学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議(第1回) 議事録

1.日時

平成30年3月20日(火曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階 第二講堂(東京都千代田区霞が関3‐2‐2)

3.議題

  1. 運営規則の決定等について
  2. 検討事項等について
  3. その他

4.議事録

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 定刻になりましたので、ただいまから、「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」の第1回目を開催させていただきます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 障害者学習支援推進室で室長補佐を務めております高見と申します。本日、冒頭の議事進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、開会に当たりまして、宮川文部科学大臣政務官より御挨拶を申し上げます。
 宮川政務官、お願いいたします。

【宮川文部科学大臣政務官】
 皆様、改めましてこんにちは。ただいま御紹介がありました文部科学大臣政務官の宮川典子と申します。
 本日は、「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」第1回目、キックオフの回に、こうしてすばらしい委員の先生方にお集まりいただいたことを心から感謝申し上げたいと思っております。
 私も障害者の学びについて、これまでも党の中でも、また、文部科学省の皆さんと連携しながら、いろいろな施策を進めてきたところではありますが、私は障害者の学びには3段階あると思っております。
 まず1つは、最初の発見に大切な療育です。医療と教育の合致したような、お互いに同時進行で進んでいく機能の回復ができるのか。若しくは、何か新しいことをやらなければいけないのか。エビデンスの高い医療の観点と教育の観点から見ていくことが必要だと思っております。
 2点目は、教育でございます。小学校から、特に初等教育から中等教育まで、しっかりとした能力開発ができるような教育をしていくことが重要でありますし、ここに関しては今、大変豊かな教育カリキュラムが組まれていると思っております。
 3点目、今回、皆様に御議論いただく、この学校卒業後の学びというのが、私は大変重要だと思っております。障害者の皆さんにとって重要なのは、能力の開発・維持だと思っております。私も親族に自閉症の子がいたり、障害を持っている人間がおりますけれども、学びの場を外れてしまうと、そこで能力が少し落ち込んでしまう。そうすると、自分の発揮できるはずの能力がしっかり発揮できないままに終わってしまうという大変残念な現状があると思っております。社会に出ますと、障害者はここまでしかできないのだという話が大変多くございますけれども、本当はもっと能力を開発すれば、できることはもっともっと増えてくるはずだということで、視点を変えて是非今回は御議論いただければと思っております。障害者の皆様の能力開発の、そしてまた、その維持ができることが、日本にとって未来を切り開いたり、新しいイノベーションを作るには大変重要なことと考えておりますので、委員の皆様には是非、忌憚のない御意見を頂戴できればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 宮川政務官、ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様を御紹介いたします。お手元の資料1、別紙に委員の皆様の名簿をお付けしてございますので御参照いただきながらお願いいたします。
 朝日滋也委員でございます。

【朝日委員】
 よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 菅野敦委員でございます。

【菅野委員】
 どうぞよろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 是松昭一委員でいらっしゃいます。

【是松委員】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 田中秀樹委員です。

【田中(秀)委員】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 田中正博委員でいらっしゃいます。

【田中(正)委員】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 田中良三委員でいらっしゃいます。

【田中(良)委員】
 お世話になります。よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 宮﨑英憲委員です。

【宮﨑委員】
 宮﨑でございます。よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 宮﨑委員には、本会議の座長に御就任いただいております。
 松矢勝宏委員でございます。

【松矢委員】
 松矢でございます。よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 松矢委員には本会議の副座長に御就任いただいております。
 津田英二委員でございます。

【津田委員】
 よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 松田裕二委員でございます。

【松田委員】
 よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 箕輪優子委員でございます。

【箕輪委員】
 箕輪と申します。よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 山田登志夫委員でございます。

【山田委員】
 よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 綿貫愛子委員でございます。

【綿貫委員】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 また、本日は御欠席でございますけれども、ほかに戸田達昭委員に御就任いただいております。
 次に、オブザーバーの皆様を御紹介いたします。
 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、寺岡課長補佐でございます。

【寺岡障害福祉課課長補佐】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 当省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課、杉原課長補佐でございます。

【杉原障害者雇用対策課課長補佐】
 よろしくお願いします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所、棟方上席研究官でございます。

【棟方上席研究官】
 どうぞよろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター、二宮研究官でございます。

【二宮研究官】
 二宮です。よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 最後に、事務局出席者を御紹介いたします。
 文部科学省より、塩見生涯学習総括官でございます。

【塩見生涯学習総括官】
 塩見と申します。よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 橋田障害者学習支援推進室長でございます。

【橋田障害者学習支援推進室長】
 橋田です。よろしくお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 本日、出席予定でございますが、小松文部科学審議官、常盤生涯学習政策局長、萬谷障害者学習推進課長は、後ほど参加させていただきます。
 御紹介は以上でございます。
 なお、宮川政務官は公務のため、10時半頃に退席させていただきたいと考えております。
 続きまして、配布資料、議事の確認等に移ります。本日の配布資料ですが、お手元の議事次第にございますとおりです。もし過不足等ございましたら、事務局までお申し付けいただけたらと思います。
 また、参考資料につきましては、机上に御用意してございますドッジファイルに綴じておりますので、議論の際に適宜御参照いただければと思います。
 本日の議事ですけれども、本会議の運営規則の決定を行っていただいた後に、障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実に関する文部科学省のこれまでの取組や、今年度実施しました実態調査の結果、本会議における検討事項等につきまして、事務局及び国立特別支援教育総合研究所より、御説明いたします。
 その後、各委員より御挨拶を賜りながら、ご自身の行っていらっしゃる取組の紹介ですとか、検討事項に関する御意見等を頂いた上で、全体の審議をお願いできればと思っております。
 皆様、お話しいただく際には、お手元のマイクのスイッチを入れていただいて御説明いただければと思います。
 それでは、これより先の議事進行につきましては、宮﨑座長にお願いしたいと存じます。
 宮﨑座長、どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 座長を仰せつかりました宮﨑でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど文部科学大臣政務官の宮川先生からお話しがございましたように、学校卒業後における障害者の学びについては大変重要な課題で、学校教育制度でインクルーシブ教育システムを構築したということで、これから先、今度は生涯学習にわたる体制作りが重要になるので、この有識者会議の持つ意味も大変重いのではないかなと思っております。長丁場になりますけれども、委員の先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、審議に入りたいと思います。
 まず、議題1「運営規則の決定等について」です。本会議の運営規則について、事務局において案を作成していただきましたので、事務局から御説明をお願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 本日の会議につきましては、冒頭より公開とさせていただいておりますが、議事録の取扱い等の詳細な事項もございますので、資料2といたしまして運営規則の案をお示ししてございます。第1条にございますとおり、会議は公開して行うとさせていただいておりますが、後段では個人情報を含む事項を扱う場合などは非公開とすることができる旨、規制してございます。
 第2章では、「会議の傍聴」につきまして、詳細に規定をしてございます。
 第3条、「会議資料の公開」につきましては、会議の公開と同じ考え方で規定してございます。
 第4条、「議事録の公開」ですが、事務局におきましては会議の議事録を作成し、これを公開するということにしてございます。
 御説明は以上です。

【宮﨑座長】
 それでは、本会議の運営規則については、資料2のとおりにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 それでは、本会議の運営規則を資料2のとおりに決定いたします。
 続いて、議題2の「検討事項等について」入ります。
 まず、事務局より、障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について、御説明をお願いいたします。

【橋田障害者学習支援推進室長】
 それでは、お手元の資料3の3ページをお開きください。障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実に関する、文部科学省のこれまでの取組状況をかいつまんで説明させていただきます。
 現在、文部科学省では、障害のある方々が生涯にわたって自らの可能性を追求できる環境を整えるとともに、地域の一員としても豊かな人生を送ることができるよう、省内の体制といたしまして、「特別支援教育総合プロジェクト特命チーム」ということで、生涯学習、特別支援教育、大学、スポーツ、文化、さらに厚労省の本日お越しの障害福祉課、障害者雇用対策課にも協力を頂いて体制を組んでおります。この全体的な取りまとめ、特に学校卒業後の学びの支援ということで、昨年4月から、「障害者学習支援推進室」を設置いたしまして、この取組を総合的に展開しているところでございます。
 4ページをお開きください。こちらは昨年の松野大臣時代のメッセージでございますけれども、当時、大臣御自身が特別支援学校を回られる中で、学校にいるときには手厚い支援が受けられるのだけれども、卒業してしまうと学びや交流の場がなくなるという保護者の声を聞く機会がありました。このことも踏まえ、障害のある方々が生涯を通じて教育、文化、スポーツ、様々な機会に親しむことができるよう、教育施策だけではなく、スポーツ、福祉、労働等と連動させながら支援していこう、これを「特別支援教育の生涯学習化」と表現していこうということで、メッセージと合わせて地方公共団体あてにも通知を出しております。
 更に6ページをお開きください。国際的な動向といたしましても、平成26年2月に批准しました障害者の権利条約の中でも、障害者の生涯学習の確保が明確に謳われております。
 また、8ページでも、平成28年4月施行の障害者差別解消法でございますけれども、不当な差別的な取扱いの禁止、合理的配慮ということが求められております。学校段階ではかなりこの部分の取組が進んできておりますけれども、生涯学習分野でのこの対応を更に追求していく必要があるというところでございます。
 その上で、9ページでは、昨年の骨太の方針の中でも「障害者の生涯を通じた学習活動の充実を図る」といった内容を盛り込んだり、左下にございますように、社会教育の調査協力者会議の論点整理の中でも、卒業後も障害のある方々が自己実現を図ることができるように社会教育が貢献していくことが重要であるといったことが盛り込まれています。教育再生実行会議でも、そのような趣旨の内容が盛り込まれているところでございます。
 10ページは公民館の設置・運営の基準で、文科省告示でございますけれども、その中でも、例えば、公民館については、実施する事業への障害者の参加の促進が、努力義務としても規定されているところでございます。このような内容を踏まえつつ、対応が求められているところでございます。
 その上で、13ページをお開きください。現在の取組の状況でございます。私どもは、文科省として新しく光を当てることになったこの取組について、関係方面にまず御理解いただくということで、各種会議で説明をして回っています。また、日本青年会議所(JC)とのタイアップということで、昨年7月には大臣と会頭とで調印いただいて、JCの方でも地域レベルでの取組を展開していこうというところでございます。
 更に、「スペシャルサポート大使」ということで、著名な障害者支援者の方をスペシャルサポート大使に任命いたしまして、広報関係も力を入れていこうというところでございます。
 更に、文部科学大臣表彰ということで、この分野で頑張っている個人、団体への表彰制度を創設いたしまして、昨年12月には表彰式を実施して、61件の個人、団体を表彰したところでございます。表彰の事例集については、机上配布資料の参考資料5に付けておりますので、後ほど御参照いただければと思います。
 その他、地方公共団体における体制整備ということで、障害者の生涯学習支援の窓口を、都道府県についてはすべて、市町村についてもほぼ確認を取っているところでございます。
 更に実態調査については、また後程、特総研から説明させていただきます。
 その他、平成29年度事業の障害者支援の観点からの総点検ということで、文科省事業426事業を点検いたしまして、平成30年度に向けた見直しの検討を進めているところでございます。
 その上で、お手元の資料の20ページをお開きください。こちらは現在、国会に提出しております予算案でございますけれども、「特別支援教育の生涯学習化推進プラン」ということで、特別支援学校の段階の取組として、切れ目ない支援体制の構築に向けた特別支援教育の充実ですとか、例えば、スポーツの関係で申しますと、「Specialプロジェクト2020」ということで、2020年に全国の特別支援学校でスポーツ・文化・教育の祭典を開催するための体制作り、地域における障害者スポーツの拠点づくりということで事業を拡充することにしております。
 その他、障害者の文化芸術活動の充実ですとか、地域学校協働活動推進事業の中での放課後等の学習・体験活動の充実に取り組むことにしております。
 大学につきましては、社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業ということで、関係機関の連携強化をしつつ、支援手法の研究・開発に取り組むことにしています。
 学校卒業後、右側の一番上の事業については後ほど説明させていただきますが、障害者スポーツの関係で申しますと、地域課題に対応した障害者スポーツの推進プロジェクトですとか、障害者の文化芸術活動の充実の観点からは、障害者が活動に参加・接する機会の提供ということで、この点での取組を進めていくことにしています。
 21ページを御覧ください。こちらが新規事業の「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」ということで、約1億円計上しているところでございます。
 (1)の実践研究事業でございますけれども、こちらの方は障害者が自立して生きるために必要な力を生涯にわたって維持・開発・伸長するという観点からのプログラムの実施体制、福祉・労働を含む関係機関・団体等の連携の在り方について、実践研究を実施していただくものでございます。現在、こちらの公募自体は開始しておりまして、3月27日締め切りで公募中です。
 (2)は「生涯学習を通じた共生社会の実現に関する調査研究」ということで、こちらは一般の生涯学習活動の中にどう障害者の方々が円滑に入ってこられるか、その促進要因・阻害要因を分析しながら、効果的な対応策を目指していこうという研究でございます。
 こうした成果や課題を踏まえながら、人材育成のための研修会、フォーラムを開催していきたいと考えております。私どもとしましては、この分野において、どのような形で推進方策を検討していくか、非常に重要な課題だと思っております。そのような意味で、今回、この新しい有識者会議を設置させていただきまして、皆様方により詳細な部分を検討いただきたいところでございます。具体的な検討事項についてはまた後程、特総研の資料説明の後に御説明させていただければと思います。
 23ページ以降には具体の取組事例を紹介させていただいております。例えば、秋田県では、この障害者のための生涯学習支援連絡協議会ということで、県の生涯学習推進本部の下に文化、スポーツ、福祉、労働、教育委員会の関係課を含めた体制を作ったり、また、市町村の教育委員会との関係でも共通認識を図る場を持ったりということで取組がなされております。
 24ページ以降は、本日御出席の委員も関係している国立市、都立あきる野学園、一麦会、オープンカレッジ等の資料を参考までに付けております。
 私からは、以上でございます。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 続いて、国立特別支援教育総合研究所より、障害者の生涯学習に関する実態調査の結果についての御説明をお願いいたします。

