資料1.「国民の読書推進に関する協力者会議」(第7回)議事概要(案)

1.日時

平成23年6月17日(金曜日) 13時30分~16時00分

2.場所

文部科学省省議室

3.出席者

 【委員】福原座長、肥田副座長、秋田委員、小田委員、織茂委員、鎌田委員、岸委員、中田委員、新山委員、堀委員、松岡委員、山田委員、山根委員、横田委員

4.議事要旨

(1)「国民の読書推進に関する協力者会議」報告書の検討

1.塩見課長より資料説明

  • 報告書構成案について、前回の意見を踏まえて変更した。
  • 特に、第3章の提言の部分は、10程度あった提言をまとめ、3つに集約。
  • 報告書の案について第2章まで書き込んだ。第2章は、現状の把握に関するデータを中心に記載。

2.委員からの主な意見

  • 報告書の構成は金・人・組織という感じに分けた方が分かりやすい。
  • 東日本大震災を受けて、こういった施策をやることが良いのではないかという提言のようなものを別添として出してはどうか。
  • 日本が歴史的に読書を重視してきた国で、それにより学力の高い国づくりをしてきたということを書くべき。
  • 経済格差の中で、全ての子どもたちや国民に読書を保障するため、国や自治体が読書環境を保証していくということが重要ということを、終わりの部分に付け加えるべき。
  • 幼稚園において「言語力の育成」が今回の学習指導要領改定で書き込まれているので、書き込むべき。
  • 司書教諭の実態について、兼職で積極的な展開がなされていない状況を書くべき。
  • 毎年約200億円の地方交付税措置がなされているが、自治体によっては図書費に回されていない実態があるため、本来の図書購入に使うよう提言すべき。
  • 司書に関して、非常勤職員の増加が質の面で公立図書館のサービスの状況を悪化させる要因の一つになっている。
  • 大学生の読書がエアポケットになっている。
  • 高校生、大学生の現状分析が足りないのではないか。
  • 大学生の読書は、先生の質によるのではないか。先生の質の向上を目指すべき。
  • 地方交付税交付金の使われ方に何か歯止めを設けられるような書き方はないか。
  • 学校の学級数に関係なく司書教諭は必要ではないか。また、兼任や臨時の問題もはっきりさせておくべき。
  • 図書館の指定管理において、長時間開館して窓口でニコニコしていれば良い図書館だという考え方にいきがち。指定管理の弊害の点についても強く言うべき。
  • 高齢者と障害者サービスについての読書環境整備についても触れてほしい。
  • 文科省単独で読書の問題のみを考えていくには行き詰まりがある印象。もう少し幅広く、街づくりをするときの核に図書館を位置づけ、住民が運営するなど、新しい地域社会、新しい人間関係を築いていくうえで、図書館が役割を果たすような仕組みを考える必要がある。
  • 施設の複合化などにより、学びや福祉などを含めて様々な人たちが集まる場にしていく方法があり、読書もその一つに含めて機能させていくことが必要ではないか。
  • 学術会議でまとめた「日本の展望」に、住民参加型のコミュニティの必要性について述べているので、参考にしていただきたい。
  • 「ケータイ小説」の社会的意味合いは非常に大きかったが、ムーブメントが去りつつある。ユーザーたちが参加して表現行為をするソーシャルメディアなどと融合した読書のプラットフォームという方向で、インターネットと融合した新しい読書環境の話を入れた方が良いのではないか。
  • 自ら学び続け、環境に適応できる力としてのリテラシーが必要。
  • 国際競争力を維持するために読書が必要、と大くくりに示せば、細かい内容は各論として用意できるのではないか。
  • エンパワーメントとしての図書館・図書力・言語力という面を入れ込んだ内容とすべき。
  • 被災地支援として、携帯端末の無料貸出や公衆送信権に係る特例措置を時限的に実施しているが、電子書籍市場のありようにも一石を投じるのではないかと思うので、これらの課題について入れていただきたい。
