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「公民館の設置及び運営に関する基準」の見直し検討会

2003/01/14
「公民館の設置及び運営に関する基準」の見直し検討会(第3回)議事概要

「公民館の設置及び運営に関する基準」の見直し検討会(第3回)議事概要


  日    時 平成15年1月14日(火)14:30〜17:00

  場    所 我孫子市生涯学習センター(アビスタ)

  議    題
(1)「公民館の設置及び運営に関する基準」の見直し
我孫子市生涯学習センター(アビスタ)視察
ヒヤリング(千葉市教育委員会)
課題・問題点等整理
(2) その他

  出席者
委  員: 加藤座長、渥美委員、石川委員、岡野委員、奥山委員、小久保委員、今野委員、庄子委員、進委員、武田委員、野島委員、雲雀委員
オブザーバー:千葉市教育委員会生涯学習振興課  大塚主幹、君塚社会教育主事
事務局: 折原社会教育課長、内山地域学習活動推進室長補佐、その他関係官

  概    要
【千葉市の社会教育についてヒヤリング】
(「公民館の設置及び運営に関する基準」にかかる意見のみ抜粋)
乳幼児を持つ母親への対応として、託児ルームがないことが課題。

福祉関係部局など、公民館以外でもいろいろな事業をやっているが、その棲み分けがはっきりしない。

現在の基準はハード中心。ハードについては地区によって様々な要望があり、地区にあった設備整備が必要ではないか。

ソフト部分の充実が必要。公民館で教育活動ができるような職員の配置についての基準や事業予算に関することが望まれる。ただし、あまり詳細な基準は設けなくてもいいのではないか。

【質疑】
中学校区に1館の公民館ということで、中学校と連携した事業はあるのか。
(回答)
  運営懇談会の中に中学校の校長は必ず入り、小学校長も1名は入るので、日頃から学校と公民館の情報交換は密にとられている。公民館の文化祭で中学生が合唱の発表をする、あるいは逆に、公民館のクラブ・サークルが学校の体験教室に出前に行く等が懇談会の場で立案されていく。

運営審議会と各館の懇談会との関係はどのように考えられるか。
(回答)
  運営審議会には各地区館から最低1名が委員として出席。審議会の内容を懇談会に持ち帰る、あるいは、懇談会から審議会に意見を吸い上げ、公民館の事業に反映させることにしている。

地区公民館の館長の勤務時間と手当額は。
(回答)
  嘱託館長で9:00から17:00の週5日。手当額は20万円未満だと思われる。

資料に掲載されている公民館の各事業は、館によって較差があるのではないか。懇談会から持ち寄られた意見が浸透していないのではないか。
(回答)
  公民館によっては設置されている場所が山間部であり、使いにくいところがある。子供が行くことができず、大人対象の事業しか企画できないところもあり、このような事業実施の状況になっている。

管理運営の状況について、夜間は管理人を置いているのか。
(回答)
  17:00から21:00まで民間の管理会社に受付等を委託している。

乳幼児を持つ母親への対応について、他の部局との棲み分けをどのように行うのか。その方向性はおおよそ決まっているのか。
(回答)
  検討中。現在、連携した事業もたくさんあるが、棲み分けなどはまだ図られていない。

完全学校週5日制の対応について、もう少し詳しく。
(回答)
  子供は、土曜日は家に帰るしかない。しかし、家によっては両親が働いているところもあり、そのような場合、子供はどこへ行けばよいか。
  このことについて、1月頃からクラブ連絡協議会に話を持ちかけ、子供の面倒をみてもらえるよう協力を依頼した公民館があった。そこでは、各クラブが担当する日を決めて、年間スケジュールを作っている。学校には公民館から情報として流している。

公民館と生涯学習センターの関係はどのようなものか。それぞれの性格づけはどうなっているのか。公民館は市直営、生涯学習センターは財団になっているが、分けたことがプラスに働いたことはあるのか。
(回答)
  生涯学習センターは有料で公民館は無料。
  公民館職員のための研修をやっているのが学習センター。あるいは、公民館の講師に学習センターの研修を勧めるということもある。
  棲み分けとして、公民館は中学校区に1館なので、区の学習ニーズを汲んで事業展開をしている。これに対し、生涯学習センターは全市的な視野にたって学習を考えようとするスタンスにあり、その点では棲み分けができていると考える。
  予算上では、生涯学習センターで研修を受けた人を各公民館にボランティア講師として派遣することなどを考えている。

【議事】
公民館の在り方を考えるにあたって、国が考えることなのか、県あるいは市町村が考えることなのか、公民館自体なのか、または利用者なのかに留意する必要があるのではないか。そのうえで国が基準として提示するのは何か、またその中にどういうことを奨励策として含めるかといったような整理でご議論をお願いしたい。

