審議会情報へ

女性の多様なキャリアを支援するための懇談会

2003年7月25日 議事録
女性の多様なキャリアを支援するための懇談会(第13回)   議事要旨

女性の多様なキャリアを支援するための懇談会(第13回)   議事要旨

1  日  時     平成15年7月25日(金)13:00〜15:30

2  場  所 文部科学省別館(旧郵政省庁舎)10階第6会議室

3  出席者
(委員)    丹羽座長、江上委員、工藤委員、株式会社キャリアネットワーク安藤取締役(河野委員代理)、小林委員、篠塚委員、鈴木委員、都河委員、吉本委員
(文部科学省)    有本生涯学習政策局審議官、大木男女共同参画学習課長、八木男女共同参画学習課長補佐、根本女性政策調整官、工藤教科書調査官   他

   議事   (○:委員、△:文部科学省)
   篠塚委員、鈴木委員からの発表があった後、意見交換を行う。

:篠塚委員の発表について、流れはまったく賛成だが、キャリアという言葉をどう考えるか。女性への「統計的差別」は職業生活の面だけであり、キャリアの概念を見直すと、女性がその他の領域でキャリアを積んでいるという議論が入ってくるのだろう。
:まさにそのように考える。私自身は、キャリアは経済的評価としてしか見ていなかったが、どの層に向けて政策を論じるかで話が変わってくる。ライフステージを全部見たとき、自分の専攻である経済学では働いている人しか見えないが、無業の人も「生活歴」ということで次の準備段階であったり、あるいは生活を楽しんでいる。経済以外の部分の問題が見えるにはどうすべきか、私も考えていきたい。
       鈴木先生の発表について、少子化は経済面から大問題であり、支援されるべきだが、多様なキャリアという点から見ると注意が必要。朝日新聞の「声」欄に、20代女子学生が、女性に子どもを生むようにというが、自分は子育てを慈しみたいのであり、労働力、財源という話はしてほしくないという投書があった。自分の楽しみで子育てをしてよいのか、少子化がなぜ問題なのか、この報告の中で、教育分野からもきちんと説明していかないとならない。難しい課題ではあるが、この懇談会では多様なキャリア形成というキーワードでそれを解決できるようにまとめていきたい。
:費用負担を篠塚先生は強調されており、鈴木委員も保育所の利用者へ直接補助することを提言されている。
       若い人を育てるのは社会の責任であり、若い人に手厚い公的負担が必要。場合によっては25歳くらいまでサポートがいる。現在、国公私立大学や専門学校など、高等教育への公的支援のあり方がゆがんでいるという問題がある。学習支援のあり方について調査をしていくということで、我々はとどめるしかないのだろうか。
       新自由主義的な今の自己負担と女性を労働市場に戻そうという政策があり、もう一方の保守層には子を母が育てるべきという考えがある状況で、政策的に女性が利用されている感がある。我々としては、個人が多様なキャリアを作っていくことに価値があり、それが社会を支えることにもつながるというふうに、個人と社会のリンクがうまく書ければよい。
       利用者への直接補助というのは、これからどのように展開するのだろうか。
:現在、公的な認可保育所、社会福祉法人的な保育所が大部分であり、純粋な民間の保育所は少ない。自助努力に欠けるところにお金がつぎこまれているが、それだけでなく本当に必要としている人にお金が行くようにしたいという考えから、直接補助を提言した。現実を踏まえた提言と、抜本的な提言を二段階、示した。
       保育所の拡大について、長崎の事件に関するテレビ番組で、最近保育所にいる子の意識が変わり、孤独感が広がっているとある人が述べていた。乳児院、孤児院と同じであるという。ままごとをやらせると、昔なら父か母の役を演じたが、今はペット役をやりたがる子が多いという。子どもから見て、親の愛情を受けていると思わないのだろう。親は子を愛しているつもりでも、親の思い通りに子を育てようとして、愛情が感じられないのだろうか。子どもの持ち味を生かしたキャリア形成が必要ではないか。親の理想とする人生を子に歩ませると、幸せでないのではないか。
:篠塚先生のお話に関して、女性、キャリア、生涯学習というキーワードをどうとらえて骨組みを作るかがこれまで整理されていなかった。私は女性、キャリアを二重にとらえ、すべての人に対するキャリア支援を考える中で、とくに現在置かれている女性の状況を踏まえたものにしようと思っていたが、篠塚先生の発表はいわば三重だと思う。すべての人への多様なキャリアの支援、その中で女性への支援とするだけでなく、そこからまた戻って全体の支援の道を示すということで有効だと思う。
