デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議・第1回議事録

1.日時

令和8年4月10日(金曜日)14時00分~15時30分

2.場所

文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)

3.議題

  1. 座長の選任について
  2. 会議の運営について
  3. 座長代理の指名について
  4. 現状と今後の方向性について
  5. 主な論点について

4.議事録

【西田教科書課課長補佐】  では、定刻となりましたので、ただいまからデジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議(第1回)を開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 文部科学省初等中等教育局教科書課の西田と申します。
 本日は第1回の会議のため、会議の進行を務める座長の選任前となりますので、私が冒頭の議事進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 開会に当たりまして、松本洋平文部科学大臣から御挨拶をいただきます。
【松本文部科学大臣】  どうも皆さん、こんにちは。文部科学大臣の松本洋平です。
 本日は御多忙の中、こうして委員をお引受けをいただき、御参加をいただきましたことを心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
 ウェブでもつながっている状況ですので、立ち上がると多分私フレームアウトしてしまうものですから、座ったまま挨拶をさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。
 まずは、本当に今、社会が大きく変化をしようとしている、そうした状況であります。子供の数が急速に減少していく中にありまして、我が国の未来を担う児童生徒一人一人の能力を最大限に引き出していくこと、これが文部科学省の使命である、そのように考えているところであります。
 そうした認識のもと、文部科学省では、これまでGIGAスクール構想に取り組むなど、デジタルの可能性に着目をいたしまして、従来の紙を中心とした学習環境を基本としつつ、デジタルの特性が生きる場面でデジタルを取り入れてきたところであります。
 こうした考え方に基づきまして、今週7日には、教科書の内容をより分かりやすくしたり、学習意欲を喚起し、児童生徒の学びの充実を図るために、教科書の形態として、紙だけではなくてデジタルも取り入れて作成することを可能とする学校教育法等の一部を改正する法律案、これを閣議決定いたしまして、国会に提出をしたところであります。
 これから国会で法案を審議していただくこととなるわけでありますが、昨年9月の中教審の審議まとめを踏まえまして、デジタルな形態を含む教科書の使用・発行などに関しまして、国としての基本的な考え方を示すための検討に着手をすることとしたところであります。
 なお、中教審の議論におきましては、義務教育段階の初期においては、デジタルのみの教科書の扱いには慎重に対応をするべきではないか、教科によってデジタルの活用の仕方は大きく異なるのではないかなどの意見があったことを受けまして、子供の発達段階や教科特性を踏まえた丁寧な検討をすることが必要である、そのように考えているところであります。
 本検討会議では、教育現場の代表者のほか、各分野の有識者の皆様方に御参画をいただいているところであります。児童生徒の発達段階や、教科特性を踏まえたデジタルを含む教科書の活用や健康上の留意点などにつきまして、委員それぞれからの御知見をいただきたい、そのように考えております。その際、教科書代替教材としての現行のデジタル教科書の活用状況も踏まえつつ、御議論をいただければ幸いであります。
 本検討会議の議論については、秋頃までに取りまとめていただき、それに基づいて大臣指針を決定していきたい、そのように考えております。比較的短い期間で集中的に御議論をいただくことになるかと思いますが、どうぞ御協力をいただきますようによろしくお願いいたします。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
【西田教科書課課長補佐】  松本大臣、ありがとうございました。公務の都合上、松本大臣はこちらで退席されます。
【松本文部科学大臣】  では、すみません、どうぞよろしくお願いをいたします。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  では、冒頭の撮影はここまでとさせていただければと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。
 では、再開させていただきます。本日は、野澤委員が御欠席、市川委員、内田委員、工藤委員、田邊委員、松下委員、山口委員がオンラインでの御出席、それ以外の委員は対面での御出席となっております。
 本日の会議開催形式及び資料について御説明させていただきます。
 今回の会議は、対面、オンラインを組み合わせたハイブリッド形式の開催でございます。報道関係者と一般の方向けに会議の模様をYouTubeにて配信しているほか、報道関係者から冒頭の撮影の希望がありましたので、先ほどこれを許可しておりました。事後的な報告で恐縮ですが、御承知おきください。
 YouTube配信用の音声は会議室中央の音響機器でまとめて集音しておりますので、対面参加の委員におかれましては、御発言時も含めて、お手元のタブレット端末はマイクをミュートのままにしていただきますようお願いいたします。
 カメラにつきましては、発言時も含めて会議中はオンにしていただきますようお願いします。
 次に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料ですけれども、議事次第に記載のとおり、資料1から4及び参考資料となっております。対面で御出席の委員には、紙でもお配りしておりますが、お手元のタブレット端末でも御覧いただけます。御不明な点がございましたら、お申し付けください。
 事務的な案内が長くなってしまいましたが、続きまして、委員の皆様を御紹介させていただければと思います。全国特別支援学校長会顧問、東京都立立川学園統括校長、市川裕二委員でございます。
【市川委員】  市川でございます。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  全国高等学校長協会会長、東京都立青山高等学校統括校長、内田隆志委員でございます。
【内田委員】  内田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  一般社団法人教科書協会デジタル化専門委員会委員長、教育出版株式会社DX事業開発本部本部長、岡本章宏委員でございます。
【岡本委員】  岡本でございます。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  全日本中学校校長会総務部長、東京都葛飾区立青葉中学校校長、工藤和志委員でございます。
【工藤委員】  工藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  群馬大学大学院情報学研究科教授、柴田博仁委員でございます。
【柴田委員】  柴田です。よろしくお願いします。
【西田教科書課課長補佐】  全国連合小学校長会調査研究部長、福生市立福生第一小学校校長の髙瀬智子委員でございます。
【髙瀬委員】  髙瀬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  全国市町村教育委員会連合会会長、田邊俊治委員でございます。
【田邊委員】  田邊です。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  放送大学教授、中川一史委員でございます。
【中川委員】  中川です。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  一般社団法人全国高等学校PTA連合会前副会長、特定非営利活動法人ふじみ子育てネットワーク代表、野外保育森のいえぽっち園長、松下妙子委員でございます。
【松下委員】  こんにちは、松下です。よろしくお願いいたします。大変申し訳ありません。1時間程度で退席させていただきます。申し訳ありません。よろしくお願いします。
【西田教科書課課長補佐】  続きまして、東京学芸大学副学長、教職大学院教授、堀田龍也委員でございます。
【堀田委員】  堀田です。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  日本私立中学高等学校連合会常任理事、学校法人文化杉並学園理事長、松谷茂委員でございます。
