令和4年度消費者教育推進委員会(第3回)【議事概要・配付資料】

1.日時

令和5年2月20日(月曜日)15時~17時

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 今年度開催した消費者教育フェスタの実施結果について
  2. 消費者教育に関する取組状況調査結果まとめの中間報告について
  3. その他

4.配付資料

5.議事録

 議題1:今年度開催した消費者教育フェスタの実施結果について
資料1-1~1-2に基づき、、令和4年度「学校種・地域の特性に応じた好事例の把握・展開」委託事業者より「今年度開催した消費者教育フェスタの実施結果について」の説明を行った。委員からの主な意見は以下の通りいただいた。
 
<消費者教育フェスタin岐阜>
〇今回の消費者教育フェスタin岐阜においては、専門学校が委託事業者ということもあり、新しい切り口、特に学生自身が運営を積極的に関わっていた。
 
〇運営そのものを大人側が対応、そして、フェスタに来訪された先生方が聴講という構図でなくて、専門学生や大人が一緒になって学んでいくという、そういう光景がとてもよかったなというふうに感じます。
 
〇何よりもやっぱり専門学生自身が卒業後、実際に直面しないといけない課題について学ぶ、実践的な消費者教育が、職業教育にも組み込まれていくものなんだということを再認識できた点がとても貴重だったなと思います。
 
〇キャリア教育と消費者教育は相性がよく、地域に密着したキャリア教育が消費者教育を通じてできると、成果が上がっていくなというのを感じたところがございます。
 
〇専門・専修学校がフェスタを開催に携わったこと自体がすごく意義があったと思っております。
 
〇職業教育を担っている専門学校の学生が参加し、フェスタでいろいろな事例を報告していただくというのは今までになく、非常に意義のあったことだと思っています。
 
〇今年度で言えば、3か所でこのフェスタが開かれているので、1か所が職業教育や専門学校に特化した内容であってもよかったんじゃないかなというふうには感じました。
 
〇専門学校関係者だけじゃない方々が参加しているということに配慮はされたと思うが、専門学校に特化したというところを、もっと見せてもよかったなと思いました。
 
〇岐阜会場は学生が多く参加されていて、素朴な質問がQ&Aに組み込まれ、それに対しての回答をゲストスピーカーが分かりやすくされていました。
 
〇専門学校の学生の質問に対してゲストスピーカーの回答が専門家としての回答というより、専門学生に寄り添った回答になっていたところがすごく良かったと感じました。
 
〇ゲストスピーカーからの回答を受け取った専門学生が、自分事として捉えている印象、回答するゲストスピーカーも真剣に考えている点が、今までのフェスタと違った切り口であり、感動しました。
 
〇岐阜開催のアプローチの方法はすごくいいなと思いました。直接、専門学生が素朴なQ&Aを出されたことが、社会に出てすぐ役に立ち、横や縦のつながりにつながっていくのではないかということが期待をされると実感しました。
 
〇今後、こういった機会を増やすことで、社会に出て行かれる方々が企業人になっていくことで、企業の考え方、企業のスタンスを変えていく力になり得るんじゃないかと、壮大な期待をいだかせる内容でした。

〇ゲストスピーカーのYouTuber葉一氏の御発言を拝聴し、人前に出る機会が多い方だと、自然に参加者などと同じ目線で話され、自分の意見をきちんと持っていらっしゃった。
 
〇司会者の平野氏が上手に司会進行をされたということ、若い方たちの発言が出やすいような雰囲気を出し、登壇者が上から目線の消費者教育フェスタではなく、参加者と一緒に盛り上げていく、若い人たちで盛り上げていく消費者教育、地域に密着して消費者教育という雰囲気が出てたかと思います。
 
〇YouTubeのコンテンツも結構よくできているなと、改めて感心をしています。
 
〇今後、まとまったコンテンツが教材として使えることも、可能性があるんじゃないかなと思いましたので、当日参加できない場合でもユーチューブで見れますとかというアプローチをしっかりやっていただいているのは非常にいいなという感想を持ちました。
 
