令和7年3月18日(火曜日)10時30分~12時30分
市原 康雄 学校法人名古屋技芸学園理事長
植上 一希 福岡大学人文学部教授
岡部 みどり 上智大学法学部国際関係法学科教授
小木曽 稔 新経済連盟渉外アドバイザー
河原 成紀 学校法人河原学園理事長
小林 浩 リクルート進学総研所長
瀧本 知加 京都府立大学公共政策学部福祉社会学科准教授
野田 文香 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構教授
福本 卓也 東京都生活文化スポーツ局私学部私学行政課長
堀 有喜衣 独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員
前田 早苗 千葉大学名誉教授
吉岡 知哉 独立行政法人日本学生支援機構理事長
吉田 寿美 東京都立上野高等学校校長、全国高等学校進路指導協議会会長
吉本 圭一 滋慶医療科学大学教授
江﨑 典宏 審議官 中安 史明 生涯学習推進課長 米原 泰裕 専修学校教育振興室長
【吉岡座長】 定刻になりましたので、ただいまより専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。
また、本日は、前回に引き続き、評価ガイドラインの提言をいただいた職業教育評価機構の関口先生にも陪席いただいておりますので、御紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に移ります。議事次第を御覧ください。議事の一つ目ですが、本日は全国自動車大学校・整備専門学校協会、通称JAMCAによる取組の紹介です。
JAMCAでは質保証・向上に向けた取組として、文部科学省の委託事業を契機として、独自の第三者評価システムを構築し、取り組んでおられます。自動車整備分野における第三者評価の優れた取組事例と考えており、次の議題である専修学校の評価の議論の参考にしていただきたいと思います。
それでは、資料1について、JAMCA質保証等検討委員会委員で東京工科自動車大学校世田谷校の佐藤校長先生から御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 皆さん、こんにちは。私は東京工科自動車大学校の校長をしております佐藤でございます。
今日は、学校というよりは、JAMCAという団体の取組について、皆さんに報告をさせていただきます。
JAMCAというのは、Japan Automobile Maintenance Colleges Associationという略でございまして、全国にある国土交通省指定養成施設の自動車整備専門学校の集まり、現在、会員は北海道から九州まで47校という団体になっております。
そこで取り組んでいる質保証の取組について、今日は報告をいたします。
次のページをお願いいたします。まず、私どもの学校の概要です。自動車整備士資格を取得しておりますので、その背景について、簡単にお話ししたいと思います。
自動車整備資格は国土交通省(旧運輸省)で制定した国の資格でございますが、いつ頃にできたかというと、もう70年以上前、昭和26年という歴史がございます。その頃、車はこれからどんどん個人所有ということで、モータリゼーションが発展するということで増えてくる。この増えてくる中で、狭い日本で車が安全に走行できるようにということでつくられたのが、道路運送車両法という法律でございます。
この法律は、例えば新車の市場への出すときに検査をするとか、あるいは私用家庭、皆さんのような車を所有されている方が点検をする、そういったもの多岐にわたる法律でございます。現在でも車検制度などが、この法律の中の一部でございます。
この法律の中で、車の点検整備を行う人間は国の試験を受けた者に限るというような法律が出来上がりました。これが自動車整備士資格制度でございます。
ですから、この資格を持っていないと車の検査ができませんので、自動車整備工場には必ずこの自動車整備士が必要ということになります。
この資格は、当初といいますか、基本的には、左側の図にありますように、働きながら取得できる資格でございます。実務経験をもって1年で3級、3級取得後さらに3年間で2級を受験できるという仕組みになっていますので、基本的には2級整備士を取得するのに平均すると7年以上かかると、これが基本的な流れになります。
そういった中で、自動車整備士を全国に養成しないと、この運輸行政がなかなか広がっていかないということから、専門学校が認められたということになります。専門学校は、高校卒業で2年間で2級整備士を取得できるということで、非常に早く2級整備士を取得することができる学校ということで広がりました。
ということで、今は1級までございますけれども、こういった専門学校の中での自動車整備士資格ということで御説明させていただきます。
次のページをお願いいたします。次のページは、1級資格というのが平成14年、2002年に出来上がりました。この資格によって、整備専門学校も、2年間での2級、それからさらに2年間での1級ということで4階建てになりまして、4年制、つまりは大学の4年制と同じ体系になりました。この時期に我々は自動車大学校という名称を名のることを許可され、以降、名のっております。
そういった中で、4年制の学校というのは、医療系も含めて、高度な技術ということで対応し、自動車とか医療系、その他についても4年制の専門学校が多くなりまして、そのときに職業分野の学びということで、この学術教育と職業教育ということで、それぞれ2年制、4年制という形で、専門士という称号が与えられ、4年制には高度専門士というものが一定の規定によって与えられるというように変わっていきました。
次のページをお願いいたします。そういった中で、自動車整備士の資格を持っていないと業界は非常に困るということなのですが、我々の学校に入ってくる学生が、大学全入の影響を受けておりまして、非常に減少してきたという経緯がございます。自動車整備士の学校への入学者というのが、大学の進学率に逆傾向にありまして、進学率が高くなると専門学校は入ってこないというような傾向で、かなり減少したということで、これが社会的にも問題になりまして、整備士の不足というものが社会問題になっております。
次のページをお願いいたします。こういった中で、我々は大学等の高等教育機関の中で、我々がしっかりと認知されて評価をされなければいけないということに気づかされたというところから、我々としては、しっかりと外部に公表し、また、しっかりとした教育を行っている専門学校であるということを世の中に認めていただくことが必要だということで、当時、職業実践専門課程というのが創設されて、これに対して、協会としてもしっかりと取り組み、職業実践専門課程に皆さんなっていきましょうということを協会の中でも活動を始めました。
その中で、将来的には第三者評価ということも必要になるということで、次のページをお願いいたします。
協会としては、この職業実践専門課程の認定を各校で受けていく、それを促進する活動──これは勉強会とか、研修会を開くとか、そういう活動を行いました。
また、第三者評価に対する将来の取組ということで、まずは第三者評価というのは全く我々知らなかったものですから、それを勉強し、独自の考え方を固めていこうということから、文部科学省の事業に参画をして、その中で我々独自の第三者評価の取組というのを考えました。
その骨組みが、ここに右下のほうに図がございますけれども、真ん中に職業実践専門課程の認定要件というのを中心に置きながら、上のほうに自己点検評価ですね、この内容、それから我々の専門学校の大きな特徴としては、国家資格を受験するということで、国が認可している養成施設ですので、国の監査があるわけですね。しっかりと教育しているかどうか、教育実績はどうか、あるいは認定要件を満たしているかどうかという、こういったことを2年、3年に一度、必ず国土交通省の方が学校に来て、膨大な数年にわたる書類を見て認可をしていく、そういった制度が古くからございまして、これが指定基準に基づく評価ということになります。
そのほか、我々としては、分野の質保証というのを独自にどうやっているかという、そういった内部質保証的な内容というのも項目に入れたほうがいいだろうということで、合わせて三つの回りがあるんですけれども、こういった第三者評価項目の構成をつくったわけです。
この中には、大学等で行っている機関評価だけではなく、自動車分野の分野別評価、そういったものも織り交ぜて構成をしてございます。
次のページをお願いします。次のページは具体的に、この点検項目ということで、これは自己点検評価の評価項目でございます。
次のページをお願いいたします。こういったことを文科事業で行い、我々としては、かなり知見を深めていったわけですけれども、これから実際に第三者評価を独自でやるということで、我々は組織内で、ピアレビュー方式で、模擬実験のような第三者評価を実際にやるという実証実験を行いました。
これは大体6校ほどやったんですけれども、要するに、東北の学校については関西の学校のメンバーとか、そういうような形で、あまり隣接県同士の学校を評価するというような形でなくやったわけですが、そういったことをしっかりとまとめて、これも文科事業で行ったわけですが、ガイドブックというのを作成しました。
つまり、将来的にも、そういった内容がしっかりと受け継がれるようにということで、このガイドブックを基に研修会などを行いました。
次のページをお願いします。これらをまとめますと、この上の黄色で書いた部分が4年間、文部科学省様の事業で実際に行った内容ということになります。
それから、その下の部分については、この活動を通して、この自動車分野の第三者評価を研究している団体ということで、私立学校等評価研究機構の文科事業へも参画して、そちらで我々の自動車分野の内容について、いろいろアドバイスもいただきました。
さらには、文科事業が終わった後、我々は文部科学省から頂いた委託費を基に実証実験をやっており、独自でやった実績はなかったので、我々独自でしっかりと第三者評価をやってみようということで、平成31年にはJAMCA独自の運営による第三者評価というのを行いました。
これは静岡工科自動車大学校さんが実施していただきましたので、そちらのホームページにも、この結果については載っております。
その後、コロナの影響等もあって、若干活動が鈍ったわけですが、現在はJAMCAの質保証研修会等を毎年一度行いながら、こういった内容を継続していこうということで考えております。
次のページをお願いします。これについては大学等の関係になりますが、今、大学の卒業生がしっかりと仕事に就いているかというところがありまして、現在は職業教育の重要性が高まっている時代であると認識しておりますので、さらに我々も、その実績等について、しっかりと公表しながら、第三者評価についての取組を進めていきたいと考えております。
次のページをお願いいたします。今後の取組としましては、学校教育法の一部改正によって、皆さんが今検討されている専門学校の第三者評価というのが非常にリアルに見えてきたといいますか、我々としては、しっかりとやっていかなければいけないという部分が現在ございますので、今までの内容を基に、さらに取組を深めていきたいと考えております。
最終ページをお願いいたします。最後は、我々JAMCAとして、専門学校には他にもいろいろな分野がございますけれども、それに比べて、今までやってきた内容あるいは社会的なニーズ、そういったことで非常にアドバンテージがあるのではないかと思っております。
例えば文部科学省の参画によって多くの知見、経験、知識、ノウハウの蓄積があると思っております。先ほどの御説明にありましたJAMCAガイドブックにて質保証の考え方がしっかりと整理されている、あるいは各会員校が国家資格に結びつく施行規則に沿った教育を実施している、それから国土交通省の実施調査が定期的に実施されている、それから整備士教育に対する唯一の団体として会員校の結束が固いと。それから、先ほどお話ししましたが、職業実践専門課程の文部科学大臣認定を受けるための活動もずっとやってきましたが、現在どれぐらいの数が認定されているかというと、平均値が今全専門学校のうち40%ほどと言われておりますが、現在、会員校の80%が認可をされております。これを100%にしていこうと考えております。
