障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会(第5回)議事録

1.日時

令和3年7月6日(火曜日)17時00分~19時00分

2.場所

文部科学省17F2会議室

3.議題

  1. 障害者の生涯学習推進のための事例集作成について
  2. その他意見交換

4.配付資料

【井口係長】  では、皆様おそろいですので、始めさせていただきたいと思います。障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会、本日、第5回目ということでございまして、これより始めさせていただきたいと思います。お忙しい中、誠にありがとうございます。まず、開会に先立ちまして、障害者学習支援推進室長の竹林室長より、一言御挨拶を申し上げます。

【竹林室長】  障害者学習支援推進室長の竹林でございます。実は4月1日から3か月間、別のプロジェクトチームに駆り出されておりまして、なかなかこちらのお仕事に出たい、出たいと思いながらも、ばたばたしておりましてなかなかできなかったんですけれども。今回、もう既に5回目ですが、初めての参加になるかと思います。障害のある方の生涯学習、学校教育とはまた少し違うフェーズで、しかし、なかなか正直言いまして、学校教育はある程度システムとしてなっているけれども、そうでない部分にはいろいろ、行政の側から見ても、ひょっとして目の行き届いていないところがあるのではないかなと思っています。
 だからこそ、この障害者学習支援推進室が平成29年にできたものだと理解しております。何分この室もできて、まだ歴史が浅いので、いろいろ手探りの状態で仕事をしているわけですけれども。そういった意味で、今まさにそれぞれの現場で携わっていらっしゃる方々からもいろいろな知見をお借りしたいと、皆様と一緒に考えながら進めていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

【井口係長】  ありがとうございます。本日は、またハイブリッドの開催ということになりまして、オンラインでは今こちらの壁にも映させてもらっていますけれども、平井さん、青山さんが御出席、それから、文科省からも小松分析官がオンラインで御出席ということになっております。よろしくお願いいたします。
 なので、マイクを使っていただければ、そのマイクのスピーカーの音を拾って届くというシステムになっておりますので、御発言のときにはマイクを御使用いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それから、御手元に、今日、少し資料を多めに配付をさせていただいております。皆様から御提出をいただいております、今日は事例集、ハンドブックの原稿を検討していくということがメインテーマになっておりますので、各委員から御提出いただいている資料、1から7で振らせていただいております。右肩にあります資料1から7までありますので、もし不足等ございましたら、事務局のほうまでお声がけいただきたいと思います。
 それから、御参考までに、少しこの事例集にも関わるかなと思いまして、幾つか既に郵送で冊子等もお送りしております。昨年度の実践研究の成果物の一部を、今日も机上のほうに配付しております。その一つが神戸大学の津田先生たちが作成に関わられたパンフレットです。それから、宮崎県の教育庁が作成したパンフレットなど、これも3月に完成したものですけれども、比較的分かりやすくて情報量が多いパンフレットで、参考になるかと思いまして、今御手元に置いているところです。
 それから、もう一つが、社会福祉法人一麦会が、ゆめ・やりたいこと実現センターという拠点をつくって、障害者の生涯学習に取り組んでおりますが、非常にユニークな取扱説明書というものを作成されています。御本人とか支援者の方に見て使っていただくということを念頭に置いて作っているものというふうに聞いております。
 この辺りも、ユーザーの声として、御本人とか関係者の声なんかを載せていて、これまでの検討会での議論にも重なるものかなと思いまして、お配りをしているところです。これらも参考にしていきながら、今日は事例集、ハンドブックの検討をまたじっくり、ざっくばらんに議論できるといいのかなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 では、ここからの進行は津田先生のほうにお願いができればと思います。よろしくお願いいたします。

【津田座長】  皆さん、こんにちは。どうぞよろしくお願いいたします。前回も少し長めに時間をとっていただいたんですけれども、あっという間に時間が過ぎてしまいまして、どなたかに指摘いただくまで止まらなかったという感じでした。今日もそうなりそうな気がしますけれども、早めにストップをかけていただきたいと思います。今日は2時間ということで、7時までということです。
 先ほど、井口さんからスケジュール感についてレクチャーを受けたんですけれども、今日、どんなことを具体的に記事として書くかということのイメージ、その共有できるというところまで至りたいということです。8月の中旬には原稿が上がってきて、11月には版下ができると。
 今日は、このパンフレットを作る、ハンドブックを作ることに注力できるけれども、次回からそれだけというわけにいかないという、こんなスケジュール感だというふうにお話をいただいています。ですので、今日、かなり詰めて話をしたいということです。原稿とまでは行かなくても、イメージが書かれたものを皆さん持ち寄っていただいていますので、これをざっと見て、まず何が課題なのかというところから整理していきましょうかね。
 いかがでしょうか。書いてみて、これはみんなで共有したほうがいい課題かなとか、それから、ほかの方のものを読んでみて、これ、ちょっと問題だなと思うこととか、まず、そういったところの課題出しをしたらどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

【井口係長】  先にスケジュール感だけ、少し事務局からお知らせしてもよろしいですか。

【津田座長】  そうですね、もちろん、お願いいたします。

【井口係長】  ありがとうございます。今、スケジュール感のお話を触れていただいたので、どんな作成スケジュールを持っているかというのを、改めて事務局のほうから少し御説明をさせていただければと思います。資料のほう、1は前回の検討会での議事録から拾わせていただいて、既にメールで共有をしているものですので、これは参考程度にということで、資料2のほうを見ていただければと思います。
 資料2の裏面、これもメールで既に御提案をしている構成案の再検討したものでございます。再検討と言いつつ、骨組みは大きくは変わっておりませんので、事例中心にというよりは、まずキーワードを中心に大事な要素を並べ直してみたと。そこに事例がひもづくような形で再構成をしております。これ自体もまだ検討をいただく内容かなと思っておりますし、これ全てを掲載しなくてもいいかなとも思いますので、この辺も素材にしていただければと思います。
 今日、7月6日ということで、第5回の検討会ですけれども、津田先生のほうから御紹介いただいているとおり、原稿のイメージを、今日、ある程度皆さんで共有して、各原稿の執筆に入れる準備が整うということが目標かと思います。次回が9月2日、木曜日を予定しています。
 この間に、できれば8月の中旬ぐらいをめどにして、原稿の一時集約というのをさせていただきたいと思います。これは、もちろん事務局側も含めて、あらあらの事例集、ハンドブックの原稿が整うというのを8月中旬めどに考えております。できれば、そのうちの一部の原稿をデザイナーさんにお預けして版下を作っていただいて、分量をどうするかみたいな問題もあるかと思いますので、その辺り、並行して、7月中に事務局のほうで調整をしたいと思っております。
 今のところ、デザイナーは大森さんのところの報告書も作成されているデザイナーの方に御相談を差し上げようと思っております。明日打合せをさせていただくので、御依頼できるかどうかもこれからではありますが、めどとしては、そのようなイメージを持っております。
 9月の会議では原稿の全体像が見えつつ、この会議でもその内容を確認もしたいんですが、事例集のじっくりとした検討というのは本日までというふうにして、次回は、方向性の確認ですとか、再検討が必要な原稿についての検討ですとか、そういうことに絞っていくことになるかなと思います。
 9月の次の会議を11月に予定していますが、11月のときはもう、ある程度版下原稿が出来上がっている、そのような状況を目指したいと思っております。多少、スケジュールが前後するかもしれませんが、年末ぐらいまでにはほとんど完璧に原稿が仕上がっていると、印刷にかけるだけという状況に作れればいいかなというそんなスケジュール感でおりますので、そうした見通しの下で今日の議論ができればと思います。
 では、津田先生にまたマイクをお戻ししたいと思います。

【津田座長】  ありがとうございます。ということで、改めて課題出しというか、何が問題なのかという、執筆しようというときに困難になってくるところの課題を出していきましょう。いかがでしょうか。どなたからでも。あまり出ない。
 じゃ、僕から言いますよ。いいですか。僕自身、一番やっぱり書きにくいと、自分の実践を書くのって難しいと思いました。やっぱり自分の実践の紹介だったら幾らでも書くんだけれども、この趣旨に合ったような、落とすところはばっさり落として、普通にみんなが面白そうだと思うところに焦点を当てて書くというのは、どうしてもやっぱり難しいので、僕の実践を僕が書くということでないほうがいいというふうに思いました。
 それは、多分、大森さんも同じだということで、これも議論があったと思いますので、ちょっと誰が書くかということについて、もう一回整理が必要なんじゃないかということを感じたというのが一番大きなポイントでした。
 ほかに。どんどん出していきましょう、課題出しにあんまり時間がかかっていたら次に進まないので。当てていいですか。
 じゃ、青山さん。