【松谷委員】  松谷です。よろしくお願いします。
【西田教科書課課長補佐】  一般社団法人日本図書教材協会副会長、森達也委員でございます。
【森委員】  森と申します。よろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  茨城県教育庁学校教育部長、山口英司委員でございます。
【山口委員】  山口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  公益財団法人日本学校保健会専務理事、弓倉整委員でございます。
【弓倉委員】  弓倉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  本日は御欠席ですが、東京大学大学院教育学研究科の野澤祥子特任教授にも委員として参加いただいております。
 以上、御紹介させていただいた15名の皆様に委員として御参加いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、議題1、座長の選任でございます。
 本会議で議論いただきます指針は、昨年9月の中教審デジタル教科書推進ワーキンググループの審議まとめを踏まえて検討いただくものでございます。このため、事務局としましては、同ワーキングの主査をされていた堀田委員に本会議の座長をお願いしたいと考えておりますが、御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
【西田教科書課課長補佐】  ありがとうございます。
 それでは、以後の進行は、座長である堀田委員に司会をお願いしたいと存じます。
 堀田座長、よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  あらためまして、東京学芸大学の堀田でございます。よろしくお願いいたします。
 まずは議題2、会議の運営についてでございます。本検討会議の運営の案につきまして、西田補佐から御説明をお願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  資料2に基づきまして説明させていただきます。
 本会議の運営についてでございます。
 第1条につきましては、趣旨ということで、この検討会議の運営について、このように定めるとしております。
 第2条でございますけれども、第1項、座長は、議長となって議事を運営すること、第2項、座長代理を指名するということ、第3項、代理人の出席等を認めるということとしております。
 第3条では、会議の公開を原則とすること等を定めております。
 第4条、これは会議資料の公開を原則とすること等を定めております。
 第5条、こちらは議事概要を公開することを定めております。
 説明としては以上でございます。
【堀田座長】  西田補佐、ありがとうございました。
 つきましては、本会議の運営は、この案のとおりに定めさせていただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
【堀田座長】  ありがとうございます。
 それでは、以後は、こちらに基づきまして会議の進行を進めてまいります。
 続きまして、議題3、座長代理の指名についてでございます。今ほど決定いたしました検討会議の運営についての第2条に、座長があらかじめ指名するものということで、座長代理を指名させていただくということになります。私としては、この分野に関する研究や政策的な議論に長く関わっていただきました中川委員にお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
【堀田座長】  それでは、中川座長代理におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
【中川座長代理】  よろしくお願いします。
【堀田座長】  それでは、議題4にまいります。議題4は、現状と今後の方向性についてでございます。
 今回の会議、検討会議は、デジタルな形態を含む新たな教科書というような言い回しになっておりますが、この新たな教科書の導入に関しては、昨年の9月に中央教育審議会のデジタル教科書推進ワーキンググループの審議まとめが公表され、それから、事務局において審議まとめを踏まえた具体的な検討を進めていただいてきました。
 まずは、これまでの経緯を含む政策的な背景や、今後の施策の方向性につきまして、後藤教至教科書課長から御説明をいただきたいと思います。課長、よろしくお願いいたします。
【後藤教科書課長】  教科書課長の後藤と申します。座長の堀田先生をはじめ委員の皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。
 教科書へのデジタル活用について、これまでの取組と今後の方向性について、資料3に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 本日用意させていただいております資料3は、大きく、1ポツで現状などのこれまでの取組を、2ポツとして、今後の制度改正を含めた方向性、こういった構成で資料を作っております。
 まず、1ポツの現状についてなんですけれども、資料、右下のページ番号の3ページ目をお開きください。これまでの経緯をまとめた資料になってございますけれども、文部科学省におきましては、大臣からの今日の発言にもありましたが、子供の数が減少していく中では、一人一人の子供の力をどれだけ大きくできるかが我が国の将来にとって重要という認識のもとに、できるだけ多くの子供が教科書の内容をより分かりやすくなったり、学習の意欲が湧いたり、学びやすくなったとなるようにしていくという観点から、デジタルの可能性に着目して、数年前から教科書のデジタル活用ということについて実験的な取組を進めてまいりました。
 このページの一番上の部分にありますように、現状は、紙の教科書のみが正式な教科書という制度でありますので、国の検定を受けました紙の教科書の内容をそのまま電子書籍のような形で引き写したものを教科書代替教材ということで、小学校5年生から中学校3年生を対象に、英語と、それから算数、数学を中心に、資料の中ほどに記載がありますとおり、配布をしてきたところでございます。
 次の4ページ目でございますけれども、4ページ目はそのイメージをイラストで示しております。左側の正式な教科書の内容をそのままの形で構成も崩さずにタブレットなどに引き写して見るということができるという、こういう形でございます。
 それでどんな良いことがあるのかというのを少し示したのが5ページ目以降でございまして、例えば、このページにありますように、教科書の細部も拡大して見ることができたり、タッチペンなどで書き込んだり、線を引いたり、また消したり、また音声読み上げ、あるいはルビ振りの機能などもあるというものです。
 また、6ページ目でございますけれども、ネイティブによる英語の音読でありますとか、あるいは教科書紙面上に記載されている算数や数学の図形を回して見てみたりするような機能をつけることができたりというものであります。
 また、7ページ目にございますように、ほかのデジタル教材やICT機器と一体的に使用することで、学習活動の幅を広げるということができるという、こういうものでございます。
 こうしたデジタルな教科書代替教材の活用をこれまでしていただく中で、どういう効果があるのか、課題があるのかということの把握を進めてきたところでありまして、その状況として、3ページ目に戻って大変恐縮でございますけれども、3ページ目の下段の方に示しておりますように、学校現場での使用頻度も高まってきていて、そしてそんな中で、授業での代替教材、デジタル版の使用頻度が高まるほど、児童生徒の授業内容の理解度でありますとか、主体的な学びといったところに積極的な効果が見られるといった、こういったデータも得られているところであります。
 続きまして、2ポツの今後の方向性の方に行きたいと思います。これまでの先ほど御説明いたしましたような教科書代替教材としてのデジタル版を配布してきた取組を踏まえまして、9ページ目、今投影しているページですが、文部科学省といたしまして、教科書とデジタルの関係を制度的にどう考えていくのか、検討を行うということで、中央教育審議会におきまして御議論をいただきまして、資料の中ほどにありますとおり、今後の在り方として教科書の内容を児童生徒にとってより分かりやすくしたり学びやすくするというために、教科書は紙で作らなくてはならないというところから、デジタルも織り交ぜてよいと、デジタルな形態でもよいというように緩和をしていくべきという方向性が示されているところでございます。
