学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議(第12回) 議事録

1.日時

平成30年11月22日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」事業受託団体ヒアリング
  2. 「超福祉の学校」~障害をこえてともに学び、つくる共生社会フォーラム~実施報告
  3. 学校卒業後における障害者の学びの推進方策 とりまとめに向けた議論
  4. その他

4.議事録

【宮﨑座長】
 それでは,定刻になりましたので,ただいまから第12回学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議を開催いたします。本日は,お忙しいところお集まりいただき,誠にありがとうございます。
 まず事務局より配布資料の確認等をお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 本日の配布資料は,議事次第にございますとおり,資料1-1から資料4,そして参考資料1から8となっております。
 1点,参考資料8について御説明をさせていただきたいと思います。参考資料8,恐らく下から2番目にございますので,そちらを御覧いただけますでしょうか。平成30年度の「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰の対象者の決定に関する資料をお付けしているところでございます。今年度は,67件の個人及び団体が表彰されることとなりました。また,表彰式を12月4日に文部科学省にて開催の予定としております。詳細については,後ほど,資料を御確認いただければと思います。
 また,委員の皆様には,机上配布資料としまして,秋田県教育委員会からの事業報告について御確認,御議論いただきたいポイント例をお付けしているところでございます。ヒアリングの際の御参考として御活用ください。
 そのほか,ドッチファイルの中に関係資料を御用意していますので,適宜御参照いただければと思います。
 また,念のため,本日のマイクシステムについて御説明させていただきます。真ん中のボタンを押していただきますと赤くランプが付きますのでお話しいただいて,お話が終わりましたら,再度ボタンを押してランプを消していただきますようにお願いいたします。
 以上でございます。

【宮﨑座長】
 本日は,秋田県教育委員会からのヒアリングを行った後に,11月10日,11日に渋谷で開催されましたフォーラムの実施報告,本会議の取りまとめに向けた議論を行います。
 それでは,議題(1)に入ります。
 最初に,本日ヒアリングに御対応いただく皆様を,事務局から御紹介をお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 それでは,秋田県教育委員会の取組について御説明いただく方々を御紹介いたします。
 まず,秋田県教育庁生涯学習課長の中山恭幸様です。

【中山氏】
 よろしくお願いします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 同じく副主幹の佐藤潔様です。

【佐藤氏】
 よろしくお願いします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 同じく社会教育主事の小川成樹様です。

【小川氏】
 よろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 北秋田市障がい者生活支援センター「ささえ」相談支援専門員の成田友加子様です。

【成田氏】
 成田です。よろしくお願いします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 そして,本日,委員の皆様にカフェのサービスをしてくださいました「sasaeカフェ」の皆様にも御参加をいただいています。おいしいコーヒーをありがとうございます。(拍手)
 秋田県の皆様,お忙しい中,ありがとうございます。本日は,どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

【宮﨑座長】
 それでは,秋田県の取組についてお伺いしたいと思います。
 その前に,事務局からもありましたように,今日は障がい者生活支援センターのささえの皆様に,喫茶サービスをいただきましてありがとうございました。とてもおいしく頂戴いたしました。重ねてお礼を申し上げます。
 それでは,どうぞ皆様,よろしくお願いいたします。

【中山氏】
 それでは,取組について御説明をさせていただきます。秋田県教育庁生涯学習課でございます。是非コーヒーを飲みながらゆったりと聞いていただければと思います。
 早速,説明に入らせていただきますけれども,資料1-1を御覧ください。
 まず,生涯学習支援モデル事業を始める前に,秋田県では,生涯学習支援の連絡協議会を設置しております。その経緯について簡単に御説明をさせていただきます。
 まず,秋田県の生涯学習ですけれども,小畑勇二郎知事が,生涯学習を推進していくということで,政治も行政も教育に始まって教育に帰着するという思いで生涯学習を推進してきておりまして,この秋田県第三次総合開発計画というところで,大きな柱の3つ目に生涯教育を位置付けて推進をしようというふうな形になっております。
 その当時,小畑知事が,生涯学習の必要性を大きく3つ述べておりまして,1つ目としては,社会経済情勢の急速な変化ということで,未来社会では人間は一生学び続けなければならないということを言っております。もう1つは,社会における価値観の変化ということで,所得は増えたけれども,過疎,過密が進展してきて,精神面では豊かになった状況ではないのではないかということ。もう1つが,寿命が延びたということで,第二の人生を生涯教育を通じて明るく充実したものにしていきたい,そういった思いで秋田県の生涯学習が始まったところでございます。1972年,生涯学習推進本部を設置して,全県的に取り組んでいく体制を作ったという状況でございます。
組織図を示しておりますけれども,生涯学習推進本部には,本部員がおりますけれども,県庁内の全ての部局の部長が入っている体制になっております。その中に,連絡協議会を立ち上げるわけですけれども,大きな動きとしては,障害者差別解消法の施行とか,文科省の方からも特別支援教育の生涯学習化に関する大臣メッセージとか,そういうものが出されておりまして,そういった流れも踏まえて,秋田県の中でも推進していこうという形になりました。
 そこで,こういった取組を進めていくためには,やはり部局横断的に取り組んでいくところが不可欠であろうということで,知事にも直接御説明をしまして,この推進本部の中に連絡協議会を作ったという状況になっております。
 協議会の中身については,書いてあるとおりでございますけれども,部局横断的に連絡調整を行いながら事業を推進していくということで,下の方にも書いておりますけれども,連絡協議会の委員ということで,生涯学習課長が委員長になりながら,部局横断的に委員になってもらって,これから障害者の生涯学習を推進していこうという状況になっております。

【小川氏】
 続きまして,秋田県の障害者の現状について御報告いたします。
 秋田県ですが,特別支援学校は15校ございます。視覚,聴覚,肢体不自由の3校のほかに,12校が知的障害の特別支援学校ということになっております。
 過去5年間の推移を見ますと,200名程度が高等部を卒業して社会へ巣立っていくということが続いております。
 昨年度,秋田県では,課題や現状を把握するために,全市町村にアンケートを実施しております。障害者が参加可能な講座を実施している市町村は,25市町村分の13ということで52%。また,障害者を対象とした講座を実施している市町村は,25市町村分の3の12%ということで,予想以上に少なかったということが分かりました。
 また,特別支援学校のPTAの方々から,保護者の声としまして,卒業後は居住地で生活するために,特別支援学校在学時の仲間と会う機会が少ないですとか,休日はゲームなどをして家で一人で過ごすことが多い。また,親亡き後,子供が地域で生活できるか心配である。さらには,放課後等に活動できる場所がもっと欲しいというような声が聞かれております。
 こういった現状を把握しまして,こちらの事業に応募したという経緯がございます。
 続きまして,実践研究事業の概要です。
 今申し上げました現状を踏まえまして,秋田県の取組としましては,3年間の事業で次の3つの機関が連携し,本事業を実施したいと考えております。
 県では,まず,「連携協議会」を開催しております。先ほど説明がありました「障害者のための生涯学習支援連携協議会」も開催しております。このことにより,庁内関係部局との連携を図りながら情報共有,プログラム等の検討などを考えていきたいと思っております。
 また,生涯学習センターについてですが,卒業生や保護者等に対する詳細なニーズ調査,また市町村行政職員等に対する研修の実施,障害者理解に関する啓発講座の実施ということで,本事業の中心的な役割を担ってほしいというねらいのもと,実施していきたいと考えております。
 パイロット事業については,地域の関係者による連絡会議を実施し,実際にプログラムを実施してみて,効果的な学習プログラムや実施体制について検討しているところです。
 連携協議会には,生涯学習センター,またパイロット事業先の方々も参加しております。
 生涯学習センターと県生涯学習課については,この事業について連携を図って話合いなどを行っているところです。
 パイロット事業先での連絡会議や講座には,生涯学習課が直接出向き,お話を伺ったり,相談したりしています。
 連携協議会については,取組の情報共有,また効果的な学習プログラムの検討を中心に行っております。生涯学習センターの取組については,調査研究,研修,障害者理解に関する啓発という3点で取り組む予定です。
 調査研究では,特別支援学校の在校生や卒業生に対するニーズ調査,市町村への意識調査,事例研究等を行い,全県的なニーズや課題を探っていく予定であります。
 研修では,市町村関係職員や生涯学習関係職員等を対象とした研修会を実施,本事業を取り上げ周知していく予定です。
 障害者理解に関する啓発については,パイロット事業先の紹介や障害理解に関する講座を開催する予定であります。
 続きまして,パイロット事業先3団体は,年に3回,連絡会議を行っております。生涯学習講座は,それぞれ基本的に地域の公民館などの社会教育施設で行われております。
 それでは,簡単にパイロット事業先での取組を御説明いたします。
 今日いらしている北秋田市障がい者生活支援センターささえの取組です。こちらについては,今日,コーヒーをお召し上がりいただいたと思いますが,カフェの開催が取組の特徴ということになっております。
 もう1つの事業先の能代市中央公民館です。こちらについては,市の指定管理を受けている芸術文化協会の公民館ということで,イベント主催等のノウハウの活用が大きな特徴として挙げられます。
 続きまして,社会福祉法人の潟上天王つくし苑です。こちらの特徴としましては,高校生ボランティアの活用が挙げられます。初めて障害者と関わる高校生もいますので,始まる前に障害者との関わり方について,施設の職員から研修を実施した上で,実際に講座に参加しています。
 次に、本事業の成果の活用についてです。県内関係者への障害者の生涯学習に関する研修と啓発ということで挙げております。
 研修会としましては,パイロット事業先での3年間の取組について,県の実践報告会等で発表するなどして,各市町村での学習プログラムの実施,質の向上を図っていきたいと考えております。
 また,秋田県の総合教育センターでの教育研究発表会で障害者の生涯学習の取組について発表させていただき,幼・小・中・高・特別支援学校の教員に対して理解啓発を図り,学校在学中からの生涯学習に関する意識を高めていきたいと考えております。
 生涯学習センターの啓発講座とありますが,こちらについては,障害福祉関係の研修等で本事業の取組について発表することで,障害福祉に携わる関係者の方々へも理解啓発を図っていきたいと思っております。
 啓発の例としましては,リーフレットを市町村に配布したり,市町村単位のフォーラムなどが開催できればと思っております。
 これらを通して各市町村での学習プログラムの実施・質の向上,又は教員や障害福祉関係者に対する理解の向上を目指していきたいと思っております。
 次に、生涯学習センターと市町村との連携についてです。こちらについては,市町村行政職員への研修機会の提供,また,ニーズ把握,調査研究を通して市町村が抱えている課題に生涯学習センターが出向き,市町村の社会教育主事と一緒に考えていくような仕組みづくりができればと考えております。
 このことによって,市町村が生涯学習推進計画へ事業等の明示をしたり,講座の充実,又は事例発表会等の開催ができればと考えております。
 障害者生涯学習推進に関する秋田県ビジョン(3年後)を挙げております。
 まず,講座実施率の向上ということで,先ほど,52%,12%と挙げましたが,100%を目指していきたいと思っております。
 また,事業終了後の持続的な取組体制の構築としましては,生涯学習センターの知識・ノウハウの蓄積,調査研究等を通してセンターの社会教育主事が市町村の相談に応じたり,助言を行うなどの実施が考えられるのではないかと思います。ちょうど特別支援学校のセンター的機能の役割と同じように考えていければいいかなというふうに思っております。
 続きまして,県内特別支援学校における「生涯学習」に関する位置付けの明確化です。
 一例を挙げますと,秋田県立能代支援学校の学校要覧の「本年度の重点」に,生涯学習の推進を掲げております。秋田県の特別支援学校は,地域の特色に応じて地域との関わりを重視している学校がほとんどで,「生涯学習」という言葉が意識されていないだけで,基盤はできていると考えております。このような取組が広がることにより,特別支援学校での生涯学習に関する学習の充実につながっていくと考えております。
 最後になりますが,各地域の「障害者の生涯学習」の充実ということで,地域の自立支援協議会について例として挙げております。
 こちらの自立支援協議会は,パイロット事業先の連絡会議の委員と構成が似ているところがございます。パイロット事業先での連絡会議等を自立支援協議会でも活用することはできないか,生涯学習課と障害福祉課で相談している市がございます。委員に生涯学習関係職員や社会教育主事が加わることで,こちらの自立支援協議会の活用も考えていけるのではないかと思っております。
 さらには,障害者の生涯学習を実施していない市町村においても,自立支援協議会等を活用し,議論ができるのではないかと考えております。
 私からは以上です。

