障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会(第3回)議事録

1.日時

令和3年3月8日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省17F2会議室

3.議題

  1. 障害者の生涯学習推進のための事例集全体概要に関する検討
  2. 障害者の生涯学習推進のための事例集の各項目に関する検討
  3. その他意見交換

4.配付資料

【井口係長】 それでは時間になりましたので、これより第3回障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会を始めさせていただきたいと思います。
開会に当たりまして、障害者学習支援推進室室長補佐の宮本より一言御挨拶申し上げます。お願いします。

【宮本補佐】 本日は第3回の在り方検討会議にお集まりいただきまして、ありがとうございます。課長と室長が別途公務のため、遅れて参加予定となっております。
本日は議事として、その他も含めて3つほど挙げさせていただいております。これまでの議論を踏まえて、事例集の作成等に向けてしっかりと御議論いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【井口係長】 では、進行のほうを津田委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【津田座長】 承知いたしました。皆さん、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
前回の議事の要点を皆さんのところにお配りさせていただいておりますので、それもちょっとチェックをしていただきながらなんですが、前回、少し議事録の取り方について丁寧にやっていこうということになったので、本日は、速記録の方に来ていただいているということだそうです。
今日も盛りだくさんの議事で、到底2時間では話が尽きないだろうと思います。なるべく速やかにスピード感を持った議事にしていきたいとは思うんですが、ただ、あまり目的合理的に話を進めていくと会議自体が面白くなくなって、夢も持てないような状況になりますので、軽口の一つぐらいたたけるような余裕を持って、ぜひ楽しく、夢を持った会議にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日は、メインはハンドブックの全体構成と、それから各項目についての話合い、それに加えて、今後、この会議自体をどういうふうに進めていくかということも協議をしなければいけないということになりますので、時間が幾らあっても足りなさそうではあるんですが、速やかに進めていこうと思います。
まず前回の議事要点について何かお気づきのことがある方はおられませんでしょうか。ざっと目を通していただけたらと思います。
よろしいでしょうかね。何かお気づきのことある方おられますか。
それでは、今日の議事に入っていこうと思います。まずは皆さんお手元にサンプルがあると思います。これと、それから、資料2を見ながら、事務局からの説明をまず伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

【井口係長】 ありがとうございます。まず、議事要点ですが、これは前回の議事録から、担当者が要点を抜き出したものになりますので、適宜ご覧いただきながら、議事を進めていただければと思います。議事録については、前回から速記録を入れまして、会議内容の詳細を公開していくという趣旨で、今回も実施させていただければと思います。
ではまず、まず鈴木係員から事例集的なハンドブック全体の概要案について説明をさせていただければと思います。お願いします。

【鈴木係員】 それでは資料2と、ハンドブックの案を御覧ください。
資料2ですけれども、事例集に関して、前回議論で話されたポイントを記載しております。改めて確認させていただくと、障害のある方が参画することで活性化した会議体や取組などの事例があったらいいですとか、事例を実際に読む際にどういった視点で読んだらいいか、ポイントを明確化させる、そういったページがあると読みやすくなるのではないか、また、人材育成という観点を入れて紹介するというような話もありました。事例を紹介するに当たって、実際にそこまでに到達するまでのプロセスを掲載した方が良いというご意見もありました。あとは、具体的なページ数に関する御意見、2ページではちょっと足りないのではないかというようなお話もありました。
このようなところを踏まえて、事務局のほうでページ構成ということで考えさせていただいたのが資料2の下の部分になります。ハンドブックの案を見ていただくとわかりやすいかと思いますが、全部で40ページの構成で作っています。当初二十数ページという想定でしたが、事例を4ページ確保していますので、この量となっています。このあたりも今日御議論いただけたらなと思います。また、サイズはB5判のサイズとしています。
中をめくっていただくと、総論、事例を読むポイント、それから、実際の事例ですね。ちょっと具体的な内容の提案も後ほどさせていただきたいと思いますけれども、事例については、今、このページの割り振りですと、5本となります。5本がそれぞれ4ページということで計20ページとなっています。
途中、赤い文字でテキストを入れてありますが、これが今までの議論の中で出てきた観点、事務局で気づいた部分、ちょっとポイントになるのではないかという視点になります。
それから、実践事例のほかに、途中でちょっとしたコラム的なもの、小事例や文部科学省の政策、例えば共生社会コンファレンスや文部科学大臣表彰等の紹介を掲載できたらいいかなと考えております。
33ページからがまとめということで、前回議論いたしました各実践研究団体からのアンケート結果、そこから読み取ることができる学びの場づくりにふさわしい人材像、学びの場をつくっていくに当たっての観点等を、チェックリストのような形で掲載できないかということを考えております。
それから、資料2の下の部分に戻りますけれども、前回も確認しておりますが、掲載事例については、当室で実際に実施しております実践研究事業の事例を基本として、その他、今日お集まりの委員の皆様の推薦の事例等を盛り込んだハンドブックにしていきたいと考えております。
最下部の※は事例集のターゲットと分冊についてです。当初3部編成という構想がありましたが、まず第一弾については、地方公共団体の関係者をターゲットにして、特に社会教育、生涯学習の分野の関係職員等をターゲットとして作成するというような形で考えているところです。事例についても、位置的な分布や障害種に偏りがないほうがいいのではないかとか、そのような御意見もあったかなと思いますが、第一弾としては、まず知的障害、発達障害に絞って、その後、第2弾でターゲットを広げていきたいと考えているところです。
表面の説明は以上になります。

【井口係長】 続いて裏をご覧いただくと、具体的にどんな内容を想定しているのかについて、まとめております。本日はこの部分について、議論できるといいかなと思っています。
40ページの構成の中で、メインになる事例を5本と、その他事例コラム等々を提案させていただきます。この事例集を事務局だけで作るというのは難しいので、ぜひ皆さんに御助力いただいて、各ページ御担当を割り振れらせていただけないかという提案もいれています。
前半に総論やガイドとして、障害者の生涯学習の全体状況ですとか、あるいは、地方公共団体の人たちが実際に取り組むといった際のポイント、事例の読み方みたいなものについて、データなども活用しながら御紹介したらどうかとイメージしております。
そのほか、実践研究事業の具体的な取組の御紹介なども、津田さん、大森さん、あるいは平井さんにお願いしたいと考えているということです。
それから、特別支援学校や特別支援教育の関係者の方にも読んでいただくことを想定して特別支援学校の事例、あるいは、特別支援学校でのコミュニティスクールの事例も盛り込めるといいかなという気がしていますが、このあたりのバランスですとか分量なども議論しながら進めていきたいと考えています。メインは学校卒業後の障害者の生涯学習ということではあるんですが、学齢期の社会教育としての取組も少し紹介したいという思いがあります。
そしてアンケート結果について、前回少し御報告させてもらいましたけれども、アンケートの概要報告のようなものよりは、実際にきちんと使えるものにしたいと思いますので、チェックリストのような形でまとめられないかなということも考えているところです。このあたりは後でもし余裕があれば、少し御相談できればと思っております。
事例集の御説明させていただきましたけれども、もちろん事例集を作るための委員会ではないので、委員会の取組の1つとしてこの事例集も位置づけて、皆さんに御助力をいただきたいという御提案でございます。なので、これに閉じることなく今日議論ができればとは思いますけれども、一旦のたたき台として御提案させていただいた次第です。よろしくお願いします。

【津田座長】 ありがとうございます。ということで、こういう冊子体にしていただいているので、イメージを持って議論ができるかと思うんですけれども、話の議論の仕方として、まず全体的な枠組みについて話をして、後半、各項目の内容についての話をしていこうというところです。オーバーラップするので難しい、きちんと分けられないかもしれませんけれども、大まかには最初に枠組みの話をしようということになります。
ちなみに、次回のこの会議が5月、2か月に一遍ずつぐらいやるということで、次回にどなたかのページのたたき台を持ってきてみんなで議論するみたいなことを考えておりますので、今日は次回誰がたたき台を持ってくるかみたいなところまで落とし込めるといいかなと思いますので、皆さん、主体的に、自分だったらこれ書きたいみたいな、そういう思いを持って検討していただけるといいかなと思います。
それじゃ、まず、枠組み全体についてお気づきのことございませんでしょうか。

【梶野委員】 すいません。その前にスケジュール感というか、いつまとめていくかとか、発行するかとか、そういうのをちょっと、予定を教えていただいていいですか。

【井口係長】 はい。ありがとうございます。スケジュール感としては、ひとまず来年度の秋ぐらいを目指して第一弾を作れないかなというイメージを持っています。例えば10月とか、11月とか、それぐらいに1冊目を作り、2冊目は、年度内には難しいかもしれませんが、年度内もしくは再来年度というふうに思っています。もちろんじっくりこの会議の中で全ての検討をするということは難しいかもしれませんが、事務局のほうでも編集実務を並行して進めながら、何とか来年度の早い段階でまとめて配布までいきたいという思いではあります。
この後、5月、7月、9月と、2か月ごとに会議を開催するペースでいけば、3回程度の会議の中で、継続して内容検討、協議をしたいと考えております。