【棟方上席研究官】
 それでは、国立特別支援教育総合研究所より、「障害者の生涯学習活動に関する実態調査」について御報告を申し上げます。資料は資料4と机上の資料の5として、「障害者の生涯学習活動に関する実態調査報告書」の本体を提出させていただいております。資料4に基づきまして説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。10分ほどのお時間を頂くことになっております。
 調査ですけれども、学校卒業後の障害者が生涯学習に取り組むことのできる学習プログラムの提供の実態、体制整備の状況等の全国的・基礎的データを収集・分析するということで、都道府県、市区町村、特別支援学校の悉皆調査を行いました。都道府県については、障害者学習支援主管課ということで、文部科学省の障害者学習支援推進室と都道府県への連絡調整を行う担当窓口として確認をされたところに調査をさせていただきました。市区町村については1,740ということで、生涯学習主管課というところへアンケートをさせていただいております。特別支援学校は1,177校ということで調査をいたしました。調査期間は昨年12月から今年の1月になります。回答の状況は都道府県、市区町村、特別支援学校、そこに表示されているものとなります。市区町村は932、特別支援学校は520校ということで回答を頂いております。
 次のページを御覧ください。こちらは域内の取組状況の把握ということで、都道府県、市区町村に対しまして、「域内で行われている障害者の生涯学習に関する取組を把握していますか」という質問をしております。左上のグラフになります。「把握している」と答えた都道府県は62.9%、市区町村が29.8%にとどまりました。その下の棒グラフですけれども、具体的に都道府県がその取組を把握している把握先ということになります。地域部局教育委員会特別支援学校というところは60%、50%把握していますけれども、市区町村教育委員会につきましては2割程度で、把握が少ないということです。
 それから、その下の右のグラフですけれども、市区町村教育委員会が把握している把握先ということになりまして、こちらももちろん首長部局及び教育委員会等は75%と高いわけですけれども、特別支援学校、都道府県、教育委員会に当たりましては、6.2%、3.9%と大変低い把握状況であるということです。都道府県、市区町村いずれもNPO、社会福祉法人、大学等の取組の把握もできていないということで、矢印の右にありますけれども、取組状況の把握を一層進めることが大切であることが理解されるということです。
 次のページに進みます。情報提供の状況になります。都道府県、市区町村において「障害者の生涯学習活動に関する情報を提供していますか」と問うています。「提供している」と答えた都道府県は54.3%、市区町村は25.5%で、矢印にあります情報提供を強化していくことが必要であるということが理解されます。
 その下になります。都道府県、市区町村において、「生涯学習、教育、文化、スポーツ、福祉、労働あるいは特別支援学校、大学、企業、社会福祉法人、NPO等の関係団体と連携していますか」と問うています。都道府県は連携しているところが71.4%ありますけれども、市区町村、特別支援学校は、していないところが7割になりまして、特に市区町村、特別支援学校における関係機関、団体、他の連携を評価していく必要があります。
 その次のページになります。生涯学習活動に関する組織の有無、研修実施状況が上に書かれております。「障害者の生涯学習活動に関する組織がありますか」という問い、それから、「生涯学習活動に関わる職員を対象に理解を図る研修を行っていますか」という問いに対する答えで「実施していない」というのが多いということになります。
 その下、6番目ですけれども、「障害者の生涯学習活動を比較、実施するに当たって、特別支援教育や障害者福祉等の専門的知見を有するコーディネーター的な役割を担っている人がいますか」という問いです。これも大変少ない形になっております。障害者の生涯学習活動に関する体制整備は全体的に進んでいないという現状が理解されます。
 その次のページに入ります。7番、「学校卒業後の障害者が生涯学習活動として取り組める事業・プログラムを実施していますか」という問いです。左上は、障害者を対象としたプログラムということです。都道府県は54.3%とありますが、その他の市区町村、特別支援学校は大変少ない数になっております。
 それから、その上の右側ですけれども、「生涯の有無に関わらず参加可能の事業・プログラムの有無」とあります。差別解消法が施行されまして、もちろん障害者の参加できないプログラムというのは、基本的にはないと思います。その下に、「障害の有無に関わらず参加可能な事業・プログラムの定義」が書いてございます。「事前に障害者が参加することを想定して、情報保証やアクセシビリティ等について検討されたものについてお答えください」ということにしております。その左下が事業・プログラムで、移行期、学校を卒業して二、三年程度の間にあるプログラムの有無ということで、これも大変少ない状況ということが理解されます。
 その次のページ、7-1になります。「障害の有無に関わる参加可能な事業・プログラム」というところで、「具体的にどんな配慮を行っていますか」と聞いたものです。都道府県は、手話通訳・要約筆記。市区町村についても手話通訳・要約筆記、情報保障が主なものとして挙がってきました。特別支援学校については、介助者や支援者の配置、健康安全面の配慮、内容やルールの分かりやすさということが情報保障に加えて、より丁寧な配慮として書かれていることが理解されました。
 その下が、「実施したプログラムがきっかけとなり、本人、当事者による自主的な活動につながりましたか」ということですが、都道府県は半数以下、市区町村は4分の1ということで、余り自主的なケースにつながっていないということも理解されました。
 その次を御覧ください。「事業・プログラムのねらい」になります。これは4つのねらいを聞きました。「学校段階で身に付けた資質・能力の維持・開発」、それから「主体的に物事に取り組む意欲ややりとげる力の育成」「人と関わる力や社会性の育成」「自立した生活を送るための実践的な力の育成」ということですが、都道府県や市区町村、特別支援学校、いずれも「人と関わる力や社会性の育成」というものが高く出ておりました。「学校段階で身に付けた資質・能力の維持・開発」については、特別支援学校は2番目に挙がっていますけれども、都道府県、市区町村はその4つの選択肢の中では4番目になっております。
 その次、7-4に移らせていただきます。都道府県の提供しているプログラムの例になります。グラフにも出ておりますけれども、現在、スポーツ、音楽、絵画・造形といった文化的な活動、障害のある者とない者の交流活動が多く、「事業・プログラムを実施していない」と回答した市町村で、今後提供したいという中には「社会生活に必要な知識・スキル」というものが挙がっておりました。
 その次、7-4ですけれども、同じもので市区町村のデータになります。市区町村も同様の傾向がございまして、提供されているプログラムはスポーツ、行事的な活動、音楽、絵画・造形等の文化的な活動ということで、今後、提供したいという中には「社会生活に必要な知識・スキル」「個人の生活に必要な知識・スキル」「職業において必要な知識・スキル」ということになりまして、今後スポーツ・文化的な活動だけではなく、個人生活、職業に必要なスキル、障害のある者との交流が必要だということが読み取れると思います。
 次の7-4にいきます。これは特別支援学校ですが、特別支援学校については同窓会活動や行事的な活動、親睦を深めるということが多く特徴が出ていると思います。ただ、一方で、今後提供したいプログラムとしましては、「社会生活に必要なスキル」ということが挙げられております。
 では、7-5にあります「国からの支援が必要ですか」と、これは事業・プログラムを「行っていない」「把握していない」と回答した都道府県等に聞いたものです。都道府県は90%が「国からの支援が必要である」という形で回答があります。具体的な例としましては、好事例・先進事例の紹介、取組のモデルやプログラムを提供してほしいということ。それから、市区町村及び特別支援学校では、財政面、人材面での支援が必要であるということです。
 その下に書かれておりますのが、都道府県、市区町村で教育全般に関わる計画。例えば、教育振興基本計画ですとか、その中に位置付いているかということですが、31.4%、16%ということで、都道府県、市区町村ともに施策・事業の充実を図っていく必要があるということです。
 その次が、「本人や保護者からの声、把握しているニーズがありましたらばお聞かせください」という自由記述の結果となります。もちろん、特に把握していないという右側のところも多いのですけれども、活動の場や機会の設定、仲間づくり・交流の機会ということが具体の例として出ております。障害者は学校卒業後の活動の場が限られており、社会生活を自立して送るための学びや、様々な人と交流する場所を求めているというのが事実であろうということでまとめさせていただきました。
 次が11番になります。「障害者の生涯学習活動を推進する上での優先的な課題は何ですか」ということを問いかけております。都道府県ですと、生涯学習活動に関する体制整備、団体等との連携、ニーズの把握という、上に4つ赤線を引いてありますけれども、都道府県、その次をおめくりいただきますと市区町村、同じ課題が上位に挙がっております。
 その次のページになりますと特別支援学校ですけれども、同じような課題で、都道府県、市区町村、特別支援学校いずれにおきましても体制整備、ニーズ把握、指導者の育成、事業プログラムの開発が挙げられておりました。
 それから、残りの3枚は、訪問調査の結果をまとめさせていただいたものです。調査の結果から特徴的と思われるところへ、都道府県、市区町村、特別支援学校ということで、10機関訪問させていただきました。この中では都道府県の例として、大阪府、市区町村として中野区、特別支援学校として養護学校ということで出させていただいております。
 1枚目の大阪府「ITステーション就労促進事業」であります。こちらは、視覚障害者の団体から声が寄せられて、IT技術を身に付けることで就労につなげるということで事業が行われておりました。左の図にありますように、体系的なプログラムが作られておりまして、その右側に面接対策、その他、応募種類作成などがありますけれども、ITに関する講座だけでなく、就職にも必要な力を学ぶという講座が行われているということになります。特徴としましては、体系的なプログラムが作られているということと、評価の点ですけれども、各種検定に合格したかどうか。あるいは、就労の達成人数ということで具体的な評価が行われている例ということになるかと存じます。
 その次の事例です。中野区の事例ですが、東京都中野区社会教育訪問学級ということで、昭和56年から36年間で、延べ574人ということで行われているものです。知的障害を対象に含んでおりませんけれども、一人一人の御自宅へ伺って、それぞれの学習科目に書いてあるような科目を学習するということで、特徴としましてはアウトリーチでそこに学びたいという本人のニーズに応えるところ、それから、このプログラムを実施しますときに、講師になる方、受講者の方、担当者で学習プログラム、学習の進め方をしっかり検討して進めるというところがあるかと存じます。
 その次が、最後の事例となります。香川県の高松養護学校の夏期集中研修会です。こちらも35年継続になりまして、当初は動作法の訓練会として始まったものが、保護者のニーズ、当事者のニーズを踏まえて活動が増えたということで、そこには今7つの学習班ということで出ていますけれども、活動としましては近隣の養護学校卒業生の参加もあり、仲間関係の広がりが見られたという例となります。
 最後に、まとめと今後の課題を書かせていただきました。項目だけ書かせていただきましたので、報告書の83ページ以降がこのまとめと課題になります。有識者会議、研究協議会の検討も含めて書かせていただきました。
 報告は以上でございます。ありがとうございました。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 最後に、事務局より、本会議における検討事項案について御説明をお願いいたします。

