令和6年9月30日(月曜日)13時~15時
文部科学省内及びオンライン
議題1:令和6年度成年年齢引き下げを踏まえた効果的な消費者教育実践モデル構築事業について
事務局より事業の説明を行った後、国立大学法人奈良国立大学機構、公益財団法人消費者教育支援センターより御説明いただいた。説明及び委員からの意見等は以下のとおり。
【奈良国立大学機構】 昨年度も「大学生と市民が「学び合う」ことで実現する地域・世代を包摂する消費者教育モデルの展開と構築」ということで受託したが、今回は、やはり継続性というものが重要だと考え、ほとんど同じタイトルで「再構築」とした。
昨年、奈良女子大の学生を中心に、成年年齢引下げをきっかけに全世代対応の実践的なモデルを構築したらよいのではないかと考えて、事業を展開した。
令和5年の事業で明らかになった課題としては、まず第1に、消費者啓発事業一般に共通する課題として、市民にどういうふうに関心を持ってもらうか。2番目に、一般消費者の消費者問題へのコミット。来てもらったとしても、どう継続させるかという問題がある。さらに、3番目は、児童、生徒、学生はもちろん、特に高齢の消費者のニーズに合致した活動ができているか、ということを反省的に踏まえていく必要がある。
ということで、今年も地域の教育・行政・NPO等との連携ネットワークの維持発展を図っていきつつ、一般消費者を消費者教育に導く入り口機能を強化していくということをまず重視する。それから、地域の人々の真のニーズに対応した新たな消費者教育の実践的モデルというものの構築を目指し、さらに、その効果を一層高め、高い汎用性を持たせていくことを目指していこうに考えている。
今年は、消費者・情報教育コンテンツへの展開を新しい視点として含めている。昨年、地域で話を聞く中で、高齢者なども、決してデジタルデバイスを使っていないわけではなく、SNSもやっている。ただ、使いこなすことが難しい、被害に遭いやすいということをいろんなところで聞いた。消費者の教育とは情報教育と不可分であるという認識を深め、消費者教育コンテンツだけではなく、情報教育コンテンツという意味合いも持たせていこうと考えた。スマートフォン等情報通信デバイスやSNSの活用方法を地域の人々と大学生が共に実践的に学べる機会を創出していく。消費者教育と情報教育を統合した、消費者・情報教育コンテンツを開発していくということを、生活情報学コースの教員、学生、さらに、地域の適格消費者団体、生協、奈良県など、地域の消費者教育にこれまで携わってきた各種団体等のネットワークを活用して、進めていく。この事業の終了段階では、新しく、かつ汎用性の高い消費者・情報教育モデルを提案していくことを目指している。関係学会やシンポジウム、フォーラムなどでインプットをしつつ、さらには成果をそういったところでも発表して、内容のブラッシュアップを図っていきたい。
今、いろいろと動き出しているが、まず、情報を得ていこうということで、発達障害学会に参加する。発達障害に限らないが、何らかの障害を持っている方というのは、消費者被害、悪質商法等や特殊詐欺等のターゲットになっている現実もあるので、そういった視点をビルトインしていかなければいけないと思っている。それから、消費者教育学会にも参加する。
関西だと兵庫県が先進県になっているので、明日、学生と一緒に兵庫県立消費生活総合センターを訪問し、意見交換及び先方の活動の実績を教えていただいて、活動に応用していこうと考えている。実際どこでやるかを、実施場所の自治体や学校と調整が必要なので、現在、それを進めている。奈良県の一条高校や、奈良女子大の附属中等教育学校、奈良県消費生活センターとの連携を今進めている。
具体的に決まっていることとしては、ならどっとFMという地域のFM放送に、私たちの学生の団体、BEACSが消費生活センターの所長さんと出演して、啓発番組を担当する。これはネットでも配信するということで、今、計画している。
それから、双方向的に生徒が完成させるような学校向け啓発リーフレットのデジタル版を作ってみようと思う。学校だけではなく、一般社会人、高齢者向けといった形で、ただ提供するのではなくて、一緒に作っていくことを考えている。例えば、学校だったら学校の生徒や先生が登場人物になる形で、興味を持たせ、なおかつ、その内容についても、ただ単に受けるだけではなく、クイズに答えるような形で最終的にリーフレットが完成させられるというようなものを考えている。
あとは、啓発ゲームのコンテストを、民間の事業者などに声をかけて協力関係を構築して、できればいいのではないか。あるいは、個別の学校とか地域単位で実施することになるかもしれないが、例えば3-2-2の自分たちが双方向的に作ったリーフレットをコンテストに出して、入賞したものに関しては、地域の公民館とか交流施設などでそのゲームをやってみるというイベントの開催を考えている。
さらに、放送大学奈良学習センターさんとも連携し、こちらは比較的高齢層の参加が多いので、ここでの啓発事業の実施。あと、具体的には、生駒市、御所市、奈良市、東吉野村等々、都市部と中山間地域、双方で事業を転換していくということで、調整を進めている。
【白上委員】 ちょうど今日出かける前に、パソコンのウイルス対策ソフトの更新案内が来た。そもそも自分は、そのソフトがパソコンに入っているかもよく分かってなくて、調べたらどうやら入っている。ダイレクトメールで案内が来ていて、ネットで登録してクレジット決済になっている。これ、詐欺なのか、本物なのか、よく分からない。私自身のソーシャルキャピタルを活用して、セキュリティー対策をやっている友人にアドバイスをもらった。
明らかに消費者被害を受ける社会的弱者と思われる人が一定数いることは確かだが、今回提案された全世代型、実は、あらゆる人たちにとって、もはや目の前にあるものの売り買いではなく、例えば青少年だとゲームのアプリなど見えないものの、しかも記憶が不確かなものに対しての消費者のやり取りが起こる時代になってきている。この難しさ。
話が飛ぶが、おととい、名古屋はちょうど65年前に伊勢湾台風で大きな被害があり、その祈念の場で、防災イベントをした。その際、子供たちに防災について教える形で紙芝居をする。そこに連れてきた保護者の方たちも一緒に学んでもらっている。防災の取組は、大人も意外と知らないことがある。それと同じ形で、社会的に弱い立場の方々に教えるけども、地域コミュニティ全体がはっと気づかされるような仕掛けの仕方。学生さんも、教えるという立場だけども、実は教えながら学んでいく。あるいは、参加しているおじいちゃん・おばあちゃんと同居の御家族であるとか、そういう巻き込み方をしながら被害を防いでいくという仕掛けづくりをされるといいのではないか。ちょうど今朝、自分自身感じたことがあったので、一言添えさせてもらった。