【佐藤氏】
 では,続きまして,私から,Gちゃんサミットということで,この後,発表していただきます北秋田市の障がい者生活支援センターささえさんの委託に至るまでの経緯について説明したいと思います。
 北秋田市は,平成17年に旧4町,鷹巣,合川,森吉,阿仁の4町が合併した市であります。人口は10月1日現在,3万1,292人,人口密度は1平方キロメートル当たり27.1人,結構広い面積を持っております。高齢化率が平均で40.7%ということですので,地区によっては50%を超えている地区もございます。現在から2045年までの将来推計人口ですが,現在,3万1,292人ですが,推計によりますと,2045年には半数以下に減少するという推計が出ておりまして,このままでは地域の存在すら危ないというようなところでございます。
 その中,どこの地方都市にもありますとおり,若者がいないとか,定住ができないとか,商店街がシャッター街になっている,“まち”がなくなるというような危惧がございまして,当時の北秋田市の教育委員会から,公民館からこの地域課題を解決するようなことはできないかというような相談を受けております。そんな中,2014年6月に出ました『中央公論』に,消滅する市町村,増田レポートが出まして,秋田県は25市町村のうち,米作りをしている大潟村以外は全て市町村がなくなってしまうというショッキングな話が出されましたけれども,『中央公論』のこの表紙にある写真ですが,北秋田市のJRの鷹巣駅前の銀座街というところの写真でありまして,非常にショックを受けまして,私,『中央公論』に電話をしたんです。「これは北秋田市をねらって写真を載せたんですか」と聞いたら,『中央公論』の方で,フリーの素材があって,シャッター街という素材の中にこれが一番いいと思って載せたということで,ちょっと安心しましたけれども,『中央公論』に載るということで我々も非常に危惧したところでございます。
 そんな中,当時の生涯学習政策局社会教育課の事業で,「公民館を中心とした社会教育活性化支援プログラム」がございましたので,これに応募しまして,採択を頂いて2年間取り組みました。
 1つは,「まちづくり×人づくり」ということで,公民館が学校や地域の核となって地方を応援するということ。2つ目は,高校生による地域づくりができないかということ。そして3つ目が,高齢化率が高いということは高齢者がたくさんおりますので,それをマイナスと考えずに,高齢者に活躍していただこうということで,高齢者のアクティブシニア活動推進モデルと3つの柱を立ててこのプログラムに取り組んだというところであります。
 このポンチ絵は,当時の社会教育課の方から全国の事例として出された資料をそのまま載せております。
 そこで,Gちゃんサミットでありますけれども,Gちゃんは,おじいちゃんということだけではなく,このGというのは,グランドファザー,ゴールド,元気,グレイトなど,経験豊富な方々の総称として「Gちゃん」としております。それぞれ地域に住む高齢者の方々に焦点を当てまして,様々サミットを実施しておりました。これは1回目と2回目のポスターであります。次が3回目,4回目,5回目,6回目と,それぞれ高齢者に焦点を当ててきましたが,今年度の7回目に関しましては,この事業を受託したということもありまして,高齢者だけではなく,障害を持つ方々も市民として参加していただこうということで,高齢者,そして障害のある方々が一堂に会してのサミットを開催いたしました。
 これは,この後,発表していだたく成田友加子さんのミュージックケアということでのワンシーンでございます。その中で,市民の方々と一緒に,今日こちらに来ております「ささえ」の当事者の方々も一緒になって交流しているというところでございます。当日は,当然,「Sasae Cafe」でいろいろなものを販売したり,コーヒーでサービスしたというところでございます。
 Gちゃんサミットの事業の成果としましては,もちろん高齢者の方々,これまでであれば,うちにこもる方が非常に多かったのですが,外に出やすい環境づくりや仲間づくりを通した交流ができるようになりまして,高齢者にとっても閉塞感が減ってきて,健康で長生きできることを意識できたのではないかと思います。
 それから,今回でありますが,障害のある方も参加したことで,高齢者の方もこれまでであれば支えられるという立場,意識が多かったのですけれども,やはり障害者の方々もおりますので,自分たちも支える立場にもなるということを意識したようでありまして,市民全体で支え合いながら生きていく共生の意識が芽生えたのではないかと思います。
 課題としましては,まだまだ少子高齢化や地域課題についての危機感は低いのでありますけれども,特に障害のある方への先入観をなくす研修やお互いが触れ合う機会を更に多く設定することが必要なのではないかという話が出ております。
 また,障害のある方や高齢者を理解し,応援してくださる市民の方々とつなぐ役割を果たす人材を育成しなければいけないのではないか。あるいは,それぞれの方々が活躍する拠点施設の整備も急務であろうというようなことが課題として挙げられております。
 私からは以上であります。

【成田氏】
 北秋田市障がい者生活支援センター「ささえ」の相談支援専門員の成田友加子です。今日は,Sasae Cafeのコーヒーを飲んでいただきありがとうございます。
 それでは,報告させていただきます。
 北秋田市障がい者生活支援センターは,障害者を支えるという意味から,愛称を「ささえ」と言い,平成19年4月,社会福祉法人県北報公会が北秋田市の指定管理を受けて開所しました。ささえは,障害福祉サービス形態はとっておらず,その人が必要とする生活支援,余暇支援,就労支援,相談支援などを提供しています。後に,平成28年度4月から,ささえの2階に就業・生活支援センターが開所,同年,ささえの機能に地域活動支援センターが加わりました。1日平均20名くらいの方が利用されています。
 利用される方は,初めは自分の考えを伝えることが難しく窮屈な思いをしますが,次第に自信が付いて,将来の夢を話すようになってきます。このような地道な取組が年々実を結び,ささえ10周年記念式典,昨年ありましたが,私たちの未来予想図と称して,自分たちの大きな夢の地図を描いて地域の皆様に発信することができました。
 今回のSasae Cafe実現に向けた取組は,長谷川達也さんの「将来,カフェをやりたい」という一言からでした。長谷川達也さんは,人間関係を持つことが苦手でした。今朝の満員電車もどきどきしていたそうです。そんな彼は,ささえにいらっしゃるお客様に,職員に代わってコーヒーを淹れてくれました。彼が淹れてくれるコーヒーはとてもおいしくて,何回も褒められたことで,コーヒーを淹れることが楽しくなり,自信を持つことにつながりました。
 彼の気持ちを是非実現したいと,北秋田市福祉課や北秋田市連絡協議会の皆さんなどが一緒に考えてくださり,北秋田市と友好都市協定を結んでいる国立市の国立市公民館内「喫茶わいがや」を視察することになりました。喫茶わいがやの取組は,まさに私たちの理想とするものでした。生きてきた背景は違っていても,支え合い,認め合うことで,自己肯定感を育み,自信を取り戻しながら自分の居場所を見付けることができる機能が満たされていました。喫茶わいがやを自分たちの目で確かめることで,Sasae Cafe運営をイメージすることができたそうです。同行してくださった方々にも,達也君たちの気持ちを理解していただく大きな機会となりました。
 視察後からは,カフェ活動が本格的に始動,活動の拠点地がありませんので,交流カフェと称して講座を開催したり,地域のイベントに出店したりしました。拠点地に関しましては,駅前にぎわい創出の観点から,先ほど,スライドにありましたシャッター街を中心に空き家を探しましたが,トイレがバリアフリーになっていない,家賃が高いなどの課題があり,大変苦難しているところです。
 相談業務では,日々様々な相談をお聞きする中で,特に医療的ケア児を含む重度障害者などの卒業後の居場所がないことや,親亡き後の生活支援が課題です。また,学校卒業後,人間関係や生活リズムが乱れたり,余暇の過ごしが充実していないなどの理由で引きこもってしまい,離職した方々からの相談も多いのが現状です。
 生活力が落ちている障害者に対し,様々な機関と連携した多方面からの生活スキルやコミュニケーション力の向上に向けたアプローチが,この事業で取り組むことだと私たちは捉えています。
 そこで,私たちは,カフェ活動を場とした学習プログラムの目的を,このように設定いたしました。実際の活動の一部を御紹介いたします。
 10月に,重度障害者の交流カフェを行いました。就労支援の観点から,重度障害者がカフェの店員になり,関係機関の方々と交流しました。8月は,特別支援学校のPTAが中心となって企画した学校開放を兼ねた夏祭りイベントにSasae Cafeも出店しました。そのほか,マナー講座,コーヒーの淹れ方講座などを開催しています。
 今後の予定ですが,12月には,秋田県立比内支援学校たかのす校の絆カフェさんと,北秋田市教育委員会生涯学習課主催の生涯学習フェスタで,カフェのコラボをする予定です。
 活動を行っていく上で課題とされるのは,活動拠点地の確保とスタッフの確保で,今後の対策を検討しています。北秋田市は,人口減少,少子高齢化が特に進んでいます。そんな北秋田市を支えていくのに障害のある方たちが力になり,その拠点が今回の事業の取組になれたらいいなというのが願いです。
 では,ここでSasae Cafeのメンバーの声を聞いていただきたいと思います。
 戸嶋さん,お願いします。