【橋田障害者学習支援推進室長】
 それでは、資料5-1から5-3を基に、この検討事項の案について御説明させていただきます。
 まず、資料5-1の1ポツの「検討の背景」の(1)でございます。障害のある方々が社会生活を自立して送るためには学校卒業後の学びを継続する必要があるということで、例えば、2つ目の丸にございますように、現在、この学校段階では障害のある子供たちに対して将来を見据えた教育活動を展開されているわけですけれども、学校卒業後の社会生活を自立して送るために、学校で身に付けた資質・能力を維持して、実生活や実社会の場で実践できたり、あるいは、各ライフステージで必要な学びを継続し、実践につなげていく必要があろうかと思います。
 一方で、障害者が学校卒業後にこのような学習の機会を十分に得ることは困難な状況にあり、学校段階において身に付けた資質・能力が低下するケースもあると指摘されております。
 また、「公共」あるいは「保健体育」といった自立して社会生活を営む力の育成に関わる内容については、高等部等の3年間でしっかり指導を行うことはもちろんですけれども、障害の特性を踏まえますと、その後の実生活にも即しながら、継続的に学習を行う必要があると考えております。
 (2)で、「障害者が、幸福で豊かな生活を追求するために生涯学習の機会を整備する必要がある」というところでございますけれども、障害のない方に対しては豊富に提供されている学びの機会が、障害者の方々には決して十分にはなく、高等教育への進学者も現状では少ない実態の中、学校を卒業してしまうと、このような機会自体も少なくなるという状況がございます。
 続いて2ページ目の(3)でございますけれども、困難な状況にある障害者への視点という観点だけではなくて、障害者が社会で自らの個性、得意分野を長所として活かす観点からの取組が必要であるということで記載させていただいております。
 (4)のところでございますけれども、障害者権利条約の批准、東京オリンピック、パラリンピックを大きな契機の1つとして捉えまして、障害者が地域とのつながりを持って、様々な人と共に学び合っていく。あるいは、障害のない方が障害のある方と交流、学びの場に積極的に参加していくということで、「心のバリアフリー」を推進し、共生社会の実現につなげていくことが必要であると考えております。
 その上で2ポツ目の「検討の方向性」でございますけれども、今回の会議では、学校卒業後の障害者の学びについて、現状と課題を分析するということで、求められる学習内容は何か、どのような体制で実施すべきか、一般的な学習機会への障害者の参加を促進するために何か必要かといった点を明らかにしていただきながら、地方公共団体をはじめ多様な主体に求められる方策を提示いただきたいと考えております。
 その際、当事者の目線に立ちまして、障害者のスポーツあるいは文化活動の推進に関するこれまでの状況も踏まえつつ、スポーツ・文化を含めた、学びの充実のための方策について検討いただきたいところでございます。
 また、平成30年度予算(案)で、先ほど説明いたしました実践研究等の状況も踏まえつつ、検討いただきたいと考えております。
 その上で、3ページ目から「主な検討課題」のところでございますけれども、資料5-2も併せて御覧いただければと思います。
 まず、(1)「障害者に真に求められる学習プログラム・実施体制等」ということで、大きく2つ、視点を用意しております。視点1の方は、「学校から社会への移行期に特に必要となる学習の在り方」というところで、学校卒業直後の数年間の青年期の取組を想定しております。学校段階で身に付けた資質・能力を更に維持・開発するための学習。あるいは、多様な生活体験、職業体験等を体系的に行う中で、主体性をもって物事に取り組みやり遂げる力、コミュニケーション能力や社会性などを伸ばして、その後就業し自立した生活を送る基礎力を身に付けるための学習の在り方。
 もう一つ、視点2でございますけれども、「生涯の各ライフステージにおいて必要となる学習の在り方」ということで、必要な知識やスキルを身に付け、実生活で実践するための学習の在り方と、大きくこの2つの視点を整理させていただいております。
 その上で、プログラムの内容については、資料5-3に少し類型化して整理しておりますので、こちらもまた後程、御参照いただければと思います。この中では、学校卒業後における障害のない方との交流・共同学習ですとか、当事者の自主的活動を含め、御検討いただければと思っております。
 実施体制の部分でございますけれども、多様な主体の強みを生かした効果的な実施体制の在り方。その際の特別支援学校等との接続・連携、文化、スポーツ、福祉、労働等の関係機関・団体等との効果的な連携の在り方。その際には福祉・労働等の関連事業の活用の在り方を含めて御検討いただければと思います。
 この分野では、公民館、生涯学習センター等の社会教育施設、特別支援学校の同窓会等、あるいは大学、企業、社会福祉法人、NPO法人、多様な主体が想定されるわけですけれども、それらの強みを生かした体制で御検討いただければと思います。
 その上で、コーディネーター・指導者の配置、ボランティアの参画方策も併せて御検討いただければと思います。このことを通じて求められる学習は何か、どのような体制で実施するべきかということを明確化していただきたいというところでございます。
 続きまして、(2)の「一般的な学習活動への障害者の参加の推進方策」ということで、この分野での障害者の参加に係る促進要因・疎外要因を踏まえた効果的な対応策。また、障害者差別解消法を踏まえた「不当な差別的取り扱い」や「合理的配慮」の対応ということで、この分野での考え方、求められる体制等を御検討いただければと思います。
 その上で、このような取組の基盤の整備のために何が必要かというところで、(3)でございますけれども、人材の育成・確保の観点で申しますと、指導者、コーディネーターの資質向上や確保。ボランティアの養成・確保の方策。
 また、普及啓発の観点から申しますと、ノウハウの提供・共有の仕組みですとか、障害の有無に関わらず共に学ぶ取組を普及するための方策について御検討いただければと思います。
 (4)でございますけれども、推進体制の整備等につきましては、この関係者に求められる役割、必要な体制作り、必要な方策ということで、当事者のニーズの把握、相談の対応。情報収集・提供。実施体制等の整備を含めて御検討いただければと思います。
 この会議におきましては、本年夏頃を目途に中間のまとめをしていただきまして、来年前半には最終まとめをしていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 本日は、第1回目の会議ということで、先ほどございましたように、まさにキックオフの会議だと思っております。今、事務局から、学校卒業後における障害者の学びの推進に関する検討、その背景等について御説明がありました。この辺りも踏まえて言っていただいて、それぞれ御意見を頂ければと思っております。是非、出席していただいた委員の全ての方々に発言をしていただきたいと思っております。時間的な都合もありますので、お一人5分程度で御発言を頂くということで、まずは御自身の自己紹介もかねて実践報告等の御紹介なども添えてお話を頂ければと思います。
 なお、5分を超えた場合には事務局よりお声を掛けさせていただきますので、御了承ください。
 それでは、発言のある方については、このネームプレートを立ててお話をしていただきたいと思います。
 なお、この委員会に田中委員が3人いらっしゃるので、それぞれの御出身のところを入れて「田中さん」と。例えば、「一麦会の田中さん」というような呼び方をさせていただきます。御了承ください。
 それでは、どうぞ、どなたからでもお願いいたします。せっかくですから是非、今までの経験等も踏まえて、どうぞ。
 では、朝日委員、お願いいたします。

【朝日委員】
 東京都立永福学園の校長をしております朝日と申します。名簿の1番なので先に指名されるかと思って準備をしておりました。よろしくお願いいたします。
 私は現在、知的障害が軽度の生徒が企業就労を目指す高等部就業技術科という部門と、多様な職種との協働による教育を目指す肢体不自由教育部門の2つの部門を持つ特別支援学校で、歴史は11年と比較的新しい学校にございます。平成28年の10月に当時の松野博一文部科学大臣が本校視察を頂きまして、その御縁がありましてこちらの方にお招きいただいたかと思っています。東京都の特別支援学校の校長会の会長もしております。
 実は、松野大臣が視察されたときに、重度の身体障害のある女の子の授業を見て、その後、保護者との懇談会を催した際に、その保護者が、「留年してでも学校に残りたい」と言った一言が大臣の気持ちを動かし、その年に特別タスクフォースができて、この支援室ができたということを非常に画期的だなと思っています。その保護者はもう卒業して、お会いしたときに、「今回、この委員に選ばれたのだよ」と言ったら、大変期待して、「是非、校長先生頑張って、生涯学習の応援をしてきてください」と言われました。
 高等部就業技術科の方は、企業就労を目指しますが、障害者雇用の枠ということで、比較的お給料も抑えられたところでのスタートでございますが、卒業生の様子を見ると、キャリアアップ、もっと技術を高めたい、資格を取りたい、会社の中でも責任を持ちたいというところで、今、卒業生が葛藤しております。お給料が上がれば、更にもっともっとモチベーションも高まるだろうということ。
 また、一方で、障害があることで就労を続けることに悩みがあり、継続するためにいろいろな支援が必要なのですけれども、そうした彼らを支えることで、この学習の場があるといいなと思っております。
 また、肢体不自由の方は、あと一押しすれば就職できる。あと一押しすれば何々ができるといった願い。
 そして、生活介護等では、ここは極端な例えかもしれませんが、学校は平成の教材を使っている。施設は昭和の教材を使っている。例えば、タブレット端末の導入はどんどん入ってきているのですけれども、そうした施設の方ではまだそこまで追いつかないという声も聴きます。
 そうした中で、親御さんたちが3年間で高等部を終わってしまった後がとてもさびしいというか、もっともっと学ばせたいということでございます。
 きょうお話を聞く中で、学びたい本人がいて、学ばせたい親がいて、そして、学校はどのように変わっていくのかということを今、特別支援学校の校長の立場で考えておりました。特総研の調査では悉皆と言いながら44%という低い数値ということで驚いておりますけれども、恐らく私の想像では、小中学部の設置の学校は、この調査に対する意識は余り高くないのではないかと。高等部の校長を私のように5年ほどやっていると、教え子たちの成長の様子とか、悩み具合とかが目の当たりに分かってくる。そのあたりが特別支援学校をひとくくりと言っても、なかなか生涯学習がピンとこないというのが1つあるのかなと思っています。親の会の方々も非常に頑張っていらっしゃいますけれども、若干、世代が高齢化というところで、この生涯学習が起爆剤になって、学校も活性化できるといいかなと。学校は、この生涯学習に貢献することによって、学校自体がキャリア教育の更に大人の姿が見て教育の充実が図れればいいなと期待をしているところでございます。
 以上でございます。