 併せて、デジタルへのなじみ方につきましては、教科ごとの特性や、小学校の初めのほうの子供が扱う教科書なのか、高校生が扱う教科書なのか、学年段階などの状況によっても違いもあるということで、デジタルな形態も含む新しい教科書制度のもとでの教科書作りや、あるいは採択にも参考になるように、国が一定の指針、ガイドラインを示すべきということも中央教育審議会の審議まとめの中で求められているところであります。
 まさに今回のこの検討会議が、国としての指針、ガイドラインを示していくと、そのための議論ということになるわけでございまして、委員の先生方の御知見をお借りをさせていただきたいという、こういうことでございます。
 10ページ目でございます。10ページ目は、中教審で示された方向に沿って、デジタルな形態も含む新たな教科書制度に移行する場合の現行制度下との違いを整理してみた資料でございます。
 この資料の上段は現行制度のほうを示しておりまして、先ほども御説明いたしましたとおり、紙の正式な教科書、左側にあるものですが、この内容をそのままの形で電子書籍的に引き写したものを教科書代替教材として活用しているというものであります。
 そして、現在の紙の教科書にも多数の二次元コードが掲載をされているという状況があるわけでございますけれども、二次元コードからタブレット端末などで飛んだ、遷移したデジタル部分で、補充的な資料ですとか動画とか音声などが閲覧できるようになっておりますけれども、現行制度では、これらデジタルなものは、教科書という扱いではなく、教材という扱いになっておるわけでございまして、教科書検定の直接の対象ではありませんし、義務教育の場合であれば教科書無償ということの対象の外にあるということでございます。そういう状態であります。
 一方で下段が、制度改正後、国会で法律改正がお認めいただければという、そのときのイメージになりますが、デジタルな形態なものも正式な教科書として認めていくということになりますので、教科書の形態として、一番左の昔ながらの紙のみで作る教科書のほか、一番右のように、タブレット、PCの中で電子的に存在する形の全てがデジタルな教科書、それから、真ん中にありますが、例えば、各教科の基本的な部分は紙媒体で作り、理解促進のための動画とか、音声であるとか、はたまた発展的な内容であるとか、そういった部分をデジタルで作って、紙の部分と組み合わせて、それで1つの教科書として構成するといった、紙とデジタルが組み合わさったハイブリッド型といったものも考えられるところでございます。
 このように、教科書の作り方のバリエーションが増えるということになりまして、作られた教科書の中から、これまでと同様に、各採択権者においてふさわしいものを採択し、使用していただくということになるわけでございます。
 そして11ページ目でございますけれども、特にハイブリッド型の場合には、紙媒体の部分に二次元コードがあって、そこからデジタル部分に遷移する形が想定されるわけでありますけれども、現行制度とは異なりまして、二次元コードから遷移したデジタル部分の動画や音声、資料なども教科書の一部と取り扱いますので、義務教育の教科書無償の対象でありますし、また、教科書検定の対象として、制度改正の後は内容の質保証も図っていくという、こういう考えでございます。
 次の12ページ目は今後のスケジュールでございます。中教審の審議まとめでも、新たなデジタルな形態も含む教科書は、次期学習指導要領の実施に合わせて導入していくべきとの提言を受けておりまして、そのことを前提にスケジュール感を考えますと、2030年度から次期学習指導要領が順次スタートすると考えますれば、資料の図のとおり、各教育委員会、学校での採択、文科省による検定、教科書発行者によるデジタルも含む新たな教科書の著作・編集の期間ということを考えますと、2026年度中には、法律改正でありますとか、検定基準でありますとか、動画や音声コンテンツも含めた著作権の取扱いでありますとか、一連の新たなデジタルな形態も含む教科書に関するルールを決めてお示しをする必要があると考えておりまして、文部科学省としては着実に準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 13ページ目は、4月7日に閣議決定されました今回の法改正の概要でございます。これから国会で御審議をいただくものということでございます。
 法改正の内容を少し御紹介いたしますと、1番の学校教育法の改正のところでは、先ほどの説明とも重複しますが、これまでの紙媒体を前提とした「教科用図書」という法律上の文言を改めまして、「教科書」として、デジタルな形態も含み得ることとすると。それに伴いまして、これまで紙の教科書の代替としてデジタル版を使ってよいという教科書代替教材の仕組みは、これに合わせて廃止をするということでございます。
 また、2番の発行に関する臨時措置法の関係では、教科書としてデジタルな形態を含むこととなることに伴う発行義務や保証金の仕組みの整備、また、3番の義務教育教科書無償措置法では、デジタルな形態を含む教科書も教科書として無償措置の対象になるということ。
 また、4番の著作権法の一部改正では、現在も教科書に小説や写真、イラストなどの著作物を使用する場合には、必ずしも著作権者の許諾を得る必要がなく、補償金をお支払いするという形の権利制限の仕組みがありますけれども、今回、デジタルな形態も教科書として新たに認めていくということに伴いまして、これまでの紙の教科書ではあり得なかった動画や音楽などのコンテンツも教科書の内容として活用できるということになってまいりますので、そうした動画や音声に関わる、そういった著作権者との関係でも、教科書活用の場合の権利制限の仕組みを拡張するといった内容でございます。
 また、施行期日は、次期学習指導要領に向けて、教科書発行者がまず小学校で使用される教科書から新たな教科書の著作・編集に入っていくということを踏まえまして、令和9年4月1日を考えているところでございます。
 まずは私からの資料の説明は以上でございます。ありがとうございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。続きまして、議題5の主な論点についてに参ります。それは議題4と議題5、大変関係しておりますので、皆様からの御意見や御質問については、次の議題5の後にまとめてお伺いしたいと思います。それでは、議題5につきまして、後藤課長からよろしくお願いします。
【後藤教科書課長】  続けて失礼いたします。資料の4ということで、この検討会議におきます主な論点の案ということで、事務局として考えられそうなものを御提示させていただきました。ここに記載されている論点に限らず、先生方の御議論の中で論点はまた追加的に出てき得るものという、そういう前提でございます。
 まず1番目でございますけれども、教科書として、デジタルな形態も可能ということになった場合、学校種や学年段階、教科の特性などに照らして、また採択権者の意向というようなことも踏まえながら、教科書のハイブリッドなものとか、フルにデジタルなものであるとか、そういった在り方というのをそれぞれどのように考えていくのかという点がまずあろうかと思います。これが1番でございます。
 2番のところに書かせていただいたのは、これまでの教科書代替教材の活用実績や実証研究も行ってまいりましたが、そういったものの中からうかがわれる特性などを踏まえまして、紙が効果的な学習場面、またデジタルが効果的な学習場面について、いろいろな教科がございますけれども、どのような場面でそれぞれ効果的なのかというようなところについての観点もあろうかと思います。これが2番でございます。
 3番目は、1番目とも関連しますけれども、認知科学でありますとか、また発達心理学などの知見も踏まえまして、児童生徒の発達段階とそれからデジタルな形態を含む新たな教科書の作り方、発行、また使用との関係をどのように考えるのかという、そういった点でございます。
 4番目以降は、それぞれの各論的な論点かなと思っているものを記載しております。4番目に記載させていただいたのは、児童生徒が学習目的以外のことに例えば学校での授業中などにタブレット等を使用したいというふうなことがないようにしていくというような、そういう観点から、次期学習指導要領の議論も行われておりますけれども、情報活用能力の育成強化の観点も含めて、どのような対応が必要と考えられるかというような点でございます。
 また、5番目に記載させていただいたのは、教科書へのデジタル活用を進めていくということに伴って、学校の授業でのPCやタブレットの活用場面が増えるということが想定されますが、一方で、子供が手書きをする場面が減少してしまうのではないかという懸念に対してどのように考えるべきかということでございます。
 6番目に記載させていただいたのは、教科書にデジタル活用を進めていく、デジタルの活用の場面が増えていくということの中で、児童生徒の視力の低下など、健康への影響というようなことについてどのように考えていったらよいだろうかというような点でございます。
