令和6年5月28日(火曜日)13時~15時
文部科学省内及びオンライン
議題1:消費者教育推進委員会における検討内容の公開について
資料2に基づき、事務局より「消費者教育推進委員会における検討内容の公開」について説明を行い、委員から承諾を得た。
議題2:令和6年度文部科学省の消費者教育関係事業について
資料3-1および資料3-2に基づき、事務局より「令和6年度文部科学省の消費者教育関係事業」の説明を行った。また、資料4に基づき消費者教育フェスタの方向性についても説明を行い、委員からの主な意見は以下の通りいただいた。
【上村委員長】 この消費者教育推進委員会は、1年間で3回実施するか。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 今のところ、年3回を予定している。
【上村委員長】 3回目では、フェスタやモデル事業も済んだというところで、報告となるか。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 最後は、全体の事業の報告と、来年度の方向性について御議論いただく。第2回は、ある程度、事業の委託団体などが決まっているので、団体が行っている事業について紹介するとともに、御意見も頂く形になっている。
また、今年度は取組状況調査を行うので、調査設計について、皆様から御意見を頂くことを考えている。
【上村委員長】 具体的にこういう方向で今年はやりたいということがあれば、今の段階で御意見を頂きたい。
それから、フェスタの公募についても声かけの方法など、あれば遠慮なく御意見を頂ければと思う。
【あんびる委員】 今までのフェスタで、どのような団体から応募があったのかと、その応募件数を教えていただきたい。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 令和5年度は、消費者教育センター様と、NPO法人の無花果様という、フリースクールなどを運営している団体で実施している。
令和4年度は、専門学校の平野学園様や、消費者教育支援センター様に手を挙げていただいた。
令和2年度、令和3年度は、株式会社アイフィスという、会議運営などをやっている会社に委託して行った。
令和2年度より前は、文部科学省が直営で消費者教育フェスタを行っていたので、委託して実施する形になったのは令和2年度以降になっている。
【上村委員長】 コロナ禍の中、オンラインで開催するなどやり方を変えたこともあって、委託という形が定着したが、いかに定着させるかというところで工夫が必要になっている。
【あんびる委員】 NPO法人や専門学校の場合、運営がネックになってくる。このような一大イベントを運営していくにはノウハウが必要なので、そういったノウハウがある広告代理店などに対するアプローチもしたほうがいいと思う。広告代理店にも、教育関係をやりたいところがある。例えば、消費者教育の教材を札幌市と作成する際に手を挙げたのは、地方に拠点のある広告代理店だった。そのときに担当者と話した際、今、地方の広告代理店は、教育関係に踏み込むことを検討しているという話を聞いた。
【大久保委員】 方向性の黄色のマーカーがある1番のところだが、情報モラル教育を小学生、中学生、高校生にする中で、上から目線で「危ないから」というやり方だと、「また、この話だ」となるのをすごく感じている。「こういう危ないことがあるから気を付けましょう」ではなくて、例えば、何でグーグルは無料で見られるんだろう、ユーチューバーはどうやって稼いでいるんだろう、PayPayは便利だけれどもどうなんだろう、ゲーム会社はどうやってもうけているんだろうとか、子どもたちの興味関心があることに、前向きにアプローチをしていくと、参加したいな、聞きたいな、知りたいなとなるのかなと感じている。あとは、テレビ番組のカネオ君のようなアプローチが楽しく聞けていい。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 どのようにすれば授業でうまく関心を持っていただけるかというところも踏まえ、フェスタの中身を作っていけると良いと思う。
【島田委員】 あんびる委員がおっしゃったように、以前は広告代理店を通しての企画もあったと記憶しているので、広告代理店等に声をかけていくというのは大事だと思う。
消費者教育学会の先生方にいろいろお伝えいただくぐらいのアイデアしかなくて恐縮だが、そんなところが考えられる。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 学会のほうには大藪先生にも御協力いただいて、周知などはさせていただいているところ。