今後の課題としては、我々独自の第三者評価というのは果たして認められるかどうかということもありますので、この辺のところをしっかりとまた勉強させていただきながら、我々にできるところ、特に分野別評価を中心として進めていきたいと考えております。
以上で報告を終わります。ありがとうございました。
【吉岡座長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について御質問等があれば御発言いただきたいと思います。それでは、関口先生、どうぞ。
【関口職業教育評価機構副理事長】 佐藤先生、ありがとうございました。佐藤先生とは職業教育評価機構、以前の私立専門学校等評価研究機構時代から、文部科学省の委託事業というところでは、いつも御協力をいただいているところでございます。
それで、このJAMCAの第三者評価の特徴ということについて、いつも申し上げていることですが、2点、申し上げたいと思います。
一つは、私どものような職業教育評価機構、または川口先生のところの専門職高等教育質保証機構のように、独立して評価をすることのための組織による評価ということではなくて、JAMCAという自動車整備の学校協会におけるプロジェクトというか、ある種のセクターでもってやる組織内組織という形での第三者評価の実践という事例であったということと、それから6ページ、7ページにかけて、まだ専門学校の分野別評価ということについては、機関別評価と位置づけがどういうようになっていくのかということについては、これからの議論というところもございますが、現実に、このように自動車整備については分野別評価、また私も関わっております柔道整復ですね、これについては独立した分野別評価団体を立ち上げているわけですが、この機関別評価と分野別評価というものを、どういうように評価項目的にそれぞれ位置づけていくのかということについては、大変はっきりとした考えを持っておられるということが特徴かと思います。
6ページのところで、右の下のほうに第三者評価項目の構成ということが書かれてありまして、それに対応して7ページのほうに、それぞれの四つの一つ一つについて評価項目というのを挙げておられるという形で、全体としては機関別評価であり、なおかつ分野別評価であるという、その両方の性格を持っていると。
特に4番目のところが、3に挙げた指定施設というところで、法で定められたもの以外に分野別評価として、この分野で取り組むべきものという形で挙げておられるということが、一つの際立ったところかなと思っております。
ちなみに、柔道整復教育評価機構の場合は、これらを一つの表で、大項目のところはほぼ機関別評価項目であって、小項目とか評価の観点という逆の方向からは分野別評価要素というものがちりばめられていると。こういう一体的に表としては表示しているというふうな違いがありますけれども、分野別評価を今後、その機関別評価との対比において、どのようにしていくかということについては、一つの明確な事例かと思います。
私から質問ではありませんが、全体的な捉え方ということで申し上げました。失礼しました。
【吉岡座長】 ありがとうございました。
では、吉本委員、お願いいたします。
【吉本委員】 吉本です。2点あるのですが、1点目は資料の2で、図の真ん中辺りの高校卒業からの流れのところに2級課程(2年制)とある隣に、専門学校・大学校進学で、1級課程(1・2年)と書いてあるのですけれども、ここが私はちょっと分からなかったです。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 1級課程は、4年間で1級を目指すということで、1・2年生で2級整備士を取る、3・4年生で1級を取るということで、4年間で全て1級に目指しているというよりは、段階的に1級と2級に分かれております。
文科省様的には4年課程ですけれども、国土交通省から見ると、2級養成施設が2年間、さらにその上に1級養成施設が2年間乗っかっていると、そういう格好ですので、1・2年生では2級を学びます。
【吉本委員】 それは理解していたのですが、図としては少しミスリーディングなところがありますので、表現を直してはどうかと思います。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 分かりました。ありがとうございます。
【吉本委員】 もう一つは、第三者評価というのと外部評価、今回議論しているのはむしろ外部評価なのだろうと思いますが、それが同じような意味で使われているのかどうなのか。これは佐藤さんにというよりも、これからの後の議論のほうがよいですね。質問として思っていましたが、後にします。
【吉岡座長】 ありがとうございます。でも、今の点は結構重要な点ですので。
では、瀧本委員、よろしくお願いします。
【瀧本委員】 委員の瀧本です。御説明ありがとうございました。私のほうから2点質問があるのですが、一連のこの第三者評価のシステムをつくり上げられるときに、企業とか事業者さんの関わりというのはどういうようなところがあったのかというのが一つと、あとピアレビューという手法を取られたときに、どのような点がうまくいって、どのような点に課題があるなと感じられたのかという2点について、お聞きかせいただきたいです。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 御質問ありがとうございます。
まず最初の企業さんとの関わりについては、この第三者評価をつくり上げるときに、委員会組織をつくって、JAMCAの内部だけではなくて、企業さんにも参画をいただいたということで、幾つかのディーラーさんの人事の方にも委員として参加をいただきました。あるいは元国土交通省のOBの方とか、そういった方にも参画いただき、川口先生にも入っていただいたのですが、そういった中だけでは分からない部分は、外部の方を委員の中に入っていただいて活動を行いました。
それから、もう一つのピアレビューについては、我々内部としては非常にうまくいったのではないかと思うのですが、ただ、中の人だけでは、やはり評価の専門家ではございませんので、勉強に限りがあって、研修会等は事前に行い、情報共有をしながらやったんですけれども、やはり本来、評価を専門にやっておられる方に比べると、指摘の観点とかそういうところが少し弱いといいますか、ずれているところもありましたし、あるいは校舎を見学等をして見るときにも、自分の興味の中での質問が多くて、同じ学校同士ということもあって、本来の評価とは外れるような質問等もありました。そういうところが、まだ研修不足というのがあるのかなと考えております。
【瀧本委員】 ありがとうございます。今お聞きしていて、そうすると、やはり評価項目が大事なのかなと思うのですが、項目が結構重複しているところが少し気になっていまして、この重複というのが、どのように処理されたのか。ここ同じだから、もういいかというようになられたのか、別でもう1回評価をされたのか。実務的なことですけれども。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 あえて重複部分は消さないようにしました。なぜかというと、我々としては、国土交通省の基準で教育をしている立場であるとか、あるいは職業実践専門課程の基本の項目に則っているとか、いろいろなところがありまして、そういったものを我々としては、きちんと整理をして、まずはやっていこうというところで、それらをきちんと入れているというところが見えるように、あえてしていたというところが、重複になった部分だと思います。
【瀧本委員】 ありがとうございます。そうすると、ここ機関別評価と分野別評価というところが一応分けられているんですけれども、そういう分け方というよりは、これは国交省から求められている基準、これは文科の職業実践専門課程で求められている基準という形で項目立てを意識されているということですかね。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 そのとおりでございます。
【瀧本委員】 ありがとうございます。
【吉岡座長】 では、前田委員。
【前田委員】 前田でございます。御発表ありがとうございました。
お伺いしたい点、まず簡単な質問1点目が、一つの学校につき何人で評価をされたのかということです。
もう1点は、伺うのは難しいと思いつつ伺うのですが、要するに国家資格等のために、もうカリキュラムがある程度決まっている中での評価ですが、これがそういう国家資格とはつながらない分野の専修学校の評価を考えた際に、この人材育成の目的とカリキュラムが合っているかどうかというのを見ていくのは、お伺いするのは難しいのかもしれませんけれども、どういう人材が何人いればできるとお考えかなという辺りをお伺いしたいと思います。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 御質問ありがとうございます。評価委員については、実際に調査を行う段階で、資料調査というのを事前に行いました。そのときの委員は約5名でやりました。それから実際に実地調査ということで伺って、いろいろなヒアリングなどをする調査がございまして、そのときも約5名でやりました。それにくっついていく事務局とかはいましたけれども、評価委員としては、そういう5名ぐらいの感じでやりました。
それから、人材育成とカリキュラムについては、自動車については我々、確かに国家資格という決まった資格なわけですが、実際に資格を取って就職した場合に、就職した学生は新車を目の当たりにするわけですよね。ですから、新しい技術をしっかりと身につけないと、国家資格に受かったけれども、国家資格は基本がベースになっていますが、それだけでは足りないわけですよね。ですから、車の技術進歩に合わせてカリキュラムなども変えていくということで、そんなにたくさん変えられませんが、工夫はしていますので、そういった工夫の状況等は、この評価の段階で見させていただきました。
【前田委員】 ありがとうございました。後のほうの質問は少し難しいことを伺っているのでね。そういう何もない分野に対しての。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 他の分野……。
【前田委員】 他の分野に対してだったので。でも、おっしゃったことでよく分かったのは、国家資格だけではないと。それにプラスアルファのところはきちんと見ていかなければいけないのだということは分かりました。ありがとうございます。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 他の資格についても恐らく共通になるのが、就職する企業さんの声を聞くということだと思います。やはり卒業者がちゃんと活躍できているのかどうか、定着しているのかどうか、この辺が非常に重要になってくるのではないかと思います。我々としては、完全ではありませんが、そういった意見も取り入れながら評価を行いました。
【吉岡座長】 では、小林委員。
【小林委員】 御説明ありがとうございました。大変勉強になりました。業界からは非常に期待されているのだけれども社会的認知が足りていないので、社会からの認知を得る発信が必要になるというのがもともとの課題認識だとお伺いしたんですけれども、これ、この第三者評価なり自己点検評価をした後に、どのように社会に発信していらっしゃるのか。そして、どこら辺から手応えがあったのかという点をお聞かせいただければと思うんですが。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 実際に文科事業でやった内容については、文科省の発信の域を超えておりません。それを我々が拡大してとかいう形ではやっておりません。
ただ、独自でやった内容については、その学校の外部評価という内容で、JAMCAとして取り組んだ第三者評価を受けましたということで、その学校が発信をしております。これを続けていきたかったというのが我々の考えです。
その学校の評価としましては、この発信をしていることによって、他の学校と比べて信用が非常にあるということで、学校としては非常に重要な取組をしたと考えておりまして、やってよかったという評価でございました。
【小林委員】 ありがとうございます。そうすると、受審した学校が、それを広報に使っているということになるんですかね。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 そうです。JAMCAとしてというよりは、受審した学校が広報として使っているほうが大きいかと思います。
