国立女性教育会館の在り方に関する検討会(第2回) 柿沼委員提出資料

平成24年4月20日
柿沼 トミ子

基本的な考え方

1 男女共同参画社会の推進について

 男女共同参画社会の推進が、21世紀の最大課題と言われてひさしく、政策を進めているが、その結果を表す統計数値を見ても、社会のすそ野である地域社会を担う、女性たちの日々の暮らし、仕事を見ても男女共同参画社会と言える現状ではなく、日本の男女共同参画が進んでいるとは言えない。
 少子高齢化社会が進む現状において男女共同参画社会の推進に女性の力を活用することは、必須課題である。地域では、すでに農業、漁業、商業、工業などで日本経済を支えている女性たちがいるが、下働きに終わることが多く必ずしも十分にその力が活用されているとは言えない。

男女共同参画の推進に向けての課題としては

  1. 男性の意識改革 地域社会の男性支配の構造
  2. 企業風土の改革 
  3. 地域の保守的な慣習の見直し
  4. 女性の社会参画についての積極的な是正措置

2  国立女性会館の改革について

 国立女性教育会館の創設にあたっては、女性たちは自らの力をつけるために力を合わせて支援をした。大きな民力の支援があった。日本には、各地域に男女共同参画センターが、地域の拠点施設として設置されている。男女共同参画が進展していない現状であるからこそ、この男女共同参画センターネットワーク・また女性ネットワークを基盤として、男女共同参画の推進を阻む課題の解決と時代が要請する女性の力をつける事業展開を後退することなく、積極的に行なわなければならない。 

NWECの改革にあたって

1.多様なキャリア研修
 女性教育・研修のプログラムで人材育成の実績を積んできているが、今後、農業、工業、商業など各分野で働いている女性のキャリア研修も必要である。女性労働の研修については、各分野で働く女性たち、また働く女性とこれから働く学生・女性たちの交流の機会の提供、働く女性たちの交流の場が必要とされているのではないだろうか。

2.男女共同参画の基本から事業実践まで一貫した継続研修
 男女共同参画政策を実行する地方公共団体の職員、男女共同参画センター職員、関連する機関の職員を対象としたプログラム開発と地域における協同事業は、地域社会のすそ野を広げる研修となる。

3.これまでに培ったネットワークの活用と協働事業の展開
 国立女性教育会館は、多くの全国的な女性団体・男女共同参画に関する団体とのネットワーク交流の蓄積があり、そのネットワークとの協働事業を通じて地域社会の課題を把握することができる。
 ネットワークを構成する団体は、一人ひとりの力を研修で培ってはいるが、社会を変革する組織としての力、組織運営についての経験とノウハウの蓄積が必要である。また、企業や、経団連をはじめとする国内団体との連携を強める必要もある。

4.地域の暮らしと、世界につながるグローバルな情報の提供と交流
 どのような地域の暮らしであっても、どのような業種の仕事であっても 世界の経済、また政治の影響を受けないことはない。災害など同じ環境問題、政策課題を抱えた国々、特に太平洋アジア地域との交流は重要である。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)