視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会(第15回)議事録

1.日時

令和8年2月25日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

厚生労働省 講堂 及び Web会議形式で開催
※一般の方はオンラインでの傍聴(YouTube)。報道関係者は会場での傍聴が可能。

3.議題

  1. 構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について
  2. 特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループについて
  3. その他

4.議事録

【中野座長】 ただいまから「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」の第15回を開催させていただきます。全体の進行を務めます慶應大学の中野でございます。よろしくお願いいたします。
 最初に、本日の委員の出席状況や配付資料の確認など、事務局から御報告をお願いしたいと思います。お願いいたします。
【吉元補佐(厚労省)】 皆様、おはようございます。本日、事務局を務めます厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部自立支援振興室室長補佐の吉元と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、始めに構成員の出欠状況につきまして御報告いたします。本日欠席の委員の方は5名いらっしゃいます。御欠席の方は、日本身体障害者団体連合会会長の阿部委員、日本眼科医会常任理事の井上委員、愛知県福祉局福祉部障害福祉課長の今宮委員、堺市健康福祉局障害福祉部障害施策推進課長の𠮷田委員となります。
 また、一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長の市川委員の代理といたしまして副理事長兼事務局長の日詰様に御出席いただいております。
 以上、会場参加15名、オンライン参加5名となっております。
 それから、皆様のお手元に座席表を配っておりますが、本日、経産省の早坂補佐がオンラインでのご出席に変更となっているところでございます。
 次に、本日の資料について御説明します。本日の会議資料は、構成員の皆様のテーブルにあるタブレットへ格納しているほか、紙媒体でも御用意しておりますので、御確認ください。また、傍聴の方は、厚生労働省及び文部科学省のホームページに資料を掲載しておりますので、そちらを御確認ください。本日の資料は、議事次第のほか、資料1-1から4、資料2、最後にA3の参考資料1の以上7点となります。タブレットに表示されない、また資料が不足しているなど御不明な点がございましたら、事務局までお声がけをお願いいたします。
 また、本日オンラインで御出席の構成員の皆様にお願いがございます。カメラは通常はオンのままにしていただき、御発言の際には、Zoomの「手を挙げる」機能の使用をお願いいたします。御発言時以外はマイクをミュートにするよう御協力ください。なお、通信障害などで不具合が発生した場合には、事前にお伝えしております事務局の連絡先までお知らせください。
 事務局からは以上となります。
【中野座長】 ありがとうございました。
 それでは、ここで頭撮りは終了とさせていただきます。カメラの方は御退場をお願いいたします。
 では、これより議題に入っていきたいと思います。本日は3つの議題がございます。議題1は「構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について」、議題2が「特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループについて」、議題3が「その他」ということになっております。
 それでは、議題1から議論を進めてまいりたいと思います。「構成員による視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る取組等について」ということで、まずは事務局より御報告をいただいた上で、それぞれの御報告に入りたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
【吉元補佐(厚労省)】 事務局の吉元です。
 まず、1点目ですけれども、公表が先週の2月16日ということで、資料等は本日お手元にはございませんが、国立国会図書館障害者用資料検索「みなサーチ」において、全文テキストデータが新たに約28万点追加され、障害者の方々に利用していただける全文テキストデータが約347万点になったという旨が国会図書館のホームページに公表がございました。この取組は、読書バリアフリーに向けられた取組が着実に進んでいる内容でもありますことから、この場を借りまして皆様に共有をさせていただきます。
 この件に関しまして、国立国会図書館様より補足の説明等ございましたら、御報告をお願いいたします。
【川西課長(国立国会図書館)】 国立国会図書館、川西でございます。
 御紹介いただきましたとおり、現在「みなサーチ」で提供している全文テキストデータ提供点数が約347万点に拡大いたしました。こちらは当館の所蔵資料をデジタル化した画像データからOCR処理によって作成された未校正のテキストでございます。1995年までに出版された図書のほか、2000年までに出版された雑誌、博士論文の一部などを収録しております。視覚障害者等用データ送信サービスに登録されている個人の方、あるいは機関の方などは「みなサーチ」にログインの上、ダウンロードして御利用いただけます。このデータには文学作品や専門書、歴史資料など幅広い分野の資料が含まれておりまして、特に学習や研究、調べ物など様々な場面で御活用いただくことができます。ぜひ御利用いただければと思います。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
 国立国会図書館では、昨日、NDLOCR-Lite、国会図書館が開発されたOCRのより個人利用がしやすいようなバージョンも公開されたと伺っております。その点についてももし補足がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【川西課長(国立国会図書館)】 今、御紹介いただきましたとおりで、全文テキストデータの作成などではNDLOCRというプログラムを使っておりますが、こちらのほうは、GPUなどが必要で、家庭用のパソコンなどでは使えないという欠点がございましたが、NDLOCRの軽量版、NDLOCR-Liteというものを2月24日に公開いたしまして、ノートパソコンなど一般的な家庭用コンピュータから御利用いただけるようになりましたので、こちらのほうも御覧いただければと思います。
【中野座長】 どうもありがとうございました。
 事務局及び国立国会図書館より御説明がございましたけれども、詳細はホームページにて御覧いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、構成員の日本図書館協会障害者サービス委員会の佐藤委員より、団体の取組を御紹介いただきます。それでは、御説明、お願いいたします。
【佐藤委員】 日本図書館協会の障害者サービス委員会の佐藤聖一です。お世話になっております。少し時間をいただき、日本図書館協会の活動について御紹介させていただきます。
 まずは、うちの図書館協会として直接やっていることですが、障害者サービスに関する職員研修会、セミナーなどを開催しております。毎年、職員研修会や全国図書館大会の分科会、また、著作権のセミナーなども行っております。これらの研修会は直接参加だけではなくて、後日動画配信ということで、全部の動画に字幕をつけて、アクセシビリティに注意しながら研修を行っております。
 (2)として、障害者サービスの推進のための書籍をいろいろ発行しておりまして、特にJLA図書館実践シリーズの『図書館利用に障害のある人々へのサービス』というものを上下巻で出しております。これは冊子版だけではなくて、アクセシブルなEPUB形式でも発行しており、障害者サービスの著作権の本なども同じ形式で発行しています。
 (3)として、障害者サービスの発展のためのガイドラインなどの作成、公表をしております。これはうちの協会としては非常に重要な活動になっていると思います。①にあるのは障害者サービスと著作権法37条の運用に関するガイドライン。それから、図書館における障害者差別解消法のためのガイドライン。また、私たちが図書館関係団体ということで、差別解消法ガイドラインを発表させていただいています。図書館でどのように対応すべきかということです。それから、ここの協議会と特に関係があるところでは、地方自治体が読書バリアフリー計画を策定するための指針となるものを結構細かく、ガイドラインのような形で発表させていただいています。さらに、障害者サービスをチェックするためのチェックシートのようなものも出させていただいております。
 それから、全国から日本図書館協会に対して研修会の講師依頼や講師の紹介、また、様々な質問などがありまして、年間数十件という形でこれらに対応させていただいております。
 続いて、ここの協議会もそうですけれども、国や関係団体などによる様々な協議会や検討会などに委員を出させていただいています。
 2番として、公立図書館の障害者サービスの現状について簡単にお話をしていきます。実は今年度、文科省の予算で公立図書館と大学図書館の障害者サービス実態調査を行ってきました。今のところ正式な報告書が出されていないので、来年度、文科省のほうからこれについては御発表があると思いますが、まず実態調査を行いましたということです。
 今のところ細かい数字は申し上げられないので、私の感覚として捉えているお話をこれからします。(2)障害者サービスの状況としては、点字やデイジーのCDなどメディアや紙による貸出しというのは、図書館界全体として残念ながら減少しているというふうになると思います。この原因というのはこれから考えていかなければいけないところですが、1つは、サピエや「みなサーチ」などデータで直接利用できるようになっていますので、CDとか紙でなくて、直接データをダウンロードして利用している人が増えている。そちらが増えれば結果的に利用できているわけですから構わないと思うのですが、②にあるように、データのダウンロード、直接利用が思うようには伸びていないという状態です。
 ③、特に視覚障害者以外の方々というのは、再生機の問題などがあって、データの直接利用の方が多いと思うのです。例えばディスレクシアの方とかが想定される利用者数は増えてきているが、残念ながら思うほど増えていない。視覚障害者等の皆さんの増え方が残念ながら伸びていないということだと思います。正しい数字については、先ほど申し上げたとおり、来年度報告があると思います。
 では、公共図書館や学校図書館などがサピエや「みなサーチ」をどのぐらい利用しているのか。これは図書館としてです。そこに数字を出しておきました。国立図書館の「視覚障害者等用データ送信サービス」(「みなサーチ」)。424館が送信承認館になっているので、内訳も出しておきましたが、それらのところが「みなサーチ」のほうをお使いになっている。サピエ図書館のほうも数字を出しておきましたけれども、496館。約500館、施設のほうで利用している。そのうち公共図書館が285ですから、結構数は増えてきていると思います。「みなサーチ」もサピエも公共図書館のほうの登録館数はどんどん増えているというのが現状です。
