青少年の体験活動の推進方策に関する検討委員会(第4回) 議事要旨
1.日時
平成28年11月14日(月曜日)16時~18時
2.場所
文部科学省庁舎5階5F7会議室(東館5階)
3.出席者
委員
青山鉄兵、明石要一、興梠寛、齋藤芳尚、松村純子、安田公一
文部科学省
有松生涯学習政策局長、神山大臣官房審議官(生涯学習政策局担当)、里見政策課長、土肥青少年教育課長、鴨志田青少年教育課課長補佐
4.議事要旨
- 事務局より、資料の確認。
- 事務局より、資料1,2の論点整理について説明。また、全体の内容について、意見交換などの全体討議を行う。
<全体討議>
(人材の募集・養成について)
- 大学生ボランティアを集めるのに有効な方策として、既に参加中の学生からのネットを通じた口コミや、各大学において専任のボランティアコーディネーターを導入し窓口を設置することなどがある。
- コーディネーターの養成において、これまで社会教育活動を行ってきた人材を適切に活用したい。
- 体験の場のネットワーク化を通じ、人材バンクのような機能があるとよいが、登録したのに活動がないという状態が続くと陳腐化してしまう。
- ある一人の人がライフステージの中で、ジュニアリーダー、ガールスカウト・ボーイスカウト、大学生ボランティア、PTA、というふうに常にリーダーになっていくような生き方をすることも
「継続性」の一つ。小さいときから、(一時的に離れることがあっても)生涯を通じて地域社会の中でリーダーシップを取っていけるような人材養成の体系を描くことも大事である。
(保護者・教員への周知について)
- 地域のコーディネーターと教員とのコラボレーションのためには、管理職教員だけではなく一般教員に対しても理解を深めるための研修が必要である。
実例としては、教員・社会教育主事・コーディネーター・地域の指導者等、様々な立場の人が一つのグループになり、課題解決的討議を行うワークショップの人気が高い。
- 社会教育と青少年教育、あるいは体験活動と青少年教育の関係性、またそれらと学校と地域の協働がどう関係するかを整理する必要がある。
例えば学校内で地域連携担当教員を置くような場合には、学力向上だけではなく体験活動もコンテンツとして位置づけられるような教員研修の在り方を検討したい。
- 教員が体験活動の楽しさ・すばらしさを知らないと、子供や保護者にも伝わらない。
- 保護者は体験活動が重要であることは認識しているが、機会が十分でないと感じている。学校以外にも体験活動の場があるということ、またその効果や成果についてより周知していくことが必要。
- 保護者や教員の立場からすると、塾や習い事も含めた雑多な活動が目の前にある中で動いているため、
「体験活動」という1つの枠組みで考えられるということを保護者や教員に伝えるためには、緩やかな新しい業界形成が必要である。
(体験活動の場の在り方について)
- プレーパークは従来の公民館等の社会教育型プログラムとは異なり、いつでも子供たちのことを待っていてくれる場所であり、子供自身がそれぞれの状況に合わせて時間帯を選んで利用することができるということが大事である。
- 子供たちにとって、待っていてくれる居場所・自分が選べてふらっといける場所であると同時に、新たな主体性や地域社会との接点になる場所である。
- 様々な体験の場をマッピングすることで、子供自身や保護者がニーズに応じて選びやすくすることが大事。それぞれの場のネットワーク化により、人や団体をつなぐ仕組みが必要である。
- 地域で日常的に行う体験活動と、青少年教育施設が長期休暇の期間に提供する体験活動は区別して考える必要がある。青少年教育施設での非日常の体験をそこで終わらせず、
日常につなげるため、公民館・児童館と連携することを検討している。
- 体験活動を行うに当たり、時・場所・プログラムメニューを選ぶことができるということも重要。
選択肢が多いことによって、参加する人の主体性や興味・関心を喚起することができる。
- 生活時間全体に占める放課後の時間の減少、放課後の時間に占める屋内外での遊びや家族・友人と過ごす時間の減少を踏まえ、ワンストップサービスを設置し選びやすい仕組みを整えることが必要ではないか。
(スキルの見える化について)
- 人材確保のためには、「志は高く、ハードルは低く」という姿勢が必要。資格による質保証以上に、既に自分自身が持っているものを生かせるというハードルの低さをいかにアピールするかが人材確保の秘訣(ひけつ)である。
- ボランティアを通して取得できる資格をアピールすることで人材を確保したいというニーズから、資格の乱立につながっている。ただ、ボランティア自身が体験活動を行う若者であるという観点からは、資格によって専門性が可視化されることにも意味がある。
統一資格をつくってもよいが、資格間に関係を持たせるような仕組みがより有効ではないか。
- 地域の課題やニーズを抱えている立場からすると、資格の概要(持っている技術など)がわかるようなガイドブックがあるとわかりやすい。ボランティアの質の担保にも役立つ。