【あんびる委員】 消費者問題研究会に参加されている学生さんの学年と人数を、おおよそでいいので伺いたい。
【奈良国立大学機構】 あまりかっちりしたサークル活動にしてしまうと学生さんが逃げてしまうので、比較的緩やかなつながりで活動している。コアメンバーで言えば、大学3年生が8名、9名、4年生が5名ほど、1、2年生は少ないが、それぞれ2、3名ずつといった形で活動している。生活文化学コースの学生が大分ではあるが、理学部の学生なども入ってきてくれている。
【あんびる委員】 今、消費者団体は次世代の担い手が減っている。ここで学んでいろいろ経験した学生が、その後、OGになっても関わりを維持し、いずれ消費者団体を支えていってほしいという個人的な希望がある。4年間の学生時代だけで終わらないよう、その後の継続性というモデルも念頭に入れていただけるとありがたいと思う。
【奈良国立大学機構】 卒業生は、公務員が非常に多く、問題意識を持って公務員になっているので、それぞれの自治体で例えば消費者関連の部署・部門に配属されると、その経験を踏まえて活躍してくれるのではと期待している。
【上村委員長】 消費者教育の専門家、消費者団体の専門家育成にもつながる活動ということで、先生の活動には期待するところがたくさんある。現場で意見交換をさせていただけることがあれば、そこでまたバージョンアップをお願いするかと思う。
【消費者教育支援センター(河原様)】 連携・協働を実現する消費者教育推進計画策定プロセスのモデル構築を進めている。
今、地域において消費者教育を効果的に推進していくために、さらに地域の中で連携・協働を構築しながら進めていくために推進計画を策定することはどこの自治体さんにおいても非常に重要になってきていると思う。一方で、計画策定はかなり大変な作業で、消費者行政に関わる皆様も御異動だとかもあって、初めての不慣れな消費者教育を進めていかなければいけないという、いろいろな課題がある中で、計画一つあることによって、効果的に、計画性を持って、お金の部分の算段も立てながら進めていけるのではないかという課題意識があったので、今回は、消費者教育推進計画の策定プロセスをモデル化しようというところで、目的として置いた。
本事業は、山形県の米沢市さんをモデル地域とし、消費者教育推進計画の策定に向けて、消費者教育の担い手、行政の方から、地域で活動されている消費者団体の皆様、高齢者の見守り活動だとか、いわゆる脆弱な消費者の見守り活動を行っている関係者の方々を対象に、アンケート調査、ヒアリング調査、そして関係主体が一堂に会するワークショップという、三つのプロセスを経て、これまでの米沢市における消費者教育の取組と課題を明らかにしながら、消費者教育の推進に向けてよりよい連携・協働の在り方を検討し、推進計画を策定するという流れにしている。そして、計画策定までのプロセスを明らかにすることによって、ほかの自治体でも応用可能な汎用性のあるモデルとして提示していくことを最終目的にしている。
本当に真っさらな地域ではなくて、これまで消費者教育の推進に支援センターが関わってきた、米沢市をモデル地域とした
アンケート調査については、関係主体として、まずは学校を中心とした消費者教育の担い手の方々に対して行うとともに、行政の方々にも現在の消費者教育の取組の状況と課題を把握させていただく調査。これを今後の計画策定に向けた基礎資料にすることを考えている。また、平成26年度もアンケート調査を実施したので、経年変化にも着目しながら、実施していく。現在、調査対象の候補については、教育機関に加えて、行政の関係課に幅広く聞いていくとしている。
そのほかにも、見守りのネットワークの構成団体として、去年10月に米沢市において消費者安全確保地域協議会を設立したので、そこの構成団体にも、現状を把握させていただく。現在の進捗状況は少し遅れ気味だが、調査を収集しているところで、今後集計作業に入っていく。
ヒアリング調査については、消費者教育の担い手の方々に幅広く、現在の連携・協働の現状と消費者教育推進の課題を聞かせていただいた。ほぼ全工程終了しており、今、内容を取りまとめているところ。
ヒアリング調査対象は、資料に示しているとおり。第1回目は、これまで長年、消費者教育の推進に携わってきた方を中心として、聞かせていただいた。第1回目の一番上に書いてある生活安全課が、消費生活センターなどを擁して消費者教育の担当部署となっており、こちらも含めてお話を聞かせていただいている状況。第2回目は、9月19日と20日に実施した。行政の関係課に幅広く聞かせいただき、環境課や、子供に関わる関係課ということで、子育て支援課や、こども家庭課に聞かせていただいたり、キャリア教育の観点から商工課であったり、生涯教育の観点からコミュニティ推進課や社会教育文化課などにもヒアリング調査を行っているところ。米沢市は現在、まちづくり総合計画という市全体の計画も策定に向かっていて、令和7年に策定をしていく算段となっているので、そことの関連性も検討し、政策企画課にもヒアリング調査を行い、消費者教育の推進計画に関してもどのように連携・協働していくのか話を伺ったところ。あとは、障害者見守りという観点から、社会福祉課にもお話を伺っている。
ワークショップについては、第1回目を11月18日、第2回目を12月16日に開催し、ヒアリング調査の対象者など、消費者教育に関わる方々を中心として一堂に会して、今、どういう課題があるのかを明らかにしながら、消費者教育をどのように進めていくか、どのようなことだったら自分たちも関わって新たなこともしていけるのかという御意見を集約して、計画策定の素案の基礎資料にさせていただくこととなっている。
推進計画モデルの構築に向けて、(a)(b)(c)までの調査を踏まえて草案を検討し、次年度に計画の策定ができるように進めていくところ。ただ、この事業に関しては単年度なので、ここまでの一連の流れをモデルとして進めていく予定。
【白上委員】 今回、数多くある自治体の中で、たまたま御縁があった米沢市を選ばれたということだが、それ以外に、特性や特色があるから選んだなど、何か理由があれば、お聞かせいただきたい。