 続いて、製作館数のほうを見ると、公共図書館の方々、大学・学校図書館の方は資料を製作するとみなサーチのほうに登録するのですが、どのくらい使っているかという数字を出しておきました。公共で約100館ぐらいがつくっているというところが、大学15なので、そちらは「みなサーチ」でないほうに多分データが行っているのかなという感じがします。
 今日お話ししたいのは特に3番のサービスの課題のほうですけれども、(1)として何で伸びていかないのかという問題です。読書に困難のある人は、様々なバリアフリー図書があることとか、図書館などが様々なサービス方法で提供していることを実は知らないというのが最大の原因だと思っています。例えばバリアフリー図書と最近言われていますが、点字、音声デイジー、マルチメディアデイジー、点字付きの絵本、大活字本、LLブック、テキストデータやアクセシブルなEPUBデータなど様々なものがあるわけです。こういうのをほとんどの方が知られていないのです。本当は自分に合った読書の形というのがあると思うのですが、それらが知られていないというのがまず大きな問題です。
 それから、図書館などはいろいろなサービス方法を展開しています。読書困難者は来館が非常に困難な人も多いので、例えば郵送や職員による宅配サービス、入院患者・施設入所者・学校へのサービス、また対面朗読など、読書に困難のある人のための様々なサービスの方法があるのです。家にいても利用できるわけですけれども、そういうこともほとんど知られていないということです。
 ③としてサピエや「みなサーチ」を使えばデータを直接利用できるわけです。これは個人で考えれば、24時間いつでも読書ができるわけですし、図書館の立場で考えれば、全国のものを検索してダウンロードして、全国の資料を提供できるのです。そういう事実を当事者もそうですけれども、図書館職員もちゃんと知っていないのではないか。言葉は知っているかもしれないけれども、実際そういうふうに使えるということを知らないというのが最大の問題だと思っています。
 (2)として職員の問題が図書館にはあります。まずは公立図書館に障害者サービスを担当する職員がいないという図書館が相当多いのです。特に市町村ではいないところが多いです。学校図書館を見てみると、まず学校図書館そのものに学校司書など専任の職員がいないということです。特に最近思うのは、都道府県立の特別支援学校に学校司書がいない。もちろんいるところもあるのですけれども、いないところも非常に多い。それから、市町村の地域の小中学校に至ると、学校司書が配属されているところが非常に少ない。配属されていても週に1日しか来ないとか、そういう職員の問題がまず大きいと思います。
 それから、都道府県などを単位とした障害者サービスの研修会が定期的に実施されているか。実質的に都道府県単位で障害者サービスの研修会をする場合が多いと思うのですが、これらが定期的に実施されていないところもまだまだある。この辺は文科省の予算などで研修会が増えてきているとは思うのですけれども、まだまだ少ないと思っています。
 (3)、従来の福祉制度の課題というのを私たちは確認しておく必要があると考えています。従来の福祉制度というのは、障害者を特定して、その人に支援を行う。例えば助成なりいろんな支援を行うわけですが、誰が行うかというと、福祉関係職員やボランティアさんということになるわけですけれども、障害者を特定して、その人にサービスを行うためにどうやって特定するかということで、障害者手帳が必要になってしまうのです。逆に言うと障害者手帳を持っている人にしかサービスができない。
 それから、多くの福祉制度は、実は民間の自己負担、手弁当で行われているものが多いです。例えば私も視覚障害者なので障害者手帳を持っていますが、電車に乗るときの割引であったり、飛行機とかもそうですけれども、タクシーの割引料金であったり、日本郵便のこれからお話しする第四種郵便などもそうですが、展示用を無料で送れるということですけれども、そういうものは実は民間企業の手弁当なのです。国からお金を出しているとかそういうことではなくて、民間企業が自己負担で私たちの福祉制度をやっていただいているのです。なので、これはある意味、その企業の経営が厳しくなってくると、大丈夫かなという問題が発生しまして、非常に危ないというか、心配な形の中で行われているというものもたくさんあるということを知っておいていただきたいと思います。
 (4)、具体的に福祉制度の中で障害者が対象になっているものがいろいろあるわけです。それが本当は読書に困難のある人とか、もっと幅広くしたいのです。そういうことでなかなか拡大できないという問題が出ています。
 まず大切なことは、多くの発達障害者とか、高齢者もそうですが、障害者手帳を持っていないのです。例えば高齢で目が不自由になってきた人もたくさんいらっしゃるわけですけれども、そういう方々もほぼ障害者手帳は持っていません。発達障害の方々もそうだと思うのです。ですので、読書に困難のある人のかなり割合が障害者手帳を持っていないということも知っておいていただきたいと思います。
 その中で①として第四種郵便制度ですが、例えばこれから新しい図書館に郵送貸出を始めてくださいねとやります。そうすると、日本郵便の特定録音物等発受施設の指定というのを受けなくてはなりません。指定を受けることはもちろんいいわけですが、その認可を受ける書類を出すと、何回も返ってきてしまうのです。駄目だと。駄目出しです。それを見てみると、まず自治体の市長の文書が必要であったり、「障害者手帳1・2級のみが対象です」と書かないと駄目なのです。これからサービスをするのにどのくらい数を出すのですかとか、いろいろ書かされるわけです。読書に困難のある人のサービスをやっていますという規則類を提出すると、アウトなのです。要は、日本郵便の解釈では、1・2級の重度障害者にしか送ってはいけないという解釈になっているようです。要するに、書類が何回も突き返されてやり直しになってしまうのです。大体行政が行っているサービスで自分の市長や県知事の文書が必要というのはどうなのですかね。言い方は申し訳ないけれども、物すごくやりたくないということがよく分かります。先ほども言いましたが、確かにただでやってくれているわけですから、私も社長だったら、経営が厳しかったら、「これ、ちょっと減らせよ」となりますよね。という状態になっているのかなと。
 まず、郵便制度の問題というのが拡大にすごくマイナスになっているわけです。もちろん、ディスレクシアの人で目が見える人で普通に歩ける方は図書館に来ていただいていいのです。そうではなくて、例えば寝たきりの方とかいらっしゃるわけです。施設にいて出られない人とか、そういう人たちに対して郵便で貸出しが本当はしたいのです。
 ②として日常生活用具給付制度について。これはここの協議会でも随分お話をして論議されてきましたが、これは特定の障害者の人に対して特定の期限、期間、何年に1回ですよということを決めて給付するというもので、自己負担が1割程度で買えるものなのです。非常に便利なのだけれども、でも、本当は必要な人に必要なものを提供したいと思っています。例えばデイジーの再生機は、ほとんどの自治体が視覚障害者1・2級のみなのです。3級の人は駄目。先ほどの寝たきりの人とかは駄目なのです。障害者手帳を持っていなければ全然駄目なのです。それで本当に必要な人に必要なものが給付できるのですか。
 厚労省からは文書を出していただいているというのはもちろん理解していますが、実際に読書に困難のある人が自分で市町村役場に行って相談、交渉しなければいけないわけです。各障害者が自分の市町村役場に行って、これをやってくれ、いや、それは規則でできませんよという話なのです。これはなかなからちが明かないです。
 最終的に思うのは、例えば関係者が集まってガイドラインを作成するとか、そういう形で具体的にここはこうやって運用しますというのをお出ししないと、各自治体が判断して弾力的に運用するというのは現実的ではないのです。この辺について方法論を考えていただきたいと思っています。
 そういうことで、課題について詳しくお話をしましたけれども、日本図書館協会では視覚障害者以外の人も含めた幅広い人に利用を拡大したいと思っておりまして、そのための様々な活動をやらせていただいています。
 以上です。ありがとうございます。
【中野座長】 ありがとうございました。貴重なデータ並びに課題について整理をしていただいてありがとうございます。
 それでは、これまで御報告がありました国立図書館の取組、今、御紹介いただきました日本図書館協会障害者サービス委員会の取組に関しまして御意見等ございましたら、お願いしたいと思います。では、宇野委員、お願いいたします。
【宇野委員】 
まず国立国会図書館についてです。全文テキスト化が始まり、あれよあれよという間に1995年までの書籍がテキスト化されました。これは本当にすごいことだと思います。深く感謝申し上げます。前回の会議でも申し上げましたが、願わくは今後、何らかの方法でこれらの未校正データを校正していくことをお考えいただければありがたいです。
 読書バリアフリー法を立法していただいたときに、私たちは「買う自由」と「借りる権利」の確立を求めました。借りる権利については、先ほどの「みなサーチ」を通して、1995年までの図書にアクセスできるようになったといえます。残る課題は、1995年から2026年までの書籍をどうするかということです。出版社がデジタル出版を始めたのは2003年頃と伺っています。私たちが、2003年以降の書籍にスムーズにアクセスしていくためには、課題が2つあると思います。
 1つは、販売される電子書籍がアクセシブルなものになり、販売が促進されていくこと。もう一つは、コロナ禍以降増えてきた電子図書館のアクセシビリティが高まっていくことです。これらが今後私たちが解決すべき大きな課題だなと思いました。
 次に、日本図書館協会についてです。佐藤委員のお話の中で、サピエや「みなサーチ」を使っている図書館がなかなか増えてこないというお話がありました。原因としては、恐らく個人で利用していることもあるだろうということでした。しかし、個人が「みなサーチ」を使ったり、サピエからデータをダウンロードする過程においても、何らかの支援が必要です。ちゃんと寄り添ってサポートしてあげないと、これがネックで数が増えていないのかもしれません。では、どうやって支援していくのか。以前、厚労省からは、それはICTサポーターの役割であるというお話がありました。ところが、ICTサポーターは人数の少なさとあまり知られていないという問題で十分に機能していないように感じています。一方で私は公共図書館の司書の役割も大きいのではないかと思いますが、佐藤委員のお考えをお聞かせください。
 それから、学校司書の数が足りないとか、時間が少ないというお話もありました。私も全く同じ問題意識を共有しています。学校司書は単に図書を貸し出すということだけでなく、子供たちの学びや調べ学習のサポートをするという意味では、存在意義はとても大きいと思います。関係者協議会としても、課題解決に向けて何かできないものかと思います。【中野座長】 今、御意見と御質問があったかと思います。御質問としては、佐藤委員への2番目の点が御質問という理解でよろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。
