学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議(第11回) 議事録

1.日時

平成30年10月18日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館13階 13F1~3会議室

3.議題

  1. 「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」事業受託団体ヒアリング
  2. 学校卒業後における障害者の学びの推進方策(論点整理)に関する意見募集の結果について
  3. その他

4.議事録

【宮﨑座長】
 おはようございます。定刻になりましたので,ただいまから第11回学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議を開催いたします。本日は,お忙しいところお集まりいただき,誠にありがとうございます。
 まず事務局の方で組織再編と人事異動がありましたので,御紹介をお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 それでは,参考資料5としてお付けしていますが,まず組織再編に伴う事務局の名称について御説明します。
 10月16日付で,文部科学省内で組織再編が行われました。「生涯学習政策局」が「総合教育政策局」となり,障害者学習支援推進室は,生涯学習推進課から男女共同参画共生社会学習・安全課に移管されております。これにより事務局名は,「総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室」となります。
 続きまして,人事異動及び組織再編に伴う新たな事務局職員を紹介させていただきます。
 10月16日付で,総合教育政策局長に着任しました清水でございます。

【清水総合教育政策局長】
 清水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 続きまして,大臣官房審議官(総合教育政策局担当)の平野でございます。

【平野大臣官房審議官】
 平野でございます。担当としては全然変わっておらないんですけれども,局の名前が変わりましたので,御挨拶させていただきます。よろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 総合教育政策局社会教育振興総括官の塩見でございます。

【塩見社会教育振興総括官】
 塩見でございます。職名が変わりましたが,引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 男女共同参画共生社会学習・安全課長の三好でございます。

【三好男女共同参画共生社会学習・安全課長】
 三好でございます。今まで男女共同参画学習課長だったんですけど,今回から共生社会と,それから,学校安全も担当することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 引き続き,障害者学習支援推進室長を担当いたします高見でございます。

【高見障害者学習支援推進室長】
 引き続きでございますが,よろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 そして,私は,障害者学習支援推進室室長補佐に着任しました星川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 それでは,次に,事務局より配布資料の確認等をお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 本日の配布資料は,議事次第にございますとおり,資料1から資料4,参考資料1から5になります。また,委員の皆様には,机上配布資料として,本日の会議において御確認,御議論いただきたいポイント例をお付けしています。ヒアリングの際の御参考として御活用ください。
 そのほか,ドッチファイルの中に関係資料を御用意していますので,適宜御参照いただければと思います。過不足等ございましたら事務局までお申し付けください。
 以上です。

【宮﨑座長】
 本日は,全国各地の多様な主体により実施されている取組の実態把握として,前々回に引き続いて,文部科学省において実施されている実践研究の受託団体のヒアリングを行います。また,論点整理に関する意見募集の結果の報告も行います。
 それでは,議題(1)「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」事業受託団体ヒアリングに入りたいと思います。
 最初に,本日御出席のヒアリング者の方々を,事務局から御紹介いただきます。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 それでは,本日御出席のヒアリング者の方々を御紹介します。
 医療法人稲生会のお取組について,医療法人稲生会理事長の土畠智幸様です。

【土畠氏】
 土畠です。よろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 続きまして,NPO法人PandA-Jのお取組について,NPO法人PandA-J代表理事の堀江まゆみ様です。

【堀江氏】
 おはようございます。よろしくお願いいたします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 土畠様,堀江様,本日はお忙しい中,ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 それでは,最初に稲生会の取組について,お伺いしたいと思います。土畠様,どうぞよろしくお願いいたします。

【土畠氏】
 改めまして,皆様,おはようございます。北海道札幌市からやってまいりました医療法人稲生会の土畠と申します。正確には,昨日,女満別空港というところから参りまして,皆様,御存じない方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけど,オホーツクと,北海道の北の東の方になりますけれども,月曜日から,そちらの方に別の,北海道小児等在宅医療連携拠点事業というのがありまして,そちらの方の一環で,網走,北見,紋別,雄武町とかを回ってきて,そこから直接参りました。
 今日は,私たちが行っている,通称,「みらいつくり大学」と呼ぶ活動についてお話をさせていただきます。では,座ってお話をさせていただきたいと思います。
 まず医療法人稲生会の事業についてなんですけれども,私たちは,医療法人ということで,人工呼吸器ですとか,胃ろうからの経管栄養,あるいは気管切開からの吸引といったような,いわゆる一般的に医療的ケアと呼ばれるようなものを必要とするお子さん,それから,若年の障害者の方を対象として,在宅医療を包括的に展開しています。
 ここにあるように,訪問診療を行う生涯医療クリニックさっぽろ。それから,小児の訪問看護を行う,くまさんの手,訪問看護ステーションですね。あと,居宅介護事業所といって,自宅にヘルパーさんを派遣する事業。それから,日中のみお子さんをお預かりする短期入所事業,どんぐりの森。そのほか,左下にあります地域生活支援として,24時間365日の介護を提供する重度訪問介護というのがあるんですが,その事業を行っているYiriba(イリバ)というものがございます。
 これについて,動画でまずはイメージしていただけるように持ってきましたので,それを御覧いただければと思います。

(動画)

【土畠氏】
 今御覧いただいたような形で,医療,それから,福祉のサービスを提供するというのはもちろんなんですけれども,そのほかに,法人を開設して,5年間,今まで理念として困難を抱える人々とともに,より良き社会を作るという理念で,医療,福祉のサービス提供にこだわらない,これ以外のより良き社会を作る活動を,障害をお持ちの方,それから,御家族と一緒に活動を展開してくるということをしてまいりました。
 私たちが対象としている患者さんについて御紹介いたしますが,向かって左側,訪問診療を行っている患者さん,御覧いただきますと,全体の6割近くが20歳未満のいわゆる障害児のお子さんで,もともとは私は小児科医だったんですけれども,いずれ子供も皆さん大人になるということで,今現在は20歳以上の成人の方が4割ということになります。
 向かって左側,全患者さんのおよそ9割弱が人工呼吸器を必要とする方々で,障害をお持ちの方の中でも非常に重度の障害を持っている方を対象としているということでございます。
 小児在宅医療は,向かって左側にあるような医療,訪問診療とか訪問看護,あるいはリハビリテーションといったものに加えて,向かって右側の居宅介護ですとか,通所介護,短期入所というもの。それから,やっぱり一番大きいのは教育とのつながりというものが大きいわけですけれども,文部科学省の方で別の事業でやられている人工呼吸器を使っているお子さんを,親の付添いなしで養護学校等に通学できるような仕組みを作ろうという事業に関しても,北海道教育庁の方でその事業を受託しておりまして,こちらの方に指導医として,私が関わっております。
 そのほか,これは厚労省でモデル事業として行っていたものを全国展開しているものですが,小児等在宅医療連携拠点事業というものを北海道でも2015年から事業化しておりまして,私どもが補助事業者ということで,札幌で展開している小児在宅医療の仕組みを北海道全域に今,展開しているところです。
 このほか,法人開設時より,それが5年前になるんですけれども,主に医療的ケアを必要とするお子さんをお持ちのお母さんたちを対象とした生涯学習活動というのを行っておりまして,みらいつくり学校という名前で行っています。これは下にある写真で,これはもともと年に1回,患者家族交流会というのをしていたんですが,それを発展させる形で,もう少し小さな単位で,医療的ケア児のお母さんたちが自ら先生となって,ほかのお母さんたちが生徒となる。場合によっては,私たち医療者が生徒となるといったような形で,多様な生涯学習を展開する場というのを設けてまいりました。
 この中で,ある1人の医療的ケア児のお母さんが,そのお子さんはまだ養護学校の小学5年生ですけれども,この子が高校を卒業した後に学びがもうできなくなるというのは嫌だと。何とかして高校卒業後の学びの場を作りたいということで,私たちの法人に入職を希望されて,その前は僕らも重度の障害のある方は学校通学中から「生活介護」の見学に行って,ある程度安心できるようなところを2つ,3つ選んで,高校卒業後はそこに毎日安心して通うというのが当たり前と思って,特に重症心身障害の方についてはそう思っていたわけですけれども,確かに高校卒業して,直後に,安心・安全を主たる目的とした生活をするかというと,自らのことを顧みますとそうではない。高校卒業後,いろんなリスクを冒しながらもいろんな人に出会い,いろんな場に出ていって学んだという記憶がありますが,それが重度の障害の方がそういうことが選択肢にないということは確かにおかしいのではないかということで考えて,この方を採用して,その方を中心に何とかそういう事業化をしようと思っていたところ,たまたまその方が入職した翌月ですけれども,文科省の方でこういう事業の募集があったということで応募をさせていただいた次第です。
 ここの下にありますが,連携協議会として,私は医師として働く傍ら,現在,北海道大学の教育学部の博士課程に在籍しておりまして,社会教育研究室というところに在籍しております。そこの教授ですとか,別の事業でも御一緒した北海道教育委員会,それから,障害当事者団体DPIというのがあるんですけれども,その北海道支部。それから,藤女子大学にいらっしゃる特別支援教育の専門家の方,特別支援学校の校長先生などに加わっていただきまして,連携協議会というものを開催しています。
 当初,私たち法人内で,みらいつくり大学運営コアメンバーというもので議論いたしまして,誰を対象とするかということを議論したんですけれども,私たちがふだんから関わっている,主として医療的ケアを必要とする方を対象としようと。私たち自身の患者及び連携機関に呼び掛けて,そういう方々にお越しいただいて,生徒さんとして参加していただこうということにしました。
 一番議論になったのは,重症心身障害の方を対象とするかどうかというところで,私たちとしては,何としてもここは対象にしたいということではあったのですが,私たち自身に余りにも重症心身障害の方の学び,特に高校卒業後の高等教育ということが知識としてなかったということもあって,まずは初年度に関しては,知的障害のない方,神経難病等の方を対象として行い,2年目以降に,この重症心身障害の方を対象とするということにいたしました。
 講座のテーマに関しては,受講生ごとに何に興味を持っているかというのは非常に異なりましたので,であれば,最終的なゴールである地域共生社会というもの,そのものを講座にしようということで,地域共生社会論というものを展開しています。
 もう一つ難しかったのが「大学相当の学び」とは何かというところで,大学というと,何となくイメージするのがゼミだったので,ゼミ形式にしようということは当初から決まっていたのですけれども,なるべく「研究」という要素を導入しようということで,それはまだ今年度はそこまで至っていなくて,今年度はゼミ形式なんですけれども,来年度以降,研究の要素を重視したいと思っております。
 あとは,特別支援学校の高等部にも視察に伺ったんですが,そこでやっていることをそのまま延長するということではなく,社会教育,ほかの方々と一緒にやりながら,その方々の主体を引き出すということを目的としたいということがありまして,そういう方向で今やっているところです。
 もう一つ難しかったところが保護者のニーズをどこまで参照するかというところで,内部に医療的ケア児の保護者である人が入っているものですから,その方もいろいろこういうふうにしたい,自分の子供にはこういう場に行かせたいとか,こういうことを学んでほしいとか聞くんですけれども,やっぱり高校卒業後,僕らですと,大学に入るときに,親御さんの意見を大学は聞くかというと,やっぱり聞かないと思うんですよね。なので,あくまで,障害が重くても,保護者のニーズは参考程度にとどめて,本人が何をしたいのかということを,本人が言葉で伝えられないことも多いですので,それを周りの方々が,親のお話だとか,それまで関わってきた支援者の話も聞きながら,重視するということにしようというふうに方向性を決めました。
 字が小さくて申し訳ございませんが,みらいつくり大学の学びの構成を一つにまとめたものになっています。学習プログラムとしては,地域共生社会論ということで,自立ということをテーマに,身体的自立,精神的自立,社会的自立ということにフォーカスして,それぞれ幾つか授業を組んで,外部から講師に来ていただいてお話をするということにしています。
 真ん中,学習プログラムの運営方法ですが,通常の大学と同じで,15コマ。1回目がオリエンテーションでしたので,全14回の講義を行って,受講生にいろいろ,どの日程がいいかということを聞いたところ,平日の18時以降が一番来やすい。特に木曜日,金曜日は来やすいということでしたので,この時間に40分,最初に講師の方にお話を頂いて,10分間,間に休憩を取って,後半40分でディスカッションする。間に10分間休憩を取っているのは,やっぱりトイレに行かなければいけない人もいらしたり,あと,たんの吸引といった,医療的ケアをどうしても提供する。もちろん授業中に行っていただいてもいいんですけれども,周りに対する影響も気になるかなということで,休み時間を10分間設けるようにしています。
 受講後は,800字程度のレポートを提出していただくということにしておりまして,現在,登録が9名,毎回ほとんど通ってきているのが7名で,毎回必ず報告を出してくれるのが4名から5名ということで,ほかの大学の授業と似たような形なのかなと思いますが,そういう形で今行っています。
 そのほか,向かって右上,学習サポート体制として,私たちがもともと医療,福祉を展開している法人ということもありますので,基本的には御本人にふだん関わっているヘルパーさん等に一緒に来ていただくわけですが,プラスアルファで何か必要がある場合,体調不良がある場合などは,私たちがほとんど主治医として関わっておりますので,そういう万全の体制を組んで行っているということにしているほか,ICTシステムを用いて,受講生同士で,授業以外のときにもやりとりができるような仕組みにしています。
 向かって右の真ん中,ピンクのところ,コーディネーターということで,特別支援学校で14年間働いていた作業療法士が法人内におりましたので,そのスタッフをコーディネーターとして配置しております。先ほど言ったようなメンバーで,連携協議会を年4回開催して,事業を展開しながら,この連携協議会の意見を,アドバイスをしていただくといったような形にしています。
 向かって右下は,これはつい先日行ったものなんですけど,受講生から,授業が終わった後に必ず,「飲みに行かないんですか」と言われるんですけど。基本的には成人した方ということにはなるわけですが,成人していない方も一部入って,もちろん飲んでいませんが,お母さんが一緒についてきていた高校生が参加してくれているので,この方もお母さんと一緒に参加してくれたんですけど,新歓コンパという形でやって,かなりの数,参加していただいて,記念写真がここにありますが,ちょっと遠くて申し訳ないんですけど,人工呼吸器を付けている方がかなりの数いらっしゃるというのがお分かりいただけるかと思います。
 実際の授業内容をこのような形で行ってきまして,私がお世話になった政治学の教授ですとか,障害学を研究している社会学の研究者ですとか,今日もこの後,札幌にまたとんぼ返りして,今日の夜に第5回の授業があるんですが,今日は,ALSの呼吸器を24時間付けている当事者の方が,「どのようにして24時間介護を勝ち取ったか」という話を,口文字を使って講義をしていただけるというふうに聞いております。
 向かって下は,タイトルがありませんが,厚労省の方でいろいろ委員もされている,地域共生社会の研究者である堀田聰子さんという方にお話をしていただくですとか,あと,向かって,右下は,『こんな夜更けにバナナかよ』という,筋ジストロフィーの方をテーマにした映画が今年の12月に公開されるんですけれども,私はそこに医療監修という形で関わった絡みもあって,その映画監督にお話を頂いて,障害をテーマとしてどのように映画を作ったかというお話をしていただくことになっております。
 実際どんなふうにやっているかということを,初回のオリエンテーションと第2回の講義。第2回の講義については,DPI北海道という当事者団体にいらっしゃる,脊髄損傷の当事者で,いろんな社会的な活動もされている西村正樹さんという方にお話を頂いて,「障害当事者運動の歴史」という講義を伺ったんですけれども,その後の議論も含めての映像になります。

