平成30年度以降の子供の学習費調査に関する研究会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成30年6月6日(水曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省会計課会議室

3.議題

  1. 調査項目の現代化について
  2. 目標制度向上に向けた標本設計の再構築について
  3. その他

4.出席者

委員

石田賢示氏,岩間晴美氏,卯月由佳氏,佐藤一磨氏,邵勤風氏,土屋隆裕氏,山田哲也氏

文部科学省

今村調査統計企画室長,牧野分析調査官

5.議事要旨

議題(1) 調査項目の現代化についてについて
 資料1に基づき事務局から説明の後,意見交換を行い,「学校外活動費-その他の学校外活動費に支出項目「国際交流体験活動」を新設する」,及び「学校教育費-修学旅行・遠足・見学費を,(1)学校教育費-修学旅行費(2)学校教育費-校外活動費に分割する」を,支出項目の見直しとして採用することを合意した。また,「学校外活動費における学童保育・預かり保育等の支出状況把握」は,意見交換の結果本調査で実施しないこととした。
出席者からの主な発言は以下のとおり。

<外国語・国際交流活動について>
○ 資料1で提示の案のうち,案1(国際交流体験活動の項目新設)の方が望ましい。時系列で分析を行う際,案2(国際交流体験活動を体験活動・地域活動に組入れ)にすると体験活動・地域活動の定義が変わってしまい,前回調査との経年比較ができなくなる。
○ 案1の方が自然な対応だと思う。案2では体験活動・地域活動の時系列が追えなくなるが,案1を採った場合では工夫することで項目新設前のデータと近似させることができる。
○ 国際交流体験活動は子供一人当たりの支出額が高く,それを理由に項目の独立化が提案されていることを鑑みると,案2によって別項目に組み入れた場合,現状の問題点は解消されない。そのため,案1が望ましい。
○ 国際交流体験活動は,現在は「教養・その他」に計上されているとのことだが,現在の調査では当該活動の支出がどの程度含まれるか,把握できるか。
○ 案1が良いと思うが,国際交流体験活動が項目新設された場合でも,保護者によっては,留学に要した支出の主目的を国際交流ではなく語学習得と捉え,「教養・その他」へ計上する場合もあるのではないか。
○ 留学費用を国際交流体験活動と捉えるか,語学習得と捉えるか,そのぶれを抑えることは重要。十分な案内がなければ,保護者の感覚に左右される恐れが考えられる。

<修学旅行費について>
○ 基本的には,見直し案の方向性で良いと思う。国際交流体験活動の検討に基づけば保護者調査票では留学等の国際交流活動を単独項目として取ることとなるが,一方で学校調査票では修学旅行の国内・海外の区分を調査しないのは,両調査票の整合性に問題はないか。
○ 学校のカリキュラムの一環で留学を行う場合の支出は,「授業料」に含まれている可能性がある。こうした場合,支出は切り分けて各項目に計上するということで良いか。

<学童保育・預かり保育等>
○ 学童保育や預かり保育等の支出が学習費に該当するのか,その棲み分けの検討が必要。学童保育等は保護者のニーズに基づいた支出であることが,学習費としての整理に違和感がある。
○ 学校外活動費の各支出項目は,期待されている機能によって区分されていると理解した。資料1で提示されている代案であれば回答者にとって対応困難な質問ではないので,この費用を積極的に調査する必要性があるのであれば,代案の対応でも良いのではないか。
○ 預かり保育でも活動内容はとても多様なものがあるが,利用料の金額はそれほど高いものではない。一方,民間が経営する学童保育ではかなり高額なものもあり,その利用目的は預かりだけでなく,教育・教養目的である保護者もいると考えられる。それらの費用が把握できるのであれば良いとは思うが,どのように整理するかは難題と思う。
○ 本調査で今まで何らかの項目で学童保育等の費用把握が整理できているのであれば,単独で支出項目を置く必要はないのではないか。また,学習費調査という性質を踏まえれば,代案のように別掲で把握する必要もないと思うが,調査するならば別掲での把握が望ましいと思う。
○ 育児・保育に係る費用の全体像把握は重要な課題であるが,本調査以外の別の調査が担うべきものと思う。そうした調査では,預かり保育に限らず,医療・療育等,費用把握範囲がさらに広くなると考えられる。しかし,学習費調査において費用把握範囲が際限なく広がることは好ましくない。

議題(2) 統計精度向上に向けた標本設計の再構築について
 資料2に基づき,標準誤差率1パーセントを達成するために必要な標本数について事務局より説明の後,意見交換を行い,標準誤差率1パーセント達成によって得られる信頼性向上の程度,また,目標精度達成のために標本数の大幅増を伴うことを確認した。出席者からの主な発言は以下のとおり。

○ 標本数が増となる場合,対応方法としては,調査対象学校を増やすこととなるか,1学級当たりの対象幼児児童生徒数を増やすこととなるか。後者であれば,同質の支出状況にある標本がより多数集まる結果となり,誤差自体は縮まるものと思う。
○ 資料2の試算方法は,1学級当たりの対象数は維持したまま,調査対象学校数を増やす発想で算出されたものと思う。本調査の二段階抽出のうち,一段目の抽出数を増やすもの。
○ 検討を行う際には,標本サイズ・抽出の方法だけでなく,精度の高い推定方法も併せて考えていく必要がある。
○ データの安定性を目指して標本数を増やすという方向性は,誰もが認め得るものと思うが,本調査実施に係る予算等は標本数増に見合ったものを得ることができるのか。

議題(3)その他
事務局から今後のスケジュール等について説明があった。


<以上>

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