【戸嶋氏】
 僕は,最初はカフェには興味がなく国立市での研修には行かなかったけれども,コーヒーの淹れ方講座を受けたことがきっかけで,少しずつ興味が沸いて,ネットでも調べてみてラテアートが出てきたので,カフェをやりたいと思うようになりました。

【成田氏】
 長谷川達也さん,お願いします。

【長谷川氏】
 僕は,国立市に行って障害者の喫茶店でコーヒーの淹れ方を教えてもらったことがすごく勉強になりました。なぜカフェをやりたいと思うようになったかというと,ささえの職員やお客さんにコーヒーを淹れていたら,少しずつコーヒーが好きになってきて,いろいろな人たちにコーヒーを作りたいなと思いました。今やりたいことが現実になってきていてうれしいことですが,これから忙しくなると思うと少し不安です。体力を付けて,コーヒー作りをもっと勉強していきながらSasae Cafeを頑張ります。
 以上です。

【成田氏】
 最後に,朝のコーヒーはいかがでしたか。水は世界遺産の白神山水を使用しました。まだまだ修行中ですが,いっぱいいっぱいに愛情を込めました。
 お手元にお届けしましたコーヒーミルクセットについてですが,そこに付いているカードはメッセージカードとなっています。後ほど是非御覧いただければ幸いです。私たちの夢を発信できる機会を与えてくださったこの事業に感謝いたします。ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明の補足説明として,最初に是松委員から,国立市の取組についての御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

【是松委員】
 東京都国立市教育委員会教育長の是松でございます。
 それでは,ただいま御報告を頂きました北秋田市のささえさんの喫茶活動を通じた学びの取組につきまして,1980年代から社会教育の実践として喫茶コーナー活動を展開してきました国立から,簡単に補足的な説明をさせていただきます。
 国立市は,人口約7万5,000人です。このうち障害者手帳の取得者数は約3,000人となっています。公民館は1館だけなんですけれども,多様な社会教育事業を展開する中核的な生涯学習施設としての歴史がございます。
 実は,北秋田市と国立市は,かねてより児童交流を行っておりまして,近年では,北秋田市の伝統行事を国立市で再現する「国立まと火」というようなものも開催するなど交流を深めておりまして,今年7月,先ほど御紹介のあった北秋田市関係者の方々の「喫茶わいがや」等の視察・交流が実現いたしました。
 また,先月18日には,「国立市・北秋田市友好交流都市協定」を締結いたしまして,その当日に北秋田市で開催された,これも先ほど御紹介がありました7回目となりますGちゃんサミットには,国立市関係者が出席,登壇して,「喫茶わいがや」について講演するなど,新たな展開も生まれているところでございます。
 国立市では,公民館主催事業として,1979年から「しょうがいしゃ青年教室」を開催してきました。国立市内在住・在勤の障害者向けの余暇・文化活動の取組でございまして,現在は7つのコースに分かれて,各コース,月1回程度,活動しています。平成30年度には,主に知的障害の手帳を有する58名が参加登録しています。活動を支えるボランティアスタッフには,約30名の若者たちが関わっています。
 喫茶わいがやは,1981年より市民グループの「障害をこえてともに自立する会」が運営し,教育委員会が公民館の一部について行政財産の使用許可を出して,非営利の喫茶コーナーの運営を行っています。10から30歳代を中心とする学生や会社員,主婦等のスタッフ約20名がローテーションで障害者とともに活動しています。
 公民館とは,「しょうがいしゃ青年教室」の喫茶実習コースや課題を抱える若者の支援事業等と連携して,障害者等の学習支援や社会参加支援を展開しています。
 「喫茶コーナー」とは,多くは障害者が働く場としてのカフェあるいは喫茶として実施されていますが,国立市公民館の喫茶コーナーは,実習,就労体験の場として,障害の有無に関わらず集える居場所として共生に向けた学習拠点として活動してきました。こうした障害者が就労する喫茶コーナーは,今,全国に600以上あるとされていますが,その第1号が「喫茶わいがや」だと言われています。
 喫茶コーナーの活動の意義は,第1に,障害者が一方的な福祉サービスの受け手になるのではなく,活動や学習の主体となること。第2には,それぞれが不得手なことは仲間に頼り,頼られながら,障害者・ボランティアが共同して活動すること。そして第3に,地域住民と障害者とが公共施設等の喫茶コーナーで交流する機会を生み,インクルーシブなまちづくり,共生が進展することにあります。
 以上が喫茶コーナーのあらましですが,近年,国立市公民館は,障害者だけでなく,自立に課題を抱える若者をも含めた社会参加や生涯学習の機能を拡充するために,国立市自立支援協議会の地域交流部会等に社会教育主事が委員として参画するなど,他機関との連絡を図っております。
 特に障害者自立支援法の一部改正によりまして,平成24年4月から法定化されました(自立支援)協議会は,地域の関係者が集まり,個別の相談支援の事例を通じて明らかになった地域の課題を共有し,その課題を踏まえて,地域のサービス基盤の整備を進めていく役割を持っておりますし,障害者の生涯学習を地域で展開する際に重要な役割を担っています。
 国立市の自立支援協議会のイメージは,この図のとおりでございますけれども,左下の地域交流部会には,相談支援事業者に加え,公民館職員の社会教育主事,あるいは社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカー,それから障害者福祉サービス事業者,当事者等が構成委員として参画しています。
 先ほどの秋田県のビジョンの中にも自立支援協議会の柱が出てまいりましたけれども,障害者の生涯学習,特に就労支援を中心に展開される喫茶コーナーに学びの視点,あるいは地域交流の機能を追加,拡充させていく際には,自立支援協議会等を通じた他機関との連携がますます重要になってくると考えておりますので,今回併せて紹介をさせていただきました。
 最後の図になりますが,本日のお話のポイントをまとめさせていただいたものになります。
 国立市からの補足説明は以上でございます。