       キャリアについて、すべての人の生涯の設計全体を飲み込むという視点が必要。すべての人が持つ自由な、個人の生涯設計があり、その中には当然経済活動につながらない様々な活動があるが、職業生活がその中に組み込まれ、あるいは本人が意識して組み込んでいくというように、キャリアを二重にとらえる意識が、提言の中では必要だと思う。篠塚先生は、それをはっきりおっしゃっていただいた。
:女性がフリーターを選んでいるという問題がある。小学校からの職業意識、キャリア形成も大事であり、年代別に考えていくのが大切と思う。
:疑問点として、篠塚先生が若者のフリーター、中高年の職業訓練と対象を絞るようにおっしゃられたが、雇用政策としての職業能力訓練という視点と教育という観点をどうつなぐのがよいのだろうか。私は教育全体のプロセスの中で若者が多様な活動を選べるよう、教育課程のなかでキャリアという考えを普及させるのはよいと思うが、フリーター、ホームレスを対象としたとき、生涯学習と雇用対策をどう整理するとお考えか。
:私自身きちんと整理できていない面はあるが、フリーターやホームレスに直接的に雇用政策のメニューを出すということではなく、例としてあげたもの。社会問題の優先順位として、いまフリーターや少子化があがっている。我々の大きなテーマは生涯学習であり、年代に応じた社会問題があるといえる。若年層はフリーター、ひきこもり、少し上の年代では職業への不満やミスマッチ、中高年では自殺者の増加などがあり、また女性問題もある。生涯学習としてその全部は扱えないので、コアとしてフリーター、中高年、女性があり、そのなかで女性のキャリアに焦点をあてて、生涯にわたる支援するプログラムを考えれば、職業生活以外の部分から抜けているものがはっきりしているのが女性であるといえる。フリーターについては、働けない問題がどこにあるか、地域や教育が何をしているか、見える部分、見えない部分がある。中高年の自殺・ホームレスの問題についても、応募しているのに採用されないのは何か、さらに応募しないでホームレスになっているのはどういうことか、見える部分、見えない部分がある。女性の生涯キャリアに視点を当てれば、フリーターや中高年についてもより鮮明に、見える部分、見えない部分に分けて政策提言ができるのではないかと考える。フリーターや中高年に財源配分を行うというようには、考えていない。
:女性の生涯について多様なキャリアを提言することを結論として、それによってホームレス、フリーターの問題も包含できるということでよいのか。
:生涯学習はすべての人を対象としており、多様なキャリアを形成することに価値を置く社会を作ろうという合意はできている。
       それに向けた支援メニューについて、前回の資料でいただいたように年代別に区切るというやり方もあるが、それを性別で区切るやり方もある。女性の多様なキャリア形成にあたり、職業、地域活動などの場面でキャリアを出入りするときに、それぞれどのような支援が必要で何が欠けているか洗い出せば、年齢層による分類に戻ったときにもそのときの軸が使えるのではないかというのが自分の問題意識である。
:成人期以降の各年代層で、一人一人のニーズに応えたキャリア開発全体において、筑波大学大学院など高いレベルのキャリアアップ、仕事のない人への支援などいろいろな分野がある中で、篠塚先生の発表は我々のこれからのディスカッションの1つの話題提供になると思う。
:生涯学習については必ずしも了解済みではないと思うので、議論の目次を提言するつもりで、私の意見を申し上げる。生涯学習機関は、誰が何をどう提供しようと、それに関わる個人がなければ成立しないことが重要。生涯学習を論じるとき、生涯にわたるキャリア設計と、それに関わる学習という2つの大きい項目がある。前回の事務局の表で年代別に分かれて示されていたが、個人のキャリア設計についての意識啓発をどう行うかが第1段階で、もう1つ、実際の生涯学習機関が提供した学習機会に個人がどう関わるかという段階がある。
:率直に言ってこの懇談会は幅広に議論して、なるべくいろいろな提言をしてもらったほうが、中教審などに発信する際、世の中に対するインパクトが大きい。
:そういうスタンスがこの懇談会の役目として重要と思うので、ご自由にうまく提言できるような方向を皆さんで議論していただきたい。
 
