国立女性教育会館の在り方に関する検討会(第2回) 藤原委員提出資料

国立女性教育会館について

藤原和博 2012-4-14

ただ「維持」のための存続はありえない。縮小均衡は従業員のためにならない。

>選択1 女性会館として本来の女性の意識改革のための調査・研究拠点として
この場合>>調査研究は大学へ移管、研修は民間委託で文科省直轄に

>選択2「2022年指導的地位につく女性3割」を戦略的に実現する主体として
この場合>>10年で50億円を最もレバレッジ効果の高い施策に投資すべき

結論

「男女共同参画」という抽象表現ではなく「2022年指導的地位につく女性3割」を目標にアクションすべき。成熟社会に入った日本の「多様化」が根っこから進めば達成可能。ただし日本には本質的な阻害要因が3つあるから、これを叩く。

阻害要因1

学校教育が「正解主義」。この「正解主義」が社会に蔓延して、会社や公務員の組織の世界では、男性的「前例主義」「事勿れ主義」とが三位一体に。

>>小学校で1割、中学校で3割、高校で5割、大学で10割、正解主義ではない教育カリキュラムを。複眼思考を獲得し、他者を多面的に捉えリスペクトさせるためにはディベートやブレストをくり返すことが必須。教育メソッドをワークショップ方式に移行させ「クリティカルシンキング」技術を習得させる国家目標を定める。

阻害要因2

やはり学校教育の影響が強く産業界も「みんな一緒」が行動規範に。

>>「それぞれ一人一人」の仕事時間をずらせば女性の多様な働き方も認められる。ネットはそのための技術でもある。産業界にはみんな一緒に稼働する悪癖が残っており、時間をずらすだけで電力消費のピークもセーブできる。サマータイム、15時まで勤務、水木休日など多様に。まずは、連休・夏休みをずらすべし。

阻害要因3

40代からの50年間のライフデザイン観が不在。学校では教えない。

>>「坂の上の雲」のような明治の男たちのイメージを引きずっているため、男性を中心に40代をピークとする富士山型一山主義の人生観が支配している。組織の山を登るのではなく、後半に八ヶ岳連峰型の人生をイメージできれば、NPO・NGO・コミュニティでの活動を含めて女性を中心とした社会が広がることが分かる。

>>>これらは、日本人にとって「宗教改革」ともいえるような革命だから、国家目標として宣言されなければならない。換言すれば、「みんな一緒の正解主義」を改め、義務教育のカリキュラムから再編することである。ただし、つくば教員研修センターのケースと同様に、施設をどう有効利用するかの問題は残る。

以上

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生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)