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はじめに

 平成12年に、生涯学習審議会答申「新しい情報通信技術を活用した生涯学習の推進方策について」が出されてから、早くも5年が経過した。
 当時は、エル・ネット(教育情報衛星通信ネットワーク)による教育・学習情報の発信・提供が始まっており、次々と衛星系の生涯学習支援方法についての研究開発が進められたため、従来にはなかった知見が蓄積されてきた。これは、それまでの生涯学習支援ではまったくといってよいほど未開拓の分野であっただけに、その意義は大きい。
 しかし、その一方で、インターネットによる情報の提供や学習サービスの支援を行うための技術の進歩が著しく、生涯学習支援における情報通信技術の活用は新たな局面を迎えるに至っている。
 このような状況に鑑み、本検討会では、エル・ネットにより進められている教育・学習情報の発信・提供の在り方について、情報通信技術の活用の観点から検討を行い、エル・ネットで蓄積されたコンテンツと生涯学習支援の方法を生かしながら、新たにインターネットを活用する方策を探ってきた。期間は半年ではあったが、レベルの高い検討会での集中的な議論により今後の方向がとりまとめられたので、ここに報告する次第である。
 生涯学習支援に新たな情報通信技術を導入することによって、遠隔教育が拡大されるとともに、学習用コンテンツも増加し、社会全体の「学習資源の増大」がもたらされることはいうまでもないであろう。従来からの学習機会や学習資料にそれらが加わることで、どれだけ生涯学習に豊かさをもたらしてくれるかわからない。
 さらに、従来は仕事等による時間的制約があったり、講座が遠くで開かれているために参加できないといった空間的制約があったりしたが、遠隔教育(ビデオ・オン・デマンド等も含む)などを活用すれば、時空の制約を超えた学習の可能性が拡がり、時間・空間的な学習の自由度は飛躍的に増大する。
 また、これまでの利用可能な学習資源は自ずと限りがあったが、遠隔教育、各種データベース等が充実すれば、豊富な学習資源の中から学習機会・資料等を選ぶことができるようになり、選択幅は大幅に拡大される。
 このように、新しい情報通信技術の活用は、我が国の生涯学習と生涯学習支援を大きく変える可能性を持っている。そこにはまだ克服しなければならない問題が数多くあるとはいえ、今後への期待は大きい。
 この報告書が、今後の生涯学習社会を支える生涯学習支援情報システムの発展に役立ち、関連施策の充実に活用されることを願ってやまない。
 最後になってしまったが、この検討や検討のための調査に協力してくださった関係各方面の機関・施設・関係者の方々に、心から感謝申し上げる次第である。

成17年12月26日
教育・学習情報の発信・提供の在り方に関する検討会
委員長 山本 恒夫

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