【梶野委員】 ありがとうございます。

【井口係長】 例えば来年の3月に完成できると、予算執行的には予定どおりなのですが、2冊作るのはかなり大変なので、実際には再来年度になるかもしれないというぐらいのトーンで申し上げました。でも、ひとまず2冊を作る方向で、計画を立てております。

【津田座長】 ありがとうございます。まさに大枠のところの御質問だったと思いますが、いかがでしょうか。枠組みについて、こんなものかなということでしょうか。何なりと御議論いただきたいと思います。

【大森委員】 デザイナーさんを入れたりとかしますか。

【井口係長】 はい。もちろん入れたいと思っています。今回お配りしているのは、あくまでイメージ案です。

【大森委員】 パッと見たときに、表紙はすごく重要で、タイトルと、デザイン性が読んでもらうためのポイントだと思います。

【津田座長】 タイトル、何かいいアイデアをお持ちの方おられますか。これは一応宿題だった。今回決める必要がないので、継続で宿題ということでもいいと思いますけど、もし今ひらめきがあれば。

【平井委員】 これは、公民館の職員など担当者向けですから、例えば「障害のある人の文化に親しむ権利をお手伝い」などどうでしょう?あと、たしかこれ、糸賀一雄の言葉だと思いますが「自覚者が責任者」というのをもじって「気づいたあなたが推進者」とか、「障害者が笑顔になれる街」とか。王道でいくしかないと思います。
要するに、社会教育の王道というのは、当事者、学習者の意欲や要求や参画ということですよね。障害者運動で言えば、自立生活運動における介護つきの自立とか、当事者活動とか、最近は当事者研究なんていうのも流行っていますけれども、当事者主体というのが基本ですよね。そこを行政の人たちや担当する人たちがどのようにサポートできるかということにコミットしたフレーズが欲しいと思ったのです。例えば今言った「気づいたあなたが推進者」で言うと、ニーズに気がついた人が責任持って推進するのだという意味ですね。
あるいは、親御さんたちの中では、自分が障害のあるお子さんを授かったということから、ある面覚醒したり、新しい世界観に触れたり自分の新しい世界が開かれたりしたという思いを持っている方が多いですよね。新しい主体性が立ち上がるというか。
今いろいろ言いましたが、、やっぱり職員の覚醒とやる気、継承、この辺りのキーワードが人材育成という観点からすると狙いどころかなと思います。
それからついでにタイトルの話だけではなくて、今後の検討の方向という点で言わせていただきます。
どうやったらやる気になるのかというと、やっぱり基本は価値づけだと思います。自分のやったことがどれだけ価値あるかと分かることが大事です。一番明確なのは報酬ですよね。お金とかポイントとか顕彰・・。そういう点では文科省がやっている障害者の生涯学習の顕彰、表彰、あれいいですよね。あのような顕彰が今後もっと地方公共団体レベルでできるといいですよね。都道府県、それから区市町村レベルで、一生懸命障害者の生涯学習をやっている人を顕彰しようという首長さんが出てくると良いですね。それも今までの実績に対してではなくて、ちょっと始めた人や団体を表彰して、これからの期待を込める、そんな仕組みができるといいかなと。

【津田座長】 ありがとうございます。幾つかキーワードというか、タイトルそのものも御提案いただきました。それだったらみたいなふうに思われる方おられますか。御提案の続きありませんか。
じゃあ、今日は決める必要は全くないので、今の平井さんの御意見を次回また温める、次回までもう1回皆さん温めるというようなことでいきましょうかね。
ありがとうございます。それでは、ページの担当割り振り、これが一番分かりやすいと思うので、これを見ながら、全体的な枠組みが欠けているところがないかとか、並びがこれでいいかとか、そんな話でお気づきのことがあれば、いかがでしょうか。

【志々田委員】 資料を見ていて思ったんですけれども、学びの場づくりチェックリストが一番最後にあるんですね。これ、前のほうがいいんじゃないかなと思って、やっぱりこれを読む人たちは、障害者の方たちも含めて公民館でいろんなことやりたいなと思ってもらう人たちなので。じゃあ、そういう講座づくりとか機会づくりをするときに、どんなポイントを押さえれば、難しくなくできるか、すごい頑張らないと障害者の人たちに参加してもらいやすい講座ができないと思ってしまわないような、そんなポイントが先にあって、それで事例があったほうが読みやすいのかなと思ったので。

【津田座長】 じゃあ、前に持っていくのと後ろにあるのではチェックリストのつくりみたいなところのイメージが少し変わりますものね。

【志々田委員】 そうですね。特にポイントとかデータ紹介のところと一緒に、多分かぶるところもたくさんあると思うので、最初にそういうふうなところの狙いみたいなものがはっきり見えていたほうがいいかなと思いました。

【津田座長】 なるほど。ありがとうございます。じゃあ、それも事務局に検討していただくことにしましょうかね。ほかの件に関してもいかがでしょうか。
ちょっと僕からいいですか。行政職員がこの並びで見るとかなり身近に感じてもらえないような事例の並びじゃないかなという感じがして、どうにかならないかな。いろいろ考えて、一番欠けているのは基礎自治体の動きみたいなところの事例がどこに挙がるのかなというところですね。一番最初に行政と大学の連携と言ったら、行政職員の方たちの中には関係ないやといきなり思う人がいそうだなということとか、その辺のことが気になるんですが。

【平井委員】 事例5から始めたらいいかもしれないね。

【津田座長】 公民館、青少年。

【平井委員】 うん。

【井口係長】 構成案を検討していて一番悩んだところが御指摘の部分でして、実践研究事業を3年間やってきたんですけれども、基礎自治体の取組って、秋田県などが市区町村に再委託しているという事例もあるにはあるんですけれども、直接的に手を挙げてくれたのは町田市と国分寺市だけなんです。実際に東京の町田や国分寺というのは伝統的に障害者青年学級を40年とかやってきて、非常に実績もあるし、ある種のマンネリ化とか、いろんな課題がある中で、それを乗り越えていくための実践研究でもあります。ただそのような事例は、これまで何もやっていないところからすると非常にハードルが高く、それはうちではできないよ、というようなところも多いのも事実です。では、どのような事例だったら身近に感じていただけるかというところに、我々もあまりいいアイデアが浮かんでいないというのが本音です。そのあたりもぜひ議論いただけると嬉しいです。

【津田座長】 そうですね。前回、たしか志々田さんの御提案だったと思いますけれども、誰でも取り組めそうなちょっとした工夫みたいなアイデアが盛り込まれているようなものだったら、みんなも身近に感じてもらえるんじゃないかという話をしていただいたと思うんです。何かそういう事例を身の回りで探した方はおられませんか。

【志々田委員】 ないんですよね。

【津田座長】 ないんですよね。

【志々田委員】 ないですかね、東京に。

【青山委員】 確認ですが、5個事例が掲載される予定で、1と2は研究事業の中にあったもの、3、4、5についてはそれ以外ということが想定されているわけですね。3と4と5についても、書く人を先に決めてからテーマが決まっているようにも見えますが、5つの事例の位置付けがもう少し体系的にできるといいなと思っています。行政と大学の連携、当事者中心の学び、特別支援学校、コミュニティスクール、社会教育施設、という並びは、目次としてはちょっと使い勝手が悪そうな気がするので、どうするのがいいのかなと思っています。特に1と2は内容に関することなので分かるんですが、3、4、5は場に関する区分なので。
恐らく私のところは、私にあまり引き出しがないことをお気遣いいただいて、こうしてくださったんだとは思いますが。

【津田座長】 事例ということでもないんですけれども、神戸の事例で言えば、神戸に、あれ、兵庫県の話かな、兵庫県立近代美術館というのがあって、新しく、新しくと言ってももう10年前ですけれども、新しくなったんですけれども、古いところに原田の森美術館という形で残っていて、そこに障害者アートのコーナーができたんですよ。今年、去年か。それなんかは、1つ、手軽かどうかは分からないけれども、割とそういう努力だったら多くの施設ができるんじゃないかみたいな事例としてあります。
それから、兵庫県の公民館連合会が来年度、公民館に対して障害のある人たちに対する学習機会を提供するということを前提にした助成金を創設するということが決まったという連絡がありました。何が始まるか分からないんですけれども、そういうちょっとした取組みたいなものを蓄積していくようなところ、それは青山さんの書かれるところになるのかなと。