【小林委員】 JAMCAとして、マル適マークみたいなものとか、そういうものって何か、JISマークみたいな、そういうのはつくられているものなのでしょうか。そういうものはないのですかね。
【佐藤東京工科自動車大学校校長】 そうですね。まだこの第三者評価自体も、我々がかなり独自で考えて動いているところがありまして、どこからも認可されているわけではありませんので、それはあまり激しくやるとまずいかなということで抑えております。
【小林委員】 ありがとうございます。
【吉岡座長】 ありがとうございます。大変勉強になりました。
専門学校だけでなくて大学等の評価でも、どうそれを外に発信していくのかというのは最後の非常に大きな問題になっていて、伺っていて、つくり方として、大学等のいわゆる評価機関が外にある場合だと、むしろ評価機関が先にあることが前提になっていて、それに合わせて何かしなければいけないという、むしろ義務感のほうが先に先行していて、それがだんだん最近蓄積されてきていて、そちらのほうが問題になっていますが、こちらの場合、むしろ自発的な意識があるということと、少なくとも現段階では、その自発的な意識によって非常に効果的なフィードバックが非常にうまくいっているのではないかと伺いました。これが、だから、長い間いくときにだんだん、どうなっていくのかというのは一つの問題だと思いますけれども、非常によく分かるお話でした。ありがとうございました。
よろしいでしょうか。時間のこともありますので、一旦これはここで止めさせていただきます。
ありがとうございました。大変勉強になりました。佐藤校長はこのまま出席していただくということです。何かありましたら御発言いただければと思います。
それでは、次の議題に移ります。今後の専修学校の学校評価ガイドラインの見直しについて、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【米原専修学校教育振興室長】 専修学校教育振興室長、米原でございます。よろしくお願いします。
まず、説明に先立ちまして、佐藤校長、丁寧な御説明と質疑への御対応、本当にありがとうございます。専修学校は数も多くて、地域、分野も様々でございます。各学校にとってよりよい第三者評価の仕組み、実施方法を見つけていただくためにも、こういった分野ごと、地域ごとにこの評価の仕組みづくりが進むということが非常に重要だと考えており、そのすばらしい取組の一例と認識しているところでございます。
それでは、早速説明に入らせていただきます。今回は専修学校の評価の枠組みとガイドラインの見直しの案について御意見いただきたいと考えております。
資料2を御覧ください。資料2は、評価の枠組みについて整理をしたものでございます。これまでも過去2回議論いただいていますけれども、その御意見を踏まえまして、いろいろと修正をさせていただいているところでございます。
また今回、資料3でガイドラインの案についても示させていただいておりますけれども、ガイドラインは、この枠組みを踏まえながら、具体的な評価の実施方法について記載をしているところでございます。
それでは、資料2の1ページでございますけれども、この評価の項目等につきましては、これまで過去の回でも説明してまいりましたけれども、まず自己点検評価では、教育内容から学校運営まで網羅的にしっかりと項目を設けて評価を実施する必要があると考えておりますけれども、第三者評価については、教育内容に重点を置いて、資格等の指定養成施設としてのルール等で第三者評価的なものがあれば、メリハリをつけて行っていただくなど、学校の判断で必要な項目や指標の追加、削除等を行って、学校や分野に合った第三者評価のやり方を追求していただくということが重要だと考えております。それについての記載をしているところでございます。
2ページですけれども、これはこれまでもお示ししてきた指定養成規則等による第三者評価や監査的なものの例でございます。説明は割愛させていただきます。
次に、3ページでございます。評価の実施主体についてでございますけれども、前回も説明させていただきましたけれども、専門学校は評価組織も少なくて、また評価者となり得る者も現時点では少ないということから、大学のように評価機関による評価を前提とするのではなく、もう少し柔軟に評価を実施する者を設定することが可能としたいと考えております。
一方で、評価を実施する者の専門性や中立性はしっかりと担保していくことが必要であるため、その最低限の要件はしっかりと明示をしていきたいと考えております。
評価の主体、実施主体についてですけれども、前回の会議では、評価組織による評価と評価者による評価という主体が違うもので何か違いが大きくあるかのような説明ぶりとなっておりましたので、やや誤解を生じさせてしまったのではないかという面もあると考えております。
今回改めて整理させていただきました。下の青い丸囲みの下のほうのポツですけれども、今回の法改正では、外部の識見を有する者が評価を行うという規定になってございます。ですので、評価組織に関する規定というのはそもそもないという状況でございます。
したがいまして、法律に基づくと、学校と識見を有する者との関係の中で評価が実施されるというのが今回の第三者評価の基本的な枠組み、形でございます。
一方で、評価を実施する者が単に評価作業だけ行えば第三者評価が成立するというわけではなくて、当然、評価の段取りであったり、学校との調整、評価結果が不服だったときの対応など、評価の実施に付随する様々な業務というものが当然、学校と評価実施者の間で生じるということで、それを円滑に行う必要がある。そういった業務をしっかりと、学校とその評価実施者の間でこなしていくということを考えたときに、安定的で質の高い第三者評価としていくためには、こうした業務を含めて円滑に行っていくという趣旨で、専門的な知見や経験を有しているような組織・団体等、そういうのを継続的にやっている組織・団体等に依頼していくということが、基本的には望ましいのであろうと考えているところです。
もちろんこれは、先ほど御説明いただいたJAMCAの取組のように、業界団体、学校団体がリードして評価の仕組みをつくっていただくというのも一つの非常にいい取組だと考えているところでございます。
したがって、評価組織や分野、地方の取組、様々な評価を行う仕組みが生まれて、学校が自分たちにふさわしい評価のスキームを選ぶような環境というのが理想だろうと考えておりますので、そういった動きを期待したいということと、そうした取組を支援していきたいと思っているところでございます。
なお、一番下に※で記載しておりますけれども、この第三者評価を一定の範囲で義務づけつつ努力義務としてやっていくということで、専各の団体や学校関係者からは、この第三者評価導入するに当たっての様々な不安の声というのも寄せられているところでございます。
文部科学省としましては、そういった声に応えるためにも、評価組織の立ち上げであったり、評価者養成、育成のための支援、このガイドラインの普及や啓発の支援であったり、学校の教職員向けの研修等、そういった様々な支援を行って、そういった不安にも対応していきたいと考えているところでございます。
次の4ページは、評価実施者に求められる専門性、中立性等の要件ということでございます。こちらも前回の説明と変えておりませんので、御参考にしていただければと思います。
次に、5ページでございます。法律上は、第三者評価は努力義務となっておりますけれども、一部の認定制度に関しましては実施をしっかりと求めていきたいということで、その考え方としては、大学の学部等と同水準の質の保証が求められる場合であったり、特別な教育課程や取組に対して文科大臣の認定等を行っており、その認定要件に関するフォローアップなどが求められている場合であったり、または学校関係者評価が義務づけられている場合であったり、こういった場合には第三者評価をしっかり実施していただく必要があると考えているところでございます。
一方で、現時点では評価の実施者や評価組織の数も限られているということから、今後の増加は当然していかなければいけないということではございますけれども、いきなり、その法施行時から、あまりに多くの学校に評価を義務づけていくということも現実的には難しいということもあります。
そこで、優先順位の高い制度、認定制度等について検討いたしましたけれども、今回、大学院入学資格の指定を受け、高度専門士の称号を付与することができる専門課程及び専攻科と、昨年度から開始いたしました外国人留学生キャリア形成促進プログラムについては、法施行時、令和8年4月1日でございますけれども、その段階から評価を求めることとしたいと考えております。
特に前者の大学院入学資格の指定課程については、高度専門士という称号を付与できるということになってくるので、その国際通用性を担保していくという観点からも、当初から実施する必要があると考えているところでございます。
参考までに6ページを御覧いただければと思いますが、その資格の国際通用性というところでは、現在ユネスコにおいて、この「高等教育の資格の承認に関する世界規約」というものが採択されておりまして、高等教育の資格について各国間で相互の承認等を促進することが目指されているところでございます。
これを踏まえて、7ページでございますけれども、アジア太平洋地域の規約として東京規約というものが採択されているところでございます。
これを踏まえて、次の8ページでございますが、我が国の国内でも、その資格の段階を示すものとして、NQF、National Qualifications Frameworkでございます、国ごとの資格枠組みがございますけれども、これは昨日行われた中教審の生涯学習分科会等でも御議論いただいて、御承認いただいているところでございます。
この中で高度専門士は、学士相当のレベル6として位置づけられているところでございます。
ここに位置づけられるためには、学士相当の質の保証の仕組みというものが担保されていることが必要であると考えておりますので、そういう意味でも第三者評価を行うということが重要であろうと考えているところです。
また、9ページを御覧ください。今回の法改正を受けまして、専門士と高度専門士の称号が専門学校関係ではございますけれども、その制度の見直しも行っているところでございます。
専門士も参考までに説明させていただきますけれども、この1ポツの専門士の称号につきましては、特定専門課程を修了した者が専門士と称することができるというようにしたいと考えております。
これまでは専門士の認定制度がありましたけれども、この認定制度を廃止します。この特定専門課程というのは、2年制以上の昼間学科が全て該当するということですので、あえて認定制度というものを設けなくてもよいだろうということで、全て専門士と称することができることとする予定でございます。
一方で、2ポツの高度専門士につきましては、これまで大学院入学資格と高度専門士という二つの認定制度があって、基本的にその要件もほぼ同じで、ほぼ同じ学科が認定を受けていたという状況ではございますけれども、これを制度改正後は大学院入学資格を付与する制度に一本化し、基準を満たす専門課程と専攻科については、それを認定して、その大学院入学資格の付与された課程を修了した者は高度専門士と称することができるという仕組みとしたいと考えております。
このうち、この大学院入学資格が付与される専攻科につきましては、第三者評価が必要だということで大学分科会のほうからも御指摘をいただいているところでございますけれども、専門課程もこういう形で並列に並ぶものでございますので、その大学院入学資格を付与する専門課程と専攻科というものを質の保証の観点で別に扱うということはなかなか説明できるものではないと考えているところでございます。これまでも4年制以上の専門課程で高度専門士の称号を出していた課程についても、やはり早急に第三者評価を求める必要があると考えているところでございます。
戻っていただいて5ページでございますけれども、したがいまして、大学院入学資格の指定課程と、新しい認定制度である外国人留学生キャリア形成促進プログラムにつきましては、制度施行時から第三者評価を求めていきたいと考えております。