【青山委員】  ありがとうございます。ちょっと私は、1枚、資料の6というのを御覧いただければと思うんです。これ、画面共有とかしなくて大丈夫ですよね、皆さんの御手元にありますよね。
 担当を振っていただきまして、1つが国立市公民館のコーヒーハウスを事例に、クローズな学びとオープンな居場所というようなところでお題をいただきました。もう一つは、障害者の参画ということで、公運審や図書館協議会などのところです。
 1つ目のほうでいうと、国立市公民館自体は非常に有名な事例でもありますし、また、津田先生や井口さんのほうが私よりよほど詳しいところもあるかもしれないんですが、事例的な特徴として面白い、書くならここかなみたいなものを書いてみたんです。
 ちょっと硬いので、もうちょっと実践の人に向けて書くつもりではありますけれども。ただ、いろいろなものがごったになっていて、でも、場に力があるような、そういうものが少し描けたらいいなと思っているところについて、こんなイメージで書いていいですかというところ。
 それから、これまで繰り返し、たくさんの文献で言及されている実践ですので、あまり総論的になるよりは、もう少し切り口を限定したほうがいいんだろうと思っていますが、どこを切り取るべきか、もう一回確認したいというようなことを思いました。
 それから、40年にわたって発酵するかのように徐々にできてきた今の形があると思っていて、事業のプログラム集のような切り口にしづらい実践だなということを思っています。
 後半の障害者の参画についてもお題をいただいたんですけれども、障害者本人と一緒に場をつくるというキーワードをいただいたし、学習者をただ与えられる側にしないというか、自分の学びを自分でつくるというところの仕組みとして、そこに障害者の参加というものがちゃんとかんでいくということに意味があるんだろうと思っています。
 そのことが当事者ではない人たちにもいい影響を与えるような形が切り取れたらいいなと思っているんですが、前回含めて、結局事例として何を取り上げたらいいかとか、本当にそういう事例があるかということに、私もたどり着けておらず、皆さんも、あったらというようなところで前回も止まっていたと思います。
 ですので、ぜひここを取り上げたらいい実践を、本来は自分で探せというところなんですけれども、ちょっと教えていただけるヒントがあれば、とてもいただきたいと思っています。
以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。後半のほうは、取り上げる事例は何なんだということですね。これは青山さんに一任するというつもりは多分ないと思いますので、みんなで知恵を絞って、何を書くかということはターゲットを絞っていく必要があると思います。何を取り上げるか。前半のほうは特に課題はないということですね。

【青山委員】  これでいいですかというぐらいのイメージ。あとは、皆さんの書きぶりのところは、少し調整したいと思っていましたけれども。

【津田座長】  分かりました。じゃ、原案として、こういう形で書けるのであれば、いけるぞというようなことだというふうに承っておこうかと思います。
 それでは、ほかの方、いかがですか。じゃ、志々田さん、お願いします。

【志々田委員】  よろしくお願いします。私のところは資料5なんですけれども、私がいただいたのは、共生を目指す学校と地域の協働ということで、特別支援学校のコミュニティ・スクールというような実践を取り上げたらというふうになっていたんです。そのコミュニティ・スクールの取組もいろいろ、もともとコミュニティ・スクールって学校改善なので、特別支援学校の教育をいかに充実・改善していくかというのが本来のコミュニティ・スクールの話題なんです。
 それをここで書いてもしようがないので、何がいいかなといったときに、やっぱり特別支援学校が地域にとって貢献できることとか、もしくは子供たちを卒業させた後に、社会に対して何ができるのかという視点で、コミュニティ・スクールという考え方を実践しておられる学校をというときに、地域づくりみたいなものがキーワードになるかなと。
 共生社会を牽引していく特別支援学校の使命を考えているコミュニティ・スクールの事例というのが書きたいなと思っていて、ちょっと探したところを、やっぱり防災という視点が結構出てきて、避難所開設だとか、避難所の運営にやっぱりみんなで考えていきたいんだけれども、障害を持つ人たちの立場からの意見が欲しいとか、それから、一緒に避難訓練してもらって、今のやっていることがいいのかどうかということを検証したいというような視点を持っておられるので、それが山口県の山口南総合支援学校――特別支援学校なんですけれども、それと、あと青森の青森養護学校でも、やっぱりこれ、山口のほうは文部科学大臣表彰はもらっていないと思うんですけれども、割と全国でも有名なコミスクの事例です。
 どちらも、障害者の視点を生かした地域防災というところに子供たちが出ていって、特別支援学校の学校運営協議会がそこに関わっていくという事例なので、そんな形で、特別支援学校と障害者の生涯学習、社会参画みたいなものと、それから防災に強い地域づくりという視点で書いてみたらどうかなと。それだったら、2枚ぐらいで書けるかなと思っています。
 それと、もう一つが、なぜか私のところにまとめの話が来ていまして、私が障害者の学びの場づくりのチェックリストみたいなものがあったらいいよねというふうなことを言ったので、そんなものを書いてほしいというオーダーだったと思うんです。チェックリストだと、できているか、できていないかというだけになってしまって、結構できていないので、みんな、最後にチェックリストをやってみたら、全部チェックできなくて、しょんぼりになるといけないので、もう少し……。
 さっき青山さんのところでも、障害者の参画というところを書きたいとおっしゃっていたんですが、私のところでも、やっぱり、社会教育施設をユニバーサルデザイン化していくためには何が必要なのかといったときに、施設のデザインというのは今まで言われてきたことだけれども、活動自体のデザインとか、施設の運営のデザインというのを変えていきませんかというような形で、結局は支援の方法だと思うんです。
 どんな取組をするのか、どんな運営をするのかというときに、当事者意識を持って、全ての人が参画してもらえるような、社会教育職員としての支援の在り方というものを、最後、終わりに書いてみようかなと思っているところなんですが、こんなのでいいのかなということを、こんなふうに考えてみたんですけど、これでいいでしょうかということをお聞きしたいです。
 以上です。

【津田座長】  どうもありがとうございました。事例も見つかってよかったです。防災ということだけでいいのかどうかというのがあるかもしれませんけれども、取りあえずは押さえることができたということはよかったと思います。まとめの部分、どうやって書くのか。これでいいのかなと、これだったら行けるんじゃないかというふうなことで書かれているというふうにお察しいたしました。
 それでは、特に大きな課題ということではないということで承りました。
 それでは、ほかの方、いかがでしょうか。

【志々田委員】  もう一つ、いいですか。

【津田座長】  もちろんです。

【志々田委員】  津田先生の原稿が来たときに、とてもびっくりしたんです、口語、話し言葉で書かれていて。でも、こういうのって、最初の記事としていいなって思ったんです。開いた人が、ああ、こんな自由な形で冊子ができているんだということを印象づけるのにはいいなと思ったんです。
 一方で、私のところとかを書くと、文体が統一されていないとおかしいわけじゃないけれども、それぞれのパーツで好きな表現の仕方をしてもいいし、いろいろな表現の仕方をして、ばらばらのものが1冊になっているというイメージでいいのかどうかというのも、ちょっと皆さんで検討したほうがいいと思いました。
 以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。そのとおりだと思います。文体ね。文体はやっぱり書いていると、とても気になりますよね。ありがとうございます。
 それでは、ほかの方、いかがでしょうか。みんな行くんだから、平井さん、お願いします。

【平井委員】  私は、前回のものをQ&A的に変えてみました。これだと完全に字数オーバーなので、皆さんには、これは要らない、ここは削ってほしいという意見をいただこうと思っています。
 それから、文体をどうするかですね。津田先生のものも面白いなと思いながら読んでいたのですが、ただ、読む人が行政の人ですよね。そこら辺がちょっとネックかなという気もしますけれども。
 以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。じゃ、このQ&A形式というのは、このQ&A形式が、このPandA-Jの取組を表現するのに一番適切かなというふうに平井さんが思われて、こういうふうにされているということでよろしいですね。

【平井委員】  取りあえず、はい。

【津田座長】  了解です。それでは、お願いいたします。

【梶野委員】  すみません、ちょっとこの間も言ったんですけれども、明日、審議会が夜あるもので、準備にちょっと追われちゃって、対応できなくて申し訳ありません。一応、与えられたお題に即して言うと、東京都の場合は特別支援学校の公開講座、施設開放の話というのは、比較的どこの学校でもやっているので、そこは1個のところを紹介するのか、トータルに説明するのかということを少し挙げたいと思います。
 ちょっと伺いたいんですけれども、事務局の方のほうが詳しいかな、全国的に特別支援学校でこのような公開講座をやっているケースというのは、そんなに多くはないんですか。平成30年の久里浜の特別支援教育総合研究所の調査はざっと見たんですが、それなりにやっているというのも出ているんですけれども、具体的な学校とか、そういうのは事例というのが読み取れなかったんだけれども、どんな感じなんでしょうか。

【井口係長】  ありがとうございます。見ていただいた調査は、一応、特別支援学校の五、六百に聞いて、約半分ぐらい、50%超えるぐらいが、卒業生向けに何らかやっているというような回答をしていました。ただ、多くがやっぱりクローズドで、基本的に卒業生向け、しかも3年間ぐらいに限定した同窓会的な取組が多いと思われます。
 いわゆる都道府県単位で組織的にやっているところというと、私が知る限りだと、青森県が、いわゆる青年学級を特別支援学校が各校でやっているというようなところもあるんです。もちろん、障害種によって、特に知的が多いですけれども、ほかの地域でも特別支援学校が青年学級をやっている事例を散発的には聞いたことがありますけれども、組織的にやっているところというと、やはり東京都が一番厚みがあるように理解をしているところです。

