第3節  高齢者との交流を促す学校施設整備の基本方針

  交流計画に基づき,具体的な施設機能を設定する際には,学校施設が本来もつ児童生徒の学習・生活の場としての機能の確保に十分留意するとともに,学校を地域の学習・交流の拠点として位置付けながら,以下に示す基本的な整備方針を踏まえて,高齢者との交流を円滑に実施するための適切な配慮を行うことが重要である。

  (1)多様な交流を促す施設整備

・ 交流を行う高齢者の身体的特性等の諸条件,交流活動の具体的内容,交流の規模, 期間,時間等に応じた学校施設の利用形態を十分に考慮した計画とすることが重要である。
・ 児童生徒が高齢者と交流を行うスペースとして,校舎,屋内外運動施設,地域・学校連携施設等を積極的に活用できる計画とし,併せて学校教育における学習環境の質的向上を図るよう,施設・設備を充実することが重要である。
・ 交流の相手方や交流活動の内容が,流動的であることを考慮し,施設の機能については,弾力的な対応ができるよう配慮することも重要である。

  (2)高齢者の利用に配慮した施設整備

・ 体力のない高齢者や障害のある高齢者が円滑に利用できるよう,学校施設全体のバリアフリー化を図ることが重要である。
・ 高齢者が学校施設を快適に利用でき,開放的で親しみが感じられるよう,意匠,空間構成等を工夫するとともに,交流を行うスペースの室温・換気,適切な家具の設置,扉・窓等の操作性等に配慮することが重要である。
・ 高齢者の利便性を考慮し,休憩スペース,便所,玄関等の生活・共通空間の充実を図ることが重要である。
・ 特に,安全性には配慮し,転倒事故や児童生徒との衝突事故を防ぐよう各部の設計に留意することが重要である。また,災害時の避難についても十分に考慮する必要がある。

  (3)交流を円滑に実施する管理・運営のための施設整備

・ 高齢者との交流を円滑に実施するためには,交流を行う領域を明確化し,適切な動線を確保するなど,管理・運営を考慮した整備を行うことが重要である。
・ 必要に応じ,交流時の来校者の増加に乗じた不審者の侵入の防止など防犯に留意した管理・運営方法に対応できる整備計画とすることも有効である。
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