なお、やはり専門学校の関係団体や学校関係者からは、専門学校は全国にあって、かつ様々な分野もあるということで、専門学校があまねく評価実施者や組織を確保し評価を実施できるかという点については不安もあるという声を非常に強くいただいているところでございます。
我々も、評価組織や評価実施者について、その地域の偏在などの解消に向けて努力をしていくということは大事ではあるんですけれども、どこまで解消できるかというところが確実ではない中で、そういった不安があるというのも一定程度理解ができるところでございます。
したがいまして、どうしても評価の実施者が確保できないなどの事情がある場合には、これは認定の取消しということに本来であればつながるのですが、そこまでは行わずに、次の期間内の速やかな実施を求めるような猶予措置を求めることとしていきたいと考えているところでございます。
あわせて、ここには記載しておりませんけれども、評価を義務づけて、あとは御自由に評価してくださいという形にしておくと、今回5年以内の評価の実施を求めていくということになるんですけれども、普通に考えたら5年目に実施するところがたくさん増えると、頑張っても4年目に実施となってくるということで、後半にかなり寄ってくることが容易に想定されるところでございます。
ただでさえ、そういう評価実施者が少ない中で、そういった状況が生じると、非常に看過できる状況となってしまうと考えています。したがって、1年目から3年目に評価を実施するような学校を支援するなど、平準化するための支援ということについても検討をしていきたいと考えております。
なお、職業実践専門課程、この5ページの下の四角の一番下に書いていますけれども、こちらについては現状、学校関係者評価が義務づけられているということもございますので、本来であれば第三者評価ということも考えなければならないんですけれども、やはり対象校が現時点で1,110校あるということでございますので、その規模を考えると、制度施行時から第三者評価を行ってもらうというのは難しいと考えているところでございます。ですので、基本的には第三者評価または学校関係者評価の実施とさせていただき、第三者評価については、次の5年後以降の第2期といいますか、第2タームの令和13年からの実施というところを想定はさせていただきたいと思いますけれども、これも第1期の評価の状況、評価実施者の数であったり、評価組織の数であったり、そういったところの状況を見ながらの判断だと考えているところでございます。
また、記載はしておりませんが、実は修学支援の対象校には、機関要件として学校関係者評価の義務づけがなされているところでございます。
こちらも対象にしていくとなると、これを2,200校ほどになるということで、もうほぼほぼ専門学校の8割が対象になってくるため、これを実施、第三者評価を義務づけていくというのは、かなり現実的でないと思いますので、それについては当面の間、第三者評価または学校関係者評価を求めるということとしていきたいと考えているところでございます。
続きまして、10ページを御覧ください。これは前回からの説明させていただいた内容と変えておりません。評価期間についてでございますけれども、基本的には5年以内に1回の実施ということで進めていきたいと考えているところでございます。
次に、11ページでございますけれども、こちらも前回と変えているところはございませんで、大学と違いまして、基本的に第三者評価の評価結果、評価の実施については、学校を中心に企画していただくということで、専門学校が第三者評価に評価の受審の依頼をして、評価結果を受け止めて、公表についても専門学校が行う、所轄庁に対する報告も学校からやっていただく。当然、文科大臣の認定制度の要件として評価を行っていただく場合には、その報告というのは文科大臣に学校からしていただくということで、学校を中心に、この評価の公表というか、評価結果の取扱いが動いていくというようにしていきたいと考えているところでございます。
以上が枠組みの説明でございます。
続きまして、ガイドラインの説明をさせていただきます。資料3-1を御覧ください。
今回、ガイドライン、冒頭触れさせていただきましたけれども、基本的に、ただ今説明した枠組みを踏まえての具体的な実施方法等について、ここに書いているところでございます。
ですので、評価に関する考え方であったり、具体的な評価の項目であったり、基準の例とか、評価の実施方法等の詳細を書いておりますけれども、今回の改訂では、やはり読む側のことも考えまして、極力内容を絞り込んで、削って作成をしているところでございます。それでも見ていただいたら分かるとおり、それなりの分量になっているところでございます。
本日いろいろと御意見いただいて、また修正もしていきたいと思いますけれども、やはりその読む側のことを考えて、分量はできるだけ増えないようにしたいと考えているところでございます。
この資料3-1の概要でございますけれども、ガイドラインのポイントということをまとめてはおりますけれども、基本的には今説明させていただいた枠組みの内容についての記載をしているところでございます。
そこで言及がなかった話としまして、四角の下から二つ目にあります評価結果でございますけれども、これ前回も説明させていただきましたけれども、基本的に自己点検評価、第三者評価については、1~3の3段階評価で評価をしていただきつつ、分析結果とか、所見とか、そういったことをしっかりと記載していただくという形での評価にしていただきたいと考えているところでございます。
なお、一番下の※に書いておりますけれども、このガイドラインでは、高等専修学校の評価についても記載をしているところでございます。
評価の項目等は、高等専修学校と専門学校で並びを取る形で整理をしているところでございますけれども、今回その制度自体を見直しているわけではございませんので、ここでの説明は割愛をさせていただきます。
次に、2ページを御覧ください。前回もいろいろと評価の項目や基準について御意見をいただいたところでございますので、それを踏まえて、項目の絞り込みや並べ方、中身の見直しをさせていただいているところでございます。
この見方でございますけれども、評価にメリハリをつけていくという意味で、右側に自己点検評価、第三者評価という枠がありまして、そこに二重丸とか、三角とか、いろいろと記載がございます。
こちら「◎」としているところにつきましては、必須の項目と考えられるものということで整理をしております。
また、漢字の「認」と書いているところにつきましては、これは認定制度を受けている場合には必須の項目ということで整理をしております。
また、「△」となっているものについては、これ、メリハリという意味で△にしているんですけれども、できればやったほうがいいという項目ではあるんですけれども、これがなかったからといって必ずしも第三者評価としておかしいということではないというような項目、任意の項目として、この参画は設定をしているところでございます。
また、例えば3ページの項目3の4のマル3のように、自己点検評価が◎になっていて、第三者評価が〇になっているものというものが幾つかございます。この「〇」の意味は、基本的に自己点検評価ではしっかりとやってもらわなければいけないものではあるんですけれども、法人の経営だったり、財務に関することであったり、また法律に基づいてやらなければいけないことであったりということで、自己点検評価でしっかり確認をしていただければ、第三者評価でそこを深掘りしていただくまでの必要はないもの。ただ、簡易には見てもらわなければいけないものというような項目です。
この項目3の4のマル3のように、学校保健安全法に基づく保健計画があるかとか、それに基づいて健康管理体制、健康診断とかそういったものが行われているかどうかとか、そういったものはもうやっているということをきちんと確認できればいい話だと思いますので、そういうものについては簡易な評価でよいという整理をさせていただいているところでございます。
こうした項目とか基準の例を参考にして各分野、先ほどJAMCAのほうでは自動車整備士の指定養成の規則に従ってという話もありましたけれども、そういったものを踏まえながら、項目の追加であったり削除というものをしていただくということが必要だと考えておりまして、そういったものをつくっていく際にも、やはり学校と評価組織であったり評価実施者等がよく議論して、学校ごとの評価項目、基準をつくり上げていっていただくということを期待するところでございます。
以上がガイドラインのポイントの説明でございます。
専各団体や学校関係者と話をしておりますと、第三者評価の実施に際しまして不安の声というのを非常に聞くところでございます。我々といたしましても、学校にとって第三者評価の実施というのが教育や経営の改善に資する有意義なものであるということであったり、その第三者評価の実施自体がそれほどハードルの高いものではないということをしっかりと伝えていきたいと思っていますし、また後押しもしていきたいと思っているところでございます。
そういう意味では、まずはトライしていただいて、その不安を払拭していただきたいと考えておりますので、そのために必要な支援も検討してまいりたいと考えております。
また、実施の状況を見ながら、不断の見直しというのをしていかなければいけないとも考えておりますし、また大学のほうでも次年度から評価の在り方について、また見直しをしていくということも聞いております。
そういった状況を踏まえながら、この枠組みやガイドラインというのは不断に見直していくことが必要だと考えているところでございます。
説明は以上でございます。忌憚のない御意見をお願いいたします。
【吉岡座長】 ありがとうございます。
それでは、意見、御質問ということで、では、吉本委員から、どうぞ。
【吉本委員】 先ほどの議論、外部評価と第三者評価という話を頭でしましたけれども、その前に、少し大きな話があるので、一つだけ、短い時間ですけれども、指摘して、文部科学省の御意見をいただきたいと思います。
昨日の生涯学習分科会ですか、8ページの資料、資料の8ですね。学位・資格枠組みが承認されたということなんですけれども、専修学校の質保証・向上に関する審議は大学分科会でやることはないので、こちらでやらなければいけないというように、中安前専修学校教育振興室長に、以前にお話しいただいていました。
こちらでは、これとほぼ同じような議論が、資料は出てきましたけれども、しかし、これに、この分科会として合意したことはないんですよね。この意見がノーという意見が私は幾つか出しまして、それに対する結論は出ていない。その後に私は別の形のNQFの提案をいたしまして、中安室長もおられましたけれども、それは当専各のほうで職業教育の専修学校の将来構想懇談会の中での報告ですね、それを報告させていただきました。
ですから、結論が、この会として結論を出していないものが生涯学習分科会で承認していくというのは、内容によるのですけれども、いかがなものかなと思うわけです。
それで、特に専修学校にとっては、ここの8ページのところのレベルの3に専修学校高等課程と書いてあるんですね。高等課程、つまり高校レベルですけれども、専修学校の高等課程1年課程は高校と同じであるというふうに認めて、これから以降、学修成果に基づく会をつなぐ学位・資格枠組みづくりに進むのか。
専修学校1年課程としては、すごくうれしいと思うんですけれども、専修学校高等課程1年で達成するものが高校レベルと同じであるということについて、高校の先生たちはどう思うのかな。寛容に、うちの高校は高校3年で得るものと専修学校高等課程1年制でも同じようなものなんだというような、レベルのディスクリプターが書かれて、それでいいものやら悪いものやら。もちろん専修学校1年課程と3年課程は、特に3年課程の人たちがそれでいいというのかどうなのか。やはりこれは少しレベルを分けたほうがいいのではないか、いや、分けないといけないと考えるわけです。
そもそも、サーティフィケートはないけれども、専修学校の今度は高等課程の1年制と2年制以上を分けているのも、それは同じような考え方で、学修成果が何か違うという理解があるから分けているのであって、高等課程で、この分岐がないのはなぜかというのは、おかしいところだと。専修学校の関係のこの会議としては認められないと思うんです。そういう結論でいいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。これ1点目です。