【宮﨑座長】
 朝日委員、ありがとうございました。
 ほかはどうでしょうか。では、順番になってきましたけれど、菅野委員、お願いいたします。

【菅野委員】
 東京学芸大の菅野と申します。どうぞよろしくお願いします。
 私のところの報告の内容は資料3の28ページにオープンカレッジ東京における「障害者の生涯学習活動に係る取組」というのがありますので、それを横目で見ていただければと思います。
 ここにも書いておりますけれども、私どものところは1995年、学芸大の障害児教育学科を中心として、今そこにいらっしゃいます松矢先生が中心となられて、大学の公開講座という形を取りながら、彼らに対して生涯学習支援をするという取組が行われました。松矢先生が9年やられた後、その後、私が引き継ぎまして、ですから2004年、2005年の2年間は大学の公開講座という形でそのまま継承してやってきました。恐らくその時期を今から振り返りますと、特に知的障害ですけれども、知的障害のある方々の生涯学習支援の在り方を検討する。更に、学習権を保障するとか、発達権を保障するということを考えながら取り組んでいたのだろうと思います。
 2006年から形を変え、「オープンカレッジ東京」という名にいたしました。これはなぜかと言うと、11年もやっているにも関わらず、この形ではなかなか全国に広がらないのではないかということで、大学に拠点を置くだけでは難しいだろうということで、「カレッジ」とは付いていますけれども、「オープンカレッジ東京」という名の元に、内容と場を少し検討しよう、研究的に検討して、特に学芸大がやるわけですから、大学の公権としてプログラムを発信しようというのと、内容と方法に関する発信をしようということで、取り組み始めました。それで、「オープンカレッジ東京」としては11年ほどやっております。というのが、私どものところで、ここにも書いておりますけれども、運営委員会組織で実際には行っていまして、みんな任意で手弁当でやっておりますので、私たち大学の教員をはじめ、学生、特別支援学校の教員、特例子会社の職員、福祉関係職員ということで大体三、四十人が例年来ていまして、月1回ずつ運営委員会を開きながら、プログラムをつくって、年4回ほど実施する。本当は5回なのですけれども、4回ほど実施するという取組を行っております。
 その結果と言いますか、それらの経過を踏まえて、検討事項に関しまして少しお話をいたしますが、まず、私たちが障害のある彼らのライフステージ各期においてどんなニーズがあるのか、課題があるのかということを調べないと、内容に関しては分からないということがあります。できるだけ即した内容を指導内容として知っていきたい。学習内容として見つけていきたいということで、2004年と確か2014年に全国調査をしたと思うのです。どのようなところを対象にしたかと言うと、全国の青年学級、同窓会、社会福祉法人等を中心としまして、どんなニーズがあるのかということを調査させていただきました。最初の調査の段階で、ここにオープンカレッジ東京の持つ取組の中で、学習内容の領域を「学ぶ・楽しむ」「くらす」「はたらく」「かかわる」という4領域に私たちは絞ったのですけれども、この4領域に関しまして「はたらく」「くらす」に関しましては、成人期以降、ニーズがすごく高くなるのです。「かかわる」、コミュニケーション支援に関しましては、生涯にわたってずっと変わらず、ずっとニーズとして在り続ける。ところが、「学ぶ・楽しむ」、学習に関してのニーズというのは、急激に減るのです。これが今の実態か。これは多分、資源がないというせいもあるのだと思いますけれども、どこに言っても無理だというのもあるのだと思いますが、そのような実態があるということが分かってまいりまして、では具体的に学習内容に関してどんなニーズとしてあるのだろうかというのを、2004年、2014年に調べました。そうしますと、先ほどの特総研の調査の中でもありましたが、多くの事業所あるいは学校、あるいは青年学級は、行事的な内容というところでほとんど終始しているのですね。あとは調理などの、個人として生活していく上でのスキルとも言えるし、お楽しみとも言えるような内容。あとは社会的生活をしていく上での必要なスキル。例えば、被害者に遭わないとか、加害者にならないというようなスキルということで、非常に偏りのある内容だということが分かりまして、もう少し私たちの提案としてはこの4領域を提案していますけれども、カリキュラムとして学習内容を位置付けるとするとお任せという形ではなくて、ただ、成人期以降の学習に対してカリキュラムはあるかどうかというのはまた考えなくてはいけないことでしょうけれども、でも、カリキュラムとしての領域を少し整理していかないと、非常に偏りのあることになっていくのではないか。特に、私は生涯学習というのは、彼らが学ぶ楽しさを知り、学び続ける喜ぶを知ることなのだろうと思うのです。先ほどの特総研のところでもありましたけれども、自主的な活動につながったかというのが評価の対象になっておりましたが、学ぶ楽しさ、それから、学び続ける喜びを知ると、自主的になってというところにつながっていくのだろうと思うのです。先ほども言いましたけれども、スキルや行事的な内容だと、偏りが出てくるし、学ぶ楽しさを知るためには発見の驚きや有用感というものを知らなくてはいけない。そうやって考えますと、例えば、自然科学的なこととか、人文社会科学的なこととか、体育、芸術的なことがきちんと位置付けられているかというと、必ずしもそうではないというところが今の課題だなと思っております。
 もう一つは、今、お話ししましたけれども、評価にするか。学習支援をするわけですから、評価の観点がどうしても必要になってくるだろうというのが1点目です。
 それから、もう一つが、場と人。20年間このオープンカレッジでやってきましたけれども、場と人の問題は非常に難しくて、大学を場とするのかというのと、更に、人、支援者を運営会議形式でやっておりますが、なかなか新しい方々が参入してこない。全国に行っていろいろと声を掛けて「来ませんか、来ませんか」と言うのですけれども、なかなか新しい支援者、あるいはプログラムを作る人たちにはなっていかないということで、この取組の中で既存の資源を障害学習という視点から見直すという取組を是非していただきたい。もちろん、新たな資格とか、新たな場ができることを望みますけれども、難しい状況だとすると、既存の資源をどう活用できるかという視点からの見直し。もう一つ、先ほど言った元に戻りますけれども、カリキュラムに対する考え方を是非検討していただければと思います。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。まさに先を走ってくださっているオープンカレッジ東京の、実践を踏まえた提案も併せてしていただいたような気がします。ありがとうございました。
 それでは、是松委員、お願いいたします。

【是松委員】
 皆さん、こんにちは。東京都の都下にあります国立市の教育委員会の教育長をやっております是松と申します。よろしくお願い申し上げます。
 今、たまたま日本における障害者の継続教育の3つの柱と言われている中で、朝日先生から特別支援学校での取組がございました。そして、もう一つは、大学の機関等が行うオープンカレッジということで菅野先生から御紹介がありましたので、うまく続いているなと思いますが、私の方はもう一つの柱であります、社会教育分野における障害者青年学級について少しお話をさせていただきたいと思います。
 私どものような基礎自治体の公民館あるいは生涯学習センター等で今一番行われているのが、この障害者の青年学級でございます。私どもは1980年の頃より障害者青年学級を立ち上げまして、スポーツでありますとか、クラフト創作あるいは料理、陶芸、リトミック等の講座を展開するとともに、1981年からは公民館の中の青年室の脇に喫茶コーナーというものを作りまして、名前を「わいがや」という名前に命名しましてオープンをいたしました。これは障害者が一方的な福祉サービスの受け手になるのではなくて、障害者自らが活動や学習の主体となるという視点から、障害者と健常者が協働して運営する喫茶コーナーでございます。この喫茶コーナーの活動を通じまして地域の共生を目指すとともに、障害者の就労にも役立てばということで始めたものですけれども、この活動が1つは地域の共生を目指す活動であるということの評価と、それから、障害者就労の一形態ではないかということで企業にも採用されるなどして全国に広まっていったところです。今、全国で500から600ぐらいのこのような喫茶コーナーがあるということでございます。残念ながら、障害者就労の雇用促進の関係から、企業さんはかなり積極的なのですけれども、同じ基礎自治体としての公民館、生涯学習センターではまだまだ普及が進んでいないところもございます。
 それから、現在の課題がそれなりに出ておりまして、希望する障害者の数も増えているということもございますが、何よりも障害者の様々な障害の多様性があるということと、早くから参加していた障害者が高齢化している。それから、何よりもスタッフあるいはボランティアの、それを支える人材がなかなか確保できないという課題が生じております。こうした中では、これから公民館、生涯学習センター単体ではなくて、関係する団体あるいは機関との更なる連携を必要としているのではないかと思っております。
 それから、残念ながら、基礎自治体における公民館活動あるいは生涯学習センター活動の中での卒業後の障害者の学びのプログラムとしては、この障害者青年学級だけしかないと言っても過言ではないぐらいに、これ以外のなかなか発展ができていないところがございます。先ほど菅野先生からのお話にもありましたように、その中でも幅広いカリキュラムをもっと提供しなければいけないのではないかという御指摘もございました。これから、基礎自治体として卒業後の障害者の学びの場として、障害者個々のニーズに応じて、それに対応した新たな学びの場、その機会の提供、あるいは、その中身のプログラム、カリキュラムをどうやっていくかということを検討すべき時期にきているのだなと思っているところでございます。この会議を通じて、そのようなところにも少し光が当たればいいなと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 公民館における学習支援、それから、新たな仕組みを作ってくださって、次の課題についてもお示しを頂いたところです。ありがとうございました。
 それでは、一麦会の田中さん、お願いいたします。