【消費者教育支援センター(河原様)】 消費者教育支援センターがこれまで関わってきたというところが一つである。その中で、まずは学校教育が消費者教育の計画の中では非常に重要なポストになると思うが、教育委員会さんとの関係性は非常に重要になってくると思う。そういった中で、空白の状況の中で教育委員会さんの御理解を得ながら進めていくのは、単年度では非常に困難であることから、これまでの関係性も踏まえて、学校教育の中でも効果的に消費者教育を行っていくためにはどうしたらいいのかを検討するに当たって、やはり米沢市がいいのではないかというところが、一つの理由。
もう一つの理由として、見守りの事業に関しては高齢福祉課が中核となり、地域の中で高齢者たちの見守りをする、消費生活サポーターを育てる事業を長年やっていら。さらには、消費生活サポーターを育てる、消費者見守りメイトという講師役を育てていく仕組みづくりもあり、見守りの担い手を増やしていく観点から、全世代に向けて効果的に消費者教育を行いながら地域の安全を広く守っていく仕組みづくりも消費者教育を進めていく上では非常に重要であると考えており、そういった観点からも、素地のあるところがよいのではないかと考えたので、米沢市がいいのではないかと検討した。
【白上委員】 今まである関係性によって、点と点になっていたものを、今回の調査でもう少し包括的に見るような、そういうきっかけになるといいんじゃないかというお考えで、米沢市を選ばれたと、そういう認識でよろしいか。
【消費者教育支援センター(河原様)】 おっしゃるとおりである。
【柿野委員】 今回、米沢市を選んだのは、今話があったように、関係性があり、10年間続いてた消費者庁の交付金事業があと1年という、終わりが見えてきていた。そこで、担当課長から、せっかく長く消費者教育を続けてきて皆さんにも広がっているので、計画をつくりたいと、向こうから御依頼があった。これまでの交付金の事業の中ではそれだけの予算を持っていなかったので、このモデル事業を活用させていただいて、皆さんにも見える形でお示しするのがいいのではないかと。向こう側はつくる意思がないまま、私たちが乗り込んでいっても絶対無理なので、それはすごく大きな要因だったと思う。
【大久保委員】 これだけたくさんの関係部署が関わると、ビジョンとか理念の共有がとても大事になると思うが、Iの説明だけではどんなビジョンや概念を持たれて進めているのかが読み取れなかったのでお聞きしたいのと、奈良のところでも感じたが、弱者の方と言ったときに、シニアの方とか、障がいを持たれている方というのが出てきたが、今増えている外国籍の方へのアプローチは考えられているのかをお聞かせいただきたい。
【消費者教育支援センター(河原様)】 どういうビジョンを描くのかはやはり、自治体様のほうで明確になっていく必要があるかなというところだが、配属された方が本当に新しく、1年目という方が多かったり、課長さんも2年目ぐらいの方で、ビジョンを固めていくところを一緒に協議をしながら進めているのが現状。これまで行ってきた消費者教育の取組をしっかりと維持していきたい、しっかりと展開していきたいという思いはすごく強く持っていらっしゃったので、そういったところにも寄り添いながら、よりよいビジョンをどうしていくかを大きく置いた上でワークショップに臨み、これからつくっていくことになるかと思う。
外国籍の方へのというところは非常に、弊センターでも課題に感じている。ただ、国籍をお持ちの方の見守りにまで市としてもまだ及んでいないので、今回の計画の中で、明確にどこまで位置づけられるのかはまだ、何とも言いようがないところ。一方で、先ほどのビジョンがまだほわほわしているので、そういったところも観点に含めるべきというところは、お話をさせていただきながら、今後、検討したい。
【松葉口委員】 市の総合計画の中で消費者行政に関わることがあればやりやすいのかと思うが、そこの確認はされているか。
【消費者教育支援センター(河原様)】 現状、まちづくり総合計画も同時並行で策定に向かっており、ヒアリング調査の中で政策企画課の方にも調査の御協力をいただいた際、連携・協働を図っていきたいというお話はさせていただいた。ただ、総合計画としてはあまり事細かに書いていけないところはあるけれども、一緒にどのようなことができるのかは、ワークショップにも御参画いただくので、そのときに一緒に考えていくことを想定している。
【柿野委員】 現在でも、まちづくり総合計画に「消費者教育」という言葉はある。それに基づいて予算化されているところはあるが、教育委員会のヒアリングで、教育振興基本計画の中に消費者教育って入りませんかと言った際、消費者教育だけ入ってくるのは不自然だと言われて、難しそうだなと思っていたら、米沢市はSDGs未来都市になっていて、SDGs推進のための消費者教育は重要だという流れが総合計画の中に位置づいていたら教育振興基本計画の中にもその流れが組み込めるかもしれないというのを教育指導部長の先生にお聞きして、そういう流れをつくりたいなと思っている。
議題2:令和6年度消費者教育フェスタについて
事務局より事業の説明を行った後、公益財団法人消費者教育支援センター、NPO法人熊本消費者協会より御説明いただいた。説明及び委員からの意見等は以下のとおり。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 今年度の消費者教育フェスタは、消費者教育支援センター様とNPO法人の熊本消費者協会様に委託して実施する。参加者募集に当たっては、昨年度と同様に、文部科学省からも、各都道府県教育委員会や私立学校主管課、大学等に対して、事務連絡を発出する予定。
なお、今回、行政事業レビューの点検の中で外部有識者の方から幾つか御指摘があった。消費者教育フェスタのようなイベントは、開催は容易でも、ターゲット層への効果が本当にあったか測定が難しいのではないかということや、教育委員会における消費者教育の取組の推進について必ずしも十分とは認められないのではないか、消費者教育の理解がいま一つであることも一因としてあるのではないかという御意見をいただいている。こうした、ターゲット層への効果が本当にあったかということや、消費者教育の理解、参加されている方の理解が本当に図られているのかという御指摘を受けている状況なので、文科省でも、いかに多くの方に参加していただくのか、知っていただくのかも重要と思い、全都道府県の教育委員会に事務連絡を使って周知する際、オンラインでも開催するので、ぜひ各県から消費者教育の担当者1名は御参加いただきたいということを改めて周知したいと思う。ターゲット層への効果が本当にあったかについては、アンケートも取っているところだがその内容について、また、御相談をさせていただきながら進めていきたいと思う。オンラインで参加されている方も含めて、例えば、今回、フェスタに参加して消費者教育の理解が進んだという声がたくさんあれば、ある程度、フェスタの効果も把握していけると思う。