【宮﨑座長】
 是松先生,ありがとうございました。
 続いて,事務局から,自立支援協議会についての補足説明を頂きます。

【高見障害者学習支援推進室長】
 それでは,秋田県教育委員会,それから今,是松委員の方からも補足説明を頂きましたが,双方ともに,こちら,自立支援協議会において障害者の生涯学習を協議をしていくというところに触れていただきましたので,私からは,自立支援協議会の制度的な仕組みの部分と,非常に活発に活動している事例がございましたので,その御紹介を申し上げたいと思います。資料は,お手元の資料1-3を御覧ください。すみません,スライドがないので資料のみになります。
 1-3の1枚目ですが,こちらは厚生労働省のホームページからとっているものなんですけれども,市町村の自立支援協議会についてということで,先ほど,是松委員からもありました平成24年4月から法定化をされています。個別の相談支援の事例を通じて明らかになった地域の課題を共有して,その課題を踏まえて地域のサービス基盤の整備を着実に進めていくという役割を担った協議会になります。
 「具体的には,」というところに,どのような内容の協議を行うのかということが記されておりますが,例えば2つ目のポツにあるような個別事例の支援の在り方についての協議ですとか,その次にございますサービス等利用計画等の質の向上を図るための体制の検討といったことも含め,幅広く地域の障害のある方の生活の質の向上を図るための協議がなされているという協議会になります。
 自立支援協議会を構成する関係者が下の方に書いてございますが,こちらも厚生労働省からお示しをされている主体になります。その中には,行政機関ですとか,学校ですとか,事務連絡を確認しましたけれども,教育関係機関みたいなことで入っておりますので,概念的には公民館等も入り得るものかというふうに考えております。
 1枚おめくりいただきますと,こちらは全国でも非常に活発に自立支援協議会を運営している事例ということで御紹介をとある方から頂いたものですが,北信地域ということで,長野県の地域になるのですけれども,具体的には,8ページに,すみません,ちょっと行ったり来たりになってしまうのですが,構成機関が書いてありますけれども,長野県の中野市,飯山市,山ノ内町,木島平村,野沢温泉村,栄村,こういった6市町村が加わるような圏域になっている。そこで1つの自立支援協議会を作っているというパターンになります。
 2ページにお戻りいただきますと,全体構成がこちらになっておりますが,協議会としては年3回ぐらいやるものなんですけれども,その下の幹事会で四半期ごとに年5回ぐらい,そしてさらにその下に多様な部会が設置されています。中でも注目をしたらいいかと思っておりますのが,「本人中心部会」というもの,それから「そだちネットワーク部会」,こちらはもともと特別支援学校の教員も参画をする形で運営がなされておりますが,こういった教育との関わりも持ちながら運営をされているという状況になります。
 一番下に「本人のニーズ」とございますが,こちらの特色といたしまして,地域で暮らす障害のある方が何をしたいかという本人のニーズを中心に持ってきて組み立てている協議会だというところに特色がございます。
 1枚おめくりいただきますと,3ページは,こちらの各部会の目的ですとか構成機関,それから取組の概略になってございます。
 上から2つ目の本人中心部会の目的のところを御覧いただければと思いますが,障害のある方がこの地域で安心して自発的に生活できるよう,当事者が積極的に活躍できる場を広げ,当事者主体の活動を後方支援していくというようなことが掲げられています。この中には,今の段階では公民館は入っていないということなんですが,必要に応じて相談をするなどの連携は行っているという状況だそうです。
 この本人中心部会を中心に説明しますと,その次の4ページには,平成29年度の開催状況が各部会ごとに付いていますが,これを御覧いただくだけでも,かなり頻繁に各部会とも関係者が集まって協議を重ねている様子が見てとれるかと思います。中でも本人中心部会は,合計回数56回とかと書いてありまして,かなり一生懸命やっている部会になります。
 もう1枚おめくりいただきますと,5ページには,今年度の本人中心部会の活動計画をお付けしていますけれども,例えば,この中の「みんなで楽しもう会」というのがありますが,そこには,御本人たちが望む生活をかなえることができるよう,学びの機会を作りながら,仲間同士で物事を進められるよう,後方支援を行うということで,この有識者会議で御議論いただいている障害のある方の主体的な学びというところに密接に関連するような形で運営がなされているかと思いまして,1つの参考事例ではあるんですけれども,御紹介をさせていただきます。地域によって非常に運営が異なるとも伺っておりますので,この自立支援協議会が活発に運営をされている地域におきましては,連携先として非常に有力なのではないかという趣旨での御紹介になります。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 それでは,秋田県の取組について,御質問,御意見のある方は,どなたからでも,どうぞお願いします。
 戸田委員,お願いします。

【戸田委員】
 戸田です。すきてな発表をありがとうございました。
 行政が主体となって取り組むモデルとして,すごく座組が整っているのではないかと思って聞いていました。だからこそ質問が4点ほどあるんですけれども,1点目が,この座組を見たときに,県から市町村から公民館まで入っているわけですが,いろいろな情報が上がってくると思うんです。それを例えばどのように行動に移していくかといいますか,共有だけなのか,それともソリューションまでつなげていこうとお考えか,その辺がまず1点目,教えてください。
 2点目は,民間の顔が余り見えないなと思っていまして,行政機関との連携はすごくあるんですけれども,例えば産業界の企業とかが加わってくると,もっといいんじゃないかと思っていまして,今は産学官民連携と言いながら,そこにまた金労言とか,いろいろ入っている座組で取り組むのが一般的になりつつあるんですけれども,そういったことをどのようにお考えか。
 3つ目が,100%に講座をしていこうという数字がありましたけれども,その内容です,どのような内容をどのように決めて実行していこうとされているか。
 最後が,先ほどの採択先のささえさんのお話を聞かせていただいたんですけれども,今のこの座組だからこそ,どのようにこの事例を活用されようと思っていらっしゃるか。
 その辺の4点を教えてください。よろしくお願いします。

【宮﨑座長】
 それでは,秋田県の方から。まずは課長さんからですかね。

【中山氏】
 では,私の方からお答えをさせていただきます。
 まず1点目の連携した中での情報の共有か,ソリューションかというお話がございましたけれども,我々としては,まずはこういう取組をやっているというところを共有していこうというところをメインとして考えていますが,先ほどの説明でも少し触れましたけれども,パイロット事業先で連絡会議を開催しているところですけれども,その中にも我々が出向いたり,生涯学習センターの職員も出向いたりして,そこで具体的にどうしたらいいかという話が出てきますので,そこは,じゃあ,こうしたらどうかとか,そういう相談は続けていきたいと考えているところです。
 民間の連携というところについては,確かにそこは少し不足している部分かなと考えておりますので,この部分については,むしろ今後,そういうところもどういうふうに連携していけるか考えていきたいと思っています。
 100%講座の達成をするというところについてですけれども,先ほどの資料にもありましたけれども,障害者が参加可能な講座が52%で,障害者を対象とした講座が12%ということで,実際には,まだ取り組んでいない市町村の方がかなり多いという状況ですので,我々としては,まずはこの2つについて,ゼロを1にしたいというところで考えておりまして,そこをどのようにやってもらうかというところを考えていきたいと思っていますし,実際,今現在やられているところについては,そういう講座を増やしていきましょうということを啓発していきたいと考えています。
 最後のささえさんの取組をどう活用していくかというところですけれども,まだ今は1年目というところもありまして,取り組んでいて課題が出てきているという,そういう状況ですので,そういった課題をこれからどう解決していくかというところが重要かなと思っておりまして,そこでうまいこと解決策が出てくれば,それは教員の研修だったりとか,障害者福祉関係の研修だったりとか,そういったところで成果を周知していって,実施したことがないところは,やっぱりやろうとしたときに,ハードルが高いと思っているところがどうしてもあると思いますので,そのやろうとするハードルを下げていくために,こういった取組を啓発していきたいと考えております。

【宮﨑座長】
 いいですか。

【戸田委員】
 はい,ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 何か意見とかアドバイスとかありますか。

【戸田委員】
 ありがとうございました。
 我々は,私も民間なんですが,結構地域づくり自体にかなり民間も関わっていまして,それはメリットもしっかりそこに存在していまして,やっぱり社会課題の解決というところに対しては,ビジネス要素が結構含まれているので,そういった音頭のとり方をすると,地域の企業とかも加わってくると思いますので,そういった座組のやり方がいいかなと思いますので,参考になればと。

【中山氏】
 ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 すみません,ありがとうございました。
 では,綿貫委員,どうぞ。次に,松田委員ということで,綿貫委員から。

【綿貫委員】
 東京都自閉症協会の綿貫と申します。大きく2点ほど質問があるんですが,1つは,現状の中で参加可能な講座を実施されているところで,これまでの他団体のヒアリング等でも,例えば,その講座をやっていますという情報を御本人たちにどうやって発信していくかということであったり,あと,その講座が実際に行われていて,そこに参加するためにどうやって移動を支援するかということが課題ですねということで挙げられていたりするんですが,現状,参加可能というふうになっているんですが,実際にそこに障害者の方が参加しているというような実態ですとか,あと,その場合に,どんなサービスが提供されているのかということをまずお聞きしたいのと,それから,この生涯学習の事業の中で,人材の確保ですとか,養成ですとか,関わり方というところの人材について大切だということがこれまでも話題になってきたんですが,今回の御発表の中で,高校生ボランティアの方への事前研修の話に関心があるんですが,障害者との関わり方ということで研修をされているんですが,それがどういった内容であって,それをやったことで高校生の方たちが動きやすかったとか,効果というか,そういう部分があったり,あとは反対に,私は結構子供たちが自分で気付いたり,行動したことから学ぶことも多いんですが,反対に高校生の関わりから,こちら側が得られたことですとか,そういったことがありましたら教えていただければと思います。

【宮﨑座長】
 じゃあ,お願いいたします。

【小川氏】
 講座をやっていることの周知につきましては,主に特別支援学校の同窓会とか,特別支援学校の協力を得ながら進めていきたいと思っております。
 といいますのも,学校の封筒を使って卒業生に案内することで,保護者の方も非常に安心して開いていただけますので,特別支援学校との協力も1つ大事な要素かと思っております。
 あと,この生涯学習講座を行うに当たって,移動支援については,ここはもう既に課題として上がってきております。秋田県の地方に行きますと,路線バスも1時間に1本とか,そういった状況でありますので,障害福祉サービス等の利用,例えば移動支援を使えないかというあたりも,今,障害福祉課ともやりとりしているところですが,こちらについては,少しずつ保護者の負担を少なくするという点で,障害福祉課ともこれから議論を進めていければいいかなと思っているところです。
 あと,人材の確保という観点で,高校生ボランティアの話がありました。とても基本的なところなんですけれども,車椅子の方に物を渡したりするときは,視線を同じ高さにしてくださいねと,ちょっとしゃがんで渡してくださいというような話ですとか,もし言葉で伝わらないようだったら,何か書いて教えてあげてもいいんですよというようなことを,社会福祉法人のスタッフが高校生に教えてあげるなど,研修を受けてから講座を実施するということにしています。
 どういうふうな変容が見られたかということについてなんですが,20代の障害のある方が,高校生ボランティアの方と一緒に活動することで,ふだんよりもいっぱいしゃべっていたことがありました,やっぱり同世代の方々とのやりとりが非常に有効だな,パイロット事業先の社会福祉法人の施設長さんがお話しされていたところです。
 簡単ですけれども,以上です。

【宮﨑座長】
 よろしいですか。

【綿貫委員】
 ありがとうございました。多分1つ目の方も,すごくいろいろなところから話題になっていて,福祉の方とどう連携していくかということが話題になったりですとか,あと,人材の方も,共生社会とか,そういったことにもつながる大切なことだと思うので,また教えていただければと思います。すみません,ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 それでは,松田委員,お願いします。