【青山委員】 なるほど。私は、このテーマならこれを紹介しようという事例が今あるわけではないので、自分で探すということであれば、例えば国公立の青少年教育施設のネットワークの中で事例を探して、資料をもらったり、取材に行って書くということはできると思います。あるいは、この場でいろいろ教えていただいて、教えていただいたものを私が勉強しに行って、それをいわば記者として書くということもできるとは思います。それで書くようなレベルで書いていいのかという問題は一方であるんですけれども。

【平井委員】 前回の資料の中には、掲載事例の主な分野といったことで、公民館、生涯学習主管課、青少年教育施設とか、それから、図書館、博物館、何か挙げられていましたよね。

【津田座長】 そうですね。博物館、美術館みたいなところも青山さんのところに全部注ぎ込もうとすると、4ページじゃとても足りなくなってきそうですね。

【青山委員】 これは、社会教育施設という枠組みの中でいろんな事例を紹介するようなイメージですか。それとも1事例を紹介するようなイメージでしょうか。

【井口係長】 現状、あくまでたたき台でしかないので、この4ページを1事例でしっかり紹介していくというのは、かなり詳細な形になると思います。でも、それよりももう少し軽い紹介の仕方で、例えば1事例1ページとか2ページというのも幾つか組み合わせて、コラムという形で見せていくという方法もあり得ると思います。大・中・小のような分量で、いろいろな紹介の仕方があってもいいのかなと思ってもいます。
それから、美術館、博物館の議論もありましたけれども、図書館については、読書バリアフリーの取組を当室でもまた別に進めていますが、少し分野やアプローチが違うかなという気もしております。あるいは展示の方法論みたいなものも少し違うのかもしれません。学ぶというプログラムを中心にした事例を念頭に置いて構成したほうがらいいかなとは思いますので、先ほどの情報提供があったような美術館における体験プログラムなどはあり得るかとは思います。

【津田座長】 そうですね。国立民俗学博物館も知的障害のある人を対象にした講座はやっているんですね。そういうのがちらほらあるとすれば、だから、案外多いですよ。

【青山委員】 そうですね。そうすると、ぜひいい事例をこの場でもその後でも教えていただいて、記者という言い方はちょっと語弊があるかもしれませんけれども、自分なりに勉強して、私の視点でそういったものを紹介するような形にさせていただけると良いと思います。自分で見つけられる範囲で出てくる事例はかなり限られてしまう気がするので、今の案には沿ってやれるとすればそういう形かなと思って聞いていました。

【小松分析官】 津田先生から御紹介あった民博のは、私どもが昨年度の調査研究の事例の中で紹介して、お配りしているものです。そういうのも適宜使っていただいてまとめていただければなと思います。

【津田座長】 そうでしたね。失礼いたしました。あと、来年度、市町村の取組に対して実践研究が始まるというところで、そういうところも期間中にターゲットになり得るんですね。今、情報がないけれども、5月に情報が……。

【井口係長】 そうですね。5月には採択自体は決定していると思います。

【津田座長】 そのときに、あっ、こんな事例もあるんだということに僕ら接することになるかもしれませんよね。それも青山さんのところになる?

【青山委員】 そういうことになりますか。

【津田座長】 だから、枠組みとして、青山さんのところにそういうものも全部入れようとしたら、広くなり過ぎますよね。それに対して特別支援学校の実践、コミュニティスクール、それから大学と行政の連携というところに焦点を絞るのであれば、ちょっとアンバランスに狭いような気がしますよね。何かいい手はないでしょうかね。

【大森委員】 ちょっと聞いてもいいですか。これやったときのお金って、どのくらいでどうやってどこから持ってきたよということは書くんですか。

【津田座長】 この冊子を作るとき?

【大森委員】 この中に書くのかということです。例えば、これ見て、ああ、いいな、やろうと思ったときに、お金かかりますよね。当然だけど。そのお金が多分物すごいネックになるというか、実はある社会教育施設の方とお話ししたんですけれども、「県教委が委託を受けて、その県教委からやってと言われて3年間お金がもらえたからやれたんだけど、来年からお金渡せないけどやってねと言われて、お金ないとやれないんです」って、「どうしたらいいと思いますか」と相談されたことがあって。あ、単純なんですけど、いいなと思ってもお金がないとやれないとなったときに、どうするのかなという単純なところです。予算規模とか出所みたいなことを書かないのかなと。

【井口係長】 そうですね。ただ、今、文部科学省がやっているのはまだモデル事業づくりですが、その紹介のようなことはあり得るかと思います。

【大森委員】 それと、さっき平井さんがおっしゃっていたような、別途やってみたいというモチベーションにつながるような仕掛け、工夫みたいなのが必要?

【津田座長】 名誉みたいな、功績とか、そういうことでしょうかね。やりがいというのは、誰かの笑顔をつくるとかでもやりがいになったりもしますから、いろんなやりがいの提示の仕方はあるとは思うんですけれども、お金がなくてもできるような取組みたいなものにも焦点を当てる必要があるんじゃないかということでしょうかね。

【平井委員】 それはないね。お金がなくてできる事業はないですよ。

【大森委員】 でも、そうなると、そこをどうするのという話。

【井口係長】 その点も重要かとは思いますが、ここでお金の取り方ガイドを作ろうという提案をしているわけではありません。

【平井委員】 たくさんのお金は要らないけど、運営には必要ですので。

【井口係長】 必要だとは思います。地方公共団体の社会教育事業の予算が仮に100万円だとして、そのうち今1万円も障害者の生涯学習に使われていないのだとすれば、その予算配分を決める決定権が誰にあるのかとか、そういった議論もあり得ると思います。それに国の予算が必要なのかどうかですとか、国のモデル事業を使うかどうか、様々な判断があり得ると思います。そのようなお金にまつわる話みたいなものを、例えばコラム形式で入れるとか、そういったことはあり得るとは思いますが、お金の出どころをどうするかという問題というのは、また別途議論をする必要があるのかなと思います。事例集の中にそこまで全て書いておく必要があるのかどうかということについてです。

【大森委員】 結構大きな課題ですよね、先程の社会教育施設の方の、3年間やってきてめっちゃよかったから継続したいと思っているけど、実際に4年目お金なくてできないって。お金ないから結局できないという壁にぶち当たって、お金をどうやって取ってくるかということも考えなくちゃいけなかったのかなみたいな、そういうことをおっしゃっていましたけれども、でも、委託を受けた県ではなくプログラムを実施してきた市が担うというのはちょっと難しいのではないかなと思って。

【津田座長】 そうですね。でも、そういうお金をいっぱい使って、なくなったら何にもできなくなってしまうというような取組だけではなくて、そういう好事例みたいなものを載せていったらいいと思いますけれども、例えば来年度からの市町村で始まるやつにしても、委託研究にしても、もう既に何か種があるから申請したりするところも多分あるんじゃないかと思うんですね。そういう種になるところってこれまでお金なしでやってきているところももしかしたらあるかもしれない。
分からないですけれども、ちょっとバリアの低いものからちょっと高めのものまで様々なものを載せていくという方向であれば、どうなんでしょうかね。3年たったからそれがもうできなくなってしまうというのも、そこで新しい事業を始めたことの意味がなくなるわけではなくて、何らかの形での波及効果が生まれたりとか、そこで育った人たちが別の形で実践をしようというふうな気持ちになってきたりとかというようなところで伝統がつながっていかないとも限らないので、意味がなかったというふうに言う必要もないとは思いますね。関係ないですね。そんな話していないですね。

【大森委員】 関係なくないです。職員の入替えも結構数年間にあるし、継続していくのにすごく課題が大きいとその方はおっしゃっていて、そういうことも踏まえる必要があるのかどうか、こういうのを作るときに。

【津田座長】 ちょっと頭の片隅に入れつつ、そこだけにこだわらない作りにしましょう。

【青山委員】 事例集の場合、最初に事例の基礎データとして、主催がどこだったのかとか、日時や会場がどこでということを載せることも多いと思いますが、そうしたところに予算額であるとか、そのお金の出どころを書ける範囲で入れていくようなことは、事例を読むときのリアリティーに違いが出てくるという点で意味があるとは思います。ただ、優良事例を紹介するときに、恵まれた環境だからできるんでしょうという問題は常にあるわけですが、今回の趣旨として、だから載せないという話にはならないと思います。むしろ実践していく上で、どういうコツが必要なのかとか、どこにポイントがあるかということを示すことの方が重要だと思うんですよね。

