは読書指導、読書活動も、これまでの前例にとらわれず、新たな道を切り拓くつもりでチャレンジしていくということが、これからの教育には必要かなと思っています。
 今、私は自分の図書館の一室を借りてやっているのですが、実はこの後ろで、授業ではなくて、今日はオレンジリボンをテーマに、授業ではなく図書館の独自の講座で、学生が自主的に集まって教員の話を受け、お互い学び合っています。
 学校図書館も、あるいは教室、学校という場も、子供たち、児童生徒の居場所でありますし、その居場所づくりのために、日々いろいろなことに現場の先生方がチャレンジしていますので、さらによりよいものにしていくように、この有識者会議での御提言というものが生かされればいいなというふうに強く思っているところでございます。
 以上です。どうも皆様、本当に6回ありがとうございました。改めまして、事務局の皆様方を含めまして御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして鎌田委員、お願いいたします。
【鎌田委員】  帝京大学の鎌田でございます。このような会議に参加させていただきまして、大変勉強になりました。ありがとうございました。
 ただ、一つ、最終回ですので申し上げさせていただければ、オンラインは大変便利で、私、つい先ほどまで授業をしていたんですけど、会議に参加できるってすごいなと思う反面、実際ここにいらっしゃる方々と直接お会いしてお話しできたら、また違う豊かな学びがあったのではないかなというふうに思います。
 ですので、デジタルは非常に便利なんだけれど、でも、その分失うことがあるということは、実はこれは読書にも関わりがあることで、私は今回のこのメンバーの方々ともっと親しくお話をし、いろいろ学びたかったなというふうに思いました。
 同様にして、デジタルの時代だからこその読書ということについて、今回いろいろと皆さんと意見を交流できたことが非常に重要だったなというふうに思っています。
 私は教員養成のほうが仕事でございますので、やはり教員とか学校教育のスタッフの養成とか研修について非常に関心があります。多分、研究者の中ではかなり多く学校現場に行くほうの研究者ではないかなというふうに思うんですが、やはりそこで大変勇気づけられるような、熱心に取り組んでくださる方にも多くお目にかかるんですが、関心がない、意識が高いとは言えない方にお目にかかることも少なくないのです。
 ですので、養成期の問題や研修の問題、ぜひ、この会議の提言から社会が、学校が変わっていくといいなというふうに思っています。どうもありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、桑原委員、設楽委員、島委員の順でお願いをしたいと思います。
 桑原委員、お願いします。
【桑原委員】  ありがとうございます。本当に、第6回まで毎回参加させていただきまして、大変貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。
 私も現場で働く一保育士として、目の前の、本当に目の前の子供たち一人一人に対して、絵本ってこんなにすてきな言葉がいっぱいなんだよということを、今後も伝えていきたいなと思っています。
 言葉の持つ力というか魔法というか、子供たちは「魔法」という言葉が大好きなんですけど、その魔法をもっともっと伝えていけたらいいなというふうに思っているとともに、今回作成された計画が今後生かされていくんだなと思うと、本当にわくわくするような気持ちでおります。
 本当に、先生方の御意見も伺いながら私自身も勉強になりました。本当にありがとうございました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは設楽委員、お願いいたします。
【設楽委員】  全国学校図書館協議会の設楽です、6回にわたりお世話になり、ありがとうございました。大変勉強になりました。
 当会の学校読書調査では、デジタルと紙の本、どちらが読みやすいかという調査を初めてしてみたところ、やはり子供たちは紙のほうが読みやすい、分かりやすいとの答えが多く出てきました。当会は、デジタルも紙も両方を共に推進していきたいと考えております。
 それからサブタイトルの件です。やはり読書推進の観点に一つは「豊かな心を育む」があります。また、探究型学習や調べ学習の資料として活用することで「考える力を育む」があります。この二つの観点を踏まえて「心と考える力を育む」という言葉を入れてみると具体的な方策が見えてくると思いました。
 サブタイトルの案ですが「全ての子供たちの心と考える力を育む読書活動の推進」を提案します。御検討ください。
 以上です。
【秋田座長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして島委員、お願いをいたします。
【島委員】  島でございます。いろいろお世話になりました。
 私は東京の多摩地区にありますある市の図書館協議会の委員をさせていただいております。先月10月に会議がありまして、現在策定中の第3次の子供読書推進計画の素案の報告がありました。まだ素案ですので内容には触れませんけれども、その策定前に3歳児健診のアンケートを取られています。
