○: |
相当意見を含めていただき、基本的に満足である。 |
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第1次報告の位置づけは、3頁にあるポジティブ・アクションという言葉でよいと思う。男女の機会が均等でない領域として研究分野を取り上げ、ポジティブ・アクションを提言し、さらにそれが他の分野にも当てはめられると考えるので、もう少し強調してもいいと思った。 |
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費用負担の点について、私が意見の3頁で書いたように、短期的課題と中長期的な課題を分けたとき、後者の1つに学習経費の問題を課題として残してもいいと思った。第1次報告はポジティブ・アクションであり、第2次報告は価値観の転換がテーマだが、もう1つ残るのがお金の問題である。 |
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私は今年の2月に、女性の非常に少ない分野はポジティブ・アクションをとり、新しいチャンスがあり今までのキャリアと異なる分野には、そのための投資をすることで相対的に女性がたくさん使え、女性が多い分野では価値観の転換が必要というように提言した。お金についての提言は、例えばSOHOや地域ビジネスにお金を出すと経済産業省も関係してくるなどなかなか難しいが、学習費の議論は必要だと思う。基礎的な義務教育は国、社会が保障するものだが、生涯にわたるキャリア形成のための学習機会にも国民の経費が必要で、そのために生涯学習政策局がきちんと予算を持とうとするくらいの覚悟が必要。そうでないと、それを雇用保険でカバーすることになり、まかないきれない部分は自分でカバーすることになり、学校教育と断層が生まれてしまう。また1条校にはお金を出すが、それ以外にはお金を出さないといった状況があり、これは議論すべき点である。 |
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なお、メンターという言葉は使ってもよいと私は思う。 |
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今回は色々な意見を取り入れていただいたと思うが、気になる点としては、1頁(1)の本文5行目「これまでのように学歴や肩書きだけで一生充実した職業生活を送ることは〜」というのは、今まで学歴、肩書きだけで通用する仕組みがあったことを肯定するような書き方で、いかがかと思う。また、8行目「従来の日本的雇用慣行は〜」については、年功賃金などが成立しなくなってきたのは高齢化と関わりが一番大きいので、この接合をもう少し検討してほしい。 |
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アメリカでは、91年ごろから「多様性(Diversity)」が企業の人事管理政策として提起されており、アジア系、ヒスパニックなどがどんどん労働市場に入っている。日本の場合、「〜国籍等の多様な属性〜(1頁(1)本文12行目)」を入れることは、出入国管理法による外国人労働者の就労についてどう見解を持つかということと、どうリンクするかと思った。 |
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次に1頁(1)本文15行目の「就業、学習、育児」には、介護などを含む家庭責任の遂行や、地域社会での役割の遂行も入るのではないだろうか。 |
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2頁(3)本文下から6行目「女性は〜より自由な発想で新しい世界に挑戦〜」は、やや美化して言いすぎかと思う。 |
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また、5頁(3)「見えるキャリア、見えないキャリア」について、両者の適合性を図るための生涯学習システムという考え方は賛成だが、育児、介護、地域生活、ボランティア等を「見えないキャリア」としてよいのか、またそもそも「見えるキャリア、見えないキャリア」という表現の是非について、議論が必要ではないか。私は前回、「経験」として考えていたが、それを「キャリア」とするのは少し飛躍があるのではないか。 |
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7頁(4)で、大学について入れていただいたのはありがたい。大学がリードする役割を求められているのは大賛成である。 |
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展開としては、素晴らしくまとまっていると思う。 |
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まず、報告案は「キャリア」を強調しすぎているのではないだろうか。「能力」という言葉をやめようという議論があったのなら申し訳ないが、我々の仕事では、「潜在的能力」と「顕在化している能力」を扱っており、潜在的能力は男女で同じだが、経験が汎用的でなく、社会に貢献するスキルまでもう一歩であり、そこを丁寧に改善して顕在化した能力として評価されるようにしている。もう少し、「能力」という言葉があってもよいかと思った。「キャリア」は結果であり、また今までのことでもある。とくに女性の場合、潜在的に持っている高い能力を、いかにこれから社会のなかで見えるようにするかという視点も必要ではないかと思った。 |
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「見えないキャリア」の中身を、5頁に具体的に記述しているが、例えばNPO、ボランティアでサービスしてお金をもらっていない場合に、それを「キャリア」としてよいのかと、私としては疑問に思う。またお金だけでなく、姿勢が受身か、主体的にサービスを提供しているか、私生活の範囲内か、社会貢献をしているかも微妙で、我々もグラデーションとして表現している。受身に花を習うか、そこから習ったことを生かして教室を開きたいと思うかなど、本人の意思でもあり判断しにくく難しいが、「見える、見えない」をはっきり分けるべきかどうか、またその定義をどうするか、読み手がわかりやすいように検討が必要。 |