【梶野委員】  ありがとうございます。そうなってくると、組織的にやられているということにおいては、全校実施の縛りをかけて、計画に基づいてやっているということにおいては、東京都の事例でいいのかなと思うんですけれども、実は、内部にいると問題点のほうが少なくないというか。
 なので、少しやっぱりどうしても歴史的な経緯も踏まえて、卒後対策的なというか、ほかに学校を卒業した後の行き場がないというようなところから、その場づくりをやっぱり教員と保護者でつくっていたという経緯があって、それはすごく先駆的だったんだけれども、実はその形式にこだわり過ぎていて、全然広がりを持てないでいるという状況だというようなこと。
 やっぱりもうちょっと、学校の側の講座の在り方の視点の転換みたいなものを促すようなアプローチというのができないかなというようなことを思いました。そんなことだったら紹介できると思いますし。
 社会福祉協議会のほうなんですけれども、井口さんにも参加していただいているんですけれども、今、全社協で福祉教育セミナーというのをやっていて、そういったところで、全社協ともつながりがあるので、少し社会福祉協議会として地域福祉の観点からそういった活動をどう捉えているかということは、情報を集めて、そちらのほうは考えてみたいと思います。
 すみません、資料を用意できなくて申し訳ありませんでした。以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。最初におっしゃっていた、事例なのか、トータルでの視点なのかというところの兼ね合いというのは、多分、青山さんのところでも悩まれる部分かと思いますし、僕のところもそうですね。大学でというときに、KUPIだけの話でいいのかみたいなところは、ずっと思ってしまうので。課題としては、事例を取り上げて書くときに、全体、トータルな視点をどういうふうに配置するかというところが、1つ、課題かもしれないなと思いました。
 じゃ、執筆をするという観点、執筆をする方から一通りお話をしていただいたんですけれども。事務局はいかがですか、事務局で執筆を担当されることになっているので、課題があれば。

【井口係長】  資料7について、少し事務局で議論したことを、鈴木から御紹介ができればと思います。

【鈴木係員】  資料7を御覧いただければと思います。今までの議論の中でも、障害者の生涯学習事業を行う際のコツやポイントなどを、ここで取り上げられたらいいんじゃないかという話があって、それをなるべく読み手、特に市区町村の社会教育職員の立場から、本当に知りたいものが掲載されているページがあるといいんじゃないかということから作成したものが資料7になります。
 現場の人は、本当に具体でリアルな情報が欲しいと思っていますが、現状それを知るすべがない。例えば研修なども、なかなか機会がなくて、知りたいんだけれども、どう調べればよいか分からないということを、知ることができるようなページがあるといいんじゃないかなというのが、この趣旨です。
 ここで5点、例として挙げているんですけれども、例えば2つ目。参加者の募集については、社会教育事業は広報紙で参加者を募集するんですけれども、市区町村の事業は市内在住、在学・在勤の方、どなたでもどうぞと、そういう表記のされ方がされていて、これを実際に障害当事者の方が見たときにどう思うのかなと。
 これ、どうやって書いたら実際に応募してみようとかって思うのかなとか、そういったところって、多分現場の職員の方って情報はなかなか得にくいかなというふうに思うんです。
 あとは5番目、一番下に飛びますと、自主サークル化とあります。大体多くの公民館ですとか社会教育の事業は、講座が終わった後、自主サークル化というのを1つポイントにして、プログラムを組みます。じゃあ、実際に障害のある方が参加されたような講座をサークル化させるときに、自主化した後、行政がどんな支援ができるのかとか、そういったところって、なかなか現場の方、悩むところかなというふうに思います。
 これは、私がもともと市区町村の職員なので、きっとこういうところ、悩むんだろうなというのを、例として5つ挙げさせてもらいました。どこか、この冊子の中でこういった点が載っているようなところがあると、ああ、この冊子、自分には関係ないやと思う人が少しでも減るかなというような観点で挙げさせていただいたところです。
 もしかすると、志々田さんのまとめのところの支援の方法とか、そのあたりと重なってくる部分もあるのかなというふうに思うので、ちょっとすみ分けをしたり合体させたりなど、ぜひ御意見、御議論いただけたらなと思います。私からの説明は以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。課題というよりも、むしろ、この全体で書かれていることをどういうふうにまとめていくかというか、見た人が体系的に理解できるかというようなところの工夫が必要じゃないかということでしょうかね。
 こういうQ&Aを作って、例えばこのAのところに具体的には何ページを見てくださいみたいに書くというようなイメージですね。

【鈴木係員】  そうです。できれば、そうできると一番いいかなというふうに思いました。例えば3番の合理的配慮のところですと、津田先生が言っていただいた、どういったことが合理的配慮なのかというようなところに誘導できるような、そんな仕組みもあると、さらに読みやすいかなというふうには思っていた次第です。

【津田座長】  なるほど。ありがとうございました。全体を総合化するという視点も念頭に置きながら、進めていきましょう。
 それでは、執筆を担当するということが明示的な方たちは一言ずつお話しいただいたんですけれども、大森さん、全体を読んでいただいて、いかがですか。印象とか。

【大森委員】  すみません。そうですね、印象。案がまとまったハンドブックになった感じを想像して、どんな人が読んでいるかなというのは、ちょっと想像できない感じぐらいバラバラしていて、誰が読むのかなみたいな、漠然とした、何かそういうのはあって。ちょっと私の中の、これ、誰に向けて、どんな人が、どんな気持ちで読むんだっけというのがちょっと分からなくなっているなというのは、思いました。
 ただ、そうですね、さっき津田さんもおっしゃったんですけれども、私たちが伝えたいこと、実践した立場でとか、あるいは既に実践されているようないろいろな事業を見る中で、読み手の心をくすぐったり、動かすような何か、探しているものに応えられるかどうかというところは、ひもづけていかないといけないなと思って、改めて自分が書いたやつとかも見てみたんですけれども。
 あと、そのひもづけるところで、なにも冊子の中だけで完結するということではなく、何かここに問い合わせて話を聞きたいとか、具体的にもっとアクションを起こせるようなこと、そこのハードルがちょっと下がるといいのかなというふうには思います。よく冊子とか読んでいて、ああ、いいなと思っても、気軽にそこに訪ねていけないというのもあるかなというふうに思ったので。
 そうですね、この間、Zoomで仙台市の方の、これから実践される方たちのための学習会という形で、お話を2時間ぐらいさせてもらったんですけれども。多分、津田さんが私の前にお話をされたかと思うんですが、あまりこちら側でこういうことをしています、ああいうことをしていますというのがいいというよりは、むしろ向こうの人たちが、自分たちの今ある資源とかを分かっていて、それをどういうふうに活用したらいいですか、みたいな相談役になるような人がいたほうが実際の動きにつながるんだろうというのはすごく思いました。
 なので、この自分が作った報告冊子とかでは、やっぱりあまり伝わっていないなと思いつつ、それを具体的に地域ごとに実践していくための、もう一つ何かがセットになっていると、より良いかなというところで、その議論を多分この後するのかなと思ったんですけれども。そんなことも、ちょっと冊子の中に含まれているといいかなと、ちょっと思ったというところです。すみません。

【津田座長】  そうですね、オンデマンドの情報源になると一番いいんですけれども、紙媒体なので、全てを網羅するとかってできないと思いますけれども、少なくとも、アクションを起こすためのきっかけになるようなものになっているかどうかという観点からいうと、かなりまだ甘いんじゃないかということですね。
 それから、あと、ばらばら感。ばらばら感というのは、文体ももちろんそうですけれども、内容面というか、何を狙いとしているんだろうかというところのばらばら感が問題じゃないかなというふうに感じておられるというふうに受け取ったんですけれども、そんな感じでしょうかね。
 ちなみに、僕が文体を柔らかくというか、いいかげんに書いたのは、堅く書き始めたら、内容も堅くなっちゃうからです。あえて柔らかく表現をすることによって1回書いてみて、文体を堅くするのであれば、そこから堅くできるというふうに思ったので。という趣旨なんですけれども、ですから、こういう文体でみんな行きましょうという趣旨では、全くないです。
 ありがとうございます。じゃ、ほかの今御陪席の方たちの中で御覧いただいて、感じられていること、課題かな、問題かな、ここを議論しないといけないなと思われていることについて、お話しいただけたらと思います。
 平井さん、お願いします。

【平井委員】  私は、志々田さんのまとめの部分と、今の鈴木さんのQ&Aを見て、割合イメージが湧いてきました。到達点が少し見えたかなと。その前のページは、障害のある人たちの学びのバリエーション、バラエティーなんですね。バラエティー番組みたいな、何でもありみたいな感じの構成ですけれども、それは現実だし。
 「足りない、足りない、まだまだ不十分だ」と言ってきましたが、この実践研究を通じて、いろいろな広がりが出てきました。そして今はまだ、まとめる段階じゃないんだということがわかりました。「いろいろなことが出てきて、さあ、どうしようというふうに考えています」という感じの、提案型で作るというのもありかなと。
 だから、統一感がないのが今度の冊子のいいところというふうに考えても良いのではないでしょうか?どうでしょうか。

【津田座長】  ありがとうございます。バラエティー一番組でいいんじゃないかというのは、なかなか面白い発想かなというふうに思いました。何を共有して、何をばらばらでよいとするかというあたりの境界をどこに置くのかという話ができそうですね。
 小松さん、いかがでしょうか。