【松田委員】
 千葉県教育委員会の生涯学習課の松田と申します。多分同じ立場といいましょうか,千葉県の方でも本年度より文科省の委託を受けて始めたまさにスタートアップ仲間といいましょうか,そういった立場にあって,非常に参考になる御発表をありがとうございました。
 特に首長部局も巻き込んだような形で,そういった本部を立ち上げるというか,そこに今回の事業を組み込んでいくということは非常に参考になりまして,早速そういった動きをしようかななどと思っておるところでございます。
 そういった中で幾つか,私どもがやはり今課題として抱えているというようなことも含めて,いろいろお聞きしたいところはあるんですが,1点目としては,やはり首長部局を巻き込んでというところで,1つ,私どももどういった関わり合いをしていくのかという部分で悩んでいるのが,いわゆる首長部局の福祉部門との連携体制の在り方といいましょうか,どうやって連携をしていくのか。協議会の中のメンバーとして私どももコンソーシアムを立ち上げて,その中に入っていただいてはいるんですが,情報共有をします,意見をお聞きしますというような部分で,まだ実際,動きとして中に入ってきているわけではありませんので,今後も含めて,その辺についてどのようにお考えかということがもし分かれば教えていただければと思います。
 あと,市との関係なんですけれども,パイロット事業ということで,市の方にもいろいろとお話をされていらっしゃるようでございますが,今後恐らく市の方にこれを広げていくということが一番のポイントだとお考えではないかと,私どももそのように考えているところでございますが,市の方に対しては,具体的にどういうような形でアプローチをされていらっしゃるのか。直接お邪魔をしたり,いろいろな形があろうかとは思いますが,また,その反応といいましょうか,具体的に市の方では,そんなことをやっている余裕はないよというような部分なのか,いやいや,一緒にやりましょうというような部分なのか。
 あと,先ほど,スタートアップと勝手に言ってしまいましたが,大変失礼な言い方だったのかもしれないんですけれども,私ども生涯学習センターを持っておりまして,そちらの社会教育主事といいましょうか,職員が,いわゆる青年教室的なものを動かしているところがあるんですが,ただやはり特別支援学校の先生方のヘルプがかなり重要であったりしますので,生涯学習センターの職員のスキルの状況といいましょうか,役割として研修等を行っていくというようなことが生涯学習センターの役割というふうに位置付けられていらっしゃるようでございますが,そのあたりについて,またそのスキルアップに向けてどのような取組をされているのかといったことも含めて,お話を頂戴できるとありがたいです。
 3点,障害福祉部門との連携,市との関係,それから生涯学習センター職員のスキル関係ということで,よろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 それでは,秋田の方からお願いいたします。

【中山氏】
 お答えいたします。
 まず1点目の首長部局をどう巻き込んでいくかというところですけれども,我々もまだこの事業に取り組み始めたところでありますので,今のところは、事業の主体でもありますのでやはり主体は我々の方にあるんですけれども,先ほど申し上げたような課題が出たときに,その都度,障害福祉課とまずは相談をしていくというところで関わっていくのかなと今のところは考えております。この先,この協議会などを開催していく中で,お互いの取組を紹介していきながら,その中で何ができるのかというところを一緒に考えていこうと考えておりますので,その辺は少しチャレンジしていきたいなと思っているところです。
 市にどういうふうに広げていくかというところですけれども,これは具体的には,足を運んでいって,この取組をやりませんかというふうに,担当が直接出向いて営業しているところです。実際問題として,今回,3団体に委託をするということになりましたけれども,この3つについては,是非やりたいと言ってくれたところです。その一方で,なかなかうちの自治体ではまだというところもあるのが事実です。ですので,我々はそういったところにいかに広げていくかというところが本当に課題だというふうに思っていますけれども,今回,潟上は団体さんの方に委託はしているものの,本当は市の方にお願いをしようと考えていたところです。やはり市が主体的に動くというところが継続的な取組につながっていくと思っていますので,この先,もし可能であれば,市を主体にして委託をできないかと今考えているところです。
 なので,積極的な自治体はいいんですけれども,そうでないところをいかにしていくかというところは,本当に地道に通ってとか,成果を普及しながら,なるべくハードルを下げていくというところを継続的に取り組んでいきたいなと思っています。
 生涯学習センターの点についてですけれども,職員のスキルですが,私の感想では,特別支援の経験のある教員の方は恐らくいないです。ですので,現状としては一緒に勉強していきましょうというような状況になっています。生涯学習センターの方でもニーズ調査をすることもありますし,事例研究というのは,それぞれの委託先を実際に訪問して会議にも出てというところで,知識なりノウハウの蓄積をしていきたいということで,そういう調査も含めてやっていってもらう中で一緒に勉強していこうと考えております。ゆくゆくは,可能であれば,生涯学習センターに知識,ノウハウを蓄積することで継続的に取り組んでいけないかと思っておりまして,生涯学習センターの方で,来年度から,センターの社会教育主事が市町村に直接出向いていきまして,その地域の課題を一緒に考えて解決していきましょうというような,取組を今進めていこうとしております。ゆくゆくはそういう中に,例えば障害者の生涯学習支援をやりたいという自治体があれば,一緒に考えていけるような,何かそういった形にできればいいなと思っているところです。
 以上です。

【宮﨑座長】
 よろしいですか。
 ほかにありますでしょうか。

【佐藤氏】
 すみません,付け足しでよろしいですか。

【宮﨑座長】
 はい,どうぞ。

【佐藤氏】
 今のことに付け足しなんですが,市との関係のところをちょっと補足させていただきたいと思いますが,実際のところ,この3つのパイロット事業の委託先なんですが,最初はそれぞれの市の方に委託するということでお話を進めてまいりました。非常に言いにくいんですけれども,実は6月補正で対応するようにお願いしてはいたんですが,採択が後れたこともありまして,それだと9月補正になってしまう。9月補正だと,実際,今頃からの動きになってしまうので,それだと間に合わないということで,それぞれの社会福祉法人とか指定管理者の方に委託させていただいたというのが現状でございます。
 来年度ですが,実はいろいろ話の中で,先ほどの実践研究事業の概要の中に大きく2つ,パイロット事業先,連絡会議の開催と学習プログラムの実施と2つに分かれておりまして,学習プログラムの実施につきましては,今委託している社会福祉法人とか指定管理者の方にそのままお願いする。連絡会議につきましては,やっぱり市として取りまとめが必要でございますので,連絡会議の部分については,市として委託を受けていただいて,市町村の取りまとめをしていただくというようなことで,今,話を進めております。
 特に北秋田市につきましては,教育委員会ではなくて,多分,福祉の方で受けてくださるのかなというようなこともありますので,まずはその動きで今進めているというところが現状でございます。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 ほかにありますか。
 では,田中委員,お願いいたします。

【田中(秀)委員】
 和歌山の一麦会の田中といいます。カフェつながりで質問したいんですけれども,今,公民館とかそういうところで開催されていると思うんですけれども,その頻度というんですか,公民館であるとかというと,固定した場所ではないので,そのたびに準備をしたりとかというのは大変なことだと思うんです。和歌山では,古民家を利用してずっとそこでカフェとレストランと一緒にやって,そこで当事者活動とかいろいろやっているんですけれども,その辺の御苦労とか,将来的にそういう決まった場所できちんとした事業として,カフェと,いろいろな相談とか,いろいろな事業と関連付けてされていくのかどうか,その辺を聞きたいと思います。

【小川氏】
 それでは,再委託先の例を御説明いたします。
 再委託先の生涯学習講座につきましては,市内に3つ公民館がございます。この事業は,講座を実際に行うに当たって,促進要因だとか,阻害要因だとかを研究していく事業だと思いますので,実際に3か所で行わせていただいて,どこの公民館が通いやすいのか,駅前にある公民館もあれば,交通の便がよくない公民館もあったりするので,そういった通いやすさ,通いにくさというあたりも考えていきたいとと思います。
 あとは,学習プログラム等について,参加者が多かったり少なかったりということがあると思いますので,そこも改めて考えていきたいと思います。
 こちらの市については,3か所で計6回行う予定です。以上です。

【宮﨑座長】
 よろしいですか。

【田中(秀)委員】
 はい。ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 ほかにありますか。
 では,お願いします。