【上村委員長】 金融系も動き出したところで、学会が事業者と連携していろいろな発信をするところもある。情報系も、学会の先生方が、理論だけでなく実践もみたいな感じで動かれる方たちも増えているように思うので、そこと連携ができるといいかもしれない。
【白上委員】 先ほど、あんびる委員が公告代理店を挟んでという話があったが、メリット、デメリット、それぞれあると思う。費用面で折り合いがつくのかというところもあるし、基本的に広告代理店なので、広告というところの趣旨がどうなのかという観点。いろいろな考えの企業があると思うので、折り合いが合うかどうかというところは、一つある。
一方で、今までの消費者教育フェスタは、基本的に教育に関連する団体などが受けて、教育的な知見や経験を持っているところが学校や行政をつなぐパターンが、ずっと続いている。このパターンで行くのか、今までにはないやり方、アウトカムを考えていったときに、文部科学省が一番遠い企業をどう巻き込んでいくかという点では、今、いろいろな企業が、環境やエシカルといった分野に取り組んでいるので、むしろそういった企業にあえて情報提供をすることで、うちもCSRでやってみたいと思われるかもしれない。
例えば地方のスーパーマーケットでも、グリーンコンシューマーを増やす活動を積極的にやっているところは、かなりあるし、全国規模のスーパーマーケットは当然やられているので、そういったところが音頭を取って、社会全体をどう変えていくかというような、ソーシャルインパクトの観点から逆算していく発想も、そろそろあってもいい。
ある程度、いろいろなプログラム、取組がされてきて、様々な知見が出てきたので、今度は逆の観点から、民間企業が持っているリソースを、学校や地域社会にどう還元していくかという発想でのフェスタもあっていいのかなと。
ただ、ある程度、既に教育的な取り組みをしていて、地域の学校や子ども達とも顔の見える関係性やつながりのあるような企業のほうが、いいんだろうなという気はしている。全く接点がないと、なかなか実施は難しい。探せば幾つか出てくるはずなので、そのようなアプローチ方法も、一つあってもいいのかなと思った。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 民間企業との接点がなかなかないので、どうアプローチしていくかというところはあるが、個別の企業というよりは、取りまとめをされているような団体に、一度当たって紹介いただくという形もあるかと思う。
【白上委員】 業界団体は必ずあるはず。今回の委員会に消費者庁が来ているが、消費者教育の中で文部科学省と縦割りの行政をつなぐそういった連携を行っていくというのが、次のステージとしてあってもいいのではないかなという提案。
【島田委員】 社団法人のACAPという消費者教育推進会議の委員なども出していらっしゃる団体があるので、そういったところにお声かけするのも一つあると思う。
【杉浦委員】 先日、文科省から専修学校で手を挙げる学校はないかという声がけは頂いたが、正直なところ、やはり企画運営をするとなると非常にハードルが高く、なかなか私が知っている学校も御紹介しにくいところはある。
なので、協会などを通じてお話ししていただいたほうがいいということはお伝えしたが、例えば、教室など場所として学校を貸すという協力はできると思う。
私の学校だと新宿なので、そういうところでよければ日程次第で使っていただくことは可能かなと思う。 あと、今まで消費者教育フェスタを見てきて、まず、「教育」という言葉がすごく硬い感じがすると思う。私たちは私学なので、例えば、入学案内書などを作るときに、堅くすると堅い子が来るし、軟らかくすれば、軟らかい子が来る。どういう子に来てほしいのかという中で、どういう言葉を使うかということをやる。今は、「教育」という言葉を使うとなかなか響かなくて、「学び」とか、少し軟らかくした言葉を使ったりする。消費者教育も、今まであまり触れていないし、消費者教育自体にそんなに興味がない方でも、何か面白そうだなとか、イベントそのものに参加してみようという気になるような発信ができると、また違うと思う。
今、オンラインでもやっているので、非常に多くの方が参加しやすくなっているが、そもそもそこに興味を持っていなかったら響かない。1回踏み込んで参加したら、面白かったとなると思うので、参加するところを工夫できると良いと思う
【松葉口委員】 企業ということで言えば、内田洋行が大規模なものをやっていて、ああいう形もあるのかなと思う。また、先ほどの大久保委員からお話が出ていたカネオ君のパターンもすごくよくて、学校現場に特化すると、探究学習と消費者教育をもっと結びつけて、そこを強調して「消費者教育」と言ってしまうと、マイナーな感じがする。そういう特別なものではなくて、実は教育のメインストリームに置くと、子どもたちはみんな消費者なんだから、すごく探究学習がやりやすい。そういうアプローチがうまくできないかなと思いながら、具体的な案はなかなか思い浮かばないが、探究と消費者教育を結びつける感じ。