基準を作った時には、まだまだ公民館はないような時代だったから、施設の基準が前面に出て、事業に関する基準は設けられていない。あるいは、職員の研修などについても盛り込まれていない。基準はそういう考え方の下にスタートしたということを頭に入れながら改訂していく必要がある。

設置を検討するにあたっては、市町村の教育委員会にとってどのような基準があれば役立つか、あるいは、予算を獲得しやすくなるか、あるいは住民の学習が充実するようになるのか、というところを考える必要がある。

今後、新しい公民館を建設するということは減ると思われ、その中で行われる事業とか学習が充実することが大切。運営面についてどういうことを規定すればいいのか。

運営に当たっては、公民館の課題学習や職員研修などを整理すればいいのでは。

ソフトだけでいいのか、ハードも必要ではないのか。ハードの基準についてはカテゴリーを定めるのか、人のことなのか、金のことなのか、これらについてもこれから議論しなければならない。


ハードとソフトの切り分けが必要。


設置及び運営に関する基準の見直しに際し、ソフトかハードかということになれば、基本的にハード面に重点をかけるべき。

事業そのものは、行政あるいは住民がいろんな形で展開するのであって、行政の役割とは、条件整備をどうするかであり、建物・備品等をどう用意したらいいのかが大切ではないか。

ハードについて、基準が邪魔だという意見もあるが、規格等については基準があれば示せるという利点がある。

行政が使いやすい基準は、特にハードを中心としたもの。

予算要求の際には関係法令を示す必要があり、そういう面ではハードの基準見直しは必要。

利用する側からすれば、どういう部屋があったらいいとか、どういうことがやれる部屋なのかが大切。


第一回の会合の落とし場所はハードではなくてソフトではないかという意見が多かったように思うが、今、ハードも必要だという意見が出た。ただし世間の動向として、国が、建物の大きさや置く場所等を基準に入れるというのはいかがなものか。

運営というのは、事業内容よりも人的配置・財政確保の面。


ソフトの基準とは何なのか、については議論していかねばならない。

現場の責任者としては、国から一定の基準を示してもらったほうがやりやすいだろう。その為にもソフトとハードのバランスが必要。

市町村格差の中で作っていく施設として、時代から見て新たに付加していかねばならない機能(託児とかIT化とか)を示し、その中から市町村が独自性を持ってチョイスし組み合わせるような基準を示せれば、市町村は使いやすいのではないか。


公民館の基準は健全な発達を図るための目安でしかない。「どういうものがいいのか」は、時代によって変わってくると思われ、地域あるいは公民館によってもかなり異なる。

国が基準として決めなければならないものとはどういうものなのか。そこをはっきりさせないと基準の見直しは難しいものとなる。


事業のポイント・目安となるものがあればいい。例えば乳幼児家庭への対応。

公民館の内容を外部評価するようなシステムも必要か。

生涯学習センターは基準の対象となるのかについても、設置基準の中で何らかの形で裏づけをしておく必要があるのでは。

生涯学習センターにはいろいろなパターンがあり、明らかに運営方法などが異なるものがある。コミセンに公民館の名称を使うことも含めた基準が望まれる。


学校5日制に関して、その地域の公民館がもっと頑張らなければならないのでは。青少年が公民館に来て、老人との世代間交流がおこるような方向に持っていく必要がある。

文部科学省の方針とは逆行するかもしれないが、市町村の施設建設担当とか教育長にしてみれば、補助金は建設に際する大きな要素となる。

公民館の建物はおおよそ平均的になったが事業に大きな較差がある。

生涯学習とは、教える人の、つまり講師の生きがい作りであり、聞く方の暇つぶしに終わっているような状態になっているのではないか。そういう批判を社会がしているということを真摯に受け止める必要がある。

生涯学習とは学んで行動に移すというところに必要なポイントがあるが、それが見失われていくところが問題。

公民館で勉強したことが行動として移っていくということが、公民館における学習活動の大事な点ということか。公民館で学ぶこと自体が大変楽しくて、それだけでいいという考えは成り立たないのか。

学んだことを地域に生かすことは間違いではないが、それが性急な形で世論として支持され、「じっくり学んでそのうちに」ということは許されなくなるのはいかがなものか。全体的に地域との繋がりをつけていくということは大切だが、バランスが重要。

「老人がみんなで集まって生きがい学習」という日本の現状を、生涯学習と言っていいのか。

多くの複合施設ができたが、公民館はその機能を全部持たなければならないものではない。


(生涯学習政策局社会教育課)

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