  ・第2次提言(骨子)についての事務局の説明の後、自由討議。
 
:報告書はどこへ発信されるのか、また政策提言の実現性をどう考えているのか確認したい。
:今のところ、教育委員会、大学等関係機関に配布したい。施策については9月中にまとめて、平成16年度概算要求に盛り込みたい。キーパーソン、学習コーディネート、学習情報についての相談体制整備、地域での評価のあり方などを要求したい。
     また、中央教育審議会生涯学習分科会が動き出し、生涯学習と社会教育の仕分けや社会教育法の改正も含めて、1年かけて議論しようとしている。懇談会の状況は、中教審にも反映することになると思う。
:そういう意味では刺激的な提言を書くといい。タイトルには「女性の」は入れないのか。
:副題のカッコ内に入れればよいのではないか。
:論理構成として、いろいろなキャリアの問題点の認識を報告の最初に行うべきで、そこには経済的な面からの目に見える困難と、多様なキャリアを作っていてもそれが認知されず次のステップに使えないという目に見えない困難がある。女性が実際に形成してきた多様なキャリアを認知してこなかったことを問題に取り上げ、キャリアコンセプトを見直して、(その後に第2次報告骨子のように、職業以外も幅広く含む)キャリアの定義を行う。そして、評価されていないキャリアを再評価することが重要と思う。
       生涯学習パスポートは重要なテーマと思う。公的以外の私的な世界においてキャリアを積んでいることをパスポートの中で認知することが重要であり、政策の柱とすべき。骨子で言えば「2   2(4)生涯学習の成果の評価・活用の促進」の中で、「個々人の学習、キャリアの認定のための生涯学習パスポート」が最初に来る。これはすぐに行うべきインフォーマルなもので、必ずしも全国一律の評価ではない。その次の段階として、それまでの経歴を元に社会に出て行けるよう誰かが後押しするためのワンストップサービス、地域の生涯学習力が、早速取り組むべき施策として書くテーマである。
       順番としては「2(4)生涯学習の成果の評価・活用の促進」の一部が最初に来て、その後2(1)→2(2) →2(3)が来て、その後最後に2(4)となり、ニュージーランドやイギリスのような、フォーマルな世界での職業を作るための資格制度があるといういわば2段階目の政策提言がなされる。ここでは厚生労働省のフォーマルな資格制度の領域も含めて議論すべきで、また公的負担と学習支援のあり方にも触れることが必要だと思う。それがどうあるべきかは、我々の中でもコンセンサスが得られにくい論点であるが。熊本県の例のように試験的な取り組みは安価でも可能だが、長続きしない仕組みであってはならない。こうした行財政的な仕組みも検討することが、第2段階の課題である。
:生涯学習パスポートについては、その用語自体は使っていないが、趣旨自体は2(2)にすでに記述がある。
:キャリアコンセプトの見直しに関して、多様なキャリアというと分かりにくいが、女性が自ら多様なキャリアを形成しているという面と、やむを得ず多様なキャリアに押し込められているという2つの面があるから、その2つを書き分けていく。目に見える困難に対しては第1次報告の女性研究者支援のようなテーマで、ポジティブアクションを取り組んでいくという方法論がはっきりしている。目に見えない困難については、多様なキャリアをうまく社会で評価するための装置として、生涯学習があるという議論がある。そうすると、評価が第1に大きく来る必要があると私は思う。
:ここでの議論は病院でいうと、患者ではなく医者の側のものだと思う。キャリアをどんどん磨く人がいれば、キャリアを取れない人もいる。
       私は、自分の子どもを預かってもらっていたこともあって、ある認可外保育園をこの春に建て替え、認証保育園とする手助けをした。それは高齢者夫婦の住む豪邸の一部を、区が仲介に入って借りることができ、面積を拡大できたために可能になった。この奥さんはかつて保育園でパートの保母さんをしていたというキャリアがあり、それがこの動きを後押ししたのである。
       私自身、自分の両親を住んでいる近くに呼び寄せたが、そうすると毎朝のようにいろいろ手を出してくれて、助かる面が多い。母は主婦で、家事が最大のキャリアであり、それが蘇ったのである。学習経歴だけでなく価値観という枠で、何がキャリアかという視点をどこかに入れてほしい。