取組状況調査のところ、力を入れたいところとして「学校教育」というパーセンテージがすごく高かったと思う。今のベストだと、対象者は広くいろいろな方々にという形だと思うが、場合によったら、対象者をフォーカスする分科会のようなものがあって、同じようなことをやっている人たちの悩みなどを共有できるのもありかなと思う。
突拍子もない話だが、NHKエデュケーショナルで消費者教育の番組などを作れないだろうかと。これはないものねだりで申し訳ないが非常によくできているなといつも思っているので、ああいうものがあると学校現場も使いやすいし、広がるだろうなと思った。
【柿野委員】 今のお話を聞いていて、やはりこの中で企画を練っていくとすごく面白いものができるのではないかと思う。なので、民間に委ねる部分もいいと思うが、1本は何か文科省が特定のテーマでイベントを企画して、広告代理店にも声をかけられるよう予算を大きめにするとか。何か少し工夫してここのメンバーのアイデアをまとめ、会場は杉浦先生の学校をお借りしてイベントを開催するとか、そういうこともできるのではないかと思った。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 オンラインの配信の関係など、昨年度より若干予算を上げたとはいえ、確かにおっしゃるとおり、まだまだ予算が手を挙げづらい要素になっているかもしれない。ここは、我々も頑張らないといけないところだと思う。
なかなか文科省も体力的に直営でやることは難しいところもあり、民間にシフトしていったという部分はあるが、改めて予算額の規模感や、より皆さんのアイデアを踏まえたものが直結できそうということであれば、そういった道も考えていくところはある。
【須黒委員】 この委員会で何年も課題になっている、消費者教育はどこでも何でもできるんだよということを、なかなか皆さんが理解していただいていない。学校でも、先生がこれも消費者教育というのを提示することで、これも消費者教育をやっていたのではないかという気づきがあったということと全部連動しているように見えてきた。
今回、方向性を具体的に示していただいたが、大久保委員が言ってくださったように、こういった視点で興味を引き結びつけていく。啓発をやるときには、今日の受講者は何に興味を持つかというところから必ず入るわけで、そこから入っていくといいのではないかなというのが一つ。
それから、柿野委員が言ってくださった、ここでというお話の中で、、文部科学省は、他部署を使っていただくと集客できるネットワーク持っていると思う。そうすると、昨年度も教育委員会に一言かけたら、学校の先生が来たという会のように、人は集められるのではないかなと思った。
去年の無花果さんがよかったのは、Fundaさんの会計クイズを解くとか、ユーチューバーの方とかが出てこられて、それまでになかった、新しい切り口だったなという思いはあったので、今日出てきた方向性で進められるのではないかと思った。
【樋口委員】 令和6年度については、この公募要領で行くということだが、今回、エシカル消費、インターネット、それから、金融経済教育、かなり踏み込んだ形で例示をされている。そうすると、ここも消費者教育なんだというところが見えてくる。どのようにアプローチするかはまた別の問題だが、それを踏まえて今年度手を挙げていただいて、公募で最終的に採択された団体がすばらしい実践をなさっていたら、来年度公募要領の例示の中にそれを入れ込んでいくというのも、一つありなのかなと思う。
その際、例示の書きぶりをもう少し柔らかい表現にするとか、さらに、ここに消費者教育の課題や方向性とあるので、今年度実施する取組状況調査で出てくる課題をここに入れ込んでいくと、裾野も広がりつつ、水かさも増していくのかなと思う。
【あんびる委員】 柿野委員のお話を伺って、企画と運営を分けたほうがいいと思った。企画だけであれば、専門学校に考えていただけて、場所もある。金額の問題も、当日の運営だけならば抑えられるのではないか。地方の代理店に当日の運営だけをお願いする。企画は各学校単位で考え、私たちももっと関わったりすることができる。企画と運営を切り離して考えていくのも一つの方法であると思った。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 既存のやり方にとらわれず、広く頭を柔らかくして、こういうアプローチもあるな、こういう方法もあるなというところを、もう一回考えていってもいい。