今年度の各会場におけるフェスタの状況については、各委託団体の皆様から御説明いただきたい。
【消費者教育支援センター(小林様)】 消費者教育フェスタin埼玉では、18歳成人に向けた消費者教育を考えたときに、中学校や高校からではなかなかその学びが入っていかない部分があるので、幼児や小学校の頃から積み重ねて、中学校、高校で18歳という形の学びが重要ではないかということで、「18歳成人に向けた幼少期からの消費者教育」をテーマにした。
幼少期からやるとなったときに何が大事か。当然、幼児なので、難しい言葉を言っても、消費者教育の大事なところが入っていかないと考えたときに、体験がすごく大事になってくるのではないかということで、今回の会場は、彩の国くらしプラザ。資料にも「全国唯一、消費生活に特化した参加体験型施設」と書いているが、実際に子供たちが体を動かしながら消費生活を体験できる施設で、体験・対話を通してみんなで考えようということで、こちらの会場を選んだ。
会場は、SKIPシティというところにある。埼玉県川口市の川口駅からバスで行ったところで、アクセスは若干悪いが、科学館などもあるホールになっている。定員は、会場、オンライン、ともに150名を予定している。できれば今週から申込みを開始しようと思っていて、会場は12月2日まで、オンラインは12月6日まで、受付を行う予定。
今回、埼玉県さんと川口市さんに共催をいただいているほか、いろいろな関係団体に後援をいただいている。今、消費者庁さんが申請中で、確定したらこのチラシも作成するという状況になっている。
資料の右側が彩の国くらしプラザの様子。くらっしーシアターでは、映像とともに向こう側に人がいて、子供たちと対話をする。大人でも、この人、本当に私のこと見えているのかなという状況でやり取りをしながら、SDGsや食のこと、ネットのことを学べる映像になっている。くらっしースクールは、悪い人が訪ねてきたときに対処できるシーンであったり、お買物に行って親から頼まれたものがしっかり買えるかであったり、一つ一つ選んで体験できるものになっている。
プログラムについては、1時から開催するが、それ以前からシアターのほうで映像を見ることができる。基調講演は、汐見先生から「子どもの主体性を引き出す学び~幼少期からの消費者主権を目指して~」ということでお話いただく。この主権というところに、はっとさせられるものがあり、今、事業者から提供されているものに引っ張られて私たちの消費が行われているが、消費者側から、もっとこういったものが欲しいというものをこの「消費者主権」という言葉に表されて、先生から御提案をいただいたテーマになっている。そして、消費者教育推進委員会の委員でいらっしゃるあんびる先生から、「体験型のお金の学び」をテーマに実践のお話をしていただき、その後、彩の国くらしプラザの施設紹介をしていただく。会場のお隣に川口市の市立高校があって、そこの映像部の子たちに施設紹介の動画を作っていただけるか調整しており、その動画を流して、かつ、高校生が来てくれるかもしれないという調整をしている。
施設紹介の後、実際にくらっしーシアターやくらっしースクールを体験したり、様々な団体さんにお越しいただいて、意見交換をしていただける時間を1時間設けている。実際に消費者教育を体験したらどうなるのかを皆さん体感していただいた上で、15時45分からのグループディスカッションで、萩原先生にメインファシリテーターをお願いし、18歳成人に向けた幼少期から始める消費者教育はどうあるべきかを自由に意見交換して、アウトプットしていきたいと思う。
最後に、上村先生から、全体をまとめて、講評、御挨拶となっている。
オンラインに関しては、今のところ、前半の基調講演から施設紹介までにしている。文部科学省より参加の双方向性というお話をいただいたので、事前にアンケートを取り、質問に対するお答えと同時に、オンラインの皆さんから事前にいただいたアンケートを会場の皆さんにも共有しながら、最後、交流に入る前に、今までの話を聞いて皆さんはどうでしたかという形で、会場の方たちには挙手で、オンラインの方たちには質問に対してオンラインで投票していただき、その結果を会場と共有することを考えている。なおかつ、なかなか実際の会場の内容をオンラインの人に届けることは難しいので、可能な団体様には動画を作っていただいて、どんな方たちがこの会場に来て意見交換をしているのかを、施設紹介の後に、オンラインの方には動画で御紹介できたらと思っている。動画が難しい場合は、写真とナレーションを提供いただいたら、それを発信するということも考えている。
展示交流の団体様は、今、文部科学省さんからも広く、今までの団体さんに御案内をしていただいている。既に調整して確定しているのが、10団体あり、最大30団体ぐらいいけると思っているので、御紹介もいただけると有難いと思う。ただ、当日、その場に参加できないが、展示だけではどうでしょうとか、動画だけの紹介でどうでしょうというお問合せもいただいているが、会場で交流していただくのをメインにしているので、まず、そちらを受け付けて、数が少なければその辺りも相談させていただきたというお話をしている。
【須黒委員】 実は、わくわくして、必ず現場に行こうと思っているが、そこに行かないとできないこともいっぱいあるんじゃないかと思う。このフェスタというのは全国でも同じような教育ができないかという視点があるので、ここに行けばできる、この施設があるからできる、これはほかの地域でどういうふうに展開するかというところをどう考えるか、教えていただきたい
【消費者教育支援センター(小林様)】 会場を選ぶときに、かなり費用をかけて造られている施設だが、恐らくあそこでなくてもできるものもいっぱいあると感じた。そんなに費用をかけなくてもこういった工夫をすればいろんなところでできるよねというのがあったので、あれを参考にしながら、こうすれば自分たちのところでも同じようなことができるねという辺りをぜひ、グループディスカッションで話合いできればいいのかなというのが、私たちの思い。