(動画)

【土畠氏】
 こういうような形で,毎回,授業というか,ゼミ形式で行っています。4回の講義が終わったところで,先日,先週になりますが,第2回連携協議会というものを開催しまして,議論をしました。主に来年度以降どうするかという話をしたんですけれども,今年度も含めてですが,まず受講生の評価をどうするかということで,何をもって修了とするかということもありましたし,優良可といったような通常の段階の評価を付けるかという議論をしたんですけれども,それは余り意味がないのではないかということで,受講生の状態,もともとの状況に合わせた形成的評価みたいなものの方がこの目的に合うんじゃないかという議論をしました。
 2つ目,これは私たちが先ほど言ったように,研究という要素を来年度以降重視したいということで,修了した方を対象として,「リサーチフェロー」という形で残っていただいて,関わっていただくと。もちろんそのリサーチフェローをしながら授業にも参加して,翌年度以降も継続的な学びをするということもありますし,やはり障害当事者自身による運営というのが非常に必要とされていると思いますので,その修了生の方々でリサーチフェローになった方に,今度は運営スタッフとして関わっていただくということを考えておりますが,そこで問題となるのが,どのようにその方々を選抜するかという問題があって,その辺はある程度本人の主体性に任せる,あるいは,こちらから,この人に是非加わってほしいという方に要請するといったようなことを考えています。
 先ほど申しましたとおり,私たちの中で一番課題となっているのが,重症心身障害の方を対象として,どういうふうに講座を展開するかということで,私たちの中で方向性としては,当事者研究の手法を取ろうと思っております。北海道の浦河町にあります,べてるの家というところで精神障害の方を対象とした当事者研究というのを行っていて,精神疾患を持った方々がグループで集まって,自分たちの抱える問題について集団で話し合いをすると。それで解決していくという方法があるんですけれども,それを重症心身障害の方を含めた形で展開できないかと思っております。もちろん言葉を使えないということがありますので,当事者研究の中でも非常に新たなチャレンジになるわけですが,議論の中では,単なる「被験者」にしない。この障害者,重症心身障害の方を対象として研究を行うということであれば,従来の医学モデルと何ら変わりはありませんので,そういうふうにはしないということが重要だという意見ですとか,あとは,最初からその人たちが中心となって研究をするということではなく,神経系疾患の方とか,ほかの受講生,あるいは私たちスタッフとともに「見習い研究員」という形で,まずはそこに「参加」する。研究チームの一員となるというところからスタートして,翌年度以降,その関わる中で,ああ,この子はやっぱりこういうのが好きなんだなとか,これのときにすごく関心を示すなというテーマを探していくということでもいいんじゃないかという意見もありました。
 あとは,専門職・支援者が参加するという「当事者性」というものを,障害当事者だけに限らず,障害当事者に関わる立場でいろんな矛盾に私たちも向き合うわけですが,そういう方も含めた「当事者性」の拡張というのが必要なのではないかということもありましたし,あと,一番は,重症心身障害の方々の学びというものをどう評価するかといったようなことが問題になるだろうという議論がありました。
 これは最後のスライドになりますが,今後のその他の構想として,私たちが新しく法人の拠点を来年の4月に移すという予定になっておりまして,今の倍以上の広さになるというところで,元精神科のクリニックだったところなんですけれども,1階の待合室のスペースを全て「みらいつくり大学」の場所として整備しようと,今,改修工事を始めるところです。
 そのほか,「一般社団法人みらいつくり研究所」というのを,「みらいつくり大学」に併設するような形で設立しまして,修了生のリサーチフェローがそのままそこの研究所の研究員として関わるとか,あるいは,やはり仕事につながるということも非常に大きなところだと思いますので,今日見ていただいた動画は,全て私たちの法人に専属で配置をしている映像ディレクター,元テレビ制作会社のカメラマンがいるんですが,その方にやっていただいて,そのスタッフにやってもらっているんですけれども,動画制作というのは,手さえ動けばかなり編集ができるということもありますし,収益性が高い。今後も非常にニーズがあるというところですので,動画制作も学べるような表現論みたいなものも,来年度,設けたいと思っていて,そこから就労機会の確保につなげられたらいいなと考えているところです。
 それから,私たちの元患者さん御家族,お子さんを亡くされた方で,その後も私たちの法人に関わってくださっている方が社会保険労務士事務所をやっておりまして,それが私たちの新しい事業所の隣にあるところに事務所を設けてくれるということが決まっておりますので,障害者の働くということに関しては,様々なところで問題になっておりますが,それを障害当事者が自ら社会保険労務士事務所と連携して,障害者の働きということについても提言をしていくといったようなことができたらなと思っております。
 そのほか,地域における連携ということで,近隣に,北海道科学大学という大学がありまして,来月,その4つの講座のところに授業をさせていただくことになっているんですけれども,この「みらいつくり大学」の話をして,そこに学生を受け入れる,あるいは共同研究をするといったようなことですとか,あと,地域のほかの高齢者の団体にも内覧会に来ていただいて,この間,もう既に1回新しい施設を見ていただいたんですけれども,そこで高齢者の方とも一緒に何かを協働するといったようなことができないかなということで,私たちの法人の支援施設を地域の生涯学習拠点にできないかということを今現在構想しております。
 発表は以上になります。御清聴ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 土畠様,ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明について,御質問,御意見のある方,どなたからでもどうぞお願いいたします。どうぞ。

【箕輪委員】
 横河電機,箕輪と申します。よろしくお願いいたします。貴重なお話ありがとうございます。幾つか質問があります。
 一つは,意思の表出が難しい方ですね。身体の機能障害だけでも言葉にすることが難しい方が,この資料の御説明ですと,今のところ推測の部分が,今,ビデオに出てきたような,ちゃんとお話ができる方はいいんですけれども,そうでない方で,内言語を持っているような方が,都内の特別支援学校を回っていてもたくさんいらっしゃるんですけれども,その方たちがやはり推測の域を越えないというところで,いろいろITとかそういったものを工夫されつつ,徐々に進化はされていると思うんですが,これがいかに事実,本人の意思に100%,90%ぐらいまでたどり着けるかという辺りをどのように。この学びの中からもそういった方法,手段が見えてくると思うんですけど,その辺りが今の選択肢とか何をしたいかといったことが大事だと思うので,それが大人,周りにいる人たちの導きの下,本人の意思というふうになってしまっている場合も多いので,その辺りの工夫とか今後のことについてお伺いしたいなというのが一つと,あと,シートの13ページでお話のあった,評価のところで形成的評価というのがあったと思うんですけれども,この具体的なイメージが私の方で湧かなかったので,例えばどういったものがあるのか。1の受講生の評価のところですね。ここで評価があると思うので,それをどんなようなイメージか,もう少し具体的に教えていただきたいなというふうに思っています。
 あと,これは感想ですけど,就労のところはとても大事だと思うんですが,やはり学び続けるという中では,働くこともかなり学びとか刺激になると思うので,ここにつながるところの活動がたくさんあると思うんですけれども,お話を伺っていても,例えば,次に,今日の第5回の講義の方の,文字盤によって講義をされるというところで,そういったプレゼンの仕方も参考になるでしょうし,800字程度のレポートを提出。いろんな方法があると思うんですけれども,こういったものができるというところですとか,ICTで,オンラインで参加者同士がコミュニケーションを取れているといった辺りも,ここの,障害の方に特別にすごく配慮した,職場以外でも民間の企業にもそういったところが伝われば,もう少しまた選択肢が広がってくるのかなと思って,お話を伺っておりました。
 以上です。

