資料2.「国民の読書推進に関する協力者会議」報告書構成案(改定案)

はじめに

 → 検討の経緯などを整理して記述してはどうか

1 なぜ今読書が必要なのか

→ 読書の意義、読書の必要性などについて記述してはどうか

 とりわけ、未曾有の大災害を経験した我が国において、一人一人が強く生き、未来を創る力を養うために読書が不可欠であることを強調してはどうか
 あわせて、ICTの発展に伴い、知の電子化が進む中で、電子化された知と人との新しい関係づくりが求められていることへの留意の必要性を示してはどうか

<読書の意義として盛り込む内容の例>

  • 知識、想像力、思考力、判断力、創造性など個人の自立の基盤の形成
  • 豊かな人間関係を築く言葉の力の涵養、社会における共同性の育成
  • 「新しい公共」を担う力の育成
  • 先人の知恵やアイデンティティの継承・発展、新しい価値の創造
  • 「知識基盤社会」における生涯学習の必要性
  • 個々人の「知」の総和こそが国の在り方を規定するものであり、読書は国のインフラ
  • 「読むこと」が人生に与える喜び
  • 失意や挫折から立ち上がり、未来を創造する力の育成

2 読書環境・読書活動の現状

 → 以下のような項目について、これまでの施策や現状についてデータも示しつつ整理・概観してはどうか

(1)読書環境の現状

 1.出版・書店の現状

  • 書籍の新刊店数、販売金額
  • 書店数、新保書店やインターネット販売の普及など

 2.図書館等の現状

  • 「社会教育調査」等(館数、職員・司書数、予算、貸出冊数などの状況)
  • ブックスタート、高齢者・障害者サービス、ボランティア
  • 地域の課題解決のための知の拠点として図書館の取組

 3.学校における取組の現状

  • 学校教育法の改正、学習指導要領の改訂
  • 学校図書館、司書教諭、図書等の整備状況
  • 「朝の読書」活動の広がり、「学校支援地域本部」等での学校図書館の活用

(2)読書活動の現状
 <例>

  • 総務省「社会生活基本調」
  • 毎日新聞社「読書世論調査」   
  • 文部科学省「全国学力・学習状況調査」
  • OECD「PISA」

(3)読書環境の変化の動向、特にICTの影響
 <例>

  • 「ケータイ小説」
  • 電子書籍の動向
  • 国立国会図書館のデジタル化事業
  • 知の電子化をめぐる動向への対応       

3 より豊かで幸福な人と読書との関係を築くために ~3つの提言~

 → 誰もが読書に親しみ、その恵沢を等しく享受することのできる環境づくりに向けて、国、自治体はもろん、社会全体で取り組むことが必要であることを打ち出すとともに、そのために取り組むべき項目について、3つ程度に絞って提言してはどうか
 (1行程度の提言+その背景や講ずべき具体策に関する説明を記載)
  あわせて、その実現には相応の予算が必要であることを記載してはどうか

<提言事項案>
1.住民参加で自治体ごとの「読書環境プラン」(仮称)を策定し、実現しよう

  • 読書推進の基本戦略として、自治体(市町村)ごとに、住民参加で「読書シビルミニマム」(読書生活保障の最低基準)、その実現のための「読書環境プラン」を策定し、取り組むべき

(各主体の役割)

  • 市町村の主体性が重要。住民を含む多様な関係者の参加を得て、地域の特性を踏まえつつ、例えば中学校区単位で地域の読書環境の最低基準を設定、計画化して実現に取り組む。実施状況の評価や見直しも必要
  • 学校や幼稚園、保育所、児童館、公民館等の読書環境の充実が必要
  • 特に学校において、「言語活動」はもとより、「コミュニケーション活動」「思索活動」の充実に資するよう、「読書センター」、「学習・情報センター」として学校図書館の人的・物的環境の充実が必要
  • 公共図書館の情報と人(司書)を、個人や社会が抱える様々な分野の課題解決へのアクセスポイントとして活かすことが必要
  • 住民の協働・参画が鍵。「図書館熟議」などを通じて地域の読書や図書館を皆で考えるなど、「新しい公共」の視点からの取組が重要
  • 国は、ナショナルミニマム確保の観点からの学校教育や社会教育における基準づくりや「子どもゆめ基金」を活用した読書活動の推進など、自治体等の取組の側面支援が必要

2.読書を支える「人」を育てよう

  • 読書を支える「人」が重要であり、その育成に取り組むべき
  • 特に自治体の首長や議員等の理解促進が必要
  • 公共図書館の司書、学校図書館の司書教諭や学校図書館担当職員の役割が重要。教員養成課程への「読書教育」「図書館活用教育」の導入の検討が必要
  • 地域でボランティア等により読書活動に取り組んでいる人々を支援し、「読書コミュニティ」を形成することが重要
  • 図書館職員、書店員、教員、ボランティアなどの「本にかかわる人材」を充実するための教育研修プログラムの開発・実施が必要

3.読書の可能性や将来像を構想し、推進するプラットフォームをつくろう

  • 読書会や読書サークル、イベントなどで、読書体験を共有したり、「本を贈り合う文化」を育てることで、本を通じたコミュニケーションを広げるとともに、ワーク・ライフ・バランスの改善で大人の読書する時間を生み出し、「本と読書のある風景」を作りだすことを目指すべき
  • 経済学、社会学、脳科学、心理学、教育学など、多様な観点からの読書に関する総合的な研究や、諸外国の「本をめぐる状況」に関する調査を行うとともに、読書の意義や楽しさを社会に発信していくためのプラットフォームが必要であり、引き続き検討すべき
  • 「国民読書年」の理念を永く引き継いでいくことが重要

おわりに

 → 東日本大震災を経験して改めて明らかになった読書の意義や、それを踏まえた取組の必要性について記述してはどうか

<参考資料>
 ○事例紹介
 ○各種データ、関係法令等

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課