【須黒委員】 そうすると、最初の段階で、施設紹介のときに、そういうところを視点に見てくださいという御案内があると、なおさらいい。施設の中で、ほかに持っていけるようなものという視点で見てくださいということで。
【白上委員】 幼少期を対象者にというのは、今回初めてだと思う。非常に興味深い。私が子供の頃は、100円玉を握り締めて駄菓子屋に行くことが、お買い物の原体験だった。そういうプロセスを踏まない、キャッシュレス化した子供たちがどういう消費者になっていくのか、これは誰も分からない。モーションキャプチャーの会社を経営されている方とお話ししたときに、今の子たちは画面を見ると3Dで見えているんだと。彼らは奥行きが分かるらしい。このシアターに関しても、訪問客が来たと言っているが、デジタルイメージが世代によって異なっている。なので、キャッシュレス化する社会をイメージしながら、この移行期間においてどういった消費者教育が大事なのか。どういったところがリスクなのか。これは、昭和世代、平成世代の感覚ではなくて、令和の子供たちのこういう時代だからこそのリスクであるとか、可能性であるとか、そういった議論を未来志向型でやれると、今までにない消費者教育の場になっていくのではないかと思う。施設側はどういう意図でこういう施設を造ったか分からないが、資料の写真を見る限りでは、シアター形式という二次元の世界だけど、きっとこれからの子供たちは、リアルにお買物へ行くというよりは、画面を通してとなっていく。それがもっとリアリティーを持った形で、3Dの画面での買物という社会になってくるだろうなと思うと、もうちょっと未来志向型の形での議論があっても面白いのではないかと思った。
【消費者教育支援センター(小林様)】 まさしくおっしゃるとおりだと思うし、ぜひその辺りは、グループディスカッションの前提であるとか、大きな趣旨説明のときに、何を議論していきたいかを明確にして、先の子たちの学びをみんなで考えるということで提示できるように、プログラムか何かに書かせていただきたい。
【須黒委員】 余談だが、最近のおもちゃのキャッシャーは、ちゃんとQRコードを読み取って、昔のスタイルと違うおもちゃが出ていてびっくりした。
【樋口委員】 「18歳成人に向けた幼少期からの」というタイトルについて、非常に面白そうというか、これから必要だと感じた。先ほどの事務局からのお話と併せて、ターゲット層への効果測定を考えたときに、18歳成人、これは法律の改正によるので必然性があり問題はない。また、中学校、高等学校等では、学習指導要領に規定があるので、これも当たり前ということになる。一方で幼少期に関しては、理屈上では確かに幼少期から少しずつ消費者教育を体系的に積み重ねておくことが必要だと分かるが、それが規定として載っているものは、幼稚園教育要領等にはない。そうする、これを実際に見に行きたい、あるいは学びたいと思われる方も、もしかすると先ほどの消費者教育を入れるのが難しいのと同じ話で、主張したいと思っても、ちょっとそれはと言われてしまう可能性もあるのかなと思った。
そうしたときに、幼少期からの消費者教育の重要性に関しては、少し古いが、平成25年に消費者庁さんが体系イメージマップを作成されているかと思う。そのイメージマップは文科省が作ったものではないが、幼少期から高齢期までを体系的に示されているので、それに位置づけるとすれば、やはり幼少期の消費者教育はとても大事だということが今回のフェスタを通して参加された方に分かれば、新たな学びが得られたということと、それから、今後の発展にもつながるのかなと感じた。消費者庁さんとの連携が大事になってくるが、例えば、最後のアンケート辺りのところでそういうニュアンスを入れていただければ、根拠のある学びとしての幼少期からの消費者教育が表にも出てくるのかなと思ったので、数字とか言葉で表せるものも御検討いただければ、これは事務局へのお願いかもしれないが、より効果的なフェスタになるかなと思った。
【消費者教育支援センター(小林様)】 集客、なかなか難しいと正直思っている。実際に、私たちが企画したときは、当然、幼稚園の先生、保育園の先生、小学校の先生というイメージも想定しながら、そこに関わってくださる地域のいろんな団体様、保護者の皆さんもできればと思っているが、何せ、小学校はこの時期、面談とか授業が実際にある中で、非常に忙しい。自治体の後援と共催って大きく違って、後援だと、学校の先生行ってきなさいという流れにならないので、本当に熱意のある先生に届けていくしかない。あと、保育園はどうしても厳しいので、幼稚園の先生の集客をこれから頑張って、先生方に、今のは効果があったねとなると非常にいいかなと思っている。樋口先生がおっしゃったように、最初の思いがやっぱり必要だねって思っていただけるようなアンケート結果になるといいと思っているので、アンケート項目を確認いただければと思う。
【島田委員】 アーカイブ配信はないのか。
【消費者教育支援センター(小林様)】 アーカイブは、今年は予定していない。
【島田委員】 それがあれば、もう少しほかの先生方にも見ていただけるかなと思った。
【大久保委員】 あんびる先生の企画は、体験型の学びというのがすごくいいなと思った。これからデジタル社会が進むのは間違いないが、本当にそっちに突き進んでいいのかというのと、デジタルを進める部分と、でも、ベースはアナログで理解した上でとか、どっちも大事かなと思っている。学校現場に行って感じるが、暗算でも筆算でもタブレットでもいいから、計算してって子どもに言うと、多くの子どもがタブレットを選択する。自ら主体的に、暗算でやろうとか、紙で筆算をしようっていう子は少なくなっているし、お釣りの計算も要らない時代になるから筆算や暗算ができなくていいのかというと、違うのかなと感じる。消費者教育フェスタin埼玉に参加された方のアンケートもすごく興味深く、アナログでよかったことを挙げてもらうと、これからのデジタルとアナログのバランスの取っていき方も見えてくると思った。
子供の頃、算数の授業を受けるときに、算数セットが大好きだったが、今、算数セットは使わなくなってきていると聞いた。勉強は好きじゃないけど、あれがあるから、わくわくしたりとか、ちょっと楽しかったりというのは、触ったり、動かしたり、実体験することが大事だと思っていて、デジタル時代だからこそ、アナログの大切さを何か形や声にできるといいかなという願いも籠もっている。