【小松分析官】  ありがとうございます。この冊子の分量だと、これ一冊で何から何まで、例えばまだ学習機会提供に取り組む必要性をあまり認識していない自治体のモチベーションアップとか、職員の方のスキルアップとか、そこまでは難しいと思うので、ある程度、もともと障害者の生涯学習機会提供をやってみようという動機がある方が、この冊子を見て、先行事例などを参考にして取り組むことができるような手がかりをお示しできればよいのではと思います。
まずは、障害者の学習機会の良い事例とはどういうものか、事業を組み立てる上で大事にしたい視点も含め、こういうものがありますということを、参考事例としてお示しできればと思います。
 それから、そうした事例を参考にして、自分のところでも実施するための手がかりが必要です。社会教育に携わる職員の方は、ある程度事業のつくり方等はスキルとしてお持ちだということを前提にして、冊子での紹介を読めば、同様の事業を実施できそうだと感じていただけるような、事例に関する情報と、文科省事務局が案として出しているQ&Aのような、実際にやろうというときに困りそうな点についてのピンポイントの情報、問い合わせや視察等で勉強することができる先など、この冊子を手がかりにしてアクションが起こせるような情報をまとめていくのがよいのではという印象を持ちました。
 以上です。

【津田座長】  ありがとうございます。紙媒体でできる限界に挑戦するというようなことではないですけれども、できないことまで挑戦をするということではないんだという辺りのことを、しっかりわきまえて進めましょうということだと思います。
 それでは、いかがでしょうか。ほかの方たち、皆さん、ぜひ一言でも結構ですので、御発言いただけますか。
 宮本さん、いかがですか。

【宮本補佐】  ありがとうございます。私も、ざっとこれを見させていただいて、やっぱり第一印象はすごくばらばら感があって、ただ、こういうつくりの物もあって良いのかなと。行政がつくると、やっぱり堅い物になってしまって、そういうのはちょっとイメージを変えるというのでは良いのかなと。
 書かれている柱というか、骨子の部分はそれぞれの方々がしっかり考えていただいているなと思っていて、個人的にはこの内容で書いていただけると良いかなと思いました。文体とか、もう少し寄せるとかはあるのかなとは思いますけれども、大筋は、私は良いかなというふうに印象を持ちました。
 ありがとうございます。

【津田座長】  ありがとうございます。それでは、竹林さん、いかがでしょうか。

【竹林室長】  こちらのパンフレットもいろいろ見ながらですけれども、趣旨や地方公共団体職員向けのメッセージとあって、この職員というのが、大体これは県か市町村の担当者でしょうか。

【宮本補佐】  そうですね、社会教育主事とか、生涯学習とかを担当の。

【竹林室長】  社会教育主事、生涯学習の担当者向けということだろうなと思っていたのですが、メッセージというのであれば、もちろん、職員もそうですが、もう少し別の人にも向けられないかな。職員、担当者だけでなくて、もっと上の知事さんや市長さんとか。

【津田座長】  管理職ですね。

【竹林室長】  政治家ですね。といいますのも、県なり市町村で、こういった障害のある方に対する取組を全体としてどう考えているのかというのは、やはり知事さんとか市長さんで、むしろ教育委員会よりも、そういった人たちに何か届くようにできないかなと。
 実際、私自身も県にいたことがありますので、県の生涯学習課の社会教育主事さんの思いが、その上の課長、さらに、教育長、知事さんとか、そういった方々のところまで、なかなか届かないなというところは感じておりまして、もっと届くようにできないかなと。そうすることによって、県全体とか、市町村全体で何かもう少し進んでいくのかなという気はしました。
 あともう一つ、先ほど特別支援学校の公開講座の話がありましたが、盲学校で卒業生に理髪の訓練をするというのは香川県立盲学校でもしていました。けれども、それ以外でもっと一般向けの公開講座があったかというと、ふと記憶をたどっていても恐らくあまりなかったなと。
 ただ、特別支援学校は、通ってきている子供たちがどういった地域に住んでいるのか、全部把握しているので、かなり地域の人たちとのつながりは意識していたというのは感じていました。もう少しそこをどう開いていくかというのは課題ではあったのですけれども、そういう地域と特別支援学校との関わりというものが、もっと良い事例があるといいのかなと。
 実際、特別支援学校というのは地域の理解がないとなかなか難しい。地域の理解がないと設置するのもなかなか立ち行かないというのはありました。そういう意味では、もう少し特別支援学校側から開いていけるような、そういった取組がないか。青森の例が出てきましたけれども、ほかに何かないのかなというのを見ながら感じていました。

【津田座長】  ありがとうございます。すごく、僕自身もあまり視点がなかったことをおっしゃっていただいて。市長とか、県知事とか、教育長とか、そういう方たちに見ていただく意味って、確かにすごく大きいですね。ちょっとだけそれを意識するといいかなというふうに思いました。
 それから、今お話を伺っていて、志々田さんのところと梶野さんのところの話というのは、地域と特別支援学校のつながりというところで言うと、かなり近接するんですよね。近接したから悪いわけではないですけれども、というふうに感じました。
 社協の取組については、梶野さん、全社協のお話をしてくださいましたけれども、具体的にどういうものが上がってきそうなんですか。

【梶野委員】  まだ調べていないので、ちょっと確認してみたいなと。ボランティア活動振興センターあたりとは窓口があったり、あとは福祉と教育とかで、どこか取り上げているのってありますかね。ちょっとバックナンバーを漁ってみようかなとか、いろいろ思っていたぐらいです。まだちょっと動いていないです。ごめんなさい。

【津田座長】  分かりました。

【梶野委員】  ちょっと、ついでにいいですか。これ、事務局に確認したほうがいいのかな。資料2の表のところに、事例は知的(発達障害)って書いてあるじゃないですか。これ、いわゆる発達に課題のある人というのを取り上げるというような視点があるという、これ、最近、知的障害というのと、発達障害って、呼び方、分けていますよね。
 いわゆる発達障害がある人というのも対象にするとしたら、そういう事例をどう拾うかという観点を入れたほうがいいかなと、ちょっと思ったんですけれども。

【井口係長】  ここの意図はそこまで深いものではなくて、どうしても文科省がつくると、障害種を押しなべて網羅しなきゃいけないみたいなふうに考えると、かなり窮屈になるというか、事例の選定とかは難しくなるので、今回は主に知的を中心に取り上げたらいいんじゃないかと。
 そこに連続的な課題、隣接する発達障害の課題なんかも、フォローした実践が入ってきてもいいのかなというぐらいのイメージですので、そこまで発達を入れなきゃいけないとか、そういう意味合いではないということです。

【梶野委員】  入れなきゃいけないじゃなくて、入れたいという気持ちというか、どう考えるかなということなんですよね。今、要するに教育行政の関係者が関心がある分野というのを考えると、話を難しくしちゃうんだったら、そこは整理していただいていいんですけれども、高校通級の話とかが出てきているので。やっぱり1つ、発達に課題のある生徒の問題というか、子供たちの問題というのは、結構注目を集めている分野ではあるので、その辺のところをどう査定に入れたらいいのかなということを思っていたということです。

【津田座長】  ありがとうございます。井口さんがあまり感想的なことをおっしゃっていないので、ぜひ。

【井口係長】  ありがとうございます。どうでしょうかね。全体像としては、私は今出てきている各原稿のイメージというのは、確かにばらばらではありながらも、地方公共団体の職員、特に社会教育・生涯学習では、教育委員会の職員の方ですとか、障害福祉で何かこうした支援に関わっている方に読んでもらう内容としては、ある種の網羅性があって、バラエティーのある事例が並ぶ、キーワードが並ぶということ自体はそんなに違和感がなく、1つのまとまりとしてはありなのかなと思っています。
 というか、結局そうした類書がこれまでにあっただろうかと考えると、やっぱりないと思うんですよね。多少堅い、大学の教員が書いたような実践事例がまとまった書籍みたいのは、数えるぐらいはあるかもしれませんけれども、でも、それが、実践家ですとか、地方公共団体の職員に手にとられているかと言われると、決してそうではないだろうと思うんです。
 その意味では、この事例集は確かに雑多でバラエティーに富んでいるかもしれないけれども、新しい発行物にはなるんじゃないかという期待は持っております。その意味で、方向感としては、私はあまり違和感はないと。ただ、文体ですとか、あるいは分量ですとか、そうしたものをもうちょっとしっかり整えていく必要はあるだろうなという意味では、今後整理していく必要があると思っています。
 また、さっき竹林室長もおっしゃいましたけれども、首長と教育長とかにも一番最初のメッセージのところは読んでいただくとか、そうした工夫は事務局のほうでもいろいろできそうだなと思います。ただ、最終的に手に届けたいのは地方公共団体の職員だということは、あまりぶらさないほうがいいのかなと。
 そこがぶれちゃうと、また構成そのものを変えていこうとか、そういうふうになっていくかなと思うので。今回は、あくまでやっぱり地方公共団体の職員にこの実践の意義とか、あとは方法論というものが伝えられていくという初発の目的で行ったほうがいいのかなと思っています。

【津田座長】  ありがとうございます。
 それでは、バラエティー感があるということは、割と肯定的に捉えるべきだという話、意見が大勢を占めてきたんです。そういう感じで、皆さん、よろしいですか。
 平井さん、どうぞ。

【平井委員】  かなり無理して言っているのですけれども(笑)。
別件の質問ですが、最後に梶野さんと私がコメントを入れるというのがありますよね。私は元特別支援学校教諭という立場でコメントを入れる役割なのでしょうか?

