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4 おわりに

   本懇談会では、従来、経済的価値に結びついていないために「見えない価値」として評価されにくかった家庭生活、地域活動、学習等の様々な活動を支え、それらを適切に評価するための転換装置としての生涯学習システムの在り方という観点から、多様なキャリアを社会全体で支援する方策を検討し、提言を取りまとめた。

   この提言を踏まえて、国、地方公共団体、大学、NPO、企業等においては、相互に連携を図りつつ、それぞれに期待される役割を果たしていくことが重要である。

   本来的には、多様なキャリアは、個人の主体的な選択から始まるものであるが、最近の厳しい社会環境の中で、多様なキャリアが生かされることは、地域住民の多面的な能力を高め、そうした能力の行政等の様々な分野における積極的な活用を促進し、ひいては、社会の活性化に繋がる。
   このように、社会の活性化を図る上で、多様なキャリアの支援は欠くことのできないものであることから、国においては、多様なキャリアを支援する生涯学習システムの構築に向けて、これまで以上に積極的な役割を果たしていくことが求められる。さらに、今後の社会情勢を見極めつつ、自発的な学習に対しても、奨学金、低利融資や税制優遇等の個人を対象とした支援の在り方について必要に応じて検討することが求められる。

   最後に、本報告が、広く関係者にも理解され、多様なキャリアを社会全体で支援していく機運が高まるとともに、多様なキャリアの出発点が主体的な個人の選択であることが広く認識されることによって、柔軟で活力ある社会の構築の一助となることを期待したい。



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