【吉岡座長】 どうしましょうか。ちょっと事務局から説明が。じゃあ、お願いします。
【中安生涯学習推進課長】 御意見ありがとうございます。こちらの教育資格枠組みについては、大学改革支援・学位授与機構において、まず一旦整理いただいたものについて、中教審の関係する分科会、具体的には大学分科会と生涯学習分科会で後押しをいただくという形で、決めようとしているものでございます。
基本的な方向性を両分科会で御了承いただいたので、その方向で進めたいとは思っていますけれども、特に御指摘の専修学校高等課程のところ等については、別にこれで1回決めてしまって終わりというわけでもないですし、3年課程と同等に1・2年課程を扱うということではないと。これは基本的には、この進学の状況に基づいて我が国の制度を整理しているだけでありますから、そこは1・2年制のものを3年制と同じに扱うということではありませんので、そこの部分について、運用上の対応にさせていただくのか、少し、これを見直していくということなると、また結構な手間もかかるものですから。ただ、ずっと見直さないというわけでもないので、そこは適宜対応をすると。注釈をつけるとか、そういったことを、少し期間を置いて考えていきたいと思っていますけれども、一旦はこの形で進めていきたいというのが事務局の考えではございます。
【吉本委員】 このレベルが2.5とかつくるというのは基本的にないものであって、後から直すときにレベルを一つ増やすというのは混乱をもたらすので、今つくらないといけないと。そういう意味で、ここの専修学校の質保証・向上の調査協力者会議が、どの分科会に属していて、どの分科会の政策にちゃんと声を出せるのか、発信できるのか、これは中安前専修学校教育振興室長時代に前お話ししたと思うんですけれども、ここにレベルがないといけないんです。だから、9のレベルにするのかどうなのかと。
もともとEQFであれば義務教育以降の資格を前提としてレベルを設定していますので、中卒を1から始めて、ここに2というものが入れば高校と識別はちゃんとつくんだというのが私の、8月でしたか9月でしたかの報告なんです。だから、この議論が、今もう走り出してしまうと、あと修復なかなかできないんですね。
ドイツのDQRなどは、アビトゥアのレベルは、我々はもう少し高いんだといって、ほかの高校レベルよりは上のレベルを要求して、しかし、国全体としては、そこまではできないでしょうという話になったんですね。だから、1回目のDQRは、その該当の資格を入れなかったんです。2回目にアビトゥアも最終的に、ここの高卒レベル、大体、相当ですというふうにしたと、こういうことがあるので、急ぎ確認をいただきたい。既にもう承認されたとなると、非常にまずい結果になると思います。
実質的な相違がないものを相互に認めるという東京規約は高等教育だけを扱っているから関心がないのかもしれませんけれども、これは困るんです。生涯学習、特に准看から正看への移行とか、そういうことを考えたときに、専修学校・各種学校の領域では、ここがないと困るんですね。
ということなので、ここは少し明らかにしていただいて、場合によっては専修学校の高等課程は今入っていないというふうに言わないと、多分、専修学校・各種学校の団体として、そのぐらい決議するかどうか、意見を。
パブコメもないわけですよね、今回は。
【中安生涯学習推進課長】 はい。
【吉本委員】 パブコメのスタイルを取っていないから、なお、どう議論を進めていくのか。文部科学省の大学と生涯学習、専修学校を除くところで決めたというように理解するしかなくなって、非常に困ると思います。このぐらいにしておきましょうね。別の話があるので。
【吉岡座長】 分かりました。
【吉本委員】 二つ目、いいですか。
【吉岡座長】 はい。
【吉本委員】 二つ目は、この学校評価の話ですけれども、第三者評価というふうにして、学校関係者評価とは大分何か違うものだという認識があるので、半分は分かるんですけれども、学校関係者評価と、もう1回、間に外部評価という言葉を入れたときに、一体、学校関係者評価というのは、これに評価に値しないものなんだろうかと。
5ページで、職業実践専門課程は当面、第三者評価または学校関係者評価となっていて、学校関係者評価ではない第三者評価だという、ここがあまり強調され過ぎているように私は思うんです。
学校関係者評価、これは外部評価であって、その外部の識見を有する職員以外の、132条の2の2号でしたっけ、のところの外部の識見を有する者による評価というのは、これは外部評価と普通に言うものであって、日本の世界で第三者評価という言葉がもういっぱい普及しているので、第三者評価となってしまっているように私は思うんですね。
そもそも第二者って誰なのということは誰も答えられないのではないか。利害関係者があって第三者が、法律の、そういういろいろなコンプライアンスに係る第三者という話がありましたけれども、第三者委員会とか、それと違うんですよね。
もう少し言うと、有馬さん、後の文部科学大臣になる方が東京大学の物理学教室の外部評価をやったと。この外部評価のやり方が、ちょっとやり過ぎたので、外部評価という言葉が非常にネガティブに評価されるようになって、第三者評価になってしまったと、じゃないといけないというふうになったと。
ここの132条でしたっけ、の2、第2号の文言からする限り、外部評価を準備しているんだと。だから、趣旨としては、米原室長が説明されたような、こういう外部の識見を有する者による評価でよいはずなんですね。ということを、ちょっと確認をしておきたかったということなんです。
【米原専修学校教育振興室長】 御質問ありがとうございます。外部評価なのか第三者評価なのか、その定義の問題はいろいろあるとは思うんですけれども、少なくとも法令上の規定では、もう外部の識見を有する者による評価ということでしかないので、あまりそこまで細かい定義を、講学上いろいろな整理はできるんだと思うんですけれども、必ずしも考える必要はないのかなと思っています。
ただし、この法律の制定趣旨を踏まえて、どういう仕組みで、この条に書かれている評価を回していくのか。それを我々は、今、第三者評価と呼んでいるというところでございます。
ですので、その外部の識見を有する者、例えば、じゃあ保護者はそれに該当するのかしないのかみたいな議論もありますけれども、我々としては、例えばその保護者は学校関係者評価に入ってくる方ではありますけれども、我々は、この法の制定趣旨を考えると、第三者性というところは大事だということで、やはり保護者は評価者にはふさわしくないだろうという判断をしているということもありますので、そういう意味では、法令的には、自己点検評価があり、学校関係者評価があり、外部の識見を有する者、あるいは第三者評価と呼んでいるものがあるというところの整理になります。
ですので、それを講学上、外部評価と呼ぶのか、いわゆる第三者評価と呼ぶのかというのは、そこは、それはその世界でうまく定義をしていっていただければいいのかなと思うところでございます。
【吉本委員】 座長も時々、大学の質保証、第三者評価のことをおっしゃる。基本的に大学の認証評価もピアレビューであると。原理はピアレビューである。同僚型の評価であると。同僚だけど外部にいるというね。だから、ピアレビューであると。この考え方というのは、ピアというのは第三者じゃないですよ、厳密に言うと。要するに、仲間で評価しているんです。だから、その認証評価に関する団体というのも、国は認証評価していますけれども、その評価を受ける側からしたら、仲間に頼んでいるんですよね。設置者的に、グループグループが大学関係にもありますけれども、それと対応したものができているんです。何ら本当の意味の第三者じゃない。
先ほどの自動車の話で、自動車業界の人がやると、友達だというのは違うんです。それでいいんです。自動車業界の評価をお医者さんがやっても、何の役にも立たないです。第三者。これ違うんです。
だから、そういう意味で、その考え方、第三者という言葉をひっくり返せとは言いませんけれども、そこはここに関わる人たちが、その学校をよく知る人たちが評価するということで、自動車のような形のものは十分、まさに適格なんですよね、と理解していますけれども。
【関口職業教育評価機構副理事長】 第三者評価の団体として来ておりますので、その第三者評価なのか外部評価ということについては、文部科学省のほうで出ているこの資料の、これは2ですか。資料の2の1ページのところに、最初の四角の中に赤い字で、教育活動その他の学校運営について第三者評価が設定する評価基準に基づきということが一つ、第三者評価ということの定義的な要件の一つであります。
もう一つ、少し曖昧になっているんですけれども、3ページの下の括弧のところで、評価者について書かれているところがあるわけですけれども、評価者も、第三者評価機関といいますかね、評価機関が選定するというのが第三者評価のもう一つの要件です。
つまり、基準と評価者を独立の第三者評価機関が選定するという条件がそろえば、これは第三者評価ですけれども、そのどちらも、学校が評価基準を定めて、そして評価者も学校が選定すると。だけども、ここに評価者についてありますように、一定の、こういうものでなければいけないみたいなガイドライン的なものは示して、制約をかけるという程度のことであれば、これは外部評価ということで、分かれ目は、このところでは少し中途半端というか、結局、評価機関として評価基準は定めなさいということであるのと同時に、評価者の選定については、学校が選定するという前提になっているかのように見えますので、その場合に、そこに恣意性がないようにするためには、こういう評価者であることが望ましいということは示しますよと、そういう構造ですので、どちらかといえば第三者評価であり、かつ外部評価であるというようなことなのかなと私は捉えています。
【吉岡座長】 言葉の定義の問題の部分もあるので、少し論点について、事務局のほうで整理していただいて、ここの中では議論を進めているので、ある程度、今の議論は分かりますが、外から見たら、特に文章にして、こういうものをやるんだといったときには分からなくなってしまうので、境目のところとか、実際にはどういう委員をそこに入れるのかというような問題で、かなり具体的な問題でもあるので、その辺りは整理していただければと思います。
前田委員もつながりですか。じゃあ、短くお願いします。
【前田委員】 今、関口先生がおっしゃったことは的確だろうとは思うんですが、多分その機関がない状態で第三者評価を始めようとしているんだと思うんですね。ですので、その第三者評価をこの評価者でやるということを誰が認めるのかという部分がないと、学校関係者評価と区別がなくなるだろうなと。この新しい制度をやろうとしているときに、次の目標に向かっているところが見えないと、何かぐずぐずになっていくのではないかというのを少し心配しています。
私も今日の説明を伺っていて、第三者評価に当たるものを学校側が選べそうな印象を受けましたので、そうだとすれば、それが第三者評価に当たるということを、どこかで認めないと、おかしなことになるだろうなと。
しかし、今、その機関がないと。適切な機関が幾つかしか存在しないという中で進めていく次善の策をどうするかということなのかなと思いました。
【吉岡座長】 基本的には多分、次善の策の問題というところがある。今の「キカン」は組織の機関ですよね。時間ではなくて、タームではなくてですね。まずそれが前提で始まっている議論だと理解します。
ですので、まず機関をつくってからというようにはいかないところでどうするかという、前田委員のおっしゃっているとおり、そこはそのとおりだと思います。
そこで、なおかつ、いわゆる認証評価機関みたいに機関を認証するという手続もちろんないので、そちら持っていくという議論もされていないので、その中でどういう形で、ある意味で、ある程度の客観性を保っていくためにどうするかということかなと思います。
結構、実際動かし始めると微妙な問題は、もちろん認証機関でさえそういう問題があるので、難しいと思いますけれども、少なくともそういう方向かなと思います。こちら後で整理していただければと思います。
すみません。お待たせいたしました。河原委員。
【河原委員】 すみません。私の場合、専門学校ということで実務的な話になっていくんですが、資料2の5ページにある職業実践専門課程にまで第三者評価を義務化拡大するというのは、少し唐突な印象を受けました。