【中野座長】 では、佐藤委員、御回答をお願いいたします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
 個別支援の必要性については私も全く同感です。最終的には読書に困難のある方々は、個別支援をしないとICT機器とかが使いにくいということは、全くそのとおりだと思っておりまして、図書館としましては、例えばデイジー再生機や、その他のタブレットなどもそうですけれども、職員がそういうものの基本的な操作がある程度できるようにしておいて、それを利用者にも教える。つまり、デイジー再生機の操作支援と貸出しみたいなことをぜひ図書館でやってほしいと訴えています。
 ただ、そこまでできる図書館がまだ非常に少ない。全国的に見て障害者サービスの実施にすごく地域差が大きくて、もうやっているところは当たり前にできるのですけれども、サービスや利用者がほとんどいないところは全くできないのです。その辺の差を何とか底上げしたいなと思っているところです。
 それから、宇野委員の言われたICTサポートセンターに、個別支援という意味では非常に期待しています。ところが、別の協議会で意見が出ていたのだけれども、ICTサポートセンターは委託など、県レベルとかでやっているところも多いようなのです。そうなると、それこそデイジー再生機とか音声パソコンとかは全くできませんというサポートセンターもあるようですので、その辺の中身についても十分に確認する必要があると思っています。
 以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。
 宇野委員、よろしいでしょうか。追加のご意見については、簡潔にお願いできれば幸いです。
【宇野委員】 図書館での支援に格差があるというのは、私も感じています。以前の会議で、各図書館内で「読書支援コーディネーター」、または「読書サポーター」のような役割をどなたかに任命することを提案させていただきました。そしてその方が中心になって、読書バリアフリーに関する研修を進めていくということも今後検討の俎上にのせていくべきなのではないかなと思いました。
【佐藤委員】 それも先ほど申し上げた障害者サービス担当職員の仕事だと思うのです。だから、その人たちに対して、まず担当者を置いてほしいということと、私どもも含めて、国会図書館なども含めて、研修会を実施して底上げをしたいというふうにやっているところです。
 それから、すごく大事なのだけれども、図書館というのは、来ていただかないとできないのです。図書館職員がおうちに行って教えるというのは現実的に無理だと思うので、図書館だけではできないことだと思っています。
【中野座長】 ありがとうございます。
 先ほどICTサポーターの件が出てきたのですが、これは厚生労働省が担当されていると伺っておりますけれども、あまり機能していないのではないかという御意見がありましたが、国として毎年取組をやっておられることはホームページ上で存じておりますが、もし御発言がありましたらお願いしたいと思います。
【吉元補佐(厚労省)】 御意見ありがとうございます。
 委員がおっしゃるとおり、ICTサポートセンターですけれども、設置は順調に進んできてはいるのですが、設置が進む反面、内容の格差が非常に大きいという課題が生じているのが現状です。それも含めまして、私どももICTサポートセンターの全体の質の向上とともに平準化を図るという取組を並行して進めているところでございます。設置はだいぶ進みましたので、今度はそちらのほうに比重を置いて、全体のサービスの底上げというものに対応していきたいと考えているところでございます。
 以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。
 そのほかにご意見はございますか。藤堂委員、川崎委員という順番でお願いします。では、藤堂委員から、どうぞ。
【藤堂委員】 藤堂です。
 ディスレクシアということで、佐藤委員からの御発表、大変興味深く思いました。幾つかございまして、私たちはJDDnetの一員として国会図書館の「みなサーチ」をどう使えるのかということに関して、ディスレクシア月間というところで1つワークショップをいたしました。本当に知られていないというのが一番の問題だと思います。その研修を受けて、あ、こんなに子供から使えるのだとか、国会図書館と言うとすごくハードルが高く感じますけれども、こんなにすばらしいサービスがあるのだということを知ることができたので、もっともっと広報に力を入れていくということが1つ大事だなと思います。
 そして、自分に合った読書の形式というのを知らないディスレクシアの子がすごく多いということで、今、「『できる』につながるヒントBOOK」というものを私たちでつくって、いろんな形で読書、読む、書く、つくるということも入れているのですが、その中でICT活用とかも入れておりますので、ダウンロードできる形なので見ていただければと思います。
 次の点、直接利用が増えているというのだけれども、ほとんどまだつながっていないということで、まず広報が必要だということと、私自身、昨年度10か所以上の図書館でお話をさせていただいております。驚くべくは、呼んでくれるところは、私の話を聞きたいということで、ディスレクシアのことを知りたいと思っているにもかかわらず、例えば東京都の中央図書館でディスレクシアに対するサービスはゼロなのです。読み上げますよというのも「視覚障害者のため」と書いてあって、ディスレクシアの人はそれを使えるのですかという感じなのです。まず、図書館のサービスの方たちがいないという問題があるかもしれないけれども、次に、誰もがそういうサービスがあるということを知らなくてはいけないということで、この研修はもっともっときちんと内容の濃いものを早急にしていくということが大事だなということです。
 学校図書館に関しては、今、ミート・ザ・テキストというものを民間で粛々とつくっていて、学校司書の方たちが動いて、子供たちにどういうサービスを出せるかという動きを今つくっているところです。
 もう一つ、障害者手帳が必要というのがものすごいネックで、ディスレクシアの人で診断書を取れるのは2%しかいないのです。それ以外の6~10%ぐらいの人は読書に困難を持っているにもかかわらず、何らかの証明をする術を持っていないのです。学校ですと、担任が認めるとデイジーを使えますよというのがあるのですけれども、学校の先生がその見る目を持っているかという問題もあって、もっと公平に、その場で見られるスクリーニングの方法を「みなサーチ」とかサピエとかで持っているということが大事なのではないかと思っています。今回総務省の出している読書バリアフリー法の推進に関しての補助金に手を挙げようかなと思っているところであります。
 以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。
 ご説明のあった資料等に関しては、ぜひこちらの委員会にご提供いただけるとありがたいなと思います。
 では、川崎委員、お願いいたします。
【川崎委員】 全視情協の川崎です。発表ありがとうございます。
 1つ情報提供といいますか、今までの取組の中で、実は松戸市にある千葉県立西部図書館で一昨年度、読書サポーター養成講座、夏休みに高校生を対象に行ったものがありまして、私どものセンターの職員が講師を務めて、そういうコラボレーションで行ったものがあります。初回ということもあって参加者は6名程度だったのですが、3日間にわたる講座を受けていただきまして、受講してくださった高校生、20代の方もおられましたが、非常に熱心に受けていただいて、こういうこともできるのだということを知っていただく。利用者を増やしていく、裾野を広げていくという意味では、そういった情報提供施設と公共図書館がコラボしてやっていくというのも全国的に広がっていくと、なおいいのかもしれません。
 また、今は、視覚特別支援学校に限定されてはいますけれども、情報提供施設の職員がその学校に行って、学校の司書がいないところをちょっと補ったり、お子さんたちに読書指導をするなど、そういった活動もできているところが幾つかあるようです。
 また、日常生活用具等にも言及いただきまして本当にありがとうございます。私どもも読書支援機器に関しては毎年厚労省の担当職員の方と意見交換をさせていただいていますが、好事例というのも結構あります。デイジー再生機を等級制限にかかわらず認定しているところもございますので、そういった好事例を大々的に共有できるようにホームページの目立つところに入れていただくなりすると、地方の市区町村のほうも進んでくるのではないか。それと並行して、先ほど佐藤委員がおっしゃったように、ガイドラインを作成するというのも非常に有効なことかと思いますので、これは私どもも含めて、ぜひ一緒にやらせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【中野座長】 前向きな御提案、ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 では、次の報告に進めさせていただきたいと思います。
 資料1-2を利用していただきまして、文科省及び厚労省より取組を御紹介いただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
【星川室長(文科省)】 本日、文部科学省からは、地域学習推進課図書館・学校図書館振興室と男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室の取組について御報告をさせていただきたいと思います。
 まず、図書館・学校図書館振興室の取組として、委託事業で「読書バリアフリーコンソーシアム」を設置しています。
 本日は、本コンソーシアム事業の委託先の一つである東京大学先端科学技術研究センターの近藤委員より、取組の概要について御説明をいただきたいと思います。また、それに続きまして厚労省より事例の御紹介をさせていただきたいと思います。
 それでは、近藤委員、よろしくお願いいたします。
【近藤委員】 近藤です。よろしくお願いいたします。
 では、画面を共有いたします。
 こちらに今、表示されている画面、こちらが学校図書館における読書バリアフリーコンソーシアムのウェブサイトになります。このサイトを使いながら取組を御説明させていただきたいと思います。
 まず、読書バリアフリーコンソーシアムは、様々な方々に御参加いただいておりまして、本協議会の座長も務めていただいている中野先生に学校図書館のほうのコンソーシアムの座長を務めていただいておりますし、様々な障害の読書に関係する取組を行っている学識関係者であったり、特別支援教育関係では、全国特別支援学校の校長会だったり、設置校だったり、盲学校校長会の皆さんとか、様々な方たちに御参加いただいております。公立図書館関係では、先ほど取組について御紹介いただいた佐藤委員をはじめ、図書館関係で様々な皆さんに御参加いただいております。
 何をやっているかということですが、最も重視していることは、やはり情報の提供です。学校図書館等においても、司書教諭の先生方も読書バリアフリーに関する活動、よく分からないとかそういう声をいただきますので、私たちは読書バリアフリーの活動として一体何ができるのかということをまとめて情報提供を行ったり、あとは、まだそれほど多くはないのですけれども、全国で優れた取組をなさっておられるところに調査を行って、その調査を事例としてまとめて報告を行ったり、それらのことから分かってきた、読書バリアフリーの活動をまだやったことがないのだけれども、始めてみたいという学校の皆さんに始め方を説明していたり、あとは、成果報告として実態の調査も以前行っております。この実態調査の内容がこの後説明していくことのベースになるので、先に簡単に御説明しようと思います。
