令和8年7月21日(火曜日)15時30分~17時30分
WEB会議
【勢戸座長】 では、ちょっとお時間過ぎましたけど、第2回「学校給食衛生管理基準」の在り方に関する有識者会議を開催いたします。
委員の先生方におかれましては、大変御多忙の中御参加いただき、誠にありがとうございます。
まず、議事に入ります前に、参考資料1のとおり、本日の第2回から委員の追加がございますので、紹介させていただきます。学校給食の安定的な運営に関する現場からの御意見や実務的な観点から御知見をいただくため、一般社団法人全国学校給食推進連合会より、常務理事兼事務局長の三橋委員に新たに御参画いただくことになりました。それでは、三橋委員、一言御挨拶をお願いいたします。
【三橋委員】 全国学校給食推進連合会の三橋と申します。よろしくお願いしたいと思います。
私どもの法人は、全国47都道府県の公益財団法人で、学校給食会の連合組織として事務を実施しております。今回初めての参加となりますので、どうぞ皆さんよろしくお願いしたいと思います。
【勢戸座長】 三橋委員、ありがとうございました。学校給食の安全・安心を確保しつつ効率的な運営を両立させるため、ぜひ現場での実態等を踏まえた忌憚ない御意見をいただけますと幸いです。
それでは、議事に入ります。議事1として、学校給食現場における実態等について、有識者会議委員等からの発表をしていただきたいと思います。学校給食衛生管理基準の見直しに当たっては、まず、現在の給食現場がどのような状況にあるのか、その実態や課題を正確に把握することが必要です。そこで本日は、2名の委員より、現場の実情や課題について御説明いただき、それぞれの御説明の後、皆様からも御意見、御質問をいただきたいと考えております。
また、前回会議でも事務局から説明がありました、今回の学校給食衛生管理基準の見直しに当たっては、食品衛生管理を取り巻く状況の変化を踏まえる必要があり、食品添加物の取扱いについても検討事項の1つとなっております。今回は、我が国における食品安全行政の概要や、学校給食衛生管理基準に対して寄せられた食品安全モニター随時報告の内容について、オブザーバーとして参加していただいている内閣府食品安全委員会事務局から御説明いただきたいと存じます。
それでは、早速発表を開始したいと思います。お一人15分から20分程度でお願いいたします。
まず、初めに、学校現場の実態について、棚橋委員、よろしくお願いいたします。
【棚橋委員】 失礼いたします。棚橋より、学校給食調理場の現状と課題について御報告させていただきます。それでは、まず、学校給食衛生管理基準によって、日本の学校給食は世界トップレベルの安全性が維持をされております。一方で、現場の実態との乖離や、厳格過ぎるがゆえに、新たな課題も顕在化してきています。教育現場には誰もが子供の豊かな食と安全を守りたいという理想がありますが、多くの自治体では、現在、少子化と財政難という現実もあり、施設の状況等に二極化が生じている現状であります。持続可能な学校給食の運営を実現するためには、この理想と現実をすり合わせる具体的な方策を検討する必要があると考えます。本日は、大きく4つのポイントに分けてお話をさせていただきたいと思います。
まず、1つ目は、施設の二極化の課題として、老朽化が課題の施設では、そもそもがドライ運用を想定していない構造で建築をされているために、ドライ運用を行うために、調理従事者には作業上の大きな負担が生じています。加えて、スチームコンベクションオーブンや真空冷却機といった最新の機器が設置できれば、作業効率も上がり、食中毒のリスク等も格段に軽減されますが、設置スペースの確保自体が難しいといった現実も多く見られます。こうした場合には、献立自体に各施設で格差が生じているといったような現実が起こっております。
この格差を埋めるためのソフト面での工夫が求められているわけですが、マニュアル等で具体的な対応策などが示すことができれば、誰もが安心して作業に従事できるのかなというふうにも思います。また、施設の改修等が進むよう、後押しができるような書き方になれば、大変現場はありがたいのではないかなというふうに感じているところです。
続いて、2点目は、衛生管理基準に基づく作業を行うためには、実際に作業を行う調理従事者への教育が不可欠となっていますが、現場では、調理員の高齢化や人手不足、民間委託やパート労働者中心の運営が進んでおり、スキルの継承が課題となっています。民間委託やパート労働者が課題というわけでは決してなく、ここでの課題となっているのは、人の入れ替わりが激しく、定着しづらいということによるスキルの継承が課題と考えているところです。栄養教諭等においても同様のことが起こっていまして、ベテランの退職、そして若手の採用が進み、入れ替わりの激しい職場環境となっているという事実もございます。また、ドライシステムが導入されている施設では、通常の作業を行っていれば、ある程度衛生管理基準に基づく作業が可能というふうに自然となってくるわけですが、老朽化が課題の施設では、従事者の工夫が必要になってくるため、各施設による解釈の違いが出ないよう、衛生管理基準の表記を再検討する必要があるのではないかなというふうに感じている部分もございます。