NQFにおける職業実践専門課程認定学科の位置づけが短大と同等であること、同等の質保証が求められることを鑑みまして、第三者評価の導入には前向きに、かつ具体的に検討することが必要だと思います。
現場サイドになるんですが、実際に職業実践専門課程まで第三者評価義務化を拡大するとどういうことになるのかということを、物理的に生じる問題もあろうかと思います。
認証評価機関による大学評価の実績を、平成29年から令和5年までの7年間で、五つの評価機関で803校の大学の評価をしていました。平均すると毎年115校です。全国の大学の数は現在813校ということなので、大体7年で一回りできる規模で評価機関の体制が確立していることだと思います。
これを踏まえて、専門学校の場合、資料2の5ページに記載の情報に基づいて、現在の高度専門士認定校の342校、外国人留学生キャリア形成促進プログラム認定校の188校の第三者評価を行うとしてシミュレーションすると、令和8年から令和12年の5年間で一回りするには、毎年106校ずつ評価を行っていく必要があります。さらに、もし令和13年度から職業実践専門課程認定校の1,110校も評価対象に含めるとすると、令和13年度から令和17年の5年間で毎年328校ずつの評価が必要になります。これは先ほど申し上げた現在の大学の認証評価の体制、年間平均115校の2.9倍の規模になります。それほど第三者評価の体制を令和13年度までに築けるかということが問題になってこようと思います。
評価に要する人員、評価員の人数の面でもちょっとシミュレーションしてみると、これも職業実践専門課程まで評価対象に含めるのは、評価する側にとっても大きな負担になろうかと思います。
大学認証評価機関の評価実績を基に大学の認証評価の規模を見ると、評価を直接担当する評価員の数は、受審大学1校当たり4名から5名ということなので、それを基に計算すると、令和29年度から令和5年度までの7年間で延べ2,006名の評価員が評価を行ったということになります。平均すると毎年287名です。
対して専門学校の場合は1校当たり教員数が平均13名で、小規模の学校が多いということで、4名の評価員で評価を直接担うということを前提で、高度専門士の342校、外国人留学生キャリア形成促進プログラムで188校の第三者評価を行うとしてシミュレーションすると、令和8年から令和12年の5年間で一回りするには、毎年延べ数で424名の評価員が必要になります。これは大学評価の年平均の287名の1.5倍の規模です。
さらに令和13年から職実の1,110校も評価対象に含めるとすると、令和13年度から令和17年度の5年間で毎年延べ1,312名の評価員が必要になります。これは先ほど申し上げた現在の大学評価の体制、評価員の年平均287名の実に4.6倍の規模になります。それほど評価員を調達できるのかという深刻な懸念が生じると思います。
令和6年度の学校基本調査によると、全国の大学の本務教員は19万2,531名で、それに対して専門学校の場合、本務教員の高等課程も含めて3万9,078名しかいません。第三者評価の基本精神はピアレビューにあると考えた場合、必ずしも本務教員が大学認証評価の評価員を務めるわけではないでしょうけれども、19万2,531名の母集団から毎年延べで287名の評価員を出せばよいのですが、専門学校の場合、3万9,078名の母集団から、職業実践専門課程の評価対象も含めますと、毎年延べ1,312名の評価員を出す必要があって、これは30名に1人ですから、あまり余裕がない多くの学校が毎年評価を出さなければならないという規模感になります。
以上のことを鑑みて、評価員育成についてなんですが、職業実践専門課程まで含めた評価体制を令和13年度までに整備するためには、新たな第三者評価機関の創設や既存の評価機関の充実だけでなく、他校の取組についてピアレビューできる評価員を育成する評価制度の導入も必要だと思います。審査をする側の体制整備はもちろん、評価する側の体制整備も含めて、国の継続的な支援や助成が必要だと思います。
また、そういった準備時間も踏まえると、職業実践専門課程については、令和13年度からの完全実施ではなく、評価体制が整備され、安定的に学校評価をこなしていけるめどが立ってから導入したほうが現実的ではないかなと思います。
評価する側にとっても、評価される側にとっても、必要な研修制度及び国の支援や助成は、単に第三者評価制度の導入期に当たって必要ということではなく、今後も制度を維持していくということから、継続的に欠かせないものだと思います。
そういったことも踏まえて、NQFの枠組みの中に、単に形だけではなく、実質的な意味で職業実践専門課程が位置づけられていくのだと思います。
あともう一つ、審議を希望する専門学校が、第三者評価機関だけでなく評価者評価、外部評価員確保に容易にアプローチできるような紹介機関というか、調達機関のようなものも必要だと思います。
地方の専門学校の場合、評価者評価を希望して、外部の評価員を確保したいと考えても、なかなか容易ではないと思います。どこかに依頼すると評価員を手配してくれるような、そういった機関というか、サービスが必要ではないかと思います。
そういったものも含めて国が専門学校の第三者評価制度を支えていこうという継続的な支援をいただきながら、実りのある制度として確立していかないといけないかなと思います。
【吉岡座長】 ありがとうございます。かなりリアルな数字ですが、事務局的には、その辺のところはどのようにお考えですか。
【米原専修学校教育振興室長】 御質問ありがとうございます。今おっしゃっていただいたとおり、我々もそういう意味で非常に危機感を持っているところではございますけれども、とはいえ、そういう状況をこなしていかなければいけない。
今回、制度設計についていろいろと示させていただきましたけれども、大学の認証評価と違って、今のおっしゃっていただいたような状況でもできる評価の仕組み、在り方というのを今回できるだけ、メリハリをつけていくということではあるんですけれども、お示しをさせていただいたというところでございます。
それであったとしても、今おっしゃっていただいた、それだけの規模感があるというのは十分理解しておりますので、そういう必要な支援というところもやっていきたいと思っています。
ただ、これは国だけで支援していくような話ではなくて、当然、所轄庁である都道府県がしっかりと動きを、特に経常的な支援については都道府県に期待するところです。今、大阪府とか東京都についてはそういう支援していただいていますけれども、ほかの都道府県においても、そういった支援というのが期待されるところでもございますし、また評価者の確保とか、そういったことについても、国がそれに直接何かをするのかというよりも、それこそ専各の団体は各県にももありますし、また所轄庁もあるということで、説明の中でも申し上げさせていただきましたけれども、地域だったり、分野だったり、それぞれの中でこれを対応していくための取組と、評価者を育成し確保していくための取組というところをやっていかなければいけないと思っているところです。
我々としても、それぞれの取組についての支援であったり、また、評価実施者のの紹介機関というのはどういう形できるのか、国の支援の受けた団体とかが一翼を担うことできるかどうかというところは、また検討だと思いますけれども、正直申し上げて、それだけハードルの高い話を今、御議論いただいて、やろうとしているんだというところを今、本当にリアルなところで共有できたというようには思いますので、それをどう実現していくかというところで、ぜひ先生方の御知見をいただきたいところでございます。
【吉岡座長】 河原委員。いいですか。じゃあ、一言。
【河原委員】 そういう意味では、都道府県によって差がないように、専門学校全体に均等にというか、正しく評価ができるというか、質の向上につながるように制度設計がされるとよろしいかなと考えております。
【吉岡座長】 瀧本委員。
【瀧本委員】 すみません。手短に意見を二つ申し述べさせていただきます。
今回、専門学校らしい評価制度ということで、米原室長のほうから、学校が独自のスキームをつくり上げていく、不断に見直しをというようなことも言われたんですけれども、そういったところで、評価の基準のところを、学修成果目標のところに、卒業認定方針を踏まえ学科コースごとに職業能力の修得についての目標を定めるというふうに書かれています。
この評価というのは、職業実践専門課程など、職業に特化した課程だけに該当する評価項目ではありませんし、そもそも項目1のところで、各学校が教育理念、人材像を明確にした、その上で、必要な能力というのも学校でそれぞれ設定をするようなものだと思います。
今回の法改正が高等教育機関としての専門学校の位置づけを明確にするというふうなことでしたので、ここに職業能力を修得するというようなことを書き込まれてしまいますと、専門学校は高等教育機関として職業能力の修得だけを目指すんだというような、そういう意味合いも付与されてしまうと思いますので、ここは何か項目1のところと連動するような形で、職業能力の限定というのをなくされたほうが、専門学校の独自の教育というのが実現されるのかなと考えます。
もう一つですけれども、この資料2の3ページのところですけれども、青いところの2ポツに「様々な業務が生じる」というふうなこと書かれているんですけれども、これがガイドラインの案の資料の3-2のところになりますと、15ページのところにも同じ書きぶりで書かれているんですけれども、この業務というのは誰が行うべきものなのかというところの主語が分からない書きぶりになっているんです。
前段のところは、評価者はこういうふうにするんだと、学校はこういう責任を負うんだということが書かれているんですが、この業務というのは、誰がどこでするのかということが明確ではなくて、それが組織・団体に依頼することが望ましいというようになっていくと、では、組織・団体がこの業務をするのかというようになっていって、じゃあ組織・団体にお願いしない場合は評価者がこの業務をするのかという誤解を招くことになるかなと思いますので、少しこの業務の負担が生じる、業務が生じること、この業務というのは誰がするべきことなのかというようなことも、少し書きぶりが分からないので、明確にしていただきたいなという意見です。
【米原専修学校教育振興室長】 ありがとうございます。まず、その職業能力に限定するというところ、我々としましては、職業教育の機関なので、それによって、そこで修得する能力という意味で職業能力と書かせていただいたんですけれども、確かに今、それ以外の職業能力以外のところの資質・能力を身につけさせるという場合も当然あり得ると思いますので、ここはもう少し、例えば職業を取るとか、もう少し広範な学校ごとにしっかりと習得させるべきものが抽象的に表現できるようなものを少し考えたいと思います。
次、二つ目の質問の評価の実施に当たる、この様々な業務を誰がやるのかということは、これは実は学校と評価者、評価実施者で基本的には連携して業務を遂行してもらわなければいけないというものなので、主語は、そういう意味では、アンドになるのだと思っているんですけれども、とはいえ、多分これを評価組織にお願いすると、やや評価組織リードで実施することになると思いますし、これを個人というか、独立した方にお願いするとなると、学校自体になるのかもしれないし、そういう意味では、実施の実際の重みづけはいろいろあるかもしれませんが、基本的には両者で連携して、これを何とかこなしてもらわなければいけないと解しているところでございます。
そこは分かるような形でガイドラインに記載をしたいと思います。ありがとうございます。
【吉岡座長】 すみません。順番から、発言されていない野田委員、お願いします。
【野田委員】 野田です。手短に。評価項目のところで5ページなんですが、項目6の教育活動の基盤と改善・向上の取組で、いわゆる内部質保証のところだと思います。こちらの3のところで、学校評価の実施と改善活動ということで、これは学校評価等でもよろしいという。既存の評価でも複数やられていらっしゃると思いますが、特定の評価に限らず、何らかの複数であったり特定のものであったりに対して、どういう改善の取組をしているかという、結構柔軟に対応するという考えでよろしいでしょうか。
【米原専修学校教育振興室長】 ありがとうございます。御指摘いただいて、私も今、所轄庁の指定養成規則に基づく監査とか、いろいろとあるので、そういう意味では、等にしておくべきだなと思いましたので、修正をさせていただきます。