 この内容ですけれども、「成果報告」というところを見ていただくと、調査を行った内容がPDFとワードで公開されているので、よろしければ御覧になっていただけたらと思います。ざっくりこのPDFの内容、どんなことが書いてあるかということですが、全国の特別支援学校長会に所属している特別支援学校1,150校、全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会、こちらの設置校に1万7400校、それから東京都の特別支援学校・通級指導設置学校長協会に所属しておられる拠点校1,173校、こうした多くの皆様の御協力をいただいてこちらに配布を行っています。
 結果としてどういった結果が得られたかということですが、アンケート内容は、学校でどういう体制で読書バリアフリーに関しての取組を行っておられますかとか、具体的にどんな取組を行っておられますかとか、そういったことを聞いています。ちょっと長くなるので、詳しくはこちらを読んでいただけたらと思うのですけれども、結果として分かってきたことは、学校図書館の配置人数が、小中学校では司書教諭が平均0.8名、学校司書が0.8名、ボランティア3.6名。特別支援学校全体では司書教諭が1.1名、学校司書0.6名、ボランティア1.5名という全体的な結果がございます。
 ただ、注目すべきなのは、通常の小中学校では、図書館担当として任命されている司書教諭ゼロの学校が約3割、学校司書ゼロも3割、ボランティアゼロは7割という状況だったり、特別支援学校全体で図書館担当として任命されている司書教諭ゼロは約4割、司書教諭ゼロは約7割、ボランティアゼロは約9割という状況。ただ、視覚特別支援学校においてのみ約2割の学校でボランティアがいて、11名ぐらいのボランティアさんが関わっておられるというのはポジティブな結果だったかなと思います。基本的に体制としてまだまだ課題がたくさんある。財源、予算のことなども聞いておるのですけれども、それらも様々な制限があるということです。
 具体的にどんな取組をしているかということも聞いています。バリアフリー図書館・資料についてどの程度置いていますかという質問ですけれども、小中学校等ですと、約7~9割の小中学校等ではバリアフリー図書館・資料を置いていない、蔵書がない。6~9割の特別支援学校にバリアフリー図書館・資料の蔵書がない。幅を持たせているのは、標準偏差からの偏りがすごく大きくて、蔵書がある学校とない学校の差が大きい可能性があるということが言えるのですけれども、特にデジタルデータ、テキストデータやEPUB等については、小中学校、特別支援学校共に蔵書はほぼないという結果が得られていて、まだまだ未開の状況だなということがこれらの調査から分かってきました。
 そこで、私たちとしては、これらの成果に基づいて、そもそも著作権法の第37条を遵守して学校図書館でできることは何かということをまとめています。様々な人たちができることをまとめていて、学校の先生ができることは何か。視覚障害等のある児童生徒から本を読みたいという図書のリクエストを受けたら、司書教諭や学校司書の人は一体何ができるのかということをフローチャートにまとめております。
 さらに、学校図書館の中で子供たちにバリアフリー図書を届けるために一体何ができるのか。例えば学校司書が電子化したり、複製したり、翻案したりということができるし、自分たちの学校の中の特別支援教育ニーズのある利用者に対して、様々な形での提供、貸出しができますよということを書いていたり、ほかにも、他の学校図書館と連携をすると、自分の学校でつくったものを他の学校図書館に貸し出して、蔵書としていただいて、さらにそれを改変して共有するとか、貸し出した先の学校の生徒たちに提供、貸出しができるというような内容であったり、様々なことを書いています。
 それから、国立国会図書館を活用するとこんなことができますよということとか、サピエを活用するとこんなことができますよと。さらには、近隣の公共図書館との活用でこんなことができますよといった内容をまとめています。
 さらに、具体的に何をやったらいいのかが分からないという声がありましたので、事例を調査して、その調査結果を公開しようということで、調査を行った結果、毎年少しずつ増やしていっているのですけれども、17の様々な優れた取組をなさっておられる、主に学校が多いのですが、どんな取組をやっていますよとか、どんな考え方でこの取組を具体的にやっていますよという内容を、そこに関わっておられる人もフォーカスしながら具体的に詳しくまとめてきております。
 こちらもぜひ御覧になっていただけたらと思うのですけれども、ただ、ずらっと17並んでいるので、どこを見ていったらいいか分からないという声もありますので、「読書バリアフリーのはじめかた」というものを最近つくりました。例えば校長先生の場合だったら、そもそも学校図書館における館長は校長先生ですがどうもぴんとこないみたいに言われたり、学校図書館というのは、要は、学校では図書室のことですが、アンケート調査でも「学校図書館って何ですか」という質問が逆に来てしまったり、読書活動そのものにまだ弱みを感じるなと思うところもあるぐらいなのですけれども、校長先生が一体何ができるのか、校長先生がリーダーシップを発揮していろんな取組を行っていただいた事例を先ほどの事例集の中から取り出しをしていて、こういうのをぜひ見てみてくださいねと。地域の学校司書研修とか、公立図書館との関わりの事例も紹介しますよというまとめ方をしています。
 あと、特別支援教育コーディネーターの方が中心となって取組を行っていただいたもの。学校内での読書活動の充実とか、地域と連携してアクセシブルな単元テストの制作と共有を行った事例なども掲載しています。ほかにも、学校司書の方が活躍している事例。これも特別支援の担当の人と連携しながら、学校司書が活躍している例だったり、あと、公共の図書館がこんな感じのことをやっていますよという例や、地域の図書館に所属していたり、学校に所属していたりするわけではないのだけれども、地域のボランティアの皆さんが特別支援ニーズのある子供たち、読書バリアフリーの活動に触れる必要がある子供たちとつながってこんな取組をやっていますよというものを加えているということです。あと、先ほどのフローチャートにつないでいたり、学校の先生、一教師の方がやっておられる事例などをリンクしたりもしています。
 さらに、毎年シンポジウムを行っておりまして、公開シンポジウムの中では、文科省による行政説明はもちろん、主として事例集に取り上げた、学校の先生たちに私たちがどんな思いでどんな取組をやっていますよということを発表していただいています。その発表内容はオンラインで公開して、いつでも見られるようにしているので、よろしければぜひ御覧になっていただけたらと思います。
 最後に、よくある質問です。このページの内容を見ていただいた司書教諭の皆さんや公共図書館の皆さんから非常によく質問をいただきます。この質問に関しては私たちのほうで取りまとめをして、このコンソーシアムの中で回答を考えたり、文科省の著作権課の方に御協力いただいて、いわゆる法的にも妥当な回答をつくって、このウェブサイト上に公開するということを行っています。こういったことは、そもそも音声データをつくってもいいのですかという話から、細かい質問をいただくことが多いので、こちらを御覧になっていただけると、本当に。結局、現場では小さな1つの事柄でつまずいてしまって次の一歩が出せないということがあると思いますので、そういったことを支えるような情報提供に努めているところです。
 最後はリンク集ですが、こちらも御覧になっていただけると、いろんな活動へのつながりも見られていいのかなと思っています。
 こういった形でできれば今後もコンソーシアムの皆さんのお力を借りながら、みんなで知識集約や活動の集約を図って、ここを見ていけば、ゼロから始めようと思っている学校でも何からやっていけばいいのかが分かる。しかも先生方が不安にならずに安心して取組を行うことができる。そういったことがこのサイトを通じてできればと思って取り組んでおります。
 私からの説明は以上です。
【吉元補佐(厚労省)】 続きまして、厚労省より御説明をさせていただきます。資料1-2を御覧ください。
 厚生労働省では、令和元年の読書バリアフリー法の制定などを踏まえまして、自治体が実施する読書バリアフリー体制の強化に資する取組に対して、費用の一部を補助する「地域における読書バリアフリー体制強化事業」を令和2年度より実施しているところです。今回は、本事業を活用した取組事例として鳥取県の事例を紹介させていただきます。
 鳥取県では、点字図書館である鳥取県ライトハウスが、県内の公立図書館と共催しまして、視覚障害者の方も含め、視覚障害者の方以外の高齢者の方とかも含めた活字による読書が困難な方などに、読書の楽しみを体験してもらう機会の場として、音声デイジーやマルチメディアデイジー図書の利用体験をしていただく「聞く読書の体験会」というイベントを定期的に開催しております。本日の資料は、境港市民図書館と鳥取県ライトハウスの事例を紹介させていただいているところでございます。
 そういった体験会から希望される方には、大活字本やLLブックなどの案内をするなど、様々なアクセシブルな図書の周知・啓発も行っていると伺っております。
 これらのイベントは、読書困難な当事者の方はもちろん、一般の方も参加対象としておりまして、参加者がそこで得た経験や知識を地域における読書困難者に情報共有し、今度はその人たちが体験会に参加するという連鎖的な動きが生まれるなど、読書バリアフリーに関する取組の普及拡大に資する可能性を秘めた取組となっております。
 また、このイベントは月1回の定期的な開催という継続的な取組でもありまして、参加機会も多く、参加者の属性も図書館関係者だけではなくて、高齢者施設、放課後等デイサービスや学童保育など障害児分野の関係者、視覚障害に関わるヘルパーの方、出版関係者など幅広い分野から視察があるなど、さまざまな方面から注目を浴びておりまして、今後多くの分野への波及効果が期待されると考えているところでございます。
 引き続き、厚生労働省といたしましても、地域での読書バリアフリーが進むよう、各自治体に対して今回のような好事例の周知を図ることで、全国における読書バリアフリー環境の整備に向けた取組を推進していく所存でございます。
 私のほうからの説明は以上となります。
【中野座長】 ありがとうございました。
 それでは、「読書バリアフリーコンソーシアム事業」及び「厚労省の取組」について、意見交換を進めたいと思います。御発言や御意見がある方は挙手もしくは声を出していただければと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の報告に進みたいと思います。
 1-3、文科省の取組報告①(りんごプロジェクト)についての御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【星川室長(文科省)】 続きまして、障害者学習支援推進室の取組としまして、りんごプロジェクト、公立図書館・大学等附属図書館を対象とした実態調査について御報告をさせていただきたいと思います。