【宮﨑座長】
 それでは,お願いします。

【土畠氏】
 御質問いただき,ありがとうございます。非常に課題となるところを御質問いただいたのかなというふうに思いますが,まず1点目,意思の表出というところで,やはり重症心身障害の方については,100%,その本人の意思を反映するとか,こちらが受け取るということは,少なくとも今のテクノロジーでは難しいと私どもも思っておりまして,最初はかなり,ただ,とはいえ,そこが一番重要なところだということで,かなりそこにこだわって話をしていたんですけれども,やっぱり余りにもそこにこだわると,テクニカルな問題にどんどん走っていってしまって,本当にそれが本人がそうだと言っているというのをどうやって確認するとかそういう話になってしまって,これは私たちの今やっている研究事業の域を出てしまうのかなというふうに思っております。
 振り返って,自分たちのことを考えてみても,例えば研究室に入って,5人ぐらい研究チームがいる中で,本当にその5人の方の全員の意思というか,それを100%分かっているかというと,私たちも分からない。何となくそこのチームの中に1人で入って,でも,やっぱり行って何かを反映させている,何かそこから学んでいるということはあるんだろうと思います。
 これを障害当事者の方に,私たち以上に更に求めるということもまた違うのではないかなという思いもありますので,まずは参加するというところで,参加して,その本人,重症心身障害の方もいろんな表出をして多分してくれるようになるだろうと思いますし,私たちもまたそこで学びがあるだろうというふうに思っていますので,そこの意思をどういうふうに分かるかということについては,そこまでこだわらないようにまずはしてみようということで,今,話しているところではあります。
 2点目の評価に関しては,今,議論を始めたところでありますので,今現在,こういうツールがもう既にあるとかいうことではございません。今考えているのが,やっぱり有料化とか,レポートを出していただいて,中身を見るとかなりレベルの高い内容で書いていただいているんですけど,講義を受けての感想というところが多いですので,それを本当にどういうふうに評価できるかということは非常に難しいのかなと思っておりますので,僕らが今考えているのは,ポートフォリオみたいな形で,半年間なり,1年間なり,こんな形で学習をしましたねというものを,本人が提出していただいたものを授業中の発言。発言等は全部記録に取っておりますし,遂語録として,今,テキスト化しているということもありますので,実際に受講生の方にフィードバックするのに,こういう議論があったときに,あなたはこういう発言をしていましたよという形でまとめていくということをもってして,形成的評価にしたいなと今のところ考えているところです。
 3点目,就労のところで,就労そのものというよりは,どういうふうに参加するかというか,テクノロジーをどういうふうに使うかという話もあったところですが,今使っているのがズームという,遠隔で参加できる会議のソフトウェアがあるので,今こういうふうにロの字型にしてやっているんですけど,真ん中に集音マイクを置くのと,あと,カメラを全部で4台ぐらい使って,いろんな角度で撮っているのをズームで表示するんですよね。なので,家から出られない,今日も2人,ヘルパーさんがどうしても確保できないということで,ズーム参加になっているんですけど,毎回ズーム参加を必ずオーケーにしていて,その方々が,そこの自分が見たい画面を拡大できるので,ホワイトボードを出している画面,講師の先生が出している画面,教室を出している画面というのが,みんなでこういうふうにカメラで動かしながらやっているので,それを今使っているというところなんですが,もう一つ,OriHimeという機械があって,人形みたいな,ロボットみたいなのがあってですね。僕も今,今度,話し合いをするところなんですけど,そういうものも使って,より一層,ただ見ているだけじゃなくて,そこで参加するということもテクノロジーとして活用していけたらいいのかなというふうに思っております。

【宮﨑座長】
 どうぞ,山田委員。

【山田委員】
 山田です。どうもありがとうございました。2つほど御質問と,1つ,参考意見を言いたいんですが,1つは,この方々がどのくらいの居住範囲で集まってこられているのか。その距離的なところですね。そしてそこからの移動手段はどうされているのか。そういったサポートをどうされているかというところが1つですね。
 それから,2つ目は,今はこの文科省の補助金で運営をやられているので,利用料金は多分ないと思いますが,これが将来続けていかれるときに,利用料みたいなのを取られるのか。どこがそのお金を出されるのか。計画がもしあったら教えていただきたい。それからもう1つは,さっきの就労の話ですが,最近,都内の企業では,障害者雇用率の数字を上げなきゃいけないということで,いろいろ手探りされていらっしゃるところもあります。ただ,都内の企業が,必ずしも職場に来なくても,例えば、北海道の方を自分のところの会社の社員にして,そこからITを使って就労させるというような取組も例がありますので,将来そういったことも考えていただけたらどうかなと思いました。ご参考までに。

【土畠氏】
 御質問いただき,ありがとうございます。
 1点目に関しては,距離ということですけれども,札幌市内全域から来ているような形で,札幌自体が直径でいうと40キロぐらいになるんですね。片道20キロぐらいという距離ですので,そこまで来ているという形で,会場を毎回変えているんですよね。特に大学の先生に講師を担当していただくときには,その大学のキャンパスを使うという形にしています。
 やっぱりそれは,一つの目的としては,いろんなところで学びを体験してみるということもありますし,もう一つは,逆にそこを使うことで,やっぱりこういうところが使いづらいということを大学の先生に知っていただくということがあります。そこまでの移動に関しては,基本的には受講生本人で確保していただくという形で,今回参加していただいている方がほとんどもともと自立生活をされている方なんですよね。24時間ヘルパーを活用して,自立生活をできているという方ですので,移動に関してもふだんからやっている。
 先ほど言った重度訪問介護というものを使いながらやっている。それはうちの法人で提供している方もいらっしゃいますし,そうじゃない方もいらっしゃいますが,なので,その辺は今のところは問題になっていないというところなんですけど,逆に私たちとしては,ここに参加することで,今まで親元にずっといたんだけれども,自分で自立した生活をしたいというような形に発展してほしいということがあるんですが,その方々はやっぱりアクセスの問題があるんですよね。そういう方々は事前にどういうふうに来られますか,どの手段を使いますかということを言っていただいて,なおかつ,駐車場を使うか,使わないかということも全部聞き取りをしているんですけれども,その場合で,移動手段がないんだけれども,どうしても出たいという方については,今のところ,場合によっては,僕らの方のヘルパーがそのときだけ伺うということもする想定ではおります。
 2点目,事業化に関してなんですけれども,ここは非常に問題になるところで,逆に,文科省が今後どういうふうに考えておられるかということをこちらから聞きたいところではあるんですけれども,やっぱり受講生御本人から学費を取るということも,まあ,考えなくはないんですが,難しいのかなと。皆さん,そんな所得がない方ではありますので,それを親御さんに払ってもらうというのはなかなか難しいところなのかなと思っておりまして,今,一つ考えているのは,生活介護事業所というものがあります。私たちが対象としている方々は,基本的にはほとんど生活介護が利用できる障害の程度の方なんですよね。そこで,生活介護事業所として展開して,それを新しく設ける場所は,既にその要件を満たすような場所にしているんですけれども,生活介護事業所なんだけど,勉強しかしない。入浴とかそういうものの提供はしないというような。入浴は絶対必須ではないので。やっぱり学びも含めて生活と呼べるだろうと思っておりますので,生活介護事業所として展開をしながら,そこに私たちのスタッフを配置するといったようなこともひとつ考えられるのかなと思っております。
 3つ目,就労に関してなんですが,アドバイスいただいた在宅ワークといったような形は非常に活用できるのではないかなと思っておりまして,先ほど言った社会保険労務士の元患者家族の方に関わっていただくのはその辺もあります。既に医療的ケア児のお母さんですね。重い障害を持つ方のお母さんも働きたいんだけれども,その子を預けるところはなかなかないといったようなことで,仕事につながらないということもありますので,既にそこが在宅ワークを展開しているんですね。そこが障害当事者に対してもその在宅ワークを推進したいと言ってくださっているので,そこと一緒に協働して考えていくといったことをしたいと思っているんですが,今回やっぱり募集をしたときも,一番僕らが来てほしかったのは,18歳,19歳,20歳,21歳ぐらいの,本来であれば,大学あるいは専門学校に行っている年齢の方々だったんですけど,その方々からは応募がなかったんです。
 僕らもかなり働き掛けたんですけど,だめで,理由は,そこに行って何を得られるのか分からない。仕事につながらない。そこで勉強するぐらいならちょっとでも稼ぎたいということで,就労支援事業所等に行っているんですが,それってやっぱり就労支援事業所が悪いわけでは全くないんですけど,かなり限られるところで,高等教育というのは自分の就労につながる社会参加の可能性を広げるというところなので,逆に広げるという観点よりも,目の前のことをというのが出たというところが,そういう現状なのかなと。プラス,お子さん本人よりも,お母さんたちからそういう意見が多かった。なので,そこはもう高等教育に行って,何かそこから新しく就職するんだみたいな発想がやはりないんだろうと思っているので,そこら辺を何とか打破したいなと思っているところではあります。

【山田委員】
 ありがとうございました。今の中で,講座を14回やっていますが,一回の講座にお金がどのくらい掛かるのかというのを教えてください。

【土畠氏】
 ごめんなさい。1回のお金に関しては,ほとんど講師の謝金。それはもともと決まっているもので,1万幾らと1時間当たり決まっているわけですけど,プラス会場費が掛かる場合もあれば,大学の先生の場合は掛からないですよね。なのでということもあります。あとは,うちのスタッフを配置している分は,費用に,今のところ,入れる場合と入れない場合とあるので,どこまでそれを入れていいかということもあるので,うちのスタッフも一緒に勉強する一員みたいな形で入れているので,今はかなり法人の持ち出しでやっているという形ですので,お金が掛からない形でありますが,そこを夜間だけではなくて,日中の業務時間内にやるということになると,どこまで費用として掛かるのかということを,まだそこまで計算できておりませんので,やはり何らかの事業所として事業化するよりないのかなと個人的には思っています。

【山田委員】
 ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 どうぞ。ほかに。

【津田委員】
 ありがとうございます。神戸大学の津田と申します。この事業に関して,重症心身の方たちということで,特に医療法人が関わっておられるということですので,期待をしていたのは,医療的ケアがなければ外出ができない人たちに対して,どういうふうに外出を支援していくのかというところのシステムの構築ということを目指していただいているのかなということを実は期待していたんです。
 今お話を伺っている限りは,余りそのところについての話が出てこなかったのは残念かなと思って,もちろん実際の学習者の方たちのニーズに合わせてということだと思うんですが,僕たちのやっている実践の中でも学齢期には,ずっと車椅子に乗って,下の方にどんどん傾斜していく男の子が2人ぐらい来ていまして,卒業した途端,だんだんこう,上を向くようになってきて,iPadを使いたいと言い出して,iPad,最近は,「今日いきます」とかいうメールまでしてきてくれるようになるというね。すごい成長を見ている人がいるんですけども,彼の場合も別に重度障害の人たちのためのプログラムではなくて,社会参加をしていくような保障ができれば,もっといろんな場所に行けるという人たちなんですが,どうも伺っている限りでは,もちろん重度障害のある方たちのニーズに合わせた学びの内容を作っていくということも,これは全く重要なことだと思うんですけれども,学習機会を増やしていくという観点からすると,もっと様々なところに出掛けていく仕組みを作るということがまずあるといいのではないかなというふうに思ったんですが,その辺りのことはどうお考えなんでしょうか。

