調査研究協力者会議
2000/09/19議事録思春期の子どもを持つ親のための家庭教育資料作成協力者会議(第1回)議事要旨 |
思春期の子どもを持つ親のための家庭教育資料 作成協力者会議(第1回)議事要旨 |
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1. | 日 時: | 平成12年9月19日(火) 10:00〜13:00 |
2. | 場 所: | 東海大学校友会館霞の間(霞が関ビル33階) |
3. | 議 題: | (1)思春期の子どもをめぐる状況と家庭教育の課題について |
(2)その他 | ||
4. | 議 事: | |
・ | 渡邊委員が座長に選出された。また指名により清永委員が副座長となった。 | |
・ | 議事の取扱についての協議がなされた。 | |
・ | 事務局より配布資料について説明があった後、協力者より最近の子どもをめぐる状況と家庭教育の課題について意見交換が行われた。(主な意見は以下のとおり。) | |
○ | 少年相談の内容は、以前は非行についてが多かったが、現在は家庭のしつけの悩みから少年院退所後の相談など、多岐にわたっている。子どもが自己中心的になっていることや、耐性が弱いこと、検挙される少年の1/4が暴力によるものであるといったことは、確かにそのとおりではあるが、相談を受けている中では、加害者の少年もまたいじめや恐喝の被害者であるケースが多く見られる。 | |
○ | 家庭教育という範囲の中で、キレるということに視点を当てることは非常に興味がある。現場の経験から感じたこととして、子どもは地域や学校によって生活の様子は異なっており、交友関係が広域化しているなど近年急激に変化している。また母親が子どもに対して庇う(容認する)傾向があり、子どもだけでなく保護者との関係も難しくなっている。 | |
○ | 子どもを理解するには、今そのものを受け止めることと、子どもの成長してきた時間(期間)全体を見る必要がある。今の子どもには簡単に言うと心に空洞ができている。この空洞をどう埋めるかが問題になっている。最近の少年による凶悪事件をみると、また新しいタイプの子どもたちが生まれてきているのかも知れないが、これをどう捉えていくかを勉強していきたい。また、資料作成の上で思春期というものをどう捉えるのかをクリアーにしないといけない。 | |
○ | 昔は非行少年というと、家庭環境の問題や小さい頃からの様子で想像がつくものだったが、最近はそうではなく、非行少年とそうでない少年の境界線が引きづらくなってきている。原因は何なのか非常に難しい問題である。 | |
○ | 今回作成する資料は思春期の子を持つ親に読んでもらうものだが、近年親の活字離れがすすんでいる現状があるため、ページ数や内容も含めどういうものを作ったら読んでもらえるか、親の意識に語りかけられるかを検討しなくてはいけない。また、子育てに対しての不安にも応えられるようなものにしていく必要がある。 | |
○ | 配付資料を見て、子どもたちは家庭や学校に関しての満足度は結構高いにも関わらず、一方で凶悪な犯罪が起きているのはどういうことなのか非常に気になるところである。 | |
○ | 中学高校になると子どもの様子がそれまでと変わってくるが、背景に家庭の在り方、特に両親の在り方が非常に大きいと感じる。子どもが思春期である一方、親も中年期にさしかかり、いろいろな戸惑いや子どもと上手くコミュニケーションできない等、親の方にも問題があるような気がしてならない。 | |
○ | 配布資料の説明から一般的な傾向が分かるが、学校で実際抱えている問題というのはもっとどろどろしたものを含んでいる。きれいな話だけで進んでいってはなかなか解決はできない。学校は万能ではない。親になりきっていない親が親をしているという現状がある。「子どもは育てたように育つもの」ということを、親が分かっていない。 | |
○ | 昨今は家庭教育のスタンダードがなくなってきている。大人の規範意識のスタンダードが年々落ちてきている。そういう親に育てられたことが子のモラルの低下に影響しているのではないか。先ほど親が子どもを庇うという話があったが、庇っているのではなく、子どもに媚びているのではないか。 | |
○ | 子ども自身が自分に自信をもっているかいないかで、その子どもの行動が違ってくる。いわゆる非行少年といわれている子でも1対1で話すと素直で心が寂しく人との触れ合いを求めていることが分かる。ただコミュニケーション能力等の社会的スキルが十分に育っていないことが多いと思われる。 | |
○ | 今の非行少年は外見では分からなくなってきている。突然キレるというのはありえないのではないか。そこに至るまでが見えにくくなってきているのではないか。事件の要因や、事象の検証はあまりなされていない印象を受ける。 | |
・ | 次回は、思春期の子どもをどうとらえるか等、資料の総論部分と、全体の構成の骨子について協議することとなった。 | |
(男女共同参画学習課家庭教育支援室) |
(生涯学習政策局男女共同参画学習課)