令和8年6月18日(木曜日)10時00分~12時00分
文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
【堀田座長】 皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから、デジタ形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議、第2回を開催いたします。本日もまた御多忙の中、皆様御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は、工藤委員、松下委員、弓倉委員の御3名が御欠席でございます。また、市川委員、柴田委員、田邉委員、野澤委員、山口委員がオンラインでの御出席、それ以外の委員の方々は今ここ、文部科学省から対面で御出席いただいてございます。
本日は冒頭にマスコミ等の撮影の申出がありまして、それを許可してございます。事務局の指示に適宜従って、御協力をお願いいたしたいと思います。
それでは、事務局から連絡等、よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】 本日の会議開催形式及び資料につきまして御説明させていただきます。
今回の会議は、前回と同様、対面・オンラインを組み合わせたハイブリッド形式での開催でございます。また、報道関係者と一般の方向けに、会議の模様をユーチューブにて配信しておりますので、御承知おきください。ユーチューブ配信用の音声は、会議室中央にございます音響機器でまとめて集音しておりますので、会場におられる委員におかれましては、御発言時も含め、お手元のタブレット端末のマイクはミュートのままにしていただきますようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時も含めて、会議中はオンにしていただきますようお願いします。
次に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますけれども、議事次第に記載のとおり資料1から8、加えて参考資料が1から8となっております。委員には紙でもお配りしてございますけれども、お手元の端末でも御覧いただけます。なお、資料のうち5-2、5-3につきましては、机上配付あるいは事前メール送付のみで画面共有はございません。また、参考資料7につきましては印刷を割愛しております。
なお、資料5-2につきましては、現場の会議資料一式の左側に分けて置かせていただいております。「学習の様子」と題名がなっている、写真が掲載された資料でございます。会議後に回収いたしますので、持ち帰らずお席に置いていただくようお願いできればと思います。
では冒頭の撮影はここまでとさせていただきます。すみません、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
事務局からの事務的な御案内は以上でございます。
【堀田座長】 ありがとうございました。
著作権等への配慮で一部の資料が非公開となってございます。ご了解ください。
それでは、議題1に入ります。国会における審議結果と主な御指摘等についてということになりますが、まず確認ですけれども、私どもの今日の会議は第2回でございまして、第1回は4月10日でした。これは、ちょうどその直前の4月7日に、教科書にデジタルを取り入れられるようにするというための法案が、閣議決定を4月7日にされまして、その後、私たちは4月10日にこの指針の会議をスタートしたということになります。それから、御存じのとおり衆議院や参議院でそれぞれ法案の審議が行われまして、6月10日付で可決・成立したということになります。
今日はこれから、その塩梅につきましていろいろと御紹介いただくというところでございますが、会議等、国会の中で様々な質疑が行われて、私どもの会議にも大きく影響するようなことがたくさんございましたので、事務局から、まずは資料1について、この国会における審議結果と主な御指摘等について御共有いただくということになります。
それでは後藤課長、よろしくお願いいたします。
【後藤教科書課長】 ありがとうございます。教科書課長の後藤です。
堀田先生から御紹介いただきましたとおり、この資料1のほう、まず3ページ目を御覧になっていただきますと、今、堀田先生からお話しいただいたとおりの経過を経まして、学校教育法等の一部を改正する法律案、教科書にデジタルを活用することを可能にするための法案が、下のほうですが6月10日に参議院本会議で可決・成立をいたしまして、6月17日、昨日ですけれども公布をされているという経過でございます。
それで、この衆議院・参議院を通じた質疑の中で様々な質疑をいただきまして、政府として、大臣及び局長から答弁をしておりますので、その状況で、今日、参考資料の4というところで、前回第1回のときに、この検討会議で御議論いただく論点として10ぐらいあるのではないかということで、事務局で提案させていただきました。もしよろしければ、お手元にその参考資料4も出して、横に見ながら聞いていただければと思いますが、その10ほどの論点に関わるようなやり取りも国会審議の中でありましたので、そういうことを中心にお話をさせていただければというふうに思っております。
では、資料1のほうでございますが、5ページ目、主なやり取りということで、まず、論点として整理させていただいておりました1個目の教科書の形態の在り方に関するやり取りとして、今投影しておりますけれども、まず衆議院の審議におきまして、文部科学大臣から、全てがデジタルの教科書については、発達段階や教科特性も踏まえながら、学年や教科を限りながら発行・使用を認めていきたいという答弁があったのですけれども、さらに突っ込んで、それは何年生以上のどの教科であればという質問もありまして、これに対して大臣のほうから、繰り返しですけれど、全てがデジタルの教科書の取扱いは、発達段階や教科特性を踏まえて、今後策定する大臣指針の中で、限定的に認め得る学年や教科などを示していきたいということを述べておりまして、この大臣指針の内容自体は有識者会議――まさにこの検討会議でありますけれども、で御議論いただいているところであるが、現行のデジタル教科書のこれまでの配布・活用の取組や、中教審や有識者会議においても、学校現場の実態を踏まえて、小学校の低学年・中学年では慎重に考えるべきという意見も多く出されていることなどを踏まえると、現時点では、全てがデジタルの教科書(フルデジタルの教科書)については、小学校4年生以下では認めるべきではなくて、また、教科についても当面、まずは国語や社会、道徳などでは認めるべきではないのではないかというふうな答弁があったところであります。
6ページ目ですけれども、そうすると、フルデジタルは、小学校4年生以下、それから国語、社会、道徳は認めるべきではないという答弁はあったけれども、ではハイブリッド、紙とデジタルを組み合わせて一つの教科書を作っていく、そのハイブリッドについてどう考えているのかという質問もございまして、これについては答弁として、これらの学年あるいは教科においても、紙・デジタルを組み合わせて作るハイブリッドな形態の教科書、これは十分に考えられるというふうに思っているという答弁をしているところでございます。
続きまして、7ページ目でございますけれども、論点の2つ目でございます。紙・デジタルがそれぞれ効果的な学習場面に関わる質疑ということで、制度改正によって、紙の教科書は全てなくなってしまう、なくしていこうという考えなのかという質問がありました。
これに対しては、デジタルには動画とか音声による説明も可能であるといった良さがある一方で、紙にも教材としての一覧性の高さや、長文読解などで文章をじっくり読む活動に適しているといった良さがあるというふうに認識をしていると。この双方の良さを組み合わせて、児童生徒の学びの充実につなげていくことが重要であって、今回の改正で紙の教科書を廃止して、一律に全てデジタルの形式の教科書に切り替えていくという考えは持っていないということを明確に答弁しているところでございます。
あと、この資料1でいろいろ整理させていただいているやり取りは全て重要なのですが、時間の関係もありますので少し飛ばさせていただきまして、続けて9ページ目を御覧になっていただきますと、今説明したようなことと関係して、これは国会審議をしている中での、ある日の閣議後記者会見でのやり取りなのですが、小学校4年生以下ではというふうな国会での質疑があったことを踏まえて、学年一律で、フルデジタルの教科書は、例えば小学校4年生以下ではまずは認めないということになると、紙の教科書での学習が困難な障害を持つ児童生徒もいるわけで、それは困ってしまうのではないかという質問がありました。
これに対して、要点は下段のほうでありますけれども、障害によって紙の教科書では学習上の困難があるという児童生徒の個々の状況に応じた対応は、これは重要であって、今回の制度改正で、教科書バリアフリー法に規定しております教科用特定図書等の中に、検定教科書の内容をそのままデジタル化したものを改めて位置づけるということを考えていて、国としても、それに対して標準規格を策定して発行を促進していくという考えでありまして、紙媒体の教科書では学習が難しい、しんどいという児童生徒については、これが使えるようにしていくということを考えていきたいというお答えをしているというものでございます。
続きまして、また少し飛んで恐縮ですが、11ページ目を御覧になっていただければと思います。今度は手書きについて、手書きが減少してしまうのではないかといった懸念についてというやり取りでございます。
手書きによる学習の重要性についての考えという質問がございまして、これに対して、例えばデジタルの部分で学んだことを紙のノートにまとめるといった、手を動かして書く活動は今後とも重要であるというふうに考えているという答弁をしております。
それは今後、有識者会議での議論を踏まえて策定していく大臣指針の中でも、書く活動や、これを学習活動の中で確保していく重要性についても示していきたいということを、大臣からの答弁ということで述べているところでございます。
続きまして12ページですけれども、健康への影響との関係の論点に関わるやり取りでありまして、視力の低下や姿勢の悪化といったその健康への影響についてどう認識しているかといった質問に対しまして、上段のほうでありますが、現在も、丸1として、姿勢をよくして画面との距離を30センチ以上離すとか、あるいは30分に1回は20秒以上画面から目を離して目を休めるとか、また、就寝1時間前からICT機器の利用を控えるといったガイドラインを作って周知を図ってきたということはあるわけですが、一番下の段落ですが、制度改正後についても、健康面を考慮した活用については十分留意していく必要があるというふうに考えているので、医学的な知見も取り入れた健康上の留意点を、大臣指針の中でも明記していきたい。実証研究を通じて、大臣指針で示す事項について、継続的にまたフォローアップ、把握もしていきたいという答弁をしたところでございます。
続きまして、13ページ目でございますけれども、諸外国の動向との関係についての点です。国会でも、北欧などの諸外国の動向をどのように把握しているかという質疑がありました。
これに対して、外国の状況については、日本のような教科書の使用義務であるとか、あるいは検定制度といったものがない国も多いわけでありまして、一様に比較できるものではまずないということ。