 次に、7番目に記載させていただいたのは、教育への、あるいは教科書へのデジタル活用というふうなことについての諸外国での動き、動向についてどのように考えていくかというふうな点でございます。
 それから、8番目に記載させていただきましたのは、これは次期学習指導要領に向けた議論が別途行われておりますが、その基本的方向性として示されている教科書の在り方という点で、教科書の内容の精選でありますとか、あるいは教材との、教科書と教材との役割分担というふうなことが別途中央教育審議会で議論されているという状況でありますが、そういった点との関係で、今回、デジタルを含む新しい教科書の仕組みを導入していくということと併せて、教科書の発行者と、それから採択権者双方に対してどのようなことを示していく必要があるだろうか。また、デジタル教材と、それからデジタルを含む新しい教科書との連携を高めていくという観点で、それをどのように考えていったら、対応していったらいいだろうかというような点でございます。
 9番目に記載させていただいたのは、これは教科書の制作や発行、採択、使用におきまして、発行者や採択権者などにデジタルを含む新たな教科書が導入されたということに伴って過度な負担が新たに発生するということがないように、それぞれどのようなことを留意していく必要があるだろうかという、そういう点でございます。
 最後、10番目で挙げさせていただきましたのは、新しいデジタルを含む教科書を使っていくという観点で考えたときの学校のICT環境でありますとか、あるいは使っていくに当たっての支援体制といったことに関して、どういった点を、どういったことを留意していく必要があるだろうかというような点でございます。
 資料4についての説明は以上でございますけれども、随時、先生方の御議論を事務局として整理をさせていただきながら、論点は適宜また追加をさせていただければと考えております。
 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【堀田座長】  ありがとうございました。
 それでは、これから議題4と議題5の事務局の説明を踏まえまして、各委員から御意見をいただきたいと思います。
 ちょっと確認しておきますと、まず、現状と今後の方向性をおまとめいただいた資料があり、これの一部は、これまで中教審で様々に議論されてきた次の学習指導要領に向けた学習環境の在り方、あるいは学校教育の考え方みたいなことを踏まえて、教科書のデジタル化についてどうしていくかというワーキンググループで検討したものを踏まえていただいているということです。
 そして、ちょうど法改正の動きが今あって、国会にそれはかかっていくわけですけども、それが成立するかどうかというのはそれは国会で決めることですけど、私たちとしては、そういうことが実現していった折に、もっと具体的に学校現場が気をつけなければならないことや、あるいは発行者や採択権者が心しておかなければならないこと、こういうことについて一定程度の議論を基にまとめておきたいということであります。
 それで、今回の検討会議には様々なお立場の様々な御専門の方々にお越しいただいてきておりますので、主な論点、資料4で1から10まで出ていますけども、是非この後、これの何番についてとか、そういう形で御発言をいただければと思います。
 初回ですので、全ての委員の方にお話をいただきたいと思っておりまして、今から私のほうで名簿順に市川先生から順番にお話しいただこうと思いますが、時間も有限ですので、長くても3分ぐらいかなと思っております。それで、1から10まで全部御意見を言っていただくことは3分ですから難しゅうございますので、幾つかに絞っていただいてお話しいただければと思いますし、また課長もおっしゃいましたけど、この10個以外にも、御専門のお立場から、もっと大所高所から御意見がある場合もあろうかと思いますので、そういう御意見でももちろん結構でございます。
 1回目から何かが決まるわけではございませんので、むしろそれぞれのお立場からのお考えや懸念を申し述べていただくということが今回は大事なことかと思っておりますので、御協力方よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、オンラインの市川委員からお願いいたしたいと思います。一番ですみません、お願いします。
【市川委員】  すみません、お時間いただいてありがとうございます。特別支援学校長会の市川でございます。
 デジタルな形態を含む教科書については、障害のあるお子さんにとっては、非常にこれが進んでいくということはまずありがたい話です。現行の教科書でも、うちの学校、聴覚障害の教育部門がありますが、デジタルの形を使った教科書代替教材というのはすごく使っておりますので、発展していくことはありがたいです。
 その上で少し幾つか気になる点をお話ししますと、3番のところなんですが、児童生徒の発達段階とデジタルな形態を含む教科書というか、ここに発達段階じゃなくて障害特性ということは一つ入れる必要はあるのかなと思いました。
 それと、採択の1番のところに関わってくると思うんですけど、特別支援学校の場合には教科書の採択権が都道府県になりますので、かなりその吟味の観点が複雑になっていくなという気がします。幅が広くなっていくということですね。
 ですから、障害特性という観点も含めて、各都道府県が、各、聴覚障害ならこの教科書、視覚障害ならこの教科書、知的障害ならこの教科書みたいな採択のための観点をしっかりしておかないといけないのかなと思っています。
 あわせて、先ほどの資料の中にある、学校教育法の附則第9条関係というのが、今後もこれがデジタルで変わっていっていけるという法律に変わるというふうな御説明がありました。特別支援学校が採択している附則第9条本というのは非常に幅があるんですよ。一般図書と言われるもので、一般的にすごく本屋なんかで売られている、ちょっと言葉は悪いですけど、絵本みたいなものも一般図書に入りますので、じゃあ、これどういう観点でデジタルな形態のものを教科書として採択できるかというのは、やっぱりある程度のガイドラインがないとできないかなと思います。何でもありという形にはならないと思いますので、やはりガイドラインが必要なのかなと。
 最後の点なんですが、教科書の中には、特別支援学校の場合には文部科学省著作教科書がございますので、これについても是非デジタル化を進めていただきたいなと思っております。
 すごく雑駁な意見になってしまって恐縮なんですが、以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。大変有用な、私たちはなかなか気づかないところからお話しいただきまして、本当にありがとうございます。
 続きまして、内田委員、お願いいたします。
 内田委員、お電話中ですね。1回飛ばしましょう。それでは、岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  教科書協会の岡本でございます。よろしくお願いいたします。私、デジタル教科書推進ワーキンググループ、こちらのほうも出ておりまして、こちらのワーキングのほうでも教科書発行者の立場として議論しておりました。その中で、デジタルの良さというものを教科書に効果的に取り入れる、この重要性というのを話し合ってきたと感じております。
 教科書といいますのは、以前からそうでありましたように、教科特性ですとか発達段階を考慮して、子供たちが学びやすいという工夫を凝らして製作をしておりましたけれども、これを教科書デジタル化する際にも、当然発行者には求められるんだなと今強く感じております。
 そうした立場から、今回お示しいただきました論点案、10項目ほど挙げられておりますけれども、どれもそのとおりだなと思いまして、これについて議論をしていくということにはまず賛同したいと思っております。その上で、今日はちょっと時間が限られているということですので、2つほどお話をできればと思います。
 1つは、一番最初の1・2、これはどちらも教科書の内容に直接関係してくる、そういうことかと思いますけれども、今、発行者としましては、教材という位置づけでデジタル教科書と一体的に使えるコンテンツですとか、それから機能、こういうものを学校に提供しております。こういった今あるものを、教科ごとにございますので、これを御紹介しながら、例えばデジタルの活用が期待される学習場面、こういったものを具体例を基に検討してもいいのではないかなと考えましたので、これが1点目ですね。
