新しい時代に対応した統計調査の推進に関する検討会(第2回) 議事要旨

新しい時代に対応した統計調査の推進に関する検討会(第2回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成21年3月5日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

  1. 検討課題の整理
  2. 今後(次年度)の検討方針について(分科会を含む)
  3. その他

4.出席者

委員

小川委員、馬場座長、廣松委員、吉谷委員(五十音順)

文部科学省

生涯学習政策局
惣脇生涯学習総括官、神代調査企画課長 ほか

オブザーバー

国立教育政策研究所
藤江研究企画開発部総括研究官

5.議事要旨

議事については以下の通り。

・第1回の議事概要について承認が得られた。
・議題(1)検討課題の整理について、神代課長から、配布資料(資料1-1、2、3、資料2)に基づく説明のあと意見交換が行われた。

<以下委員から>

〔資料1-1:全体共通〕
(委員)
 資料1-1にある個人の行動について一定のサンプリングをする調査が必要という項目に関連して、厚生労働省が実施している21世紀出生児縦断調査で、対象者が小学校に入学することになるが、どうしても小学校入学後は文部科学省の協力が必要になるため、これについて両省の協力体制を構築していただきたい。

(委員)
 日本の労働統計は、どうしても労働政策、特に雇用や賃金に関する統計に偏っており、ライフコースやワークライフバランスを捉えようとしたときに適当なデータがない。

(座長)
 ライフコースを捉えるためには、どのような調査が必要かということを議論していく必要があり、文部科学省ですべて把握するのではなく、文部科学省がどういう部分を担当するかという話になるのではないか。

(委員)
 EAGにおいて、教育分野で出せていない部分とは具体的にどこか。

(事務局)
 例えば、移民としての背景が生徒に与える影響であるとか、受けた教育とそれに対する所得との関係や、学校の評価としてどういうことを行っているかなどについては出せていないところである。

(座長)
 この委員会でやることを整理すると、外側からの要請があるものと文部科学省として独自にやっていくというものに分けられると思うので、次回からは資料にこれは教育基本計画関連とかいうように、ひと目でわかるようにしていただきたい。

 〔資料1:初等中等教育分野〕
(委員)
 これまで文部科学省で継続的に調査しているものの中で、教職員に関するデータが不足している。教職員については、学校基本調査や学校教員統計調査で調査しているが、最近教師の雇用主体や雇用形態が多様化しており、色々な問題を考えていく際に、学校や教職員の現状をきちんと統計として把握する必要がある。文部科学省の財務課でも調査しているが、県によって捉え方が違っていて、全体的にひとつの基準で統計をとるには難しいところがあり、基準も含めて整理する必要がある。
 教員の定数改善を考えていく上でも、教師の勤務実態、勤務内容に関することについても継続的に調査する必要がある。

(事務局)
 同じ非常勤講師といっても、県によって同じ名称でも勤務実態が違ったりしているため、かなり細かく調査しないと実態が見えてこない。一方、細かく調査すると回答する学校側にとっては負担になるという問題もあるため、抽出調査にするなどバランスをとっていく必要がある。

(座長)
 学校単位ではなく、個人単位で調査しないと非常勤講師をいくつも掛け持ちしている場合などは、オーバーカウントしてしまうという問題もある。

(委員)
 外国人児童生徒関係のことや、不登校などについて、母数がはっきりしていない中で調査をしているため、せっかく調査しているのに実態と違うなど現場や民間から色々言われることになる。新しい分野なので調査の時の定義と回答者の理解がずれているという問題もある。
 どのような外国人児童生徒に日本語指導が必要かについて、研究者にはコンセンサスがあるが、学校の先生にはコンセンサスがない。つまり、日本語をしゃべっているからよいというのが基本となっている。ところが日本語をしゃべっていることと、学校の先生が生徒を指導する上で学校教育上必要がでてくるかは別問題である。この点について、文部科学省が定義を示して、それが受け止められているのか、また受け止めた側でそれが徹底されているのかという問題もある。新しい変化があるところを統計で実態をつかもうとする際には、文部科学省や研究者と学校現場との考え方のすり合わせを行っていかなければいけない。
 初等中等教育局で個別調査がずいぶん実施されているが、それぞれの横のつながりをどの程度検討しているのかが気になる。日本語指導が必要な児童数を把握する際に付随的に出てくる教育成果の問題や不登校の問題も一度にやれば済むのに、一緒に行われていない。少なくとも継続的に行われている調査については、整合性をとらないといけない。

(座長)
 単発でやった調査がそのまま原局だけ使って、公表すれば終わりというのではもったいない。横並びで使えるようにすれば随分違ってくる。

 〔資料1-1:高等教育分野〕
(委員)
 調査によっては大学と大学院を分けて把握するようになったが、やはり一般的に学歴や年収の項目については抵抗が強いというのが現状で、これらの項目があることによって調査票全体が白紙で返ってくるかもしれないということが調査実施者の一番恐れるところである。

〔資料1-1:二次的利用分野〕
(委員)
 基本計画の柱のひとつに二次的利用があり、匿名データ、オーダーメイド集計及び従来からの目的外利用の三段階に分けている。目的外利用に関して、厳重に情報管理された環境で利用希望者が作業するということが認められ、公表はできないが特殊な使い方はできるということになる。
 また、二次的利用の提供機関は、統計センターだけでなく文部科学省の附属機関も考えられるのではないか。

 (座長)
 二次的利用に都合のいいように統計を作るのは難しいので、あるものをどうやってうまく提供するかである。
 今回資料に挙げられているのは、基本計画の策定に伴って対応すべきことが多かったので、次回は文部科学省として将来を見通してどういう統計調査を行っていくべきかということを議論したい。
 そのために統計調査に限らず、省内でどういう調査が行われているかという資料を次回準備いただきたい。

 ・議題(2)今後(次年度)の検討方針について(分科会を含む)について、事務局より資料3に基づき分科会の説明。(座長)
 次回は、公的統計の基本計画と教育振興基本計画(アクションプランを含む。)への対応等について、優先順位をつける必要もあるので、分科会ごとに優先度がわかるような資料を準備してもらいたい。

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生涯学習政策局政策課