【熊本消費者協会】 「消費者教育フェスタin熊本」は、「~わたしたちができることからひとつずつ~地域で実践わたしたちのエシカル消費」という副タイトルを入れて、年明け2025年1月31日の金曜日に、市民会館シアーズホーム夢ホール大会議室で開催する
主催は文部科学省、共催は熊本県消費者団体連絡協議会。この消団連は、私ども消費者協会も加盟する県内の消費者団体の協議会。法人格を持っていないので、NPO法人熊本消費者協会が企画・運営を担当する形にしている。後援については、いずれも予定だが、消費者庁、熊本県と熊本県教育委員会、熊本市と熊本市教育委員会に、今、お願いをしているところ。
会場は、熊本城の近くにある市民会館シアーズホーム夢ホール、椅子席だけだと250名ぐらい入る会場。そこの前7列147席を会場参加者の席として、パネル展示を12団体計画しているので、パネル展示エリアを下のほうに設けるという形で予定している。
告知と宣伝については、ポスターとチラシを11月末までに作成する。ポスターは、もう少し部数を増やしたほうがいいと考えている。
運営体制については、私ども消費者協会の役員、それから、熊本県生協連の専務理事で運営していく。
当日のプログラムについて、パネル展示は、午後からの開催に先駆けて、11時から視察できるようにする。それから、Web参加者向けに、インタビュアーが各パネルを回って展示団体の方に30分ぐらい御説明いただき、各パネルの紹介をしていくことを午前中やる予定。午後からは、開催について文科省の説明等があった後、尚絅大学短期大学部の名誉教授である川口惠子先生に、エシカル消費について基調講演をいただく。その後、消費者団体連絡協議会のメンバー及び中学校、高校の方々を含めて、6団体の発表を予定している。発表の後、質疑・意見交換で、川口先生にコーディネーターになっていただき、会場とWebからの声を受けて、まとめていただくということで、16時終了を考えている。
準備のスケジュールは、10月に案をつくって、11月に印刷をして、12月から配布する。参加集約については、Webの受付を11月末から開始し、チラシでも受付はしているので、申込み締切りを1月中旬にする。発表の内容の企画集約については、10月末に最終集約をして、当日配布資料を作成する。会場参加者の方々には当日配布し、Web参加の方々には、URLの案内と一緒にPDFで配信する。
参加の申込みについては、オンライン参加者については、QRコード、URLからWeb申込みで受付をする。会場参加者については、電話、FAX、郵送、持参、チラシの裏面をFAXしていただくことで受付もできる。オンライン参加者と会場参加者をそれぞれ集約して、オンライン参加者についてはURL案内時に資料を添付して送信、会場参加者には当日配布をする流れ。
団体の発表については、ほぼ確定しているところから、変更の見込みがあるところもある。
まず、1番目の生協くまもとについては、毎年取組んでいるフードドライブについて、通信制のクラーク高校の高校生たちが生協と連携をして集約作業に当たるということで、連携状況を報告いただく。
2番目のグリーンコープ生協は、事業収益等を活用して、多重債務に苦しんでいる組合員さんを救済する事業を始め、その成果に賛同した弁護士会が県議会に働きかけて、県の事業として拡充させ、現在に至っている。多重債務者の救済に限らず、様々な方々に金銭教育をしたり、家計簿の指導をしたり、そういった取組の状況を報告いただく。
熊本県立熊本農業高校は、養豚プロジェクトという、生徒たちの自主的な集まりがある。そこで、養豚業におけるゼロエミッションへの挑戦ということで、企業や畜産農家とタイアップをして、廃棄物・排せつ物の利用によって、養豚業から一切、廃棄物を出さない、熊農ゼロエミッションシステムをつくり出すという活動をしている。これは、この数年ずっと続けている取組で、石けんなどを作って、販売もしている。 熊本県地域婦人会連絡協議会については、まだ企画は確定していない。それぞれの地域婦人会の中で取り組んでいる様々な活動の中から報告をすることになっている。
熊本市立北部中学校は、「人とつながる 社会とつながる 未来とつながる ESD Well-being」ということで、生徒たちが様々な活動を行っている。例えば、保育園に絵本を寄贈したり、飲食店の食品ロス削減などの取組、こうした生徒たちの取組を紹介することで、地域での協同の輪を広げていきたいと考えている。
最後にJA熊本県女性組織協議会。JAの各組織に設けられている女性部の中から報告をいただくが、これも今は未確定の情報。どこの女性部からの発表になるかというのは、今後、確定していく予定になっている
【島田委員】 久々の消費者団体主催のフェスタで、大変期待をしている。内容的にも、非常に幅広い世代、学校の生徒さんたちも含めて、また、様々な、消費者団体、事業者団体も含めて参加されるということで、地域全体でエシカルな地域社会をつくっていこうという姿が、この企画を通してイメージできるという、非常にすばらしい内容だと思った。消費者月間等で各地、イベント等あるが、こういった幅広い世代を巻き込んだ取組はまだまだ少ないと思うので、ぜひこの機会に、こういった取組が、消費者市民社会、エシカル消費推進の機運を地域で高めていく上で非常に大事なんだというイメージができるような発信をしていただけるとありがたいと思う。特に、この会議の中でも先ほど、消費者団体の高齢化等、いろいろお話があったが、若い世代がこういった課題に取り組んで、それが上の世代とつながっていくことが非常に大事なところでもある。子供たちが参加して、どういう気持ちの変容があったかという辺りも拾っていただいて、報告書等に反映していただくと、非常に今後の参考になるんじゃないかなと思う。
【上村委員長】 消費者市民社会を考えるときに、消費者団体がこれまでどう活動されてきて、今、活動の可能性があるのかを熊本が発信してくださっているのを感じさせていただいていたところで、今の島田委員の御発表、熊本のほうでぜひ受け止めていただいて、バージョンアップしていただけるとありがたい。
【須黒委員】 私も、久々にいろんな立場の団体が発表することで、とても期待をしている。せっかくこれだけのいろんな立場の方、年代、違った内容をされておられる方の発表があり、そこに集結されるということなので、ぜひ、最後の取りまとめのところで、横のつながり、これからどういうふうにつながっていくか、つなげていくか。今、連携のところを見ていくと、結構ばらばらの団体もあるし、あるいは同じ団体で違う事業をやっているものも含まれているので、これらの発表を通して、縦に横に広がっていくつながりになればいいなあという願いを込めて、期待しているので、そこら辺も取り組んでいただければと思う。
