2.新高等専修学校にかかる制度設計の基本的な考え方

  • 高等専修学校(専修学校)の現況を鑑みると、次のような解決すべき課題が存在している。
    • ◇我が国の学校教育制度において、特別な性格を有する教育機関(教育施設)として位置づけられているため、教育改革においては直接的な議論の対象とならないこと。
    • ◇学校教育制度を根拠とする、あるいは学校教育制度とその他の制度を明確に区分する、多数の社会システムが確立しているため、現に高等専修学校及びその在籍者や卒業者に対する格差が生じていること。
  • 上記1の経緯の中で述べた格差問題等を併せ、こうした課題を解決するために、「新高等専修学校制度の在り方(高等専修学校の将来像)」については、以下の基本方針のもとで検討を行う。

基本方針1 新高等専修学校は、新しい学校種として創設し、学校教育法第1条に規定すること。

  • 高等専修学校(専修学校)は、多様な主体により設置され、特色・個性のある目標を設定して教育機会を提供している。
  • 引き続き高等専修学校(専修学校)制度の中で教育機会を提供するものが出てくることから、高等専修学校(専修学校)の目的や基準等は変更せずに、今までどおりの制度として残す必要がある。
  • さらに上記の「解決すべき課題」を踏まえ、新高等専修学校は、高等専修学校(専修学校)の部分的な制度改正ではなく、新しい学校種として創設し、我が国の学校教育体系に明確に位置づけることが重要である。

基本方針2 新高等専修学校は、独自の教育の目的を有し、入学資格が明確に区分されたものとすること。

  • 専修学校は、後期中等教育、高等教育及び生涯学習的な教育を包含した単一の教育の目的のもと、入学資格の異なる3つの教育課程を併設することができる。
  • 我が国の学校教育体系においては、中等教育学校や高等専門学校のように、異なる教育段階を体系的かつ組織的に結合し、1つの教育課程として制度化した学校種は存在するが、同一の学校種の中で教育段階別に独立した教育課程を設置できる学校種は存在しない。
  • このような複雑な教育制度のために、高等専修学校(専修学校)は社会的に理解されにくく、適切かつ効果的なより具体性のある振興策の措置などを困難にしている。
  • したがって、新高等専修学校は、既存の学校種と重複しない後期中等教育としての目的を明確にし、その目的に適合した入学資格を設定することが重要である。

基本方針3 新高等専修学校は、既存の学校種の基準等の内容を議論の出発点とすること。

  • 新高等専修学校を新しい学校種として創設するため、新高等専修学校の基準・要件等は高等専修学校(専修学校)と異なるものを設定する必要がある。
  • しかし、新高等専修学校を学校教育体系に位置づける観点では、既存の学校種との整合性を図ることが制度設計上の重要な論点となるため、高等学校及び高等専修学校(専修学校)の基準等を参考にして、目的の達成のために要する内容等を精査することが重要である。
  • 他方、高等学校では、教育内容、教員組織及び施設・設備に関する規制緩和が進んでいることから、新高等専修学校においても教育の質を保証できると合理的に判断し得るものについては高等学校の基準等によらず、最低限必要と認められる内容等を提示することとする。

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(総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室)