 
<消費者教育in東京、浜松>
〇東京会場は、特にタイトルに、「子供・若者の社会参画を育む」、これが消費者教育なのだというアピールをしていくという場であったと思っております。
 
〇消費者市民社会という考え方を消費者教育のメインストリームに持ってくるというような趣旨で行われたのではないかと考えておりました。
 
〇パネルディスカッションについては、登壇者が、本当に多様な主体が集まり、消費者教育という幹の下で全てがつながるんだというところは、御理解いただけたんだなと思っております。
 
〇今後に関してという部分で、デジタルシチズンシップ教育、それからSTEAM教育の専門の方が登壇され、消費者教育を広げていくためには、今後さらに、デジタルシチズンシップやSTEAM教育というところを、連携先に選んでいくというところが隠れた意図にあったのかなと思っております。
 
〇多様な主体がつながるといったときに、総花的になってしまうと、これはまたこれで広がりが欠けてしまいますので、今後、この消費者教育推進法の成立から10年が過ぎたところで、どちらの方向に消費者教育が向かっていくのかというところを、今回チャレンジングに提起いただいたのかなというふうに考えております。
 
〇今回、STEAM教育であったりデジタルスシチズンシップ教育であったり、これらの教育について、消費者教育がこれまで培ってきたコンテンツ、その蓄積が生かされるんだということが、もし伝わったならば、ウィン・ウィンの関係になっていくんだろうと思います。
 
〇消費者教育が上で、ほかの教育が下というものではなく、両方の教育が共にお互いに相乗効果でよりよくなっていくというところが、今後の在り方の1つなのかなというのも感じたところです。
 
〇内容的には、様々な視点が広がり、それが消費者教育とつながるというところで、よかったと思いました。
 
〇消費者教育というと、被害防止というところが中心に捉えられてしまうというあたり、確かにそのとおりだなと思います。
 
〇消費者教育がいかに幅広い人たちとのつながりをつくっていくかというときに、このチラシなどを拝見しましても、その視点が確かに、チラシは限られた紙面ですので、書きにくいところはあるんですけれども、もうちょっと分かりやすく書くと、さらに広がったのかなと思いました。
 
〇登壇者と事前の情報共有ができていれば、もうちょっとうまくいったのではないかなという気がします。特に著名人を呼ぶ場合には、どうしても対処が難しいことだとは思いますが、参加者にとってより内容のあるものとなるよう、今後、こういったケースでは事前の情報共有の在り方についてもっと考えなければと思いました。
 
〇浜松開催の基調講演にご登壇の平田氏は、「自分は場違いな感じで、今日は何を話していいんだか」とおっしゃっていましたけども、学習者に当事者意識を持たせる1つの方法論としてのシナリオということに関して、すごくリアルな話の中身が伝わってきました。
 
〇STEAM教育について、電力会社を探すなどの事例がありましたが、デジタル、ネットというとどうしても防犯的な、だまされないための教育という色合いが強かったかと思います。今回、シチズンシップという観点でデジタルやネットの活用についてお話をお聞きし、次の10年の消費者教育はどういう領域をせめていかないといけないのかという示唆を頂いた気がしました。
 
〇子供たちというのは、もっと日々デジタルと身近で、デジタル=バーチャルという感覚ではなく、リアルな世界になりつつあると思います。
 
〇その中で、より良い社会へと変えていくためのデジタルシチズンシップであり、デジタルの消費者教育とは一体何なんだろうかなということを、それぞれの登壇されている方々のお話を聞きながら、考えさせてさせていただく機会になりました。
 
〇これまで積み上げてきたものと新しいテーマみたいなものが交じり合って、次の10年を目指して大事なテーマになってくるかなというふうに感じました。
 
〇昨年の4月に成年年齢引下げということもあり、消費者庁をはじめとして、文部科学省も被害に遭わないようにというテーマが中心的になりがちで、それらを踏まえたキャンペーンが行われていたこともあったので、消費者教育のイメージが被害防止というところに、もう一回戻ってしまっているんじゃないかという懸念がありましたが、推進法の中で、消費者市民社会を目指していくんだという方向性を、もう一度確認したい思いがありました。
 