 それから、2点目としまして、9のところで、様々な教科書にまつわる制度、これは関係してくる項目がありますので、こちらにつきまして、御承知かとは思いますけれども、教科書は発行するためには検定を経る必要がありますので、デジタルを含めてどう検定していくかということですとか、それから採択のほうに、先ほども御意見ありましたけれども、発行者として見本を提供するというようなことになっておりますが、これをどういうふうにデジタルの形態を含めて提供して御審議いただくのがいいのか、それから、使用に当たっても、教科書発行者というのは供給の義務というものを背負っておりまして、これをどう履行していくかという、様々な発行者側から見たときの観点というものがありますので、そうしたことを今回の議論を通してどのようなことに留意しておくべきかということが話し合えればいいなと考えておりました。
 この会議を進めていくに当たって、私からの意見としては以上になります。ありがとうございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。内田委員、大丈夫でしょうか。お願いします。
【内田委員】  失礼いたしました。あらかじめ資料は作ってあるんですけども、時間もないということで、次回以降またお示しをさせていただきたいと思います。デジタル教科書、あるいはハイブリッド型教科書が導入されるということになりますと、指導方法自体も大きく変わってくると思われます。この10点の論点以外にも、指導の立場に立った議論も深めていければなと思っておる次第です。
 また、各自治体によってデジタル教科書導入に当たってのインフラがかなり採択には影響があると思われます。もう既に項目に入っておりますけれども、それぞれ学校環境、学習環境によってどういった採択が必要になるかというような視点というところも議論の項目に入ってくるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さらに、特別支援学校も含めてのことかと思いますけれども、学習に対しての生徒の特性というところがこの教材を使用する際の大きなポイントになるかなと思います。どういったところで効果的に使えるのか、どういったところで課題が生じるのかを明確にしていくことが必要だと考えております。
 いずれにせよ、小学校、中学校と違いまして、高校の学習教材、教科書については分量がかなり多いというところがあります。そういった観点で、当然使用PCに対して、あるいはサーバー上の容量など大きな違いが生じてくる可能性がありますし、実際に卒業した後、教科書を活用したいと思った場合に、教科書がインストールされていない場合の課題等も生じるかと思います。そんなことについてもお話を進められればなと思っております。
 私からは一旦以上でございます。よろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。工藤委員、お願いいたします。
【工藤委員】  では、私のほうからは中学校での活用を中心にお話ししたいと思います。
 現在、いわゆるデジタル、教科書代替教材という形で、デジタル教科書、いわゆるデジタル教科書と呼びながら活用しております。ハイブリッドに紙の教科書も使いながら、様々なアプリであるとか、思考共有ツールなどを使いながら授業を進めているところです。デジタルな形態を含む新たな教科書というのは教育の質の向上という点では非常に効果があるだろうと私も思っております。
 ただ、論点の中の1にありますように、これから採択も含めて教科書の形態を考えていく際に、現状はハイブリッドな形態の教科書というのが近いと思うのですが、いずれかを採択という本日お示しいただいた資料3の10ページのところでいくと、デジタル媒体のみの教科書を例えば採択した地区があった場合に、学校では紙の教科書がないということで、例えば、やっぱりデジタルの懸念で私が思うのは、最悪を想定した場合、充電が十分できないような環境、場合によっては震災などがあって充電が十分できない環境になると、デジタル媒体のみの教科書であれば、それを見ることができない。その場合には、充電等の手当てがないとなってしまうと、学習が止まってしまう、そんな懸念もあるかなと思います。私は現状でいうと、ハイブリッドな形態の教科書があり、必要に応じて二次元コードで必要なものが見れる。今後はそれも教科書の一部になるというところですから、そこに可能性を感じているところでございます。
 あと、私のほうでは、4にございますように、これは現在も含めて進行中でございますので、情報活用能力と併せながら、いわゆる情報モラル、そういったタブレット等を学習の目的以外に使わないなど、生徒会等でも各校、SNSルール等を定めているところです。こういったこともデジタルの発展に合わせながら、また本会でも議論されるとさらにいろんな対応策が考えられるかなと思っていますので、期待しているところでございます。
 私から以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。それでは、柴田委員、お願いいたします。
【柴田委員】  群馬大学の柴田です。私、今、どんなことをやっているのかと、その話をしようかな。私、文章を紙で読む場合、それからデジタルで読む場合、読むスピードはどう違うの、理解度はどう違うのと、そんな実験を10年ほど行ってきました。
 今現状は、ICTを使って読み書きをうまくサポートしたいということから、例えばVRでの読書環境を構築してみたり、本好きをつなぐためのSNSとか、そんなことなんかを開発したりしています。
 専門は、私、認知科学とユーザーインターフェースデザイン、工学的な実現という話です。そういう私の観点から、今日、3について、認知科学や発達心理学の知見も踏まえてということで、ここに対して意見するのが私の役目かな。
 私、教科書のデジタル化というのは望ましい方向だと思っています。ただ、それでも、その実現においては少し注意が必要かもねという、そんな話をちょっと少ししてみたいと思います。後でもし機会などがありましたら、私が持っている実験結果であるとか、そういうこともお見せする機会があればとはちょっと思っていますけど、今日はちょっと簡単にお話しします。
 まず、例えば、小学校1年でリンゴを観察する、算数の授業でリンゴの数を数えましょうというと、リンゴを描く。丸を描けばいいだけの話ですね、数、数えるんですから。ところがデジタルでやると消せるので、何度も消すんです。消して、結果何をするかというと、リンゴのサイズが違う。これちょっと小さいから大きくしようとか、色が変えられるんだから色を変えようとか、そういう現象が時に起きてくるということをまず一つ報告しようかな。すなわち、何度も消せるからこそ、描くということにきれいさを求めてしまう。そして描くということにこだわってしまう。そういう現象が、常にそうなるとかいうことじゃないですよ。ただ、そういうことが時にありますと。
 あと、それから、意図しない振る舞いが発生したりすることがあって、例えばページをめくったつもりが、実はそうじゃなくて書き込みモードだったので、書かれた、そんなことなんかがあります。そうするとそういうのが、ちょっと物を考えたりするときの集中の妨げにちょっとなったりとか、別な方向にこの会話が流れてしまったりとか、そういうことが時にあったりします。
 あと、それから、コマンドがたくさんあると、子供は探索意欲満々ですから、そうしたら、ごめんなさい、私、教育とか携わっているわけではないので、こんなこと発言するのは恐縮なんですけど、でも、言うだけ言っちゃいますね。そうすると、探索、非常に興味がありますから、コマンドにどんなことがあるんだろうと一応一通り見ているというようなことに入ってしまう。だから、授業そのものよりも、機能の探索であるとか、アプリケーションの可能性であるとか、そういうことに入ってしまう可能性が時にはあるので、そういうのが注意が必要かなということをちょっと述べたいと思います。
 あと、タブレットって重いので、そうすると、紙だと、これを持ちながら、ねえねえ、誰々ちゃんねって言いながら話したりするところを、タブレットだと重いので、下に置いてこうやって、ねえねえ、誰々ちゃんね、相手の顔を見ないで下を見て話してしまう。
 そんなことなんかもあったりするというようなことを、だから、最後に私結論として言いますけど、だからデジタルは駄目だよとか、そんなことを言うつもりはありません。ただ、そういう現象もあるので、そこは少し注意が必要、使い方においては注意が必要かなというようなことを、ちょっとそんなことをちょっと述べたいと思います。
 今日は以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。先生の御知見はまたいずれいろいろとお話を伺いたいと思っております。
 続きまして、髙瀬委員、お願いいたします。