【田中(良)委員】
 愛知の田中です。この委員に田中が3人いますので,どこの田中かということを最初にこういう形でまずお断りすることになっています。
 秋田県は,非常にこういった障害者のための生涯学習支援の仕組みというのか,ちゃんと作られて,恐らく最も先進的なところではないかと思いますが,というのは,私は愛知県なんですけれども,御存じのように,1990年に国の生涯学習振興の法律ができて,それから各都道府県に生涯学習に関する例えば審議会とかができていきます。愛知県では,1993年に立ち上がっていますが,現在,平成30年度から平成34年度までの第2期愛知県生涯学習推進計画が立てられているんです。そして,今ここでこういう審議やって,障害者のための独自なというのか,そういうことでは秋田県の皆さんは,要綱を昨年の9月4日に改正されていますよね。だから,松田委員のような,今ここ,愛知県から来てみれば,すぐに持ち帰られて考えられるのでしょうけれども,私は間接的な立場になりますので,やっぱり愛知県というか,他の都道府県もそういうところはあると思うんですけれども,こういう県の仕組みづくり,しかも,今,第2期とか,全体の生涯学習推進計画の中で,障害を持った人たちのその部門を,やっぱり設置要綱とかを改正して,どう入れてもらうかというようなことがあるなというようなことを,秋田県の皆様から学ばせていただきました。意見というわけではありません。ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 どうもありがとうございました。
 あとの議事がまだありますので,このぐらいで秋田県の御発表を終わらせていただきたいと思います。ヒアリングを終了させていただきます。
 秋田県の教育委員会の皆様,それから,北秋田市障がい者生活支援センターささえの成田様,そして,ささえの皆様,それから,是松委員もありがとうございました。どうもありがとうございました。(拍手)
 それでは,次に,フォーラムの報告をしていただきます。「超福祉の学校」について,事務局より報告をお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 では,御報告申し上げます。こちらはスライド付きでございます。お手元の資料2にも対応しております。
 11月10日,11日ですけれども,「超福祉の学校」~障害をこえてともに学び,つくる共生社会フォーラム~ということで,文部科学省が主催,NPO法人のピープルデザイン研究所が共催という形でフォーラムを実施いたしました。
 先ほど来,お話があります障害に対する理解ですとか,障害のある方と一緒に過ごしたりですとか,学んだりという場を国自らといいますか,文科省主催で作ったというものでございますけれども,その概略につきまして御報告を申し上げます。
 そもそもフォーラムの趣旨やコンセプトが1ページ目の下の方に書いてありますけれども,「障害の有無にかかわらず,ともに学び,生きる「共生社会」の実現」ということで,こういった共生社会の実現に向けた啓発をしたいということで,このフォーラムを実施いたしました。
 これに当たりましては,「超福祉展」とのコラボレーションをいたしました。「超福祉展」というのが,NPO法人ピープルデザイン研究所が主催をして,今年5年目になります渋谷の街を会場にした福祉を超えていこうという発想で,デザインですとか,テクノロジーを活用しまして,心のバリアフリーを実現していこうという啓発イベントでございまして,非常に発信力という意味で優れたものがあるということがございまして,御一緒に今回はコラボレーションをさせていただきました。
 この「超福祉の学校」におきましては,文部科学省の方からお願いをしておりますスペシャルサポート大使の皆様にも御参加をいただきながら実施いたしました。
 1枚おめくりいただきまして,プログラムの1番ですが,職場のダイバーシティが生む学びということで,障害のある方の多様な働き方ですとか,職場のダイバーシティが生む学び,それは障害のない社員の方にとっての学びという観点も含めて御議論をいただきました。こちらの会議の委員でいらっしゃる箕輪委員にも御登壇をいただきまして,また,障害者雇用,様々な働き方を社内で実践しているソフトバンクですとか,ゼネラルパートナーズ,こういったところの関係の方に御登壇をいただきまして議論をいたしました。
 アンケートからというところの2つ目にございますけれども,障害のある方の特性,個性を生かすという視点で,多様な働き方についての御紹介がなされまして,正規の常勤職員としての雇用に加えて,週20時間未満の短時間雇用を行う企業からのプレゼンテーションもございまして,障害者の多様な社会参画の可能性が示唆されたというふうに考えております。
 また次ですが,プログラムの2番,障害のある方の学びと表現の実践交流フォーラムということで,障害のある方々が学んできたこと,得意なことを発表するということで,取り組むようになったきっかけですとか,楽しいこと,大変なことを,実際に知的障害のある方がインタビューをするような形式で進行いたしました。
 出演者のところを御覧いただきますと,田中秀樹委員の一麦会の「ポズック」の方々にお越しいただきまして,ちんどんショーをやっていただいたりですとか,この会議でもお呼びいたしました町田市の本人活動の「とびたつ会」の皆様には,歌の披露をしていただいたり,それからスペシャルサポート大使の横溝さやかさんには,自作の紙芝居を読んでいただいたり,それから,こちらの写真にもございますけれども,横溝さやかさんと,「超福祉展」に関わって5年目になりますけれども,ずっと関わっているアーティストのsenseさん,KAZさんという方々がいらっしゃいまして,その方々が3人でコラボレーションをして,このような立派な絵ができまして,上の方にある写真なんですけれども,こちらは横6メートルの非常に大きなものになっておりまして,大作が完成いたしました。これをライブペインティングという形でフォーラムの中で実際に,さやかさんらが皆さん描きまして,完成をさせたというものになっています。
 それから,渋谷区の知的障害者幡ヶ谷教室の「GAYA」とございますが,右下に写真がございますけれども,GAYAの皆さんが実際にここの出演をされた方々に対してインタビューをいたしまして,こちらはインクルーシブ・リサーチという手法で研究がなされているものになりますが,知的障害のある方と障害のない方が一緒になって研究をしていくというような手法を取り入れて,こちら,司会者が知的障害者幡ヶ谷教室の運営委員長さんなんですけれども,司会者の方と一緒にインタビューをして場を盛り上げていたというような形で実施いたしました。
 また,次のページにございますけれども,金澤翔子さんにもスペシャルサポート大使をお願いしておりまして,翔子さんには「共に生きる」という字を揮毫いただきました。これも非常に静まりかえった雰囲気の中,皆さんが集中して揮毫の様子を御覧いただいたというようなことがございました。
 写真をいろいろ付けておりますけれども,左上は町田市の「とびたつ会」の皆さんの御様子ですし,左下はポズックの皆さんに対してインタビューをしているところ,右下はポズックの実際の表現の場を写真で表しています。右上にございますけれども,こちらは休憩時間の様子ですが,フォーラムの参加者が,これからしたいことをテーマにいたしまして,該当項目で,例えば美術をやりたいとか,音楽をやりたいとかというところにシールを張って参加をしたというような様子を表しています。
 その次のページに,金澤翔子さんの「共に生きる」をクローズアップしておりますが,アンケートからというところを御覧いただきますと,参加している発表者の方々が,とても楽しく自己表現をしている。できることを精一杯表現しているその姿がとてもよかったということですとか,できることを伸ばすという関わり方が非常によくて感動しましたといったような御意見がありました。
 1枚おめくりいただきまして,2日目ですけれども,プログラムの3番目といたしまして,「みんなでつくる! バリアフリーマップ」ということで,スマホのアプリで「WheeLog」というものがございます。こちらは車椅子の方用のまち歩き用のマップといいますか,どこに段差があるとか,どこに車椅子の方が使用しやすいような施設があるとかということをまとめるものなんですが,このアプリを実際に活用いたしまして,車椅子でまち歩きを行った体験型のワークショップになります。いろいろな方に御参加いただきましたけれども,アンケートからの1つ目のところで,ふだん絶対に気が付かないような車椅子利用者が利用しにくい,使えない場所に目が行って,人の流れや人の持ち物が危険につながることを身をもって感じましたといったような御意見を頂きました。
 併せまして,もう1つ,体験型のワークショップですが,プログラムの4番目,バーチャルリアリティの教材を活用いたしました自閉症の体験プログラムを実施いたしました。こちらは,香川大学の先生にお越しいただきまして,実際の体験型のワークショップということで,私も実際に体験いたしましたが,自閉症の方が感じられるような非常に光に対して過敏であったり,音がすごく過敏に聞こえたりというか,非常にうるさいというか,ガヤガヤしたような音で聞こえるとかというのが体験できるようなヘッドセットを付けて,皆さんが体験したというものになります。
 その次ですが,こちちはプログラムの5番と6番をスペシャルサポート大使の東ちづるさんに率いていただきまして,5番の方は,様々な背景のある当事者のアーティストの皆さんによるパフォーマンスということで実施いたしました。ダンスであったり,ラップであったりを御披露いただいたというのが5番目でございまして,6番目が,「生きづらさダヨ! 全員集合~!」ということで,実際にパフォーマンスをなさった方々が,日頃感じている生きづらさをトークしていただいたというようなセッションで行いました。
 アンケートからにございますとおり,これも先ほど来,お話がございますが,障害のある方々との触れ合いとか,関わり合いがもっと子供の頃からあったらよかったなというふうに思いましたですとか,著名な方の発信力は大きいので,これから裾野を広げるような取組をしていただきたい,こういった御意見がございました。
 この6番では,お手元の資料には,付いていないのですが,スライドの方を,前の方を御覧いただければと思うんですけれども,グラフィックファシリテーションという手法を導入いたしておりまして,ここで話された議論をこういった形で視覚的に表現をして残せるという手法がございまして,この場で皆さんが発表されたことを,こういった形で残しています。こういったものも文科省のホームページ等で公表して伝えていきたいと思っています。
 例えば,この方ですと,真ん中の方に,こちら,色もちゃんと意味がありまして,少しグレーですとかブルーですとか暗い色に関しては少しネガティブな感情を表していまして,これまで迷惑をかけないようにとか,みんなに合わせなければとかということで考えてきたんだけれども,最近では,右側にあります黄色い部分ですが,いろいろ今は楽しめてええなあと思っているとか,これまで生きてきたところと,今少し自分に対する肯定感が持てるようになってきたというあたりのお話をしていただいた内容になります。
 また,こちらは,かんばらけんたさん,この方は車椅子ダンサーの方ですけれども,電車に乗ると「女性専用車両に車椅子の方は御乗車いただけます」というアナウンスに対して,車椅子という前に自分は男性だし,一人の個性のある人間なんだけれどもなというような感覚を持つというようなお話があったり,また,最後,こちら,森田かずよさんも,女優であり,ダンサーという方なんですが,左側にございますけれども,学校の中に必ず障害者はいるのに,ドラマなどに障害者は余り出てこないといったところ,こういうのは何をすれば変わるのかなということを日頃考えているということで,右下にあります自分は周りの人に理解をしてもらいたいということで,障害を持った方が当たり前に見られるような世の中になるといいなというようなお話をされました。
 こういったことで,一般の方に対する啓発という意味では,面白い内容で実施できたかなというふうに考えております。
 報告は以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。新しい事業,大変好評だったというふうに伺っているんですが,ただいまの「超福祉の学校」についての御質問,御意見のある方は,どうぞお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは,ホームページ等も是非御覧いただければというふうに思います。
 次に,議事(3)の学校卒業後における障害者の学びの推進方策についての取りまとめに向けた議論を行ってまいりたいと思います。
 最初に,事務局から,論点整理後のヒアリング,意見募集における主な意見についての御説明をお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 では,引き続きまして御説明を申し上げます。
 お手元の参考資料の方ですけれども,参考資料1から6までですが,こちらが論点整理をまとめた後に行ってまいりましたヒアリングでの主な資料をお付けしております。たくさんの実践研究の委託先の団体ですとか,それから,意見募集を行った結果を御披露させていただいたり,また,当事者の団体の皆様にお越しをいただいて,意見発表を頂いたりいたしました。
 その中から,主な意見ということでポイントをまとめたものが資料3になります。資料3を御覧ください。全体の構成といたしまして,論点整理で作りました柱も踏まえながら,少し構成を変更しておりますけれども,これにのっとって御説明をさせていただきます。
 まず,総論といたしまして書いておりますが,四角囲みで少し薄い文字で書いている部分があると思うんですが,こちらがヒアリングですとか意見募集,どういったところでの御意見を基に構成したかということを表しております。
 まず1点目,目指す社会像といたしまして,「共生社会」を明確に位置付けることが必要としております。
 論点整理の中では,「共生社会」も要素としてもちろん入っていたのですが,少し中に埋もれているような構成になっておりましたので,これがもっと大きな今後目指す社会像として位置付けるべきではないかといった御意見です。
 それから2つ目ですが,「障害者の自立」といったときに,親元からの自立(親がいなくても必要な支援を得ながら生活していけるようになること)を見据えることが必要であるといった御意見。
 それから3つ目,特別支援学校の卒業生以外の者も対象としてしっかり見据えた上で,個々のニーズを踏まえた学びの機会につなげていくことが必要といった御意見がございました。
 今後目指すべき方向性に関わる御意見といたしまして,障害者の主体的な学び,障害者の学びに関する希望や思いを中心に据えた学びが第一に重視されるべきである。
 また,「障害の有無にかかわらずともに学ぶ」場を追求していくべき。
 また,障害者が,ニーズに応じて学びの場を選択できるぐらい,身近なところに複数の学びの場があるような状態が望ましい。
 それから,障害者の学びに関する成果指標を設ける場合には,学校卒業後に学びの機会がどれほど確保されているかという機会の提供に関する指標とすべきであるといった御意見がございました。
 また,障害者を中心とした学びというのが3番目にありますけれども,高等部卒業後の継続教育の必要性に関しては,かなり複数の方から御意見を頂いております。特別支援学校高等部卒業後,教育機関において継続的に学習できるようにすることが必要である。併せて,卒業後の生涯学習につながるものとする視点から,特別支援学校高等部における指導の充実方策について検討することが必要である。
 1枚おめくりいただきまして,就労や生活の基盤となる力の育成の必要性についても御意見がかなりございました。就労の意義の理解ですとか,就労意欲の育成といった,より広い視野で捉えた就労生活に必要な力の習得に重点を置いた学習プログラムが必要であるといったこと。
 また,学習プログラムの内容面ですが,性に関する学びや防犯教育を行うことが重要であるといった御意見がありました。
 また,生涯の各ライフステージにおいて生じる課題に対応するための学習の文脈ですが,重度障害のある方の学びということで,この中では,生活介護ですとか,重度訪問介護といった障害福祉サービスとの具体的な連携方策を示した上で,在宅での学びの支援も含めて明確に位置付けることが必要。
 また,重度障害のある方の学びにおけるICTを活用した意思伝達,意思表示が行えるようになるための支援についても検討が必要。
 それから,精神障害,発達障害のある方の学びですけれども,こういった方々の学びにおいて,ロールモデルとの出会いが大変重要であって,当事者や経験者がピアスタッフとして関わりながら,社会への復帰を目指すプログラムが重要であるといった御意見がありました。
 次に,4番目で,一般的な学習活動への障害者の参加推進の観点ですけれども,障害に対する理解促進ということで,こちらは難病の団体の方からも頂きましたけれども,一般社会における障害理解を促進するという中で,難病患者への理解を広めるための環境整備についても検討することが必要であるといった御意見がありました。
 また,方向性のところでも述べましたが,「障害の有無にかかわらずともに学ぶ」場づくりを積極的に推進していくべきだという御意見がございました。
 1枚おめくりいただきまして,3ページです。
 学びの場への移動支援,先ほどもお話がございましたが,学びの場への移動支援や同行援護,学びの場でいざなうメンターの育成・確保,こういったことについても実践研究の中でその点も含めて研究することが必要であるといった御意見がありました。
 最後,システムづくり,基盤の整備の文脈ですけれども,まず,学びの機会の保障に向けた基盤整備ということで,障害者の学びへの主体的な参加を保障するため,情報保障,学びの場につながるまでということと,実際に学ぶ際の情報保障の手段の充実が必要であるといった御意見がありました。
 また,学びに関する相談支援ですけれども,学校における個別の教育支援計画の作成と,福祉の計画相談を共有する場を積極的に設ける必要があるということ。
 最後に,こちらも議論になっておりますが,学びの場づくりを推進する人材の育成・確保の文脈ですけれども,コーディネーター養成講座などの人材育成に係る研修を都道府県単位などで行ってほしい。担い手が身に付けるべき内容の開発が必要であるということ。また,全国各地で学びの場づくりを展開するに当たっては,多様な実施主体が場づくりを担うことを想定した方がよいだろうといった御意見。
 また,精神障害,発達障害をはじめとして,障害者の学びの推進におけるピアスタッフの役割が大変重要なので,その確保に向けた具体的方策について検討することが必要である。
 こういった御意見がございました。今回,主な御意見ということでまとめをしておりますが,委員の皆様がお聞きになっていて,ここは是非報告に向けて入れていくべきといった御意見を頂戴できたら幸いでございます。よろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 論点整理後にヒアリング,それから意見募集においての多くの御意見を頂戴しました。今,事務局から御説明があったように,詳細については参考資料の1から6に付いているわけですが,それを資料3として主な意見を取りまとめていただいたわけですが,今,事務局からありましたように,今後,報告を取りまとめるに向けての意見交換をこれから残された時間でしたいと思います。この資料3に基づいて,あるいは,そのほかでも結構ですが,補強すべき点,新たな視点として報告に位置付けるべきことなどの御意見を頂戴したいと思います。
 ちょっと今日は時間が少のうございますので,また改めて次回等,これを具体的にやっていくわけですが,とりあえず残された時間内で御意見を頂戴できればと思います。どなたからでも,どうぞお願いします。
 田中委員,お願いします。