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報告をよくまとめていただいて、ありがとうございました。 |
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全体の流れはよくまとまっていると思う。冒頭に、1次報告とのつながり、違いをはっきりするとよいと思う。とくに、ポジティブ・アクションについて、どのような部分を1次報告で強調したのかを示したうえで、2次報告の違いを明確に記述する。 |
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大きなテーマである「多様なキャリアが社会を変える」とはどういうことか、ストーリーが必要であり、後ろのほうに少し書いてあるが、もっと前のほうに書けばよいと思う。個々人でイメージが異なる部分だろうが、それをはっきりと書く。様々な人たちの潜在能力がはっきり見えるようになったとき、どういう社会になるかの記述が抜けている。 |
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「見えるキャリア、見えないキャリア」について、私は「見える価値、見えない価値」を論じてからキャリアに持っていくべきだと思う。「能力」よりも「価値」を使うのがよいと私は思う。社会が価値を置いてきた視点が、少しずつ変わってきている。金銭的に必ずしも評価されていない様々な部分で、地域社会や家庭などを支えていた人たちの存在があるが、「見える価値、見えない価値」のつながりを説明し、見えない部分も今回キャリアとしたことについて、もう少し説明するとよい。 |
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タイトルについて、生涯学習政策局はどのような人々までを射程においているのだろうか。フリーターや中高年のリストラなど各層に様々な人たちの問題があるが、その解決に向け、キャリアが分断されていて、社会に評価されないために再挑戦ができないという今までの社会のあり方を見直す必要があり、そのためにまず女性に着目して、生涯学習の観点から検討するという流れであるが、私はもう少し、若者や中高年など様々な問題を書かないと、「多様なキャリアが社会を変える」ことのイメージがはっきりしないと思う。 |
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1頁(1)本文4行目「産業構造の変化〜」には、少子化、高齢化についてもぜひ入れてほしい。また、1頁(1)本文15行目の「就業、学習、育児」には地域活動なども入れてはどうか。 |
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また大学の位置づけをもう少し整理してはどうかと思う。たとえば15頁(3)の下から8行目以降で「行政、大学〜によるネットワークの中で、学習や活動の成果を評価〜」とあり、16頁(5)の下から8行目に「NPO等により〜全国的な評価基準〜」として事例があがっているが、たとえば日本看護学会で先生方がNPOを作れば、地域における福祉の評価を全国的に展開でき、あるいは日本家政学会の生活経済学会の先生方のNPOを作れば、家庭における家事能力、時間の評価を一律にできるという展開もありうる。 |
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大学が施設ごと、丸ごと生涯学習に入っていくような印象を受けるが、大学が全部入る必要はない。大学の人材が生涯学習の評価という面で、NPOや地方自治体など色々な組織と連携するといったような、色々な可能性、パターンをもう少し整理するとよいと思った。大学が関わる必要は地域の特性によっても異なり、このまま報告として出ると大学がのけぞってしまうかもしれない。 |
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全体に「多様」という言葉が多く、使いすぎるのはどうかと思った。 |
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学習しやすい環境の整備について、奨学金、融資制度、あるいは学習者の自己投資への税制優遇など、経済的な面で支援を行い、またそうした情報を提供することが重要だと思うのでぜひ加えてほしい。 |
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今回は、大変読みやすくなったことに感謝します。 |
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事例が一切抜けてしまったが、後ろに参考資料として付けるなどしたほうがよいと思う。 |
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評価システムのところで、9頁や15頁、16頁にあるが、どの主体でどのように仕組みを作るかコンセンサスをとるべきであり、また企業がその評価をぜひ重要視するようにというコメントがあったほうがいい。 |
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「見えないキャリア」について、価値、経験などと表すかはまだ議論が必要だろうが、今回の記述により分かりやすくなった。 |
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1頁(1)本文12行目の「国籍」について、留学生は10万人計画を達成するなど増えているが、苦労して育ててもアメリカのポスドクになったりして、国費をかけても留学生の能力を活かしきれておらず、国籍などの多様な属性についての記述は残してほしい。留学生は日本で就職したくてもできないという現実もある。 |