【髙瀬委員】  私は小学校という立場からお話をさせていただきたいと思います。小学校の段階では学年段階、発達段階を考慮することが重要であると考えます。小学校は6学年ありまして、発達の段階が大きく異なります。先ほど義務教育の初期の段階をどうするかというようなお話があったかと思うのですけれども、低学年では学習する内容を容易に見ることができるということが重要であると捉えています。学習を進めていく上では、これまで学んだことを振り返ったり確認したりすることが大切となります。必要なことをすぐに見たり、今の学習と前の学習を見比べたりするというと、デジタル教科書よりも紙の教科書のほうが効果的かと考えます。やはりタブレットでいこうとすると、そこにたどり着くまでに低学年の子供たちは時間を要するということもあります。
 また、中学年においても、発達段階として同様で容易に見たり見比べたりすることができるということが大切であると感じます。
 それから、他国のことですけれど、フィンランドとかシンガポール等、先行国においては、低学年や基礎的な学力を身につける学習指導においては紙の教科書のほうが学習効果が高い可能性があると示されているというようなことも聞いております。
 そのため、小学校の中でも、基礎的な学力を身につけていく段階と言える低学年、中学年については、デジタル教科書のみとなるということは慎重に検討、扱うべきではないかなと考えます。これが1点目です。
 2点目は、御説明の中にもありましたけれども、各教科等の特性、内容を考慮するということが大切であると思います。外国語では、読み上げて、それが繰り返されたりとか、あと、読むスピードも変えられたりということで個別にできるというような効果もあります。
 また、あと考えられるとすると、例えば理科ですと、月と星というような学習では、観察を行える時間は限られておりますので、実際に見ることが難しいことなど、動きを俯瞰的に理解する上ではデジタル教科書が効果的でないかと考えます。
 これまでも議論はされていることと思いますけれども、紙の教科書のよさ、またデジタル教科書のよさがありますので、教科の特性ですとか学習内容に応じて作成されるということが重要だと思います。
 また加えて、学習する児童生徒の視点に立つとともに、指導する教師の視点も踏まえて検討していくことも必要であるかと考えます。
 またさらに内容については、質とともに膨大になり過ぎないように、適正な量というのが求められるのではないかなと考えます。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。田邊委員、お願いいたします。
【田邊委員】  よろしくお願いいたします。公立の小学校、中学校の教科書は、市町村教育委員会による採択を経て使用されることになりますので、採択権者の立場からお話ししたいと思います。
 現在の採択手続にあっては、教育委員会がそれぞれの教科書、複数の出版社から発行されている教科書を見比べて精査して、その中から一つの教科書を決定していきます。その採択に伴う業務というのは、非常にエネルギーも時間も費やす、な業務になっているというのが実感です。
 一方で、現行指導要領の下では、それ以前の指導要領の際と比べますとはるかに各教科書のボリュームが増してきているということを実感します。それをどう生かしていくのかということも、採択をするに当たって、とても判断に悩まされました。
 一方で、採択の結果、採択した教科書についてなぜそういう教科書がふさわしいと判断したのか、どういうふうにそれを活用しようとしているのかということに関しての採択結果に関しての地域の関心が非常に高いという現状があります。となると、採択に伴う様々な観点で議論したことをめぐって議事録の公開や審議のプロセスに住民が参加するということなどへの強い要望が寄せられています。
 他方で、採択にあっては、各委員の自らの観点から判断していくことは責務であり、また教員や地域住民の意見も、踏まえて判断するということもとても重要な観点でありますので、公開するか、静かな環境でそれを吟味するかということに関しての今せめぎ合いが採択にあっては起こっています。
 そういう採択に伴う現状を念頭に今回のデジタル教科書に対象を広げて判断するということになると、かなり業務量という面でデジタルな素材をどう判断するのかということを十分に吟味しなければいけないということが悩ましい事態に陥らないかと危惧しております。
 この点で、採択の結果を踏まえて、供給体制を整えて使用できるようにするというスケジュールの中で、採択に要する時間を現状よりも十分に取れるようなスケジュール感で教科書採択の仕組みを考えていく必要があるのじゃないか、そういう思いを教育委員会連合会では共有しています。
 デジタル教科書の採択審議イメージについてなかなかそれを慎重審議するのに紙とは違ったプロセスが必要になりますので、手間暇もかかる。そうすると、デジタル教科書の内容や量的面について制約をかけるようなことも必要があるのではないと考えております。学校のインフラ環境、御指摘もありましたけれども、そんなことも心配材料として存在しております。
 そんなことをこの会議の場においてお話して、検討していただきたく思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。松下委員にお願いしようと思ったんですが、今お仕事の関係で中座されたということですよね。申し訳ありません。配慮して先に御指名すればよかったですが、申し訳ございませんでした。松谷委員、お願いいたします。
【松谷委員】  私学のほうからも、今のPCとかタブレットの活用場面は増加をしている状況です。そういう教育界の中で、一番必要なことはやはり、私は論点としては2番と4番と5番がちょっと混ざるんですけれども、そのポイントの中で、紙はどういうふうに有効かということ、それから、デジタルはどういうことが有効かという意味で、もう一度やはり考えて整理していく必要があるんじゃないかと考えています。紙はやはり深い読解力とか、紙を見て、一覧的なよさ、それから思考の定着というのでは非常に強みがあると思います。
 それからデジタルのほうは、個別最適化や可視化ができる、それから試行錯誤できる、それから協働的学習としては、非常にデジタルはプラスになっているのではないかと思います。それをどのような適切な組合せをして、そして設計されるものを使っていくことが大事だと考えています。
 また、もうちょっと深く考えますと、やはりICT活用と情報活用能力育成というのは、これからの新しい指導要領の中でも出てくるのではないかと思います。そういった中でもしっかりと情報活用能力をどう使っていくかということをやはり考えていきたいということ。
 それと手書きが減るというか、手書きの意味が問われていると思いますが、やはり手書きのよさというのは、思考の整理とか、それから概念の定着とか、感情やアイデアの表現ではやはり手書きのすばらしいところがあるんですね。
 ただ、重要なのは量ではなくて質と位置づけて考えられるのではないかと思います。そういった意味での整理、設計をしていく教育を学年と年齢に合わせて設計することがこれからの課題ではないかと思っています。
 そういう中で、デジタルが効率化すると、やはりその時間がかなり授業の中で時間が出てくると思うんですね。私は「余白」と言っているんですけど、うちの学校では、その余白をどう学校教育の中でつくっていくか、探求学習、主体的な学び、それからイノベーション、そういった部分をどうつくっていくかという時間ができてくるので、そういったよさをこれからはつくっていければと考えています。そんな意味で、この会でいろいろな勉強をさせていただければと思っています。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。それでは、森委員、お願いいたします。
【森委員】  森です。今回このような機会をいただきまして、ありがとうございます。私は教科書と連動した学校教材を長年発行してきた立場から会議に参加をさせていただきます。まず先立ちまして、大前提として国の検定を経た教科書が学びの基盤であるという点は今後も揺るがないと思っておりますし、今回、デジタルを含めた新たな教科書が制度上も教科書という位置づけを得られるという方向性は、今後の学びの可能性を広げるものとして大いに期待をしているところでございます。
 私からは、論点8、後段のデジタル教材との円滑な連携というところでしょうか。設計や制度の在り方によっては、現場にとっての使いやすさでしたり教材との役割の分担が曖昧になる懸念も感じております。教科書が全てを内包するものということではなくて、これからも基準としての簡潔さや、公共性を保ちながら、何を学ぶかを示す中核としての役割を保ち続けることが重要ではないかと思っております。
 一方で、教材は、個別最適、基礎・基本の徹底、学びに向かう多様なアプローチなど、いわゆるどのように学ぶかというところを支える存在であります。この役割分担こそがこれまで現場を支えてきた重要な構造だと考えています。
 もう1点は、論点2に当たるところ、一部、論点5の「手書きの減少」という点も加味すると思うのですが、やはり教材においても紙とデジタルそれぞれに適した学習場面があると認識しています。例えば書くこと、試行錯誤すること、思考を深めるような場面、これはやはり紙に価値がある。