 その中で、「家庭で読み聞かせをしていますか」という質問がありました。平成23年(2011年)には90.5%が「行っている」と回答しています。平成28年、2016年では84.9%になります。直近の令和3年(2021年)では76.9%という数字が報告をされました。
 先ほどスマホの話もありましたけれども、3歳児の読み聞かせが減少しているということは、5年後、10年後ということが大変心配をしているところです。
 このたびは貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。大変勉強になったと思っております。
 サブタイトルなんですけれども、その「可能性」のところを、「生きる力」というのを入れたらどうだろうかと思いました。
 「全ての子供の生きる力を引き出す読書活動の推進」を案の一つとして御検討いただければと思います。
 いろいろお世話になりまして、ありがとうございました。
【秋田座長】  どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、清水委員、白井委員、富永委員の順で御発言をお願いしたいと思います。
 清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  東京子ども図書館の清水です。6回の会議で、毎回大きな刺激を受けました。皆様、ありがとうございました。
 私が毎回繰り返し発言させていただいたことは、雇用の問題です。司書や学校司書の方々、専門の担当者が、先ほども全日の勤務という御意見がありましたけれども、ぜひ安定した雇用形態で配置されることを切に願っております。
 子供と読書を取り巻く状況をよりよいものにするには、やはりこのことが一番の近道だと思います。次の計画ではぜひ、この点が改善され、前進することを強く希望いたします。
 以上です。ありがとうございました。
【秋田座長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして白井委員、お願いいたします。
【白井委員】  ブックスタートの白井です。今回の論点まとめの中で、第2の基本的方針のところで、3つ目の丸で、読むこと自体の下、「本を読むことは喜びである」ということが、すごく、ここに入りましたので大変うれしく思います。
 私が個人的にすごく印象的だったのは、今回の議論の中で、今回の論点まとめの中にもありますけれど、「子供の視点に立った読書活動の推進」という観点がありまして、これはこういう観点が入るということ、それにこれから取り組もうとすることは大変私にとっても新鮮でありますし、私自身も何か具体的な案を求めていきたいなというふうに思いました。
 一つちょっと思い出しますのは、その調査の中にも出てきましたけど、子供たちが暇があればいい本が読めるというような期待があったり、それからすごく環境のいい場所、居心地のいい場所を求めていたり、そういうところに何か大人の側ができることがあるんじゃないか。特に大きな予算とか手間をかけなくても、それぞれの地域の中にとてもすばらしい、居心地のいい場所、それは室内であってもいいわけですけど、そういうところに何か読書する機会というのをつくってあげるという、そういうような、これから何かそういう具体的なことが形になっていくといいなというのが、今回この議論に参加していて一番、最後に、印象に残ることでございます。
 私自身も大変、6回の会議に参加させていただきまして勉強になりました。どうもありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして富永委員、お願いいたします。
【富永委員】  市川市教育委員会の富永です。短い期間ではございましたが、子供の読書活動の推進について皆様のお話を伺うことができましたこと、また、様々な議論をさせていただけたことに感謝申し上げます。
 特に、本市の子供たちへのインタビューの機会をいただくことができ、私も気づかなかった子供ならではの視点を様々見つけることができました。図書委員会の子供たちの取組が論点まとめの中にも組み込まれ、子供たちが学校図書館に主体的に関わることで、また新たな読書活動の推進が図られるのではないかと期待しております。
 今後もさらなる読書活動の推進に向け、学校教育の中で、学校図書館の活用を通して尽力してまいりたいと思っております。
 最後に、文部科学省関係者の皆様、委員の皆様、本当にありがとうございました。私も鎌田委員と同様で、願わくば一度リアルにお目にかかりたかったところです。
 どうぞよいお年をお迎えください。ありがとうございました。
 以上です。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 続きまして、中野委員、野口委員、福田委員に御発言をお願いしたいと思います。
 中野委員、お願いいたします。
【中野委員】  東京都立多摩図書館の中野でございます。このたびはこのような貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。皆様のお話を通じて、様々な気づき、学びを得ることができまして、本当に貴重な機会を与えていただきましたということで、感謝申し上げたいというふうに思います。
