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資料17

資料17  女性研究者の活躍の事例

都市計画、建築
(ケース1)幕張ベイタウン
    人々が「街」のなかで楽しさをもって生活できるという視点に立って、親と子が一緒に通勤・通学できるよう小学校の中に駅までの近道を通したり、天気のいいときに外で勉強できるよう設計。

(ケース2)大阪の消防署
    集中力を持って人を救助する訓練をしている消防隊員にとって、体を休ませるのが大変重要であることから、寝る場所の環境をよくするため、窓をつけ光や風が入るように設計。(それまで、窓のない部屋で他人とベッドを共有して仮眠するなど、居住性への配慮がなされていなかった。)

(ケース3)福岡市の幼稚園・小学校
     教師と子どもの目線を逆転するような設計や、少ない人数で管理できるようフロアを上下二層にして一度に見渡せるような設計を導入。また、職員室をなくして教師のコーナーをナースステーションのようなオープンスペースとし、教師からいろいろな教室の様子が見渡せ、子供たちも安心できるよう設計を工夫。


研究分野
  
(ケース1)発達心理学
    従来の子どもと母親の関係を中心とした研究だけでなく、母親の心と行動を正面から取り上げるなど、母親そのものに焦点を当てた研究が進展。

(ケース2)医療(アメリカ)
    米国における女性医療の研究分野は多岐にわたる。女性生殖器、乳腺の疾患はもちろんのこと、疾患における男女比が圧倒的に女性に傾いている病態、発症率はほぼ同等でも、男女間で臨床的に差をみるもの、いまだ生理的、生物学的解明が女性で遅れている病態、社会的な女性の地位と健康の関連などが重要課題となっている。臨床研究結果の性差に基づいた解析も、疾病の進展、治療法、予防措置の効果における性の関与をよりよく理解するためには当然の手法となりつつあり、男女で同じように治療を受けた場合でも、明らかに異なった結果が生じることを示している。

(ケース3)生物医学
    欧米における近年の生物医学の研究は、からだのほとんどすべての臓器、組織における生物学的性差を明らかにし、Gender-based biology という新しい科学分野を生み出した。Gender-based biology は、男女間における生物学的、生理学的違いを明らかにすることを目指す科学分野である。性差は骨の構造から、痛みの感覚、そして薬の代謝や脳でのセロトニンの合成まであらゆるところで確認されている。

(ケース4)霊長類学
    霊長類学は急速に女性研究者の増大しつつある分野である。また、1960年代には、3人の女性研究者が学界の定説にとらわれず、従来の実験科学のポリシーとは大きく異なる研究方法により、霊長類に関する知識に革命的変化をもたらした。


(注)   (ケース1)〜(ケース3)の出典:『学術の動向』2002.4  日本学術会議
(ケース4)の出典:『フェミニズムと科学/技術』小川眞理子

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