【井口係長】  いえ、ありがとうございます。これも、この前の構成案を再検討した際に入れさせてもらった新しい観点です。前回の議論で、梶野さんがちょっとこの観点を発言されたんです。私、なるほどなと思ったんです。書き手も非常にばらばらですし、事例もばらばらという中で、この読み手に近い立場の方が、そこにどういう観点で読むか二言三言、こういうところが大事だとか、こういうところはこれまでにもあったとか、なかったとか、そういうことを書いてもらうというイメージですか。
 さっきの津田先生が冒頭におっしゃっていたところに近いんですけれども、関わっているコーディネーターが実践を紹介するというよりも、ほかの方が書いて、ここに学ぶべき点があるということを指摘したほうが、より読み手の共感性も得られやすいのではないかと、そういう観点で梶野さんと平井さんのお立場から、それぞれの事例にコメントをしてもらうみたいな、そういうアイデアを入れてみたという感じなんです。
 これも、全ての記事に入るべきとも考えていないので、適宜そういうものが入ってくると、読み方の少し幅が広がるのではないかと、そういうイメージですが、いかがでしょうか。平井さんや梶野さんのイメージが湧くかどうかというところも伺ってみたいと思っていました。

【梶野委員】  平井先生、どうぞ。

【平井委員】  わかりました。
先ほど、津田先生の提案がありましたけれども、それはいいなと思います。ただそうすると全部組替えになっちゃいませんか?

【津田座長】  いえ、そんなことないと思います。僕のところと大森さんのところだけだと思うんですよ、執筆者が検討すべきかなというふうに思ったのは。

【平井委員】  私のところも入りますけどね。

【津田座長】  ああ、そうですか。

【平井委員】  私も、取り替えてもらったほうが面白いかな。3人でシャッフルするなら、そんなに難しくないという気もしますけれども。

【青山委員】  大森さんのところには青山と書いてあって、そこも私の役割もちょっとさっき聞かなかったんですけれども。多分、ご自身で書くよりも、みんなで、ほかの人が書くことの意味もあるよねというようなことは、この会議でも確認されてきたと思いますし。
 大森さんのところの実践に私の名前が入っているのは、そういう意図かなとも思ったんですけれども。それ、前に決まっていたことでしたっけ。すみません、前もそうだったら、私は分かっていないんだけれども。

【井口係長】  新しく入ったような気がします。でも、本当にそうなんです。要は、この前、前回の会議のときに、大森さんのところに行って、その後、何か質問し合ったりしたあのイメージなんです。青山さんが大森さんの実践というのは、こんなところが面白いよねという話ですとか、あるいは社会教育っぽいですよねみたいな話を、ちょっとやり取りとして、してくださって。
 ああいう話があると、そうか、こういうところが大森実践の面白さなんだなということを再確認できるというか。例えば大森さんて、別に社会教育という言葉を使われないわけですよね。だから、別に御本人から社会教育としてやっていますとか、社会教育的なのはここだと思いますというのは出てこないと思うんです。
 でも、例えば青山さんがこの前コメントされたのを見ると、ああ、なるほどなと、職員の私はまた再確認できる。そんなやり取りを見て、入れたという意味なんです。その効果というのは、平井さんや梶野さんがコメントを書いてみることによって、また生まれてくるんじゃないかというような発想です。そういう観点で、お互いのところに突っ込みを入れるじゃないですけれども、そういう原稿の作り方がありかなと思っているところです。

【平井委員】  私のところもどなたか書いてもらえると、うれしいなと思っていますが。

【津田座長】  それでは、大体一通り、皆さんの感想が出てきたので、これから、あと1時間弱ありますので、決めることについて論点を整理しようと思います。1つは、今言った大学のことと、それから、大森さんのところと、PandA-Jのところ、この3点を誰が書くのかということについてというの、これが1点目です。
 それから、2つ目が、これ分量は明日、井口さんが編集者と会って、そこで決まるんですね。分量というのは、今の時点で分からない。

【井口係長】  そうですね。その方に判型に文字を流し込んでいただいて。A5とか、B5とか分からないですけれども、それぐらいのデザインの中に落とし込んでみて、仮に2ページか4ページに入れるとすればどれぐらいの分量なのかというのを、適切なところを教えていただいて、皆さんにフィードバックするというふうにさせていただきたいと思いますので。

【津田座長】  じゃ、分量は今日は分からないですけど、文体については協議をしましょう。ばらばらでという……。ばらばらでいいということも留保、オーケーにしながら、でも、ここまでは共有しておこうというあたりのところを協議したほうがいいかなと思いました。
 それから、事例がそもそも集まっていないというところでいうと、青山さんの障害者の参画の事例を少し絞っていくというか、出しておくということをしなくちゃいけないというのは、これが3点目かなと思います。
 それから、青山さんの障害者青年学級と大学の取組、それから特別支援学校の公開講座、この3点については恐らく事例について取り込むのが中心になるんだけれども、トータルの視点を入れるべきなのかという、ここ、悩むんじゃないかと思うので、その辺りのこと、それぞれの記事をどういう事例と、トータルな視点との配分で書くかみたいなところ、話合いになるかどうか分かりませんけれども、その辺りのことを少し話をしておくといいかなと思います。
 ちょっと僕なりに整理したのがその4点なんですけれども、ほかに皆さん、お気づきのこと、ありますか。
 いいでしょうかね。じゃ、その4点についてはしっかりと話をして。あと、残りのコメントのこととか、アクションを起こすきっかけになるようなことをどういうふうに入れ込んでおくかとか、そういったようなことについては、これアイデアのレベルの話ですので、アイデアがある人はどんどん出すという、そんな感じで進めていこうと思います。
 じゃ、まずKUPIの話と、それから、大森さんのところの実践と、PandA-Jのところを誰が書くかという話、ここから行きましょう。
 まず、1番、括弧で青山と名前があるところが一番決まりやすそうなので、大森さんの実践を青山さんが書くってありですか。

【青山委員】  さっきの井口さんのイメージは楽しそうだなと思っていたんです。文体がばらばらでいいんだったら、僕が大森さんにインタビューするとかでもいいんですか。

【津田座長】  いいんじゃないでしょうか。

【青山委員】  例えば、概要のような部分は半ページでも、読み手にとって必要かもしれません。でも、それを踏まえて、大森さんにちょっとこういうつもりでやっているんだよということを語ってもらいながら、それって社会教育の文脈だと、こういうふうなところが面白いですねという話を返していくとすると、ちょっとインタビューというか、会話調になっていてよければ、それもありかなとか。
 大森さんが既にいろいろなところからインタビューをされていたりすると、また重複しちゃうかもしれませんけど、そんな形も今ありかなと見ていました。いかがでしょうか。

【津田座長】  とてもいいアイデアだと思いますね。大森さん、どうぞ、一言。

【大森委員】  ありがとうございます。とてもいいと思います。よろしくお願いします。

【津田座長】  4ページあるので、お二人で工夫しながらやられたらいいということなんじゃないでしょうか。

【青山委員】  既に、多分いろいろな事業報告とかで使われているような図のところで分かりやすいものが結構多いと思うので、事業の全体像のところと、やっているところ、今回見せていただいたようなあたりのことが分かるものは用意して、例えば、あとはちょっと2人でしゃべっているみたいなのとか、どうですか。ちょっと雑誌風にレイアウトしてもらったりすると、僕は勝手に「ナンバー」とかの感じになっていますけれども。そういうイメージでいかがかなと思いますが。

【津田座長】  ありがとうございます。イメージが浮かんできて、とてもいいです。いいですよね、そんな感じもね。
 それじゃ、これは青山さんと大森さんで、ここのところはお任せするという方向で。
 それでは、問題は神戸大学の事例と、それからPandA-Jをどうするか。提案ですけれども、平井さんに神戸大学の話を書いていただいて、僕がPandA-Jの話を書くと、どうでしょう。

【平井委員】  はい、それが一番簡便なんでしょうけれども、KUPIはまだ見ていないので。

【津田座長】  この中で見ておられる方は、井口さんしかおられないので、どちらにしても、見ていない人が書くしかない部分かなと思うんですけど。でもね、別にここでKUPIの話に焦点化する必要は、僕はあまりないような気もするんです。井口さんに随分気を使っていただいていますけれども、学芸大学の話というのはかなり先駆的な事例として地域も広がりを持っていますし、そういうような大学で取り組んでいる実践ということの並びの中に、今、KUPIみたいなものが起こっているよというような形でもいいような気がするんですけれども。