【田中(秀)委員】
 よろしくお願いします。今回、生涯学習ということで、この障害児さんの教育、学びの場を国の施策として進めていただけるということは非常に私たち喜んでいます。私は福祉の立場ですから、生涯学習という立場で考えたことは余りなかったのですけれども、公民館といったところでの期待はたくさんありましたが、余暇活動とか、当事者活動とか、そのような中でいろいろ進めてきました。
 一麦会は、今日はレジュメをお配りしています。この緑のパンフレットもまた後で御覧いただけたらと思います。ちょうど40年になるのですけれども、1977年に六畳一間から出発して今日を迎えてきています。養護学校義務制が1979年に実施されて、全ての子供たちに教育が保障された。その卒業後の受け皿として、この私どものような作業所が全国でたくさんできてきた経過があります。そこでは、まず、働くこと。仲間と交流し、お互い育ち合う。そして、生活面でまた支えていくということを中心にやってきました。主に仲間としては養護学校、支援学校を卒業した知的障害の方、一部重度の肢体障害者の方もおられますけれども、それから、精神障害者の方、不登校・引きこもりの青年たちが主な仲間としています。その中心的な考え方としては、この2枚目にありますように、二十歳になったら地域で独立した生活を送る。そのために、様々な仕組みを整えていくという図を描いております。これは和歌山市の図ですので、もっと進んでいるところはもっときめ細かい事業が展開されているのだろうと思いますけれども、そのように目標を持って活動をしています。
 それから、親も子育てに追われるのではなくて、親として社会で働いて貢献するということを進めてきています。
 この学びの件についてですけれども、なぜこのような分野に当事者活動であるとか、そのようなことを取り組んできたかと言いますと、私はちょうど10年、盲学校、支援学校で務めた経験があります。それから、この作業所に移ってきたわけです。子供たちは県内全域から来ますので、その盲学校での長期休暇の1か月半ほど、ほとんど自宅へ帰るわけです。1学期に非常に力をつけて帰っていった子供たちが、真っ黒になって帰っていった子供たちが、真っ白になってまた力を落として帰ってくるという経験をしてきたわけです。
 それから、作業所に勤めて、作業所で毎日見る仲間の顔というのは非常に生き生きするのです。ほかの仲間と一緒に働いたり、交流したりすることで生き生きするわけですけれども、家庭訪問をしてみると本当に家の片隅で暗い顔をして座っているという実態がずっとあったわけです。
 そのような中で、もっと彼らが自主的に自由に活動する場を作っていこうということで、様々な取組を進めてきました。この丸が幾つも重なっていますけれども、これはこの1つの社会福祉法人ですが、そのようなところでやることというのは非常に限られたことです。ですから、地域の方々と一緒にやる。一緒に手をつないで、多くの方と交わって進めていくということを進めてきました。
 麦の郷のこの1番のところで、学習活動を支援とした自立訓練事業を今やっているのですけれども、支援学校を卒業するのは18歳ですね。障害のない人たちの学習が非常に延長される中で、なぜ18歳になったら障害を持っていったら働かなあかんのかなという疑問が学校関係であるとか、父兄であるとか、私たちもそうですけれども、そのような疑問があるわけです。それから、5年ほどすると、一般就労するとほとんどが離職しているという実態があったわけです。ですから、ちょうど18歳から20歳ぐらいの間にもう少し力を入れて社会へ送り出す。社会の中で学ぶことができれば、非常に変わってくるのではないかと思いました。
 それで、今、麦の郷に来ている仲間の中に、三重の聖母の家であるとか、愛知の見晴台学園であるといったところに行った仲間があるのですけれども、全然違うわけです。そのような中で巣立って力をつけた人たちが働き続けるということは離職率も非常に少ないし、生き生きと働いているという姿の中で、そのようなことを始めています。
 それから、「ポズック」という就労訓練でありますけれども、ここでは表現活動と芸術活動を中心にやっています。ここに来る仲間は、他の事業所へ行って、ほとんどなじめなかった仲間たちが通ってきているわけです。ここでいろいろな自分を表現して活動することで、消防署に電話したり、寿司屋さんに50人分という電話をしたりとか、そのようないたずらの電話もなくなって非常に安定した生活を送っています。今、ポズックでは、ちんどん屋さんということで表現活動をやっているのですけれども、各地から呼ばれて、いろいろな上演活動をしております。この前、障害者芸術祭というのを奈良県が主催されたと思うのですけれども、そこへも呼ばれて、地元の子供たち、特にダウン症の子供たちが共演してやったのですが、そのポズックの仲間の中にダウン症の非常に表現力のある仲間があって、その姿を見たお母さん達が、「将来が見えた」ということで言っていただいているのです。そのような子供たちのいろいろな交流を通じて励ましにつながったということを非常に喜んでおります。
 それから、引きこもりの活動もあるのですけれども、それは「創café」といってカフェを中心とした当事者活動もあります、法人が中心になって行っている活動、それから、麦の郷のスタッフが地域で法人を立ち上げて広げる活動。それから、大規模な実行委員会をして、3月4日にも「障害児者家族のつながりを広げる文化祭」というのを2,000人規模でやったのですけれども、そのようなつながりの中でいろいろなことを進めております。
 最後に、学びについての問題ですけれども、この家族の状態を見ると、非常に経済的に困難な人たちがたくさんあります。支援学校の就学奨励費の実態を調べると、7割が全額、2割が半額、1割が自己負担可能という実態です。ですから、家族も追い込まれているわけです。特にお母さんが孤立化するということが多くて、ですから、この障害者の生涯学習というテーマの中で、障害者本人だけではなくて家族も共に育ち合う。その中で広げていくことが大事かなということを一番思っております。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。法人として活動される中から見えてきた様々な課題についても、最後にお話しいただきました。ありがとうございました。
 それでは、順番になっていますので、育成会の田中さん、お願いいたします。

【田中(正)委員】
 育成会の田中です。私はきょうは肩書をもう一つ付けていただいております。「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた障害者の文化芸術活動を推進する全国ネットワーク」、大変長い名前なのですけれども、全国団体の主だった皆さんに参集していただいて、27団体ほど加盟を頂いて、この名称と名称が表す目的に向けて連携を深めてまいっております。
 きょうお手元に配布させていただいた、少し大きめの、広げるとこんなに大きくなってしまう資料ですけれども、10月の頭にフランスのナント市というところで、これは文化庁の青柳長官が本を著されて、「文化でまちを再生する」ということで、外務大臣もやられたジャン=マルク・エローさんが首相だったときに、かなり文化発信のまちにしていきたいということで力を入れている状況があったわけです。ここで日本の障害のある方たちのアート活動を、美術系で言うとフランス語読みの「アール・ブリュット」、だれにも教わっていない木の芸術ということで、この作品展を提示したり、パフォーマンスでは島根の石見神楽の皆さんや、今回、生涯学習支援で大臣表彰を頂いた長崎の南高愛隣会の瑞宝太鼓であったり、鳥取県では精神の方たちもかなり参加されている劇団の方たちのパフォーマンスがあったりということで、滋賀の方では知的障害の方たちを中心にした「エトワール」という表現でのパフォーマンス活動もあったりということで取組がありました。
 また、国際研究フォーラムでは、「芸術とケアと市民権」ということで、様々な視点で医療従事者の方たちからの視点、若しくは行政の立場からの視点ということで、フランスの関わっている方たちに加えて日本からも育成会の会長の久保からも発言がありましたし、日精看の会長からも発言がありました。また、文化部長の藤原さんからも御発言を頂いております。この企画そのものが文化庁の委託事業ということで進めさせていただきまして、それを受け皿とする実行委員会を作りました。
 ここには様々なパフォーマンスをする作家活動やパフォーマーの方たちを輩出した法人の方に加えて、先ほど紹介させていただいた27団体のネットワークの動きと、更には県レベルの関わりも、滋賀県、鳥取県、島根県、長崎県、パフォーマンスをされた方たちを輩出した県になりますけれども、県レベルでいいますと、障害者芸術文化を推進する知事会というものも組織されておりまして、鳥取の知事が推進するという形で、今進められておりますし、国会の方でも議連が立ち上がっておりまして、いろいろ法制化に向けての支援をしていただくというような流れがあります。
 このような状況を支えていくことを、今回の生涯学習でも是非取り組んでいただけたらと思っております。
 27団体の方たちに、障害者の文化芸術に関するアンケートを昨年行ったのですが、一つには、文化芸術に触れる機会が少ないという声が強く上がりました。それには必要な情報が届きにくいということがありますので、この27団体がプラットフォームになって情報提供を発信するホームページを、日本財団の助成を得ながら進めていこうと今取り計らって、もう間もなく今月中には公開される予定ですので、新年度に向けて、今日のこの会合の様子なども含めて、様々に情報していければと思っています。
 3番目には、情報などを得てたどりついた方たちが、継続して関わっていく支援体制が弱いということも挙げられておりますので、正に生涯学習がバックボーンになって、文化芸術活動に触れる機会、作家活動として行うだけではなくて、美術館や映画館などに行って情報を得る、情報アクセスの機会を得るということも非常に大事だと思いますので、そういった視点でも流れを作っていければと思っております。
 そして、特に今回の卒業間際の生涯学習についてどうするかということについては、学齢期、学校教育における関わりも重要だと思っておりますが、福祉サービスで非常に必要なニーズに応えるということで、放課後デイサービスというものが立ち上がりましたが、中身については、ただ時間を過ごすだけになっているというような批判もあるようですので、そういった方たちにプログラムの提供等して、御本人たちが充実した時間を作れるように、そして大人になったときには、それが余暇や趣味になったり、又日中活動のプログラムにつながるようなことにもなるかと思いますので、是非、柱としてこの生涯学習については太く位置付くようにしていっていただければということを期待して、最後は育成会の立場での発言だったのですけれども、お願いしたいと思っております。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。障害者の文化芸術活動、広がりがなかなか進んでいかないという問題もあるのですが、その立場からお話しいただいた課題についてもありがとうございました。
 では、愛知の田中さん、お願いします。

【田中(良)委員】
 それでは、お願いします。皆さんのお手元に「私の実践」と書いた1枚の資料を配布させていただいておりますので、これに従って簡単に補足説明をさせていただきます。
 マル1ですが、1990年、今から28年前に親御さんたちと一緒に行き場のなかったLD、学習障害、今でいう発達障害ですが、行き場のなかった発達障害児のために5年制の無認可高校、見晴台学園を設立しました。フリースクールの高校版です。フリースクールというと、大体小学校、中学校のことを言っているかと思いますが。
 そして10年ほど前から、まだ働く自信がない、もっと学びたいという子ども、あるいは親御さんたちの要望に応えて、大学に相当する学びの場として見晴台学園大学を開設しました。フリースクールの大学版です。その後、調べますと、アメリカやカナダやあちこちの国では政府の援助をもらいながら障害者の大学、特に知的障害の人たちの大学教育の場が開かれてきているということが分かりました。
 マル2ですが、見晴台学園では、ゆっくり時間をかけた学びのスタイルが共感を得て、私が呼び掛け全国的な会を発足させました。年1回全国集会を開催してきています。昨年は12月9、10の2日間、第14回大会を私の古巣である愛知県立大学で開催しました。350名の参加者のうち150名が青年たちです。オープンカレッジとして講座を開きました。一昨年は大阪で500名の参加でした。
 5年前から毎年8月に2日間、70名前後の規模で実践研修講座を開催してきています。
 マル3ですが、発足総会の3日前に、文科省が来年度からというのは今年のことですが、障害者の生涯学習政策に乗り出すという情報を得ました。大変びっくりしましたのと同時に、政策が国のレベルで始まるのだということで非常にうれしかったことを覚えています。そして現在、『障がい者生涯学習支援研究』創刊号を出していますが、第2号を編集中で、この3月に発行予定です。
 マル4ですが、日本LD学会の特別支援教師の資格を持つ教員が中心で、約100名の会員がいます。年に五、六回の講演会や、学習会を開催してきています。平成19年に初代会長である名城大学名誉教授の神谷先生と私が呼び掛けて設立しました。日本で40近くの教育や心理関係の学会がある中で日本LD学会は約1万人を超える規模で最も大きく非常に活性化しております。会設立の準備段階から参加しています。
 マル5ですが、当初は愛知県教育委員会尾張地区特別支援教育連携協議会の会長として10年余り務めさせていただきました。3年前から市町村を主体に再組織化されて、現在は管内の地域アドバイザーとして助言や研修会講師を務めています。
 マル6ですが、来年度から障害者諸計画の何期目かが始まります。私はずっと関わっています。新たな障害者の生涯学習支援を重点項目六つの中の一つに位置付けて取り組んでいくことになりました。
 マル7ですが、私が愛知県立大学で生涯発達研究所所長として大学に隣接する瀬戸市の教育長さんたちと話し合って、このような仕組みを作りました。ここでは保育園、幼稚園、小学校、中学校の保育士や教員が顔を突き合わせて学び合いますが、非常に皆さんに好評です。全国的にも珍しい、愛知ではもちろんここだけです。このリーダー養成講座では見晴台学園と見晴台学園大学が実習先の一つです。公立の学校では聞けなかったり、学べないようなことが色々とあり非常に好評です。
 さて、8番、9番、10番、11、12番ですが、昭和54年度、1979年度から養護学校義務制が実施になりました。その後、不就学をなくす運動に取り組んだ保護者と関係者が、学校卒業後に向けた取組を出発させるのですが、私も一緒に参加し、今日まで関わっているところがほとんどです。 マル13ですが、名古屋市内の短大で来年度、この4月から現代幼児教育学科が新設されるということで、文科省への設置申請のために懇願されて引き受けました。また一緒に若い人たちと出会えることが楽しみです。ちなみに担当科目は障害児保育特別支援教育基礎演習、専門演習などです。
 さて最後に、検討事項に関してです。1ですが、障害者の生涯学習を卒業後、学校教育との接続、継続、発展として、学校から社会への移行期を政策化したことは非常に画期的なことだと思います。学校から社会への移行期がアで、イが生涯にわたる各ライフステージですが、この2つの学習支援の取組を、どのように接続関係させるか、例えば、一つの事業所がアとイに取り組むとか、あるいは地域でそのよう関係性をどのように作っていくかということが課題だと思います。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。田中委員の経歴を拝見しますと、支援体制、先ほど来いろいろ出てきているのですが、特にコーディネーターをどうするかというような問題等が、今後課題になってくると思うのですが、そういったところで、恐らくこの実践を生かしていただけるのではないかと思って期待をしながらお話を伺いました。ありがとうございました。
 それでは、津田委員お願いいたします。