 まず、りんごプロジェクトの取組に関しては、資料1-3になります。りんごプロジェクトですけれども、NPO法人ピープルデザイン研究所が毎年秋に渋谷で開催しております「超福祉の学校」というイベントの中で生まれた取組になります。本日御出席いただいております、日図協の佐藤委員もお一人になるのですけれども、読書バリアフリーに関心のある有志の方が集まり、2020年から取組を開始しています。2023年度から文部科学省の委託事業を受託し、活動いただいているところでございます。
 主な取組としましては、全国各地でアクセシブルな図書の体験会、特別支援学校などへの出前授業、公立図書館職員等を対象とした研修会の開催といった活動を通じて、「りんごの棚」の設置を通じた読書バリアフリーの普及啓発活動に取り組んでいただいているというところでございます。
 また、このような取組が評価をされまして、令和7年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰において内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞されました。
 活動実績ですが、りんごプロジェクトに参加されている有志の皆さん、それぞれ本業がある中で非常に精力的に活動いただいているところです。今年度4月から1月末までの実績として、体験会の実施は32回、延べ参加人数は約2,000人。研修会も実施7回、延べ参加人数270人ということで、非常に多くの方に御参加いただきました。
 また、普及啓発活動として、「その他」のところにございますが、「超福祉の学校@SHIBUYA2025」というイベントでシンポジウムを開催いただきまして、こちらは野口委員にも御出席をいただいたところでございますけれども、会場参加、アーカイブの視聴も含めまして2,000人以上の方に御参加、御試聴いただいたというところでございます。
 その様子については、資料の2ページ目に簡単な写真などを載せているところでございます。こちらは東京都立清瀬特別支援学校での体験会の様子になります。知的障害のある小学部2年生の子供たちを対象に、りんごプロジェクトのメンバーとして、佐藤委員から様々なアクセシブルな書籍があることや、誰にとっても読みやすい本があるといったことを御説明いただいて、その後、会場に展示してある様々なアクセシブルな書籍を児童生徒が自由に手に取って、自分が読みたい本を1冊選ぶ。それをみんなの前で発表するといったプログラムになっているところです。
 私もこの学校ではなくて、高等部で行われた体験会、自治体職員向けの研修会などにも参加させていただきました。りんごプロジェクトの皆さんは、一つ一つの体験会、研修会に向けてそれぞれ現場の方と丁寧な打合せをされて、準備を進められているということもございまして、非常に満足度の高い充実した内容になっていたかと思います。また、会場にアクセシブルな書籍をたくさん御用意いただいているので、参加した生徒さん、教員、自治体職員の方などにとっても、新たな発見や気づきがあるような内容になっているかと思います。
 資料1枚目に戻りまして「活動成果」のところですが、「りんごの棚」の普及が広がったということで、ピープルデザイン研究所による整理では、学校図書館約120館に広がりを見せているとのことですが先ほど佐藤委員から御説明をいただきました、今年度文部科学省で行っている実態調査の結果、速報値ではございますが、その集計を見てみますと、令和3年の調査では「りんごの棚」を設置している図書館は約100館ということだったのですが、今年度の調査においては約300館に設置をされているということが分かっているところですので、広がりを見せているかと思います。
 最後に、「今後の展望」のところですが、「りんごの棚」はそれぞれの人に合った読み方ができる書籍があるということを紹介するコーナーですので、それに伴って、当然ですけれども、図書館にたくさんのアクセシブルな書籍をそろえていく必要があります。また、様々な読書支援機器などを充実させていく必要があると考えております。また、そういったことの必要性を含めまして体験会や研修会等の継続的な実施を進めて、その理解を皆さんに浸透していただくということが必要かと思っています。
 「りんごの棚」は、図書館を訪れる方だけではなくて、図書館で働く人たちにとっても、棚の運用などを通じて図書館におけるサービスの向上につながるものと考えております。さらに、図書館を利用される方がアクセシブルな書籍に関心を持って、その普及に向けて何かを始めるきっかけづくり、そして図書館においてその支援が行われるような環境づくりを進めてまいりたいと考えておりますし、また、文部科学省としてもこの取組を引き続き応援したいと考えているところです。
 もしよろしければ、りんごプロジェクトのメンバーでもある佐藤委員から補足情報などいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【佐藤委員】 非常によくまとめていただいてありがとうございます。
 まず、「りんごの棚」というのを知らない人のために。「りんごの棚」自体、最初の取組はイギリスで始まったのです。スウェーデンの図書館の方がイギリスに勉強に行かれて、それを自分の国に持ち帰られて、今はスウェーデンの大体全ての公共図書館の子供室に「りんごの棚」があると聞いています。ただ、日本では子供のためのコーナーではなくて、全ての市民のための様々なバリアフリー図書を体験できるコーナーとして設置するということで、私どもはそういうふうに活動しているところです。
 特に学校図書館、学校での取組を今、行っていて、これはスウェーデンではなくて、日本独自の活動になっていると思うのですが、学校の子供たちにこれらの本を見せると、本当にびっくりするほど飛びついて本を見てくれます。今まで特別支援学校にも幾つもお邪魔しているのですけれども、今まで本とかに全然興味のなかった子供がそれを見てくれるというだけでも先生たちはすごく喜んでくれています。
 そこでいつも思うことは、もちろん子供も様々な図書を知らなかったし、先生、教員も初めて見ましたと。ぜひ使ってみたい、これはどうやって手に入れるのですかと。先生にも知られていないのだなということが分かっています。私どもは社会の図書館や一般のいろんなイベントとかにも出かけていくのですけれども、市民の皆さんもそれらの図書を見てもらって、知らなかったと。使ってみたい、つくってみたいと言ってくる方もいまして、本当に知らないのだなということがどこの会場に行っても分かります。
 あと、読書に困難のない子供たちのところでも私どもはやっています。一般の高校とかでもやっているのですが、多様性、読書はいろんな形があるのだということを子供なりにすごく勉強してくれるのです。いろいろあって当たり前、多様性の体験みたいなこと。これがインクルーシブにつながっていくと。本はすごいのだなということが活動していて思うところです。ありがとうございます。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。非常にすばらしい活動で、なおかつ今年度のバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰を受賞されたということで、誠におめでとうございます。
 では、ただ今のりんごプロジェクトにつきまして、何か御発言がある方はおられますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 1つ質問があります。「りんごの棚」を設置している館が300館まで増えてきたということですが、この設置のためのコストについてです。文字・活字文化推進機構がバリアフリー図書セットを貸出していますので、それを利用している図書館もあるかもしれません。一方、独自で設置している場合、国がそのコストを補助しているということは恐らくないと思います。では、自治体が補助しているのか、それとも各図書館で設置費用を何とかひねり出しているのか、その予算の実情について教えてください。
【中野座長】 では、文部科学省からお願いします。
【星川室長(文科省)】 今回の実態調査では「りんごの棚」の設置にかかる費用に関する調査は実施しておりませんが、国から予算、何らか支援を行っているというわけではございませんので、自治体が独自の予算の中で設置をしていただいているのかと思います。
 佐藤委員、何かあればお願いいたします。
【佐藤委員】 ありがとうございます。
 まさに今の星川室長さんの回答のとおりですが、ただ、「りんごの棚」はバリアフリー図書を並べますけれども、それだけではなくて、例えば障害に関する本とか、バリアフリー図書に関する本、あとはリーディングトラッカーのような読書支援用具やデイジー再生機など様々なものを並べていいと考えているのです。そうなると、図書館や学校図書館は、取りあえず障害者に関する本とか点字についての本があったよねと。何冊かは学校図書館でも出してくれるのですよ。なので、始まりはゼロからでも始められると思っています。今ある本を並べよう。それプラス、少しお金を自分の中でやりくりして一通りいろんな図書を置いてほしいと思っているので、それを買える図書館は買っています。
 学校の「りんごの棚」を見ると、子供たちが自分でPOPを書いたり、小学生でも自分たちで飾りをつくったり、いろんな工夫をされていて、学校はすごいなと思っているところです。
 もう一つだけ。「りんごの棚」は始まりだと思っておりまして、ゴールではない。「りんごの棚」は、ほんの入り口です。まず、図書館は、私たちは様々な読書を支援するぞという姿勢を示している。「りんごの棚」で自分に合った本を見つけてくれる利用者がいますね。そしたら、そこからどうやってその人の読書を広げていけるか。例えばそこでサピエなんて知りませんという図書館員ではどうしようもないわけです。なので、「りんごの棚」は本当に始まり。そこから読書が広がっていく、それを図書館職員がどういうふうにできるかというのが今後やりたいところです。
【中野座長】 宇野委員、よろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。
【中野座長】 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょう。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、「公立図書館・大学等附属図書館を対象に実施した実態調査」についての御報告をお願いします。これまで何度か出てきた話題ではございますが、文部科学省から改めて説明をお願いしたいと思います。
【星川室長(文科省)】 続きまして、今、座長のほうから御紹介いただきました、何度か関係者協議会のほうで触れておりますけれども、文部科学省が今年度実施しました実態調査につきまして、調査の概要と質問項目の御紹介をさせていただきたいと思います。結果につきましては、先ほどより話に出ておりますが、まだまとまっておりませんので、皆様にはもったいぶっているような感じになってしまっておりますが、まずは実態調査、どのような調査を行ったのか、また、どういう質問項目が第二期の基本計画の中で設定した指標と関連をしているかという話をさせていただきたいと思います。
 今回の御説明の目的としましては、次年度も同様な実態調査を行うための予算を文部科学省のほうでは確保しておりますので、その際にどういった調査をしたらよいのかということについて御意見をいただければと思います。では、概要について御説明をさせていただきたいと思います。
 資料は1-4になります。まず、調査の概要です。今回は公立図書館、大学・高専の附属図書館を対象とした2つの調査を行いました。