【平井委員】  これも、じゃ、Q&Aみたいにしますか。私が津田先生にお聞きするみたいな感じで進めますか。あるいは、PandA-Jさんに聞くとか。

【津田座長】  そうですね、僕も、だから、PandA-Jのは拝見したことはないので、それはお互いさまということなので。

【平井委員】  そうですね。

【津田座長】  はい。だから、資料を十分にお互いに出すということを前提にして、執筆を実際にするのは、ちょっと入れ子にするという形でよければ、そのような。

【井口係長】  いいと思います。何か、資料を共有した上で、Zoomか何かでセットして聞き合った情報を基に書き起こしていくというようなことが、私もいいのかなと思いました。
 神戸大学のKUPIがより特徴的だなと思うのは、1つは、履修証明プログラムのような、オープンカレッジのように数回程度ではなくて、かなりまとまったカリキュラムを持っていると。これは、ただ学芸大もそうであったとは思うんですけれども。
 ただ、もう一つは、地方公共団体との連携関係を結んでやっている事例であるというところは、とりわけ大事かなと思っています。地方公共団体の職員に読んでもらおうと思ったときに、地方公共団体が大学と連携して、こんなことができるのかと思っていただけたらいいなという願いもちょっとあったんです。多分、学芸大学なんかがやってこられたこととKUPIの中身は連続性はあると思うんですけれども、やっぱり学芸大学の実践、地方公共団体の皆さんに受け止められるということは、残念ながらなかったのかなというふうに思っていまして、それは大きな課題だったかと思うんですよね。読み手が地方公共団体の職員であるということを意識した上で、その辺りを少し掘り下げられるといいかと思っています。
 ただ、いずれにしても、やっぱり特別支援学校卒業後の学びの場の位置づけ、移行期の位置づけということで、オープンカレッジなどにも触れると。さっきのトータルか個別かという話で言えば、トータルのところに触れていただくようなこともあってもいいかなと思っていますが、いかがですか。

【津田座長】  ありがとうございます。KUPIで、もちろん兵庫県と割と連携を密にしながらやっているんですけれども、その密になっている方向性は、KUPIの中身づくりではなくて、コンソーシアムとしての兵庫県全体の広がりをつくっていくときのダブル事務局体制なんです。
 ですから、KUPIの話として展開すると、そっちのほうにはなかなか行きにくいので、二大話的になるかもしれないですが、実際、僕らも今手応えを感じている部分でもあります。ダブル事務局体制というのは、お互いのできないことをちゃんと補えるというところがあると思っているのでね。連携するということが大事だということについても触れるような部分にしていくことはできるかなというふうに思います。
 それでは……。

【平井委員】  ちょっと突っ込んじゃうけれども、いいですか。

【津田座長】  もちろん。

【平井委員】  大学の学びと地方公共団体との連携に関しては、今までの歴史の中では、青森県と長崎県の事例があります。今回の神戸大学の場合には、それとの違いがあると思うので、そこのところを聞き取って書くのも面白いなと思っています。

【津田座長】  はい。よろしくお願いします。では、平井さんらしい料理をしていただくという感じで、お願いいたします。
 それでは、次の話題に行きますね。文体をどうするか。文体もバラエティーに富んでいるのでいいのか、ある程度はそろえたほうがいいのかというところですね。
 どうぞ、志々田さん。

【志々田委員】  読み手として、基本情報みたいなものが必ず入っていてくれれば、あとはいろいろな会話であったりだとか――なんなら漫画でもいいと思うんですけれども、という自由でもいいのかなと。ただ、その欄に、やっぱり何の意図があって、どういう事例をこういう意図で書いていますよというものが、それが、もしかしたら梶野さんと平井先生に書いてもらうコメントのところでもいいと思うんですけれども、そこは同じ文体で、できれば文語調で書かれていると、あとはばらばらでもいいのかなと思いました。

【津田座長】  ありがとうございます。例えば小見出しみたいなのをつくる感じですね。通常の週刊誌で一番最初のところに要約みたいな言葉が書いてあるみたいなイメージでしょうかね。
 いかがでしょうか、今の御意見も含めて。御意見、特にないですか。お願いいたします。

【平井委員】  要約があるというのはとてもいいと思います、「必ず要約文と小見出しは入れる。1つのフレーズの文字数はこのぐらい」とかまで決めますか。あと、「ですます」か「である」かぐらいは統一しておかないといけませんね。

【津田座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。今、方向性としては、簡単な小見出しを、要約を冒頭に入れて、あと、内容は自由なんだけれども、ですます調か、である調ぐらいのざっくりとした方向性だけは共有しておこうというような。
 お願いします。

【志々田委員】  すみません。でも、最近、ですます調のものが多くなってきたような気がして、であるという文語調の言葉と書いてあると、急に冷めるというか。なので、ですますでいいんじゃないかな。少なくとも、であるという文語調じゃないところで書く、なるべく開いた言葉というか、易しい言葉で書くというのがいいのかなと思いました。

【梶野委員】  基本的に賛成です、ハンドブックなので。ハンドブックは読みやすいというのを基本にしたほうがいいと思います。

【津田座長】  それでは、ですます調で行きましょうということでよろしいですか。それで、小見出しの部分についても、小見出しの部分もですます調がいいですよね。そこに、どれぐらいの分量で、最低何を書くのかということについてのイメージを出し合っておいたほうがいいのかな。要約でいいんでしょうか。要約としか言いようがないかな。

【平井委員】  もともと全体の字数が少ないので、要約は難しいかも。キーワードを何個か入れるということでもいいかもしれませんね。

【青山委員】  何か少しリード文みたいなイメージですかね。結論を書くような要約ではなくて、例えば大学で取り組んでいる事例もあるけれども、地方公共団体と連携した取組も行われている。ここでは、これこれを見てみようみたいな、そういういわゆるリード文的なものを書くようなイメージですか。
 それとも、結論まで書くような要約になると、結構2ページだとしんどいなと思って聞いていたんですけれども。

【志々田委員】  この令和2年度の表彰の事例集を見ると、PRポイントって書いてあるんですよね。なので、多分この事例の、私たちが一番ここのところを読んでほしいのよ、ここのところを理解してほしいのよというPRポイントみたいなイメージで、1行、2行書くというのがいいのかなと思いました。

【津田座長】  ありがとうございます。そうですね。誰がやっているかとか、内容が何なのかとか、行政がそこでどういう役割をしているかという要素みたいなのを必ず入れなくちゃいけないとかって、すごい難しいですもんね。PR文とか、リード文というふうな御意見が出てきましたけれども、そういう本当に一言でその実践を表現する短文ですね。

【志々田委員】  センスが問われる。

【津田座長】  そうですね。というのを入れて、あとはですます調で、バラエティーに富んだ描き方でいいという形でよろしいでしょうかね。

【青山委員】  ちなみに、ごめんなさい、そうなると津田先生の今のやつも、ですますになるという理解ですか。自由度って、どれぐらいの幅があるかをちょっとイメージしておきたかっただけなんですけれども。

【津田座長】  はい、そういうことであれば、僕のもですます調に直しますよ。

【青山委員】  了解しました。じゃ、柔らかめのですますを、僕もちょっと狙ってみようと思います。

【津田座長】  よろしいですか。
 それでは、3点目、行きます。青山さんの書かれるところの障害者の参画というところの事例です。先ほどちょっと大森さんがおっしゃっていた彼女の話なんかは入るんじゃないですか。

【大森委員】  今年度、練馬区で障害のある方たちの意思疎通に関する条例制定のために、検討部会というのが設置されたんですが、そちらに知的障害の当事者の委員として、今日、傍聴に来ているなっちゃん(原田奈津紀さん)と、あともう一人のメンバーのももせさん(百瀬賢太郎さん)の2人が委嘱されたという感じで。
 それから、こういった会議の委員という形でなくても、例えば、今年度から6年間の障害者計画ができたんですが、その分かりやすい版を一緒に作ってくれないかという声がかかったりということもあります。こうしたことは、昨年度、障害者計画策定の検討会の委員になれなかったけれども、勝手にいろいろ私たちなりに検討しようって、勝手に検討会というプログラムをやった結果、知的障害があると言われる方たちもいろいろ意見を持っているし、考えているし、こうやっていろいろ一緒に考えていくことができるんだということを、行政の側が体験することができたんだと思います。今年度いろいろ、逆にちょっと忙しくなって困るぐらいなんですけれども。

【津田座長】  まだこれからなので、どうなっていくか分かりませんけれども。でも、いつから始まるんですか。

【大森委員】  8月2日が初回の会議になっています。ただ、2人が委員として参加します。知的障害のある方たちの代表ということでもあるんですけど、MoreTimeねりまやi-LDKのメンバーと会議資料を一緒に見たりして、みんなの意見、より多くの人たちの意見を伝えられるような役割もできたらいいよねっていう話になっていて、なかなか条例にして一般化しづらいかなとは思うんですけれども。

【津田座長】  そういう、いわゆる公的な発言をするというところに立つ人が、個人でもバックボーンもなく出ていって発言をするって、すごく勇気のあることだし、すごい難しいことだけれども、大森さんみたいな活動で、ちゃんと学習をした中で、意見もまとめて出かけていくという、こういう1つの流れとして描くというのはとてもいい事例になるんじゃないでしょうかね。8月だったら間に合いますよね。

【大森委員】  そうですね。

【津田座長】  知的障害のある人たちに主にターゲットが絞られているので、なかなか事例が見つからないというところなので、おすがりするしかないというような状況かなというふうに、まずは思うんですけれども。
 あと、国立で以前、知的障害の人たちが何か出ていましたよね。何だっけ。市の基本的な施政を決めていく審議会か何かに知的障害の人たちが参画していたというのを聞いたことがあったんですけれども。何かなかったでしたっけ。
 あとは、知的障害ではない方たちの参画だったら、ぽちぽちとあると思うので、そういうものを少し入れ込んでいくかどうかですね。