【土畠氏】
 御質問いただき,ありがとうございます。今回のプレゼンテーションに関しては,今,御指摘いただいたように,アクセスだとか学習機会をどういうふうに,どの場所で得るかということについては,そこまでフォーカスしなかったつもりです。学びの内容ということをフォーカスしてお話しさせていただいたんですけれども,今言っていただいたように,どういうふうにそこに来るのか。来るに当たってどういうハードルがあったのかということに,バリアフリーじゃなかった部分があったとかですね。公共交通機関を使って来ている人もいるので,公共交通機関から大学までどういう障害があったかということも実は全部記録には取っております。
 実際に遅れてくる方もいらっしゃるので,遅れてきた場合には,なぜ遅れたのかということも全部書いていただいて,データを取っているところです。ただ,まだそこは4回しか授業をやっていないということもあるので,それを全部分析できていないというところがあります。
 あともう一点,やっぱり医療的ケアを必要とするときに,その医療的ケアがどうしてもあるから外出できない,そこに行けないということもあると思うので,先ほど言った,ビデオで撮っていることのほかに,職員を配置して,1人の職員当たり2人ぐらい当事者の方をずっと記録しているんですね。それは当事者にももちろん了解を取っているわけですが,何時何分にたんの吸引をしたとか,何時何分にトイレに行ったとか。トイレに行ったんだけれども,トイレがすごく遠かったので,10分間の休憩時間には間に合わなかったということも全部エクセル表でデータは残しております。なので,その部分についても,後日というか,今回の1回目が終わった後で記録としてまとめられるのかなと思っているところではあります。
 やっぱり既に慣れている方だから,別にそれはこちらが何もしなくてもできるよねという話はもちろんなので,今言っていただいたとおりで,来られていない人たちというのがたくさんいるんですね。僕らから見ると,本当にもったいないなという方々。家に半分引きこもっているとは言わないまでも,親御さんとずっと一緒にいるという方に何としても来ていただきたいということで,該当者がかなりいたものですから,先ほど言ったように,かなりこちらから言ったんですけど,本人たちの学びへの期待がそこまでなかったんです。ということで,今回は対象にできなかったというところが私たちも非常に残念なところではありました。
 ただ,先ほど言ったズーム参加というのを可能にしているので,ちょっとやっているから見てみたら。自分の顔は全然出さなくていいし,しゃべらなくていいから,見るだけ見てみたらというところから入ってもらって,ああ,何かやっぱり楽しそうだし,新歓コンパみたいなのもやっているし,みんなでどこかに社会科見学的に行くとかということをどんどん出していけば,やっぱり何か思っていたのと違うから行ってみたいなという人が出るんじゃないかなとちょっと期待しているところなので,その辺は来年度以降,初めて,今まで自立できてなかったんだけれども,親元から離れて参加してみたいということを,うちはもともと重度訪問介護を展開していて,そういう方々を対象にしているので,そこからこの学びにつながるということができたらいいなと思っております。

【宮﨑座長】
 では,綿貫委員。

【綿貫委員】
 綿貫です。こちらのみらいつくり大学さんのプログラムの特徴,学習の特徴として,ゼミ形式ということがありました。先ほども動画の中で,御本人の方が,人と関われるのがいいというふうにおっしゃっていて,そういうところが御本人たちのニーズとしてあると思いました。大学でも座学でも講義形式やいろんな形式をとることがありますが,これまでの中で見ていて,そのゼミ形式の中で人と関われるのがいいという御本人たちのニーズを感じたり,集団の中で学習をすることがいいんじゃないかなという印象を受けたりしたことがあったら,その辺りのことをお聞きしたいです。
 それから,新歓コンパというのもそういうことの延長線であると思うんですけど,11ページ目の学習サポート体制のところで,医療的ケアのほかに,下の方に,「講義前後の受講生間のコミュニケーションを促進するべく受講生限定のポータルサイトを活用」ということなんですけど,私たちも発達障害の方の若者の支援をする中で,自然とLINEのグループが発生して,そのグループの中で,今日のプログラム,こういうことやるらしいよとか,何か楽しみだねとか,やったことないねとか,そういう会話が生まれるみたいなこともあって,このみらいつくり大学さんの中でメインでやっていることのほかに,その周辺の中で出てくる関係性の中での学びみたいなこともすごくこの事業では重要なのかなと思っているんですが,そのポータルサイトとかどんなふうに活用され始めているのかとか,そういうことも教えていただけましたらと思います。

【土畠氏】
 ありがとうございます。今御指摘いただいたところで,共同学習というところを私たちも最初から重視していたので,訪問して障害当事者の方に何か講義をするということは割とハードルが低かったとは思うんですけど,私たちとしてはもう物理的な場に出てきて,一緒に学ぶということを重視したいということがありましたので,今回のようなゼミ形式というものを使っています。
 こういうような評価が出ましたと具体的に数字等で出せるわけではないんですが,見ていて,まだゼミといっても,講師の方が話したものに対して,意見あるいは質問をして,講師の方が話すということなので,この間,私の方から全員に挑戦するような質問を投げ掛けてみたんですけど,まだゼミ生同士の議論というのは生まれておりません。ただ,これは通常の大学でも同じような形かなと思いますので,大学院とかになって初めて議論できるようになるというところなので,何とかその辺をもう少し強化したいと思っているところで,中間に,7回目は受講生だけ,外部から講師を呼ばないような会を設けているので,その辺で受講生同士の議論が生まれたらなと期待しているところであります。
 共同学習の効果という意味では,やっぱりほかの人が発言しているのをその場で聞くということがあるので,自分も同じ障害当事者なんだけど,ああ,ああいうふうに思っている人もいるんだとか,ああ,自分とは違う障害の方をこういうふうな観点で見ているんだということは,結構受講生の方から話に出たり,レポートの中に出たりとかしています。
 あとは,終わった後,なかなか皆さん帰らないんですよね。終わった後も誰かと話しているということがずっと。結構多いのが,視察に来る方がたくさんいて,実は毎回,20名から30名の人がいるんです。なので,その方々が帰らない。障害当事者の歴史について話したはずなのに,よりよく生きるとは何かみたいな議論をずっとしている。それってやっぱり障害当事者のためだけの学習ではないと思うので,障害の有無にもかかわらず,自分の人生とか,自分が生きるということをどうかと考えられるということは共同学習の結果なのかなと思っているところです。
 あともう一つ,私たちの先ほど言った新歓コンパというのは結構,有識者委員というか,連携協議会の中でも出たのが,単に授業中の話だけではなくて,やっぱりキャンパスライフってすごい重要だよねという話で,それを私たちは体験してもらうためにいろんな大学の教室を使っているんですけど,今はまだ夜間なので,実はあんまり学生さんがいないんですよね。暗くなってからというのはあるんですが,来年度以降は昼にも開講したいなと思っているところと,あと,LINEグループ等はまだ作っていないんですけれども,やっぱりこちらから働き掛けて作ってくださいというものではないと思うので,受講生の中で自発的に出るのがいいのかなと思っているんですが,今使っているポータルサイトは,アカウントをこちらで作成して,会議室というのが作れるんですけど,その中で,僕らが次回の授業はこれですとか,今回はこんなテーマでしたねということを書いていて,そこに受講生の方が,ちょっとこういうふうに思いましたとかと書いてくださることもありますが,まだ皆さん,様子見しているところかなと思います。
 授業の様子は全部動画にして,編集をして,いろんな角度から話した方を中心に編集した上で,全部共有しているので,自分が話したのも含めてもう一回動画で全部1時間半見直すことができるということがあるので,そこは皆さん,見ていただいているようではあります。その辺のLINEグループ等含めて,学び以外のつながりができるというのがもう少し時間が掛かるかなと思っています。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。時間の関係もありますので,これで稲生会の取組についての質疑応答を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして,NPO法人PandA-Jの取組についてお伺いしたいと思います。それでは,堀江様,どうぞよろしくお願いいたします。