 質問項目につきましては、2021年に全国公共図書館協議会が公立図書館を対象に行った調査を踏まえたものとしております。そのため、公立図書館につきましては、経年比較ができるような形を取っております。また、大学の図書館につきましては、質問項目はほとんど共通しているのですけれども、障害学生の在籍の有無について聞いているところです。そうしますと、在籍がない年度やある年度によって大学の対応などが変わってくるかと思いますので、そちらが判断する際の参考になるかと思っております。
 調査項目につきましては、資料の2ページ以降にございます。非常に数が多いものになっております。先ほど申し上げたとおり、指標との関係を中心に御説明をさせていただきます。まず、1の障害者サービスの提供体制に関しましては、17条関係として障害者サービスに関する養成講座とか、研修実施の有無、研修会の開催や参加の有無などについて調査をしております。
 2番の障害者サービス用資料の所蔵・貸出状況。その中で資料・書籍の所蔵館数やタイトル数などを調べることとしております。
 3番の障害者サービス用資料の製作状況につきましては、アクセシブルな書籍の製作数に加えまして、9条の関係として国立国会図書館の視覚障害者等用データ送信サービスの提供館になっているかどうかといったことも調べているところです。
 4番の障害者サービスの状況です。障害者サービスの利用登録や郵便貸出、対面朗読や支援機器の設置状況、「りんごの棚」の設置状況なども聞いていて、第10条関係の指標に関連するものとなっているところです。
 また、4ページ、7番の読書バリアフリーに関する法律・計画の認知度及びそれを受けての取組状況という調査をしております。こちらは読書バリアフリー法の認知度とか第二期基本計画の認知度、図書館として自治体の読書バリアフリー計画を知っているかといった認知度についても聞いているところです。
 大学の図書館につきましても同じような質問項目を設けているところですが、大学図書館につきましては、まだ結果を取りまとめ中ではございますが、公立図書館と比較しますと、その取組状況があまり進んでいない図書館が多いという印象を持っております。こちらについては、現に在籍をする学生のためだけではなくて、将来大学の図書館を利用することになるかもしれない人たちのためにも読書環境の整備・充実が必要であると考えているところです。
 先ほど申し上げましたとおり、次年度の調査は、4月、年度が始まってすぐに調査項目の検討を始めて、4月、5月ぐらいには調査項目を固めるというスケジュール感で動こうかと思っております。そのため、次回の関係者協議会に間に合わない可能性もございますので、今回、皆さん方の御意見をお聞きしたく、質問項目だけを提示させていただいているところです。今回網羅的な調査を行いましたので、次年度は例えば特定の項目を深掘りするような調査といったものも可能かと思っています。ただ、対象は公立図書館と大学図書館になりますので、そちらを踏まえまして御意見などをいただければと思います。
 これまでの議論の中で、例えば図書館における障害者サービスの内容や対応がどうなっているのかといったことですとか、また、ディスレクシアの方への対応であるとか、そういったことについて深掘りするといったようなアイデアも思いつきました。もちろん、全てを盛り込むことはできませんので、また来年度もこの実態調査の有識者会議を立ち上げて、そこで御議論をいただきたいと思っているところですけれども、それに向けて御意見などをいただければと思いますし、こちらはまだ時間がございますので、本日ぱっと思い浮かばないとか、よく考えたいということでございましたら、3月の半ばぐらいまでに御意見をいただければと思っておりますので、事務局宛てにメールなど御連絡をいただければ幸いでございます。
 以上です。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。
 それでは、意見交換をさせていただきたいと思いますが、御意見、御質問等ありましたら、お願いしたいと思います。藤堂委員、お願いします。
【藤堂委員】 「ディスレクシア」という言葉を入れてくださってありがとうございます。それを言おうと思っていたところでございます。
 大学で、ないということは絶対にないのです。人口の10%ぐらいいると分かっていて、小学校から始まって、大学の入試のところも全部関わってくるところだと思いますので、ぜひディスレクシア、発達障害全般かもしれないけれども、知的には問題がないのに、読むとか書くということに対してのバリアが高いがゆえに十分に本来の力を発揮できていない子たちへの機会を大きくするということを考えて、まず1個入れていただきたいのです。それがゼロという回答の大学には、私が行ってお話をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【中野座長】 御意見ありがとうございます。
 宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 1つは予算執行が気になります。国から地方交付税として図書購入費が措置されたものの、実際には別のものに執行されてしまって、図書購入に使われていない自治体もあると聞きます。ですので、図書購入費が実際にどの程度使われたのかということを明らかにできないかということです。
 それから、全体の図書館の予算額の中で、バリアフリー図書の購入費など、バリアフリー関係に使われた額は、どれぐらいを占めているのかもばらつきがあるのではないかなと思います。これも俎上にのせていただけるとありがたいです。
【中野座長】 御意見ありがとうございます。
 御検討、よろしくお願いします。
 ほかにいかがでしょうか。
 最初に御発言がありましたとおり、この調査に関しましては、今年度の調査は今後まとまってくることになりますし、次年度に関しては、まだ少し時間的に余裕があるということですので、それぞれ精査していただいた上で、もし御意見等がありましたら事務局にお寄せいただければと思います。
 では、次の議題に進めさせていただきたいと思います。議題2「特定書籍等の製作に係るデータ提供のあり方についての検討ワーキンググループについて」、事務局より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【星川室長(文科省)】 たびたびすみません。文部科学省の星川でございます。
 私のほうから、今年度の関係者協議会では発表が最後になるかと思いますけれども、ワーキングの検討状況につきまして御説明をさせていただきたいと思います。ただ、内容としては、第14回、12月にこの関係者協議会の場で御説明をさせていただいたものからの進展、進捗状況についての御報告となるかと思います。
 違いとしましては、12月に発表させていただいた際は、データ提供依頼の実績が10月の末までということで、まだ期間の途中でした。今回、調査が終了しました12月19日までの数値が出ましたので、発表のほうをさせていただきたいと思います。そういう意味で、第14回で発表した内容と比較をしながらお話をさせていただきたいと思います。
 前回発表の際のデータ提供依頼の実施件数ですけれども、全体で219件だったところ、調査期間終了時点で全体の数は323件になっております。内訳のほうは、この項目自体は、前回、12月の発表とほぼ変わりがなく、数値がそれぞれ伸びているというところがございます。ただ、確認しますと、一部数値が重複している部分があって、1から6番まで内訳がございますが、これを足すと331件ということで、全体件数よりも少し多くなっておりますので、この重複については、今後報告書をまとめるまでに確定をさせてまいりたいと考えております。
 内訳としましては、データ提供323件のうち、データ提供ありとの回答が110件。これは全体の34%ということで、12月発表時点では約30%でしたので、少し伸びた形になります。それから、データ提供の意思表示はあったがデータが届かないという件が12件。確認しますと、行って、まだデータが届いていないというのが26件。データ提供はできませんというのが81件。これが25%ということになっておりまして、12月の発表時点で26%でしたから、こちらの数値もほとんど変わらないということが言えるかと思います。未回答が96件。製作者からの取下げというのが6件となっています。先ほど申し上げましたとおり、内訳につきましては、数値が伸びている部分がありますけれども、全体の傾向としては12月とあまり変わらないということが言えるかと思います。
 そういった状況もございますので、データ提供のあったもののうち、データを活用して製作が完了した件数も数値が伸びているのですが、前回は公立図書館4件、点字図書館4件という回答だったのですが、今回は公立図書館で12件、点字図書館は大きく伸びまして23件ということで、積極的に御活用いただいているということかと思います。
 一方で、提供されたデータを活用しなかった、もしくはできなかった理由につきましても記載をしております。こちらも12月の発表と中身は同じでして、データ提供可否の回答期限内に出版社から回答がなかったであるとか、データ提供までに要する期間が長かった、提供されたデータ形式では製作が困難だったということを御意見としていただいているところです。
 次のページに行きまして、データ提供体制に関する検討課題でございます。こちらも3点挙げさせていただいております。文言が若干変わっておりますが、内容は前回12月で提示したものと変わりません。まずは事務負担の軽減。それに当たっては、データ提供依頼フォームのシステム構築といったものが必要なのではないかというお話をワーキングでいただきました。また、出版社側への理解・啓発。バリアフリー法11条2項、著作権法37条3項の趣旨の説明などを通じて、出版社の方に理解をしていただく必要があるのではないかという御意見をワーキングでもいただいたところです。また、製作者への効率的な製作方法の普及、EPUBからのテキスト抽出ツールの活用といったことも言われているところです。
 また、前回関係者協議会の際に近藤委員のほうから御提案をいただきました教科書バリアフリーの取組につきましても、全視情協さんと日図協さんのほうで勉強会を開かれたということで、我々もそこに参加させていただいて大変勉強になりました。そういったことも今後活用しながら取組を進めてまいりたいと思っております。
 最後に、今後のワーキングのスケジュールですが、3月19日に第5回のワーキングを開きたいと思っております。議題としましては、今回の令和7年度の実証調査の三省合同の結果報告書を確認するということ。それから、来年度も同様に実証調査を行いたいと思っておりますので、その準備状況を共有するということを予定しております。
 また、本ワーキングの検討状況につきましては、関係者協議会において随時報告をさせていただきたいと思っております。
 私からは以上となります。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。
 それでは、意見交換を始めたいと思いますが、御質問や御意見のある方はおられますでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 まず、今は読書バリアフリー法11条2項の制度設計がなされ、その実証実験が進められています。前回の会議でも申し上げましたが、事務負担の軽減やコストのことを考えると、12条の販売の促進も並行して進めていった方が、出版社・障害者それぞれにとってウィン・ウィンになるのではないかと思います。11条2項の制度設計が動き出すとき、12条の制度設計については、2030年度以降になるというお話もあったかと思います。しかし、これでは遅過ぎますし、どこかの段階で11条2項のノウハウを12条の販売促進にも応用していったほうがいいのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