【青山委員】  いいですか。今の大森さんに教えていただいた事例などで、すごく面白いなと思っていますが、当初この項目を立ててくださったときの趣旨というのは、もうちょっと、いわゆる社会教育における住民参加みたいな文脈の中で、公に声を届けるというほうの参加ももちろんありつつ、社会教育施設を運営する側には回るとか、社会教育計画をつくる側に回るとか、学ぶということに対しての施設や事業の運営そのものを担っていくみたいな文脈での参加だったのかなと思っていて。
 今の、例えば市政に、市長にとか、区長に声を届けるとかいうような文脈の参加でも、もちろんいいと思うんですけれども、生涯学習のというときに、そこは当初の事務局案との齟齬がないのかなと思ったんですけれども、よろしいですか。

【井口係長】  ありがとうございます。当初は、青山さん御指摘のとおり、社会教育の職員の方が読んだときに、障害の当事者を、やっぱり自分の地域の図書館協議会とか、公運審とか、社会教育委員の会議にぜひ入ってもらおうと思ってほしいと、そういう意図だったんですよ。
 どちらかというと、大森さんの事例で御紹介するとなると、いわゆる障害者計画ですとか、障害者本人の参画をある程度意識した福祉関係職員の方たちの事例よりは、意識していない人たちに、そういう観点もあるということをちゃんと理解、認識してもらうというほうが、当初のもくろみとしてはよりフィットするかなという気はしています。
 ただ、私も全公連とかにも問合せとかしてみたんですけれども、やっぱりなかなか情報としては出てこないというのが実情で、特に知的障害に限ると、恐らくほとんどない。障害者計画でもほとんどないと思うんですよね。その意味で、大森さんの練馬区の事例というのは非常に貴重ですし、それをあえて取り上げるという意味も別に出てくるかなという気はするので、もし現行の紹介の仕方として可能であれば、大森さんのところの事例をもうちょっと広げて、例えば公運審とか、図書館協議会とか、社会教育委員の会議でも、こういう観点を取り入れるべきだというふうに、ちょっとトータルな視点で提案いただく、言及いただくというようなこともあり得るかなと思いました。
 いかがでしょうか。

【津田座長】  ありがとうございます。視覚障害のある人たちは、図書館の協議会的なものに入っているという事例はあるんじゃないですか。とか、国立の公運審の身体障害のある方が入っていたというのは過去のことだと思いますけれども、過去でも、あったことはあったわけだから、そういったような事例もないことはないので、入れていただくという方向でもいいんでしょうかね。
 お願いします、どうぞ。

【平井委員】  PandA-Jで取り組んだ石狩市の「大地の会」という当事者会があります。定期的に市長との懇談をしたり、障害者計画に意見を言ったり、我々の学習プログラムに関しても役員会の皆さんがいろいろ意見を出してくれました。

【青山委員】  ありがとうございます。皆さんの事例をちょっといただきながらになります。2ページなので、多分、単に与えられる側ではなくて、ちゃんと声を届けていくとか、参加する、一緒につくる側に回るとかというようなところの趣旨を書きつつ、1つ、2つのこういう事例があるよと言いながら、もともと社会教育本流でいえば、公運審とか、図書館協議会とか、あるいは社会教育委員とか、そういった住民参加の仕組みの中に、いかにその多様性を広げていくかということが大事になるよねと書くと、もう2ページになっちゃうような気がするのですが、そんなトーンでいいですか。そんな感じですかね。

【津田座長】  はい、そうですね。

【青山委員】  何かもうちょっと面白くできそうな気もするんですけれども、もともとの事例でない形からちょっと組み立てていくとなると、そういう最後、今井口さんがおっしゃったように、社会教育施設の職員さんとかにも、ちょっと、ああ、俺たちもと思ってもらえるようなところを落としどころにするのが現実的かなとも思っていて、そんな印象を持っています。

【津田座長】  知的障害のある方たちに、その審議会に入っていただくとかというときに、やっぱりその委員さんを支える人たちというか、組織がないといけないという部分が、すごくやっぱり大きいと思うんですよね。それが、大森さんのところはそれができているというようなところでは、やっぱり捨てにくい話だなというふうには感じたんですけれどもね。平井さんのおっしゃった石狩の話ももちろんそうですし、大森さんのほうは身近にいろいろと情報を聞けるというところでなんですが。

【青山委員】  その場合、例えば事例として見る場合に、委嘱をしようと思った側に少し取材をするみたいなこともあり得ますか。経緯とか、どんな準備をしたかとかいうようなことも。つまり練馬区側ということになると思うんですけれども。

【大森委員】  全然可能だと思います。

【青山委員】  その辺を聞けると、多分読み手からすると。

【大森委員】  そうですね、気軽に。でも、担当者が2人とも、去年とはちょっと代わっているんですけれども。ただ、直接聞いたほうが面白そうだなという感じはします。やってみたというか、不安だったこととか、何で入れなかったかと、直接聞いてもらっていいんじゃないかなと思います。

【青山委員】  多分、趣旨からすると、そっちの職員さんの視点で少し書かれているほうが読み手に近いのかもしれないので、それを職員さん側のところをちょっと取り上げたり、もしよければ少し聞かせてもらいながら記事にしていくような感じかなと思いました。でも、8月4日の前に取材しておかないといけないぐらいですかね。
 1回目、終わるところまで行ければ、みんなの声とかも聞きたいけれども。でも、ひとまず少しイメージが少し湧きました。ありがとうございます。ぜひ、今の話題を中心にちょっと考えてみたいと思います。

【津田座長】  ありがとうございます。青山さんの肩にどんどんのしかかっていきますけれども、よろしくお願いします。

【青山委員】  大分なで肩になってきました。

【津田座長】  それでは、さっき整理したところで言えば、最後のポイントなんですけれども、特別支援学校の公開講座、それから、多分青山さんの最初のやつ、公民館の話ですけれども、障害者青年学級の話なんかを含めて、この国立の話は当然出てくるという感じになりますよね。国立だけの話という感じになるのかどうかというところですね。
 まず、井口さんのおつもりから伺ったほうがいいのかな。

【井口係長】  そうですね、やっぱり少し触れられるといいかなと。つまり、やっぱり国立だけが、もちろんやっている流れではないという意味で、障害者青年学級というのが都内に広がっていった背景みたいな。そして、ちょっと歴史的なところに若干触れるといいますか、そこだけになると、また、もちろん書くスペースが僅かな中で、非常に厳しいと思いますので、その意味ではどうなんでしょう。
 さっき、津田先生と平井さんが交換したオープンカレッジみたいなところも、それなりに歴史的なもの、取組というのはあるわけで、そうしたトータルなところも少し目配せしつつできるといいのかなと思いましたが、いかがでしょうか。この辺りも、それだけ書く分量が限られているので、ちょっと議論しておいたほうがいいかなと思いました。

【津田座長】  そう、国立の場合、喫茶コーナー交流というところの文脈もありますものね。それも書き始めると、えらいことということかな。

【青山委員】  他事例も含めた、いわゆる障害者青年学級の経緯には、冒頭で本当に数行かもしれませんが触れるイメージは、私もありました。ただ、そういった多様な実践の中から知恵を抽出するというような書き方よりは、ある程度そういう背景も書きながら、国立のコーヒーハウスを紹介するという位置づけぐらいのほうが書きやすいなというのが、正直なところです。
 その上で、非常に重層的な仕組みでいろいろなことがされている事例なので、全部経緯と仕組みを書くと、多分それだけで報告書になってしまうかもしれないので、少し今回のこの趣旨に合わせて、どういう書き方がいいのかなとは思っていました。私自身としては、もともとMoreTimeねりまのところで話題になったオープンとクローズという話をキーワードにいただいているので、その部分のいわゆるいろいろな仕組みが重層的であることが重要かと思っています。
 1個の事業じゃないわけです。いろいろな仕組みが折り重なってその仕組みができている中に、開放度の高いものもあれば、割とクローズにやっているものもあって、それが必ずしも障害のためのものでもないものと組み合わさりながら、場を構成しているというようなところがヒントになるのかなと思ったのと。
 あと、結果的にターゲットアプローチによらずに、結果として青年室全体やコーヒーハウス全体のユニバーサル感みたいなものの中にターゲットニーズが包含されているようなところというのは、他事例でもヒントになるのかななんて、ざっくり思っていたところなんですけれども。

【津田座長】  ありがとうございます。かなりイメージができて、今おっしゃっていたような枠組みであれば問題ないような気がしました。ありがとうございます。
 梶野さんのところ、いかがですか。

【梶野委員】  いろいろお話を聞いてきたことと、改めて表題を見渡してみたら、これ、ボランティアのことに触れたほうがいいということだったんですよね。いや、特別支援学校の、私からすると、なぜそういう取組が生まれてきたのかみたいなことの背景はちょっと説明できるといいかなとは思っていました。そこはちょっと施策に関わっているところもあるので、自分でもよく分かっているので。
 実は、特別支援学校の校長たちといろいろなやり取りをしながら出来上がってきたつくりなので、その辺のプロセスを紹介するのはいいかなとは思います。かなり校長会の働きかけを受けながら事業内容をつくってきたというところがあって、ボランティア講座が生まれた背景もそこなんですよね。なので、そういう形で経緯を書きながら、もしあれだったら、特筆すべきものがあったら、そこで1つ取り上げるみたいな形で、僕はやれたらいいかなというふうに思っていますね。
 だから、もう一つ、すみません、ボランティア講座の話と、本人講座という組み立てで説明していくようにしようかなと思いました。