【堀江氏】
 皆様,こんにちは。NPO法人PandA-Jの堀江です。本職は,白梅学園大学で特別支援教育と,それから,地域の権利擁護,虐待防止などを研究しております。このNPO法人は,プロテクション・アンド・アドボカシーといいまして,権利擁護という名前なんですね。プロテクション,予防する。Aは,アドボカシーは,今で言う意思決定支援ということなので,本人を中心にして権利擁護を進めていくというような団体です。
 NPOですけれども,サービスを提供する団体ではなくて,研究団体ですかね。弁護士や研究者や,それから,精神科医。テーマによっては,支援者の方たちや学校の教員,親御さんたちに関わってもらいながら,成年後見を含めたようないろんな権利擁護の研究と実践を進めてきております。2000年ぐらいから活動しているところです。
 今からパワーポイントで御説明したいと思いますけれども,星印が出てきたものにつきましては,参考資料のようなデータですので,手元のパワーポイントにはないので,御覧いただければと思います。
 問題の出どころですけれども,私たちは,広く権利擁護ということを研究してまいりまして,その中で,学校PandA,これはプロテクション・アンド・アドボカシーですけれども,長いので,薄目で読むと「パンダ」と読めますか,皆さん。ここで笑っていただけるとすごいいいんですけれども。全然,目の黒い,白いは関係ないパンダなんですけれども,みんな愛称で呼んでもらっています。
 学校PandAという組織がありまして,学校の先生たちを中心として,学校から,それから,地域に出た人たちの支援をどう考えるかということは,もう2003年ぐらいからずっと積み重ねてきておりました。
 やっぱり一番ニーズの把握という意味では,これは古いんですけれども,2003年に,だから,養護学校時代ですね。そのときにデータを取ったものが出発点になってきています。学校卒業後に,学校の先生たちは卒業生を支援していると。もう3年も5年も10年もずっと支援し続けている先生たちって少なくないんですよね。その中でやっぱりトラブルを起こしてきて,学校の,菓子折りを持ってとにかく謝りに行くとか,いろんなことを先生方,実践されてきています。
 それを問題解決,何かしていかなきゃいけないねということで,初めて取った調査だったんですね。300事例ぐらい集めてみました。このときの割合は,発生率ではなくて,学校の先生がどういうトラブルに困難さを感じているかという割合なんですね。結局,累犯してしまって,繰り返し繰り返しやってしまうトラブルというのはやっぱり支援が困難になってきています。社会的逸脱行動に関しては,万引きが,これは一般の人たちの犯罪からしても多いので,やっぱり同じような傾向になりますね。あとは,無賃乗車,無銭飲食と書いてありますけど,要するに,コンビニ行って,ポテトチップを食べたくなっちゃったので,お金持っているんだけど,払わないうちに食べちゃったとかそういうものがいっぱい出てきています。
 それから,もう一つ,社会的逸脱の隣,次に多かったのが性的なトラブルなんですね。これは被害も加害も多いと。あとはお金関係ということになります。被害の方も女性の方を中心にして,本当に妊娠をさせられてしまうとか,そういうような事例がいっぱい出てきていますし,実は問題と感じていますのが,重篤な加害も事例としては少なくないんですね。痴漢行為とか,マイルドな言い方をしていますけど,結構,公園に女性を引っ張り込んでしまって,強制わいせつで捕まったりということもあります。学校卒業した後に,とにかく手が届かなくなってしまった後にいろんな経験をしているし,それを学校の先生と支援者が追い掛けているというのが実際の図だったんですね。
 このような事例も取りあえず後ろに載せておきました。もう各地の機関や学校の先生たちが向き合っている事例だと思います。もう在学中から,女の子であれば,繁華街に行ったりしながら,お金絡みですかね。暴力団とかに関わりながら,そして,なかなか福祉サービスにつながらない中で大変な思いをしてくるとか。あとは男子のところでは,やはり刑務所に入ったり,あるいは少年院に行っていることも実際には少なくないですね。かなり重篤なトラブルに関わってしまって,御本人も,それから,支援している周りの人たちもヘロヘロというか,かなり疲れた状態にあるというのが実態ではあると思います。
 それからもう1つ,2つ目のファクターとしましては,このような実態が学校関係だけではなくて,グループホームとかB型とかに就労している方たちでもいっぱいトラブルが起きてきていますので,私たちのこのPandA-Jそのものがトラブルシューター養成ということを2012年から始めてきています。厚労省の村木厚子さんが,「共生社会を創る愛の基金」という,誤認逮捕で頂いていた賠償金3,300万で基金を作って,そこで始めたのがトラブルシューターというものなんですね。
 どんなものかということに関しましては,簡単にお伝えします。とにかく社会から孤立している人たち,障害者も高齢者もですね。その方たちが地域の支援者たち,これは地域によって得意な分野の人たち,例えばある地区では発達障害者支援センターがすごくアクティブに動いているし,ある地区ではむしろ保護観察官がキーワードになって,地域をまとめているし,いろんな社会資源の在り方というのは違うんですね。それを使いながら,インフォーマルな形ではありますけれども,ネットワークを作ろうという動きです。その動きの,実際に付いているこの資料を添付しておきましたので,御覧いただければと思います。
 WAMが割と理解をしてくださいまして,助成いただいて,優良に選ばれましたというものなんですけれどもね。各地で地道に展開してきました。実際のトラブルシューターの人材養成ということで,このような1日研修をしてまいりましたし,実際には各地でこのような,この指止まれ形式でやってきています。全国各地にいろんな形でできてきています。
 私たちとしては,とにかく本人を中心にしながら,そういうトラブルが起きたときに,地域の関連の機関がそれぞれの専門性を生かしながら支援していくという,このハブとスポークモデルということを考えながらしていますし,ですから,御本人によっては,どこのスポークが太いかはそれぞれに違ったアセスメントをしていくわけですね。
 それから,やっぱり問題になったのは,いろんな相談機関や支援する機関はあるんですけれども,全然ばらばらなんですね。顔も余り知らないという方たちが多かったので,そこの御用聞きができるような人材を養成していく。社会福祉士というような公的な資格ではなくて,常々グループホームの世話人さんであったとしても,何か事が起こったときにはトラブルシューターとして駆け付けられるとか,あるいはお母さん,お父さんであったとしても,息子だけじゃない,ほかの人たちの支援にもすぐ,刑事手続がきちんと分かった上で適切な対応ができるような人材養成をしていこうということなので,かなり裾野は広いと思います。
 あと,これはもう皆さん御存じだと思いますけど,表面的なトラブルを叱ったり,だめだよと言っていたのでは問題解決していかないので,このような環境要因や,それから,一番下ですね。思考や認知のゆがみですかね。御本人が知識が足りないために,小さい子だったらば,何も言わないから触っても大丈夫だとか,本当にそう思っているんですね。あるいはネットで犯罪を企てたけれども,自分は知っているけど,ほかの人は知らないから大丈夫だろうと思って,結局は逮捕されたりとか,いろんな御本人に伝えていかなきゃいけない状況というのはたくさんあるんだなと,支援しながら思っています。
 あるいは,これは犯罪学の中ではBPSモデルというので有名なので,このモデルで進めていくんですけども,実際には,御本人さんたちというのはすごく課題が複雑になってきていますので,環境調整をしただけでは問題解決できないねと。やっぱり本人にきちんと認知のゆがみを修正したり,一緒に考えていくような,四つに組むような学習の機会というのは絶対必要だねということがずっと経験で分かってきてきました。
 あと,とにかく息の長い支援が必要なんですね。ずっと,もう3年,5年,6年もあるし,もう一回,トラブルしちゃって,また逮捕されたりということもあるし,それも含めて,私たちは腹をくくった上で,最終的には御本人が強みを生かして,グッド・ライブズ・モデルとして生きていってほしいなというのがゴールになってきます。
 それなので,もう一つは,御本人に対するアプローチの考え方ですけれども,ここはこの研究事業に重なってきます。実際にはこのようなモデルのときにはリスクという考え方を,トラブルを起こした人,あるいは犯罪になった人たちのことをアセスメントするときには考えます。あと,リスクが高い人,低い人とかなりいらっしゃるんですね。プログラムに対しても,これも低リスクの方には低リスクのプログラムを提供することが妥当であるし,高リスク,かなり強制わいせつなどで何回も繰り返しているような方たちに対しては,しっかりとした高密度のプログラムを適用するということが妥当。逆に言えば,低リスクの方に高リスクのプログラムを提供すると逆効果になってしまうんですよね。なので,そこはやっぱりリスクとプログラムの質というのは対応させなきゃいけないということになるんですね。
 私たちが今までやってきたものは,どちらかといえば,低リスクに関してのプログラムは,いろんな形で作った上で実践をしてきています。一番上はビデオで,再現ドラマですかね。痴漢,キラキラ光ったものを触ってしまうと,痴漢の疑いを掛けられるのよと。だから,そこは気を付けようねとか,そのような気付きに対する教材というのはかなり作って実践をしてきました。
 ですから,これは低リスクの方たちに対して,大体は1回から3回程度で終わるようなものなんですが,ただ,気付きで終わっているので,じゃあ,その後どうすればいいのかとか,あるいはしたくなったときに,それを自分で止めるとか,人生,長い中で自分とどう向き合うかとか,そういうようなプログラムはこの中に入っていないんですね。
 もう一つ取り掛かりましたのは,むしろ高リスクで,刑務所から出た方たちとか,少年院から出た方とか,そのような犯罪の域に達した方たちに対しては,イギリスでありましたSOTSEC-IDといって,Sex Offender Treatmentと,まさに犯罪に対して認知行動療法を進めていくというプログラムを実際にやりました。
 日本でももう3地区で実施して,大体できるということは分かってきました。これは18歳以上ですね。年齢は別にあれですけど,60歳未満,55歳までということ。やるとなると1年間ぐらい。ですから,45セッションとか50セッションを丁寧に丁寧に続けていくようなプログラムなんですね。
 SOTSEC-IDの内容項目,これは説明するととても時間がかかるんですけれども,要するに,このようなコンポーネントがありまして,人と話す,あるいは自分の考えを言うというスキルを高めていくとか,それから,認知行動療法のモデルをするとか,それから,情動コントロールといって,カーッとなってしまったときについついというのはあるので。それから,やっぱりこれは被害者への共感ですね。なぜ相手が痛みを感じているのか。それを自分の痛みとどうシンクロできるのかとか,ここが一番すごく難しいところなんですけれども,このようなコンポーネントがありますので,これをリスクアセスメントした上で,それに合わせたセミオーダーでプログラムを作っていくというのが実際で,大体1グループ,12人ぐらいなんですけど,5,6人がちょうどいいグループセッションかなと思っています。
 実際にはこのような,ある行動をしたときには,考えがあって,感情があって,どうしてその行動をしちゃうのかをみんなで考えるとか。これはやっぱり認知的に高い方じゃないと,認知行動療法は乗っていけないんですね。あるいは,抱きついたときに,こういうことを何回も何回も繰り返しながら,自分で言語化して,内生化できるというところまで行くと,かなり再犯はストップできるんですけれども,この言葉をやりとりするだけでかなり時間が掛かるというのが,世界的にも知的障害者の認知行動療法をやるときには課題なんですね。とても有効でした。やってみると,御本人さんたち,やっぱり変わっていきます。
 あるいは,これはリラプス・プリベンションというようなモデルを御本人さんたちと一緒にやったときのワークです。理解を最後までしてくれる方はいいんですけど,途中で理解がとどまってしまうということも実際にはありました。
 実際には,学校を出て,地域に出て,いろんなトラブルを起こして,生きにくさを感じている方たちというのは,どちらかというと,この中リスクの方たちなんですね。作業所の中でついつい隣の人の胸を触っちゃったとか,逮捕はされないけれども,何回も事情聴取されているとか,高リスクのちょっと手前であり,もうちょっと認知的にもゆっくりと理解が進む方たちであり,それから,学校期の方たちですね。18歳以上がSOTSECだったんですけれども,実際にはそれの前に,15歳,16歳,17歳の辺りのところからやっぱりトラブルというのは始まっていく。最初に調査したところ,みんな同じです。学校のとき,心配だな,心配だと思っていながら,そのまま手放してまったら,やっぱり地域の中で性犯罪してしまったみたいなことがあるので,やっぱり中リスクのプログラムを作っていかなきゃいけない。この事業で本格的に作っていくのはこれになります。これもイギリスで,ケント大学のマウリ先生たちと共同研究をやっていますので,Keep Safe,つまり,自分を安全に保つためには,自分は何をすればいいんだろうかということを学ぶプログラムなんですね。
 YSOTSECと書いてあるのは,Young SOTSECなので,高リスクになる前にきちんと学習しようというものです。やり方によるんですけれども,週に1回ずつ,2か月ぐらいの実施から,一番長ければ,1年半しっかりやるというプログラムで,これも準備が今進んできています。これは病院の中でやるプログラムではなくて,地域の中の支援者たちと一緒にやれる,やるプログラムになりますね。
 ですので,ここから最後にまとめという形で,研究事業は,第一としては,新しい学習プログラム,中リスクに合わせたKeep Safeということを,この3年間でしっかりと作っていくと。翻訳と,それから,教材作りは始まって,1月から始められるように準備ができています。
 それができるような基盤を作る。私たちはトラブルシューターというTSネットがありますので,そこを活用しながら,長ければ1年半続くプログラムですので,持続力のある基盤というのはどういうものだろうかということも研究の中で明らかにしていこうと思います。
 それを実際にやるファシリテーターとしての支援者養成ですね。これは心理職とか専門職がいれば理解は早いのかもしれないんですけれども,私たち,SOTSECを3か所でやったときには,本当にB型の支援者の方とか相談支援の方たちにしっかりとプログラムを受けていただければ,自分たちで教材を作ることはできるということが分かりました。やっぱり目の前の御本人がいろいろと教えてくれますので,分かることと分からないこと。なので,そんなにハードルは高くないものだと思います。
 ですので,最終的には,全国各地でいろんな,トラブルシューターというのは均一ではありませんので,強みのある機関がコアとなりながら展開できる。あと,さっき,お金はどうするんですかという話がありましたけれども,私たちもそれはすごく感じておりまして,既存の発達障害者支援センターや児童相談所とか,既存のところがコアになって,お給料の範囲で,このプログラムをしていただきながら,地域の人たちを束ねていくような仕組みに発展させていきたいと思っています。
 ここからは,参考資料としまして,モジュールとしては,大体作り方としては同じような作り方になってきています。Keep Safeというのはどういう,何を目指すの? とか,グッド・ライブズ・モデルとかグッド・ウェイ,どっちの道に行くと自分はハッピーになれるんだろうかとか,そういうことを導入で話をした上で,問題のあるところは,性であったり,あるいは,これも窃盗,万引きしちゃうのはどうしてだろうかということに置き換えることも,ここ,ファーストはできるんですね。あとは,感情のコントロールをしたり,それから,自分の中にいる別人。怒った自分と冷静な自分などを見てもらったりとか,あるいはさっきの共感をしっかりとやった上で,グッド・ライブズ・モデル,将来どういう生活がしたい。だから,今頑張らなきゃいけないねというような,そういうエンパワーにつなげていくようなモジュールにまでなってきています。
 それから,2つ目の課題であります基盤作りですね。トラブルシューターは,私たちは,とにかくできるところでまずやっていきましょうという形で,5年間,手を挙げてもらってやってきました。でも,ちょっと問題整理をしていきますと,連携協議会になるんですけれども,本人部会やB型の事業所たちが相談支援と連携しながらネットワークを作っているところ。ここでももう1回SOTSECをやりましたので,このTSが準備してくれています。あともう一つは基幹相談支援センターですね。ここが,新潟TSがSOTSECをやったんですけど,そこは勤務としてプログラムをもうやってくれていますので,ここは定着していく可能性があるかなと思っています。
 ですから,発達障害者支援センター,こういう問題が起こるときには,発達障害の方たちもすごくトラブルが多いです。ちょうど,きのう,今日,あした,発達障害者支援センターで養成研修,トラブルシューターと同じようなプログラムを実際に進めていますので,これも展開していくだろうと思っています。
 あるいは,児童相談所が抱える事例をめぐってということで,名古屋が動き出していますし,特別支援学校の校長先生たちがむしろ卒後の御本人さんたちを支援したいからということで,多職種連携で動いているところがあるので,いろんなタイプで,この中で,基幹相談支援センターが動くとなると,どういう連携ができるだろうかと。発達障害者支援センターが動くと何が強みになるだろうかと,そういうことをこの研究の中で明らかにして,どのパターンでもいいですので,強みのあるやり方をどうぞ各地でやってくださいというふうに提示できるようにしていきたいと思っています。
 これが厚労省が進めている発達障害者支援センターの地域生活安心サポーター,今,所沢で養成研修をやっているんですが,私たちが大体プログラムを作っていますので,まさにこのTS研修になっています。その中にこのYSOTSEC,Keep Safeのプログラムを皆さんにファシリテーター養成としてマスターしていただきながら,何か必要があったときにその講座を適宜開いていただけるような基盤整備を今始めているところになりますかね。それで養成研修をしていくということになります。
 最後に,ちょっと気楽に見ていただくと,結局,TS,どういう人たちがいっぱいいるかと。特別支援学校の先生が,もう卒業しちゃったけど,あの卒業生,どうしているだろうなとすごい心配しているし,福祉施設の人は,うちの目の前の人が本当に痴漢しちゃったんだよ,万引きしちゃったんだよと。ニーズがあるし,地域地域に,私たちの多摩地区などは,神奈川医療少年院とか,関東医療少年院がありますし,刑務所の法務教官などもすごく関心を持ってくれて,専門性として提供してくださっていますね。あと,保護者。それぞれの強みを生かしながら,このような形でみんな集まれ的に事例検討会をしてみたり,こういう人たちの講座ってやっぱり必要だよね。やろう,やろうという形で,どんどん同時発生的に進んでいった形だと思いますね。
 準備するに当たっては,養成講座をして,保護者の方たちや支援者の方たちに説明をした上で,同意する。納得した形で受講してもらうということをしていますので,このようなことになっていきましたね。セッションとしては2時間ぐらい,10人ぐらい,ファシリテーターがあって,途中,お茶を飲んだりしながら,すごく,ロールプレイしたりで,どちらかというと楽しいセッションになっています。
 ですから,最後にちょっと見ていただくと,「嫌だったこと」と,共感ってすごく難しいので,どうやって皆さんにこの共感を,何かトリガーになるかなというので,いろんな教材をそれぞれセミオーダーで作っているんですね。例えば痴漢に遭いました。この女性はどんな思いをしているんでしょうかね。みんなで,やだよね,悔しいよねとみんな言います。御本人さんたち。そうだよねって。だけど,自分のこととは思えない。それなので,あなたが,皆さんがいじめられたときってどういう言葉が思い付きますかと。やっぱり「むかつく」,「くやしい」,「やめてほしい」。そうだったよねと。じゃあ,それを,自分が感じたものを被害者の女性の方にお渡ししたらどんな形になりますかねとやったのがこれだったんですね。その共感,感情というものを見える化したときに,御本人さんたちはどんなふうな思いを持つだろうかということをワイワイ言いながらやっていました。ジーンと感じた人もいれば,うん? と感じた人もいるので,そこはアセスメントしながらと思っている。
 やっぱりリスクアセスメントしながら,このような取組を各地でできるようにしていきたいと思います。専門性が高いというふうに思われがちですが,割とB型の方たちは,目の前の御本人を見ているので,実施可能だということは,もう5年間で実感してきております。
 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 堀江様,ありがとうございました。
 それでは,ただいまの説明について御質問,御意見のある方はどなたからでもどうぞお願いいたします。
 綿貫委員,お願いします。