【津田委員】
 皆さん、初めまして。神戸大学の津田と申します。私、ライフワークというか、二つの柱を持っているのですけれども、一つはジャズミュージシャンでありたいということです。もう一つが障害者の生涯学習の発展と、この二つなのです。
 最初の方は鳴かず飛ばずで、妻からもほどほどにしろというように、この間言われましたので、どうでもいいのですけれども、障害者の生涯学習の発展という方は、国が今回初めて本気で取り組むという姿勢を見せてくださって、本当にうきうきしています。私、大学の頃から障害者青年学級のスタッフをやったり、先ほど国立市の是松さんからワイガヤの話が出ましたけれども、ワイガヤでもスタッフをやっていたり、それから神戸大学に来てからは公開講座に取り組んだり、セルフ・アドボカシーといった本人の会の支援者をしたり、それから最近ではナザレ大学という韓国の大学ですけれども、知的障害のある人を正規学生としてしっかりと育てる、卒業後も面倒を見ていくという体制を作っているところに関心を持って、ナザレ大学と協定を結んで協働的に研究したりということです。
 あと、お手元に「よる・あーち」というしがない実践なのですけれども、一応やっていることについてのチラシを配布させていただいておりますが、地域におけるインクルーシブな場づくりというようなことにも取り組んでおります。
 今日はそのようなことでたくさん述べたいことはあるのですけれども、時間の関係もあるから、根っこの部分で一つだけお話をさせていただこうと思います。それは生涯学習とはそもそも何かというところです。私自身はディシプリンとしては社会教育・生涯学習というところの出身なものですから、生涯学習とは何かというところの合意形成の部分がとても大事だと思っています。
 とても幅広い考え方なのだと思うのですけれども、そのことをまず出発点として、この会でも出来ないかなと考えております。枠を広げる題材として、1991年のユネスコでドロール報告というものが、生涯学習の関係では有名な報告なのですけれども、そこに生涯学習の四つの柱というものがあります。学習と付くと、能力の開発とか、出来るようになること、ここに着目をしがちです。ドロール報告ではlearning to doという、することを学ぶというような整理になっています。
 それから、先ほど来、生涯学習のことで大事なのは学習意欲の問題だということを委員の先生方がおっしゃってくださっていまして、この部分はlearning to knowです。知ることを学ぶという、この部分に当たるかと思います。この意欲についても、意欲を持ちなさいといって意欲を持つことがあったら、これほど楽なことはないのですが、意欲というのはとても難しいです。社会関係だとか経験に基づいて意欲というのはふつふつと湧き上がってくるものですから、経験とか関係、この辺がとても大事なのだと思います。
 それからもう一つ、三つ目がlearning to beというのです。であることを学ぶ。アイデンティティーとか、実存に関係することだと思います。これも自分は何者であるかというのは、一人で孤独にいたら分からないわけで、社会のいろいろな人たちと関わる中で、自分が何者かということを発見していったり、問題意識を持つということ。生きるということについて学んでいくのだと思います。ここまでは経験だとか、関係ということ、社会に参加するということ、これがとても大事なこと、生涯学習の根幹をなしているのだろうと思うところです。
 四つ目が、これがすごく大事なのだと思うのですが、learning to live togetherというのです。ともに生きることを学ぶということです。生涯学習の柱として、このことが出てきているというのは、とても大事だと思います。共同、コラボレーションです。一緒に何かをやっていく、ともに生きる、共生、そういったことがキーワードとして出てきますけれども、これも社会の中に参加をして経験を積んで、いろいろな関係を結んでいくというところに学習の根幹があるのだというところを示しているのではないかと思います。
 社会教育の領域では、社会教育とはそもそも相互教育、自己教育だというようないわれ方をします。お互いの学び合いなのです。人々の学び合いというのが根幹にあって、一方通行ではないということです。
 私がやっている「よる・あーち」の実践、これはもともと12年間やってきているプログラムなのですけれども、大学が一つ施設を借りて、そこで子育てをきっかけにした、ともに生きるまちづくりということを目標にしながらやっている実践なのですが、ここで障害のある人たちもたくさん来ます。子供たちが来ていたのですけれども、12年たつとちょうど青年期、20歳ぐらいになっています。その人たちが去年ぐらいから子供の貧困対策ということで、学習支援だとか、子ども食堂とか、そういった活動を加えているのですけれども、子供たちが勉強し始めると、それまでは割とあーちに来ている人たちは遊びを中心にやっていたのですけれども、僕も勉強したいと言い始めたのです。中には強い自閉症の男の子がいて、彼も20歳に近いのですけれども、頻繁にパニックになっているような子でした。この人がずっと大学生と関わりながら成長してきたので、僕も大学生になりたいと言い始めて、学習支援が始まったら、僕は勉強すると。何を勉強するのかと思ったら、英語の勉強をしたいと言うのです。大学も、彼はアメリカの大学に行きたいと、英語の勉強を始めて、この間英検の4級を受けて受かっていました。かなり頑張っているのだと思うのです。つまずくと、そこでパニックになったりするような子ですから、試験を受けること自体が難しいのだと思うのですが、人が勉強しているのを見て、自分も勉強したいと思うということを目の当たりにして、学習意欲というのは、関係の産物なのだと感じております。
 この会でも、一方通行で障害のある人が学ぶということだけを考えるのではなくて、相互の学び合い、これが自立的に生じてくるような場づくり、ここに焦点を合わせて考えていきたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。生涯学習の基本になる視点をお示しいただいたと思いますが、この委員会でも又具体的な協議の中で出てくることだろうと思います。
 松田委員、お願いします。

【松田委員】
 よろしくお願いいたします。千葉県教育委員会生涯学習課、社会教育振興室から参りました松田と申します。生涯学習に関する教育行政の担当をさせていただいておるというような立場での参加なのかなと考えておりますので、そういったところも含めて幾つかお話をさせていただければと思います。余り時間もないところかと思いますので、現在、県若しくは県内市町村で行われているような状況を踏まえながら、課題等の認識も含め御説明をしてまいりたいと考えております。
 今までも各委員よりお話もございましたが、障害者の学びの推進ということを考えるとき、今年はいろいろな部分で区切れとなる年なのかなと考えています。年度の初めに文科大臣よりメッセージを頂戴したというようなことを受けて、ここから始まるというわけでは、もちろんないのだとは思いますが、又認識を新たにして取り組んでいかなければいけないと我々も考えて、日々行政事務等に当たっているところでございます。
 年度の初めに県内の市町村の担当課さんを集めての会議があるのですが、そこでも、県の行政にとどまらず、県内各市町村にも障害者の学びの推進に取り組んでいただきたいと考え、文科省の橋田室長にお越しいただきまして、現在、国の方で取り組まれているような状況等についても併せてお話をいただきました。全県で認識を新たにしながら、障害者の生涯学習といったものに取り組もうといったようなところから、本年度は始まったのかなと考えております。
 現在、県でダイレクトにやっていることについて申しますと、やっていらっしゃる県は幾つかあろうかと思いますが、社会生活のためのルールや技能を身につけること等を目的としたいわゆる青年教室事業で、私どもさわやか青年教室と呼んでおります。さわやかちば県民プラザという、県の生涯学習センターでございますが、こちらの方でやらせていただいております。具体的には、スポーツであったり、若しくは調理であったり、場合によっては歌を歌ったりといったようなことを、その中に盛り込んでおるところでございます。先ほどの今後の検討課題の中にも示されたところでございますけれど、具体的に何をやっていったらいいのかという部分で、結構悩んでいるところもございます。単なるレクリエーションとしてとらえるのか、それともそもそも教育基本法に示されている人生を豊かにするもの、それも当然生涯学習に求められているものでございますのでそれとしてとらえるのか、こういった部分でいろいろな視点を持ちながら、現在内容を吟味しながら進めているところでございます。
 この事業は定員40名でやっているのですが、この定員を上回る応募があるような状況もございまして、ニーズの高まりに早く応えていける体制を作っていかなければいけないというような認識も持っているところでございます。ただ、参加にあたっては多少条件といいますか、例えば一人で会場に来られる方とか、どうしても集団活動の部分がありますので、集団活動がとれる方といったような部分で、一つこういった方を対象にやっていますというようなお話をさせていただいているところでございます。この辺も今後の検討課題になっていくのかと思うのですが、どうしても障害の程度であったり、若しくは障害の内容であったりに限定をかけざるを得ず、この辺を我々はどのように捉えていかなければいけないのかということで、結構悩んでいるところでございます。
 また、同じ生涯学習センターで高校生を対象にボランティア体験を行っていただくという事業を別立てでは行っておるのですが、ボランティア体験に来た高校生にこの青年教室事業にも参加をしていただいています。と申しますのは、こういった事業を実施していくサイドの課題としては、どうしてもそこに関わっていただく人が、ある程度の人数が必要になってくることが上げられます。そういった場合に、ボランティアがどのように関わっていただけるのかという部分は、かなり実際こういった事業を続けていけるかどうかということを考えていく上での大きな鍵になってきますので、そういったボランティアを育成していくという意味からも、高校生などに関わっていただきたいと考えて、参加をしていただいているところでございます。
 あとは、県内の特別支援学校等で様々な卒業生を対象に、同窓会といったものに近いのですが、卒業後数年をめどに、同窓会組織の中でいろいろな学びをしていただいています。加えて県内市町村の状況といたしましては、お手元バインダーの参考資料5の中に、先ほど表彰ということで県の方からも推薦させていただいたのですが、12ページ、13ページに公民館での取組と、それからこれはOB会、同窓会に近いものかとは思いますが、市立の特別支援学校でやられている取組等も示されています。
 これもそれぞれ30年、40年の歴史のあるものでございますので、一部こういった形で定着しているようなところも、もろちんございます。幾つか課題もある中ではございますが、今後こういった会議等での情報等踏まえて、更に拡大を図っていければと考えているところでございます。
 以上でございます。5分を過ぎてしまいまして、済みませんでした。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。時間が押しておりまして、申し訳ありません。行政の現状を御報告いただいたと思います。
 箕輪委員、お願いいたします。