【津田座長】 ありがとうございます。いかがでしょうか。ちょっと提案なんですけれども、提案というか、提案じゃないな、特別支援学校の実践、梶野さん、コミュニティスクールの実践、志々田さんという、コミュニティスクールにしても、特別支援学校の事例になりますよね。ここのボリュームがちょっと不釣り合いに大きくないかなというのがあって、どっちか絞るとか、何か統合して、その代わりに基礎自治体の取組に、小さな細かい事例をたくさんスポット当てていくような部分を1つ4ページ作るみたいな構想はいかがでしょうか。

【志々田委員】 恐らく特別支援学校で書く場合は、きっと保護者の皆さんたちが卒業後もやっておられるような講座みたいなものが想定されるんじゃないかなと。私のところに当たっているコミュニティスクールでいうと、学校でやっている教育活動をよりよくしていくために、外の団体とつながっていて、そこがどんな団体とつながって、何ができているのかということを書くことになるのかなと思っていて、なので、確かにかぶるはかぶるのかもしれないですね。青山さんと一緒で、取材に行って、こういう取組が手軽でいいですよねみたいなものをたくさん並べていくのは、コミュニティスクールで書きたいわけでは全然ないので、やってもいいなと思うんですよね。なので、それでもいいです、私は。これでどうしても書かないといけないとは思っていないので。

【津田座長】 梶野さん、いかがですか。

【梶野委員】 私も同感ですけど、美術とか、アートとかの文化、スポーツの観点とかというのを入れられるといいんじゃないかなと思っていますね。

【津田座長】 じゃあ、特別支援学校関係は4ページに収めて、1つ、そういうもろもろの小さな事例をたくさん寄せ集めてくるみたいなところを4ページにつくると。僕のところは、大学との連携というのはその1つだけれども、割と広域行政の動き方みたいなところで押さえるという感じでいかがでしょうか。
並びとしては、細々とした割と身近な事例を4ページの一番冒頭に持ってきて、広域行政がその次がいいのかな。で、学校があって、あっ、施設が先か。

【青山委員】 いや、僕としては、セッティングというか、場所でくくる必要はあまりないのかなと思っているんです。行政、大学の連携による事業とか、特別支援学校による事業というふうにやると、あまり汎用性がない気がしていて、例えば大学と行政が連携した事業とかというのであればまだ分かるし、今おっしゃったように、文化とかスポーツをもとにした事業とかというほうが、事例集として見やすくなるし、読者も活用しやすいような気がします。もちろん作る側としては、場に偏りがない方が良いでしょうし、実践研究事業の中にあった事例の組み込み方などについての配慮はあっていいと思いますが、目次上にそれを出さなくてもいいのかなという感覚があって、それってとても委員会的な決め方だなと思うので、もう少し中身から入れるような目次になるといいなと思っています。だとすれば、この方法がいいのか分からないんですけれども、まず5事例でも6事例でも載せる事例を決めてから担当を決めていくほうが、公民館、青少年教育施設で何かと言われて何か書き始めるよりもいいものができるかなという感覚が単純にあるんですけれども、いかがですかね。

【津田座長】 いかがでしょうか。僕自身は今の青山さんの御発言にかなり乗り気ですけれども、いかがですか。

【平井委員】 普通社会教育の事例集みたいなのを作るとなると、学びの内容というか、分野別で作るんじゃないですか?

【青山委員】 ものによると思いますけどね。

【平井委員】 そうでもないか。

【青山委員】 何を見せたいかによるかもしれません。必ずしも内容でなければならないと言いたいわけではありませんが、いずれにせよ公民館でできたこと、特別支援学校でできたことというくくりにしなくてもいいかなという気はするんですよね。事業としての特徴が5個並んでいる方がこうした事例集の目次っぽいなと思います。

【津田座長】 多分場の設定を頭に持ってきている理由というのは、行政職員にも様々いて、自分の管轄でだったら何ができるかという見方をすると、その該当のページがパッと開けるというところかなというふうにも一方では思いますけどね。それは、でも、工夫次第かなという気もしますね。

【志々田委員】 今、社会教育士のPR動画を作っていて、それは社会教育士掛ける何々といって、例えば社会教育士掛ける防災とか、社会教育士掛ける子供の居場所づくりみたいて、掛け算で表現することによって、自分が得意とする分野で社会教育士として仕事をするなら何ができるのかというような、もしくは、防災のことをやらなくちゃいけない人が社会教育士ってどんな仕事をしてもらえるのかということを分かってもらうため、そんな掛け算の書き方をしているんですね。そうすると、この事例も、そういう意味では障害者の学びと例えば防災とか、障害者の学びと例えば社会貢献とか、社会参加みたいなことでテーマを幾つか入れていったら、きっとはっきり分かるというか、面白い取組を探すのにも便利かなとちょっと今思い出したんですけど。

【津田座長】 なるほど。ありがとうございます。イメージが膨らみますね。

【志々田委員】 で、テーマというかですね。
あと、もう一つ、さっきお金の話をされていて、大事なことだと思うんですけれども、企業が共生社会を実現したいとか、SDGsに関心を持っている企業がたくさんあって、でも、その人たちもどうやってより効果的なお金をそこに投じたらいいのかって分かっていないケースって結構あったりするんじゃないかなと思って、そうすると、そういう事例、やりたいよと言っている企業さんに取材に行ったりとかして、どんなことならやってもいいと思っているのかとか、どんなことやってきたのかみたいなことが紹介できると、私たち、こういうのやりたいと思っているんだけどといって誰に相談しに行ったらいいのかが分かるような事例があると面白いかもしれないですね。
大森さんがお金集めるために回っておられるところとか、トントンと提案しに行くならどんな場所。行ってみようみたいな、聞いてみようみたいな、そんなのも、体験コーナーみたいでいいかもしれない。

【津田座長】 ありがとうございます。今の志々田さんのお話も青山さんの話もかぶると思うんですけれども、どういうテーマがあるのか、どんな事例を載せるといいのかということから最初に整理をして、割り振り、誰が書くかということについては後回しにするという御提案、取りあえずそうしましょうか、どうしましょうかというところから決めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。もしそういうふうなことであれば、大森さんは、この事例、4ページというのは固いんですよね。

【志々田委員】 手堅い。

【津田座長】 ここは絶対というところなので、そこは……。

【大森委員】 これ、社会教育施設や地方公共団体が、うちの事例を見てやってみようと思えるような内容で書くんですよね。

【津田座長】 ということについては後でまた相談しましょう。4ページのところは固いわけですよ。そこのほかのところで内容をどういうふうにしていくかということについて、ある程度今日目安を立てないと、次回のたたき台を誰かが担当するというところから既に暗礁に乗り上げてしまうということになるので、全部決める必要はないと思いますけれども、テーマとか事例とかというところでこれは落とせないんじゃないかというものをまずばっと挙げていくという作業を今しますかね。
平井さんの御担当していただくところ、これは事例ではなくて、事例コラムという扱いですけれども、これの意味について、事例と事例コラムとの違いみたいなのはどう考えたらいいんでしょうか。

【井口係長】 短く紹介するか、それともたっぷり紹介するかというだけの違いでしかないので、これも単純に40ページという枠内に収めようとしたときの割り振りなので、2ページか4ページかということに、あまり深い意味はありません。

【津田座長】 分かりました。じゃあ、平井さんの事例も含めて、PandA-Jですよね。

【平井委員】 これは実践事例を書くのね。

【津田座長】 それも含めて、事例なり、そこに表れているテーマを出していきましょう。まず今出ていたところで言うと、例えば障害者が生きる文化とか、障害者が生きるスポーツというテーマですか。文化はいろいろ出てくると思うんですよね。スポーツというのはどんな事例になるんだろう。障害者スポーツセンター。何になるんだろう。民間はいろいろあるんですけど、行政が関わっているのはちょっと思いつかないですね。

【津田座長】 ここ、事例がなさそうだというところは、次回までに、情報を持ち寄っていただけたらということになると思いますね。
PandA-Jであれば、例えば障害者の権利擁護とかという。

【平井委員】 権利擁護という点と、あと、掛けるで言えば、掛ける犯罪とか、掛けるリカバリー、掛けるセルフアドボカシーなんですよね。幾つかそういうインデックスでソートできるようにしておくといいかもしれないですね。それぞれの事例をね。大森さんのところだって、必ずしもこればっかりじゃないわけで、いろんなインデックスでつけられるよね。

