新しい時代に対応した統計調査の推進に関する検討会(第10回) 議事要旨
新しい時代に対応した統計調査の推進に関する検討会(第10回)が、以下のとおり開催されました。
1.日時
平成22年12月16日(木曜日)15時00分~16時30分
2.場所
文部科学省生涯学習政策局会議室
3.議題
- 「公的統計の整備に関する基本的な計画」(子どもの学習費調査)への対応について
- その他
4.出席者
委員
馬場座長、金子委員、廣松委員、村上委員、吉谷委員(五十音順)
文部科学省
生涯学習政策局
伊藤審議官、弦本調査企画課長、上田課長補佐 等
オブザーバー
国立教育政策研究所
笹井総括研究官、深堀総括研究官、松川総括研究官、萬谷総括研究官(五十音順)
5.議事要旨
事務局より配付資料の確認及び資料の説明が行われた。
(1)「公的統計の整備に関する基本的な計画」(子どもの学習費調査)への対応について
標記について、事務局から附帯調査のイメージ案及び今後のスケジュールについて説明があり、各委員の意見を踏まえ、今後、事務局で修正等を行った上で、総務省と今後の具体的な手続について検討することとなった。
各委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 一週間あたりの通塾頻度等について質問して、実際に調査結果をいかせるのか。子どもの進路希望については本人の性別、第一子か否かで違ってくるはずである。
- 「子どもの学習費調査」では家庭の収入状況について質問しているが、奨学金や学資ローンの状況については把握できていない。高校無償化により今後状況が変わると思われるが、親の教育費に関する負担状況を把握するためには何らかの形で調査することが必要ではあるが、回収率等を考えると、「子どもの学習費調査」に追加しない方がよい。
- 通塾等の頻度について分かりにくいので、複数の場所に通っている場合はのべ回数を回答させるなど、記載の仕方を考えるべきである。
- 塾といっても補習塾、進学塾などあり、それぞれ授業内容も回数も異なる。今回の附帯調査案ではそうした実態は把握しにくいと思われる。
- 塾の場合、2月中旬から新年度の授業を開始しているなど、4月始まりの年度とは異なるスケジュールで動いている。この点を踏まえて、例えば6月時点での通塾の状況について聞くなど、附帯調査の内容や実施時期を検討するべきである。
- ここ数年、就学援助等を受けている家庭が増加していると指摘されているので、将来的な検討課題として考えてもらいたい。
(2)その他
○統計マップ(サービス分野)について
事務局から、前回言及された統計マップ(サービス分野)と文部科学省で実施している各調査の位置づけについて説明があった。
各委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 現状の政策統計では修士と博士を区分していないものがあるため、大学院修了者の就職状況、特に博士の状況が把握できず、議論ができない状況。また高校から大学への進路希望の状況についても把握できていない。文部科学省だけでなく、政府統計システム全体として、今後、是非改善していただきたい。
- 教育や医療分野においては近年、教員や設備・マネジメントの状況など、クオリティの状況をいかに把握するかが問題であるという認識になっている。
- OECD諸国と比較した場合、国内の調査では対応していない項目が幾つかある。例えば、以前は奨学金調査というものがあったが、現在実施されていない状況。
○統計データの二次的利用について
事務局から、統計データの二次的利用の現状について説明があり、廣松委員から補足説明があった。
各委員からの主な意見等は以下のとおり。
- 統計データの二次的利用について余り進んでいない原因として、利用目的の限定、データ利用の結果公表義務、手続の煩雑性の問題などが上げられる。
- 大学については学教法施行規則の改正で教育情報の公開が規定されたが、統計におけるデータ利用では秘密の保護から個別データの利用を認めておらず、食い違いが生じている。
○文部科学省における統計データ活用について
日本の場合、成人の学習状況について体系的な調査が存在せず、状況が把握できない。OECDの調査データ(Education at a glance)でも、教育と労働をつなげるデータが足りていない状況である。ただし、これについては労働力調査の問題でもある。
○その他
事務局から学校保健統計調査結果の速報について、PIAACの予備調査の状況について説明があった。