【白上委員】 熊本というと真っ先に浮かぶのは熊本城と、もう一つは、フェアトレードタウン(シティ)はアジア初で認定された地域ということ。熊本は2011年に認定されて、その4年後にようやく、熊本の背中を追って名古屋は認定を受けたという経緯がある。今回、これまでの委員のお話にもあるように既に幅広く調整されているが、熊本ならではのいろんなネットワーク使って御来場いただくとか、この機会を使って、ぜひ、横のネットワークの熊本らしさとか、強みをどんどん生かしていただきながら、このタイトル、エシカル消費というところも含めて広げていかれるといいんじゃないかと思った。
【上村委員長】 熊本という地域で今までやってこられた活動を集約して発信をしてくださるところに期待が集まるところだが、特に熊本農業高校が、養豚という生産者になる人たちが消費者教育という形のところで発表してくださるのは、とても期待をするところ。若い人たちが、消費者というより、自分たちが生産者として食を担っていく、という思いを持っている方たちを地域でもサポートしていく、そういう体制が感じられるラインアップだなと、とても期待をしている。
【島田委員】 こちらも、アーカイブ配信の予定はないのか。
【熊本消費者協会】 録画は撮るので、いろいろ活用法はあると思う。
【島田委員】 ぜひ、そうしていただけるといろんな方の参考になるかと思う。
議題3:令和6年度消費者教育に関する取組状況調査について
事務局より調査票案の説明を行った。説明は以下のとおり。
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】 本日は、調査の委託先である株式会社リベルタス・コンサルティング様も、オンラインで御参加をいただいている。資料は非公開としているので、御留意いただきたい。
令和6年度の取組状況調査については、第1回の本委員会や、本委員会の下に置かれた作業部会でも、調査内容の見直しの議論を行ってきた。このたび、作業部会において調査票案を作成したので、主に令和3年度調査からの変更点を中心に、御説明する。
資料3-2の1ページ目に調査の趣旨・目的があり、Iの「はじめに」で、過去の調査の状況や、令和5年3月の基本方針改定を踏まえた更新をしている。まず、これを見て、消費者教育ってこういうことなのかということを自治体の方に御理解いただくようなペーパーの位置づけなので、追記や修正があれば、御意見いただきたい。
IIで消費者教育の理念と目的について記載している。2ページの冒頭で、多様な主体の連携について、消費者教育推進地域協議会といった団体を組織するよう努めなければならないことや、基本方針の基本的な視点である、消費者による自ら及び相互に「学ぶ」「考える」「行動する」ことの促進や、デジタル化への対応などのポイントを記載しており、全体的にブラッシュアップしたところ。
3ページからは調査票の本体で、赤字のところが主に更新したところになる。Iは、消費者行政部局、消費者団体、企業等の連携状況について聞いており、令和3年度の調査では、問3、問4で消費者教育推進地域協議会の設置状況を確認していたが、この調査自体は教育委員会を対象に行うものであり、協議会は教育委員会が主体的に組織していくものではないと思われるため、この項目は削除し、前文のところで協議会について記載した。
続いて問3において、基本方針に様々な主体における連携・協働の重要性が盛り込まれていることを記載している。また、この様々な主体と連携・協働した消費者教育の実施状況について、「実施している」「実施していない」という選択肢を設けて、実施している割合を定量的に把握できるように見直している。また、萩原先生などからも御意見をいただいて連携と協働の意味を記載させていただいたので、御確認いただきたい。
問4において、様々な主体との連携・協働の連携先を聞いている。消費者庁様より、マル1の消費者行政部局とマル2の消費者生活センターは一つの選択肢にしてもよいのではないかという御意見をいただいている。問5も同様である。
問7のところで、基本方針を踏まえてコーディネーターの重要性を記載している。総務省を中心に行っている政策評価制度の中で、今、消費者教育の評価指標は、教育委員会で重点的に行っている取組として「学校における消費者教育の充実」を挙げている割合にしているが、「コーディネートを行う人材や機関がいる・ある」の割合を指標にしてもよいのではないかという御意見もいただいている。
続いて、問9から問12に地域学校協働活動や学校運営協議会、いわゆるコミュニティスクールで、消費者教育に触れていただくことが消費者教育を推進していく上で大変有効なのではないかということで、新しくこの項目を設けて、事前にお送りさせていただいた調査票案に記載していたが、省内の担当課から、質問文をまとめて一つに修正したらどうかということで、「実施している特徴的な取組があれば具体的に記述してください」という自由記述の形に修正させていただいている。このほか、令和3年度の調査では地方消費者行政強化交付金を受けているかを聞いていたが、この質問は削除している。
II.社会教育関連の取組については、問2で講座等オンラインで実施している取組もあるか把握できるように、見直している。
問3は、社会教育の中で扱っているテーマを聞いており、項目を移動させたり、新たに追加をしたり、見直しを行った。インターネットに関連したトラブルのところで、ネットリテラシーに関わる知識を扱っているか、フィルターバブル現象などのネット広告に関する情報を扱っているか、などを新たに追加している。金融関係の内容についても、スマホ決済やQRコード決済に関する知識や現状を扱っているかについて、新たに追加したところ。さらに、持続可能な社会や消費行動に関する啓発では、地球のエネルギー資源の枯渇等の問題に関する情報・知識といった項目も入れている。ただ、ここも全般にわたって消費者庁様から、選択肢が非常に多いので、複数の選択肢をまとめてはどうかという御意見をいただいている。例えば、持続可能な社会に関する内容だと、「SDGsや環境に配慮した消費行動、エシカル消費等を含む」という形で、一つにしたらどうかなど、こういった御意見をいただいている。
続いて、IIIが学校教育関連の取組で、問1と問2は質問を時点更新している。