【綿貫委員】
 綿貫です。いろいろな地域で気軽に参加しやすいようにというふうにお考えになられているということで,支援者の方やB型の方の力を御活用したりということがあると思うんですけど,私自身は,心理職なんですが,やはりこういったプログラムですとか,御本人のアセスメントの中に心理面のこととか認知面のこととか,目の前のこともそうなんですが,そういった内面的なこととかいろんなところで心理がお役に立てることもあると思いますので,必ずしもというわけではないですが,CBTですとか共感性とか,いろんな心理学に関わるようなことも取り入れられているので,心理の力も活用していただけたら有り難いなという意見です。

【堀江氏】
 是非,綿貫さん,御協力ください。臨床心理士,臨床発達心理士という団体がありますよね。今,国家心理士になってきていますけど,私は臨床発達心理士会の危機支援委員会の委員長なんですね。まさに臨床発達心理士たちがこのようなプログラムをどんどん作っていくために推進する委員会なので,そこでやれる人材は発掘してきています。あと,やっぱり新しい心理士の方たちにお願いしたいと思いました。一番,名古屋のTSが,児童相談所が丸ごと,所長から承認を取った上でSOTSECをやっていくという体制になってくれているんですね。そこには心理職がいっぱいいますし,ケースワーカーもたくさんいますので,そこの専門職がどういうふうに機能できるかなども名古屋で確認したいと思います。是非御協力ください。お願いします。

【宮﨑座長】
 ほかに。どうぞ。

【綿貫委員】
 すみません。そうすると,心理の方がこういったプログラムの中とか実践の中に入られるということは,今まではそんなになかったということでしょうか。

【堀江氏】
 各地区に例えば心理が1人いたりとか,例えば新潟TSなども,この指止まれなんですけれども,新潟の児童相談所の心理職が自主的に関わってくださっていますし,あと,新潟刑務所でプログラムをやっている法務教官も関わってくれている。結構やっぱり人材はいるんですね。あと何か言おうと思いましたけど。ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 いいですか。戸田委員,お願いします。

【戸田委員】
 戸田です。プレゼンありがとうございました。地域,この場の目的でもあると思うんですけれども,どうやってこれを普及させていくかとか,地域に落とし込んでいくかということが重要な観点だと思うので,その中のヒントがかなりあったかなと思って聞いていました。
 質問ですけれども,これは福祉の枠の中でやられているなという感じがしていて,例えば教育関係とか,社会教育なのか,役所なのか,そういったところの関係者がどのように関わっているかとか,あとは実証する場所として,例えば公民館がいいんじゃないかとか,そういう実証する場としての検討を何かされているかということを教えていただけたらと思います。

【堀江氏】
 ありがとうございました。そうなんですね。福祉と,あと,最近はやっぱり触法問題がすごく大きな問題になっているので,法務省,司法関係,福祉と司法との関係の中で進めた歴史があります。でも,本当に各地というのはいろんな人材がいて,顔を出してくれるんですね。特別支援学校の教員は必ず各地区のこのプログラムはいますね。どちらかというと,特別支援学校の教員がいてくれると,授業というか,講座の展開が上手にできるんですね。本人に語り掛ける言葉も全然違いますし,それから,教材の作り方も全然早いですし,そのやり方を見て,B型の支援者たちが,御本人にはこんなふうに声を掛ければいいんだということをモデルとして,各TSで支援者が学習していきながらということになりますかね。
 あともう一つ,場所ですかね。場所については本当にやれるところで探していくということなんですが,大体は相談支援事業所の会議室を貸してくれるとか,あと,B型の部屋ですかね。B型を貸してくれるとか。ですから,大体,土曜とか日曜になるんですね。作業してないとき,あるいは御本人さんたちもこのセッションに出てくるとき,毎週とか隔週になってくるので,やっぱり自分が自由に出られる時間というと,土曜日の午後とか日曜日の方が慌ただしくなくていいということがありますので。
 前に,足立でやったときには,仕事が終わった後の6時半から8時半とやったんですが,かなり疲れていたので,やっぱりその時間と場所というのは選ばなきゃいけないと思いました。ただ,このSOTSECをやるときのマニュアルにもきちんと載っているんですけれども,場所を選ぶときには近くに幼稚園とか小学校がないことというのがキーポイントなんですね。セッションに通うことによってリスクが高まってしまうということはありますよね。だから,そこはもうきちんと場所のアセスメントは必ずします。
 ということと,送り迎えも基本的には支援者か親がするというのは,このプログラムをやるときの必須なんですね。支援者と親御さんたちは,プログラムの内容を理解していただくことと,やっぱり送り迎えでリスクが高まりますので,そこはリスクマネジメントなんですね。
 セッションに出て,やっぱり性の問題をやると,ちょっと裸に近い女性の写真なんか見ますし,あるいは自分を語ろうということになったときには,過去の自分のわいせつ行為の経験なんかも語りますので,ちょっとハイになることはあるので,そこはちゃんとリスクマネジメントしなきゃいけないと思います。
 いいですか。はい。

【戸田委員】
 ありがとうございます。

【宮﨑座長】
 津田委員,お願いします。

【津田委員】
 津田と申します。よろしくお願いします。今,戸田さんからの質問と関わるんですけれども,社会教育,生涯学習という文脈で,この実践をするということにとても意義があると思います。僕もお話を伺いながら,身近にいる人のことをイメージして,深く聞いてしまいました。
 リスクがある。実際に何か問題があった人に対するものというのは,それこそ児相なり,福祉,医療,司法関係の方になると思うんですが,生涯学習というのは,どちらかというと,実際に何かしちゃった人ではなくて,予防であったりとか,自らの生活をよくしていこうとするために学ぶという人たちのことだと思うんですね。そうすると,低程度,中程度というふうにおっしゃっていたような分類のところが主なターゲットになるのかなというふうにも伺っていました。
 そうすると,僕が,顔が浮かぶ人がこういうプログラムに参加するためにはどういうふうなもっていき方をするかなと考えて,とても難しいと思ったんですね。自覚がないし,このままいろいろと,僕らからすると,悪さをしながらでも生きていけると思っている人たちだと思うので,そういうことのリスクを冒さない方がより幸せな生き方をするんだみたいなビジョンが示せるかどうかというのはとても大事だと思うんですけれども,その辺り,どういうふうに工夫しているんでしょうか。低程度,中程度の方たちが,自分のために参加するともっていくためにどういうことをされていますか。

【堀江氏】
 実際には日本でやっているときには,親御さんから勧められる,支援者たちから勧められるというのが多いんですね。本人はやっぱり自分のしたいことを自覚しているので,ちょっと最初は嫌々ながら来るというのはあるんです。ただ,本当に最初の前半の5セッションぐらいは,もうお茶を飲んだり,みんなでワイワイ話をしたり,ゲームしたり,あとは自分の得意なものをみんなの前で披露してほしいとか,そのようなすごくストレスを発散して,楽しむということをするんですね。
 一番はおやつ。これは海外でやるときもそうなんですけれども,今日は,すごいおいしいケーキを出そうとかね。だから,結局そういうようなハッピーになれる要素はすごく御本人さんたちのモチベーションになるんですね。だから,セッションの一番最後は,来週のおやつをオーダーする時間というのがあって,すごくマニアックなお菓子を書いてくれるのを,みんな支援者たちがいろんなところに行って,買いに行って,「あったよ」みたいな,そのやりとりだけでもすごくつながってきていますね。信頼関係ができてから,やっぱりしんどい話は出てきますので,そういうやり方はやっています。ただ,最初はやっぱりちゅうちょする部分とかは出てくると思いますね。
 あと,日本ではまだやっていないんですけども,イギリスなどではピアを使っているんですね。自分は実はSOTSECを受けたんだけれども,すごくハッピーになったよということを御本人さんたちに話をしてくれて,だから,難しいことがあったら僕が説明してあげるよというふうにして,本当に病院と,刑務所みたいなところに入った方でも,地域の当事者活動。まさに当事者活動として,戸惑っている友達がいたら,僕が話をするというふうにして,SOTSECピアみたいなのがいるんですね。そういう人たちが出てくれると,もっと等身大でハッピーになったよということを言ってくれるのかなと思っています。