その上で、スウェーデンについては、印刷出版物である教科書の購入を補助する仕組みを近年導入したということはあるのですが、デジタル化を全てやめて紙の教科書に全て回帰しようというものではないということ。
実際に、2010年代にはスウェーデンの国際学力調査の順位は、実は上昇しております。また、OECDの分析によると、こういったスウェーデンの政策は、生徒の年齢に応じたデジタルの活用のバランスを追求したものであるとされております。また、義務教育段階あるいは高校段階でタブレット使用を廃止したという事実もないということを説明させていただいている。また、フィンランドについては、自治体によってデジタル活用の方針が様々な状況であるということで、フィンランド政府としては、デジタルと紙のそれぞれのよさを生かす方針であるということを確認しているという答弁をさせていただいたところでございます。
続きまして、14ページ目ですが、次期指導要領との関係ということでありますが、デジタルを入れていくことに伴うQRコード先のデジタルコンテンツの量、数とか範囲について、具体的な制限とか基準を設けるべきではないかといった質疑がありました。
答弁として、教科書は指導要領に基づいて指導するための主たる教材であって、児童生徒が共通的に学ぶ内容を記載するということを踏まえて、一定の枠組みの下で認める方向で検討していきたいという答弁をしておりまして、次期指導要領についての中教審における議論も踏まえまして、その議論の中で教科書全体の内容・分量の精選ということが言われておりますので、動画等のデジタルコンテンツの分量の在り方についても、これは検定審のほうでも検討をいただきたいというふうなことを答弁しているところでございます。
続きまして、15ページでありますけれども、発行者や採択権者の負担の観点からというところでありますが、今回の法改正で小規模な出版社が撤退したり、大手数社が寡占することにならないかという懸念の質問がありまして、これに対しては、まず、今回の制度改正を経て、教科書発行者に対しては、今後策定する大臣指針も踏まえて、教科特性に応じた形で教科書を作成いただくよう促していくということであって、同じ内容の教科書を複数の形態、3つの形態で作っていただくことを求めていくという考えはないということです。
また、教科書定価についても適切な価格設定をしていきたい。また、デジタルコンテンツについても、先ほどの質疑との重なりもありますが、無制限な拡大を抑制していくことも含めて、教科書発行者にとってのコスト負担という観点にも留意していきたい、検討していきたいという答弁をしています。
主な国会での質疑については、そのほか記載しているものもありますけれども、とりあえず説明としては以上にさせていただきまして、時間もありますので、続きまして、附帯決議が衆議院・参議院でそれぞれなされております。
項目は非常に多いわけでありますけれども、主だったところだけ紹介させていただきますと、まず、衆議院における附帯決議といたしまして、18ページ目ですが、衆議院で附帯決議が全部で11項目あるのですが、その中の2項目めといたしまして、まさに紙・デジタル・体験活動のベストミックスでバランスが取れた学びを実現するということ。国は、紙とデジタルの最適な組合せについて、エビデンスに基づいて、子供の発達段階や教科特性を踏まえた指針を示すことということが盛り込まれております。
また、19ページ目でございますが、5番目の項目でありますけれども、自治体ごとの通信環境の違いが児童生徒の学習環境の格差につながることがないように、ICT環境の整備を進めること。また、6個目ですけれども、教育委員会の採択負担の軽減策ということも考えていく、講じるということが入っております。
また、20ページ目に行きまして、9番目の項目ですけれども、児童生徒の視力低下などの健康面に関する留意点を整理して、教育委員会や学校等への周知啓発を図ることといったような項目が盛り込まれております。
続きまして、参議院の附帯決議が21ページ目以降にございます。参議院では全部で16項目あるのですけれども、基本的には衆議院で決議された11項目に加えて16項目になっているということでございます。
重なりが多いので説明は重複したいと思いますけれども、一番最後、25ページの14項目めのところで、健康に関する留意点の関係では、この14項目めの特に後半でありますけれども、健康面に関する調査あるいは医学的知見に基づくフィードバックを継続的に行っていくということ、視力・睡眠・依存、その他健康への影響に十分配慮して、端末利用時間の管理、フィルタリング、その他のデジタルウェルビーイングを仕組みとして確保するための取組を推進すること、こういった項目が盛り込まれているところでございます。
また、衆議院のほうにも盛り込まれておりましたが、15項目めのところには、教科書の定価の在り方、コストのことについても、附帯決議の中に項目として盛り込まれております。
すみません、少し時間が超過して大変申し訳ありませんでした。説明は以上でございます。
【堀田座長】 ありがとうございました。
大変丁寧に御説明いただいたところでございます。法律の改正につきましては、国会でこういう議論が行われたということで、私たちはその法律が施行されることに伴って、学校現場の負担や教育委員会の判断、これを教育委員会が採択するということ自体は変わっていないわけですけども、あるいは教科書発行者の方々の自由度を保障しながらも、良質の教科書を、今までの知見を使いながら開発していただくということに対するいくつかの配慮みたいなことを、この指針を作る会議、私どもの検討会議で検討していくということでございまして、その時の視点に当たるもの、10の論点をあらかじめ4月10日に出していた、その10個の論点に合わせて、国会での審議のやり取りを整理していただいたということでございまして、大変分かりやすくなっておりまして、私どもがこれから審議しやすく整理していただいたと認識しております。
質問等あるかもしれませんが、この後、議題2、議題3のところで、そもそも教科書を取り巻くいくつかの制度とか、それのどこがどういうふうになるのかみたいなこと、あるいは今後の予算のこと、私どもの審議の日程のこと、このようなことをまずは御説明いただいた上で、それからまとめて意見交換をしたいというふうに思っておりますので、続いて議題2と議題3、議題2は制度整備の全体像、議題3は今後の審議事項やスケジュールについて、事務局から御説明をお願いいたします。
【後藤教科書課長】 ありがとうございます。それでは、今度は資料2に基づきまして、今回の法改正を踏まえて、制度整備全体がどのようになされていくかということを説明させていただきたいと思います。
2ページ目を御覧になっていただければと思います。非常に端的に申し上げると、今回の法律改正は、今まで教科書は紙でつくる、紙だというふうになっていたものを、デジタルを取り入れてつくることを可能にするということについて、ここは法律的に改正が必要ですので、その改正をしたというわけでございまして、そこから先の、先ほどのやり取りでもありましたけれども、どういう学年でどういう教科でどんな教科書がよさそうかとか、あるいはそのための検定はどうなるのか、それから、いろいろな技術面も含めた仕様をどう考えていくのか、そこの具体的な制度づくり、ここは法律に何か細かく規定されているということではなくて、まさに法律改正を受けてこれから作り上げていくというフェーズであるということでございます。
今資料にお示ししておりますけれども、この2ページ目にありますように、実はやらなければいけないことはたくさんあるということでございまして、まず、丸1に書いてあるのは政省令・告示、これは法令を整えるということで今年度中にやっていく。
2つ目の発行・採択、使用の考え方、これがまさにこの検討会議で御議論いただくエリアでございまして、どういった学年段階・発達段階で、どういう教科でどんな教科書が望ましいのか。あるいは、それを使っていく上でのいろいろな留意点ということ、どんなことが大事で、お知らせしていく必要があるのか、これが、前回お示しした10個の論点などがこの辺りの話かなというところで整理をさせていただいているということです。
それと別に、丸3でございますが、検定をどうしていくかということも制度上非常に重要でありまして、これも今年の秋頃までに、教科書検定審議会のほうで、この検定審査の枠組みについて一定の取りまとめをするということで、別途検定審議会で議論がなされております。
3ページ目を御覧になっていただくと、検定審議会で御議論いただくべき項目自体も、これもまたたくさん実はあるのですけれども、その一端を入れておりますけれども、例えば太字になっているところのように、教科書に盛り込むべきデジタルなものというのはどういう内容で、どういう範囲のものなのか、どういう分量なのかというふうなことについて整理をし、必要に応じてそれを基準化して検定基準の中に入れていくことについて議論をいただくというふうな、こういったことを検定審議会のほうでやっていただくというところでございます。
2ページ目に戻っていただきまして、そのほか、丸4でございますが、教科書にデジタルな部分を含んでいく、あるいはフルにデジタルで作っていくということも考えられるわけですので、デジタル部分に対して、例えばアクセシビリティの機能でありますとか、あるいは、ユーザーを管理していくための機能でありますとか、そういったことについて、教科書は各発行者が発行しているということでありますけれども、児童生徒が学校で使っていくときに、やはり共通的に備えているべき機能につきまして、国として標準仕様を別途作ってお示ししていくという作業もやっていくわけでございまして、これは年度内には、この標準仕様というのも、発行者の方々の御意見も伺いながら作っていくということがございます。
また、丸5でありますけれども、引き続き、現行のデジタル教科書も含めて、制度改正後の姿も見据えながら、効果・影響等の実証研究というのは継続的に続けていって、ターゲットを2030年度に置いておりますけれども、小学校から導入される、ここがより効果的に円滑に行われるような実践事例の蓄積や研究というのは、法律改正ができたからといって止めるわけではなくて、ずっと続けていく、加速していくということです。
丸6でございますけれども、さらに、先ほどの国会審議でもありましたが、通常の教科書にデジタルを含んでいくという話に加えて、教科書バリアフリー法に基づいて、紙の教科書では学習が困難だという児童生徒向けに、検定教科書をフルにデジタル化し、そこに一定のアクセシビリティ機能も乗せていったような、教科用特定図書としてのフルデジタル版を位置づけていくということも併せてやっていきたいと思っておりますので、それに対する標準規格という、特にアクセシビリティの観点でどういった機能を必要と考えていくか、この辺りも今年度中にまとめていくというような、こういった検討を並行して走らせていくということでございまして、それぞれに会議体があるということでありまして、場合によっては、特に検定との関係などについては議論をクロスさせながら、お互いに情報共有を、事務局としてもインプットさせていただきながら議論を進められればと考えているところでございます。
あと、資料の4ページ目、5ページ目は、関連した参考の資料をおつけさせていただいておりましたので、御参考にしていただければと思っております。
続きまして、資料3番目は、指針に関する検討会議の今後の主な審議事項やスケジュールでございます。