【津田座長】 特別支援学校の関係で言えば、アフターケアですか。

【志々田委員】 同窓会みたいなことですよね。やっていらっしゃいますよね。

【津田座長】 公民館とか青少年教育施設で言えば、どういうテーマになっていくんでしょう。

【青山委員】 テーマですよね。どうでしょう。青少年教育施設とかだと、ありきたりですけど、体験とか、そういうものとかになるでしょうか。

【平井委員】 あとは、一過性のイベントですが、キャンプだとか、そういうのやっていますよね。確か朝日厚生文化事業団がやっていた。

【青山委員】 朝日キャンプとかね。ただ、あれは行政がかんでいないんじゃないですかね。

【平井委員】 そうですね。事業団がやっている。

【青山委員】 一昨年の調査では、国立曽爾青少年自然の家の事業が取り上げられていました。

【小松分析官】 発達障害のお子さんたちのキャンプで、資金に応じて3回セットでやるようなプログラムで、かなりハードな体験も入れてみたいな感じの。

【青山委員】 あのときも、事例の一つとして報告したんでしたっけ。

【小松分析官】 そうですね。そにっとキャンプの説明ということで、結構詳しくボランティアの動きとか、そういうのも。

【青山委員】 今回の事例集では他の事例の方が良いですよね。

【小松分析官】 でも、調査研究の事例はかなり長く紹介していて、ちょっと読むにはハードなので、さわり的に短く紹介して、詳しくは事例集がありますよみたいな書き方をしてもいいと思いますし。調査研究のやつは、詳細に、本当にまねできることを意図してすごい詳しく書いたので。

【平井委員】 実践研究事例の一覧表みたいなのは、今、報告書はそれぞれ上がってきていますよね。

【井口係長】 はい。

【平井委員】 そういうのを何人かで分担して、ざっと見ながらまとめていくというか、そこからピックアップしていくというのはどうですか。今日は原案ではこの3つの事例で出されていましたが、まだほかにもあるような気もするし。でも執筆者を広げるわけにはいかないですよね。我々でやるんですよね?

【井口係長】 依頼するということも有り得るかとは思います。

【平井委員】 我々が担当ということは、例えば「掛けるアディクション」テーマだと、PandA-Jだけじゃなくて、長崎大学がやっていますね。そこを私が取材をして、一緒にまとめるというふうにしてもいいんじゃないですかね。

【津田座長】 そうですね。テーマの中で複数の事例を出すということですよね。これ、コラムの中に公運審への障害者参画というのは、会議体への参画、それ自体が学びの機会になっているというような部分もちゃんと書きたい部分ですよね。この辺って、大森さんのところってやっておられます?公的な会議体に当事者の方たちが参画するような枠をつくっていく運動。

【大森委員】 そうですね。今年度のプログラムで実施して、先ほどちょっと配らせていただいたこの資料のほうなんですけれども、カラー刷りの「勝手に検討会 障害者計画編」と書いてあるのがまさにそれで、練馬区には障害者計画を検討する会議体が2つあるんですけれども、それのいずれにも知的障害の当事者が委員として位置づいていないんです。それなら、私たちが勝手に検討会を開催して検討し、コーディネーターの私が障害者計画検討会の委員になって、『勝手に検討会』で出た彼らの意見とかを委員として伝えるということを繰り返してきた、というプログラムです。
結果を言えば、障害者計画に『障害者の学び』という項目が明記され、障害福祉の分野に『学び』が位置づいたということになりますが、当事者である彼らがまさに自分たちで検討してきた功績であって、障害者計画を検討する会議体に、直接ではないけれども、参画できるということがしっかりと示されたということだとは思います。ただ、この間の議事録ちょっと読んでみたら、私、全くチンプンカンプンなことを話していたなと思っていて、この場でパッと言われたことに対して、パパッと考えをまとめて話すというのがなかなか苦手な人もいるなと考えると、いろんな参加の仕方があっていいし、いろんな意見の届け方があっていいと思うんですね。
なので、そういうところもちょっと含めて、参加ということをどういうふうに定義するかとか、意見を届けるというときにどのような選択肢を持たせるかということも再考することも含めて、公的な会議体の参加というのを捉えながら今後考えられるといいのかなと思うんですけど。
地域自立支援協議会交流会という、ネットで引っ張ったら出てきたのですが、東京都の中の市区町村にアンケートを取っている調査があって、自立支援協議会の中に当事者がどういうふうに参加しているかとか、参加できないとしたらどういう課題があるのかみたいなことをまとめている調査があって、知的障害のある方たちを委員として参加させるというのは、どこの自治体も基本的には課題だと思っているみたいです。どこも実施している配慮と言えば、資料にルビ振る程度みたいなところで、うちのメンバーが障害者計画検討会の傍聴に行った当初、資料に配慮としてルビがついたみたいな感じだったんですが、今回、『勝手に検討会』で計画策定までのプロセスにかかわることで、自治体が、ああそうか、こういう形で参加できるということがあり得るんだというか、会議体のその場だけに来るということだけが参加じゃないというところ気付き、次年度から試行錯誤しながら当事者とともに『学び』をつくっていこうという方向になっているんですけれども、そういうところが併せて伝えられるといい感じでしょうか。

【津田座長】 そのテーマってかなり大きなテーマで、大森さんの実践の中に紹介をしてしまうのはちょっともったいないかもしれない。それがあるので、多分事例コラムとして、ミニ事例紹介として公運審の障害者参画というのを特に出していると思うんですけれども、おっしゃっているように、障害福祉計画の策定のところとか、それから、自立支援協議会、もちろん公運審というのはあり得るかもしれないですし、行政部局の様々なところに入り込んでいくということはあり得て、それが学びと直結している可能性があるという、直結させるというか、関連づける必要があったりするというところの話をちゃんとテーマを出して書いていったほうがいいのかなという気も少ししますよね。
当事者参画ですよね、テーマとしては。

【大森委員】 担当の方がいらっしゃるのであれなんですけれども、共生社会コンファレンスみたいなのがあるじゃないですか。当事者の人たちが同じ土俵に立って参加しているというイメージがどうしても持てなくて、そこがすごく大きな課題だなと思うんですね。今回、関東の甲信越のブロックに出てほしいというふうに依頼が来たときも、当初コーディネーターが事例発表するという形でした。何とか当事者の語りをそのままダイレクトに伝えられないかというふうにお願いをして、それが実現できたんですけれども、要は、こういう専門家とかその道の第一人者みたいな人が言う言葉が一番説得力を持つという、その形を変えていきたいと思うんです。本人たちが語るということが一番説得力を持つようにしていきたいと考えると、それは単純に委員として名前を連ねているだけがそうではないなという気もします。事例としてこれを載せるというのもちょっとイメージがつかないんですけど。

【津田座長】 これ、三田市の自立支援協議会から相談があって、当事者参画させたいみたいな話で、でも、うまくいかないよねという話だったんですね。それだったら、社協の方なんですが、社協が自助グループをつくる、セルフヘルプグループをつくって、その代表が自立支援協議会に派遣されるというか、代表として来るという仕組みをつくったらどうですかという話をして、割と乗り気でおられるんですよ。バックボーンに学びがあって、しかも集団があって、その代表として権威を持った形で参画するという、そこにいてくれたらそれで参画したことになるでしょうということよりも一歩手前の仕組みをつくっていくということが大事なんじゃないかみたいな話をしているんですよね。それがもしうまくいけば、1つ事例として挙げていただけるようなこともあるかもしれない。

【大森委員】 そこの部分、参画する前の段階の暮らしに関わる学習の部分がごっそりないと思うんです。そこをどういうふうにつくっていくかというのがすごいキーで、今回の『勝手に検討会』というプログラムも、実は2018年度に実施した選挙の講座から派生してきたんですよね。「選挙の仕組みについてみんなで学習しましょう。投票の方法を習いましょう」という講座なのですが、終わってから実際、「どうやって投票する人?」を選ぶのみたいな話が出て。それなら、練馬区の議員さんと交流する機会を持とうといって、実際話し合う機会を持ってみたら、今度、議員さんが言っていることが本当かどうか分からないということになって。結局、自分たちの暮らしのこと知らなかったら駄目だねという話になって、障害者計画ってどう成り立っているのかを考える中で、委員として参画できないんだったら、じゃあ、勝手に検討会をやって、意見届けましょうみたいな、そういうふうに派生してきたところがあるんですけれども、そこがすごいこの3年間では重要だったなと思っていて、そこの部分を丁寧にやっていかないと、形だけ参加しているみたいになっちゃうということもある気がするし、それはやっぱりよくないと思います。

【津田座長】 そうですよね。ありがとうございます。今出てきたテーマとしては、障害者と文化、障害者とスポーツ、障害者の権利擁護、権利擁護のほかにも平井さんが幾つか類似の概念を言ってくださいました。それから、アフターケア、それから、障害者の体験ですかね、様々な体験、それから、障害者の当事者参画といったあたりのテーマが出てきました。まだちょっと足りないような気もするんですけれども、足りないとしたら、何が足りないんだろう。いわゆる教養的な学び、教養的な部分がまだ抜けているかな。いかがですか。そんなような感じでのテーマをまず出してきたわけですね。ちょっと事例が実際にあるかどうかということについても今議論をしながらだったので、1つずつのテーマについて、どんな事例があるのかなということも少し頭にありながら話ができてきていると思うんですが。

【平井委員】 実践研究の委託団体の今年度のポンチ絵は集まっていますか?

