専修学校の振興に関する検討会議(第8回) 議事要旨

1.日時

平成20年5月22日(木曜日) 14時~16時

2.場所

合同庁舎第7号館(文部科学省)5階 5F2会議室

3.出席者

委員

 青山伸悦委員、飯島寛委員、岩崎幸雄委員、黒田壽二委員、今野雅裕委員、小杉礼子委員、関口修委員、丹保憲仁委員、中明夫委員、中込三郎委員、福田益和委員、吉本圭一委員、四ツ柳隆夫委員(五十音順)

文部科学省

 加茂川幸夫生涯学習政策局長、清木孝悦生涯学習総括官、川上伸昭政策課長、神代浩調査企画課長、上月正博生涯学習推進課長、寺門成真専修学校教育振興室長、その他関係局課担当官

4.議事要旨

  • 神代調査企画課長から、諸外国における職業教育について説明が行われた。その後中込委員より、専修学校の1条校化について提出資料をもとに意見発表が行われ、以下のとおり、意見交換が行われた。

意見交換の主なものは以下のとおり

  • 現行の専門学校から、新学校種になるものを切り分けていく場合、どのようなものが新学校種になるのか、具体的な例を挙げて考えることが、議論を深めるために必要である。
  • 新しい学校種を作る場合に、既存の専門学校制度を廃止して、新しい学校種というものを位置づけようとするのであれば、日本の教育体系全体に関わる検討が必要である。
  • 新学校種を創設した場合、新学校種になることができなかった学校の生徒が不利益を受けるのではないか。
  • 大学等との格差の解消について、高度専門士という制度が既にある以上、この制度を廃止することはできないと思われる。高度専門士が認められる課程であれば、大学院進学が可能であり、この面での大学との格差は少ない。むしろ制度面ではなく、専門学校と大学等との格差を縮めるための財政的な施策を検討すべきではないか。
  • 大学は理論的なアプローチによる教育、専門学校は実践的なアプローチによる教育という概念上の整理があるが、実際には一人の人間には両方が必要であるので、職業教育に関するパラダイムの再構築が求められる。
  • 新しい学校種を「新専門学校」と称してしまうと既存の専門学校制度を廃止して別途、新しい制度を創設する、とう誤解を招くので、既存の専門学校制度はそのままに、上乗せする形で制度をつくるというのであれば、新学校種について別の呼称で呼ぶ方が適切ではないか。
  • 統計調査等では専門学校のデータが入っていないことが多々あるが、これは専門学校の位置づけが不明確であることが一因ではないか。
  • 専修学校は、進学先として評価されているし、労働市場においても評価されており、新しい制度を作る必要があるのか疑問。むしろ現行制度のもとに築かれた実績を評価していくことが大切である。
  • 教育制度とは別に行政上の扱いについての種々の格差が、あるようだが、それについては、制度改正とは別に解決できるのではないか。
  • 国際的通用性については、ワシントンアコード(技術者:学士水準)や、シドニーアコード(技能者:準学士)のような国際共通水準を利用して、国際的なステータスを獲得していく方法もある。高等専門学校では学士水準のワシントン・アコードを利用して、大学に先んじて対応し、教育内容と水準の国際的通用性を確保・保証してきている。
  • 新学校種の実質的な内容は高等専門学校と重なるのではないか。
  • 高等教育のグランドデザインから考えていくことが本当は必要だが、それはこの検討会議で扱える範疇を超えている。この検討会議では専修学校の振興策を考えていくとうのが妥当な進め方である。専修学校制度発足から30年が経ち、この間の時代の変化も踏まえ、新たな施策を検討することは意味がある。
  • 1条校にならないと達成できないことは何なのかを明らかにする必要がある。

お問合せ先

総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室

(総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室)