現時点での見立てでございますので、座長の進行に従いまして、これは柔軟にまた対応させていただきたいと思いますが、最終、秋頃までにこの検討会議としての御議論の取りまとめをいただければと考えておりまして、このいただいたものを踏まえて大臣指針の名で策定していくということを考えておりますから、そこから逆算的に考えておりまして、本日は6月18日ですが、次回7月16日にも、紙・デジタルそれぞれが効果的な学習場面などについて、あるいは健康面への影響などについて、主に委員の先生方からの意見発表を是非お願いしたいと考えておりますし、また、8月にも会議を予定しておりまして、ここでも委員の先生方、また御相談させていただきたいと思いますが、委員の先生方以外の方もお招きして知見をお伺いするというようなことも、この8月の会議の中ではどこかでできればというふうに思っております。また、事務局としても、関連の資料やデータも追加的にインプットさせていただきながらと思っております。
また、9月中旬には、次期学習指導要領の議論も、別途中央教育審議会のほうで走っておりますけれども、そちらの議論の状況についても一定の取りまとめが見込まれる時期になってまいりますので、そういったことについても、こちらのほうでも教科書の在り方ということで関わりが大きいですので、共有させていただきながら議論をいただいて、その後、9月の第6回で終わるという意味ではなくて、その後取りまとめに入っていくということで回数をさらに重ねて、何とか秋のうちには取りまとめというようなスケジュールで進めていただければというふうに考えているところでございます。
雑駁な説明で恐縮でございますが、以上でございます。
【堀田座長】 ありがとうございました。
資料2の表を見ていただいてお分かりのように、検討しなければならないことが実はたくさんありまして、そのうち私どものこの会議で検討することが全てではもちろんありませんので、ほかの検定審等、慎重に検討されていくものもあります。複数の会議体をまたぐことになりますので、資料3では、私どものスケジュールはこういうふうに進めていくということを提示いただき、ほかの会議体とうまく連携して進めていくのだということだというふうに理解しております。
また、最後に課長がおっしゃいましたけども、中教審の次期学習指導要領についての議論が進んでいますので、これの前提になるデジタル学習基盤、その一部のデジタルの形態を含む教科書、これが子供たちの学びやすさ、多様性の包摂にどうつながっていくのかということもありますので、その辺の審議の結果を踏まえながら、こちらでは指針をつくっていくという形になります。
こういう見通しであるということです。皆さん、今日もそうですが、次回以降も幾つか皆さんにお力をお借りしまして、いろんな事例報告等をいただくということになりますが、それでいろんなところでいろんなお取組をされているということを集約していって、指針にうまくつなげていくということでございますので、御理解いただければと思います。
今日も、この後4件御発表がありますので、そちらに時間を割きたいわけですが、何かここまでで質問とかございましたら、一旦お受けしようと思いますけれど、いかがでしょうか。オンラインの方は挙手ボタンを押していただいてと思いますが、もし何かあればということですが、いかがでしょうか。
こちらのほうはよろしいですかね。では、後ほどまたお時間を取ったときに、何かあれば御意見いただければと思います。
それでは、一旦これはここまでといたしまして、ここから先は、現状いろいろお取組をいただいていることについてお話をいただきます。
それで、この後については委員の発表をしていただくわけですけど、その前に、まずは事務局から、様々な、文科省が取り組んできた今までのいろんなことがありますので、これを整理いただいて、その後、髙瀬委員スタートで、4名の方に御意見を賜りたいというふうに思います。
では事務局、お願いいたします。
【後藤教科書課長】 失礼します。座長のお話のとおり、今日は委員の先生方からの御発表がありますので、端的に御説明させていただきたいと思います。
資料4でございますけれども、紙・デジタルがそれぞれ効果的な活用場面について、これまで文部科学省でいろいろ整理してきたものなどについて、簡単に御紹介させていただきたいと思います。今後の先生方の議論の材料にしていただければという、そういう趣旨でございます。
まず、3ページ目に行っていただきまして、中教審で、教科書へのデジタル活用の法改正を目指していくということについて、審議まとめを昨年の9月にいただいておりますが、これをまとめていくプロセスの中で、中間まとめのときに関係団体からいろいろな御意見を当時もいただいておりまして、その中で、いろいろな教科・学習場面について、デジタルあるいは紙の向き・不向きみたいなところについて御意見をいただいておりましたので、それを事務局のほうで今回改めて整理をさせていただいたという資料です。
これも端的にと思いますが、青字で書いてあるところが、デジタルが非常に効果的ではないか、効果的だと感じているというところで、逆にオレンジ色になっているところが、紙のほうがやりやすいなと感じているというような御意見の部分です。
青字のところをまず説明させていただくと、3ページ目のところですと一番上のところに、英語の音声読み上げ機能とか算数・数学のシミュレーション機能、また、2段目にあります数学・理科など視覚的な理解が求められる教科、デジタルの動的な特性が有効だということ。また、実技教科での実践的な活動というのもいいと。英語ではデジタルの有効性が高いということ。また、一番下ですけれども、算数の図形の学習、特に中学年以降の図形やグラフを動かして試行錯誤するというのはデジタルが非常にやりやすいという御意見。
また、4ページ目に行っていただきまして、一番上ですが、材料とか用具の使い方を何回でも確認できるというところで、デジタルが非常に利点であると。また、話す・聞くの分野でデジタルは大いに活用できるというような御意見がありました。
重複するところは割愛させていただきまして、さらに5ページ目を見ていただきますと、2段目のところですが、英語・数学・理科・社会・音楽などでデジタルの利点が生かされる。英語だと各人のペースでネイティブの発音に触れることができるといった声でした。また、上から5段目のところですけれども、建物とか作品、絵画、実験動画なども、リアルに手間なく提示ができるという点。また、一番下ですけれども、双方向の学び合いとか映像の活用、立体の空間的把握、またヒアリングなど、こういったところがデジタルのメリットとしてあるということ。
また、6ページ目の一番下のほうですけれども、算数・数学だと図形や立体の展開、動的変化の可視化、シミュレーション機能。また、理科だと天体の動きとか生物の成長過程のシミュレーション、実験記録のデジタル保存・分析、実験器具の使用方法の学習。外国語については読み上げ機能や動画、リスニング・スピーキング、こういった、デジタルが非常に学校現場で有効と思われる場面について御意見をいただいておりました。
また3ページ目に戻っていただきまして、今度は紙のほうが非常にいいのではないかというふうなことですけれども、3ページ目のところでは、一番下のところで、国語の物語文を読む学習、長文の物語になると、全体を俯瞰して読み取ったりするところは紙媒体のほうが使いやすいというふうな御意見。また、4ページ目の一番下のところですけれども、紙も豊富な情報を俯瞰して、目的・場所・状況を把握しやすいという利点がある。また、作図は実際にやってみることで理解促進が期待できる。また、別の単元のものと見比べたり、実際に手を動かして作業を行ったりというのは紙が適しているといった御意見もありました。
また、5ページ目のほうですけれども、一番上にありますが、同じように国語の長文教材や音読は紙媒体が適しているというようなこと。また、4段目ですけれども、紙面を広げて全体の様子を確認する場面や、複数ページを見比べて考えたり、既習事項を確認したりする場面には紙が適しているといった御意見があったところでございます。
大体以上が、中教審で御議論いただいたときに各団体の皆さんから出てきたところから抽出したものでございます。
7ページ目以降は、現行の学習者用デジタル教科書についてのガイドラインを文部科学省として策定してお示ししておりますが、そのガイドラインの中でも、各教科でのデジタルの活用が有効であろうと思われる場面を、活用例という形でお示ししておりますので、これも参考に御紹介いたします。
各教科ごとになっておりますが、9ページ目を見ていただくと、例えばこれは国語でありますけれども、全部お話しすると時間がありませんので、例えば2番目にありますように、言葉の響きやリズムに親しむ学習ということで、音読音声などの活用というふうなこと、また、3番目ですけれども、表現を工夫して話したり、進め方を検討しながら話し合ったりする学習でのデジタルの活用が期待されるというものを示しています。
10ページ目は社会科についてですけれども、教科書の挿絵や写真から調べて考える学習ということで、写真であるとか地図といったものを拡大しながら調べて学習していくといったようなことが挙げられています。
また、2番目のところですが、実社会の実例や実際の人々の話を基に考える学習ということで、説明動画であるとか、そういったものの活用を学習活動で取り入れるというふうなことが示されています。
11ページ目、同じ社会ですが、資料を重ね合わせながら考えていくというような地理の学習での活用事例を挙げております。
12ページ目は算数・数学ですけれども、データの活用であるとか図形の学習、また、自動採点なども含めた数や計算の学習といったようなものを例示しているところでございます。
次、13ページ目が理科でありますけれども、理科ですと観察や実験、月の形の見え方の変化、また、昆虫や植物の成長過程などについて、動画を交えて見せていくような場面。また、3番目のところですが、実験器具の操作の習熟を図るというふうなことで、個別に繰り返しそういったものを動画で確認できたりというような使い方を例示しています。
14ページ目は英語でありますけれども、団体からの意見にも出ておりましたけれども、英語を読む音読の場面であるとか、また、3番目にありますが、英語を話す活動などにもデジタルの活用というのが期待できるということでお示しをしています。
また、15ページ目ですけれども、大事な点でありますが、特別な配慮を必要とする児童生徒への対応という点におきましても、例えば紙面を必要な大きさになるまで拡大しながら見ることができるという点で、デジタル活用は非常に有効である。また、3つ目の丸のところにありますが、それに併せてリフローの機能で途切れることなく、特別な配慮を要する児童生徒でも本文をきちんと読み進めていけるというふうなことも期待できる。また、一番下ですが、白黒反転であるとか、そういった形でより見やすくしてあげる、不快に感じにくくするということができるということもお示しをしているところでございます。
駆け足で恐縮です、その後、3番目として、17ページ以降には実践事例として、実際にこういった有効な場面というのがあったということを18ページ目以降に整理をしております。
いろいろな教科で、それから学年段階を全て網羅できているわけではありませんけれども、これまでの実証研究の中で見られた、有効と思われる場面を整理させていただいている資料でございますので、こちらはすみません、時間の都合で説明は割愛させていただきますが、これも御参照いただければというふうに考えております。
