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調査研究協力者会議

2000/10/04議事録
思春期の子どもを持つ親のための家庭教育資料作成協力者会議(第2回)議事要旨

思春期の子どもを持つ親のための家庭教育資料
作成協力者会議(第2回)議事要旨
     
1. 日   時: 平成12年10月4日(水)   10:00〜12:00
     
2. 場   所: 霞山会館「まつの間」(霞山ビル9階)
     
3. 議   題: (1)総論原案及び構成骨子案について
    (2)その他
   
4. 議   事:
     はじめに、前回会議の「議事要旨」の確認が行われた。
     副座長より配布資料について説明があった後、協力者より配布資料について意見交換が行われた。(主な意見等は以下のとおり。)
  <思春期の子どものとらえ方について>
     前思春期のポイントに小学3年〜4年生(第1反抗期と第2反抗期の間)を押さえた方が良いと思われる。この時期の友人関係の特徴や、塾通いと受験の挫折、成績による親の「子捨て」などが、思春期での問題行動を招いているのではないか。
     幼児期から小学3年〜4年生までの子育ても重要である。親が「小児万能感」を持つ一方、そこから外れる子どもを排除していく傾向が見られるのではないか。失敗が大事であり、小さな失敗を克服して次に進むことが重要である。
     思春期の問題のきっかけ要因として、@被害を受ける方の耐性が弱い、A人間関係をつくる力が弱くなって「イタズラ」が「いじめ」になっている、ことなどが挙げられる。問題の「履歴」と「背景」について親自身に気付かせるような事例の書き方があるのでは。
     思春期の親だけでなく、思春期になる前の親が重要である。渋谷の「ヤンママ」「ギャルママ」に届くようにするため、今回作成する資料は柔らかい作りにしておく必要がある。
   
  <子どもの問題行動について>
     「いじめ」の問題は重要であるので、「前問題行動」の中に入れるべき。ただし、前思春期から思春期後期まで該当し原因や性格がそれぞれ異なることから、どの部分を取り上げるか検討する必要がある。
     「性問題」や「薬物問題」についてはそのまま売春に行くことが多い。「家庭内暴力」では殺人や怪我までに至らなくても適当に母親に暴力を振るっている例もある。「万引き」は広く社会に蔓延しており、初発型だけとは言えない。子どもの特性によって「オヤジ狩り」と「ひったくり」に分かれる。「恐喝」で一欄設けるべき。
     「深夜徘徊」に関連して「無断外泊」「プチ家出」も問題行動に入れるべき。
   
  <親と子どもの関わり、親に伝えたいことについて>
     子どもの非行問題は二つに分けられる。@大人になって犯罪を繰り返すのは
   100人中3人位であり、Aそのほかの97%は、問題を起こしても大部分が良くなる。97%に当たる一般的な親を対象として資料作成し、3%のドロドロした中での事例を紹介することで、自分の子どもだけでなく非行少年に対する「眼差し」が変わることを期待したい。「うちの子どもは違う」という優越感を持つ親と、不安に思う親がいるが、どちらも問題解決にはつながらない。染み渡るように社会の方が変わっていくことに資すれば良いのではないか。
     基本的に今の問題行動はグループよりもフリーク的な行動の方が問題と考える。親はまず孤独に耐えることを大切にし、横並び意識から脱却するために家庭の力をパワーアップさせる必要がある。そのためには、幼児期から「みんな違ってみんないい」という、金子みすずさんの詩のような感覚を親が持つ必要がある。
     親に対するメッセージの中で、日本の親子の密着型に見られるような完璧でなければならないということではなく、密着型から責任を持ちつつ社会につなげていく、子どもを「個」として親が見ていくことにつながれば良いと考える。「SupportiveDetachment:少し離れてきちんとサポート」が21世紀の親子の在り方と考える。21世紀はアタッチメントの枠組みが社会的に要求されると思う。また、子どもの成長や変化に伴ってサポートとアタッチメントの関係が変っていくものと考える。
     資料構成の中に「地域に開かれた、社会に開かれた家庭」という節を入れて欲しい。どれだけ自分の家庭が地域に拡げられたか、拡げることが大切かを伝えていきたい。
     家族から離れて「引きこもり」に入る前に、どういう「ツボ」を親が出すかということが大切になる。前思春期を強く出さないとならない。反社会的な部分より非社会的な部分が重要である。
     「最終的に親が責任を持つ」ことが重要である。育てたいように育てた子どもであっても、非常にストレスがかかっていて安心はできない。「子育てをあきらめない」「投げ出さない」ことを訴えることが必要である。
     親の身勝手で子どもが犠牲になっている部分をどう親に気付かせるかが問題である。問題を起こす子どもたちの中には、親には戻せない家庭があることも事実である。
     親は問題を起こした子どもの原因を外に求めたがる。親としての即効薬を求めてもすぐに解決できない。親が「私が悪かった」と気付いたときに子どもの問題行動も収まってくる。いろんなケースがある中で一つの方向性が出せれば良いと考える。
     「問題を起こさないように」と考える母親は大変神経を使う。失敗しても乗り越えた話をすると、お母さん方の子どもの見方が違ってくる例がある。お母さん方が読んで安心できるものにしたい。
     問題がある家庭の中で「こんなにがんばっている」と感動を覚えるような子どももいる。「いろいろあってもOKだよ」という部分も伝えることがあっても良いのではないか。
     子どもの愛情は思ったより強く、愛された記憶を大切にしている。不安を持つ親に、子どもの可能性を信じるように言ってあげたい。
     
   次回は、@更に整理した構成案、A総論部分、B問題行動の事例項目と執筆分担について検討することとなった。
   
  (男女共同参画学習課家庭教育支援室)

(生涯学習政策局男女共同参画学習課)

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