今年度できるところは今年度やっていく。今年度は少し難しいなと思えるような部分が出てくれば、企画を分ける、会場はお借りするとか、うまく形をつくってやっていくのも、やり方としてあると思う。
【上村委員長】 手を挙げてるところまで行かなくても、今年の公募要領を見て、これぐらいの金額だったら何がやれるかなと、考えていただき、文部科学省に問合せて説明だけでも聞いてもらう。
そうすると、今年は無理だけれども、来年、もう少し使い勝手がよくなったらやってみたい、これだったらやれるというのを、受けてくださる方に1年かけて準備をしていただく。今年度の3回目の委員会では、そういう方たちの御意見を聞きながらバージョンアップした内容にできるよう、、皆さんで検討していただくのもありかなと思う。
議題3:令和6年度 消費者教育に関する取組状況調査について
資料4および資料6-1、6-2、6-3に基づき、事務局より「令和6年度 消費者教育に関する取組状況調査」の説明を行った。特に、客観的な回答が可能な選択肢の検討、調査の先に目指す消費者教育の姿の整理、回答者が消費者教育の新たな視点に気づけるような構成、調査項目の精選、事例調査先、連携・協働の定義、調査方法、調査結果の活用方法を議題とし、委員からの主な意見は以下のとおりいただいた。
【上村委員長】 教育委員会や大学に文部科学省が調査をするということは、民間がやるのと違って回収率が高い。分析のイメージがあって調査をすれば、活用してもらえる調査ができるのと思うので、御意見を頂きたい。
11月に2回目の消費者教育推進委員会をやる頃には、終わっているぐらいのイメージか。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 6月いっぱいかけて調査項目についてはしっかり整理する。調査項目を委託先に考えてもらうというよりは、我々のほうで考えた調査項目について調査をしてもらう形で考えているので、請負に近い形にはなる。7月には公募を開始したいので、6月中には、ある程度こういった調査内容、項目でというところを整理したい。公募が決まれば、そこで少し手直しができるところがあると思う。
【上村委員長】 そういう流れなので、やはり意見を出すなら今が言い時。分析、公表、活用の仕方に関しても、イメージがあったら、御自由にお出しいただきたい。
【松葉口委員】 令和3年度にこの調査を答えた記憶がある。これ調査が来るということは、文科省は消費者教育に力を入れているんだなということが伝わるので、調査が来たことだけでも意味があったと思っていた。
ただ、結果のお知らせが来たか、調査がどのように生かされているかが分からなかったので、それを単純に知りたいということがる。そういうことを繰り返していくと、もっと大学内でも浸透していくのかなという印象があった。
あと、これを見て、あっ、こんなに項目が増えていたんだと思った。
【上村委員長】 自分たちの回答や他との比較を見る機会があれば、当事者意識が出てくるところはあると思う。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 大学は、令和元年度は高校の教職課程に関する質問しか聞いていなかったものを3年度は小学校・中学校の教職課程についても聞いていて、その部分が少し増えている。
文科省のホームページでは、調査結果は誰でも見られる形になっているが、それで終わってしまっている。あとは、我々の消費者教育がどれだけ進んできたかという指標になっているので、そこで活用している状態だと思う。
前段でお話のあった、消費者教育とは何かをもう少し理解いただけるようなところを最初に書き込む必要がある。
【松葉口委員】 例えば、消費者教育でどんなことをやっていますかみたいなことでもいいのかもしれない。そういうのがどこかに入っていると、あっ、この人はそういうことで、こう答えているんだなみたいのが分かるかなと思ったり。
あと、事例調査のヒアリングについて、平成28年の横浜国立大学は、私のところでやっていただいたが、選定の仕方がよく分からなかった。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 平成28年だと、委員会で選定しているのではないかと思う。
【松葉口委員】 この調査自体が、何を目的としてどう生かされているのかがよく分からないまま、みんな適当に答えている感じだった。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 まさに事例調査のところは、いい取組を広げていく趣旨があると思うので、我々も出来上がったものを分かりやすく伝えていく発信の仕方は、今後より大事になってくると思っている。