以上でございます。
【堀田座長】 ありがとうございました。
教科書の一部がデジタルになったらこんなふうに便利だという話は、もう今に始まった話ではなくて、様々な形でこれまで多くの学校で実践され、教員の体感も含めて、様々な効果等がこうやって上がってきているわけで、これを改めて今御整理いただいたということでございます。
この後、各委員から、それぞれ実践報告をいただきます。ちょっと時間が押しぎみで大変恐縮なんですけれども、それぞれが10分ちょっとぐらいでおまとめいただくようにお願いしているところでございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
今日は髙瀬委員、内田委員、岡本委員、森委員にお願いするということになっていると思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、髙瀬委員からお願いいたします。
【髙瀬委員】 福生市立福生第一小学校の髙瀬と申します。小学校において、紙が効果的と考えられる学習、デジタルが効果的と考えられる学習についてお話をさせていただきます。お話しする内容は次のとおりです。
第1回でもお話しいたしましたが、小学校は6学年あり、発達段階が大きく異なります。幼稚園・保育園等との接続となる入門期、中学校への接続となる高学年と、発達の段階の違いに考慮することが重要です。
児童の心身の発達の段階や特性についてですが、平成29年に告示された学習指導要領の解説総則編には、次のように示されています。低学年では基礎的な知識及び技能の定着、感性を豊かに働かせて身近な出来事から気づきを得て考えること。中学年以降の学習の素地を形成していく時期であること。中学年は、具体的な体験を通して、低学年で身につけたことを、より教科の特質に応じた学びにつなげていく時期であり、指導事項も次第に抽象的な内容に近づいていく段階であること。高学年は、児童の抽象的な思考が高まる時期であり、教科等の学習内容の理解をより深め、中学校以降の教育に確実につなげていくことが重要というふうに示されております。
まとめますと、低学年では具体的な経験が重要であり、実体験や見る、聞く、触れるなどの諸感覚を働かせることや、動作化をしたり、身近な経験を通して考えたりすることが学びの上で大切であると言えます。生活科の目標にも、具体的な活動や体験を通すということが示されています。
中学年は、引き続き体験を通して学ぶことを大切にしつつ、徐々に抽象的な思考へとなる段階。高学年は、中学年の学びを基に、より抽象的な思考への段階となります。
小学校においては発達段階に違いがありますが、学習を行う上で重視したいこととして、以前の学習を想起する、前に学習したことを容易に確かめることができる、見返すことができるなどがあります。また、ページをめくるという動作も、内容や順序を理解したりする上でも必要であると考えます。また、一覧して見ることができるということも大切であると考えます。このようなことを踏まえて、いくつか紹介をいたします。
それでは、はじめに紙が効果的と考えられる学習についてお話をします。
はじめに、国語です。国語は、説明文や物語文などの文章を読み取るということを行います。その際には音読、声に出して読むことですが、その音読を行うときには、教科書を持ってページをめくり、音読をします。
お手元の写真資料、5-2の1の写真を御覧ください。第2学年ですが、教科書を持って音読をしている様子です。音読するには紙の教科書のほうが、姿勢にも気をつけ、ページをめくり読み進めることができます。
隣の2の写真を御覧ください。同じく2年生ですが、説明文において、問いの答えに関係する部分にサイドラインを引いています。デジタル教科書でもサイドラインを引くことができますが、文章に必要なことを書き込む場合は、特に低学年、そして中学年も、紙のほうが行いやすいかと考えます。
3の写真は3年生です。国語で説明文の内容について読み取っています。
4と5の写真は5年生ですが、段落の構成について考えています。説明文において文章の構成を考えるときには、全文を読み返して、初め・中・終わりに当たる段落はどこなのかを考えます。このような場合はページをめくり、文章を行きつ戻りつしながら考えますので、紙のほうが行いやすいと考えます。
5の写真が、児童がページをめくりながら考えている場面です。ただ、説明文や物語文を聞くということについては、デジタルで聞く学習も児童の実態に応じて効果的であると考えます。
続いて、算数です。6の写真を御覧ください。算数については、計算を行うには、まず、手で書いて、書きながら思考することが大切であると考えます。
続いて、社会です。裏面のほうを御覧ください。複数の資料を同時に見比べる場合には、小学校段階ですと紙のほうが行いやすいかと考えます。
7と8の写真を御覧ください。気候の特徴について学んでいます。教師は黒板と大画面のモニターを両方活用し、大画面のモニターで資料を映しておりますが、児童は教科書や資料集を見比べながら学習を進めています。
続いて、音楽です。音楽は、楽器の演奏を行う場合には楽譜を見て行いますが、楽譜は紙の楽譜が見やすいかと考えます。
9の写真を御覧ください。譜面台に教科書を置いて、リコーダーの練習をしております。
続いて、デジタルが効果的と考えられる学習についてです。
初めに、算数です。算数は、図形に関する学習については、デジタルが効果的な学習が多いと考えます。デジタルは、図形を移動させたり、反転・回転させ重ねたり動かすことができ、シミュレーション機能を活用して、図形の性質を視覚的に捉えたり、試行錯誤する場面では有効です。
図形に関する学習は、第4・5・6学年では、主に画面のような内容があります。先ほどの発表と重なる部分もありますが、お話をさせていただきます。
資料5-3の1枚目の資料、お手元のものを御覧ください。4年生の面積の学習です。与えられた条件を満たして花壇の設計図を考えるものですが、シミュレーション機能を使って作成することができます。
また、2枚目の資料を御覧ください。複合的な面積は、図形に線を入れたり、線を入れて図形を動かしたりすることができ、考え方を様々試すことができます。
3枚目を御覧ください。4年生の展開図の学習です。展開図を描くことも、画面上で面を動かして作成することができます。
4枚目のものを御覧ください。5年、合同な図形ですけれども、図形を裏返すことや動かすことができ、また、重ね合わせて見ることもできます。形も大きさも同じということを視覚的に分かりやすく確認することができます。
5枚目を御覧ください。6学年の線対称を学ぶ学習です。これも対称の軸で折って重ね合わせたり、また回転させたりすることもでき、様々シミュレーションしながら視覚的に確認でき、理解しやすいと考えます。
そのほかとして、図形のほかにも、データの分析に関する学習についてです。データの学習については画面の内容を行いますけれども、6番目のものを御覧ください。6年生の学習です。右側には一人一人の1週間の家庭学習についてのデータが一覧となっております。この一覧はそのままですと分析がしにくいですが、時間の長いもの、あるいは短いものから順に並べ替えることがデジタルでできることにより、中央値や最頻値などを見つけていくことに時間をかけ、分析することができます。
続いて、理科です。理科は、学習指導要領の目標では次のように示されています。問題に対して予想や仮説を立て、観察や実験を行うことが基本です。実際に行うことが基本ですが、内容によってデジタルでの学びが効果的なものがあると考えます。実際の観察が難しいこと、時間的・空間的に観察が難しいものや、実際に見ることが難しいものなど、動画やアニメーションにより理解を深めることができると感じます。そのほか、実験の手順や器具の扱い方、安全な使い方について、教師が演示をしますが、動画で確認できるということは効果的であると言えます。
第5学年では、生命・地球の内容において、流れる水の働きと土地の変化の学習を行います。7枚目のものを御覧ください。流れる水の働きについては、川の上流、上流から平地に変わる部分、平地は、それぞれ川の様子や流れ、周囲の景色も違います。写真だけでなく動画によって、その様子の違いをより理解することができるのではないかと考えます。
そのほか、動物の誕生では、魚には雌雄があり、生まれた卵は日が経つにつれて中の様子が変化してかえることについて学習します。顕微鏡で観察を行っていきますが、資料の8枚目のように写真で見るほか、動画で見ることにより、変化についてより分かりやすく理解が進むと考えます。
第6学年の学習についてです。9枚目を御覧ください。生命・地球の月と太陽の学習では、月の見え方について、月と太陽の位置に着目して、それらの位置関係について調べます。この月の見え方については、ボールを月に見立てて光を当て、見え方を疑似的に体験するといった方法等が行われておりましたが、アニメーションなどで見ることにより、より理解を深めることができるのではないかと考えます。
続いて、外国語です。10枚目を御覧ください。6年生の学習です。海外の人に、日本の素敵なことについて紹介するという内容です。紹介を考え、発表するというものですが、発表するには事前に練習をし、表現を知ることが大切です。その際、音声を繰り返し聞いたり、また、速さを調節して聞き取りやすくしたりするなどして、児童が自分で選択して練習することで、自信を持って発表することにつながると考えます。
続いて、図画工作科です。図画工作科は、画面のようなことが効果的であるかと考えます。11枚目を御覧ください。この学習は、切り方や組合せを工夫して、光を包む立体的な作品を制作するものですが、デジタルによって、参考作品を回転させて360度見ることができます。平面の写真よりも、より具体的なイメージを持って作品づくりを行うことができます。
続いて、12枚目を御覧ください。著名な画家の絵も参考にすることがありますが、絵の具の重ね方など、画像を拡大することで知ることができます。
13枚目を御覧ください。また、鑑賞においても拡大して見ることができ、例えば葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の波の様子も詳しく見ることができます。表現の豊かさを感じることにつながると考えます。
資料14を御覧ください。これは電動糸のこぎりの使い方ですが、図画工作科では様々な道具を使います。実際には、教師が実物を用いて使い方や安全について説明をしますが、動画によってそれを補完したり、また、児童が繰り返し見て、自分で確認することができます。様々な道具がありますので、使い方について前に学習したことも、必要なときに児童が確かめながら進めることができます。
以上、何点か紹介させていただきました。このほかにも、デジタルが効果的な内容や使い方は様々あり、各学校において活用されていることと思います。
一方で、初めにお話ししたように、小学校段階では紙が効果的である内容も多くあると捉えています。教科の特性や学習の内容に応じて、紙とデジタルのそれぞれの良さを生かした教科書となること、学び手である児童が分かりやすい、理解しやすいということ、また、指導者側の教師も指導しやすいという点が大切です。
今後、デジタルの内容をより使いやすいものに工夫されていくことが必要であると感じます。また、その内容も活用されていくことで知見が得られ、より質的に高まり、充実していくのではないかと思います。いずれにしても、児童の発達段階に十分考慮した教科書づくりが必要であると感じます。