〇連携・協働ということを進めていくには、すごく大変なんだなと気づいたというところもたくさんございました。
 
〇段取りをしっかり理解し、御登壇いただくというのは、なかなか大変だが、フェスタを通じて共感・理解し合え、最後までたどり着けるような仕組みがだんだんできてきつつあるように思えました
 
〇フェスタの最後では、参加した人たちが、自分事として消費者教育を持ち帰って、こんなことができそうというのを、参加された方たちのほうがイメージを膨らませていただけるような、そういうフェスタになりつつあるのではないかなと思いました。
 
〇変わらないんだけれども、新しい消費者教育の展開を、この1年間、3回のフェスタで試行錯誤をしていただきました。

議題2:今年度開催の消費者教育フェスタの最終確認について
資料2に基づき、「持続可能な地域社会の実現に向けた消費者教育及び環境教育推進事業「成果につながる事業展開に向けた実践的調査研究」」委託事業者より「消費者教育に関する取組状況調査結果まとめの中間報告について」について説明を行った。委員からの主な意見は以下の通りいただいた。
 
〇特に好事例を取り上げるという観点で、どこを取り上げていくのかということを、ほかの委員の先生方とミーティングをいたしました。
 
〇今回取り上げましたこの4つの事例というものは、他の自治体やあるいは高等教育機関、教育委員会といった様々なところへの波及効果のある事例であるというふうに感じております。
 
〇次の取組としましては、ここで上がってきた課題も含めて、今回、アンケート、ヒアリングに協力してくださったところだけではない方々に、これをどのようにお伝えをしていくのかという周知について、文部科学省で検討を進めていただければ、より効果が増していくのではないかなというふうに感じております。
 
〇岐阜大学は、報告書を見ると、何かすごいなという感想で。ここまできちっと体系的に取り組まれている大学、それほど多くないのかなと思いながらも、本当に全国的にも普及したらいいのになという印象を持ちましたということです。
 
〇千葉大学は、学内ではSDGsとか、そういうキーワードで取り組まれていることが結構あります。いわゆる選択ができる消費者というところでの教育という意味では、そういうふうに位置づけていただくこともありなんだなというのを、改めて実感しましたので、そういったことも含めて、今後まとめていただけると、非常に取組としても広がりがあっていいかなというふうに感じております。
 
〇エシカル、持続可能というキーワードは、大学生たちも当たり前のように、具体的にどう自分たちの行動とか、専門につないで、大学の中で生かすことができるようにするかというのは、これからちょっと考えなければならないところかと思います。
 
〇いい事例を御紹介いただいていますので、それをモデルにして広がっていくといいなというところかと思います。
 
〇教育委員会がコーディネートを行っていると教育委員会自身が自覚をして、自分のところだよって手挙げしているところが増えているということは、これはすごく意識が高まっているということのあらわれであり、何か教育委員会ってつれないよねみたいな。実際に起きているということをもっとPRしていく必要があるんじゃないかなと思いました。
 
〇教育委員会が、都道府県、政令市、市区町村でどのぐらいどんなふうになっているのか知りたいなというふうに思ったりしました。
 
〇コーディネーターがいることによって、その後の結果がすごく全部よくて、うまく連携して、いろんな事業が進んでいるという結果が見てとれるので、教育委員会が関わっているとすごく、これ進んでいくんだなというところをもっと出していってもいいでしょう。
 
〇教育委員会と、質問の仕方が少し変わってしまっているので、消費者行政部局と消費生活センターを一緒にしてもいいかもしれないですけれども、コーディネートの機関がどういうふうに置かれていると、より効果的な連携が進んでいくのかみたいな分析もできるなと思いました。
 
〇文部科学省だと、教育委員会にネットワークをお持ちでいらっしゃいますし、どっちかというと消費生活センターは消費者庁さんのほうがきっとネットワークはお持ちでいらっしゃるのではないかなと思います。
 
〇うまく相乗効果、それぞれの教育委員会と消費生活センターとがうまく連携をして活動をしていただくのには、どういうコーディネーターさんが、どんな位置づけで活動をしてくださると、全体的な効果がより上がるんだという分析ができると思います。
 