【箕輪委員】
 横河電機の箕輪と申します。よろしくお願いいたします。私もたくさん話したいことがあるのですけれど、まず自己紹介ということで、横河電機は3月現在で40人の障害のある社員がおりまして、精神、目、耳とほとんどの障害のある社員がそれぞれ自分の得意な分野で、技術職、製造職、事務職それぞれで仕事をしています。今年度、法改正に4月から法律が法定雇用率が上がりますので、その関係で翻訳とか技術者とか、結構専門的な方の求人をしたところ、精神の方がたくさん応募していただいて、6名採用させていただいていますし、新卒のこの4月から入ってくる大学生70人のうち2人、精神の手帳を持った人も入社する予定になっています。グループ会社の中には特例の認定がある会社もあるので、そちらに17名、知的発達の障害のある社員がいます。
 そういったところもありまして、今日は以前からお世話になっている方が多いのですけれども、都立の特別支援学校はほとんどの学校が作業学習、職業に関するときにお邪魔させていただいたり、2006年から1年4か月なのですが、厚生労働省の就労支援係の方に勤務させていただいた経験もあるのですが、その中で感じたことは、学校でも、それから福祉の事業所でも、周りの大人たちや家族に限界を決め付けられてしまっている方が多いというようなことをすごく感じてきました。採用するときにも、関わる周りの方たちが、この人はここまでですというようなことを伝えてくることが多いのですけれども、実際には環境整備ですとか、やったことがないだけで、やってみたら出来ることがすごく多いというのは感じていますので、こういった活動をする上では、周りに関わっている支援者といわれる方とか、家族とか、そういったところの方の積極性とか、そういった方の興味とか、学び続ける意欲というのはとても重要だなというのはずっと感じています。
 最初に文科省の方の御挨拶にあったように、能力の開発とか維持といったところでいうと、障害のことに詳しくない社員だからこそ限界を作らずに、とりあえずやってみようかということをやってきている。仕事も、余暇活動の支援についても、そうかなと思っていますし、入社後、仕事の中でもちろん学習し続ける必要があるので、その中で簿記を取ったり、運転免許を取ったり、パソコンが出来るようになったりというのは知的障害のある人もやっていますし、入社後にも新卒で入った人のマネージャーになっているとか、そういった成長の記録があるのも感じています。
 その中で、この資料にも得意なこととか長所を伸ばすというのがあったのですが、私たちの経験の中では、場面によってはネガティブな特性とされている、例えばこだわりが強い方というのは、正確な仕事をしてもらって、アビリンピックの知的障害の入力の競技の全国大会の委員をしているのですけれども、こだわりが強くてなかなかうまくいかないことが多い方の方がメダルを取ってくるというところは実感しています。会社の中でも本当に100%の正解率を持つような人もいますので、こだわりの強さは職業では生かされることが多いということです。
 それから、発達の方の中には自分のプロフィールを100項目ぐらい用意する方もいらっしゃったりするのですけれども、それだけ課題発見力と、会社に対して申し入れをしますので、課題解決力などもあって、そういった多様な視点も大事かなと思いますし、ゆっくりとした動きが、どんなに頑張っても早く動けない方については、高齢者施設などにおいては高齢者にとって、利用者の方に安心感を与える。
 それから場面によって話せなくなる方などもいらっしゃると思うのですけれども、こういった方はじっくり聞いてもらえているということで、話をしたい人にとっては、聞いてくれるという様子がうかがえる方がいいということで、明らかに長所とか得意ではなくても、今までの子供の頃からの中では困ったと思われる特性が、実は別な見方にすると生かされるというところがありますので、こういったものもいろいろな経験の中から御本人にも感じていただけたらいいなと思っています。
 余暇活動につきましては、こちらの最初にお配りいただいた資料3の中の26ページで御紹介いただいていますが、都立あきるの学園の特別支援学校における放課後子供教室に2008年から関わらせていただいているのですけれども、こちらも実際に授業では全く座っていられない、ずっとよそを向いて、どこかに行ってしまうこともあるという方が、プログラムでは1時間ずっと座って茶道を続けたり、ルールに従えないといわれていた子供がサッカーの教室をやったときには、笛を吹いたら右回り、笛を吹いたら左回りとか、そういったものが出来たり、先生とか保護者が、30分前に出来ないことが、何でここでは出来るのだろうということで驚いていたというのがありますので、やらなくてもいいかなと思っている場面においては、障害などにかかわらずだと思うのですが、やらないだけで、本当は出来るのかなということを大人たちでは話をしていたところです。
 あとは、余暇活動にしても、教えられるレベルにある人が教えるということが大事かなと思います。何となくやったことがある人が教えると、教えてもらう側がうまくいかないというのがあると思いますし、プログラムでやるのであれば専門性とコミュニケーション力が必要かと思います。
 あきるのクラブには大体月1回ぐらいプログラムに参加しているのですけれども、それは会社の中にある同好会という文化系のお茶とかお花とか、そういった組織が10、それからスポーツ系のバスケット、バレー、バドミントンといったものが10あるのですけれども、そちらの社員の特技とか趣味とか、全国大会に出るようなレベルのものが自分の趣味や特技をそのままプログラムに持ち込みますので、継続できているのかなと思います。
 個人としては、何でもやりますというプログラムを用意するよりは、自分の大好きなこと、特技を特別支援学校の子供たちが求めていますということでいうと、この8年間続けられた理由なのかなと思いますし、会社としては公共性とか公益性です。このあきるのクラブは東京都の放課後子供教室を委嘱を受けている関係があって参加できているということがありますし、子供たちが選択肢を持てるように、同じ日に複数のプログラムを設けています。動きが活発なことが好きな人、静かな活動が好きな人、そういったところも含めて、1日の中でも選択が変更できるようになっていますので、そのためにはプログラムがたくさん必要だということで、会社からの持ち込みのものと、保護者の方が用意されたものと、地域の活動のものがあります。
 もう一つ、共生というお話も何人かの方から出ていましたけれども、子供の中には兄弟姉妹とか家族の方が、障害のある子供を中心にずっと生活をしていて、兄弟姉妹が我慢をしているという話も聞いていましたので、このプログラムの中では障害のある子も、ない子も、就学前の子から卒業後の人まで、一つのプログラムに皆さん好きな方が参加できる。場合によっては大人も参加するということもやっています。
 先ほど、学ぶ意欲という言葉があったと思うのですが、子供たちが成長する様子が、この1時間の中で明らかに、全く出来なかったことが出来るようになるというパターンをボランティアの社員も経験しているので、そういった意味では、先ほども学び合いということがあったと思うのですが、ボランティアで参加している者のモチベーションかすごく高く維持されていて、今月のプログラムが終わると、来年はどうしようということをすぐ考えるといったところもあります。
 また、会社としては、こういった写真を撮らせていただいて、ホームページでもどこでも載せてくださいと、参加者300人ぐらいの方が皆さん同意されているので、そういったところも継続ができるということもあるかと思います。
 あと、いろいろなことを学ぶ上で大事かなと思うところは、日頃からヘルパーさんしか、家族しか関わっていない方というのは、急に別の大人が関わると、年が上がれば上がるほど難しいと思うのですが、企業が参加することで、毎回違う人が参加しますので、日頃から知らない人と関わるということも大事かなと思いますし、自分一人で出来ること、誰かが関わらなくても出来ることを増やしていく。それから、複数から自己選択をして、自己決定をしていく。それから、障害のない人も普通のプログラム、私もスポーツジムのプールなどに通っているのですが、ダウンの方とか、説明を聞いて理解するのがゆっくりな方がいらっしゃるので、普通に会員として特別支援学校の生徒さんらしき方がいたり、日帰りのツアーなどに行くと、そこに恐らくこの動きの活発な方は手帳を持っているかもという方が参加したりするので、先ほど菅野さんもおっしゃっていましたけれども、今一般にある民間の資源も活用するのがいいかなと思っていますし、外国人対応で、今まちが視覚支援がたくさん出てきているので、目で見て分かるような買い物とか、選ぶものが出てきていますので、そういったところでは過ごしやすくなってきているのかなと思います。そういった環境の中で、IT活用によって意思表出です。意思を持っているのだけれども、大人が勝手に代弁しているということもすごく多く場面としては見ますので、自分の意思を、身体の人も、知的の人も、発達の人もITなどを活用しながら主体性で自分の意思を伝えられるようになったらいいなと思いますし、大学の方でも最近、新卒の方の応募もあった関係では、たくさん発達障害の方とか身体の方、大学の方に在籍されているのですが、情報がないということで、就職活動も苦労されているということを聞いていますので、私はダイバーシティの担当なのですが、女性活躍を推奨する企業は厚労省さんのホームページに載っていて、スマホなどでもアクセスできるようになっているのですけれど、障害のある方が過ごしやすい場所とか企業とか、そういったところをスマホでQRコードを読むと情報が出てきて、選択ができるようになってくるといいかなと思っています。
 最後になりますが、仕事でも余暇活動でも、成長し続けると思っています。ですから周りの人が、最初に申し上げたように、期待をしているかどうか、限界を作らないで、成長し続けるはずといったところの本気で期待をしていただくことがいいのかなと思っています。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。企業が障害者雇用をされていて、見えてきたもの、それから課題になること、それからあと、公立の学校に支援に入っていて、放課後活動等をなさったところから見えてきたものなどについて提起をいただきました。恐らく今後、大きなテーマになってくるのだろうと思います。ありがとうございました。
 時間が定刻になっているのですが、10分ぐらい延ばしていただくということで、お許しください。どうぞ、ゆっくりお話しに。

【山田委員】
 時間が押してきたということで、たくさん用意してきましたけれども、手短に。自己紹介ですが、私は日本障害者スポーツ協会の常務理事を務めております、山田と申します。昨日、平昌のパラリンピックから選手が帰ってきまして、今日は大臣報告ということで、こちらに来ておりますが、過去の最高のメダルを取ってきて、皆さんも盛り上がっていただいたということであります。
 私は若い頃、厚生労働省の国立の障害者の施設に、盲人の施設に2年と身体障害者の施設に5年勤めて、本省の方にずっと勤めた経験がございまして、その若いときの経験の中から、参考となるような意見があれば、今回発言させていただきたいと考えております。
 御承知のように、スポーツの持つ意義というのは、障害の有無にかかわらず、人間が生きていく上で生活の活動、動きや生きがい、楽しみなどがあるわけですけれども、とりわけ障害者がスポーツをやるということについては、特に閉じこもりがちになりやすい障害者を、一歩外に踏み出す、背中を押し出す勇気を持たせる力があるのではないかと思います。
 もちろんパラリンピックのようなものを目指して競技力を向上されて向かっていく人もいらっしゃいます。多くの方は地域で障害者スポーツを日常的に楽しむという方が多いわけであります。先ほどからいろいろなお話がありますが、卒業後に学習できる方法はたくさんあるわけですけれども、中でも実践で学んでいただくことも大事ではないかと考えております。
 私の経験では、例えばアスリートの声、私は車いすバスケットを40年間ずっと指導しておりまして、審判等もやっておりますが、バスケットの選手のことで言葉をかりると、「私は障害者になってバスケットの先輩に誘われてスポーツを始めたと。また、テレビとか見てから始めた」と。いろいろな方がいらっしゃいますが、スポーツを一緒にやりはじめたら先輩から一緒に社会生活をやっていく上でのルール、社会の中で自分が車椅子で動くための生活様式の改善とか学び、また、いろいろな悩みを抱えているので、それを先輩に聞いて教えてもらったり、いろいろな先輩の経験を聞いて、自分もそれを克服していくといった、そういったいろいろなスポーツの力というのはあります。
 それからもう一つは、一緒にスポーツをやることによって、ボランティアとの関わりということで、健常であるボランティアの方と交流するというようなことで、又学ぶというようなこともございます。
 障害者スポーツは、あと2年後に東京大会が目前に迫って、全国的に盛り上がりを見せておりますが、地方に行けば、まだまだ浸透していないところはございます。障害者スポーツに取り組むためには、スポーツをする場所が必要であります。そして、そこに行くアクセス、そして介助、それが地方ではなかなかうまく整備されていないところが多くて、障害者の方がスポーツができないというような場面が多いわけですから、そういったところを改善していくことが、これからの課題ではないかと思っております。
 そのためには、学校教育中にスポーツに親しんでもらうことが大事であると思っています。特に特別支援学校では、今までスポーツの取組が少し遅れていると聞いておりますが、昨年ぐらいから障害者スポーツを取り入れていくように、あるいは久里浜の国立特別支援教育総合研究所会では、去年から私どもと連携しながら、スポーツを先生方にいろいろ学んでもらうといった取組も始めております。
 それから、スポーツをすることによって、先ほど津田先生がおっしゃったように、意欲それから経験、これが大事だとおっしゃっていましたが、そのとおりでございまして、スポーツをすることによって辛抱強くなってくるのです。それが社会で生きる力のようなものになってくるのではないかと思います。
 そういったことで、スポーツの持つ力というのは非常に大きいので、是非これも障害者の生涯学習の学びの中に一つ提案として入れていただければと考えています。
 まだたくさんありますが、これで終わります。どうもありがとうございました。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。平昌では私どもは大変盛り上がったところです。本当にお疲れさまでした。また、細かいことは改めて次回以降お願いいたします。
 では、綿貫さん、お願いします。