【松矢副座長】
 今日はプレゼンテーション,どうもありがとうございます。私も堀江さんとは長いお付き合いなんですけれども,要するに,生涯学習ですね。あるいは社会教育との関連ということで,先ほど津田委員から出ましたけど,やはり私は生涯学習の一環として,リハビリテーション,治療という内容もあるんですけど,やっぱりこれは並行して,生涯学習として位置付けるべきだろうと思うんですね。というのは,今,働き方改革がありますが,本当に特別支援学校の先生は,卒業生の対象の公開講座,一生懸命ですね。時間があれば,それをやって,もうそのプログラムも大変なんですけど,その後,こぼれた生徒たちを追っているわけですよね。実は猛烈な特別支援学校の先生たち,熱心な先生はもう本当に休日なしでやっているわけです。
 ですから,これは基本的には人材養成とも関連してきますね。だから,B型とか広く人材を求めているのは当然なので,それはこの生涯学習の中でニーズというと,いろんなニーズがあって,こういうような非行とか犯罪の当事者,あるいは巻き込まれそうな人というところですね。ですから,一般的なオープン・カレッジとか講座をやっていく,その中でやっぱりこぼれた人たちの気付きは,ある意味では卒業時点あるいは在校時点からあるんですよね。これをきちっと全体的にいろんな子供たちの大人になっていくときのきちっと包括的,それこそね。そういうものとして,きちっと位置付けるべきだろうと思います。生涯学習としてこういうものが必要だと。それが全ての児童,青年,あるいは大人になってからの福祉につながっていくんだというような観点であるべきだろうと思っています。
 初め,警察プログラムということで,発達障害の人が警察に保護されて,そこから始まっているんですよね。ですから,保護者が自分の子供をオープンにしていく。カミングアウトしていく運動でもあったわけですよ。まさか,そういうふうに逮捕されて,そこからいろんな事件が発生してしまう。その前の段階で予防しようというような,本当に底辺の広い,親御さんの啓発というところから始まっていることなので,やっぱりそういう共生社会を目指していくというところが一番ポイントになっているというところですね。
 だから,要はニーズというよりも,基本的には共生社会の形成というところにあるんじゃないかということで共鳴して聞いておりました。

【宮﨑座長】
 いいですか。箕輪委員,お願いします。

【堀江氏】
 一つ,松矢先生からも御質問いただいたその件について1個だけ。福祉と司法と教育という関係でやっていきますね。私たち,もうかなり裁判支援で,法廷に立って,情状証人をやったりとか,いろんな立場を変えて経験してきました。やはり福祉というのは環境調整をすることで本人を支援すると考えるんですね。環境調整。だから,住みやすいグループホームにしようとか,だから,本人にはダイレクトには関わりにくい。司法に関しては,もう執行猶予を取ればいいとかね。極端に言いますと,刑事手続の中に入らなければいいというのはすごく,かなり側面は強いんですね。
 やっぱりこのような,先生方に言っていただいたように,御本人たちは変わるんですね。ちゃんときちんとセッションをやっていくと。最初はもうしゃべれない。文章が続かない方たちが,セッション始まって,ABC分析をやったりとか認知行動療法をやってみると,自分のことを語る言葉が文章になって,豊かになっていくんですね。これは本当にびっくりしました。あとは礼儀正しくなってくるとか。親とか支援者を尊敬するというまなざしが出てくるとか,すごく質的な表現で申し訳ないんですけれども,それはすごく御本人に教育として関わるものが司法と福祉では足りないので,絶対的にはやっぱりここは教育として文科でやっていくべきだなと思います。
 それと,セッションをやっていきますと,松矢先生から言っていただいたように,これは単なる教え諭すようなセッションじゃ全くないんですね。やりながら,支援者がもう涙したりとか,僕もこんなことあったよみたいな話をして,だんだん距離感とか,対等な人間性を出していくセッションなんですね。内容をやっていきますと。そういう意味ではすごく御本人が生き直しをするみたいな。すごくいじめられて,オミットされてきた人生から,共感する大人がいるというようなことを感じるセッションだなというふうに実感しています。ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 じゃあ,時間的なことがあるので,箕輪委員,山田委員もごく簡単にお願いします。では,お二人の委員からお話しいただいた後でまとめてお答えいただくということで。

【箕輪委員】
 箕輪です。お久しぶりでございます。堀江先生のお話,よく以前から伺っているんですけど,今日,改めて伺いまして,とても大事な話だなと思ったんですけれども,一つは,学校卒業後というのも,今回の有識者会議全体がそうなんですが,在学中にやっぱりこの辺りの機会といいますか,私たち会社に入ってきたり,働く人で接している中には,ルールを知らない。知らないというか,学校時代は全部許されてきちゃった。大人が陰で何とかもみ消すじゃないですけど,何でもなかったことにしてきたということで,知らなくて失敗をするケースも職場では起こっていて。
 例えば,本当に簡単なことなんですけど,人に物を借りるときには貸してくださいと言って,オーケーが出たら持ってくるんですけど,勝手に持っていくと盗まれたというふうになってしまって,借りっ放しだと。借りたものは返す。でも,借りっ放しなので,盗んだ人が,犯人が,ここに現物があるみたいな状態になるので,本人は盗んだつもりはないといったことが,これは学生時代には全部それがオーケーとされていたりとか。あと,移動するときに,先生が,大人のすてきな女性が手をつないでくれていた。何で会社では手をつないじゃいけないのかとか,触ったけれども,先生は,何とか君,やめなさいぐらいで言ったのに,何でここではセクハラになるんですかみたいな,何かそういう,社会に出る前までに,そこでは容認されてきたことが社会に出た途端に犯罪者になるというか,その辺りがやはりそれまでに関わっている大人たちが,きちんといけないルールとして説明をされてきた人と,そうじゃなくて,何かこう,うやむやにされてきた人では,外のリスクがどんどん大きくなっていくのかなというですね。
 それが知らないでやってしまったケースと,知っていて,わざとやる場合と,あと,先ほどの御説明の中で,このプログラム,気付きの部分があるけれども,欲求が出たときにどう抑えるかというのは,まだこの中にはないと,そのようなお話だと思うんですけれども,やっぱりどうしても我慢できなくなったときにどうするかといったところを,そのエネルギーを別なものに変えるとか,とても大事なこと。これは障害の有無ではないと思うんですけれども,その辺りを習得していかないと,やっぱり在学中も卒業後も,地域社会の中で普通に世の中にあるルールの中で過ごしていくこと。でないと,やっぱり生きづらくなってくるかなと思うので。これは御本人向けのプログラム,もちろん支援者も学ぶと思うんですが,その学校,学生時代までの間に関わる大人がその意識を,こういったところを持ってもらうこともとても大事だと思うので,その辺りを教員とか支援者向けにこういったものを,こういうことを積み重ねた結果,ルール違反につながってしまうみたいなことがもしあるのであれば,そういったところをお伝えしていただく仕組みがあるのかなという辺りをお尋ねしたいなというふうに。
 学校の先生,特別支援学校の先生からは,どこの触法まで許されますかと聞かれるんですね。働く場合。もう法に触れるということは,会社によっては懲戒につながる。障害の有無にかかわらずなんですけれども,自転車を持っていくぐらいはいいですかねとか,そういう感覚がちょっと緩いというか,ルールに対する敷居が低い方がとても多い。それはすごく課題かなと思っているので,その辺り,もし何かあれば教えていただきたいと思いました。
 以上です。

【宮﨑座長】
 山田委員。

【山田委員】
 障がい者スポーツ協会の山田と申します。今このプログラムの説明の中で先ほどからトラブルに性的な行為が多いというふうにお聞きしましたが,例えば、そのような方にはスポーツなんかに目を向けさせていき,それでそのような気持ちを発散させていくという解決方法は取られていないのかどうか,もう一つは,このトラブルシューターの人たちの資格化はされているのか,あるいは全国組織みたいなのがあるのか。全国でどのぐらいいらっしゃるのかというのが分かったら教えていただけますか。

【宮﨑座長】
 では,お願いします。

【堀江氏】
 簡単に。1点が,箕輪さんがおっしゃったように,私たちって,叱るという方法しか知らないんですよね。何かあったらば,とにかく叱って,「だめだよ,分かった?」と,「はい」って言って,それで終わっちゃうので,なぜそのルールがあって,それを逸脱すると叱られたり,職場をやめなきゃいけないのかというところまできちんと理解してもらわないと,叱っただけでは問題解決に全くならないというのがあるので,それはこのプログラムでの一番大事なところです。
 それから,順不同ですけど,リラプス・プリベンションというプログラムが入っているんですね。リラプスというのは,ラプスという前兆があるところでとにかく切る。何かイライラしたりとか,女の子が階段をミニスカートで上がっているみたいなのが前兆ですよね。それに気が付いたらば,もう違う階段を上るとか,犬と散歩に行くとか,まさにスポーツではここが出てくるんですね。御本人さんたち,何をすれば自分をやりそうなところから解放するというと,スポーツするというのがやっぱり出てきます。そういうリラプス・プリベンションのプログラムが中に入っているので,そこで解消します。
 それから,支援者,親御さん,教員の方たちは,ファシリテーター養成講座を受けていただけると,まさにこの考え方が伝わるので,特にお誘いします。ファシリテーター養成はもうこれから認定証というのを出していくことに,ケント大学もやりとりしていて,出していくことになっていくので,だから,自信を持って,叱るだけじゃないやり方を考えていただけるような素地になるといいかなと思います。
 それから,TSにつきましては,熟してきましたので,全国トラブルシューターネットワークというのが一般社団化がされることになっています。今ちょうど30代,40代の若い人たちが,弁護士や医者たちが駆け回りながら準備していますので,また次の展開があると思います。

【山田委員】
 全国で何人ぐらいですか。

【堀江氏】
 いや,まだそれは把握しておりません。厚労省に出したものだと,今までトラブルシューター養成講座を受けたのは4,000人いるんです。その人たちが今でもつながっていますので,また改めて御紹介していくことになると思います。