:資料5の「3   生涯学習社会における大学の役割」の議論は骨子に入っていない。これまでの検討の視点にあったのに入っていないのはなぜか。
       骨子を見ていて残念に思ったのは、全体の配置について、最初に「女性」「すべての人」という二重の観点があり、キャリアに関しても(職業生活のみと、生活全体という)二重の観点が必要で、生涯学習についても「生涯にわたるキャリア設計と個人の関わりという意識の問題」「現実に生涯学習機関が何をサービスできるか」という二つがあり、2番目の生涯学習機関のサービスについては、キャリアの形成へのかかわりと、吉本議員のおっしゃった評価の問題がキャリアへどうつながるかという問題の2つの論点がある。その中で、大学の役割は何かが、ぶら下げる格好でもいいので1つの項目を立てるとよい。また、事例についてはこれまでの発表者すべての顔を立てるような形で示されているが、早稲田大学のエクステンションセンターについての単なる概要であれば、まったく必要ない。それより、私はエクステンションの実情とそれを踏まえた大学の生涯学習へのかかわりについての提案を発表しており、それをそっくりそのまま書いてくれとは申さないが、そのときの議論が骨子にまったく入っていない。
       キーパーソンというのは前も申し上げたとおり、はじめからプログラムできず、結果的なものである。どういうふうに情報を皆が十分共有でき、それがワンストップのような仕掛けで必要なときにどう取り込めるか、もっと議論があったと思うが十分に生きていない。前回の河野委員の発表で、キャリアビジョン形成のための支援について、河野委員もおっしゃるコーディネーターとは、いかに多くの情報を有効に集約しつつ利用者に提供できるかという方策の検討と、それを土台にしたコーディネーターの育成という議論があったが、それが骨子から抜け落ちている。河野委員は、個と企業の出会いというインターフェースを強調されたが、生涯学習の枠のなかではそれ以外にも多数のインターフェースがありえる。その様々な中で、いかに有効にコーディネーターを育て配置していくかが、有効性を持ちうると思う。そのあたりが必要ではないか。またキーパーソンの意味はよく分かるが、はじめからプログラムできないから、コーディネーターと申し上げている。メンターという言葉では、「教師を与える」ことになるのだが、そういう捉え方では我々の提言はできない。
       今まで議論したことは有効に生かしてほしい。
:資料4の骨子についてはきちんと読んできて、次回必ずコメントすればよいと思う。
     第2次提言のタイトルの副題については、「女性の多様なキャリアと生涯学習のかかわりの視点から」としてはどうか。書き始めも、なぜ女性からテーマをあげるのかを示して、日本社会の閉塞感はなぜ生じているのか、見えるキャリア、見えないキャリアに価値観を持つようになれば社会が変わるといった第1次報告とはまた違った基本的な視点の記述が必要だと思う。そのほかの提言については、まだ皆できちんと議論をしていない。材料はすでに出ているので、持ち帰って検討して、優先順位を皆で出してくればきちんと議論ができると思う。
:タイトルの方向性としては、賛成である。
:女性だけのキャリアを支援してはならないのであって、女性のキャリアを考えたら結果的に皆のためになったという論法である。
:また考えてきてから、次回、慎重に発言したいが、実際は、「多様なキャリアが社会を変える」というところまで議論ができていない。多様なキャリアと生涯学習として副題についているが、それが議論の主題であり、「社会を変える」を主題にするには、そこまでの材料をきちんとそろえて議論を展開しないとならない。というのは、90年代初頭から経済産業省が中小企業、起業のためのワンストップサービス、また厚生労働省などで職業に就くためのワンストップサービスなど、あらゆるところで、それぞれのアプローチから取組んでおり、切り口は違っていても中身は情報、コーディネートなど類似している。報告ではもう少し、生涯学習ということを踏まえたタイトルがよいと思う。
:総題は、すでに変えられない。方向として、生涯学習だけでなくもっと広がりを持ちうるので、篠塚委員の案に賛成した。副題で工夫すればよいと思う。
       言語学的には、「変える」というのは不定形で、命令の意味を持ちうるので、「変えねばならぬ」という意味だと認識したい。