〇自治体であれば、こういうところを注目されたらいいんじゃないですかとか、こういう方にコーディネートしていただくといいんじゃないですかというのが、より具体的に個々分析をしていただくと、今後の方向性が声がけができる可能性も出てくるところかなと思います。
 
〇具体的なコーディネーターはどういう役割で、どう動いていただくと、より効果が上がるということを発信できる分析にしていただけると、ありがたいかなと思います。
 
〇コーディネーターがいないところで、消費者教育ができるところ、できないところがあるのはどうしてなんだろうと興味を持ちました。
 
〇次回の取組状況調査ではコーディネーターがいる・いないという中で、何か行っていたり・行わなかったりという、この違いはどういうふうに解釈すればいいのかというところの分析に取り組んでいただければと思います。
 
〇コーディネーターという制度は消費者教育推進に効果がありますねというところで話が止まってしまうのでコーディネーターだけにこだわってしまうと、それで止まってしまう可能性があるので、そうではなくて、その地域だとかの工夫、あるいはその状況で盛り上げていこうとしているものが見つかれば、そこも併せて注目していくというところが重要だと思います
 
〇図の21はコーディネーターを行う人材・機関があるところと、ないところで、教育を実施している、実施していないというのがやっぱり数字として出てきている。
 
〇コーディネートを行う人材・機関がなくても実施しているところがあるので、同じことが言えるのではないかと思います。
 
〇コーディネーターがキーになりそうというところはありますが、それ以外の活動の方向性というのも示唆できるということであればというところかと思います。
 
〇コーディネーターという制度も活性化させていきたいけれども、そういう制度の方でなくても、自分がやっていることは、これは消費者教育とつなぐと、これだけ盛り上げていけるんだと気づいていただく、そういう方を増やしていくというところも、ちょっと今後考えるのに、この資料をもう少し使える可能性があるのではないかなというところかと思います。
 
〇ここ数年間で、学校の中で教員が教えるだけじゃなく、外部人材を活用することが増えてきました。そうするとそれを調整するコーディネーターの必要性についても教育委員会サイドのほうでかなり認知されてきました。そのあらわれが県の教育委員会や、政令指定都市のコーディネーターを行う機関等があるとの数値に現れているのではないかと思います。これは、仕組みとして随分広がってきている1つのあらわれなんじゃないかなと思います。
 
〇一方で、市町村のレベルでいくと、コーディネーターの体制がない中、消費者教育をやられている自治体はどうなっているのかという点です。これは仮説ですけども、例えば県との連携であるとか、何か別の機関と連携がされて実施されているのではないのかなと思います。
 
〇市町村教育委員会が何か困ったときには、県のほうとか、教育事務所とかに連絡をして、消費者教育をやりたいけども、こういう人材を派遣してもらえませんかと言って、県教委が窓口として調整をかけていくとか、そういう動きがひょっとしてあるんじゃないかと。そのあらわれが県と政令指定都市のほうの数値が上がっていて、市町村のところの部分に関しては伸びていない。コーディネーターにおける役割分担みたいなことが、ひょっとしたら行われているんじゃないかというふうに感じました。
 
議題3:その他
事務局より参考資料を基に来年度について説明を行い、委員からの主な意見は以下の通りいただいた。
 
〇今日の会議においてフェスタの御報告、それからアンケートの分析、大変参考になりました。

〇これをA4二、三枚にまとめて、今度のアンケートのときにでも、何か各地に配れるような形のものでもつくれれば、さらにイメージを膨らませていただけるんじゃないかなというふうにも思っております。
 
〇これは、文部科学省がやるべきなのか、それとも消費者教育推進委員会としてやったほうがやりやすいのか、そこら辺はいろいろあるかと思うんですけども、ちょっと検討したほうがいいんじゃないかなというふうに思いました。

お問合せ先

男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者教育推進係
電話番号:03-5253-4111(内線3462)
ファクシミリ番号:03-6734-3719
メールアドレス:consumer@mext.go.jp

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(男女共同参画共生社会学習・安全課)