【中野座長】 宇野委員、もしよろしければ、まず最初の御質問について、非常に重要な問題かと思いますので、1つずつ議論させていただいてよろしいでしょうか。
【宇野委員】 はい。
【中野座長】 では、文科省からお願いします。
【星川室長(文科省)】 事務局でございます。
 今、御指摘いただいた点ですが、前回も申し上げたところかとは思いますけれども、11条2項の検討が全て終わってからということではなくて、既に並行して検討を進められている部分も。経産省さんがもしよろしければ補足などいただければと思いますが、全く動いていないということではございませんので、具体的な制度設計がいつからかということは、この場で御説明するのは難しいかと思いますが、並行して進められる部分につきましては積極的に進めていく必要があるかと思っているところです。
 以上でございます。
【中野座長】 次に、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 田中でございます。
 補足をさせていただきます。今、最終的に練っているところでございますが、アクセシブルなEPUBを製作するためのガイドブックをつくっております。これはそもそも2000年ぐらいから文庫出版社がメインになりまして文庫パブリというのが始まったときというのは、PCがスタートで電子書籍をつくり続けてきたわけですが、今、PPSに対応した、どういう注意をするとPPSでもあまり詰まらずにEPUBをつくっていけるかというものの出版社側が注意すべきところ。あとはEPUBのファイル製作の方々が注意すべきところ、ビューアを製作する方々はどういうところに注意してほしいかというのを今回まとめておりますので、こういうことが広がっていくことが、先ほどおっしゃられた12条の中でアクセシブルな電子書籍を広げていくための取組として今、進めているところでございます。既にできている電子書籍を全てこれに合わせていくというのはなかなかハードルが高いことでございますし、代替テキストの問題、どうやって入れていくかというのも、最終的にはAIとかに頼って、そういうところがうまくフォローしていってもらえるような形というのが、将来的に技術が進んでいけばカバーできるとは思っております。
 現状で言うと、テキスト中心の電子書籍はこういうところを注意しましょうというところに関しましては、ガイドブックをつくって、これを広く普及させていきたいと思っておりますし、現状、2月の頭のところで説明会を出版社向けとファイルの製作者向けという形で2回開催させていただきました。出版社向けに関しましては、300人ほどがオンラインで参加していただいておりますし、製作者側、販売者側のほうでは100名ほどが説明会に参加していただいております。ですから、そういう意味では、我々もなかなか手が回っていない部分はございますが、着実に前に進めているということを御報告させていただきます。
 以上です。
【中野座長】 経済産業省のほうからも補足はございますか。
【早坂補佐(経産省)】 今、田中委員がおっしゃったとおりでございまして、今後も引き続き業界の皆様と協力しながら進めていきたいと考えております。
 以上です。
【中野座長】 ありがとうございました。
 宇野委員、今の件に関しましてよろしいでしょうか。
【宇野委員】 ありがとうございます。読書に障害のある人の読書を考えるとき、その対象者は大きく3つのグループに分けられます。1つは、電子書籍が提供されれば、読書できるようになる人。もう一つは、音声読み上げが必要な人。もう一つは、音声読み上げだけでも不十分で、引用したり漢字を確認するためのテキストデータが必要な人です。テキストデータの内容は、学術文献図書ということです。
 今、第一にTTSを進めておられることは理解しています。一方で、基本計画にもあるように、大学生も含め子供たちの学ぶ権利の保障はとても重要だと思います。ですので、学術文献図書、つまり参考書や問題集、専門書のテキストデータの提供については、どうやったら制度設計が進められるか、お考えいただければありがたいです。
 2点目です。これも田中委員にお伺いしたいのですが、今、11条2項の制度設計の中の事務負担の軽減、つまりコストの問題を心配しています。というのは、データの変換にはどうしてもコストがかかります。出版社としては、それを誰が負担してくれるのかというのが本音なのではないかという気がしています。どうすれば11条2項が軌道に乗るのか。この展望を率直に教えていただけるとありがたいです。
【田中委員】 展望ですが、今、JPOに登録している出版社は3,300社ぐらいが登録しており、書誌情報を流しているのですけれども、規模の大小が非常にありまして、大手の版元であれば、テキストを手元に持っていたり、事務負担に関しましてもそういうところが専門の担当がいて、弊社などでもそう言ったセクションがあるので、それがさくさくできるのですが、中小の版元になりますと、非常に厳しい。最近新聞報道もありましたが、紙の出版物が1兆円の売上げを切っているという非常に厳しい状況にありますので、そういう中で負担しにくい人たちが多いというのは事実でございます。だから、一般的に横並びでどうできるかというお話をするのが非常に難しい状況が1つございます。
 あとは、会社によって、印刷会社さんとかそういうところに完全に頼って紙の本もつくり、電子書籍もつくっているところがかなり多いので、そういうところが最終校了データをどうもらっていくのかというときに、印刷会社さんとの交渉みたいなものも個別にございます。その辺はあまりにも個別案件が多過ぎる部分がございますので、これをどうフォローしていくのかという問題は結構残ってしまうかもしれない。
 事務処理に関しましては、今年度から今回のこの実証実験を始めまして、フォーマットからお互いに受け渡してどういう書籍が欲しいですということの受渡しも、エクセルベースのような形でやっている中では混乱がありましたので、その辺は直していって、逆に言うと、今回は事務局のほうでの負担を減らしていく。その後は出版社側とのやり取りをどうやって円滑にしていくかというところが今年度の課題だと思っております。今年度は図書館の数が増えるという形になりますので、もう少したくさんの処理をどんなふうにうまくできるかというところがあります。
 出版社側からは、テキストをやっている我々が動くのだから、コストがかかっているという話は、都度都度いろんな版元さんからは頂戴しているところでございます。では、それは一律どこに幾ら払うのか、誰が払うのかというのは、現状この法律の中にはあまり書いていない部分でございますので、どう考えていくかというのは難しい問題なのかもしれません。
 だから、実証実験を進めながら、今回に関しましてはもう一回出版社説明会をきちんと行って、来年度の事業を行っていく予定でおります。出版社に理解を求めていくというところが1つございます。法律的には分かっていても、例えばちょっと古い本などはテキストもないし、出版社側にも在庫がない場合もかなりありますので、逆に言うと、NDL、国会図書館さんのほうでかなりの量をもうスキャンしていただいていますので、1995年までのものについてはもう国会図書館さんに頼り切ったほうが、もしかしたら安心なのかもしれないなと感じている部分もございます。
 校閲の問題ですけれども、国会図書館さんにある本は大体初版、1刷になっています。現状流通している本は、それが版を重ねている場合は内容の変更がございます。テキストをOCRしたものと現状それが合っていないというのは、内容が多少変わっているのがありますので、国会図書館さんで校閲しても、現状皆様の手元にある本と同じかどうかは非常に微妙な問題であり、その辺はボランティアの方々がお手元の本と見比べていただくしか、方法が無いなというのもあります。その辺は多少NDLのデータを使っていただくと楽になるというところで納得をいただけると我々としてはありがたいなと感じています。これが返事になっているかどうか分かりませんが。
【宇野委員】 ありがとうございます。
 確かに3,000社もあれば、それぞれの事情も違うと思います。一方で、最終的にはどこかに痛みがともなう犠牲がでるような仕組みは、長続きしないと思います。ですので、多くの出版社が、これなら持続可能であるとなるような最大公約数的な解決策を次回のワーキング等でぜひ詰めていただきたいと思います。また、最終的には国に支援していただくしかないような気もしますが、どうやったらうまく回っていくのか、議論を深めていっていただければと思います。
 最後に国会図書館との関係です。国会図書館は、引き続きデジタル化は続けてくださるものと思います。ですので、出版社がデジタルデータを保有し始めた頃までの読書保障は国会図書館の「みなサーチ」に頼る、それ以降の読書保障は電子書籍を購入する、または電子図書館から借りるという仕組みにつなぐことができれば、切れ目のないアクセスが可能になると思います。
 それから、25%の書籍データが提供できないという回答があったということですが、その理由は、デジタルデータがない、もしくは変換にかかるお金がないという2つが主な原因と考えてよろしいでしょうか。
【中野座長】 これは文科省のほうから説明をしていただければと思います。データを集計しておられるようなので、よろしくお願いします。データ提供不可の理由です。
【星川室長(文科省)】 データ提供不可25%、内訳につきましては、複数回答になりますけれども、資料のほうに記載をしているところです。出版社のほうで最終データを保有していないという回答が非常に多かったというところがございます。続いて、データ作成の経費が捻出できないといった回答もございますので、宇野委員の認識のとおりかと思います。
 以上です。
【宇野委員】 やはり最後はこの2つがポイントになると思います。これに対する解をどのように見つけていくか、ぜひ議論していただきたいと思います。
【中野座長】 ありがとうございます。
 河村委員、お願いします。
【河村委員】 ありがとうございます。
 これはどこまで行っても最終的にボランティアに頼るというところで1つ限界があるということと、もう一つは、もうちょっと違った方法を根本的に考えてみるという手段があるのかなと思います。といいますのは、国立国会図書館には納本制度で出版物は納本する義務があるというふうに理解しているのですが、国立国会図書館に納本する際にデジタル納本という手段もあると承知しております。国立国会図書館のほうでは、今、紙で納本されたものをスキャンしてデジタル化するという活動をずっと行っております。これには様々な理由があると思うのです。デジタル納本でもって納本を済ませるということを推進しておられるのだと私は理解しているのですが、そうだとすれば、国立国会図書館が、新しく出版されたものがデジタル納本されたときに、当然DRMを外して、そこでは読める形で納本されるわけですから、いわゆるDRM問題というものもない形で国会図書館には保存されると理解しております。