:副題については、また次に考えていただきたい。これは2次報告で終わりということか、事務局にお聞きしたい。
:基本的には、そのように考えている。
:2次報告では「社会を変える」というところまで議論が進んでいないことも考えに入れて、副題を検討したい。
:ワンストップサービスについて、確かに新しい施策のように記述するのはマイナスになると思うが、議論の土台となるべきものは出ていると考えられ、それらを次回、次々回の議論で按配しなおして、今強調すべき部分、足りなかった部分について書けばよいと思う。
:まだ議論していない点が多くある。資料4(骨子)の材料はあるので、次回はまず、もう少し合意が必要な分野について議論してから、第2次報告について扱ってはどうか。
:経団連方式というか、さしあたって行うクリアーな政策課題の部分については合意できると思うが、「社会を変える」という長期的なイメージは両論併記になってしまうかもしれない。たとえば費用負担については、どうすべきか議論をしなければならないというように書くのだろう。2段階にふるい分ければ、整理できると思う。
:具体的な政策だけでなく、問題提起をするところがあってもよいということですね。
:土台となるべきものは大体出て、ある程度議論されている。以前の事務局ペーパーにあった要素が消えていたのが残念であり、事例のところはみなの顔を立てると焦点がぼけるので申し上げたのである。自分としては、大学で生涯学習、エクステンションに関わった経験者という立場で申し上げるので、次々回に戻ってきたときに申し上げさせていただき、取るべきものを取っていただければ結構である。
:建築のある3年生の設計課題について、私の大学の入賞者は女子学生の比率が高かった。私は感じなかったが、外から見ると、自分が学生に女性のロールモデルとして刺激を与えられたようだ。しかし、彼女たちが大学時代にはできても、その先で難しいという現実がある。その先のつなぎについては自分でもどうすべきか見えていないが、優秀な人が生かされていない現実はもったいない。保育園で働いていた人で、子育て期に休んでいた経験のある人を、建築スタッフに入れたところ、保育園の設計にとても有効であった。これはキャリアを生かした事例といえ、こうしたことをもっと社会化して広げていきたい。大学と実務分野で、ギャップがあると思う。
:次回整理したいが、キャリアの捉え方についての議論の視点として、今回の骨子の2頁4段目にある「NPO、ボランティア、学習、育児などの社会的活動歴」を精緻に定義するフレームが必要と思う。NPO、ボランティア活動は社会的な他との活動であり、育児、介護等生活における知的資産、技能として評価できるだろうが、これらを就労という経済的活動につなげるためには、若干の転換が必要。それには、評価のしくみや蓄積された資産を転換する方法論が必要で、この部分に生涯学習が大きな役割を果たす。生活における知的資産、技能を全部キャリアに入れるのがよいかどうか、次回に議論したい。
       また4頁(3)で、雇用状況についての文言も、精緻な認識が必要。篠塚先生からフリーター、中高年の失業など社会現象のご指摘があったが、原案では単純化しすぎているのではないか。   
     7頁(2)で、筑波大学について、事例を接合するイメージが整理できていない。第1次報告は女性研究者を主眼にしていたが、今回は社会的に広がりのある生涯学習システムがメインの提言として作成されていると認識している。筑波大学は事例として適切なのだろうか。一橋大学など、パイロット的なビジネス系の国立大学院は、付加価値の高い職業能力を身に付けることができるので、個人で投資して入学し、集客力もあるし、それに対応できる人材は、ある程度の教育経歴を持っている。十数年前ならば事例としてよかっただろうが、今は適切かどうか疑問である。NPOのリーダーを育てる社会人大学院の事例などがよいのではないか。
       8頁(4)で、イギリスのNVQシステムを日本でも作ろうと、厚生労働省で職業能力開発協議会を立ち上げており、それを視野に入れつつ連携を深める書き方をぜひされるといいと思った。
:女性の多様なキャリア支援として、高度な学習機会を社会人に提供することを、中期目標、中期計画に入れている。
     次回までに、報告をどう修正するかの案を、各自で出していただきたい。

   事務局より、次回日程の説明の後、閉会となった。



(生涯学習政策局男女共同参画学習課)

ページの先頭へ