【田中(正)委員】
 本日3人目の田中です。育成会と,全国の障害者団体が集まってオリンピック・パラリンピックに向けての障害者芸術文化を推進するネットワークの事務局の立場でも参加しております。
 今,整理していただいたヒアリング,意見募集に関して,取り上げていただきたいと思ったところは,3ページ目の最後の下から2番目の基盤整備のところで,具体的に様々な方たちが集まって,それぞれの地域での課題を整理していくということに関して,今日御発表いただいた秋田県の皆様の資料の9ページにもあります地域自立支援協議会で生涯学習について真っ向取り上げていくということの,そういうモデルもありますので,具体的に,多分,障害者の生涯学習という切り口だけで進んでいくと,なかなか検討する素材が漠然としていて進みにくいのではないかと思いますが,今,障害者の方たちの障害者芸術文化に関しては,この6月に法律も制定されまして,そして市町村レベルで基盤整備をしていくことに対しての方向性が位置付くのですが,受皿となるところが具体的にないと,検討になっていかないのではないかというような危惧を持ちますので,一番身近なところでの検討の場として,今日,地域自立支援協議会が話題に出たということに関して,今御報告いただいた3ページの下,2番目の丸のところに,地域自立支援協議会というような具体的な名前を入れていくのが,よりわかりやすくなるのではないかというふうに思っています。
 ちなみに,障害者芸術文化だけでなくて,スポーツも含めて,今様々な取組をしていくことになるわけですけれども,2020のオリ・パラに向けて,障害者芸術文化の方では,先ほど,資料2で報告いただいた共生フォーラムのような様々なイベントを,全国をブロックに分けて進めていきたいというふうにも思っていますので,東京でこれだけの多彩な人たち,東京だから集まるというようなイメージになりがちですので,地方でもこういったものが広がっていくときに,今回,報告いただいた秋田県の皆様の取組のようなものが,そのエリアでスポットが当たるような取組としても必要になってくるかなというふうに思いますので,後半の方は,より具体的に生涯学習がどのような成果をもたらすかということを見せるという意味では,フォーラムような形式も大事なんですが,検討する場としては,それぞれの市町村レベルの自立支援協議会で,特に福祉のサービスとの融合がないと成り立たない要素があるというのが今日の発表でも示唆的だったかと思いますので,進めていっていただければという思いです。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 はい,どうぞ。綿貫委員。

【綿貫委員】
 東京都自閉症協会の綿貫です。
 細かいところなんですけれども,2ページ目の精神障害,発達障害のある者の学びというところなんですが,いろいろとヒアリングをしている中の文脈で出てきた文言なので,ある側面では正しい文言なんですが,改めて文字に起こすと,すごく違う印象を与えるなと思ったので,ここに記録として発言させていただきたいんですが,関係団体のヒアリングの中で,「精神障害,発達障害のある者の学びにおいて,良い生き方をするロールモデルとの出会いが大変重要」という文言なんですが,ある意味,発達障害のある人たちにとっては,いい生き方というか,定型発達の人たちの生き方をモデルにしたために,つらいこととか,ちょっとうまくいかないこととかがあったわけで,やはり言い方として,こういう言い方になっているんだと思うんですけれども,多様性のある生き方を考えて,それが認められていくということですよね。それが共生社会の概念においてもすごく大事なことだと思うので,やはりこの「ロールモデル」とか,「良い生き方」という文言は,今後まとめていく中では,ちょっと避けていきたいなというふうに思います。そうでないと,この事業とは矛盾することになっていくと思うので,それだけ発言しておきます。