【山田委員】
 ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 ちょっと時間が押してしまったので,すみません。この辺りで今日のヒアリングは終了したいと思います。とてもチャレンジングな活動を,研究活動をしていただいたお二方,土畠様,堀江様,どうもありがとうございました。
 次に,論点整理に関する意見募集の結果についての御報告をお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 では,事務局より,論点整理につきまして,意見募集を行いましたので,そちらの結果の概要につきまして,御報告を申し上げます。資料3を御覧ください。
 期間といたしましては,9月11日から10月5日に掛けて意見募集を行いました。
 その結果,105件の御意見を頂戴しました。
 項目別の件数は,1ページにあるとおりでございます。
 2ページを御覧ください。ここからは,頂いた御意見の概略を御紹介させていただきたいと思います。
 「はじめに」の関連といたしまして,特別支援学校を卒業した方以外も対象としてしっかりと捉えてほしい。障害者の生涯学習を推進するための仕組みの創設を目指すことが必要といった御意見を頂きました。
 1ポツでございます。この関係では,学校卒業後の学びの場が必要な理由として,自己肯定感などを持つためということ。また,障害者の生涯学習に求められることは,社会性の涵養など。また,学ぶ機会が少しでも多くあることが必要。こういった御意見を頂きました。
 2ポツ,今後目指すべき方向性の関係ですが,職業的自立に重点が置かれているけれども,自立は「親元からの自立」を見据えることが必要である。地域の障害者理解を更に進めるとともに,障害者の自立に向けて家族の意識が変わっていけるようにするために,障害者の地域での活動を多く作ることが必要。ろう重複障害,知的障害を含めて,全ての障害者が情報・コミュニケーション保障の下に学習できるようにすべき。
 3ページに行きますが,知的障害者が18歳で社会に移行するのは早過ぎる。特別支援教育が,就労に向けた指導ばかりでなく,創造的な教育内容に変わることが必要といった御意見を頂いております。
 3ポツ,学校卒業後における障害者の学びの充実方策の関連ですが,視点1というところでございます。2つ目のポツ辺りですね。特別支援学校において,地域の生涯学習資源の把握や情報提供を意図的に推進する必要があるといった御意見。
 視点2の関係ですが,障害者の学びを推進するためには,既存の福祉施設の活用だけでなく,学びの場の中心としては,生涯学習と教育の役割として考えていくべきといった御意見を頂きました。
 (2)番,どのような学習が求められるかというところですが,障害の重い方の学びについてもっと触れるべきである。重度の障害者が学び続けるためにどのような場と配慮が必要なのかを考えていかなければならない。
 その下の視点1の関係ですが,育成を目指す資質・能力に関連した御意見。それから,性に関する学びの機会が十分に保障されるべき。防犯教育を行う機会が持てることが望ましい。小中学生時代から,学校教育において地域の教育リソースを利用する機会があればよい。
 視点2の関係ですが,防災学習や実際の社会生活で役立つ学びに関する具体的な例示をたくさん挙げていただいた御意見がございました。
 次の5ページの(3)番,どのような方法で実施すべきかというところですが,学びの場には,様々なタイプがあるが,それらを自由に選択できるほど潤沢に場が設置されていることが理想である。特別支援学校の専攻科の役割に言及するとともに,今後重視すべきこととして,高等部卒業後の継続教育の機会を位置付けるべき。それから,特別支援学校の教育年限の延長について検討することが必要。卒業しても,毎日通える場を望む方々がいる。
 今後重視すべき取組として,諸外国の例も参考にしつつ,障害者の学びの拠点を確立するような新しい事業の創設など,より積極的な構想をすべき。
 障害福祉サービスとの連携を図りながら,学びの場を広げていくことについて,仕組み,制度上も明確化するような検討を進めるべき。それから,自治体の「生涯学習基本計画」など,施策の基本的な文書に障害者の生涯学習の観点をきちんと織り込んでいくよう働き掛ける必要がある。
 地域の障害福祉サービス事業所が生涯学習の推進の一部を担うことが必要。また,自立支援協議会が生涯学習の企画に関わりを持つことが必要。
 多くの大学で,オープン・カレッジのような学びの場を作れるよう,モデル開発をしてほしい。
 こういった御意見を頂きました。
 次に,6ページの4ポツ,一般的な学習活動への障害者の参加の推進方策です。
 (1)の関係ですが,移動支援などのヘルパーの活用を奨励すべき。それから,生涯学習については,事業者の持ち出しやボランティアで実施されているケースが多く,公的な支援の充実について検討すべき。
 (2)の関係ですが,こちらも移動手段が課題である。当たり前に情報保障が得られる環境になってほしい。インターネットを介した生涯学習のスタイルを模索することは有効な手段である。国立で行われている「障がい者の青年教室」や「カフェ」のような取組が全国どこでも実施されることを願うといった御意見を頂いております。
 次に,5ポツ,最後ですが,(1)の関係では,個別の教育支援計画について,生涯にわたって引き継いでいくべき。
 (3)番の人材育成の関係では,生涯学習政策を担う職員には,地域の資源を結び付けてコーディネートする力が求められるので,研修を実施してほしい。地域の生涯学習のコーディネート機能のネットワークに,当事者団体も関わっていくことが必要である。
 (4)番の関係では,一般社会,企業や職場の障害者理解を深めることが必要である。
 (5)番ですが,少し下の方ですけれども,生涯学習の参考となる事例集を作成してほしい。障害者との付き合い方,活動の中での困った事例,プログラムの紹介,当事者の意見を吸い上げる仕組みを載せてほしい。
 次の最後のページですけれど,8ページです。障害者の生涯学習が広く取り組まれるための「プログラムの貸出し」などによる方法も考えられる。事業費やコーディネーターの人件費に充てる財源の予算化が必要。
 最後,その他と書いていますが,障害者の生涯学習は社会全体がフィールドになるので,社会の中で学ぶ場面,機会をもっと強く意識してほしい。こういった御意見を頂戴いたしました。
 今後,報告の取りまとめに向けまして,頂いた御意見の内容をしっかりと踏まえて,検討を深められるように準備をしてまいりたいと思います。
 以上でございます。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。少しこの意見募集についての協議というか,したかったんですが,時間的なことが押しておりますので,今の結果について少し気付かれた点など,これはどうかというようなことがあれば,少しお話を伺えればと思いますが,御質問等で結構ですので,どなたからでもお話ししていただけますでしょうか。
 では,田中委員。

【田中(良)委員】
 愛知の田中です。パブリックコメントを寄せられた人たちの層というか,例えば福祉職とか学校の先生とかというようなことがもし分かれば,おおよそで結構ですので,それが一つと,あと,地域的な何かありますでしょうかね。北海道から沖縄までというのが。その2点,もし分かればお願いします。

【宮﨑座長】
 では,お願いします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 ありがとうございます。地域は分からないです。大学名を具体的に記載されている方なんかは分かったりはするのですが,ただ,印象としては,全国各地から偏りなくいただいているのかなというふうに思っておりますが。
 頂いた方の御所属に関しては,大学の先生や,実践研究の委託先の関連の団体もございますし,また,今回,頂いた方27人の方から105件を頂いたということでして,お一方からかなり複数の骨太な御意見を頂戴したというケースが多かったです。あとは,社会福祉法人の理事をされている方ですとか,実践者の方ですとかが多かったと思います。あと,教職員組合からもございました。

【宮﨑座長】
 よろしいですか。

【田中(良)委員】
 はい。どうも。

【宮﨑座長】
 では,ほかにどうでしょうか。朝日委員,お願いします。

【朝日委員】
 朝日と申します。特別支援の校長会を代表して出させていただいています。今回のパブリックコメントが,基本的に私たちが議論していたことを全面的にバックアップしてくださる肯定的な意見であること,大変うれしく思いました。
 それぞれ書かれていることが,非常に貴重な視点。例えば,性に関する学びとか,防犯教育は,今日の堀江先生の提案にもつながりますし,障害の重い方の学びについて,もっと触れるべきというのは,土畠様の稲生会の提案にもつながるところなので,非常にいい方向で進んでいるかなと思っています。
 特別支援学校がどういうふうにこれを受けて変わっていくかということが,今日のお2人の発表を聞いていても,すごく大事かなというふうに思っています。就労に向けた指導ばかりではなく,創造的な教育内容にも関わることが必要という,非常にこれに関しては意見を言いたいところもありますけれども,でも,そういうふうに見てくださっているのかなと思っています。
 この議論,いろいろな団体のヒアリングがすばらしい実践を目の当たりに,私はこの会議で聞かせていただいておりますが,どうやって特別支援学校の教員たちに広げていったらいいのかというのは非常に大きな課題だと思いました。とりわけ,先ほど土畠さんの方が十八,九の方に呼び掛けてもなかなか発掘できないとなれば,恐らくもっともっと特別支援学校高等部の進路指導の教員であるとか,コーディネーターの教員がこうしたすばらしい取組をもっと知るべきであるし,堀江先生の御発表は,まさに生活指導で困っている教員たちがもっともっと知るべきだというふうに思います。
 なので,進路指導,あるいは生活指導の核となる教員であるとか,コーディネーターの教員であるとか,あるいはスクールソーシャルワークが今,文科省の方も後押しをしてくださっているので,そこがこうやって福祉とどうつながっていくか,そこがポイントになるのかなというふうに思いました。
 今後,高等部の学習指導要領が告示されて,解説なども出て,いろいろな説明会などが開かれるときに,是非こうしたことを関連付けてお話を頂くとともに,校長会でできることがあれば,もっともっと考えていきたいと思います。
 今日は本当にすばらしい学びをありがとうございました。

【宮﨑座長】
 それでは,今回の意見募集の結果については,また今後の協議の中で生かしていければというふうに思っています。
 議題の(1),(2)については,これぐらいにしたいと思います。
 その他,議事(3)について,事務局から1件,御連絡を頂戴することになっています。お願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室長】
 お手元の参考資料4-1,4-2としてお付けしておりますので,こちらを御覧いただければと思います。
 文部科学省の方で,今年度,初めてですけれども,障害のある当事者参加型フォーラムということで当初企画をしておりましたが,その概要がまとまってまいりましたので,御紹介を申し上げたいと思います。
 資料4-2を御覧ください。「超福祉の学校」ということで,今年の11月10日・11日の2日間にわたりまして,文部科学省が主催,特定非営利活動法人のピープルデザイン研究所が共催ということで,渋谷駅の近くの施設においてフォーラムを開催いたします。「障害をこえてともに学び,つくる共生社会フォーラム」というふうに冠しております。
 ピンク色の文字に書きましたとおりですが,文部科学省において,障害の有無にかかわらず,ともに学び,生きる「共生社会」の実現を目指しています。このフォーラムは,「共生社会」の実現に向けて,障害のある方が日頃の活動を発表・表現し,多様な人々が互いに思いを伝え合い,学び合うイベントですということで,障害のある方もない方も違いを超えて交流する6つのプログラムで御用意をしています。
 会場は,渋谷のキャストというところになります。
 内容が,その下にプログラムが書いてございますが,まず10日がマル1とマル2のプログラムを予定しておりまして,マル1の「職場のダイバーシティが生む学び」というところでは,箕輪委員に御登壇をいただきまして,職場のダイバーシティが社員にとってどういった学びを生むのかといったことについて発信をしていただくことを予定しております。
 マル2のプログラムですけれども,こちらでは,田中秀樹委員の一麦会の「ポズック」という,チンドン楽団が演奏したりですとか,加えまして,この障害の有無にかかわらず,ともに学び,生きる共生社会の実現に向けた普及啓発をしていただくということで,文科省から,スペシャルサポート大使の8名の皆様にお願いをしておりますが,そのうちの横溝さやかさん,それから,金澤翔子さんにお越しをいただきまして,ライブペイントですとか揮毫パフォーマンスを行っていただくということを予定してございます。
 また裏面ですけれども,11月11日の方ですが,こちらはマル3からマル6まで,4つのプログラムを予定しておりまして,特にマル5番,マル6番では同じくスペシャルサポート大使の東ちづるさんが率いる皆さんがパフォーマンスやシンポジウム,「生きづらさダヨ! 全員集合~!」ということで,生きづらさについて,またどういうふうに社会が変わっていけばいいかといったことについて語り合っていただくようなセッションを予定しております。
 文部科学省単独でなかなか企画すると難しいような内容で構成ができたかなというふうに思いますので,委員の皆様も是非御都合が付く方はいらしていただければと思いますし,また,本日,チラシも御用意しておりますので,お伝えできる方がいらっしゃる方は,どうぞお持ち帰りをいただければというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 新しい事業を展開しているということで,御紹介いただきました。委員の方々,たくさん参加されているようですので,是非またお出掛けいただければと思います。
 それでは,本日の議事についてはこれまでとしたいと思います。お忙しい中,ヒアリングに御参加くださいました土畠様,堀江様,改めてどうもありがとうございました。
 それでは,最後に事務連絡を事務局からお願いします。

【星川障害者学習支援推進室室長補佐】
 それでは,事務局より事務連絡をさせていただきます。資料4を御覧ください。次回,第12回の会議は,11月22日の木曜日10時から12時に開催することを予定しております。追って正式に御案内をお送りいたします。その後の会議日程につきましても資料4を御覧いただければと思います。
 以上でございます。

【宮﨑座長】
 それでは,本日の会議はこれにて閉会をいたします。どうもありがとうございました。

―了―

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室

電話番号:03-5253-4111(内線3460)
ファクシミリ番号:03-6734-3719
メールアドレス:sst@mext.go.jp

(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課障害者学習支援推進室)