男女共同参画の在り方に関する各委員からの主な御意見(案)

男女共同参画の在り方に関する主な論点

○男女共同参画の実現により、どのような社会を目指すのか
○我が国の男女共同参画の現状について
○男女共同参画の実現に向けてなすべきこととは何か

男女共同参画の実現により、どのような社会を目指すのか。

<主な御意見>

  •  日本の最大の課題は、従来からの男性による均質な社会ではなく、いかに多様な活力を得て、新たな成長力を得るかということである。
  •  この国の形として多様な能力を駆使していくことが重要である。
  •  「ワークライフケアバランス社会」において、ワークの部分で女性が本当に経済的に自立できる社会をつくらないと超高齢社会を乗り切れない。
  •  あらゆる場面で男女共同参画が進むことは、女性の地位向上だけでなく、暮らしやすくなるとともに、国の将来にとってもよいことである。
  •  最終的な目標としては、今まで日本になかった仕事、やり方や分析などが男女共同参画、多様化が進むことによってどんどん出てきて欲しいと思っている。
  •  女性をはじめ障害者、高齢者及び海外の方も含めこのような人たちの能力が発揮されると、我々が目標とするこんな社会ができるんだ、というところへ持っていければよいと思う。
  •  ダイバーシティによって新しい世界、豊かな世界をつくり上げるのが男女共同参画であると思う。

我が国の男女共同参画の現状について

<主な御意見>

  •  国民の半分を占める女性の能力が発揮されず、感性が取り入れられず、また、抱えている課題が提起されず、労働力としても十分に活用されずという形で進んでいるこの国の有り様は今や大きなひずみとなっている。
  •  地域では集会に妻が参加すると夫の代理なので発言権がなかったり、草刈りに女性が参加すると力がないから手間賃をとられたりといった現状がある。
  •  問題は企業、働く職場である。経営者、中間管理職の方たち、男性に対する啓発がまだまだ足りない。
  •  日本はまだまだ男女共同参画になっていないということは事実。たいていの企業において女性管理職は、だいたい部長クラスにとどまっている。
  •  男性と女性の高等教育のギャップが大きいのは日本と韓国である。娘より息子に教育費をかけるなど家庭の中でまだまだ差別意識がある。
  •  以前と比べ、女性たちの意識は啓発されている。女子学生を見ても自分たちの能力が男性より落ちるというような引け目はほとんど感じていない。
  •  例えば、男性であれば女性トイレの荷物掛けを上のほうに付けるが、実際には重い荷物を掛ける場合もあるので、それでは使いにくい。使う人の視点が欠けている一つの事例である。
  •  グローバリーゼーションの中、諸外国との会議に男性ばかり出てきているのは日本しかない。
  •  若い世代、教員の中にもまだまだ男女共同参画の認識が低く、また、取組がなされていないところが多く見られる。
  •   三重県は全国より「M字」の谷が深い。意識も「女性は結婚して出産したら仕事をやめたらいいのではないか」というのが大方の見方である。また、固定的性別役割分担意識も「おかしいと思う」という人が半数以下という状況である。

男女共同参画の実現に向けてなすべきこととは何か。

<主な御意見>

  •  男女共同参画を何年以内に達成するのかをもっとダイレクトに議論するべきではないか。
  •  男女共同参画を戦略的に進めるときの鍵は次の3つ。
    1.義務教育のカリキュラムの在り方。常に単一の解があるという正解主義を改め、クリティカルシンキングをいれていかないと多様性を認めようという社会はつくれず、女性の社会進出もない。
    2.働く現場で時間をずらすことが必要。働く時間をずらせばもっと一人一人が尊重され、女性も働きやすい時間をとれるはず。休暇も企業の中で一斉にとらないほうが女性は働きやすくなる。
    3.夫婦のあり方。日本の夫婦は、夫の価値観、妻の価値観それぞれで動いているので、夫婦の「二人主義」の価値観に編集されていない。二人の多様な価値観をすり合わせながら生きていくということを日本人のライフデザインに加えていかないといけない。
  •  2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるという目標を本当にやっていくんだという国の意思があれば、相当変わっていくと思う。
  •  時代は変化しており、男女共同参画の意味も問い直す時代に入っている。政府目標の「指導的地位」とは何かについても議論すべきである。
  •  男女共同参画が目指すべき内容として組織の理論に合わせて目標設定し、企業等の上位層に何%送り込むというようなことは、男性的な理論に巻き込まれる女性を増やすことにならないか。
  •  女性が就労によってきちんと待遇され、そのためのワークライフバランスや育児等の条件を整備することが男女共同参画に関する基本の「き」だと思っている。
  •  高学歴の女性が国家社会から受けた恩恵に対して報いるような働き手、あるいは社会の形成者になっていくことが大切である。
  •   当面は、指導的役割についたり、意思決定、政策決定の場面にかかわったりする女性をもっと増やしていくことが男女共同参画を進める大きな仕事の1つであるととらえている。
  •  育児休暇や短時間勤務制度など、女性が入っていかなかったらこの国の根幹をなす法律はできなかった。女性が方針決定の場に出ていくこと、行動することが大事である。

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生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)