 子供たちに本に親しんでもらう、読書という生涯にわたって役に立つ大切な習慣を身につけてもらうために、図書館や司書の果たす役割というのは決して小さくはないというふうに自負しております。
 このように本に触れるきっかけをつくる場の提供という図書館の役割、その重要性につきまして、この会議を通じまして改めて思いを新たにしたところでございます。本当にこのたびはどうもありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして野口委員、お願いします。
【野口委員】  皆様、ありがとうございました。読書から子供を「誰一人取り残さない」ということで、今回、多様な子供たち、子供たちの多様性に着目をして議論を進めることができたことは、大きな成果の1つではないかと思っております。
多様性に応えていこうといったときに、従来の図書資料だと読みづらい子供たちもいるわけで、そういった子供たちに応えていくという意味合いでは、電子書籍をはじめとしたデジタルコンテンツの持つ意味合いは非常に大きいものがあるかと思います。
 しかしながら、現行の図書標準は紙の図書資料の部分にのみ着目をして設定されており、なおかつ、財政措置もそこの部分に対してなされている現状にあります。
 今後は電子書籍や、デジタルコンテンツの部分もどう充実していくのか、どれくらい学校現場でそろえていったらいいのかという目安のようなものを設定して、それに対して財政措置をしていくというようなことの検討も必要なのではないかと思います。
 ただ、そのためにはまだまだ調査研究しなければいけない点は多々ありまして、今回の議論でも各委員からそうした指摘があったと思います。ぜひ国として、今後も引き続き調査研究を進めていただいて、その結果にもとづいて学校図書館や公共図書館でどう導入して活用していくことができるのかということを、示していただけると、現場としても非常に参考になるのではないかなと思っております。
 今回は皆様と6回にわたってやり取りできる機会いただきまして、大変勉強になりました。ありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 福田委員、お願いいたします。
【福田委員】  お世話になりました。本当にありがとうございました。
 読書が、従来の読み物としての読書だけではなくて、調べるために読んだりしたものも全て読書ということが平成16年の文化審議会答申に出されて、それからようやく、調べるために読む、情報を得るために読むというのも読書ということをひっくるめての会議だったというふうに思います。
 そして、学校は1人1台端末が入り、GIGAスクール構想の下、学校教育は大変換しているというところなのですが、読書に関しても、ちょうど転換を迫られているときだと思います。
 でも、アナログ、つまり紙でも、デジタルでも、要するに「読む力」がやっぱりベースというところは変わらないわけで、その読む力を基にしながら、先ほどから島委員もおっしゃっていましたが、私も話をしてきましたが、楽しさももちろんそうなのですが、「生きる力」に大きくなり得る読書を、どうやって子供たち全てのためにというところが話し合われたところがとてもよかったです。
 これからも、子供たちの豊かな育ちのためにできることをやっていきたいと思いますし、この推進計画がさらにこれから県や自治体で具体化されていくわけなので、有効な形で作成をされて、それが実施されていくことを願っています。本当にどうもありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして堀川副座長、最後に私のほうで発言をさせていただければと思いますので、堀川副座長、お願いいたします。
【堀川副座長】  ありがとうございます。この6回の会議が本当にあっという間に過ぎてしまいました。
 GIGAスクール構想が始まってから、現場の学校司書の方から、学校図書館の影が薄くなったとか、何か学校図書館が後退しているとかという声を聞くことがありました。
 私自身が危機感を抱いていることは事実なのですが、そうした思いがありながらこの会議に参加させていただきまして、改めて、学校図書館というのはデジタルも印刷も両方使って、読む力あるいは情報活用能力を培っていくんだということ、そうした役割というか認識をもっと声を上げていかなくてはいけないかなというように、改めて思いました。
 この会議に参加させていただきまして、副座長としては、すみません、お役に立ちませんでしたけれど、たくさんのことを勉強させていただきました。本当にありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございました。
 私のほうも、皆様が数々の御意見をくださいまして、本当に大きな学びの機会をいただきましたことに御礼を申し上げます。まだ座長一任という、最後まで本当に身が引き締まるような思いですが、これを皆様の御意見を何とか反映させて、まとまったものに、事務局の皆様と共に尽力したいと考えております。
 ちょうど今の時期、平和であったり、命であったり、人の絆ということを考えたときに、教科書だけではなくて、様々な本を人と共に分かち合っていくことがとても大事だと考えております。