それでは最後に、写真の資料の10の写真を御覧いただきたいと思います。国語で漢字の成り立ちを学習していますが、この児童は辞書とタブレットを用いて調べています。児童が自分の学びに応じて紙かデジタルを選択したり、両方を用いたりしながら、自分に合った学びを行っていけるということも大切であると感じます。
以上で発表を終わります。ありがとうございました。
【堀田座長】 ありがとうございました。
続きまして内田委員、よろしくお願いいたします。
【内田委員】 ありがとうございます。全国高等学校長協会顧問、東京都立青山高等学校の内田でございます。よろしくお願いいたします。
文部科学省よりの説明に重なる部分もありますけれども、高等学校から見たデジタル教科書、それから紙教科書それぞれの特性について、また、様々な教科の事例についてお話をさせていただきたいと思います。
既に一部の学校では、デジタル教科書を活用した授業が展開しているところでございますけれども、ふだんの学習においても、高校生がユーチューブなど動画を参照しながら教科の学習を深めていくというような場面も、実際には行われております。
教科書は、学習指導要領に基づく主たる教材であり、教育の質を担保する基盤であると考えます。また、教科・科目によって、紙教科書、デジタル教科書、ハイブリッド教科書の活用の優位性や欠点は異なると考えます。今回、高校教育の視点からそれぞれの特性と課題を改めて整理し、今後の方向性をお示ししたいと思います。
これまでの授業では、教科書内容を網羅的に扱うことが、場面的に課題として指摘されてまいりました。しかし、本来、資質・能力の育成を目指す教育において、教科書を教える授業ではなく、学びを展開するための一つの教材へ、改めて再確認、認識をする必要があると考えております。
新学習指導要領が検討されておりますが、教科書を教える授業から、教科書は学習指導要領を基にして具現化する一つの教材であるとする授業への再認識を必要とするというふうに思いますし、この視点は、当たり前のことではありますけれども、生徒が主体的・対話的で深い学びを実現するために、さらには自律的な学びの展開に不可欠であると考えます。
それでは、紙教科書の特性について御説明をさせていただきます。
紙教科書の最大の強みは、優れた一覧性と書き込みの自由度にあると考えます。ページ全体を俯瞰できることで、全体の構造や文脈を直感的に把握しやすく、余白への書き込みを行うことで、自身の思考過程をリアルタイムで可視化することができます。
特に高校教育においては、教科書・ノートを行ったり来たりすることによって、俯瞰をした上で内容を自分の頭の中で再構成・構造化しながら理解を深める高度な学習がされることができると考えておりまして、紙媒体は、この認知プロセスと極めて深い親和性を持つというふうに考えます。また、経年劣化が少なく長期間保存できるため、卒業後も継続して知のアーカイブとして活用できる利点もございます。
一方で、通学時、生徒の様子を見ますと大きなバッグを抱え、教科書数の多さに起因する生徒の重量的な負担や、動画・音声といったマルチメディア情報の提示が不可能だという点、及び社会情勢の変化に伴う情報更新の遅れといった課題も内包していると考えます。
それでは、具体的にどういったところで紙媒体の特徴があるかということで、いくつかの視点で御紹介をさせていただきたいと思います。
まず、思考の深化・記憶の定着の面から、まず、全体的に言えるものでは、複数ページの、例えば指挟みによる同時参照ということが挙げられると思います。歴史教科書巻末の年表や数学の公式など、指や筆記用具を挟むことによってインデックスとしてキープしながら、実際の教科書内容のページと行き来して深く読み込むことができるというところがあります。
国語については余白のメモ、数学については問題集と教科書の見開き並行学習、付箋の物理的階層化によって、重要度や疑問に応じて異なる色やサイズの付箋を教科書の端から飛び出させ、自分の学習状況を立体的に可視化することが可能だというふうに思いますし、マーカーの色重ねによる重要度の管理なども、実際の紙の教科書ならでは行われることではないかなというふうに思います。
次に、俯瞰・一覧性の活用の視点から御説明をさせていただきます。
例えば地歴においては、見開き2ページの大判地図、年表の俯瞰などがあると思いますし、芸術(美術)の分野では、印刷の質感や発色の鑑賞、そして全体的なところでは、学習したところの厚みによる学習量の視覚・触覚的実感を捉えるといったところがあるかと思います。教科書を学習するため、ここまで学習が終わった、残りはこれだけ学習していくんだという物理的なボリューム感を、学習へのモチベーションに変えるという効果もあるというふうに思います。
さらには、ぱらぱらめくりなどによる検索といったことも、今までは学習で行われてきました。探したい記述があるときに、ページの束を親指でぱらぱらとめくりながら、配置、図の形といった視覚的記憶を頼りに目的の場所を探し当てるであるとか、英語においては長文読解における構造の文脈把握などをすることが可能かと思います。
次に、授業スタイル・集中環境についてお話をさせていただきます。
デジタルと違って紙教科書の場合には、よそからの通知が行われるということはありません。100%紙に集中することによって、集中環境を構築することが可能になります。また、紙ですので、あえて消さないことによって思考プロセスを確認することが可能かと思います。鉛筆で書いた間違った計算、初期のアイデアを残すことによって、それを赤ペンなどで修正することで、自身の試行錯誤の履歴を紙面に残すことが可能になります。
さらには、レイアウト配置の面で、教科書、ノート、資料集などの配置によって、自分自身が認識しやすい環境をつくることが可能になります。
英語の部分では、よく学習の際に生徒が行っていることですが、赤シートを単語上に載せることによって見え消しの状態にして学習を進めるということも可能になります。本を閉じることによって授業のめり張りをつくるというような工夫も、今までは行われてきました。
次に、持ち運び・自習・物理的特性についてお話をさせていただきます。
使い込んだ教科書は、受験に使用する際、あるいは学習の経緯を頭の中で巡らす際に、これだけやったという心理的な安心感を得る効果もあります。さらに、電源不要ということもありまして、場所を選ばないという特性もあります。Wi-Fi環境やバッテリー残量を気にすることなく、いつでもどこでも学習することが可能であります。
また、生物など理科分野においては、図説ページの指差しや、複数の生徒によって一つの教科書を基に議論を進めることが、より簡単に可能となります。
書道などの場面では、お手本として物理的距離・角度などを固定して、作業のしやすい環境をつくり出すことが可能になります。
次に、デジタル教科書の特性についてお話をさせていただきます。
デジタル教科書は、動画・音声・シミュレーション機能等の視覚的・聴覚的要素を活用し、多面的な理解を支援する点に大きな特徴があると考えます。理科の実験現象、実際の現象、そして地理の動的な感覚理解、外国語教育における音声学習などにおいて、その教育効果は極めて高いと考えております。さらに、柔軟な検索機能によって、必要な情報への瞬時のアクセス、複数の教材を端末1台に集約することによる物理的負担の軽減も期待されております。
一方で、端末のバッテリー管理や通信環境への依存、保存容量の制限、そしてタイピングやデジタルペンによる書き込み機能の制約といった課題は残るというふうに思います。
特に、深い思考を伴う記述活動や試行錯誤のプロセスとの相性については、UI(ユーザーインターフェース)を含めたさらなる改善の余地があると考え、クラウド配信などの形態によっては、回線混雑や停電等に使用不能となるリスクに加え、卒業に伴うアカウント消失によって、過去の学習履歴や教科書そのものの閲覧が不可能になるというライセンス上の制約課題も看過できないと考えます。
次に、高校における各教科、普通科・専門学科も含めまして、探究活動、校務連携によるデジタル教科書活用の具体例を幾つか挙げさせていただきます。
まず、基礎学習・理解の促進の面から捉えて御説明をします。
英語においては、音声同期リスニングとシャドーイングというようなことが、より効果的に可能になるというふうに思います。
数学においては、3Dの空間図形の動的回転などを示すことが、より容易になるというふうに思われます。
国語の古典分野では、重要語のワンタップの辞書リンク、子分の本文中にある単語をタップすることによって、辞書機能や文法解説を理解することがより容易になると考えられます。
理科の化学分野におきましては、分子構造のモデリング操作がより容易になり、立体構造を理解する上での補助になると考えます。
地歴(世界史)においては、歴史地図のレイヤーなど重ね合わせ機能により、同じ地域の異なる時代の国境線や、あるいは歴史的な内容を重ね合わせることによって、領土の変遷や歴史的な経緯などをより効果的に理解することが可能と思われます。
次に、発展・探究・個別最適な学びの視点から御説明をさせていただきます。
情報については、コード実行環境との連携、プログラミング(パイソンなど)、高校では言語として活用したりしておりますけれども、それを実際に実行するなどのことがより容易になると思われますし、総合的な探究においては、URLのリンクから様々なデータを直接参照するようなことも期待されます。
さらに、全般的な視点からは、振り仮名、サイズ、背景等の個別変更により、様々な特性に合わせた最適な学習環境を提供することが可能と思われます。さらには、音声機能による耳からの学習も可能になることが想定されます。
次に、協働学習・授業運営の点から幾つか御紹介をさせていただきます。
例えば現代文においては、実際に書き込む機能などを基にして、それぞれの作業を同時に示すことができますし、また、それを基にディスカッションをすることが可能になるというふうに思います。
さらに、日本史の部分では、資料の拡大表示や書き込み機能、全般的ではテキストビューを一部隠すことによって、お互いにペアワークをする、クイズを出し合うなどの取組が可能というふうに思われます。
欠席者に対しては、授業内容を書き込み画面へ入力することによってそれを共有し、欠席でも学習内容について把握するというような効果も期待されます。
そして指導面で、課題管理・評価・専門教科の部分では、例えば数学・英語ではドリルでの自動採点機能などの導入などが考えられますし、物理分野では実験動画のコマ送り再生、商業・工業分野では法改正が頻繁に行われますので、最新技術や法改正データのオンライン更新なども考えられます。
さらには保健体育では、実技のフォームを動画で記録することによって、教科書内容の参照・比較なども可能になると思われますし、家庭科においては実習手順の手順なども、より動画を通して分かりやすく理解、学習することが可能になるというふうに思われます。
次に、教科書と教材の関係について説明をさせていただきます。
教科書は厳格な検定制度を経て、質と中立性が保証された基盤教材であり、各種動画や問題集などのデジタルコンテンツは、これを補完・拡張する役割を担うものであると考えます。
近年、紙教科書であっても、二次元コードを通して外部のコンテンツ、デジタル教材への接続機能が普及してきましたけれども、付随するコンテンツの量や派手さが採択の判断を左右しかねない現状も、一部見受けられます。今後は、教科書本体と補助教材の役割分担を明確に整理していただくことで、学校現場の過度な負担軽減につなげていただければというふうに思います。