 一方で、即時フィードバックや、情報共有の可視化、個別最適な学びの支援、これらの場面はやはりデジタルがとても有効だと思います。
 その上でデジタルが進むからこそ、教材との連携を前提とした設計が重要になると考えております。教科書と教材の適切な線引き、そして連携の在り方を明確にすることが、現場の混乱を防ぎ、より質の高い学びにつながっていくのではないかと思います。
 今後もこうしたそれぞれの特性を整理して、現場の先生方にとって分かりやすい形を提示していくこと、これが私どもの重要な役割であると考えております。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございます。山口委員、お願いいたします。
【山口委員】  よろしくお願いいたします。茨城県教育庁学校教育部長の山口と申します。私は教育委員会、都道府県の教育委員会の立場といった形でお話をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 デジタル教科書が整備されることで、先ほど来ありますけども、紙、デジタル、そしてハイブリッドといった複数の形態から、児童生徒に合った教材選択するようにできますので、これは児童生徒一人一人の特性に応じた個別最適な学びを実現する大きな一歩であるかなと思っております。今も教材としてデジタル教科書を扱ってございますけども、これが教科書になるということでさらに進歩かなとも思っております。
 さらに、デジタルならではのデータ共有機能とかを活用することで、協働的な学び、そちらのほうにもより深まっていくと期待しているところではございます。
 デジタル教科書、教科書になりますと、従来の紙の教科書にない多様なメリットが考えられます。先ほどの資料でも御説明いただきましたけども、拡大表示であるとか、読み上げ機能であるとか、アクセシビリティの面がとても大きな利点があるのかなと考えてございます。視力にちょっと違和感のあるお子さんとか、読み書きに課題のあるお子さんにとっては、学習のハードルを下げる有効な手段となると考えてございますし、動画や音声、アニメーションなどの教材と組み合わせることで理解を助ける多角的な学習が可能になってくると考えてございます。
 これらによりまして、学習内容がより直感的に理解できて、興味・関心をどんな子でも高める、そういった効果も期待できると思っております。
 従来教科書は教員が教えるための道具であったというところから、デジタル教科書になりますと、児童生徒が自ら活用し理解を深めるツールというふうに変換していると思っておりますので、児童生徒の実態に応じた使い方を工夫することで、主体的に学びを深めるための強力な手段になると考えてございます。
 ただ、懸念点も幾つかあると考えております。先ほど来お話ございますように、例えば10番のインフラ面ですね。全校一斉使用に耐え得るだけの回線速度の確保であるとか、それから、必要に応じた回線工事が今後の課題になるのかなと予測されるところです。あと、運用面では、ライセンスの有効期間であるとか、対象学年の制限であるとか、予習・復習での利用可否など、細かなルールがこの後整理をしていく必要があるのかなと思っております。
 また、9番の部分になってくるかと思うのですが、採択関係ですかね。先ほどもお話ございました。デジタル教科書の採択に当たって、デジタル教科書に格納されている全てのコンテンツを調査すると考えた場合に、相当な時間、労力がかかるかなと思っております。かつ、紙の教科書も併用する場合には、そちらの調査もございますので、単純に倍増になるような、そういったイメージを持っております。
 本県で、まず県で調査員の方を、先生方を集めて、招集して、調査員の方に調査をしていただくんですが、大体今のところ、四、五日かかってございます。これがプラス、デジタル教科書となりますと、単純に倍はかかってしまうのかなとかいうような、具体的に、ごめんなさい、数字はまだはっきりしませんが、そういった思いもございますので、調査の対象範囲も含めて、文科省のほうからその方向性について示していただけるとありがたく思っているところでございます。
 今後の会議では、児童生徒が主体的に学んで、個別最適な学びを最大限に進められるよう、デジタル教科書の導入に向けてしっかりと話合いを進めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田座長】  ありがとうございました。それでは、弓倉委員、お願いいたします。
【弓倉委員】  私、日本学校保健会というところの所属でございますので、眼科医の先生や、それから、養護の先生や、学校薬剤師の先生等、いろいろお話を伺っておりますので、そういう立場で、こちらの健康課題のところですから、6番になるかと思います。
 私といたしましては、紙には紙の利点ございますし、それからデジタルにはデジタルの利点がございますので、それぞれやはり発達段階に応じて適切なものを提供していくべきだと思っております。
 デジタルに関する、いわゆる気をつけなければいけない問題は、結構文部科学省さんが既に児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックというのを作っていただいておりまして、そこで既に照度であるとか、輝度であるとか、それからグレアの問題であるとか、それから姿勢の問題であるとか、ドライアイの問題とか、かなりいろいろ出していただいております。
 問題は、これがきちんとと学校現場で守られているかなんだろうと一つは思っております。例えば、紙の教科書とそれからデジタルの教科書で近視が進むかどうかということに対してはまだはっきりしたエビデンスはないということですけれども、やはり眼科の先生方とお話をしますと、実際それを見ている時間、それから媒体との距離、この辺についてはきちんと見ていかなきゃいけないという話を伺っております。
 そうすると、学校においては、ここに書いてあるようなきちんとした姿勢をちゃんと保てるのかどうか。それから、それなりの時間をきちんと、目を休ませているかどうか。そういうような形のいわゆる指導のできる教師の育成、こちらがきちんとできているのかどうかということが一つ課題かなと思っております。
 あと教科書になりますと、家での学習、これが学校ではきちんとした、ある程度そういう指導していただける教師がいらっしゃるかもしれませんが、家庭に持ち帰りますと、どのような環境で教科書を使うのかが分からない。いろんな、輝度、映り込みが入ってくるような環境で教科書を使うような形になるかもしれませんし、その辺についての保護者への啓発も併せて必要になってくるのではないかと思っております。
 以上でございます。
【堀田座長】  ありがとうございました。では、中川座長代理、お願いいたします。
【中川座長代理】  放送大学の中川です。このたびは座長代理を仰せつかりました。よろしくお願いいたします。
 私は現在、全国の学校や自治体に多く関わって、デジタル教科書にかかわらず、ICTの活用の状況などを見てきております。そういう意味では、1人1台端末環境は次の段階に移行しつつあるなという感じを持っています。
 調査でいうと、令和6年度の全国学力・学習状況調査の結果を受けた国研の調査でも、例えば主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を進めて、課題解決に取り組む学習活動を行っている学校ほどICT機器を活用している傾向などのデータも出ておりますし、これは私の肌感覚でもそうです。
 また、現行のデジタル教科書の活用でも一定の学習効果も各種調査で出てきています。例えばデジタル教科書の使用頻度が高いほど学習効果を実感的に捉えているということが明らかになっております。次回以降はそのようなデータも資料として事務局から配付、共有いただければ幸いです。
 ただ一方で、今回の検討会議でも、その前に行われた中教審のデジタル教科書推進ワーキングでも、全てデジタルで進めようとしているわけではないと理解しています。どのような形態の教科書を選択する場合でも、デジタルか、紙かといった二項対立に陥らずに、どちらのメリットも生かしながら日常的に活用していくことが重要に思っています。
 そして何より一人一人の子供にとって何がどのように最適なのかに寄り添うことが大前提だと考えています。今後、事務局より示された論点をもとに、様々なお立場の委員の方々と丁寧に議論を進めていきたく思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【堀田座長】  ありがとうございました。私も一委員として一言だけ申し上げておきたいと思いますが、私は今、中教審でいえば、次の教育課程の検討の中核の検討会議におります。そこにいると分かるんですけども、次の学習指導要領は、やっぱり大きくは子供たちの多様性、それをどうやって学校として包摂していきながら、一人一人を大切に、しっかりと個性も学力もそうですけど、いろんな形で彼らを伸ばしていくかと。これを限られた人数の教員たちがどのように行うのが現実的であり、そして効果的であるかという結構難しい問題の議論になります。