【吉岡座長】 では、関口さん、どうぞ。
【関口職業教育評価機構副理事長】 今、瀧本委員がおっしゃった最初のほうの話ですが、全専各連の立場で申し上げるんですけれども、この学校評価の文科省の委託事業というのは、職業実践専門課程を前提として、いろいろな取組をやってきたものなんですね。それから、専門学校、専修学校の定義の中には、必ずしも職業に限定されないものも含まれているけれども、職業実践専門課程が生み出されたのは、職業教育の在り方というものをより明確にして、それを軸として専門学校の振興、発展を図っていくということが大きかったわけですね。
評価のいろいろな仕組みの試みも、今申し上げましたように、その線に沿ってやってきたものなので、この職業に就くためのというその専門学校の性格というものが、どこかに打ち出されていないと、これは今まで進めてきた事業の方向からも、少しずれてしまうのではないかと。
だから、ここは表現を考えていただいて、その職業という言葉をなくすのではなくて、専門、専修学校全体としては、職業ということは残しつつ、それ以外のものも含まれているというニュアンスを出すような表現にしたほうがよろしいのではないかと思います。
【吉岡座長】 恐らくそうだろうと思いますが、一方で、今おっしゃったとおり、職業に、いわゆる直結していないというのか、専門学校も結構あるわけですよね。そこに入ってくる学生も、職業として、その先に見えても、必ずしも追求しているわけではないというところがあるので、その部分を排除すると痩せ細ってしまうというのかな、その辺のところを少し配慮しながら、筋は通しておくべきだということだろうと思います。ありがとうございます。
前田委員、どうぞ。
【前田委員】 何度もすみません。すごく現実的な話として、評価費に係る実費、この問題も、どう考えるのかというのがあります。大学の場合は一律にしています。計算根拠、一生懸命やって、赤になったり、黒になったり、いろいろしているんですけれども、どの大学でも不公平ないように評価費ってやっていますけれども、これを一体どうするのか、この辺りも非常に難しい問題だろうなと。誰が出すのか。
違う県の遠いところから来てもらうより近いほうがいいやとなってしまうかもしれませんし、現実問題としてあるかなというのがありますので、お考えいただければと思います。多分いろいろされている、今までの団体の御知見なんかから、そういうのもできるのかなと思います。
2点目、項目例について気になる点があります。資料3-1の4ページの三角のところなんですけれども、一番上の教員の配置、募集、採用のところでマル1なんですが、教育課程を実施するのに必要な資格・要件を備えた教員を確保するために教員の採用基準等を整備し適切に運用していることと、これは本当に見なくていいのだろうかというのが少し気になった点でございます。専門学校のいろいろ御事情はあるのかもしれませんが、そこが気になりました。
あともう一つ、大きなことではないかなと思うのは、5ページの先ほどの3の学校評価の実施と改善活動のところのマル1なんですけれども、これも三角になっています。これはいろいろな外部からの意見を反映するなど、専修学校の運営や改善・向上において活用していることと。これがやらなくてもいいとなると、評価、何のためにやっているのかなという気がしますので、ここは二重丸で、例えば第三者評価が丸ぐらいでもいいので、やはりそのときで済ませないと。ちゃんと改善が継続するという意味では、三角ではないのかなという気がしました。
以上でございます。
【吉岡座長】 事務局、どうぞ。何かあれば。
【米原専修学校教育振興室長】 まず評価の費用についてですけれども、それは、すみません、国のほうで全くコントロールしていないところではあるので、それ評価組織いろいろ今ありますし、また、これからも出てくると思いますし、また個人にお願いする場合であったら、またそのお金というのはあると思いますので、そこはそれぞれの世界で考えていただいて、できるだけ学校が低廉な評価でできるような形を追求していただきたいと思っているところです。
今、2点目ですけれども、まず一つ目の4ページのマル1を△にした理由なんですけれども、これも採用時の話ではあるんですけれども、基本的に我々としては、この項目4の2のマル1ですね。必要な教員組織が整備されていることということがまず大事であって、採用がどうであれ、きちんと整備されていれば、まずいいだろうということで考えています。当然、その際には適切な採用があるという前提ではあるんですけれども。
なので、必ずしもその採用時のことにフォーカスしたものというのは、もちろんやっていただくのはありがたいと思いますので△にはしていますけれども、少なくとも、その中身というのは、マル1が実現できていれば、ある程度包含してくるというふうに考えているので、△にしています。
次に、5ページの3のマル1ですね。△じゃなくて◎ではないか、必須ではないかということで御意見いただきましたけれども、これも学校関係者評価委員会とか教育課程編成委員会等の設置の義務づけというものがなされていない中で、これを◎にするというのは、必ず置きなさいと、この文脈で言うということになるので、置いている場合は当然やってほしいということはあるんですけれども、置いていない場合に、じゃあ、この評価、項目どうするのと、じゃあ、これがあるから、やらなければいけないのということになると、ちょっとまた違うと。それはそれ、違う議論として、これをやるべきかどうかというのは考えなきゃいけなくて、もちろんそれをやりなさいという義務づけをするのであれば、これが◎になってくるのかもしれませんけれども、そういう意味での△ということでございます。
それに、やる以上は、我々としては当然、項目として入れていただきたいと考えているところです。
【吉岡座長】 よろしいでしょうか。
【前田委員】 教員のほう、必要な教員組織というときに、数だけそろっているところを見る可能性があると思います。その辺の必要な意味が何なのかというのも、例えば御発表くださった関口先生、佐藤先生のところはいいかもしれませんけれども、特に何もそういう資格との関係がないところで、その必要な教員、教員組織って何となったときに、学校側がマル1でこういう教員がいることが必要なんですということを言っておくから、それに対して必要な教員組織というようになるんだろうなと思いました。
すみません。後のほうは理解いたしました。
【吉岡座長】 今の指摘、結構重要ですので、つながりがあるというか、その背景をきちんと押さえた上での配置問題とか採用問題だということが分かるようにするということが必要だろうと思います。
ほかにいかがでしょうか。
一つ、やはり専修学校って物すごくいろいろな種類と、規模もすごく違うので、それを一律に評価機関つくるって、そもそも非常に難しいことだとは思うんですね。ただ、せっかくこういうものをつくろうという、そういう方向性が出てきているところなので、どうにか調整しながらやっていく必要があるというのが、多分ここの基本的な方向だろうと思います。
費用のことも考えると非常に難しいし、先ほどありましたが、実際にあの業務、結構大変なわけで、大学の認証評価でも評価機関は結構苦労する。業務もそうですし、大体、評価者をどうやって調達するのかというのは非常に大きな問題であり続けているわけですね。ですから、その辺のところが可能なような形にしていくということだろうと思います。
基本は、先ほどお話ありましたように、やはりピアレビュー。この場合のピアレビューって身内でやるという意味ではなくて、同じような職業とか職業教育の専門家の知見というレベルで、そういう意味では、当該組織の外側という、その外部性ということが当然まず前提になるだろうと思いますけれども、当然評価するには、その評価の知見を持っている人たちという意味では、そういう意味では仲間だと思います。ですので、それをどう組織していくのかということがすごく重要ですね。
これはどんな場合でも、評価機関を外につくって、客観的に認証評価している場合でも、認証評価機関ごとの、例えばレベルの違いであるとか内容の違いであるとかというのは直ちに問題になるわけで、国際的な認証評価機関、これ大体、分野別でしょうけれども、でも、どの認証機関で評価を受けたかということによって国際的な評価変わってくるというのはむしろ当然のことなので、そういうある種の競争環境みたいのができてくればいいんでしょうけれども、なかなかそこまで逆にいかないかもしれませんが、やはり、そこのところはウオッチしていく必要があるだろうと思います。
小林委員、どうぞ。
【小林委員】 これは結構大変な仕事だと思っていまして、これをやる側も評価する側も大変だとすると、そこにやはりインセンティブみたいなものがないと、なかなか進んでいかないということだと思っています。
大きく二つぐらいの目的があって、一つは、恒常的に質を高めていくという主体的な取組と、もう一つはやはり先ほど自動車分野の御報告でもあったとおり、それを客観的に外から見て、きちんと質が担保されていますよというのをアピールする側面もあるのかなと思っています。
前者は今いろいろ議論されていると思うので、後者なんですけれども、ここで言うと、何のためにやるかというと、今回で言うと、資料2の5ページにあるような認定制度の要件となるというようなところなのかなと思います。学校側としては、これをやることで、きちんとその要件になることが重要になってきます。外から見たときに、第三者評価を受審しているということは、認定制度の要件の質をしっかり担保しているのだなということだと思ってよろしいのでしょうか。
あとは、そうすると、河原委員がおっしゃっているのは、それでは職業実践専門課程というのはどうなんだろうかというところが、外から見たときに少し分かりづらいような気がします。今、大学のほうもすごく苦労してやっているのに、公表の仕方が少し上手くいっていない状況で、外から見て分からないので全体を見直しましょうということになっています。何をインセンティブとして学校側は受審して、それを外にどのように公表していくのかが重要です。こうした第三者評価について、ホームページに載せるだけだと、きっと誰も見ないんですよね。2,700ある専門学校の中で、きちんとしたこういう取組をしている学校ですよということを、どのようにアピールしていくのかという、その辺りのお考えをお聞かせいただければと思います。
【米原専修学校教育振興室長】 インセンティブということについては、やはり認定制度を受けられるというインセンティブがまずあると思っています。ですので、これまでなかった第三者評価って、要するに今、これから努力義務になっていくわけなので、基本的にやっていただきたいものだけれども、やっても、やらなかったので何か不利益が生じるものではないというものの中で、文科大臣の認定を受けて一定の世の中にそういうものであるということを知らしめることができるという意味での評価を受けるインセンティブがあると考えているところです。具体的にお金とかそういう意味ではなくて、そういう認定制度としてのインセンティブと考えています。
そういう意味で、職業実践専門課程はいいのかというところで、正直言うと、我々も令和8年からやりたいんですけれども、それはできないだろうというところは、しようがないところもあります。とはいえ、努力義務がかかっているところでもありますし、もちろん第三者評価が望ましいということは当然言っていかなければいけないんですけれども、じゃあ、できないことをやれと言っても仕方がないということもあります。できる職実の学校には当然、第三者評価をやっていただきたいと思っていますし、それが前提だと思っています。
ですが、できない場合には、学校関係者評価みたいな形で、今義務づけられている形のものを続けていただいても当面は構わないですという形の仕組みにしていきたいと思っています。
また、本当を言えば、評価をやったことで学校の運営や教育内容を見直すことができてよかったねというようになっていただくのが一番のインセンティブだと思いますが、それは評価のやり方とかにもよってくるので、なかなか言えないところはあるんですけれども、それを目指してやっていってほしいなと思っているところです。
【小林委員】 ありがとうございます。進路指導の先生とかが、やはりこういった評価を受けているところはちゃんと教育の質が担保されているよと言えるような何か仕組みができていくといいかなとは思っております。