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具体的な施策はよく詰めていただいたが、これをすぐに全部予算化するのはたいへんであり、短期、中期、長期ごとに具体的に何をするかをまとめた一覧表があればよいと思った。 |
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今回、非常に方向性がよく見えるようになり、この流れや副題で基本的によいと思う。 |
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1頁(1)本文15行目の「就業、学習、育児」には、市民生活、地域生活、あるいはレジャーなどを幅広く入れるべきである。 |
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1次と2次報告のつながりがやや不明確で、1次でなぜ女性研究者を扱ったのか、ポジティブ・アクションの記述をもう少し広げてほしい。 |
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3頁(4)で「男性よりも多様なライフステージに直面する場合が多い女性〜」というのは事実だが、女性一般はこれからの人々の多様なキャリアを考えたときむしろ代表的な道を歩んでいるといえ、変化する職業生活の中で、女性は様々な生活上の課題を経験しているという意味合いにすればよいと思った。 |
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大学の役割について、このままの内容では大学が生涯学習センターのようになってしまう。大学人がどう生涯学習と関わるかという発想の転換が必要であり、物理的な開放、学習の場の提供という点だけでなく、大学人がどう大学の知的財産を使って生涯学習に貢献するかを記述してはどうか。生涯学習社会に向けて大学に新しい役割を求めていく意味合いが、もう少し出ないだろうか。 |
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評価システムは、厚生労働省でも今取組んでおり、それとの関係はどうなるのだろうか。学会や専門職団体ごとに、それぞれの分野が持つ評価システムをどう社会に広げるかを記述し、厚生労働省と異なり職業にこだわらない幅広い評価システムという意味にしてはどうか。 |
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10頁2(2)について、コーディネータとは一人一人の相談相手というレベルでなく、大学や地域社会の有する資源をコーディネートするという高いレベルを私は考える。個人への相談は他の人が行い、社会資源、教育資源をコーディネートするというニュアンスを含めてはどうかと思う。 |
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大学の位置づけについて、この報告を大学が受け取ると衝撃があると思う。大学人がどう生涯学習に関われるか、また大学、地域、行政がどう関わるかを書いたほうがよいと思う。 |
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4頁(2) 「女性は〜キャリアを考える意識が低い傾向」は、表現の再検討が必要ではないだろうか。 |
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キャリア支援のコストを誰が負担するかについて、企業、個人、大学、行政の分担のイメージをわかりやすく必要がある。評価について他省庁と競合しないようにするには、大学人の活用による評価や、もともと生涯学習の成果を評価することを目指していた大学評価・学位授与機構の役割について、もっと情報があればよいと思う。 |
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学習と活動の相互のフィードバックについて盛り込んであるが、もう少し積極的な意味合いがあってもよいと思った。 |
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ネットワークについては、経験に乏しい若い人ほど、どこに行けば何があるのか分からず、特に20代は知識も情報も得られない。地方の親元から都会の大学に来て、そのまま結婚して専業主婦になったような場合では、地域のことが分からない。ネットワークについて、重点を置いていただいているが、具体的には、現在50〜60代が主流である公民館を、もっと若い20〜30代もうまく使えるというイメージを持つことが大切である。公民館の利用が減っているのは、公民館があるというイメージ自体がないためでもあり、そういう点に少し重点を置いて書くとよい。 |
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10頁2(2)のコーディネータについて、キーパーソンとしてもよいが、単に学習プログラムをコーディネートするだけでなく、もう少し積極的な意味合いがあってもよいと思う。学習から活動へとステップアップして成功した人が、今度はまた学習の場に戻ってきて教える側に立ち、コーディネータの役割も果たすといったことが重要。 |
○: |
主婦、フリーターなどが生涯学習の観点から社会への接点を持つのは大切である。学習の成果について、学習機会を提供するだけで終わるのかもしれないが、それを企業が評価するのは難しい。建前はともかく、今でも多くの企業では、実際には新卒中心で、2〜3年のあいだ無駄や失敗も許しながら、社会人教育をする場合が多い。たとえば主婦の年代が入ってきても採用されず、どの年代から入ってきても活躍できるという社会的な意識がない。 |
○: |