 著作権法の37条に基づいてアクセシブルな利用者の求める形に変換をするという作業のときに、このDRMが外れた形のデジタル納本されたものを提供するということ、あるいは国会図書館自身が製作をするというチャンネルを考えた場合には、様々な実証実験で何とか工夫しようと思っているところが解決されるというふうに考えられるのです。ただ、その際には納本率を100%に持っていくということが前提になりますし、今もそんなに納本率が高いわけではないと思っていますが、そこは国立国会図書館のほうの事業としても、法律上の義務でもありますので、出版社からも著者からも御協力をいただいてきちんと納本をする。それを用いて、必要があるものについては国立国会図書館及びボランティア等で利用者に提供するという、著作権法37条で規定された製作団体がそれを製作すると。サピエあるいは国立国会図書館のネットワークでそれを配信するというのがもう一つのチャンネルかなと思うのですけれども、そういったチャンネルについてはどのようにお考えになるのか、御意見を伺いたいと思います。
【中野座長】 河村委員、これは国会図書館への御質問でしょうか。それとも文科省ですか。
【河村委員】 両方です。ワーキングと国会図書館。
【中野座長】 では、まずワーキングを所管しておられる文科省から御回答いただき、その後に国会図書館から御回答いただきたいと思います。
【星川室長(文科省)】 今年度のワーキングにおいても非常にいろいろな御意見をいただいております。1個前の話になるかもしれませんが、コストをどうするかとか、大規模にどういうふうに運用していくかといった中で、国会図書館の名前もたまに出ることもございます。何らか我々も国会図書館と連携しながら取組を進めていければいいかなと考えているところです。
【川西課長(国立国会図書館)】 国立国会図書館でございます。
 今、「デジタル納本」という言葉が出てまいりましたけれども、国立国会図書館の納本制度としては、まず紙の本が出たら、紙の本は入れていただくということと、デジタルについて、電子書籍、電子雑誌などにつきましては、オンライン資料の収集制度というのがございまして、それに基づいて電子書籍、電子雑誌という形で出版されたものを納めていただくということになっております。ですから、紙でしか出ていないものについては紙でだけ納本されるということになります。また、電子書籍、電子雑誌につきましても、現在、例えば紙と同一の版面で出版されたものなどは、紙のほうを優先させるなどの例外といいますか、制度収集の対象にならないものなどもございます。現在こういった収集制度があるということへの周知も進めているところでございます。そういった状況でございますので、まず電子書籍を国立国会図書館としては収集していくというところに力を入れていきたいと考えております。
【中野座長】 河村委員、お願いします。
【河村委員】 電子書籍を収集するという国立国会図書館の方針は、それはそれでいいと思うのですけれども、電子書籍を用いてさらにアクセシブルな図書を製作するという方法もあるわけです。その場合には、マラケシュ条約の中では明確に、技術的な著作権保護手段を用いている場合には、製作する団体に対して、国は技術的保護手段を何とかして製作できるようにする責任を負うというふうに書いてあると考えるわけです。そこで、例えば電子出版しかしていないものが現れたときに、これは文化庁のほうにも確かめてみたのですが、37条で製作する場合、いわゆるDRMを外して行ったとしても、37条の要件を満たしていれば37条の適用を受け得るという回答は得ております。ただ、それを公立の図書館あるいはこういった製作団体がどうやって解除するのかということはなかなかハードルが高いものがあると考えますので、幾ら違法ではないと言われても、なかなかできないという実態があるのだと思います。したがいまして、そこで国立国会図書館に電子書籍を納本される場合には、当然国民がそこに行って閲覧できる形で納本されるということだと思いますので、何らかの形でDRMを外れた形でこの製作館に提供するということまでもやれるとすると、恐らく国立国会図書館が一番距離が近いのではないかと思います。
 このような様々な理由から、今、ワーキンググループでやろうとしていることについて、国立国会図書館のほうでもぜひ積極的にどのような協力の方法があるのか御検討いただきたいと思います。
【中野座長】 ありがとうございます。
 御意見ということで、可能な範囲で御検討いただければと思います。
 ほかに。植村委員、お願いします。
【植村委員】 このデータ提供依頼の内訳はどのようなものでしょうか。資料にある内訳のことではなくて、例えば文芸が多いのかといった分野などです。どういうものがテキスト提供としてニーズがあったのかは今後の検討において重要な点だと思います。先ほど宇野委員からもありましたが、文芸と教科書や教材では違いがあります。。あと、発行年はいつ頃なのか。「みなサーチ」サービス以降なのか、あるいは出版社が電子書籍をつくる以前の2000年代辺りのものが多いのか、そういった内訳的な分析があれば、教えてください。それは来年度の調査に向けて知りたいところです。
【星川室長(文科省)】 書籍のデータ自体はISBNを取っておりますので、全て追うことができるのですが、全体としてはそういったところの分析にまではたどり着いておりませんので、次年度に向けての検討事項とさせていただきたいと思います。
【植村委員】 よろしくお願いします。
【中野座長】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、時間も大分迫っておりますが、最後の議題3「その他」について、事務局より報告事項があるということですので、御説明をお願いしたいと思います。
【吉元補佐(厚労省)】 事務局の吉元です。
 報告が2点ほどあります。1点目は、今年度も全国の自治体に対しまして、視覚障害者等の読書環境の整備に関する計画の策定状況の調査を行う予定です。なお、調査につきましては、できるだけ自治体に負担がかからない範囲で、施策の進捗を管理する上で必要と判断した項目として2点ほど質問を追加させていただいております。A3の用紙で2枚物の参考資料1を御覧ください。
 追加の1点ですけれども、今回は読書バリアフリー基本計画の第二期が始まって最初の調査でございますので、そのため、第一期基本計画の期中に、計画策定済みの都道府県等に対しましては、今般の第二期基本計画の内容を踏まえた計画見直しの対応状況を問う項目を設けさせていただいているところでございます。なので、こちらは第一期の基本計画を策定した都道府県に限っての質問という形になります。
 2点目ですが、以前構成員の方からも各都道府県において、管内の一般市町村の策定状況に関する御意見がありましたことも踏まえまして、まずは都道府県に対しまして、管内市町村の計画の策定状況を把握しているかという項目を2枚目に追加をさせていただいているところでございます。その結果を踏まえまして、今後、さらに深く掘り下げて聞くかどうかというのは、次回以降の調査に盛り込んでいくのかなと考えているところでございます。
 なお、今回の調査結果につきましては、来年度の最初の協議会で報告させていただく予定です。
 報告の2点目です。来年度の関係者協議会についてですが、今年度同様、複数回開催する予定でおります。各回の議題につきましては、関係省庁において調整させていただきますけれども、本日もいろいろと話題には出ましたが、例えば読書バリアフリー法第12条に関することや著作権法です。著作権法自体の知識とかその辺に関することなど、これまで関係者協議会において提起されてきた事項を参考にして設定をしていきたいと考えております。
 来年度の関係者協議会におきましても引き続き皆様の御協力をいただけますと幸いでございます。
 事務局のほうからは以上となります。
【中野座長】 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明に関しまして御発言があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。宇野委員、お願いします。
【宇野委員】 2点目について、お願いします。今年度は、関係者協議会を3回開催していただきました。来年度も複数回開催していただけるというのは、とてもありがたく思っています。ありがたいんですが、来年度からは課題を議論していく時間をたくさん取っていただきたいと思います。というのは、今日も報告で半分以上の時間が経過しました。一方、これまで関係者協議会を6年間続けてきて、課題もたくさん出てきましたが、それらをしっかり議論する時間が十分に確保されてこなかったようにも思います。本来読書バリアフリー法18条の立法事実は、当時すぐには解決できなかった問題を関係者が協議し、解決策を見出していってほしいというものでした。ぜひ課題になっている問題の解決策を議論できるような時間をしっかり確保していただきたいと思います。
 課題というのは、今、お話のあった12条のこともそうですし著作権のこともそうです。盲学校のサピエ加入率がまだ半分程度である問題もずっと提起していますが、未だ解決には至っていません。今日の佐藤委員のお話の中にも、郵便制度の問題や日常生活用具の問題がありましたが、これらもずっと言われてきたことかと思います。このようなことをきちんと議論できるような真の意味で関係者が協議できる場にしていっていただきたいと思います。
【中野座長】 御意見ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 大きな課題もたくさんございますので、この会議体の中で権限として議論できることと難しいこと、持ち帰らざるを得ないことというのはそれぞれあるかと思います。今、御指摘がありましたように、必要な議論に関しましては、ここでなるべく皆様の御意見を出していただきながら、課題解決に向けた方向性について道筋を一緒に考えることができるとよいかなと思っております。
 先ほど御報告がありましたように、来年度もそのために会議の回数をしっかり確保していこうというお話でございましたので、皆様方、お忙しいと思いますが、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
 その他の議題として事務局から用意させていただいたのは以上だと伺っておりますが、皆様からよろしいでしょうか。
 それでは、本日予定しておりました議題は以上で終了となります。
 最後に、今後のスケジュールに関しまして、事務局より改めて御説明をお願いしたいと思います。
【吉元補佐(厚労省)】 事務局の吉元です。
 本日は長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。
 今年度の協議会は本日の第15回をもちまして終了とさせていただきます。最初の第13回のとき、事務局としても不手際のある中で、座長をはじめ、委員の皆様には読書バリアフリーの推進に向け様々な御意見をいただき、誠にありがとうございました。
 次年度につきましては、追って事務局より御案内をさせていただきますので、委員の皆様におかれましては引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【中野座長】 御説明ありがとうございました。
 本日は交通機関の乱れで開始が5分遅れましたが、5分延長ということで、時間どおりに終わることができました。皆様の御協力のおかげだと感謝しております。
 それでは、本日はこれで閉会といたします。また次年度の関係者協議会で皆様にお会いして議論を深めることができればよいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 
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