生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第2回) 議事要旨

生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第2回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成23年10月24日(月曜日)15時00分~18時00分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

  1. 社会教育調査の見直しについて

4.出席者

委員

小泉委員、笹井委員、澤野委員、田中委員、土屋委員、益川委員

文部科学省

生涯学習政策局
西澤調査企画課長、上田調査企画課長補佐、土山調査企画課長補佐、萬谷社会教育課企画官

オブザーバー

国立教育政策研究所
小桐間生涯学習政策研究部長

5.議事要旨

事務局より配付資料の確認及び資料の説明が行われた。

(1)社会教育調査の見直しについて

事務局より、社会教育調査の見直しに関する基本的原則や検討すべき調査事項について説明があり、それを踏まえて委員による議論が行われた。

各委員からの主な意見等は以下のとおり。

社会教育調査見直しの方針について

  • 社会教育法が制定された当初は、社会教育施設を増やしていこうという施策のもとで調査対象や調査項目が増えていった経緯があると思う。今後の社会教育の課題が鮮明でないと、調査項目の見直しも難しいので、今後の社会教育の基本的な計画について明らかにしてほしい。
  • 公民館の今後の役割を把握した上で調査項目を検討していくのか、公民館の在り方についてもこの会議の場で議論をしていくのか。
  • 調査結果の利用者の立場から見て、必要な項目については調査すべきである。国だけでなく地方公共団体の需要も考慮する必要がある。
  • 社会教育調査は3年に1回の調査であるため、数10年単位での変化を捉えるべきであり、今後継続することを考えると、スリム化した方がよいのではないか。コンピューターの状況などは、10年後はどうなっているかは分からないが大きく変化しているだろうと予測される。このような変化の大きいものは、継続的にするよりもスポット的な調査とすべき。短期的なものと長期的なものに分けて調査すべきではないか。
  • 他省庁の行っている統計調査に新たな調査項目を加える方針は賛成しかねる。なるべく自分のところで調査する、あるいは他省庁と連携するという方向もあってよいのではないか。
  • 統計委員会より社会教育分野における関係主体ごとの収入・費用構造等について把握すべきとの指摘があるように、設置者レベル、事業費レベルなど、何らかの方法で費用関係について調査すべきではないか。

公民館調査票について

1、指定管理の相手先

  • 選択肢の「地方公共団体」を選ぶところは余りないのではないか。
  • 任意団体や自治会メンバーを中心とした団体が選択肢「その他」に入るのであれば、その部分の数が多いと思うので、細かくとってはどうか。
  • 回答者が誤解なく回答できるよう表示を工夫してはどうか。また、「○○協議会(自治会)」の類に委託しているケースも多いので、定義づけできれば、公民館調査票の場合は入れておくことも考えられる。
  • 「その他」が一番多いのは見直すべきではないか。
  • 管理運営の項目に絞った上で、これからのトレンドとして個人に着目した調査項目を調査すべきではないか。
  • 指定管理の期間については、指定管理は5年、業務委託だと3年とおおよその期間が決まっているので、調査の必要はないかもしれないが、実際の期間か、規定上の期間を聞くのかにもよる。
  • 指定管理に、有資格者など専門の人がいるかどうかについては、「8職員数」のところに主事の有資格者のことを聞く欄を増やすことで担保できるのではないか。

2、職員数

  • ここで公民館にいる社会教育主事の有資格者を把握してはどうか。

3、職員に対する研修の実施の有無について

  • 公民館においては、人の資質向上が重要であり、どのような形で人材育成を行っているのかについて把握することが重要である。官だけでなく民間の研修先も選択肢に入れる必要がある。また、研修の派遣先だけでなく、公民館に講師を招いている場合についても把握すべきである。
  • どのような内容でどのような人材を育成するか、ということの方が大事ではあるが、それを把握することは困難であり、現状のような聞き方にならざるをえない。
  • 調査結果を時系列で見るためには、できるだけ調査項目は変えない方が望ましい。

4、施設・設備の状況

  • 施設・設備の有無について
    • 会議室などの項目をなくしたことによって、今まで会議室に計上していたものが別の所に計上されるような誤記入にならなければ、項目を変えてもよいのではないか。
       
  • コンピュータの導入状況
    • パソコンがあるか、それがインターネットにつながっているか否かを問うようなシンプルなものではなく、パソコンのスペックや形態(据置きかポータブルか)、あるいは無線LANにつながっているかなど実用に資する機能について調査すべき。
    • 情報の総使用量のようなものが測れると理想的である。
    • 生涯学習の観点から、e-ラーニングやオンラインコンテンツの利用に関わるインフラが整っているかを把握する必要があるのではないか。ネットワークやコンピュータは災害時のライフラインとして活用されるものであり、公共施設の能力を把握することが必要である。
       
  • 受動喫煙防止のための対策の方法
    • 簡略化できるのではないか。
    • 公民館によってはまだ分煙になっていないところも多いので、調査項目は残した方がよいのではないか。
       
  • 耐震診断
    • 調査項目は、長期的なものと短期的なものに分けた方がよい。
    • 次回は平成26年度調査なので、今から4年後に結果が分かることについて考慮すべきではないか。
    • 避難所機能について聞いてはどうか。