【宮﨑座長】
 それでは,この点は,また議論したいと思います。
 ほかにありますでしょうか。
 田中委員,どうぞ。

【田中(良)委員】
 愛知の田中です。
 これまでたくさんの方からヒアリングで貴重な意見を頂いたりして,非常にたくさん私も学んできたわけですが,先ほど,私,秋田県の動向に関わって,愛知県の生涯学習の全体の中に,障害者で,今,論議して,これからまとめていくことをどういうふうに,その一部になるのか,あるいは,別建てになるのか分かりませんが,しっかり位置付けていただいていくためには,これは学習支援推進室の高見さんはじめ皆さんにお聞きしたいことでもあるんだけれども,これは政策なんだけれども,この間,障害者の文化芸術の整備に関する法律とか出ていますよね。そういうふうな何かもうちょっときちんとした,ただ政策で文科省からこれを有識者会議で出たよみたいな政策だけでは弱いのではないかというふうに何となく思うんです。そういうふうに今後のまとめがどういう方向に行って,皆さんにここで論議されてきたり,取りまとめていく貴重なものが受けとめられていくのかというときに,もう少し何かそういう国の障害者の学びに関するといいますか,そういう整備に関する法律というようなものがあった方がいいんじゃないかなと何となく思うんですけれども,その点について,高見さん,どういうふうにお考えでしょうか。

【宮﨑座長】
 では,お願いします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 ありがとうございます。こちらの有識者会議の中で,様々な優れた実践もお伺いして,また当事者の方の御意見もお伺いする中で,圧倒的に場が足りていないというのが我々の課題意識としてまずございまして,それをどうしたら整えていけるのかということには,段階を追って手立てを講じていく必要があるかなというふうに思っているんですけれども,それに当たっては,まず今,皆様にもお聞きをいただいている実践研究の委託をしていますけれども,こういった形で優れた実践を形にして,要は,学習プログラムですとか,実施体制の在り方に関する研究をしていただいているわけですが,それをモデルにして,皆さんに分かるような形でお示しをしていき,それを広げていくというのがまず1つ目の方法なのかなというふうに思っておりまして,そこにつながるような発信といいますか,この有識者会議のまとめが,それを発展させていく必要があるわけなんですが,そこにつながる議論をしていただいているのかなというふうに思っていまして,その意味では,法律ですとかというところに至る前に,もう少し実態を作るといいますか,ニーズの把握を今ようやくしているというところですので,それを踏まえて,優れた取組を作っていき,もう少し実態を広げていくという方が先にあるべきかなというふうに考えております。

【宮﨑座長】
 文科省として初めてこの問題を取り上げていただいたわけですよね。ですから,報告書がまずありきだろうと思います。そこに方向性も併せて考えていかなければいけない。何かの示唆は,この委員会としての取りまとめをする。それを受けて,今後,二次の検討会とか,幾つかの段階を踏まえて,今後,政策展開をしていただけることになるのかなと。今まで特別支援教育に関する関係は,私も大分参加していたわけですが,最終まとめ,有識者会議の最終報告などを受けて,文科省は動いてくださっているわけですよね。
 ですから,そういう私どものこの委員会の役割は非常に大きいと思いますので,そこは今後,私どもが取りまとめる報告の一番眼目になっていくと。今,即,文科省に法律的なものまで含めてどうですかということには今のところはならないのだろうと思いますので,そこはちょっと私どものまとめの中で最後に是非その方向性も含めて考えていくような,示唆を与えるようなものになっていけばいいのではないかというふうに思います。
 ちょっと出過ぎた言い方ですが……。

【田中(良)委員】
 いえいえ……。

【宮﨑座長】
 多分,有識者会議の役割はそういうことだろうというふうに理解しています。

【田中(良)委員】
 そういうことですね。

【宮﨑座長】
 ほかにありますでしょうか。
 では,2人,お願いいたします。

【朝日委員】
 特別支援学校の校長の朝日と申します。よろしくお願いいたします。
 この会議も大分煮詰まってきて,これからあと数回というゴールが見えてきて,こういう論点整理以降の意見募集も非常に質が高まってきたと思うんです。なので,とても焦り感というか,この後どうしようという思いが非常に強くあります。
 例えば,資料3の1ページの2の一番下の成果指標を設ける場合には,この方は機会の確保という点ですべきという意見が出ました。これをこれで認めるのか,どうするのか,例えば最終的には障害のある方たちが学んだという満足度が指標だとは思うけれども,当面,こういう場があるかどうかという,これでいいのかどうかという議論がこの中では十分できないまま終わりを迎えてしまうことに,すごく焦りというか,もったいないなという気持ちがあります。
 今日の秋田県の8ページで,秋田県ビジョンというのがあって,100%の講座の実施率とか,こういう指標があるのがとても参考になりまして,例えば,これを受けて,もし機会確保ということになれば,文科省に推進室ができたように,各都道府県にこういうような役割をする部門ができて,各自治体が100%を目指していきましょうというようなところまで突っ込んでいいのかどうか,そういう議論をできたらしたいというふうに思っています。
 それから,その下のところの特別支援学校の高等部の指導の充実方策検討,これも極めて重要なところなんですけれども,校長の立場から言うと,今,学校はどうかというと,正直,今,目の前の3年生,6年生の進路指導でめいっぱいです。この子たちが就職できるのか,適切な進路先に行けるのか,私のところは小学部しかないので,どこの中学部の聾学校に行けるかどうか,落ちたらどうするのかというのは,本当に必死で,春の頃は,卒業後のことを私も余裕を持って考えていられたんですけれども,今,現実は,今の子たちをどうするかというところなんです。そういうことからすると,この意見を踏まえて,学校はどうあるべきかということを,もうちょっと深く議論したい。
 具体的には,この最終回の前に,例えばワーキンググループのようなものがもうちょっとあって,まとめる前に,いつもとても議論が深まる中で時間が終わってしまうので,これから例えば指標はどうすればいいのか,あるいは,学校はどうすればいいのか,あるいは,各自治体はモデルを作るべきなのか,どういうふうに進めていくのか,あるいは,障害の重度の卒業生や,発達障害とか,視覚,聴覚,いろいろな障害に対してどういうふうにすべきかぐらいの大ざっくりの少しワーキングのような,集中して議論をした上で,最後にまとめにいけたらいいかなと。これだけのすばらしい提案がある中で,ただ報告しました,意見が出ました,これでやっていきますというのは,とてももったいない気がしてしまいましたので,意見を言わせていただきました。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございます。
 それでは,田中委員,お願いします。

【田中(秀)委員】
 和歌山の田中です。
 先ほど,秋田県の経過的にずっとそういうモデルを推進されているというのは,非常にうらやましいなというふうに思っています。それを具体化するのに,このパイロット事業をされているということで,それを確実に進められていると思うんですけれども,ただ,これを持続的に,比較的毎日というんですか,本当に利用したいときに利用するというような,そういう状況をどう作るかというのは,基盤整備では非常に大事なことかなと思うんです。だから,この県内全体の政策とパイロット事業,その下にもうちょっと日常的に活動できる団体とか事業者,固定した場所を提供する。
 神戸大学の事例などもありましたけれども,きちんとした場所を提供されて,そこでいつでも指導してくれる人がいるという,そういう状況は必要かなというふうに思うわけです。だから,そういう全体的なことで確実なモデル,それから実施するということにつなげていくような,そういう形で進めていただけたらと私は思います。
 もう1つ,各地方で自立支援協議会が作られて,いろいろな問題が論議,非常に現場の人たちがまじめに障害を持った人と向き合って,日々実践して,その問題点をまとめるということになります。ただ,協議会で,私も出席したことがあるんですけれども,いろいろな現場での困ったことをきちんとしたこういうふうにしてほしいという,政策的な,予算的な必要なものがいっぱい出てくるわけですね。だから,その自立支援協議会の見解は,そこで予算化もして実施するというようなことで,なかなか難しい状況があるように思います。私も市の担当課で聞いたら,予算化しますと言うたんですけれども,予算化された形跡はなかったので,やっぱり現場,自立支援協議会では非常に真面目に論議されるんですけれども,それを実施して解決していく,そういう手立て,ここの課題ではないと思うんですけれども,各市町村の自立支援協議会の課題だと思うんですけれども,そういう中で自立支援協議会の機能をもうちょっと強めていく必要があるのかというふうに感じています。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 時間があとわずかになってきました。恐らくこの意見募集における主な意見について,様々,皆さん,いろいろなお考えがあるかと思います。その中で,朝日委員から,ワーキンググループの話が出ました。今後のこと,このまとめに入ることを考えると,ワーキンググループはできるかできないかというのも含めて考えていかなければいけないので,皆さんの中で,まだ十分足りない部分が,恐らく今日の1ページの目指すべき方向性のこと,それから,田中委員からありました基盤整備のことなどなど,突っ込んだ意見を整理していかなければいけない課題はあるだろうと思いますので,事務局にこんなことはどうかというようなことについて,是非,今日はもう時間がございませんので,こんな点が中心になればワーキンググループはできるよとか,何かそういう御意見を事務局に頂戴できるとありがたいと思います。次回,具体的にこの中身についての検討をしなければいけないと思っておりますので,そこでもし少し少人数で突っ込んだ意見の集約をしていくような方向性をとるかどうかも含めて検討したいと思います。
 これまでも有識者会議でワーキンググループを作って何回かやった経験は持っておりますので,それもかなり労力が必要なことですので,皆さん,大変お忙しいので,そこができるかできないかも含めて検討しなければいけないかなと思っております。
 いずれにしましても,御意見をまず頂戴したいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 今日の議事はこれまでとしたいと思います。
 まず,お忙しい中,ヒアリングに御出席をいただきました秋田県の教育委員会の皆様,北秋田市の障がい者生活支援センター「ささえ」の成田様,皆様,改めましてありがとうございました。(拍手)
 最後に,事務局より,連絡事項をお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 それでは,事務局より今後の日程について御連絡をいたします。資料4を御覧ください。次回,第13回の会議は,12月19日水曜日,10時から12時に開催させていただく予定としております。追って正式に御案内をお送りいたします。また,1月以降の会議につきましても,先日来,日程調整をさせていただきましたが,結果としては,御覧のとおり,第14回から第16回まで,3月の予備日も含めまして,結果としてこのような予定となっておりますので,皆様,御予定をしておいていただきますようお願いいたします。
 以上です。

【宮﨑座長】
 それでは,本日の会議はこれにて閉会をいたします。どうもありがとうございました。

―了―

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