専修学校の振興に関する検討会議(第3回) 議事要旨

1.日時

平成19年12月21日(水曜日) 15時~17時

2.場所

三菱ビルM1会議室

3.出席者

委員

 青山伸悦委員、飯島寛委員、岩崎幸雄委員、黒田壽二委員、小杉礼子委員今野雅裕委員、関口修委員、丹保憲仁委員、寺田盛紀委員、戸谷賢司委員、中込三郎委員、福田益和委員、山内昭人委員、吉本圭一委員、四ツ柳隆夫委員(五十音順)

文部科学省

 加茂川幸夫生涯学習政策局長、清木孝悦生涯学習総括官、川上伸昭生涯学習政策局政策課長、上月正博生涯学習推進課長、寺門成真専修学校教育振興室長、その他関係局課担当官

4.議事要旨

  • 寺田委員、吉本委員より資料に沿って意見発表があった後、意見交換が行われた。
    • アメリカの高等教育では、技術的な分野、例えば理容師や大工はコミュニティ・カレッジで盛んに養成しているが、地域や分野によってはアソシエート・ディグリー(準学士号)は取得できるが、いわゆるユニバーシティ(4年制大学)への編入学ができないシステムになっている。
    • アメリカのコミュニティ・カレッジでは教員の質が認可(アクレディテーション)に際しての大きな課題になっている。全米6地区のコミュニティ・カレッジの認可の状況を見ると、少なくとも8割以上がテニュアシップをとっていなければならないという評価基準が存在する。
    • 日本の場合、専修学校の教員の最終学歴では、大学院修了者は6パーセント程度である。大学では、博士号を持っているのは4年制大学で4割程度である。また短大では博士号を有しているのは18パーセントである。その意味では、教員の質確保の問題は大学・短大・専修学校共通の課題かもしれない。
    • 学校として、教員の質を担保することはとても大事である。ただその質が資格ということばかりになると、そういう教員ばかりでいいのか、という考えもある。教員の資格とは、教える資格であり、必ずしも大学等を修了した資格ではないという考えは大切である。
    • 専修学校の教員は、専修学校卒業という資格を認めているので、高等教育機関という位置づけをするのであれば、准教授や助教等の職階の問題も考える必要がある。
    • アメリカでは、テニュアは学生による評価や、同僚評価、研究に対する評価等を総合して、州ごとに組織を設け認可を行っている。またコミュニティ・カレッジは分野によって、相当の教育をしていても大学には編入できないということがありうる。(座長より、現状が分かるものを手配いただけないかとのコメントがあり、)一部の地区において、どのような分野は編入を認めているのか等について入手することが可能である。
    • アメリカのある州立大学にいたとき、大学は相当多数の教員が学位を持っていることを学生にアピールしていた。参考までに、国立高専の5カ年計画では、理工系では、70パーセントの教員が、文系の教員は80パーセントが修士号以上を持つことを目標値として掲げている。
    • 日本において、職業教育に特化する高等教育機関があってもいいのではないか。大学に行かない学生たちに生きる力を持たせるために職業教育に特化した高等教育機関が必要である。
    • 専修学校は高校や高専をまねるということではなく、現在の教育の実践型、あるいは職業直結型の教育をレベルアップするということでよいのではないか。
    • 専修学校の現状として紹介すると、専門士・高度専門士の称号ができて以来、生徒も専門士の称号を得ようとしているし、企業もその点を見て採用するようになった。特に高度専門士を申請している学校は、厚生労働省の指定養成施設であるところが多い。また厚生労働省の認可を得ている学校は、就職率はほぼ100パーセントになっている。
    • 人材開発の初期段階では、専修学校が役割を果たしており、一定程度の見込みが得られると1条校の大学等も同じ人材開発を行うようになる。人材育成の初期段階を担う専修学校の人たちも満足感が得られるようにする必要がある。
    • (吉本委員の意見発表で)専門高校、専門学校、専門職大学院が職業教育の体系ということであったが、職業教育の体系には、当然高専や一般大学も入ってくる。多くの私立大学は職業教育に力を入れており、その意味では専門学校は決して安閑としていられない。大学教育の中での職業教育の形態もあるので、専門高校、能力開発校、一般大学、短期大学、高専、専門職大学院という形を多様に整備し、それぞれの役割を考えてはどうか。
    • これからの高等教育に求められる分野は創造性(クリエイティビティー)とともに、高等教育機関としての真正さ(インテグリティー)が担保されていないと、世界の高等教育機関から日本の高等教育とは何なのかということを投げかけられる状況である。その点について議論する必要があるのではないか。
  • 次回は、引き続き委員からヒアリングを行うこととし、平成20年1月23日(水曜日)13時~15時に開催することとなった。

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