国立女性教育会館の在り方に関する検討会(第2回) 堂本委員提出資料(1)

堂本暁子

少子高齢化が進む中、経済社会を活性化し、日本を再生していく上で、女性の活躍を促進することが必要不可欠であると認識している。男女共同参画が進まなければ、日本の未来は拓けないという『強い危機感』をもって国立女性教育会館(NWEC)の改革に臨まなければならない。

1.国立女性教育会館(NWEC)見直しにあたっての基本姿勢

  1. 日本は、未だにジェンダーギャップ指数が135か国中98位(2011年)である。NWECが一翼を担う男女共同参画の推進が、現在の我が国の最重要課題であるという大きな視点に立った上で、真に男女共同参画を強力に進めるための教育・研修・研究はどうあるべきかをしっかりと議論していかなければならない。
  2. しかし、教育・研修・研究を中心に据えつつも、これらだけにとらわれず、関係分野にも積極的に業務を展開することを考えていかなければならない。特に、女性労働に関する教育、研修の拠点であった女性と仕事の未来館が、その機能を失った以上、NWECにおいて女性のキャリア教育を全国で展開するための拠点的な役割を担う必要がある。
  3. NWEC改革に当たり、これまで35年に渡って蓄積してきた機能やネットワークを最大限に生かしつつ、社会の要請にこたえていく必要があるのではないか。(女性の活躍支援、困難を抱える女性の支援、男性の意識改革 等)
  4. 国際的なジェンダー平等のハブステーションとしての機能を強化することが必要である。

2.最重要課題として、男女共同参画政策の総合的研究

 男女共同参画は少子高齢社会における国の社会制度や社会構造の変革を実現するための最重要施策である。各省とも、所管政策に関する研究を行う施設や機関を持っているが、男女共同参画を国の政策として総合的に研究する機関はNWEC以外にない。特にNWECが有しているアーカイブ機能は、各省横断的な男女共同参画に関する政策立案を下支えしている。

 今後、政策研究機能を強化することによって、喫緊の課題である我が国の男女共同参画政策を加速させる必要がある。また、中央政府のみならず、地方自治体や産業界にも、積極的に提言を行なっていく拠点とする。

 また、男女共同参画政策によって、女性の労働参加が進むことで、経済発展につながることも、OECDや経団連によって指摘されている(例えば経団連21世紀政策研究所が2012年4月16日に発表した『グローバルJAPAN ―2050年シミュレーションと総合戦略―』)。

3.NWECの今後の展開と改革

  • 大学、企業、労働組合、NGO/NPOなどとの連携
  • 女性のキャリアアップ事業、特に女性の管理職を増やすための事業の展開
  • タイムリーな出前講座の実施、講師派遣、展示巡回などのアウトリーチ事業
  • 情報の蓄積と発信
  • 「ジェンダー統計情報データベース」などNWECの特色あるデータベース構築による情報提供支援
  • 男女共同参画のアジア太平洋地域の拠点として、世界のモデルを目指す
  • 理工系分野への女性研究者・技術者の進出と定着を図る事業

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)