  • 3つの提言の中で読書環境プランを1番に持ってくると、自治体はつくっておしまいということになる。よって、初めに持ってくるものはやはり読書を支える人や、推進するプラットフォームづくり。訴えたい順番にした方がいい。
  • 震災を踏まえ、世界の子どもたちの復興支援において、教室や学校がないところにパソコンを導入することによって、学校の代わりの学習環境を提供しているような事例がある。その中に本というものを入れていきたい。
  • 司書以外の読書に係るプロの養成に向けた可能性を追求した方がいいのではないか。それによって司書の危機感を煽り、司書の学習プログラムが変わってくる。
  • ハイパー司書をつくるなど、大胆なことを少しずつ出せばよい。
  • 司書と書店員、学校の先生、ミュージアムのキュレーター、作家などの間でリンクがつくれないか。
  • 日本語を教える、学ぶ、使うという面から、欧米との関係や歴史文化の関わりなどとリンクさせた考えを入れられないか。
  • プラットフォームについて、研究機能からライセンス機能、促す機能、人材育成センター的機能などの役割も入れた方が良いのではないか。
  • 図書館の検索システムで、様々な分類やカテゴリーを本の方でカバーし引き取り、日本の知の全体像(歴史・文化など)と結びつけることができないか。
  • 子ども読書活動推進計画の策定状況のデータを入れるべき。推進計画をつくっていない地域は50%に満たず、策定すら行われない自治体では、読書環境も整備されない。
  • 読書環境プランの提言は、単につくればいいのだというイメージになってしまうのではないか。皆が策定に参加するという形で、街づくりを色々な年代層の人が考えていき、その地域の独自性を活かしていくようにすべき。
  • 地域文化として大切にしたい読書の文化というものがあるはず。それらについて住民参加で策定をすると同時に自ら実施する。合わせて読書環境の質の評価までを行えるようにしたい。
  • 認証評価や第三者評価のように、自治体を専門家が客観的に外から見たときに、読書環境としてどんな特徴があるのか、特徴はあるがここが充実していないといったことを考えていく評価機関もしくは制度をつくることが考えられないか。
  • 大学に関する読書に関する提言は、この委員会から出すべきではない。日本の子どもの育ちが遅いのは社会が面倒を見てしまうからである。
  • 小・中学校のカリキュラムの中に読書の時間を入れ込んでほしい。
  • 例えば、ブックスタート事業は市区町村の税金と、出版業界など民間の事業によって草の根的に広がってきた組織。民間がサポートして成り立つことも、重要なこれからの課題ではないか。
  • プラットフォームの中に、大学図書館も連続性を持って位置づけられることが重要ではないか。
  • 大学図書館における最大の問題点は、ジャーナルに費用がかさむこと。大学生が読む本を図書館が管理するほどの金はなくなってきている。
  • 本報告書は現状ではいけないという観点で書かれなければならない。読書をすることによって、モノを考え、判断し、を表現する力が付くから人間の力が育つ。よって未来の人材を育てるためにはどうしても読書が必要、という流れにする必要があり、将来の日本をもっと人の力で築いていくような国にしよう、という調子で書くべき。
  • 読書が入試や入社試験に全然繋がっていない。暗記で入試も入社も通る。そうではなく読書して、自ら学んで考えなければ合格できないような入試や入社試験に移行していく提案をすべき。
  • 教師こそ本を読んでほしいが、教員採用試験の問題は暗記で構成されている。読書の力を育てるべき教員の読書も、採用試験には繋がっていない。
  • プラットフォーム、リテラシーなど横文字が並ぶと分かりにくいため、日本語で表した方がいいのではないか。
  • 日本語は古来より外来語を導入し日本語化してきた。日本人にはこのような編集力があるので、これくらいの外来語の使用は問題ないのではないか。

 

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