【あんびる委員】 今年度からは、金融経済教育推進機構の発足を加味した項目を検討しなければいけないということが、まず一つ。先ほど、松葉口先生がおっしゃった、消費者教育とは何ぞやというときに、消費者教育は広く、金融経済教育も一部内包しているので、選択肢の中で何をやったかを問う調査はとても重要だと思う。
それから、「金融広報委員会との連携強化」について、機構や地方の金融広報委員会との連携が、1回ゲストティーチャーが来たことをもって連携と言うのか、連携のデフィニションを明らかにしておかないと、少しデータが狂ってくると思う。
【上村委員長】 金融広報中央委員会は、確かに解散したが、それぞれの都道府県に金融広報委員会という名前で、県庁や地銀、支店の中などに残っている。それがどういう形で活動していけるのか、連携・協働の情報をきちんと把握し、消費者教育の中に金融教育が入っているという視点で調査を継続できるようにするのは、今度の調査において大事な視点と思われる。
【島田委員】 私もそのことは大事だなと思って、結局、聞き方の問題。一つの聞き方としては、消費者教育の推進計画が定められているのであれば、その中環境教育なども含めた関連教育の中で、金融経済教育との連携で何か記載はありますか、みたいな聞き方はあると思う。だが問題は、それを教育委員会に聞くのかというところがあり、地域の推進計画自体は消費者行政部局が担当になるので、なかなか難しいなと思う。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 最初に、自治体の教育振興基本計画に消費者教育に関する記載があるかという聞き方はしているが、消費者行政部局、首長部局のほうでつくっている推進計画に関する聞き方にはなっていない。
【島田委員】 そこら辺が何かごちゃごちゃしているところがあって、地域協議会を設置したかなどもあるが、その地域協議会に対してどんな役割を期待するかみたいな、問3、問4辺りは、むしろ首長部局になる。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 ここは作業部会でも少し御意見を頂いたが、地域協議会について、教育委員会に認識していただく趣旨でも、こういった項目が入っていると、地域協議会とは何だろうと考える、というお話があった。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 説明が少し不足していたが、教育委員会に対しては、1つ目のところで、首長部局の行政部局や、団体企業との連携を聞いている。
2つ目で、社会教育関連について聞いていて、学校教育以外の成人の教育、いわゆる社会教育の中で消費者教育はどれぐらい取り組まれているかについて聞いている。
3つ目は、学校教育関連の取組について、この中で消費者教育の関係で教職員の研修などを実施しているかなどにも聞いていた。
最後が、今後の教育委員会の対応について、課題として考えていることなどを自由記述にしていて、重点的に行っている取組のところで、消費者教育の充実も、今後の対応のところで聞いている。
【島田委員】 成年年齢引下げに関して大きな3の問2で聞いているので、その後に付け加えて、金融経済教育の強化が求められる中でそこに連携した取組があるのか、トピック的な聞き方はあるのかなと思う。
【上村委員長】 これに関して、作業部会のほうは、もう一回ぐらいあるのか。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 今のところ予定はしていないが、本日の御意見も踏まえて、調査項目を設計していく上でもう一度、御意見を頂くことはあるかもしれない。
今は、まだ調査の項目が整理されていないので、そこは一度、作業部会でも御意見を頂きつつ、最終的には委員の皆様からも御意見を頂く形になると思う。
【上村委員長】 実際に調査を業者さんにやっていただくのに公募をかける時期もあるし、その後の調査結果の広報にしっかり力を入れたいので、今日頂いた御意見を基にして、また作業部会の先生方の御意見も聞いていただいて、公募をかけていただくことになる。
このタイミングで、今日、言っておきたいことはあるか。
【松葉口委員】 大学のほうだが、令和3年度のローマ数字3の「他機関との連携状況について」で、「学生の消費者問題に関する対応について」とあるが、これは消費者問題限定になってしまう。例えば、消費者問題、あるいは消費者市民社会の形成など、そういうものは入れられないのか。
ここで、消費者教育イコール消費者問題に関する対応だけというイメージを与えてしまう気がして、推進法の中で消費者市民社会の形成を含むとなっているのに、また昔に戻るような感覚になってしまうと思った。