また、教科書の記述内容は、大学入試共通テストをはじめとする進路実現に大きな影響を及ぼすというところがあります。デジタル化に乗じたコンテンツの肥大化には慎重な議論が必要と考えます。
次に、ハイブリッド教科書の可能性について、簡単に触れさせていただきたいと思います。紙とデジタルの双方の利点を生かすハイブリッド教科書は、今後の有力な方向性であるというふうに思います。紙の利点はデジタルの欠点、デジタルの利点は紙の欠点という側面もありますので、双方の利点、利便性を組み合わせることによって優位な点を活用し、学習効果の向上を期待しております。
そして、実際の実験や体験活動といったリアルな学びを含めた3層構造を統合することによって、より深い理解と探究学習を可能とする環境をつくり上げることが大切であるというふうに考えております。
デジタル教科書活用の指導上の工夫について、次にお話をさせていただきます。デジタル教科書を中心とする場合でも、学習の質を高めるために、指導の工夫は不可欠と考えます。指導環境が大きく変わりますので、導入に当たりましては教員研修が不可欠であるというふうに考えておりますし、また、媒体に依存せず、停電やWi-Fi等の接続状況を想定した上で学習過程を設計する視点も求められるというふうに思っております。
今後の方向性としましては、まず1番、柔軟な教科書制度の確立。紙・デジタル・ハイブリッドの3形態それぞれの特性と認知科学的な効果を踏まえ、学校や生徒の状況に応じて選択可能な制度設計を行っていただきたいということ。
2番目、検定・採択基準の明確化。デジタル教科書の特性の機能やリンク先の外部コンテンツに対し、教育的妥当性と中立性を担保する厳格で厳正な検定・採択基準を策定していただきたいということ。
そして3番目、インフラの一体的整備。端末のスペック向上にとどまらず、学校内の通信ネットワーク帯域の拡大や教室内での電源確保など、学習を止めないハードウェア環境を一体的に整備していただきたいということ。
そして4番目、教材の役割分担の整理。学習指導要領の趣旨にのっとり、主たる教材である教科書と、それを補完するデジタル補助教材の境界線と役割分担を再整理し、教育格差を生まない構造をつくることが必要だと思います。
もとよりデジタル化の移行に当たっては、推進によるメリットだけでなく、現場の実践を通して浮き彫りになってくる新たな課題をしっかりと把握し、必要に応じて既存の優れた手法へと柔軟に対応することが必要だというふうに思います。
今後は、学校現場の実践と政策形成を往還させながら、持続可能で質の高い教科書制度を構築していくことに、高等学校長協会としても協力していきたいと思います。
長くなりましたが、以上となります。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】 ありがとうございました。
続いて岡本委員、よろしくお願いいたします。
【岡本委員】 教科書協会の岡本でございます。よろしくお願いいたします。
私からは教科書発行者として、教科書のデジタル活用をどのように考えているかということを、具体例を示しながら御報告できればと考えております。よろしくお願いいたします。
今申しましたように、私は、一教科書発行者ではありますが、教科書協会という業界団体の立場で出席しておりまして、そのために、様々な教科書発行者からの具体事例をお借りしながら、今日は実際に見ていただければと思います。
今日、私から御説明するのは大きくこの2つでございます。1つ目はデジタル教科書の特徴ということで、概論のようなものでして、4項目に分けて特徴を御説明いたします。
それから2つ目は実際の活用例、どのようにデジタル活用しているかというところで、様々な教科の教科書がございますので、今回できるだけ多くの教科について、実際どのようなデジタル活用がされているのか、特徴的なところを抽出して御紹介できればと思っております。よろしくお願いいたします。
1つ目、概論として、デジタル教科書の特徴ということで、まずは、現状のデジタル教科書というのは紙の教科書を丸々デジタル化したものでございまして、教科書紙面をそのままデジタル化することによって活用できることがございますので、これまでの先生方の御発表の中にもありましたように、例えば小さくて細かい部分を拡大して見ることができるとか、それから、デジタルならではという機能ですけれども、書いたり消したりが何度もできるということで、これは試行錯誤のツールとしては便利だと御好評いただいている部分です。それから、ページをまたいで、指定するページのところに一気に飛べるという、紙ではなかなか難しい操作も簡単に行えるということがございます。
こうした様々な機能を、現在、各発行者がビューアをそれぞれ開発していて、操作性がビューアによって異なるんですけれども、そうした操作性の違いも、共通メニューというものを設けまして、同じ操作で同じ機能が動くように現在しております。そうした取組も行っております。
それから2つ目としまして、先ほども御紹介がありましたけれども、特別支援機能と呼んでいる、いろいろな特性を持った児童生徒さんに寄り添う形での機能というのを、各発行者がある程度共通で搭載しているというのも特徴でございます。
例えば、先ほどありましたように、お子さんの視覚特性に合った文字色と背景色を選べる機能ですとか、それから、漢字の読みが非常に苦手な子供さんに対して、また外国籍の児童生徒さんなどにとって役立つ、振り仮名を全ての漢字につける機能ですとか、その他、リフローですとか書体を読みやすくする、文字自体を拡大していく、こういった機能を、特別支援機能ということで多くのビューアが搭載していることも特徴でございます。
3つ目が、デジタル教科書は教科書の代替教材になりますので、紙の教科書と全く同じでないといけないというのが基本です。したがいまして現在、教科書として動画ですとかそういったものを登載することはできませんので、そうしたデジタルならではのコンテンツを「教材」として位置づけておりまして、教科書と教材を一体的に使うことで、デジタル化した利便性をさらに向上しているということでございます。
4つ目の特徴としましては、これは紙の教科書が今、教科書として唯一認められておりますから、そこからデジタルコンテンツに飛ぶための工夫といたしまして、教科書紙面に二次元コードをつけております。その二次元コードをタブレット端末にかざすことによりまして、紙の教科書からもデジタルコンテンツを使えるようになっているということが今の特徴になっていると思います。
ここまでが概要の説明でして、これから先、それぞれの教科でどのようなデジタル機能、コンテンツといったものを実際の教科書に登載しているかということを御覧いただければと思います。
まず、国語、書写になります。国語は、教材の解釈の議論などで、本文の一部分を抜き出して議論をするということが行われますので、そうした操作がデジタル上非常にしやすいというような機能を備えているビューアがございます。
それから、実際にプレゼンテーションなどのやり方を動画等でお手本を示すということで、どういう話し方をすればよいか、声の出し方をすればよいかというようなことが分かるような解説動画といったものも御用意しています。
さらには、実際の力試しというような形で、CBTに近いような形で、確かめの問題といったものがついているものもございます。
続いて、書写のほうになりますが、実際の筆の動かし方といったものを動画で見ることで、書写のスキルを習得しやすくするというようなこともございますし、続いて、先ほど書く姿勢というようなお話もありましたけれども、こういった姿勢に関しても動画で紹介するというようなことも実際行っております。
さらには、書写に関しては豆知識のようなこと、実際に例えば書体の違い、こういうものを比較対照することで分かりやすく解説しているというようなアニメーション、こういうものも収載してございます。
続いて社会科、それから地図の教科になりますが、社会科は特にグラフの読み取りといったものに対しましてスキルが求められますので、これを一部抜き出したり、重ねて比べたりというようなことがデジタルでしやすくなっております。そのほかにも様々な事例の紹介を動画で解説することで、教科書に載っている写真ではなかなか表現し切れないことを紹介しているということも多数見られると思います。
さらには、様々な思考ツールを活用して、子供たちが自分の考えを整理するということも、デジタルであればやり直しが非常に効きますので、紙ですと鉛筆で書いて消しゴムで消してみたいなことをするとかなり汚れてしまうところを、デジタルでやりやすいというお声も聞いております。
さらに、地図の教科書に付随するものですと、都道府県ごとに様々な要素別の地図を示して見やすくするといった工夫もしておりますし、地図を実際に読む際の地図読み取りのスキルをアニメーションとかシミュレーションで紹介しているということも行っております。
続いて、算数・数学、それから理科の教科では、先ほどもありましたが、やはり図形の操作、これは例示としては図形を重ねるところの事例になりますが、こうした図形の操作はデジタルのほうで理解が進むというお声を聞いております。
ほかにも、アニメーションとか動画を使って、この具体例は円の面積をどうやって公式をつくるかという際の図解アニメーションになりますけれども、こういったものも理解の促進につながると思います。
さらに、実際の練習問題をする際に、ヒントとか回答を子供たちが自分で選べるような形で表示することができる機能を備えているビューアもございますので、これも子供たちの個別最適な学びというところに資する機能だと思います。
さらに理科のほうですと、先ほども実験方法などでデジタルが活用できるというようなお話がありましたが、やはりそうした動画で、どのようなものを使ってどういう調べ方をするのかを多く紹介している教科でございます。
ほかに、天体の月の満ち欠け、これも先ほど髙瀬先生の御紹介の事例にもありましたけれども、こうした、なかなか紙では伝わりづらい、動きのあるシミュレーションといったものをデジタルで表現しております。
続いて、音楽です。音楽は、先ほど紙で楽譜を見るというよさが報告されていましたけれども、デジタルですと楽譜と連動して再生するというツールがありますので、今どこを聴いているのかというのがより分かりやすくなるというメリットがあると考えております。ほかに、音楽を実際につくる創作の場面でも、デジタルならではの使いやすさというものがあると聞いております。
そのほか、当然、鑑賞する際にも、音を実際に聞きながら、音符をなぞりながら見ていけるということは、デジタルのよさであろうかと思います。
それから、音楽もやはり実技系ですので、楽器の使い方を子供たちが繰り返し、分かるまで見て覚えていくということにも役立つと思います。
続いて図画工作・美術ですが、こちらも実技教科になりますので、これですとカッターナイフの使い方ということですけれども、安全に器具を使う際にもデジタル活用していただけていると聞いております。
さらに工作のほうですと、実際につくる際にどのようにつくるか、理科の実験方法と似たような活用のされ方かと思いますが、動画が非常に活用されていると聞いております。ほかにも、美術ですとカメラ機能を使って創作活動につなげるということを取り入れているものもございます。