 そして、そこではやっぱり紙の読書というものが、身体を通して読むことを楽しむという部分と、それから、むしろそれでは得られないものが、多様な子供たちがデジタルによって支援されることで、そうした子供たちも本へのアクセスが可能になるというような部分と、両面がこれから考えられていくことが必要だろうと考えております。
 先日、ある自治体が子供読書推進計画の新たな案をつくられるということで、私のもとにもお届けくださったのです。面白いなと思ったのは、これまで大人目線の推進計画はつくってきたんだけれど、子供が読めるように、自治体がこういうことをやっているんだよと子供に分かる言葉で書いたものを別にもつくっておられました。
 これから、この推進計画もパブリックコメントにかけられていくんですけれども、ぜひ皆様御経験者の方々にも、今回、子供たちの声を聞き取るということをしていただいたおかげで子供の声も反映できましたが、またパブリックコメントの段階でも、小学生は難しいかもしれませんが、高学年や中学校、高校、いろんな子供たちの声も、またこの計画に生かしていけたらいいなと思います。
 また、これは勝手な個人的な思いですけれども、大人の計画であるだけではなくて、これが子供たちに、私たちの願いとして、こういうことが大事だよと、読みやすく分かりやすい説明だけでもポイントで、子供と共にそれを一緒に、子供も推進者となって考えていけるような方向で、読むことの楽しさを分かち合っていけたらいいなというふうに考えているところでございます。
 本当に、皆様のおかげで、私も本当に対面でお目にかかりたかったと思いますし、また逆に、オンラインだったがゆえに、本当に事前準備を、事務局の方々が大変な思いをして接続などを、それからこれも配信されておりますが御準備をいただいたことにも感謝を申し上げたいと思っております。こうした機会をいただいたことを感謝いたしております。
 そろそろ、本日の会議の終了時間が近づいてまいりました。本日の意見交換はここまでにさせていただきまして、御意見をいただいたわけでございますが、今回いただいた皆様の御意見を踏まえて、論点まとめを固めていきたいと考えております。
 なお、先ほども確認いたしましたように、今後の文章の修正等に関しましては座長一任とさせていただき、確定については12月中をめどに公表できればと考えてございます。
 その後、今度は文部科学省のほうで、この論点のまとめを参考にして第5次の基本計画案というものを作成していただくことになるわけです。そこでパブリックコメントを行った上で、今年度をめどに閣議決定を行っていただくというような、そういう運びになります。
 本有識者会議においては、本年6月から本日まで含めて6回、回数があるようであっという間でございましたが、審議してまいりました。これまで各委員の皆様の御協力、御尽力により円滑に審議を進められましたことを、座長として御礼を申し上げたいと思います。
 それでは最後に、事務局から一言お願いを申し上げます。
【藤江局長】  ありがとうございます。総合教育政策局長の藤江でございます。私のほうから一言御礼を申し上げさせていただきます。
 委員の先生方におかれましては、本当に大変お忙しい中、この会議の委員をお引き受けいただきまして、本当に改めて感謝申し上げます。
 また、先生方もおっしゃっていただきましたけれども、これまで本日も含め6回にわたり議論していただきましたけれども、いつもほぼ全員の方々が御出席いただきまして、活発な御議論を賜りましたこと、本当にありがとうございました。
 この会議では、今後の子供の読書活動の推進方策ということで、非常に懸念されている不読率の低減ですとか、あるいは多様な子供たちの読書機会の確保といった点、それから、本日も多くの方々から御意見いただきましたが、デジタル社会に対応した読書環境の整備はどうあるべきかといったこと、そして、子供の視点に立った読書活動の推進といった観点で、それぞれの御経験に基づく具体的なお話、あるいはそれぞれの立場で感じておられる課題等を議論いただきまして、本日もたくさんの御意見をいただきましたが、論点のまとめとして取りまとめていただく形となりました。
 今、座長からも御案内いただきましたけれども、文部科学省といたしましては、このおまとめいただいた論点を踏まえまして、来年度から始まる次期の基本計画の策定に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 秋田座長、そして堀川副座長をはじめ委員の皆様方に心より御礼申し上げます。
 今後とも、子供の読書活動の推進に向けて引き続き御指導、御支援、いろいろな御意見もいただきますことをお願い申し上げて、簡単ではございますが御礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【秋田座長】  ありがとうございます。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。皆様、長い間本当にありがとうございました。
 
―― 了 ――

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