【白上委員】 アンケート項目は、この流れでいいと思うが、学校現場では先生方が非常に多忙である。何が忙しいかといえば、地域のコミュニティ、あるいは保護者間で解決するような内容が、全部教員を通していかなければ解決できない現状がある。
あと、発達などで、どうしてもケアが必要な子どもたちの割合が多くなってきている。そういったことは、個別対応でやっていかなければいけない中で、たまたま生徒数、児童数が少ない学校であったり、加配があって人数的に余力のあるところだったりすれば、こういった取組は積極的にできるが、なかなかそういう状況ではない。クラス数、児童数も多い。あるいは様々な理由で十分人手が足りていない現状の中で、環境教育や国際理解教育をやらなければいけない、うちの学校だと多国籍の子たちがいるから、こういうこともしなければいけないとか、目の前の子どもたちが抱えている課題の対応に追われている。その中で教材研究に費やす時間が十分とれないというのが、もうベースとして日本全国にある。例えば、たまたまそういったプロジェクトを熱心にやっている学校と、同じ自治体の中でも中々そうなっていない学校の乖離がますます広がってきているのが現状だと思う。
この内容を見たときに、やはりアンケート調査の実施はとても大事だし、内容面で見ても全くそのとおりだなと思いつつも、このアンケートが消費者教育という分野の中で、教育委員会に下りてきて、また学校の中にそれがプレッシャーとして下りてくるということもなくはない。これを人手不足の中で、どうすればいいんだろうなと思いながらも、でも、地域住民の方々にもっと学校に関心を持ってもらうことが、今、必要なことなんだろうなと。
今日のキーワードで連携・協働という言葉がずっと出てきていた。そういう意味では、コミュニティ・スクールが平成29年に努力義務になったが、全国の学校数の割には中々進められていない。それは地域との連携・協働が十分できていないから、すっといけないという現実がある。例えば近江八幡の事例のように、きっかけとしてやることによって地域が巻き込まれていくということがある。何かもう少し大きな概念というか、これをやると根本的な問題が一筋の光として切り開かれていくみたいなことを念頭に入れながら、学校に下りたときにどういう影響を及ぼしていくのかも想定しながら設問を考えていく必要があると思う。
連携・協働というのはすごく大事だが、一方で、連携・協働ができていないコミュニティにおいては、ものすごく負担である。
だけど、現状として、子どもの育ちにとってはとても大事で、効果的な取組であることをうまく理解した上での文面、例えば、消費者教育ではなく他の分野でもいいから、何かほかに連携・協働しているものはないかあえて聞いてみる。そうすると、連携・協働をどれぐらい教育委員会として進めているのか、あえて消費者教育という枠を外した設問を入れてみる工夫をしてもいいのではないか。言っていることはとても真っ当で、大事なことだが、置かれている現状もあるので、そこをどのように紐づけながら、文面や設問を考えていくかはとても大事だなと感じた。
【上村委員長】 柿野委員、参考資料2の説明を。
【柿野委員】 部会のときにも、この調査の先に目指す消費者教育の姿の整理が必要ということを申し上げて、今、白上委員のおっしゃったこと、うなずきながら聞いていた。先ほど、松葉口委員も、消費者教育を真ん中に据えればいろいろなことがつながって、生徒一人一人が消費者であるところから出発するということで、いろいろなことが解決していくというお話もあったように、そういうメッセージを発せられる調査もいいなと思った。
参考資料2のリーフレットについては、近江八幡市で子ども真ん中、子どもを中心に連携・協働をつくっていくと、いろいろな人が応援してくれたり、関わってくれたりして、すごくいい連携・協働の姿が少し見えてきたかなというところでつくっているので、また後ほど御覧いただけたらと思う。
【上村委員長】 リーフレットの作成にあたって、第三者評価でソーシャルキャピタルと言わせていただいたが、これはとても大事。今、言ってくださった、消費者教育は単に子どもたちの教育ではなくて、地域の人のつながりをつくっていくものになるということを、近江八幡は非常に丁寧に時間かけてつくってこられた。
このリーフレットは、消費者教育支援センターのホームページで見られるのか。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 文部科学省のホームページでも見ることができる。
【柿野委員】 教育委員会と消費者行政のほうにはお配りしている。