【井口係長】 いま大体そろってきている段階ですが、今日はお配りできる状況まで集約できておりません。

【平井委員】 そういう資料があると検討するのによかったなと思ったんですけど。

【津田座長】 じゃあ、今日全部これ決めることができないので、次回、5月に実践研究の今年度分の成果が出てくるのと、それから、市町村の実践研究の提案が5月には分かっているというような状況で、そこでまた枠組みとか取り上げるべきものは何かということを詰めるということになりますよね。ただ、それを待っているとどんどん時がたって、9月に発行するというのはちょっと難しくなってしまうということになりますので、まず先行して取り組めることから取り組んでいくといいかなと思うんですけれども、何が先行して取り組めるところかな。
1つは大森さんのところですね。大森さんのところの取り上げ方。そうそう、もう時間的に内容に入る時間なので、内容的な部分も含めて議論したいと思うんですけれども、一番堅いというか、事例として固いのが大森さんのところだと思いますので、まず最初に大森さんのところの議論をしましょうか。それに当たって、ビデオ、動画を……。前回動画をサイトに流してパンフレットとリンクさせるというようなことの御意見が出ていて、早速それ動き出していただいているそうなんですよ。大森さんのところの事例が動画になっているそうなので、ちょっとそれを見せていただきましょうか。

(動画準備中に、神戸大学のリーフレットを紹介)

【津田座長】 これはうちの大学の事務局でつくった兵庫県の扉を開けてみようというリーフレットなんですね。表紙を開けるとこういう内容になっていて、QRコードを当てると、その情報ページに飛ぶという、そういうつくりになっています。この方式をこのハンドブックにも採用したらいいんじゃないかというところですよね。その飛ぶ先としての動画を今から大森さんのところの動画として見ていただくということですね。

【鈴木係員】 まだ編集段階なので、途中から音が入ってきます。大森さん、もし、よろしければ、どんなプログラムを実施しているかということを簡単に御説明いただけますか。

【大森委員】 今年度やった「くらしのちぐはぐ研究室」という取組、プログラム、5回のプログラムなんですけれども、暮らしに関わるいろんな困りごととか、疑問とか、何でこうなっているんだろうみたいなことをまずじっくり2回ぐらいでがんがん出していって、演劇を活用して、実際にどういう立ち位置だったかとか、どういうイントネーションでその言葉を言っていたなみたいなことを実際にやってみます。言葉以外の方法が使えるので、ああ、何かそういう感じみたいな、細かいところを実際の場を表現することで共有できる、あるいは、ほかの人たちも、なるほどと共有できます。演劇を通して、当事者の困りごとをより具体的に共有し、見えない部分や相手の状況を考えながら、手立てや解決方法をみんなで考えるというプログラムです。

(動画再生)

【津田座長】 ありがとうございます。大森さんの活動についてのお話というのはちゃんとこの場でされたことないんですよね。知らないんですよね。

【青山委員】 最初の自己紹介のときに、皆さんのお話が、通常よりは少し多かったぐらいで、あとは、会議の際に頂く資料はぱらぱらとめくっていますが。

【津田座長】 大森さんの事業をこの中でどう位置づけるかというところですよね。何をポイントに書いていただくかというところを少し協議したほうが、次回御報告、たたき台を出すときにもやりやすいんじゃないかと。

【大森委員】 たたき台?

【志々田委員】 違う、違う。たたき台にはしないですよ。

【津田座長】 ごめんなさい。たたき台と言っちゃ失礼ですね。こんなこと書きますというのを次回、レジュメでもいいし、文章にしていただいてもいいので、書いていただけると先に進みやすいんじゃないかなと思うんですけれども。

【大森委員】 私が書いて持ってくるということでしょうか、次回までに。

【津田座長】 ええ。下書きか、レジュメか何か。と思うんですけれども、でも、何を書けばいいのかというところのポイントがはっきりしていないと難しいだろうなと思うので、どこら辺がポイントになるでしょうか。

【大森委員】 もともとうちの取組みの出発点は、学校教育だけでは足りないよねというところなんですけれども、結局、そこだけにこだわっていてもしょうがないというか、学校はいずれ卒業するしみたいな中で、じゃあ、その後どうするかということに特化した活動がこの研究事業です。委託を受けているのは『障害者の社会教育』という枠組みなんですけれども、なかなかそこだけで収まり切らないというのが実践の中で見えてきて、じゃあ、障害福祉分野で生活訓練事業を立ち上げ運営するとか、あるいは、さっき出てきた自主運営事業として、今……。あー、説明の仕方が、すいません、うまくいかなかったな。もう一度仕切り直して。練馬区は青年学級もあるし、障害者地域生活支援センターも4センターあるし、もともと幾つかの社会資源が既にあって、その中で、私たちは実践研究事業を通して当事者の学びのニーズを深掘りしていった。その結果、もっと丁寧に時間をかけて学びたいというニーズがあった。学ばないと社会参加できないとか、いろんな選択肢を持って豊かに生きられない、という人たちのニーズに応えるために、障害福祉制度を使った事業を立ち上げました。あるいは、自分たちがやりたいと思うことをやらせてもらえないという困りごと。誰かが企画設定した講座とかは受けられるんだけれども、でも、自分たちがやりたいということを実現できる場がないということで、自主運営事業として、i-LDKというのをやり出した。
そしてあともう一つ、社会参加というところでは、一区民として、一住民として対等な場があったらいいということで、練馬区内で地域活動をしている団体を支援する協働推進課というところと連携し、イベントに参加したりしてきた。
ということで、社会教育、障害福祉、地域活動という3つを横断した学びの場をつくり始めていて、ここに本当は企業が入ってくる予定だったんですけど、ちょっと企業とのうまく連携ができずに。
そんな感じの中で、さっきちょっとお話を聞いていて、社会教育施設で実施している青年学級とのつながりというのは、連携協議会の中の関係者ミーティングというものに位置づいて連携は取れてはいるんですけれども、そこと実際何か一緒にやったということが今のところはないし、次年度以降は一緒にやれることができたらいいねみたいな話はある中でも、なかなか枠組みが違う、登録制であることとか、なかなか難しいということがあるんですけれども、さっきお話聞いていて、イメージが全然持てなくて。

【津田座長】 大森さんが全部一から書いてくださいと丸投げしてしまうのは難しいんじゃないかなと僕も思っているんです。行政の職員が大森さんにインタビューを例えばして、何に関心を持つか、どういうことを聞くかみたいなところをこちらから提示することで大森さんが書きやすくなるような気はするんですけどね。例えば大森さんみたいな地域のキーパーソンをつかまえるとこんな面白い取組が始まっていくんだよというような見せ方というのはあり得るかもしれないですね。

【井口係長】 資料内にある「※」ですが、行政職員が大森さんの事例を読んで、ぜひ酌み取ってほしいなと思ったことがこの「※」に書いてあることです。1つは当事者中心の学びと書いてありますけれども、大森さんたちの取組、実は1年目のときは課題別のメニューが多く並んでいました。でも、それが2年目、3年目になって、むしろ当事者中心、当事者が何を求めているかということをどんどん追求するような、そういう学びのプログラムづくりになっていきました。それって、この分野の学びの支援ということを考える際にとても重要な見方、視点だろうと思っていて、そのことをまず1つ、事例として御紹介できないかなと思っています。
もう一つが、地域連携と書いてありますが、行政が自前でこのようなプログラムを実施するのは、かなりハードル高いと思います。じゃあ、実際何ができるかと考えると、やっぱり民間の団体の人たちと一緒にやる、連携する、それがとても重要になってくると思うんです。大森さんのように地域の中に障害者支援や障害者のことをじっくり考えている保護者の方々、支援者の方々っていろんなところにいる気がするんですね。そういう人たちと、ちゃんと出会ってつながってほしい、それが行政職員へのメッセージになるかと思います。
大森さんも、いろんな手を使って行政の人たちとつながって、実際の支援を引き出したり、あるいは障害者計画の中に意見をきちんと盛り込んだりとかもされています。また、ネットを使って関係団体とウェブサイトを作ろうとされていますし、他の地域資源とのつながりもつくろうとされている。そのような取組は、行政の立場から見ても役に立つ情報がたくさんあるんじゃないかなと思います。
当事者中心の学びと地域連携と、言葉だけここに載せていますが、このような視点に絞り込んで御紹介いただいてはどうかなと考えています。