5、公民館運営審議会等の設置状況

  • 運営状況に関する評価
    • 神奈川県ではやっていないところや公表していないところが多い。
    • 聞き方を工夫して入れていくべきではないか。

6、ボランティア活動状況

  • 博物館・図書館については、施設ボランティアについて調査することは公民館より重要。
  • 研修の回数までは不要だが、研修の有無は重要。専門的職員の有無が公民館と貸館との違いであるという観点から、ボランティアに対する研修の有無については把握をしてほしい。ただ、その点については「15事業実施状況(6)学級・講座」の部分で聞くこともできるのではないか。
  • 何のボランティアをやっているのか不明のまま、研修の有無を聞いても仕方ないのでは。種類を少し変えてはどうか。
  • ボランティアについては、「ボランティアに対する研修の有無」と「ボランティア活動の種類」をセットで考えることも検討する。

7、開館の状況

  • 標準開館時間として、○時~○時として聞く方が、「夜間の開館の有無」として聞く場合より情報量が多い。また、記入者負担もそれほど大きくないので変える必要もないのではないか。
  • 何のために夜間あけているのか。夜間開館しているとしても、夜間に学習活動が行われているかどうかはわからない。
  • 地域によって傾向があるかもしれないので、何時が常識的な開館時間かということを調べることにも意味がある。

8、利用状況

  • 団体の区分について、属性別ではなく分野別(環境など)で把握してはどうか。

9、事業実施状況

  • 民間社会教育事業者との連携・協力の状況について
    • 民間だけ取り出して調査していることには、かつて文科省が民間社会教育事業者のネットワーク形成を促進していたことが関係しているのではないか。
    • 公民館ではボランティアの自主企画事業が増えており、講座の企画等のガバナンス機能を市民やボランティアに委託している状況であるため、すみ分けが必要である。
    • 学級・講座の数を聞く必要があるのか。民間だけ詳しくなってしまっているので、連携・協力状況と共催相手の項目を合体し、大枠で連携を聞いてはどうか。
    • 学校支援ボランティアなど公民館と学校の連携をもっと取り上げてもよいのではないか。
       
  • 諸集会及び学級・講座の共催相手
    • ヨーロッパでも地域学習センターで大学と結びつけるシステムはある。大学との連携が現在少ないからといって、選択肢から外してもよいものか。
    • 新たな選択肢として挙げられている「NPO」という表記は、「NPO法人」又は「特定非営利活動法人」、あるいは「社会教育団体(任意団体を含む)」とすべきではないか。
       
  • 情報提供方法について
    • 施設におけるホームページについては、教育委員会のホームページの中に含まれていることが多く、独自でホームページを作成している施設は少ない。
    • 社会教育主事がいるところといないところで、どの方法で提供しているのかを見ることは意味がある。
    • 提供だけでなく、活動している人が発信しているものがあるとよい。
    • クロス集計してはどうか。
    • 情報提供を学習者の学習機会選択援助と捉え、学習相談のようなものを選択肢として増やしてはどうか。
    • 主体的な情報発信の側面についても調査すべきではないか。利用者も情報をオンラインで発信している時代である。
    • 神奈川県では広報誌で情報を得ている利用者もおり、自治体レベルでは重要な項目である。
    • 東日本大震災の際、公民館に避難していた人が情報を得られなかったこともあったので、情報環境について何らかの把握をしておく必要性が出てきたのではないか。
       
  • 学級・講座における学習内容区分について
    • 学習相談などの区分を参照してはどうか。自治体から分類をもらうことも考えられる。
    • 10年に1回を詳細なものとし、3年ごとは大くくりとするなども考えられる。
    • 公民館を使う学習サークルの学習量も多く、それについては内容を把握できないので、主催講座の学習分類だけを余りにも細かく見ても公民館全体の学習の内容を把握するには十分でない。
       
  • 学級・講座における対象別区分について
    • 公民館としては、青少年にも利用してもらうことを目指すべきなので、青少年が公民館に来ていないという実態も把握すべきではないか。
    • 青少年を「子供(親子を含む)(子供の定義は○歳以下)」と若者とに分けてはどうかと思うが、区切り方が難しい。成人一般は不要ではないか。そうすれば1つ減らせるので、異世代とか多世代などを加えることもできる。
    • 現在の分類は、ライフステージと性別という異なる性質のもので区別している。「女性のみ」というのは必要なのであろうか。
    • 「親子」で特出ししてはどうか。
    • 「親子」あるいは「多様な世代」の利用が増えていることを踏まえ、「その他」を見直す必要があるのではないか。
    • 「成人一般」という区分をやめると「その他」が増えてしまう。「誰でも可」というのを作ってはどうか。
       
  • 「学級生数及び受講者数のカウント方法について
    • 記入者負担を考えたカウント方法とすべきである。個別の講座を中途半端に実人数で調査しても仕方ないのではないか。
    • 延べ数で調査できればよいが、継続性がなくなるのが懸念される。

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生涯学習政策局調査企画課