平成22年11月12日(金曜日) 16時~18時
文部科学省東館講堂(3階)
(1)これまでの熟議の取組の報告について
(2)「熟議に基づく政策形成展開~更なる推進に向けて~」について(グループ討論)
(3)その他
金子座長、田村副座長、貝ノ瀬委員、柏谷委員、鎌田委員、粉川委員、小林委員、佐々田委員、
塩見委員、城山委員、竹原委員、中竹委員、日渡委員、別所委員、村上委員
-保護者は、教育についてあまり知識が自分にないと考えて意見することを遠慮する傾向が見られる。
-コミュニティ・スクール導入に際しても、人事や運営について意見が言えることについて、最も困ったのは保護者であることが多い。権利が与えられて逆にどうしたらよいかと戸惑ってしまう。
-保護者の影響力の大きさを保護者が気づいていない面がある。
-学習指導要領とまではいかなくとも、指導書に、話し合いの手法として熟議を入れてもよいのではないか。
-熟議で寄せられた意見は、政策に生かされるだけでなく、自分でも実践しなければならないという自覚も重要。
-「ふるさと教育」で、保護者、子ども等各主体がそれぞれにやるべきことを考えてきたが、連携・協働を中心とする熟議が加わることで、さらに活性化してきた。
-熟議のプロセスによって多くの大人が学ぶことができたと感じる。
-熟議は単なるツール・方法ではないと思う。
-小グループで率直に意見交換する機会が少なくなってきた中で、熟議は効果的。
-「つまらない」会議が多いので、それを面白くする仕掛けを工夫することが重要。
-好事例だけでなく、失敗事例も蓄積させていくことも重要。
-成果を挙げた人に対して「もう一回神様に同じチャンスを与えられるとしたら、何をやるか?」といった問いによって、更なる改善方策を創発できたらよい。
-ゴールは、認知度か、参加者数か、リピーター度か、素晴らしいアイディアが1件でも生まれることかなど、設定の仕方によって、推進方策も変わっていく。
-好事例の蓄積と広報によって、全国によい取組を広げていけたらよい。なお、広報に当たっては口伝が効果的。
-文部科学省は、リアル熟議について、「行く」だけでなく、「言う」ことも重要。
-文部科学省は、教育委員会に対して熟議を発信していく必要がある。
-「グローバル人材の育成」に関する熟議などは、社会的関心も高く、メディアに取り上げてもらいやすいのではないか。
-審議会等の議論では、現場の人たちには「他人ごと」として受け止められてしまっている節があるが、熟議では、皆が「自分ごと」として受け止める。
-審議会でも熟議がなされるとよい。(生涯学習分科会で一部、熟議が試行されたところ。)
-目標値を7万人あるいは10万・100万人等に設定
-リアル熟議からの導線を強化し、ネットで続きの熟議を行う部屋を設ける
-リアル熟議参加者へのメールや郵送での連絡が可能なよう個人情報の許諾を得ることを検討する
-ターゲティングも検討した上で、効果的な他のサイトからの導線を強化
-携帯電話等、熟議性を確保しながらライトな入り口を設ける
-仕組みとして別の箱を設けたり、ID登録の垣根を下げる等の方策も検討-関心ある方が多く集まる状況をつくるため、ティザーとしての位置づけをしたテーマや熟議の在り方も検討
-発言回数の制限等のルール作りや、発言を促す等の運用上の工夫が必要
-属性や志向のバランスを考慮した、指名による限られたメンバーでの熟議の可能性を検討
-ファシリテーションを強化し、ライトなウェルカムを丁寧に行い発言を誘発する
-春の課題発掘型、秋のパパブコメ型等の年間スケジュールの確立
-ライト熟議との組み合わせによる参加のしやすい状況づくり
-ファシリテーションへの活用
-発言状況や意見の傾向の把握に活用
-熟議の意見をどのように引き取るかの明確化
-「成果公開」のページで意見を踏まえた状況を可視化することが重要
-基礎データの取り方や分析方法の再考が必要
-利用状況等についてのユーザアンケートの実施も有効ではないか
-資料5のとおり、委員の皆様のおかげでリアル熟議が大変な盛り上がりをしていることに感謝申し上げたい。
-内閣府が行っている政策コンテストにおけるパブリックコメントでは、36万通のコメントが寄せられたが、うち28万通が文部科学省関係であり、さらにそのうち、10万通が10代、20代からであった。我が国の政策形成過程上、10代、20代が、「石を投げ」ない形で、このような健全な反応をしたというのは極めて画期的なことだと思う。これは、ネット熟議により、多くの方々が教育問題に関心を持ってくださったことにもよるものと思っている。
-横浜市の事例のように、熟議により、世の中が変わるアクション、あるいはポリシーメーキングにつながっていくにはどうしたらよいかということも、引き続き、委員の皆様と考えていきたい。
-熟議により政策に反映されるということも大事だが、熟議文化が広がっていくことも非常に意味があると考えている。秋田や青森のように、市民に熟議文化が広がっているというのは、大変嬉しく、かつ、面白く思う。
-教育というのは地道な日常の積み重ねであり、何か特効薬があって、劇的に何か変わるという話ではないので、このような文化というのは大事だと思っている。
-私は、8月の【「熟議」in 横浜(教育夏まつり2010)】で「子ども熟議」に立ち会い、非常にうまくいった。青森県の弁論大会で優勝した中学3年生の作文を読ませていただいたが、非常に感動した。彼の取り組
みたいテーマは「人間関係」ということだが、その中の一文に、自分たちは「人間関係」が大事だと思って取り組んでいたが、大人も熟議でそういうことを語っている。大人も分かっているではないかと、それで安心したという作文だった。大人がちゃんとそのようなことをわかっているとメッセージを伝えることは大変重要だと思った。
-現在、いじめ、不登校、引きこもり等、改めて文部科学省がきちんと取り組んでいかなければならないと考えている。もちろん従来の手法を徹底するということももちろん大事なことだが、それだけでは行き詰まりがあると私は個人的に考えており、子どもの中で熟議文化を広げていくことが、子供たちも悩んでいる人間関係の再構築、再構成、あるいはそうしたことのうまくいってないところの早期の発見、ケアというようなことに非常に有効である可能性を秘めており、こうしたことについても、委員の皆様と一緒に考えていきたい。
-役所の人間や教育委員会の方に、十分に熟議文化が広まっていないというところを痛感しており、まず文化のところを官のほうにも広めていかなければいけないと改めて感じさせていただいた。
-文部科学省の中でも、全省的に熟議を色々な形で色々な分野で取り組むための仕掛けも考えなければいけないと考えており、また、教育委員会との協働体制もさらに充実していかなければいけないと感じさせていただいている。
-ネットワークはコミュニティをつくる非常にパワフルなツールなので、ネットの力について、ネット熟議ではまだ十分に発揮されていないと思う。
-リアル熟議は、今の火のように燃え盛っているところをしっかりプロセスとして定着させ、いい教育、いい地域をつくるというモデルにしていくということが重要。
-熟議の取組は、これまでのところ、間違いなく大成功。ここにとどまらず、これから進めなければいけないと思う。
生涯学習政策局政策課