続いて、家庭科ですとか技術分野ですが、この中でも、クイズコンテンツとして、子供たちが楽しみながら学習に取り組めるという工夫をしているものもございます。ほかにも、実際の家庭科の中で、どういう手順で料理をするかという場面で、順序を入れ替えたり、子供たちが自分で操作しながら確認できるというものもありますし、このイラストの中で、学習を受けて答えを探すというようなことができるようにもなっております。
それから、家庭科では、シミュレーションを使って、実際にこの例ですとトマトの育成ですけれども、どういう世話をすれば収穫量が多いトマトができるのかというようなことを実際にシミュレートするというようなことも表現しております。
それから、保健体育ですけれども、これは消費カロリーのシミュレーションの例ですが、自分はどういう消費カロリーなのかを入力して分かるというコンテンツを提供しているものもございます。
それから保健の領域ですと、なかなか紙面ですと表現できないものを、動画やアニメーションで扱って、子供たちが実際の事例とか現象を基に考えることができるようになっております。
それから、こちらは図鑑的な使い方です。そうしたコンテンツを提供しているものもございます。
それから、英語になりますが、先ほど、様々な場面でデジタルが活用できるというようなお話がありましたけれども、やはり表現しているコンテンツも多種多様でございまして、こちらは、それぞれの紙の教科書にあるものを、実際の発音を聞くとか、それから単語帳のような機能も備えているようなものでございます。
ほかにも、デジタルマップを提供しているビューアもございまして、これですとエリアごと、地域ごとの名称ですとか、そういったものを英語で学習できるようなものでございます。
ほかにも、実際の学習場面、こういったものを物語風、アニメ風に、音声とともに動画を見ながら子供たちが学習しやすいようになっているものもございますし、あと、英語ですと小学校の場合、特に歌ですとかチャンツを使った学習というのがありますので、そうしたものをアニメーションと一緒に子供たちが取り組めるということも表現してございます。
さらに、国際理解の文脈で、単なる言葉を覚えるだけでなくて、異文化についても理解できるようなコンテンツ、こういうものも英語では需要がございます。
さらに、英語ですと、先ほど音楽で楽譜と連動させる再生といったものを御紹介しましたが、こちらも語彙と連動させる再生ということで、今どこを話しているのかなというのが分かりやすい機能というものを備えているということでございます。
それから、道徳です。道徳は教材主体に教科書としては提供しておりますが、その教材を少しストーリーのある朗読動画にいたしまして、紙の教科書で読むのと併せて、こうしたアニメドラマのようなものを見て、それで学習に取り組むというようなこともできるようになっております。ほかにも、作品をつくった方からのメッセージですとか、そうした作品の背景のようなものを紹介するような資料もデジタルで提供しております。
それから、社会科と同じように、やはり子供たちが考えを出し合ってまとめていくという教科でもありますので、シンキングツールといったものも道徳でも御用意しているところがございます。
ここまでは義務教育、小中学校を中心に、一通りの教科を見ていただきましたけれども、最後にちょっと高校の事例を幾つか抽出いたしましたので、見ていただければと思います。
先ほど内田先生から、やはり高校ですと学習も高度化してくるということで、コンテンツもかなり高度なツールが多くございまして、例えばこれですと関数の描画ツール、変数を入れると関数がグラフで示されるというようなものを御用意していたり、それから実験のシミュレーションということで、これも変数を操作して、そこから得られる結果の違いを吟味していくという数学のコンテンツになります。
それから英語学習においても、高校ですと生徒が発音したものに対する評価をデジタル上で行うようなものを用意していたり、子供たちの発達段階に応じたコンテンツの高度化というものが行われているという事例でございます。
最後、まとめになりますが、今まで見ていただいたものをまとめますと、ここに見ていただいているようなものになります。教科特性というお話もありますので、どういった教科でどういうものがデジタルとしてふさわしいのかというのを今後考えていただく際の、一つの材料になればということで御覧いただきました。
時間が多くなりまして申し訳ございません。私からは以上になります。
【堀田座長】 ありがとうございました。
最後に森委員、よろしくお願いいたします。
【森委員】 皆様、こんにちは。一般社団法人日本図書教材協会副会長、教育同人社の森達也と申します。このたびはこのような発表の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。本日は、小学校で使われている教材の発行者の立場から、アナログ・デジタルがもたらす効果的な学習場面についてお話をいたします。
私たちは日々、学校現場の先生方と接しながら教材を発行しています。その中で強く感じているのは、子供たちの学びにとって重要なのは、紙かデジタルかではなくて、それぞれの特徴を生かしながら、どのような学習環境を設計するかということです。本日は、その理由を、具体的な教材資料を交えながら御紹介をいたします。
まず、学校教材について簡単に御説明をいたします。学校教材は、教科書と連動しながら理解・思考・定着・評価、これらを支える学習システムとなっています。まず教科書で学び、ノートで考え、ドリルで練習し、テストで確認をして、見直しによって定着をさせる、この一連の学習活動を支えるために存在しています。
私は、学校教材は教科書とともに日本の教育を支えるインフラだと考えています。日本の教育の強みは、学習指導要領、教科書、教材、そして教師の指導が一体となって機能していることにあります。私たち教材発行者はその仕組みを支える一員として、紙でもデジタルでも、子供たちの学びにとって何が最適かを第一に考えながら教材発行をしております。
こちらは、学習場面ごとに見た、紙とデジタルの役割をまとめたものです。例えば知識を理解する段階では、動画や音声などデジタルの強みがあります。しかし、深く考える段階では、紙に書きながら試行錯誤するということが大きな意味を持ちます。
また、反復学習や個別最適な学習はデジタルが得意です。一方で、教師が子供のつまずきや思考の過程を見取る場面では、紙に残された筆跡、書き直した痕跡などが重要な情報になります。
また、子供たちの学びは一人一人異なります。紙のほうが理解しやすい子供もいれば、デジタルのほうが力を発揮できる子供もいます。だからこそ、どちらか一方を選ぶのではなく、子供たち自身や教師が状況に応じて選択できる環境を整えることが大事だと考えています。
ここからは、実際の学校教材を例にして、学習場面ごとに紙とデジタルがどのような役割を果たしているのか、御紹介をしたいと思っています。
まず、基礎・基本の定着の場面です。こちらは計算ドリルの例です。一見すると昔から変わらない教材に見えるかもしれません。しかし、私たちは単に問題を解かせるのではなく、子供たちが学び方を学ぶことを重視しています。どのような順番で考えるのか、どこでどう間違えたのか、どのようにやり直すのか、その過程そのものが学習となります。基礎・基本の定着には、今でも紙が大きな力を発揮しています。
こちらは、ドリルを活用したドリル学習のために開発されたノートです。理解したことを自分の言葉で書く、自分の式で表現する、考えを整理する。この活動は極めて重要です。紙には、思考の過程そのものが残るという価値があります。AI時代だからこそ、自分で考え、自分で書き、自分で整理する経験はますます重要になると考えています。
こちらはワークテストです。小学校段階における単元テストは、評価のためだけに存在するものではありません。子供がどこで理解し、どこでつまずいたのかを確認するための教材でもあります。教師は答案を通じて、思考の跡、迷った箇所、理解の深さを読み取っています。これは紙が持つ非常に重要な価値だと考えています。
一方で、学び直し、見直しの学習になると、デジタルが大きな力を発揮します。テストの後、児童はQRコードから解説、動画、個別プリント、CBTへ進むことができます。自分に必要な学び直しを、必要なタイミングで行うことができます。もちろん、自宅に持ち帰って振り返ることも可能となります。
また、今までは、テストが返却されても、間違えた理由が分からないまま終わってしまうということも少なくありませんでした。しかし、動画解説や個別プリントがその場で提供されることで、なぜ間違えたのか、どうすればできるようになるのかを子供自身が確認できるようになります。学び直しをその瞬間行えることは、デジタルならではの価値だと考えています。
こちらはCBTです。デジタルの最大の強みは、演習量を補完できることです。子供によって理解度は異なります。ある子は3問で理解できます。ある子は10問必要かもしれません。CBTは、個に応じた問題を効率的に提供することができます。個別最適な反復学習を実現することができるということです。
また、学習結果を可視化できるのも大きな価値です。どの問題でつまずいているのか、誰が支援を必要としているのかを把握できるので、教師は支援が必要な子供により多くの時間を使うことが可能になるわけです。
しかし、深い思考ということになると話は変わります。子供たちは手を動かしながら考えます。書き直しながら考えます。図を描きながら考えます。紙には一覧性があって、全体を見回すことができます。そして、じっくり向き合うことができます。深い思考には、紙の強みが大きく生きていると考えています。
一方で、デジタルは思考を止めない役割を果たします。動画による解説、補助ヒント、個別支援、これらによってつまずいた子供を支えることができます。つまり、紙で考えてデジタルで支援する、この往還こそが重要だと考えています。
また、デジタルには、一人一人の異なるつまずきに対応できるという特徴があります。デジタルは、この子に必要なヒント、解説を提供できます。これらは一斉指導では難しい部分であり、個別最適な学びを支える重要な機能だと考えています。
ここで先進事例として、教育同人社のMITORUを御紹介します。MITORUは、児童が紙に書いた計算ドリルを、AIが自動採点するという仕組みです。ここで重要なのは、紙をデジタルに置き換えたものではないということです。
子供たちはこれまでどおり、鉛筆で書き、考えながら学びます。AIは採点を支援し、児童は即座に結果を確認できます。また、教師は採点時間を減らし、子供の見取りや個別指導により多くの時間を使うことができます。
私たちは、AIは教師に替わるものではなく、教師の教育活動を支えるものだと考えています。クラスの子供の「分かった」を先生が実感できることこそ、教師の満足度につながるのではないかと考えています。紙のよさを生かしながらデジタルで支援する。MITORUはその一つの事例だと思います。
最後に、教材発行者の立場から、これからの教科書と教材の連携についてお話をいたします。
今回の法改正によって、デジタルな形態を含む教科書が制度化されたことになります。私たちは、この変化を非常に前向きに考えています。なぜなら、教科書と教材がこれまで以上に連携し、子供一人一人に最適な学びを提供できる可能性が広がったと考えているからです。
まず1つ目は、教科書と教材の連携促進です。教科書で学び、教材で理解を深め、テストやCBTで確認をして学び直しへつなげていく、こうした学習動線をシームレスにつなぐことが期待できます。一方で、教科書と教材は、今後も明確な区分けが必要となってきます。
