専修学校の振興に関する検討会議(第7回) 議事要旨

1.日時

平成20年4月24日(水曜日) 14時30分~16時30分

2.場所

合同庁舎第7号館(文部科学省)16階F2会議室

3.出席者

委員

 青山伸悦委員、飯島寛委員、岩崎幸雄委員、黒田壽二委員、今野雅裕委員、関口修委員、戸谷賢司委員、中明夫委員、中込三郎委員、福田益和委員、吉本圭一委員、四ツ柳隆夫委員(五十音順)

文部科学省

 加茂川幸夫生涯学習政策局長、清木孝悦生涯学習総括官、上月正博生涯学習政策課長、寺門成真専修学校教育振興室長、その他関係局課担当官

4.議事要旨

  • 今回の議事は、丹保座長が欠席のため、今野座長代理が進行することとされた。
  • 山内委員に代わり新たに、委員に就任した中委員から新任の挨拶があった。
  • 事務局から、過去の検討会議の主な意見を整理した資料に基づき、説明が行われた。
  • 事務局から説明の後、今野座長代理からは、これからの検討の進め方について以下の見解が参考として示された。
    • 議論を進める前提として、専修学校の1条校化を前提にすると議論がわかりにくくなる。職業に即応して必要な知識・技術を教える専修学校制度は、高等教育の場合、既存のアカデミズムの体系に基づいた伝統的な学問を前提する大学等の1条校とはもともと異なるものとして創設されたのであり、1条校とは異なるものであることを踏まえた上で議論を進めることが適当である。
    • 現在の専修学校制度は昭和50年当時の社会における新しい学校制度の必要性があったため創設され、多様に発達している現状があるが、一定の規模を持ち、あるいは一群の高い教育を行っている専門学校について、現在新しい学校制度を作って振興する必要があるのかどうかを今回の議論においても検討するべきである。
    • かって専科大学、専門大学構想があったが、大学とは違うものでそれが社会にとって必要であるということであれば、新しい学校制度をきちんと検討することが必要である。
    • 新しい学校の議論は、専修学校だけではなく、高等教育全体のなかでそういう構想が可能かという議論になると思われる。
    • 新しい学校種としての、高等教育段階における職業教育機関について、どのようなコンセプトの学校になるのか、諸外国の制度も参考に議論すべきである。
    • 新しい学校種の議論と併せて、現行の専修学校の振興方策についてもこの場で議論したほうがよい。
  • 今野座長代理による以上の発言の後、意見交換が行われた。

意見交換の主なものは以下のとおり

  • 新しい学校種の検討については、まず高等教育としての職業教育についてのグランドデザインを検討する必要がある。その中で、新しい学校種の位置づけを考えるべきである。
  • アカデミックなものと技能的なものとの関係の整理が必要である。学問的な教育をするのか、技術者教育をするのかが職業教育を議論する上で重要である。高等専門学校については、学問的な体系とのかかわりを持った上での職業人教育、Science Base Technologyというコンセプトが基本的にはある。
  • JABEE認定を受けた高等専門学校の専攻科修了生については、国際的な水準の学士であるが、国内的には、学校が学士の学位を授与することを認められていない、というギャップがある。こうした高等専門学校についての問題も職業教育についての全体像を議論する中で、検討すべきである。
  • 学問教育の軸と職業人教育の軸の2つの視点をもちながら新しい制度を検討していくことが必要である。
  • 高等教育における職業教育を考える場合には、研究や創造性の涵養という要素も考える必要がある。
  • 職業教育についての新しい体系を検討する際には、職業に結びつく資格を取得することを主な目的としている専修学校と、特に資格に関連をもたずに教育をおこなっている学校の切り分けや実態調査を考慮することが必要である。現実の社会では資格への需要があり、社会で必要とされる資格をもった人材を供給できる職業教育を実践できる学校を新しい職業教育の体系の中に、位置づけることができないのであれば、せっかく、新たに職業教育の体系を考えても、社会のニーズにこたえられない体系になってしまうおそれがある。
  • 伝統的な大学教育の他に、実践的な職業教育を提供する高等教育機関があることは、国民に開かれた高等教育を保障することになる。また職業教育に特化した高等教育機関を創設することで、学術研究の中核としての伝統的な大学の質の維持に資すると考えられる。
  • 必ずしも、教育と研究をセットで行うことを高等教育の要件と考える必要はないのではないか。一方で新しい学校種の検討に際しては、どのような方法で教育を行う学校とするのか、ということを考える必要がある。そのためには、現在、専修学校はどのような教授方法をもって教育を行っているのかを検討し、それを踏まえて、ある方法をもって教育を行う学校のカテゴリーを「新しい学校種」とすべきではないか。
  • 日本の教育体系を画一化することは日本の活力を低下させてしまうことになる。多様な教育システムを持つことが日本の活性化のために必要であり、今回の議論においてもそれを前提として議論を進めるべきである。
  • 教育は国家のインフラストラクチャーであり、社会のニーズや国家戦略に基づいて整備すべきものである。職業教育についても、まず、どのような社会のニーズがあり、国家戦略をもつのか、ということについて議論する必要がある。

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