【井口係長】  むしろ私が聞きたいんですけれども、都立の特別支援学校の公開講座、これ、特別支援学校に限らず公開講座施策というのはかなり広がりがあったと思うんですけれども、都立の特別支援学校の公開講座の流れというのは、大きく本人講座と、ボランティア講座というふうに大別できると理解していいんですか。

【梶野委員】  今はそういうふうに分けているんです。もともと事業の発生の仕方に流れがあって、昭和40年の半ばぐらいから、いわゆる卒後対策というか、そもそもやっぱり保護者のニーズに教員が応えなきゃいけないというところで、自主的に例えば青鳥とか、そういうところで卒後対策の講座を学校で始めざるを得なかったというもともとの事業があったのと、公開講座の事業というのを、あるところで施策的に一本化していったんですよね。
 その中で、校長会なんかと、実は障害者プール開放も含めて1つの事業にまとめていくということがあって、公開講座という仕組みの中で、全校実施の縛りが都教委としてかけていった中で、ちゃんと本人という当事者向けのものと、ボランティア講座というふうな形で、リニューアルしようと。その辺のところの経緯みたいなのを少し示せるといいのかなと思いましたね。
 ちょっと壁にぶち当たっているのが悩みなんですけれども、経緯としては、つくりとしては、すごくいい。現場の声を聞きながら行政がつくっていったということに関しての説明はできるかと思います。

【井口係長】  前回も少し議論があったんですけれども、特別支援学校が学校卒業後の卒業生向け、あるいは地域の障害者向けの取組を実際に行うということが、歴史的には実際に行われてきたと言えるんですけれども、今後の施策として、そこを押し出していくべきかどうかというのはなかなか難しいところかなと思っています。
 文科省としては、あまり強く言えないところですよね。やっぱり教員がその役割を担っていくべきなのかというと、どうしても働き方改革の問題などもあって、なかなか言いにくいところが本音としてあると。

【梶野委員】  だから、教員中心でというところから、やっぱり脱却しなきゃ駄目だというほうに、僕は書かなきゃいけないかなと。そこは十分そう思っています。

【井口係長】  なるほど、じゃ、そのトーンでお願いいたします。

【梶野委員】  だから、結局、先生たちの意識というのは、どうしてもやっぱり卒業生、その学校の生徒だからという縛りで見てしまうという傾向があって、それが逆に、一部の障害者青年学級にもそういう傾向がありますよね。いつまでたっても、生徒、生徒という言い方を講師の方たちがするという。そこをどう脱却していくかみたいなのも、1つ、この資料集の中でのテーマになるんじゃないかなと思います。

【津田座長】  ありがとうございます。お話を伺っていると、やっぱりかなりコミュニティ・スクール構想に関わってくる感じがします。書きにくくなったりしませんか。

【志々田委員】  大丈夫だと思います。

【梶野委員】  学校側から仕掛ける話と。

【志々田委員】  そうですね、私の場合はどちらかというと、もちろん学習機会の提供ではあるんだけれども、もう少し学校が地域にとってどういう、特別支援学校が地域にとって何の意味があるのかということをもっと考えると、いろいろな生涯学習機会と学校というのはつながりませんかという提案になるので、多分大丈夫かと思います。

【津田座長】  ありがとうございます。それでは、一通り、問題、課題かなと思ったことは話し合えたんじゃないかなと。
 どうぞ。

【志々田委員】  最後のところの障害者の学びの場づくりQ&Aと、私の書くところなんですけれども、ここ、津田先生に御指摘いただいたように、ちょっとかぶるところも出てくるかなという話、私もそうだなと思っていて。なので、一緒に書いたらどうかなと思っています。
 私、割と素朴な疑問がたくさん湧くタイプなので、例えばなんですけれども、障害者の生涯学習機会、一度もやったことがないんですけれども、今回、これを読んでやってみたいと思いました。何から始めて、どんな活動からやったらいいですかね、みたいなこととか。
 あとは、それこそ知的障害のある方たちに、うちの公運審に入ってもらうときにはどこがハードルになりますか、みたいなこととか、そんなことを幾つか並べていく中で、最初と最後ぐらいに少し枕の言葉と締めの言葉を私のほうで書かせてもらって、結局、支援しないといけないよね。それをするのは社会教育だよねというようなことで終わったら、ちょうどこの事例集、いい感じかなと思ったので、一緒に書いたらいいかなと思いました。
 以上です。

【津田座長】  とてもいいと思うんです。いかがですか。

【井口係長】  さっき鈴木が説明したQ&Aのところですね。まさにそれが一番いいかなと思っています。ちょうど私、志々田さんにお願いをしようとしていたチェックリストに近いことを、結局議論、Q&Aの中で取り上げることになっちゃったので、まさにおっしゃるとおりだと思いますので、ぜひそこはむしろ省内で御相談させていただいて、一緒にやらせていただければと思います。

【津田座長】  ありがとうございます。それでは、いいですか、大体心配事というのはなくなったと思ってよろしいでしょうか。ここからが心配事が多くなるのかもしれませんけれども。
 あと、いろいろと細々とした工夫というのはあると思いますので、書きながら工夫を。

【井口係長】  よろしいですか。すみません、実はちょっと全然議論していない中に、福岡市手をつなぐ育成会「保護者会」の当事者団体や、そのアートの取組を入れるかどうかというあたりは、ちょっとまだ事務局としても悩んでいます。
 もちろん、入れられたらいいなという活動ではあるんですけれども、今のところ全部2ページで、皆さん、並べているんですが、実際にはこれが2から4になるとか、あるいは3になるということもあり得ると思うんです、組み直してみたり、削ってみたりする中で。なので、一旦は福岡の取組はちょっとペンディングをさせていただいて、やっぱり必要だとなれば、我々事務局のほうで取材に行くとか、ちょっと手だてを考えてまとめたいと思いますので、一旦ちょっとここは括弧に入れさせていただければなという御報告、御相談でございました。
 それ以外のところは、一旦、今日、大体御議論いただいて、あとは書くだけと、あるいは御相談するだけとなってきているかなと思いました。

【津田座長】  ということで、何と時間前に終わりました。
 それでは、この事例集の作成に向けた検討という議事については、以上にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局にお返ししてよろしいでしょうか。

【井口係長】  ありがとうございます。少し細かな御相談なんですけれども、今日の議論の結果だと、津田先生と平井さんで少し資料の共有をしていただいたり、あるいは打合せをセットしたりということが必要になるかなと思ったことと、あと、青山さんと大森さんで、ここもやっぱり打合せをセットさせていただいてということ。あとは、文科省と志々田さんに御相談させていただくと。梶野さんとも当然個別にやり取りさせていただくことになろうかと思うので、この後、少し個別に打合せ日程の御相談なんかをさせていただいて。我々も日程が合えば、もちろん合流させていただいて、いろいろフォローもさせていただければと思いますので、少し今日早めに終われる分については、個別相談の日程が組めたらと思います。
 一応スケジュール的には8月の中旬頃と申し上げました。いかがでしょう、20日頃を1つのめどにして、この後、一月半ほどで具体的な作業ができたらなというふうに思っておりますので、ちょっとタイトな中で大変恐縮ですけれども、よろしくお願いできればと思っています。
 事例集の関係、よろしいですかね。何かコメントがあれば。大丈夫ですか。一応、じゃ、そのような形で進めていければと思います。ちょっと時間、中途半端ですけれども、それ以外の議題や話題は今日はよろしいですかね。よろしいですかね。
 オンラインの皆様、いかがですか。よろしいでしょうか、特段何かお気づきの点。

【梶野委員】  確認なんですけれども、コメントを入れるのは原稿が出来上がった後でいいということでいいんですね。

【井口係長】  そういうことになりますね。

【梶野委員】  一応確認を。

【井口係長】  さっきの平井さんと津田先生のところとか、大森さんと青山さんのところは、ある程度コメントを入れ合うことになると思うんですけれども、逆に、それ以外のところに、梶野さんや平井さんに振らせていただくという形でよろしいですかね。

【梶野委員】  はい。

【井口係長】  また、じゃ、これは個別に御相談させてください。
 よろしいでしょうか。その他、なければ、次回の確認だけさせていただければと思います。次回、9月の2日に、同じく17時から19時ということで会議をさせていただきたいと思います。このときもメインは事例集にはなりますけれども、この9月のときは事例集以外の議題も、我々のほうで少し用意をさせていただきたいと思いますので、また、事前にその議題も含めて御案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、皆様から何かなければ、定刻よりも10分ほど早いですけれども、一旦終わらせていただいて、個別の御相談の日程相談などをさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
 では、ありがとうございました。これで終わりたいと思います。ありがとうございます。オンラインの皆様、ありがとうございました。

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室

Get ADOBE READER

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要な場合があります。
Adobe Acrobat Readerは開発元のWebページにて、無償でダウンロード可能です。

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室)