【津田座長】 ありがとうございます。今の井口さんの御提案に対して、大森さん、いかがですか。ほかの方たちもそれに加えてこんなことを大森さんに書いてもらうといいんじゃないかという御提案があれば、いかがでしょうか。

【志々田委員】 社会教育、よくニーズを発掘するとか、当事者のニーズをどう酌み取るかみたいなことが社会教育職員の専門性だとよく言われているんだけれども、そこが多分大森さんたちも、最初はそう思って、みんなのためを思ってプログラムをつくったけれども、違ったなというのから、みんなと一緒にニーズをつくっていくというプロセスが学びなんだという話になったんじゃないかなと今見ていて思ったので、そこの、みんなでああだ、こうだ言いながら、何がやりたいということを話していること自体がとても大事なことなんだということを書いてもらうと、ああ、そういう機会だって、多分社会教育職員からすると、そういうことはこっちでやっといて、みんなにいいプログラムを出さなくちゃいけないと思っていることが間違いなんだよねという話が書いてあると非常に目からうろこなんじゃないかなと思いました。

【津田座長】 いいですね。

【青山委員】 いわゆる事例集の場合、見開きで、記載する項目が決まっていて、それに情報を流しこんでいくような作り方をすることもありますが、それよりはそれぞれの事例の魅力がきちんと伝わればよいというスタンスで、あまり体裁を整えて図鑑のような事例集をイメージしないということでまずはいいわけですね。

【志々田委員】 それこそそれはURLというか、QRコード載せといて、ここに聞いてくれたら分かるよという話ですよね。予算規模だとか、人数だとか、週何回やっているとか、そんなのは後からもらえばいいことであって、そこに出ているのは魅力のほうが面白い事例集になりますよね。

【青山委員】 大森さんの原稿の話からちょっと広げちゃうんですけれども、今井口さんがおっしゃってくれたように、この事例にはこんな魅力を感じていて、こういう視点を書いてほしいというようなことがあって、さっきの映像も見せていただくと、すとんと落ちる感じがあります。ここの会議の中で、行政の人にはこういう視点を持ってほしいという5ヶ条みたいなものが、もし出せるんだったら、そうした項目の一つずつに対して、例えば第1ヶ条の例にはこの事例、第2ヶ条にはこの事例、と言ったように、伝えたいメッセージごとに事例が選ばれて、その上で、執筆者を決めていくようなスタイルだと非常にありがたいと思っています。さきほどは、事例や内容ありきで事例を選んだほうがいいと言ってきたんですけれども、むしろさきほどの井口さんの説明のような内容がこの場で共有できるのであれば、すごくいいものになるなと思いました。

【梶野委員】 よろしいですか。この図で僕がすごく面白いなと思ったのは、オープンとクローズドの話なんですよ。それは井口さんの言葉で言うと、当事者中心の学びがクローズドの場面で行われて、オープンの話は地域連携の話に出ていて、僕が障害者と文化とかスポーツとかと言ったのはワーキンググループのところに入っているわけですよね。このワーキングというところはどういうふうに出てきたのかなと思ったりとかして、意外と左側というのはあまりつながっていないんだろうなと思って見ているわけですよね。

【大森委員】 そうですね。

【梶野委員】 特に練馬区の障害者青年学級のつくり方、特徴がありますからね。なかなか難しいと思うんですけれども、特に区部の障害者青年学級というのは結構硬直化しちゃっているところが多くて、そこをどう打ち破るかというのもこれから不可避なわけですよね。だから、そういう意味じゃ、青いところのワーキングという発想がどう出てきたかというと、クローズのさっきの映像で出てきたものみたいなことをベースに、もうちょっと抽象化してでもいいんだけど、具体的なものから紹介していきながら、こういうパーツがあるよ、考え方、捉え方があるよみたいなところに事例がひもづいていると面白いかなと思って聞いていたんですね。
ちょっと今ネットで、スマホいじりながら見ていたら、例えば東京ボランティア市民活動センターが企業ボランティアをやっているところで障害のあるアートの人をNECの職員が支援するみたいな、一緒に世田谷区美術館で、やれたかどうかは分からないんですけれども、美術の展覧会をやろうみたいなところまで動いたプロセスがあると、例えばCSRとかというところに入るのか、芸術に入るのかみたいなふうにひもづいて事例が出てきたりとかすると面白いかなと思って聞いていたんですけどね。特にワーキングってどういう発想で出てきたのかなと伺えたらなと思ったんですけどね。

【大森委員】 そうなんです。練馬区って、社会資源ってほかの自治体よりもたくさんあって、それぞれ歴史もあり、すごい思いが強くて、ぽっと出のNPOが文科省の委託取りましたとか言って、連携取りましょうとか言っても、なかなか、いやいやいやみたいな感じで、実際連携は2年目まで取れていなかったんですね。でも、みんなで情報共有したりして~みたいな話を伝える中で、ようやく2年目の最後の最後で1回だけ会って話すことができたんです。その中で、障害のある方の学びとか、あるいは、社会参加とか地域共生という形がイメージしづらいというか、障害者何ちゃらセンターみたいなのが地域にあるから、地域共生と言われているみたいなイメージから、もっと日常に下ろしていきたい、日常の関わりやつながりを持って共生といいたと考えました。どうしても支援者と被支援者とか、障害者と健常者とか、立場でどうしても分かれてしまうという状況がすごく多いんですね。それを変えていくというか、そこを超えていくには、芸術、音楽とか、とにかく面白そうとか、とにかく立場関係なく一緒にやってみたいとか思えるような何かを工夫しなくちゃいけないというときに、障害福祉にかかわる人たちだけの発想ではちょっとそこに至らないというところで、こういうワーキングチームをつくったという経緯があります。

【梶野委員】 テーマというのはどういうふうに出てきたんですか。当事者の方なんかと話したりするのか、大森さんのアイデアから生まれてくるのか。

【大森委員】 アイデアはどう出てくるのか、うーん。

【梶野委員】 というのが出てきながら、そこに具体的な例がひもづけられていくと面白いかなと思って聞いていたんですけどね。例えばここの超大学のところなんかだったら、企業のプロボノの人が技術的にはサポートしてくれることによって、より交流の仕方というのかな、技術がそれなりに支えられた人たちが入ってくれることによってすごい交流の仕方が面白くなったとか、例えばそういうようなものとか見せられるほうが何かいいかななんて思って聞いていたんですけど、そういうイメージで僕の中では、そういう事例を探してくるみたいなのがあってもいいのかななんて思っていたんですけどね。

【大森委員】 プログラムをつくる過程も実は学びのプログラムにできるんじゃないかというぐらいな感じで、対面でプログラムができないとなったときに、オンラインを使って何かはできそうだけど・・・と当事者と一緒に考えて、じゃあ、オンラインを使えるようになるというのをそもそもプログラムにしちゃったというのが「オンラインってそういうことか!」という。ワーキンググループのときは、今こういう感じなんですけど、すごい困っていますとか、私、こういうところおかしいと思うんですけど、皆さんどう思いますかとか、何かいいアイデアありませんかみたいな、物すごい自分の今の状況を伝える中で、それぞれの方たちが、こういうのいいんじゃない、ああいうのがいいんじゃない、これやってみたらみたいな、何なら一緒にやる?みたいな感じで声かけてもらえる感じです。

【梶野委員】 なるほど。逆に言うと、コミュニティデザインとか、インクルーシブリサーチとか、CSRというところにひもづいている図がないのは、これからやりたいという意味なのか、載せられないのか。

【大森委員】 コミュニティデザインは、i-LDKというところの居場所、ここには書いていないですけど、日常的にフリータイムというのをやっている場があります。そこは障害のある方たちだけの居場所じゃなくて、もっと地域の方が参画してもらえるような場があって、それは文科省の取組としてはやっていないので載せてないんですけど。

【梶野委員】 ああ、そういう意味なんだ。

【大森委員】 うん。そこに毎日来ているよという感じですかね。

【梶野委員】 ということは、ワーキンググループが既にこの数だけあるという理解でいいですね。

【大森委員】 そうです。インクルーシブリサーチもあるし。

【梶野委員】 というふうに理解すればいいんですね。

【大森委員】 はい。

【梶野委員】 そうしたら、いろんな分野がここの中で地域と面的に広げていくみたいな、構想が1つ見えてきて、そこに地域の方とか企業の人とかがどう絡んでいるのかみたいな接点か何かが見えていると、そういう機会や場づくりというのは、生涯学習、社会教育でやることなんじゃないか。本来はそういうことを考えなきゃいけないというか、学級、講座を運営するという発想になっちゃうと、どうしても障害者青年学級の良さをまもろうとか、そういうふうになりがちなんだけど、もうちょっと面的に地域を捉えたときの障害のある人なんかも生き生きと暮らせるまちとは何ぞやみたいなふうに考えていったら、こういうコラボレーションというか、どう地域の中で、日常生活圏域の中でつくるかみたいな発想になっていくと、障害者の生涯学習というののイメージが膨らむかななんて思って僕は聞いていたんですけどね。すいません。