【吉岡座長】 吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】 高校は、生徒と進路指導するときに、専門学校の状況についてはいろいろと確認しながら、安心できる学校に進めたいと考えております。この制度を、やはり進路指導主任は分かるので、出ているか出ていないか、公表しているかどうかというのは見ると思います。そういう意味でのインセンティブはあります。
【吉岡座長】 ありがとうございます。
植上委員、すみません、オンラインで参加されておりますので、御発言をお願いいたします。
【植上委員】 ありがとうございます。いろいろありがとうございました。私から意見という形でお願いします。
室長が報告でおっしゃっていた、これからやはりトライ・アンド・エラーでやっていくということに関して非常に大事だなと思っています。その際に大事なのは、データに基づく検証と、あと、やはり支援なのだろうなと思います。
河原委員のお話、私もすごく興味深く伺っていたんですけれども、やはりこの件に関していろいろなデータを集めながら調査していく、検証していくということが一方で求められてくるのではないかなと思っているところです。私も専門学校の先生方に不安をたくさん聞くところがありますので、ぜひそのデータの実態の調査みたいなことは並行して進めていきたいところかなと思います。
一方、やはり専門学校の先生たちも、例えば評価者評価とかに関しても、関心を持たれているとお話を聞くところがあります。その際、支援もやはり充実させていっていただきたいなと思っています。
3ページにあったように、評価者の支援とか、教職員への支援みたいなことも、いろいろな形で充実させていく、そういった方法も並行して検討していければいいのではないかなと思っているところです。
すみません。意見という形でさせていただきました。以上です。
【吉岡座長】 ありがとうございます。
先ほど小林委員がおっしゃったこと、私もそのとおりだと思っていまして、結局、制度をつくるとき、何のためにこの制度をつくっているのかというところを見失わないようにしないと、結果的にみんなが負担感だけを感じるみたいな結果になると思います。
やはり一つ重要なことは、公表の仕方の問題も含めて、手段も含めて、つまり、それぞれの学校が、自分の学校はこういう学校で、こういう教育をしていますよというのが外から分かるようにする、まずそれがあって、それを周りが評価するというか、周りで確認していくみたいな、そういう多分、段取りだと思うんですね。
大学の認証評価は、それが逆転しているところがあって、評価は義務づけられているので受けるけれども、公表しないというか、分かりにくくしているところもあるというようなところがあって、それは問題で、一番やはり質保証を確実にしていくというのは、外から見て分かるようにするって当たり前のことだと思うんですね。
ですので、そのことは最初から制度設計の中に、どういう形でこの評価というか、評価をした場合であれ、それ以前であれ、学校を公表して、外から見て分かると。外から見て分かるというのは、高校からとか、あるいは受験生であるとか、場合によっては卒業した後の就職先の企業や、あるいはもっと広く、社会全体の見方だと思うのですけれども、そういうのを含めて、分かりやすく外に見えるようにしていく。
単純な競争ではないと思いますけれども、ある種の相互比較もできるような形が、いずれつくられていくということも必要だろうと思います。
だから、言いたいのは、最初から外から分かると、公表の仕方というのを制度設計の中に入れるということは結構重要な点だろうと思います。
市原委員、どうぞ。
【市原委員】 私からは全専各連としての見解とお願いを述べさせていただきたいと思います。
今回、外国人キャリア形成促進プログラムや大学院入学資格のある高度専門士や適格専攻科、職業実践専門課程に令和8年度から第三者評価が義務化される制度については、全専各役員以外の全国の専門学校にとっては、どうしても唐突感が否めません。
しかし、今回、高度専門士、適格専攻科と併せて、当初想定していなかった外国人留学生キャリア形成促進プログラムにも猶予期間が設定されること、また職業実践専門課程は当面、学校関係者評価でも代替可能となるなど、今回の提案は、過日の全専各理事会で要望したことに対して、一定程度配慮していただけたことだと思います。ありがとうございます。
ただし、同日の理事会で多会長から話がありましたが、また、この会議でも何度も話に出てきていますが、専門学校の地域性や規模、またリソースのありようは本当に多様です。質の高い教育が行われていても、こうした事情から、評価の受審に困難を極める学校が出てくることは決してレアケースではなく、その結果、認定が取り消され、学生に不利益が出ることが想定できないわけではありません。
以上を踏まえ、猶予期間は可能な限り長めに設定をお願いしたいのと、もう一つ、実施状況を見て判断することとなっている職業実践専門課程への完全義務化の時期については、先ほど河原委員からの話もあったように、実現の可能性を十分見極めた上で慎重に判断することを切にお願いすることでございます。
私からは以上です。
【吉岡座長】 ありがとうございます。
そろそろよろしいでしょうか。どうぞ、瀧本委員。
【瀧本委員】 何度もすみません。吉岡委員長のお話を聞いていて思ったのですが、やはり大学教員として働いていますと、大学教員としての大学観とか、大学教育観とか、大学全体で共有しているものみたいなものがあって、何かそれがピアレビューとかするときでも、お互い切磋琢磨というか、全体としてこういう問題があって、こういう使命があってやっているよねみたいなことが共有できることがあると思うんですよね。ただ、専門学校の場合、個々の学校が多様過ぎて、そういった専門学校全体で、こういう課題で、こういう教育を頑張っていかなければいけないねというようなことって、なかなか共有できないと思うんです。
すごく楽天的な考え方かもしれないんですが、評価者評価という形で、例えば大学教員と全然違う業界の方とか、たくさんの方が携われる中で、専門学校ってこんなふうに頑張っているよねじゃないですが、専門学校観みたいなものが社会の中で出来上がっていくとすごくいいのかなと思います。今そういう社会的な広い意味でのインフラみたいなものが整っていない中でやろうとするので、専門学校はやはり、この限られた資源の中で、寄る辺ない形で、こういう制度に突っ込んでいかないといけないということで、すごく私も不安だなと思っているんですけれども、これがうまく、猶予期間の話も出ましたけれども、ぜひ、寛大なと言うと語弊があるかもしれませんが、現実に合った形で育て上げていく制度にしていって、いい形で発展していったらいいのになというようなことを何となく考えていました。
すみません。感想です。
【吉岡座長】 すみません。前田委員に。
【前田委員】 何度もすみません。一つだけ、やはり私のほうで気になるのは、いわゆる教育資格というのが、この間、大学分科会で認められた、そのNQFに当たるものですね。そこでは短大と専門学校の、要するに専門士と短期大学士というのが同じところにあるんですね。片方はもう義務化された認証評価制度によって評価が義務づけられた質の保証が、法令で確立されたものとそうでないものが同等であるという今、状況にあると。これはやはり何らかの形で解消していかないと、これがどれだけ世界に出ていくのか分からないんですけれども、そこは考えなければいけないなと思います。
もちろん難しいのは分かっているんですけれども、日本の場合、質保証は、学校の質保証ばかり考えていて、学位・資格の質保証という視点がないので、こういうことが起きるかなと思っています。
ですので、これができるのであれば、やはり何らかの形で、これを保証するものというものをつくっていかなければいけないという視点も忘れてはならないかなと思いました。
【吉岡座長】 では、吉本委員。
【吉本委員】 今の短期大学士と準学士とその専門士、高校専攻科2年課程修了、これを大学の枠組みで、認証評価という言葉だって、たまたま法律でつくっただけの話に、なぜ持っていかなければいけないのか。高校の専攻科の、准看から正看の2年制課程もあるのですが、これが本来、厚生労働省ですか、いろいろな意味で質保証されているものであって、何も認証評価という言葉にこだわっているところに、この問題の難しさが出てきていると。ほかのところもそうですけれども、全くそう。だから、それは競合セクターからいろいろ議論が出てくるとは思いますけれども、それだけです。
だから、やはり別の仕組み、職業教育の質保証の仕方が職業実践的な教育、職業実践専門課程になっているわけで、これは十分それなりの形の質保証ができているので、この共通理解をつくっていくことが大切で、この職業実践専門課程を大学と同じように。
また、もう一つ言うと、大学に共通感覚があるとは私は全然思いません。
【吉岡座長】 ありがとうございます。これは非常に大きな問題で、要するに、一方で大学とは何かということとか、職業教育とは何かというような話なので、ここではとても、ある意味で追い切れない問題でありますが、非常に大きな問題で、これは、いや、多分、大学のほうにといいますか、にも全部跳ね返ってくる話です。
前田委員おっしゃったとおり、日本はその学位というものの価値というものについては非常にきちんと考えられてこなかったということはそのとおりだと思うんですね。つまり、学校を卒業したということと学位を持っているということとは本来別なはずなんですけれども、それはもう学校を卒業したという話になっているというのは非常に大きな問題だろうと私も思いますが、これ非常に大きな、そもそも高等教育どう考えるかという問題だろうと思います。
したがって、これはむしろ文科省の中できちんと議論してほしいですし、それを踏まえながら、それこそ中教審の本体のほうで考えるべきことかもしれません。
ただ、ここでの議論というのは、いつも前から私も申し上げているように、非常に刺激的で、やはりそもそも高等教育とは何かという問題に、いつもここは突き当たるんですよね。あるいは技術とは何かとか、技術教育とは何かとか、どうあるべきかとか、それと大学における、例えば教養教育みたいのとどういう関係になっているのかみたいな、そういう非常に根本的な問題に触れてしまうので、そこのところで大変だというところで大体止まってしまいますけれども、やはり今後ともちょっと、常に考えながらいかなければならない問題だろうと思っております。
議論は尽きないというところありますが、そっちのほうに踏み込みますと終わらないので、ちょうどほぼ時間ということで、ここで一旦、議論を終わらせていただきます。
今後、事務局のほうでガイドラインの修文等をお願いするということになりますけれども、事務局のほうから御意見をお願いいたします。
【米原専修学校教育振興室長】 本日は先生方におかれましては貴重な御意見ありがとうございました。本日いただいた御意見を踏まえまして、今後、吉岡座長とも相談させていただきながら、ガイドラインの改訂作業を進めていき、4月中には公表するように手続を進めてまいります。御承知ください。
【吉岡座長】 先ほどもありましたが、やはりやってみる、修正するということができるような形でやっていくしかないので、その辺のところの余裕を。つまり、できたら、もうそれに従って全てが動き始めてしまうと、逆にみんなの首を絞めるということにならないようにというのは、やはり非常に重要なことだろうと思います。
ということで、事務局と私も相談いたしますし、また、いただいた御意見ももちろん反映させますし、また今日うまく発言できなかったと、この点失念したということがあれば、また事務局のほうに御連絡いただければ、それも含めて考えていきたいと思います。
ほかに何か、その他ということよろしいでしょうか。
事務局から、では、今後のことについて何か御意見ありますか。
【塩屋専修学校教育振興室室長補佐】 事務局でございます。
次回、第35回の本会議につきましては、5月か6月頃の開催を予定してございます。詳細につきましては、改めて日程調整をさせて決めたいと思いますので、御連絡をさせていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
【吉岡座長】 ありがとうございます。
それでは、本日の会議、これにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室