本提言は、認証評価システム、ワンストップサービスなど、行政サイドとしては具体的な施策として実現する帰着点のイメージがあると思うが、論理的に最初から追っていくと、認証制度の普及によって学習・活動の成果が職業に結びつくかと言うと、かなり困難があると思う。 |
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企業も、例えば環境問題への対応など、社会的役割、責務を負うようになってきているが、社会認識の課題や、社会における企業の在り方にも触れたほうがよいのではないか。個人が一生懸命学習したから雇用の場に参画できるとするのは、かなり飛躍がある。産業界が中心となって、経済的に評価されていなかった分野の活動を生かすことは、これから日本社会が持続可能な社会生活を送るために大切であるという言及も必要ではないか。 |
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タイトルと副題に「多様」が重なっていてよいのだろうか。副題は「潜在的能力の発揮と生涯学習の視点から」といった形で、整理してもよいように思う。 |
○: |
この懇談会は、男女を対比したとき、女性のほうがライフステージが多様で、その結果、評価される部分について男性に比べて様々なハンディキャップを負っているというところからスタートしている。いかに潜在能力を高めるかという視点で書くとき、女性だけを対象とせず、「多様なキャリアが社会を変える」というタイトルにした。「女性」を副題からはずすのは、女性に着目することを起点にして、男性や様々な年代への支援を考えているという議論の展開を考えると、無理だと思う。 |
○: |
女性の置かれている職業上、生活上の立場を検討してきたのは事実だが、提言を読むと、具体的な施策としては多様性を創出するための生涯学習システムについてであり、女性についての具体的な方策が出ていない。そういう意味から、必ずしも副題で女性に強くこだわることはないと考えた次第である。 |
○: |
職業活動を主に取り上げるのは構わないが、生涯学習が地域活動、地域社会を活性化するという点の記述が少し弱いのではないだろうか。地域活動で他の人の協力を得たいとき、講演会や講座など、生涯学習は人々をリクルートし、巻き込んでいくための有効な手段である。DVに対する取り組みなど、いろいろな面でそういうことが言える。生涯学習と地域活動のフィードバック、地域社会の活性化について、一節入らないだろうか。 |
○: |
(4)などには、かなり記述してある。 |
○: |
生涯学習は地域活動そのものといえ、密接不可分であり、 や にも入れてほしいと思う。 |
○: |
「見えるキャリア、見えないキャリア」について、その意味するところはよいと思うが、これは「評価されてきた価値、されてこなかった価値」ということだと思う。「能力」より「価値」という言葉のほうが土台としてははっきりし、それが「多様なキャリア」につながるので、「キャリア」よりも「価値」という言葉のほうがよいと思う。 |
○: |
前回私は発表で「統計的差別」という言葉を使ったが、例えば企業の採用面接でも「見える価値」だけを考慮し、男女で学歴が同じ場合でも、平均勤続年数が短いことなどから、女性を差別する。地域の中で出産や育児をしたことなど、「見えない価値」はまったく考慮されていなかった。今までは「見える価値」が職業的キャリアに結びついていたという流れであった。 |
○: |
私は「見えるキャリア、見えないキャリア」でも悪くはないと思うがどうだろうか。 |
○: |
キャリアは、「見える、見えない」という問題ではないと思うのである。「見えないキャリア」という言葉が独り歩きしてしまうと怖い。本来のキャリアの意味を反映させたほうが安全である。 |
○: |
性別役割分担を排除するといいながら、それを助長するような文言があり、見落とさないほうがよい。 |
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7頁(3)18行目で「子育ての経験を生かして福祉領域の仕事に就く」とあるが、短絡的な図式ではないか。福祉領域への職業選択は、価値観や興味に基づくもので、子育て経験とはすぐに結びつかない。 |
○: |
厚生労働省の「つどいの広場」事業などの例では、子育て経験をもとに、それを半分仕事のようにしたり、子育てサークルで活動するなど、福祉分野のシステムを自ら提案していくという能動的な意味合いがある。生涯学習の機会を、うまく経験とミックスし、雇われて働いたり既存の仕組みに吸収されるだけでなく、自分から動いて新しい仕組みを作っていくというプロセスを盛り込んでほしい。 |
○: |
今までなら辞めていた人が、第2のステップで大きく飛躍し、身の回りや地域での経験を使いながらキャリアを咲かせることが、読み手に具体的に意識できるとよいと思った。 |
○: |
今のお話についてだが、「多様なキャリア」の解釈について、1次報告ではパターンが多様、形態が多様、目的が多様という3つの定義があった。男性であっても、同様に多様な事例が出てくる。最終的に男女で「価値」に差があるという点からこの会議が始まったのである。 |
○: |
今日の議論のなかで、どの頁をどう直すか、十分聞き取れないところもあり、何ページに何を挿入、削除するか、事務局に送っていただいてもよいか。 |
△: |
御協力いただいたことについて、御礼申し上げます。ペーパーでいただければ反映しやすくなるので、よろしくお願いいたします。 |
○: |
副題に女性を入れるか否かで表現が大きく変わってくるので、そこだけどうするのか確認したい。 |
△: |
次回までにその点も含めて、委員の皆様方にご検討いただきたい。 |
○: |
大学の位置づけについて漠としていて、専門職大学院、COEとして指定された大学院、学部だけの大学などあるが、どれかに限ることもないように、補筆させていただきたい。 |
○: |
大学の社会人枠は生涯教育に含まれるかどうか、教えていただきたい。 |
○: |
当然、私達はそのように位置づけてやってきている。 |