【津田座長】 ありがとうございます。大胆な提案なんですけれども、大森さんの事例を大森さん自身が書くよりも、例えば梶野さんが大森さんに取材をして書くほうが面白いものを書けるような気がするんですけれども。

【梶野委員】 そこから引っ張っていくというのもありますよね。全国の事例か何かもうまくひもづけられたら面白いですよね。結構すごくいい要素入っていると思います。

【大森委員】 ありがとうございます。

【梶野委員】 あとオープン、クローズドというのはどうやって考えたのかななんて思ったんですけど。

【大森委員】 本当はオープンで全部やれれば面白いとは思っているんですけど、クローズドにしたのは、未学習の部分とか、誤学習の部分。誤学習というのは、例えば異性とは片手伸ばした1メートルは離れなさいみたいな、そういう教育を受けて、それをそのまま正しい情報としているみたいな、例えばそんなことが当事者を関わる中で見えてきました。それと、健常者と交じり合うということにすごく不安を感じているとか、もうちょっと丁寧に関係性をつくっていく必要があると感じました。コーディネーターが、健常者という位置づけなんだけどその間に入っていって、別に障害者とか健常者とか関係ないよねみたいな関わりをつくってくる中で、そこからどんどんオープンにその場を増やしていくことができています。そんなイメージで3年間やってきた感じですかね。

【津田座長】 中身について、また次回以降、もう少し詰めていこうと思いますけれども、次回、この感じだと、大森さんの題材をどう扱うかというところをまず丁寧にやってみるというところがあると。

【梶野委員】 それがいいように思いました。

【津田座長】 そうですよね。取りあえず大森さんに事業の全体の事例とか、あるいは行政職員に訴えたいこととか、聞いてほしいこととかということに焦点化しながらお話をしていただいて、それを誰が料理して書くかということはその次の段階で考える。御自身で書くというのもありだと思うし、ほかの人が外側からの視点から書いたほうがいいかもしれないし、それは改めて議論したらどうかなと思うんですが、いかがでしょうかね。
あと、3回で6人がそれぞれ事例を担当しなくちゃいけないということになるかもしれませんけれども、単純に割り算するともう一つ事例を次回議論したほうがスムーズかという気もするんですけれども。それ考えると一番固いのは平井さんのところでしょうか。

【平井委員】 PandA-Jの事例は社会教育との接点がないところが問題。障害福祉関係で集まっているので、障害福祉のネットワーク、障害福祉と司法・矯正関係のネットワークでつくったグループが実践している事例から、高齢・障害者地域定着支援センターであるとか、発達障害者支援センター、あるいは基幹相談センターなど障害福祉関係のセンターが協働してセッションをつくるというようなところが特徴です。また、大森さんのところみたいに当事者中心でやっているところもあります。石狩のやり方は、当事者団体がもともとあって、ここは定期的に市長との懇談なんかもしている団体ですが、その当事者団体の役員会の学習会に私たちのプログラムを使って始まったということもあるし、いろんなスタイルがあります。紹介はできます。

【津田座長】 井口さんがここで平井さんの書いていただきたいというところを挙げたのは地域における多職種連携ですけれども、平井さんが書きたいというか、よりポイントにしたいのは、権利擁護とか、犯罪防止とか。

【井口係長】 私がこの事例コラムにPandA-Jを掲載できないかと思ったのは、このハンドブックのメインターゲットは、社会教育、生涯学習に関係する人ということがが念頭にある中で、PandA-Jの取組は、その対象とは少し違うという印象だからです。それが2ページという分量にも表れているのですが、一方で障害福祉の担当者からすると、PandA-Jのように、本当に必要なニーズに対する学びの支援という在り方としては、情報提供することに意味があるかなとも思っています。特に行政が絡むことは大事だと思うので、そういう観点での事例紹介というのはあり得るかなと思っているところです。
国分寺市は基礎自治体の事例として紹介してもいいかなという思いはありました。ただ、国分寺市が来年度、実践研究団体に採択される可能性もある段階なので、今は事例として挙げてはおりませんが、国分寺市に書いてもらうこともあり得るとは思っています。これについては、PandA-Jをどう扱うかとちょっと分けて考えてもいいかなと思います。

【津田座長】 ちょっと平井さんに提案をお任せするみたいな形になってしまいますけれども。

【平井委員】 何でもいいですよ。書きますよ。

【津田座長】 いいですか。次回、平井さんと大森さんに、こんな内容のことを実際にやっていますと、その中でこういうところにスポットを当てて書くといいんじゃないかなという提案をしていただくというような感じでよろしいでしょうか。

【梶野委員】 だったら、僕、一緒に聞きに行って理解するみたいなのが、青山さんとか志々田先生とか、近くにいる人は一緒に聞いてみるみたいなのがあってもいんじゃないですかね。

【津田座長】 いいですね。

【梶野委員】 そして、こんな観点あるんじゃないかみたいなのが。来れたらでいいんですけど、みんなそれぞれ忙しいから。どう聞いたかというのがあったほうがいいですよね。我々がどう捉えたかみたいなのを踏まえといて会議に臨んだほうがいいように思いますけど。

【津田座長】 そうですね。もしよかったら場を、時間設定していただいて。

【梶野委員】 何かそういうのをちょっと井口さんのところでというか、どこかで設けてもらうみたいな感じでできると。日程調整で来れる人というのでもいいと思うんですけど。ぜひ聞いてみたいなと思いましたのでね。

【井口係長】 我々もちょうど先月、映像撮影でお邪魔させていただいています。もし皆さんと実際の様子が共有できると、よりいいかもしれません。例えばですが、5月に次回の会議があるとすれば、4月ぐらいでいかがでしょうか。

【梶野委員】 どこかでうまく設定ができると。

【井口係長】 御提案ありがとうございます。ぜひ調整させていただきます。

【平井委員】 角度の違う意見ですけれども、さっき青山さんがおっしゃっていた点に絡んで言うと、観点があればいいというお話だった。多分資料3がその視点でまとまっていますね。ただ、これはチェックリストになっているので、この5つの視点で整理してみると良いかもしれない。

【青山委員】 この5個にそれぞれ事例がひもづくような形。

【平井委員】 それもできそうだなと思ってみました。ただ、このチェックリストはかなり敷居が高くなっている。

【志々田委員】 ハードルが高いですよね。

【平井委員】 だから、全部じゃなくて、1個でもチェックつけばオーケーなチェックリストにすべきでは?これだと「とてもできないなあ、自分のところでは」となりかねない。

【梶野委員】 もっとほわっとした感じの5つの視点とかみたいな形のほうが。

【津田座長】 資料3については今日詰めの議論ができませんけれども、ぜひこういう形にしたらもっと敷居も高くないし、実際に使えるものになるというような提案を次回できたらと思います。
それでは、まだ、最初に宣言しちゃったとおり、積み残しばかりの会議になりましたけれども、そろそろ時間になってしまいました。次回はそういうことで、大森さんと平井さんにはちょっと御負担をおかけしますけれども、どうぞよろしくお願いします。

【平井委員】 次回待たずに各委託団体の資料を頂けるとうれしいですね。

【井口係長】 分かりました。まだちょっと全部そろっていないのですが、ホームページに近日中公開しようと準備しているので、そのURLを御紹介したいと思います。

【津田座長】 それも見ながら、枠組みづくりを次回しっかりと進めるということも含めて議論になると思います。そのためには、あらかじめ枠組みについては、事務局も含めて、たたき台というか、骨格をつくって臨むということになると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
今日は議事進行調子悪くて申し訳ありませんでした。それでは、事務局にお返しします。ありがとうございました。

【井口係長】 ありがとうございます。前回の会議から4か月も空いてしまいましたが、また次回の日程を設定させていただくことと、梶野さんから御提案いただいた、大森さんの実践を見させていただいて、議論の土台になるような実践を共有できるといいのかなという気がしています。こちらはまた別途調整させてください。
次第の一番下に5月に次回の日程をお示ししていますが、一旦この日程で皆さんの全員そろう日を伺ってもよろしいですかね。

(日程調整)

【井口係長】 では、5月20日木曜日の方向で、会場の確認などして最終的に日程確定の連絡をさせていただければと思います。
また、大森さんの実践を拝見させていただく日程については、後日調整としたいと思います。本日もどうもありがとうございました。

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室

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(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室)