【上村委員長】 これは、一つ一つのつながりがきちんと消費者教育をつくっていけるかということや、地域やつながりをつくっていく消費者教育が、今、可能性として非常に求められていることを、皆さんと共有できたのではないかなと思う。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 白上委員のお話は我々も本当に重要だと思っている。ただ単に調査して聞くだけではなく、この調査の先にある姿というお話があったが、答える方の立場になったときを考えて、見据えて、調査をやるに当たって、いろいろ考えていかないといけない。
だから、最初に、この調査とはみたいなところをしっかり書くということもあると思うが、今回はそこを意識して調査の設計をしてきて、当然、調査の継続性はあるので、同じような形で聞かないといけないところはあるが、聞き方などを変えるところはしっかり意識してつくっていきたいと思っている。
議題4:その他
全ての議題が終了した後、事務局より事務連絡を行った。また、委員から追加の意見があり、以下の通りいただいた。
【大久保委員】 この委員に就任するまで、これだけいろいろな消費者教育のウェブサイトが充実していたり、資料があったり、コンテンツがすばらしかったりというのを知らなかった。皆さんにとってはこれが当たり前だと思うが、もったいないなと思っている。この委員就任の機に教育委員という立場で、消費生活センターの担当の方、教育委員会の学校教育課の方と、今、どういうことをしているのかを話し合ったら、皆さん知識などを持ち合わせているが、それがつながる場所がないと感じた。
長岡市のGIGAスクール構想の取組で、子どもたちに配られているタブレットを開くと、教育情報プラットフォームが開くようになっている。ここに消費者庁さんがつくったVRのコンテンツを載せるとか、消費生活センターが持っている知識を載せるとかは、結構簡単にできるよね、そこで何かやれそうだね、という話になったので資料を皆さんに持って帰っていただきたい。
学校は何とか教育をいっぱいしなければいけないが、キャリア教育や情報モラル教育の中に消費者教育を入れることはできると思う。本当に小さなことでも、どこかがつながればすごく前に進めるというのを、この間感じたので、この事例を参考にしていただきながら、皆さんにもこれを広めていただきたい。それぞれの立場でできることを持ち寄る場があることが大事かなと感じた。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 つながるというのは、生涯学習の中では非常に重要なテーマであって、斜めの関係ではないが、いろいろなところをつなげていく中で、また新しいものが生まれていくことは本当にあって、そういう場のきっかけをどうつくっていくかは非常に重要なので、しっかり意識して、また実践が大事だと思うので進めていきたいと思う。
【島田委員】 先ほどの資料3-1の文部科学省としての事業の御説明の中で、事業内容として幾つか項目があったが、あんびる委員からもお話があったように、やはり金融経済教育と消費者教育の連携の問題が極めて重要になっている中で、ぜひ文科省としても、ここを少し押し出していただけないかと思っている。
やはり金融経済教育推進機構を中心にやっていくんだという枠組みになっているが、そちらから連携という話は決して出てこない。内々でどうやるかという話になってしまうので、そこだけになってしまうと、お金は何のためにあるのとか、何のためにお金を稼ぐのとか、そういった根本的なところから入らなければいけないはずが、将来これだけお金が必要ですねみたいなところから入って、さあ、どうしましょうみたいな、そこから進んでしまうようになってくるので、何か主客逆転みたいな話になってしまう。だから、そこの連携をぜひ重視していただきたいなと強く思っている。
【柿野委員】 文部科学省の消費者教育推進係は、消費者教育や金融経済教育を現場でどうやっていくかという、いろいろなことをトータルで窓口になっているところだと思う。今日、来られていない萩原委員もおっしゃっていたが、これから先に目指す消費者教育のメインストリーム化が、消費者教育推進係が担当しているからこそできるというか、次のステージを見て進んでいきたいなという気がした。
【上村委員長】 消費者教育のメインストリーム化は一番大事なところ。確かにそれを今、やらないといけないタイミング。当事者意識で、ちゃんと金融教育も、消費者教育の設計もやるための核になれるところだと思う。
男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者教育推進係
電話番号:03-5253-4111(内線2260)
ファクシミリ番号:03-6734-3719
メールアドレス:consumer@mext.go.jp