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3 多様なキャリアを支援するための方策

   1. 基本的な考え方

 
   2で述べたような多様なキャリアが適切に評価されるようになれば、一人一人が主体的に生き方を選択し、個性や能力を十分に発揮して社会の様々な分野に参画することができ、個人の幸せの実現と同時に、社会の発展、活性化にも繋がる。
   すなわち、多様なキャリアを社会全体として支援することは、未来への先行投資としての意味を持つ。

   多様なキャリアを「見える価値」と「見えない価値」との組み合わせとして捉え、後者を評価するための転換装置として生涯学習システムの在り方を考えた場合、
1 「見えない価値」を次の活動に繋げていくための学習や活動に関する情報を個人のニーズに応じて総合的、一元的に提供すること(ワンストップサービス化)*12
2 学習や活動に関する一人一人のニーズに応じ、適切な情報の提供、学習コーディネート、次の活動への橋渡しをするコーディネーターの育成
3 次の活動を始めるにあたり不足している知識や技術を獲得するための「生涯学習型プログラム」の充実
といった観点から支援を行うことが必要である。

   特に、3については、付加価値の高い学習の拠点として大学の果たす役割が増大すると考えられ、大学が地域の行政、NPOや企業等とのネットワーク化を進めることにより、地域における生涯学習機関として開かれた大学づくりを進めることが重要である。

   また、「見えない価値」を評価する方法として、様々な学習や活動の成果の評価が広く社会で通用し、活用される仕組みづくりが求められる。

   なお、多様なキャリアの出発点は、主体的な個人の選択であり、生涯にわたり自分自身と環境の変化に柔軟に対応して自ら意思決定していく能力・資質を培うことが不可欠である。




※12     例えば「くまもと県民交流館パレア」は「ワンストップサービス化」の具体的な事例である。
(資料35   くまもと県民交流館パレア施設及び業務概要


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