2つ目、学習ログの活用と連携基盤の整備です。教科書・教材・CBT、これらを横断した学習履歴が蓄積されることで、より細やかな支援が可能になります。また、教材発行者、そして教科書発行者、プラットフォーム事業者が、適切かつ円滑に連携できるデータ共有のための環境整備、これらも重要になると考えています。
3つ目は、教師の見取り支援です。児童の学力を支えているのは現場の先生方の力です。紙の記述、学習ログ、評価結果を統合的に活用することで、子供たち一人一人への理解をさらに深めることができます。
また、学校教材は、子供たちと向き合う教師によって活用されて、初めて価値が発揮できます。子供たちの実態は、地域によっても、学校によっても、学級によっても異なります。だからこそ、多様な教材の中から、教師自らが教育的な意図を持って選択し、活用できるということは、日本の教育の一つの強みであると考えています。
4つ目は、児童生徒の関心等に応じた多様な教材活用です。次期学習指導要領の議論においても、多様な教材の活用の重要性が示されています。教科書が学習の基盤であることは変わりませんけれども、子供たち一人一人の興味・関心や理解の状況に応じて多様な教材を活用しながら学びを深めていくことが、これからますます求められていくと考えています。
私たちは、教科書の変化によって、教材の役割もまた深化していくと考えています。これまでの教科書を補完する役割から、学びを支える学習環境の設計者へ、そして、紙・デジタルを問わず、これからの教科書と教材が連携することで、子供一人一人に最適な学びを実現できる、これが私たち教材発行者の期待でございます。
最後になります。学校教材は、子供たちに答えを教えるものではありません。答えに導く力を育てるものです。私たち教材発行者は、子供たちの学びにとって何が最適かを考え、現場の先生方とともに、これからの子供たちの学びを支えてまいります。
御清聴ありがとうございました。
【堀田座長】 ありがとうございました。
今、事務局にまとめていただいた上で、4人の委員の方に御報告いただきました。それぞれのお立場で、紙のよさとデジタルの良さをどのように使い分けて、より効果的な教育活動を行うかという事例を、小学校と高校の例をいただいた上で、教科書発行者が今までで言うデジタル教科書なるものをつくってきた経験から、どのようなものが実現可能で専ら使われるか、効果的かというお話と、また、森委員からは最後、教材、教科書ではありませんけれども、学校現場の特に学力の部分をしっかり支えてきた教材のところが、今後教科書がデジタルを含むということを踏まえるとどのようになっていくかということの見通しをいただきました。
この後、実は30分ぐらい皆さんと議論しようということにしていたのですけれども、もうお時間を見ていただくと、あと10分しかありません。ですので10分だけ、皆さんの御意見を拾いたいと思います。
今御発言いただいた方以外で、オンラインの方も含めて、ここをとても共感したとか、私もそう思っているという意見や、あるいは、ほかにもこういうのがあるよというような意見がありましたら、何名取れるかちょっと分かりませんけれど、10分だけ議論をしたいと思いますので、御協力よろしくお願いします。挙手ボタンを押していただいて、私のほうで指名を差し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは市川委員、お願いいたします。
【市川委員】 全国特別支援学校長会の市川でございます。御指名ありがとうございます。障害のあるお子さんにとって、アクセシビリティという観点から、バリアフリー法に基づいて教科書のデジタルを使っていくというのを広げていくということはとても有効な点なので、是非進めていただきたいと思います。
一方、障害のある子が学習を深める視点からのデジタルの活用というと非常に幅がありまして、これをどう整理していったらいいか、私も分からないのですが、例えば一つの例を出すと、手書きによる学習の重要性ということがある一方、書字障害のあるお子さんにとってみると、手書きではなくキーボード等で入力をしたほうが学習が進む子もいるわけで、そこを教科書という考え方でやっていくのか、教材という考え方でやっていくのか、少し整理が必要なのかなと思いました。
以上です。
【堀田座長】 ありがとうございました。大変貴重な、重要な観点でございまして、私たちはそれを一般論で全てを片付けようとしがちになるんですけども、特に制度との関係でそういうふうにしがちなんですけれど、今非常に重要な御指摘をいただきました。
あと2人拾えると思いますので、柴田委員、中川座長代理の順番で参りたいと思います。
柴田委員、どうぞ、お願いします。
【柴田委員】 どうもありがとうございました。大変参考になるプレゼンをいただきましてありがとうございます。その中で、ちょっと気になったことが一つあるので。多分、言葉の使い方としてね。
例えば、「紙かデジタルか」ということ、その議論は、ちょっとそういうことではなくて、私、取りあえず、皆さん何というのかな、紙一辺倒かデジタル一辺倒かって、そういう議論じゃないんだよということを言っているんだということは理解しました。
ただ、私、言葉の使い方で、ちょっとこんなことを思うんです。例えば状況を細かく細分して、この状況において、今、例えば算数でしっかり物を考えましょう、この状況によって紙を使うかデジタルを使うべきか、この議論はとても大事だと思うんです。
だから、「紙かデジタルか」のアバウトな議論はもう要らないでしょうと。ただ、ミクロに見ていった場合、紙かデジタルか、それが子供たちにどういう影響があるのと、そこの議論はとても大事なことなのかなというふうに思います。
だから、紙かデジタルか、もう要らないというふうになると、「え、どういうこと」と。言葉の使い方として、そこは少し疑問に思ったところがありました。ちょっと整理したほうがいいのかなと思ったので、御意見させていただきます。
【堀田座長】 ありがとうございました。今のも貴重な御指摘だと思います。
局面をある程度絞る、これは、学校教育においては教科や学年にかかわらず、そういう局面があるというシーンはありますので、その場合どちらがより適切か、あるいはどちらもできるようにして、子供が選ぶということが適切かもしれません。そういうことも含めて、柴田委員の御知見も、またこれから活用させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、最後になると思います、中川座長代理、よろしくお願いいたします。
【中川座長代理】 ありがとうございます。今日は4人の御発表の方々、本当にありがとうございました。
今日も、事務局のこれまでの資料のクリアな整理とか、それから大変示唆に富んだ4人の方の御発表から、幾つかの共通項や傾向も見られました。このことは本当に、今後検討していく上でとても参考になる御提案だったというふうに思っています。
一方で、全国の学校を回っていますと、同じ学級内でも、子供一人一人の実態やデジタルへの慣れの成熟度、あるいは学校の端末の活用状況によって、どの子にとってどの場面で何が適しているのかが変わってくる場合も実際見受けられます。
そのような意味では、今後ハイブリッドの在り方の検討が非常に重要になってくると思います。あまり固定したイメージにとらわれずに、ここでは柔軟に対応していく、検討していくべきだというふうに思っています。
いずれにしても、個々の子供の実態に応じた保障をどこまでできるのか、これが今後の課題だというふうに考えています。
以上です。
【堀田座長】 ありがとうございました。
ほかに、どうしても発言したいという方、いらっしゃいますでしょうか。
よろしいですかね。次回以降も、同様の事例報告と意見表明、あるいはそれに対する意見交換というのは進めてまいりたいと思いますので、今日のところはここまでとしたいと思いますし、もし、発言し損なった、あるいは整理が十分時間内に終わらなかったという方は、メール等で事務局にお寄せいただければと思います。
私、一言ちょっとまとめさせていただきますが、今回、今日の時点でのこの会議は、法律改正が無事に終わって、もちろん附帯事項も含んで、様々な今後の課題もあらわになったわけで、これを私どもの検討会議でどのように受け止め、そして、ほかの関連の検討会議等、専門家の委員会とどのように連携して今後進めていけばいいかという、そういう重要なタイミングの日だったと思います。
それで、じっくり考えて議論したいことはたくさんありますが、一方で2030年、令和12年を目途に次の学習指導要領が走り始めますし、そのコンセプトから考えると、デジタル学習基盤も含めて、一人一人の子供たちの特性あるいは個性に応じて学びやすさを提供するというところ、あと、関連の「こどもまんなか」の話や、様々なバリアフリー、アクセシビリティの法律、そういうものとの連携で、子供たちにとってどうやって学びやすくしていくかというようなことを定めていくのに、私どもがあまりゆっくりやっているというわけにはいかないということになります。
ですから、指針は、課長もおっしゃいましたように秋頃をめどに出していくと。これは大臣からのメッセージとしてしっかり出していただくということになりますので、秋までの間に皆さんの意見をうまく集約して、それをしっかりと指針に落としていきたいというふうに思います。
また、私はこの教科書のデジタル化に関する審議会等の座長になってもう10年たちますが、この10年の間に様々な議論が深められ、事例もたくさん開発され、効果検証もいろいろ行われ、マスコミ等でも世論でもたくさんの議論が行われてきました。
これに対して、今日は事務局のほうで、この10年分の様々なことを事例として、紙の良さとデジタルの良さを強調する形で整理いただきましたし、今日は4人の委員に、それぞれのお立場から見解をいただきました。
また次回以降、様々な委員、あるいは外部委員の方にもいろんな情報提供をいただいて意見交換を進め、そして精度の高い指針をつくってまいりたいというふうに思います。
まだまだこれから、いよいよ始まったという感じでございますので、委員の皆さんの御協力、何とぞよろしくお願いいたします。
今日も傍聴の方がたくさんいらっしゃいますし、特に教科書を作られている方々の注目度は非常に高いというふうに思っておりますので、そういう方々のお役に立てるような、そういう指針にしてまいりたいと思っております。
それでは、今後のことにつきまして、事務局から事務連絡をお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】 本日の議事録につきましては、各委員に御確認いただいた上で、後日公開させていただきます。
次回の会議につきましては、既に御案内のとおり7月16日、15時からで開催させていただきます。委員におかれましては御予定の確保をお願いしたいと思います。
また、会議後回収としていた資料につきましては、すみません、机の上に置いておいていただければと思います。
以上でございます。
【堀田座長】 ありがとうございました。
今日は一部の資料が、子供の姿が写っていたり、教科書そのものが写っていたりするものもありまして、一部非公開とさせていただきました。御了解いただければと思います。
それでは、本日の会議はここまでといたします。皆さん、御協力ありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局教科書課