 そうすると、議論の中では、例えば授業の形はどうすればいいのかとか、1人で学ぶ時間と友達と議論する時間と、それを一斉にコントロールするのか、それぞれの子供が自分で決められるのかみたいなこと、あるいは先生にしっかりと教えてもらうみたいなことがなくなってならないのではないかみたいな話、様々な学習形態といいましょうか、そういうものの組合せ方が、これまた実に多様で、子供の実態や先生の個性みたいなことにもよるし、教科にもよるし、発達段階にもよると。そういう多様な中で、一人一人の子供たちに対応していこうと思ったときに、やはり一律の資料や教材で、みんな同じものでやりましょうということ自体が、やはりそろそろ無理があるんじゃないかといったときに、ある子は、もう少し先をやりたいんだとか、ある子は、もう一回ここを学び直したいんだ、もっと練習したいんだ、いろいろあると思いますし、その練習の仕方は、自分の手で書きたいんだ、声出して自分で読みたいんだみたいなこともあります。読むときの読み方をデジタルで教えてほしいんだみたいなこともあるし、なので、紙なのか、デジタルなのかみたいな議論や、あるいは体験なのか、メディアがそれを奪うんじゃないかみたいな議論は、少なくとも学校現場を見ていると、それはあんまり心配しなくても、学校では実に多様に行われ、全てが一色になるということはあまりないなと。特にこれからはあまりないんじゃないかと。
 むしろ一人一人の多様性にどうやって合わせていくかといったときに、子供から見れば選択肢がちゃんとあって、それが学びのレパートリーになっていくようなこと、そしてこれからの時代を考えたら、それを自分で決める、そして決めたことがうまくいったかいかないかでまた決め直すみたいなことを、そういう能力ですね、これは教科の学力とは少し違うかもしれませんけど、自己調整とか、そういう言い方で次の学習指導要領には入ってこようとしていますけども、こういうようなこと自体を子供たち一人一人の学習の機会として提供すると、こういう大きな流れの中で、教科書の一部に、デジタルが有効なものが恐らくあって、そしてそれは今は代替教材として提供されている、あるいはデジタル教材として提供されている、それを、今は有償なんですけど、全ての子供たちに、特に義務教育段階では無償で使えるようにしてあげて、その子たちが学びやすくするんだという、その流れの中に、教科書というものを、紙の教科書に限らず、デジタルな形態を含むということを新たに検討するんだみたいなことですね。こういう話があるということです。
 とかく今までが紙の教科書だけが教科書で、それを全部デジタルにしたもの、そのままデジタルにしたものをデジタル教科書と呼んできた経緯もあって、紙かデジタルかという二項対立みたいな話に持っていかれがちだったわけですけども、実際の現場や、あるいは中教審の議論や、あるいは今日のこのタイトルを見ていただいても分かると思うんですけども、それは必ずしも、中川座長代理もおっしゃりましたが、全部をデジタルにするみたいな、そんな話はこれまでも全然議論されていなくて、むしろどの部分こそデジタルにしていったほうが、彼ら、子供たちが学びやすくなるのかということを、これは現場の感覚もあると思いますし、様々な要素があると思うので、それらの要素を検討しながら大きな方向感を示していこうということかと思います。
 それで、物によっては、それは紙でしょうと多くの人が納得するものもあれば、いや、ここはそれはデジタルでしょうという部分もあると思うし、両方あって、子供がどっちか選べるほうがいいんじゃないかとか、あるいは紙でやった後、デジタルで確認したほうがいいんじゃないかとか、そういうこともあるかもしれない。この辺をある程度議論して、現実の中でケースを考えておかないと、実際発行者は非常に苦労しながら、有限の時間と人数と予算の中で教科書をお作りになっていて、そしてそれを、また採択が始まると、先ほどから出ているように、採択の仕方が変わるということ自体が非常に難しく、負荷をかけるわけですから、採択の仕方も、何か今まで以上にやりやすくなるような形で、現場は大変忙しいですから、ここ、先生方の御負担をできるだけ増やさないような形にどうやってやっていくかという、これは非常に難しい方程式を解くような形になっているんじゃないかと思うわけです。
 ですが、今回のこの検討会議で、法改正のその向こうで起こりそうなことについて、先回りしてこうやって議論するということの重要性というのは私は大変非常に重く感じておりますし、10個に限らず、これからも様々な論点が出てくるんじゃないかと思いますので、この半年ほどでしょうか、先ほど大臣はそういうふうにおっしゃいましたが、しっかりと集中的に論点を明確にして議論できればと思います。
 皆様、御協力いただいたので、まだ時間はございます。一旦事務局に、皆様の御意見をもとに、一旦お返しして、その後、もしまだこれは言っておきたいということがあれば、委員の皆様にお時間を差し上げたいと思いますので、一旦まず事務局に。いかがでしょうか、後藤課長。
【後藤教科書課長】  ありがとうございます。今日、1回目ということでございまして、御参加いただきました先生方に、それぞれ全員の方からまずお考えをお伺いいできましたので、今日いただきました意見を、またちょっとこちらで事務局で整理をさせていただきまして、我々が思っていた以上に、10個、まずは提示させていただいた論点について、結構いろいろなところに対して御意見いただきましたので、いただいた意見を論点にぶら下げていくような形で整理をスタートさせていただきたいなと思っております。
 次回以降の進め方でありますとか、また、例えばお集まりいただいている先生方それぞれの専門性のある中で、あるいは現場の経験のある中で、御意見いただくことになりますが、これに加えてさらにヒアリングとか、そういったことについても、座長、座長代理とも御相談させていただきながら、大体この秋までの間の進め方というのもまた別途相談させていただきたいなと思っております。
 一旦事務局としてはそのように、今日第1回受けてそのように進めていきたいと考えております。
【堀田座長】  ありがとうございます。今回1回目で、しかも10個ぐらいの論点を、これ、今までワーキングがいろいろ動いていましたので、そこから出てきたものもあるし、これから国会でいろいろまたいろんな意見が出てくるかと思いますので、そういうものも引き取りながら、事務局のほうで、今後、2回目以降を組み立てていただくということになります。
 という前提で、もし先生方、委員の皆さんがもう少しこれは言っておきたいんだということがありましたら、自由に御発言いただければと思うんですけども、そういう方は挙手をいただければと思いますが、いかがでしょうか。オンラインの方も、遠慮なく、もしありましたら。
 いいですか。
 1回目からいっぱい言えというのも難しいと思いますので、これから2回目以降に論点がある程度はっきりし、そしていろんな情報がまた付け加えていただいた中で、またそれぞれのお立場から、御専門のお立場から御意見をいただくという形に進めてまいりたいと思います。
 今日はたくさん御意見をいただいて、ちょっと論点も膨らんだ感じが私もいたしますし、そもそも私たちの役目は何かということを、私も先ほど申し上げましたけども、紙かデジタルかを決めるみたいな、そういう話ではなくて、子供たちにとって学びやすくするためにどのようにあればいいかということについて、具体的な場面とかを考えながらグラデーションをつくっていきましょうということかと思っておりますので、今後とも御協力をよろしくお願いいたします。
 事務連絡、いかがでしょうか。お願いいたします。
【西田教科書課課長補佐】  本日の議事録につきましては、また各委員に御確認をいただいた上で、公開とさせていただきたいと思います。
 そして、次回の会議の日程でございますけれども、今、日程調整させていただいて、日程調整後にまた改めて御案内させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【堀田座長】  それでは、次回からはまた個別の論点について議論を深めてまいりますので、今日のところはこれで、少し早めですが、閉会といたしたいと思います。
 オンラインの皆様も御協力ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、閉会いたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

 

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