問4は成年年齢引下げに関する内容について確認しており、問3と問4の間に「R3年度の問4は削除、冒頭説明に基本方針の趣旨を含める。」と書いてあるが、これは、従来の問4で、成年年齢引下げを踏まえた取組で目指すものは何かを確認していたが、成年年齢引下げが既に実施されている状況も踏まえて、目指す方向性は冒頭の基本方針の視点のところに含める形で、ここの項目は削除という見直しを行っている。
また、8ページでは、今まで教員育成協議会の取組で、教職員の研修について聞いていたが、7ページの問4以下で、教職員の研修について確認できるので、教員育成協議会について確認していた項目は削除をさせていただいた。教員免許状更新講習も終了するので、この項目も削除した。
続いて、9ページのIVの今後の対応について、問2の今後の対応でどのような取組を行ったかを聞いており、これまでは粒度が異なる取組を並列に記載していたが、A、B、Cの形で、「学校における消費者教育の充実」「社会教育における消費者教育の充実」「その他の消費者教育の取組の充実」で場合分けをして、まず大項目を選択してもらった上で小項目についても選択する、そういった形で選択肢を見直す修正を行った。これまで、問3の貴自治体として「現在、重点的に行っている取組」「今後、特に重点的に行いたいと考えている取組」の中で、学校における消費者教育の充実を挙げている割合が、政策評価等の指標になっていた。ここも並列に記載があったが、A、B、Cと、まず項目を大きく分けた上で、その下に具体的な取組を記載する形で、選択肢の修正を行った。要するに、「学校における消費者教育の充実」は、こういった内容に取り組んでいたら当てはまるというのが分かるように、「学校における消費者教育の充実」は大項目で聞く形に修正を行ったということ。問3のCについては、金融経済教育推進機構との連携強化を追加させていただいた。
教育委員会の調査の修正点は、以上である。
続いて、資料3-3、大学の調査票では、すべての大学に対して、消費者教育の取組状況を聞く。
1ページから2ページ目の調査の趣旨・目的は、教育委員会と同じような修正を行った。
3ページからが調査の本体で、骨格を大きく変えている。これまで大学の調査では、最初に、今IIになっている、学生・教職員に対する消費者問題に関する啓発や、情報提供を行っているかを聞いていたが、教育委員会と同じ形で調査の項目を見直したほうがよいのではないかと、作業部会でも御意見をいただき、まず、他機関との連携状況を最初に聞く形に、項目の移動を行ってる。もともと聞いていたが、これを1番目に持ってきた。
まず、3ページのIの問2は、教育委員会調査と同じように消費者庁様から、マル1の消費者行政部局とマル2の消費生活センターは、選択肢を分けなくてよいのではないかという御意見をいただいている。また、問1では、学生の消費者問題、消費者のトラブルや問題への対応状況を聞いていたが、大学は消費者問題だけやっているわけではなく、持続的な消費者市民社会の形成についても確認したほうがよいということで、問4、問5、問6において、消費者市民社会の形成に関する質問を新たに設ける見直しを行っている。
4ページのIIでは、学生・教職員に対する消費者問題・消費者市民社会の形成に関する啓発・情報提供を行っているかを聞いている。問2で具体的な内容をいくつか選択肢にしていたが、消費者問題と消費者市民社会の形成は、どんな内容が当てはまるのか、分からないと思い、このA、B、C、Dについては主に消費者問題に関する内容に当たり、Eについては消費者市民社会の形成に関する内容に当たると、内容を寄せて、選択肢を見た人が選びやすいように見直しを行っている。ここも、消費者庁様から、選択肢が多いのでまとめたほうがよいのではないかという御意見をいただいている。
続いて、IIIで大学において実施している消費者教育関連の取組について聞いており、Iで啓発・情報提供について聞いているが、それ以外の取組についてIIIで聞いている。問1は選択肢の更新を行っているが、問2は、講義やゼミなどで行っている取組について答える選択肢になっている。ここは、これまで特筆した取組を尋ねていたが、特筆した取組という表現は、見た人が選んで答えることが難しいと思い、「代表的・特徴的な取組について」の形で、表現を直している。政策評価制度の中でも、消費者問題に対する啓発や情報提供がとても重要で、学生になると、入学時のガイダンスで十分触れているところもあれば、触れていないところもまだ多い、という御意見もいただいていた。また、ガイダンスだけではなく、個別の講義の中でも触れているものも重要ということを指摘したらよいのではないかと言われており、例えば、法学部における消費者法とか、経済学部の消費者ローンとか、そういったところも聞けるような形で、見直しをしている。ここは、選択肢についても委託事業者と調整し、消費者問題に関する講義か、消費者市民社会形成関係の講義かが分かるように改訂したいと思っている。
問9から問12で、これまで中学校の社会・家庭科の教職課程で扱っているかを個別に聞いていたが、まとめて聞く形に修正しており、問12以下で、社会・家庭科以外の教科でも消費者教育に関して扱っているかと、それ以外のところも聞くように修正を行っている。高校も同じで、公民と家庭科についてこれまで個別に聞いていたものをまとめて聞いており、公民と家庭科以外についても、問20以下聞く修正を行っている。大学についても、教員免許状更新の関係の問いは削除したり、コロナ禍の関係の消費者問題についても削除したりしている。
今後、リベルタス・コンサルティング様において、この内容を踏まえた調査票案を作成いただき、実際に調査を進めていく。
10月中に調査票を作成し、11月には調査を実施、12月から2月にかけて集計やデータ分析、3月に報告という流れで考えている。ヒアリング調査も行うので、ヒアリング先についても、御意見をいただくことがあるかもしれない。
調査結果について、今まで文科省ホームページの掲載だけにとどまっており、もったいないという御意見もいただいている。委員の皆様の御意見をいただきながら、調査結果の発信についても検討を進めてまいりたい。
男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者教育推進係
電話番号:03-5253-4111(内線2260)
ファクシミリ番号:03-6734-3719
メールアドレス:consumer@mext.go.jp