【綿貫委員】
 綿貫です。5分ぐらいで少しお話をさせていただければと思います。まず、私は今回ここに来ている立場としては、私自身が自閉症スペクトラムの障害者というか当事者であり、あと心理職として学校現場とか福祉の現場に入っているということもあるので、そこの事情を、その当事者の視点が知っているということと、年代的に多分若い方なので、これからの人材育成ということもあったのですけれども、そのような世代の支援者としての立場としても来ていると思っています。
 ふだんやっている仕事とか活動の紹介としては、まず学校の方は特別支援学校3校とか、小学校5校とか、そのような場所で巡回相談などをしているのですが、その中で、特別支援学校で都立中野特別支援学校という学校では心理職ではなくて、ASDの自閉症の青年当事者として外部専門員を務めるという新しい試みを2年前からやっておりまして、そちらの方では、例えば自閉症の子が多く在籍しているクラスに入って、実際に子供たちと一緒に授業を受けて、その授業とか先生の関わりとか、教室環境とかでどのようなことが気になるとか、こうしてもらえると分かりやすいとか、そういった視点は子供たちと私が全く同じではないので、ヒントですけれども、提供するような支援をしています。
 それから私はNPO法人東京都自閉症協会で役員をしているのですが、そちらの親の会や、当事者が参加するような茶話会とか、そのような機会を提供したりしているので、そこでもいろいろな現場の話を伺っています。
 2年前から東京都自閉症協会では世田谷区からの受託事業ということで、みつけばルームという取組をしています。ここが正に学校から社会への移行期にある若者たちへの支援を実践している場で、ここの若者というのは主に自閉症を中心とする発達障害を持っている若者で、かつ集団活動などに参加できるので、知的にはそれほど重くはないのですが、特別支援学校の高等部の卒業生の方などもいらっしゃいます。
 ここのみつけばルームの取組も詳細をお話ししたかったのですが、今日は時間も限られているので、主な今回の会議の検討課題について、現時点で思っていることをお話しします。まず、学校から社会への移行期にある若者たちを実際に支援をしていて、必ずこの世代で出てくるキーワードが就労とか自立という言葉が必ず出てくるのですが、これは私自身の経験でも、ほかの方たちとか、実際にみつけばルームに通っている子供たちを見ていても、その前に必要なことがあると思っています。それはまず、我々発達障害という支援になると、必ず自己理解ということがすごくキーワードに出てくるのですが、この自己理解というのがいろいろ誤解があって、自分が発達障害であるという特性を理解すれば生きやすくなるかというと、必ずしもそうではないですし、そのタイミングを間違えると、不用意な不安感につながったりもするので、まず自己理解とかではなくて、自己表現の場が必要だと思っています。
 先ほど菅野先生のお話の中でも有用感というお話があったのですけれども、私たちの少し変わった興味とか関心が、他者に認められたり、こだわりとか表現の仕方が認められたり、そのようなことがすごく大切なのだろうと実際にみつけばルームの子供たちを見ていても思います。
 あと、プログラム内容なのですけれども、知識とかスキルといった一般的な生涯学習活動への情報保証とかアクセシビリティとか、そのようなことについては促進要因とか阻害要因の検討というのはもちろん必要で、例えば特別支援学校の高等部で巡回などしていると、すごく視覚的な支援が減るのです。小学部とか中学部に比べて減るのですけれども、別に減ったからといって、視覚的な支援がなくても、その支援を内在化してやらなければならないというところが、すごく誤解があると思っていて、点字とか車椅子が必要なように、必要な支援というのもあって、それによって能動的に活動できることも多いので、そのような観点から促進要因とか阻害要因を検討していくことは、この生涯学習の分野においても重要だと思っています。
 それからプログラム内容についてなのですけれども、私たちの限局的な興味、関心とか、こだわりとか、そういったことを社会の中でどう形にしていけるのかというところのお知恵をおかりできたらと思います。例えば、東京都自閉症協会の役員の中で、お子さんが最近、特別支援学校の中学部を卒業されたということで、卒業されたときは卒業式に落ちついて参加できるために、お守りを持っていたのですが、そのお守りというのが東京ディズニーシーの卒業遠足に行ったときの写真だったのですけれども、その写真の内容が、ディズニーシーにある排水口の写真だったのです。私はそれはすごくよく分かります。排水口の美しさというのがありまして、その子はそれにすごく魅了されていたし、美しいというように心が動くものなのですけれども、よく特別支援学校でも先生方御覧のとおり、学校中の壁のシリコン素材を触って探求している子とかもいますし、我々が探求していたり、研究している、そういったものが楽しいと思えたり、美しいと思えたり、そのような感性があるのですが、それをどう社会の中で形にしていけるのかという、つまり資格の試験に受かったからとか、そのようなことではない形のものになってしまうので、それをどのように形にしていけるのかというのがあります。
 それから意欲というところなのですけれども、みつけばルームでは当事者の視点でいろいろなワークショップを企画しているのですが、その中で私がメソポタミア文明が好きな関係で、動物土偶作りのワークショップを企画して区内でチラシをまいたら、ずっと引きこもられていた20代前半のアスペルガーの方が、それをきっかけに外に出られたということがあったのです。つまり今まで支援とかをお母様が情報を提供しても引っ掛からなかったのに、動物土偶作りが引っ掛かったということで、その方はそれをきっかけに外に出ることができたということがありました。
 なので、一般的な生涯学習活動とは違う視点なのですが、そういった我々が持っているような興味、関心とか、こだわりとかを含めたようなものがあると、すごく助かると思います。また、生涯の各ライフステージというところなのですが、社会的な要請とかもあるので、実現できるか分からないのですが、一般的なライフステージ像というか、そのようなところに照合させるだけでいいのかなとは思います。
 例えば、知識とかスキルとか、そういったものは、自閉症のことでいえば、パターン学習は得意な方が多いですし、形として身に付けることができるとは思うのですが、そこに自分で意味を見出したり、そのようなことのためには、障害者たちの発達段階への考慮も必要で、それは生活年齢とは又違うところがあると思います。
 例えば、特総研の資料の中にあった、人と関わる力や社会性の育成という言葉とかもあるのですが、人と関わりたいとか、人と関わることが楽しいとか、そのような感覚を私自身が持てたのは高校生ぐらいになってからで、それまで余り他者という感覚がなかったので、私の幼少期というのはジャンピングをしたり、フラッピングをしたり、エコラリアを言ったりしているような幼少期だったのですけれども、そのような私が他者に関心を持てたのは青年期に入ってからで、そうするといろいろな感覚が違うのです。そういった感覚を持っていたり、関わり方が一般的な形式とは違う方が、生涯の各ライフステージといわれたときに、生活年齢のことだけ、一般的な視点だけで求められてしまうと、それが主体的な参加になるかというのはとても難しいかなと思っています。
 又よろしくお願いします。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。お話に私も引き込まれてしまったのですが、是非今後いろいろな機会に御発言いただきたいと思います。
 松矢先生、お願いします。

【松矢副座長】
 副座長を仰せ付かりました松矢でございます。皆さんのお話、みんなそれぞれの領域、立場から長く実践あるいは研究をされてきたので、私もとても感動して聞いております。
 私はどちらかというと進路指導をしている先生方と、研究は進路指導と職業教育の一体的改革、本人の主体性を大切とした移行支援というのを研究テーマにしてきまして、日本では生涯学習の施策、体制作りが遅れているということで、東京学芸大学でオープンカレッジ、大学の制度である大学公開講座を始めて、菅野さんに譲り20年間。私は目白大学に移りましたが、進路指導の先生の研究会のネットワークをそのまま大切にしたいというのでNPO法人を作り、幸い大学の理解がありまして、大学にNPOの事務所を貸してもらいまして、グリーンワークカレッジというオープンカレッジをずっとやっていますので、私自身、障害のある人たちと一緒に学びながら来た。恐らくここでは私が一番高齢者だと思います。現在77歳ですけれども、学び続けております。
 そして、東京学芸大学の名誉教授ですけれども、東京学芸大学の同窓会、その中で音楽の好きな卒業生とお母さん、それからたくさんの同志たちが入って、全員参加型の総合芸術である若竹ミュージカルをやっております。Oオーケストラ付きでして、オーケストラは東京学芸大学管弦楽団のOBなのですけれど、もう20年もやっていると、みんな働き盛りになって、今楽団員の募集が一番苦しいということで、私は山口薫先生という大先生に後援会長をやってもらったのですが、山口先生が目が見えなくなって、車椅子だというので、おまえ、やれということで、後援会の会長を引き受けておりますが、後援会で応援に来るならば、私も舞台に立ってしまおうということで、今、一団員として歌い、踊っております。来年の5月は公演活動20周年ということで、大きなホールを借りて、公演は何度もやっておりますが、屋根の上のバイオリン弾きをやります。私は一村人ということで出るかと思います。
 要するに、生涯学習がどんなに大切かということを自分自身の経験でも知っておりますので、これから長丁場になりますけれど、是非御協力をお願いいたします。
 以上です。

【宮﨑座長】
 ありがとうございました。
 限られた時間の中で、御自身の実践例等も含めて、積極的に御発言をいただきまして、ありがとうございました。長丁場になるということもありますが、引き続きどうぞよろしくお願いします。
 頂いた御意見の中で、いろいろ課題になるようなこと等もお話しいただきましたので、事務局の方で整理をいただいて、又御報告をお願いすることになるかと思います。時間が延びてしまって、大変申し訳ございませんでした。
 それでは、最後に事務局より事務連絡等お願いいたします。

【高見障害者学習支援推進室室長補佐】
 お手元にある資料6にございますとおり、次回の開催日時につきましては、4月18日10時から12時を予定してございます。会場等の詳細な御案内は、又別途させていただきます。
 本日の配布資料につきましては、机上に置いていただけましたら、後日郵送させていただきます。
 以上です。

【宮﨑座長】
 それでは、本日の会議はこれにて閉会をいたします。
 どうもありがとうございました。

―了―

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電話番号:03‐5253‐4111(内線3460)
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