一例として、爪ブラシの使用についてですが、現在は個人用の爪ブラシとはしておらず、ワンウェイの仕様となっているので、修正が必要であるのではないかなというふうに考えています。平成9年頃、この基準が作成された頃は、個人ごとの爪ブラシを各施設で準備をしていたかと思いますが、現在は一度使用した爪ブラシは洗浄・消毒の後、乾燥させてから、おおむね翌日の使用としている現場が多いと思いますので、この辺り書き方の検討を考えていきたいなというふうに考えているところです。
また、1点、検収についてですが、こちらについては、あらかじめ定められた検収責任者がというふうになっております。調理場によっては調理員が検収を担当し、何かあった場合に栄養教諭や管理職に連絡が取れるような体制を取っているという施設も多くありますが、一部センターによってはこの責任者が、栄養教諭等が必ず担うというような現場もあるようです。ここでは栄養教諭等が勤務時間を変更し、早朝から勤務をして、検収を実際に行っているというケースも多く見られるようです。現在、栄養教諭等は、栄養教諭本来の職務に専念できるような環境づくりが課題というふうにもなっています。栄養教諭でなくても可能な業務については、自治体で御検討いただきようにお願いをしているところです。
そこで検収責任者については、大量調理マニュアル等も参考に、調理従事者等が担うといった書き方を検討いただければというふうに考えています。もちろん何かあった場合にはすぐに連絡し、対応が取れる体制というのを整えていく必要はあるかと思いますが、その辺りについてもマニュアルのほうでしっかりお示しができればいかがかなというふうに考えています。
続いて、3点目ですが、加熱や冷却等各調理工程において、厳格な温度と時間の管理が求められるのは当たり前のことではありますが、これらを確実にクリアするため、複雑なメニューは敬遠されがちになり、献立のバリエーションが狭まる要因になっているというようなこともございます。また、安全性を最優先に、しっかり加熱を徹底することと、食材の持ち味を生かしておいしく仕上げることは、メニューによっては相反するところでもあり、ジレンマを抱えることもございます。これについては、調理従事者のスキルアップや研究に期待したい部分もございます。しかしながら、納品時の温度管理等については、不測の事態の回避について提案するなどしながら、柔軟に対応できるよう検討が必要ではないかというふうに考えているところです。こちらはなかなか全て法に書くには限界があると思いますので、マニュアル等の中でしっかり対応できればいいのかなというふうにも考えているところです。
食品を取り扱う場所、作業区域のうち洗浄室を除く部分というふうになっているんですけれども、内部の温度及び湿度管理が適切に行える空調等を備えた構造とするように努めること、調理場は換気を行い、温度は25度以下、湿度は80%以下に保つように努めることとなっています。こちらは直接調理に関わる温度管理の部分ではございませんが、せっかくこのように確実に加熱及び冷却をして仕上げた給食であっても、保管状態に問題があると、リスクというのは増大してしまうというふうに考えます。ここ数年は、猛暑により、かなりの高温の日が続いています。校舎内の配膳室についても、温度管理に努める必要があるかと思います。「調理場は」となっていますが、調理場にどこまでが含まれるのか、共通の解釈となるよう、表記の再検討もしていきたいなというふうに考えています。
また、昨年だったかと思いますが、これは給食の現場で起こったことではないですが、市販のお弁当の御飯で大きな事故があって以降、委託炊飯を行っている自治体さんから、御飯の温度管理についての相談が少し増えているといった現実もございます。早朝に炊飯された御飯を、特に夏場の今頃なんですけれども、どのように配送し、各学校の配膳室で保管するかについても大変悩ましいというようなお声をいただくことも多くなっていますので、配膳室の温度管理についても明記していければ、皆さん安心してお勤めいただけるのではないかなというふうに思います。これは受け取る側の学校側ももちろんなんですが、やはり製造して届けている、そういった委託業者さんにとっても安心してお仕事がしていただけるようにということで、この温度管理の部分については明記していければよいのではないかなというふうに少し考えているところです。
次は、調理後の解釈についてです。調理後という表記についての部分なんですが、和え物やサラダについて、今スライドに出ているところなんですけれども、スライドの上の部分の赤字のところなんですが、この部分での「調理後」といえば、加熱調理の後と受け取るのが正しいかなというふうに思います。しかし、下の部分の赤字の「調理終了時」は、仕上げた後というふうに受け取ることができます。調理後2時間以内というような解釈に個人差が出ないよう、こういった部分でも表記を整えていく必要があるのかなというふうに考えているところです。
また、そのほか表記の部分について、温度管理からは少し離れますが、表記の検討に当たっては、トイレ使用後の手洗いのタイミングについても、ちょっと考えていければなというふうに思っているところです。例えば、個室内で着衣を整える前に手洗いをするということが、現在求められていると思います。この後、個室内で手洗いを終えて着衣を整えた後、個室から出てきた後に、調理着、白衣を着る前の手洗いは必要ないのかという点でございます。こちらは解説本のほうとかを見てくると、この白衣を着る前の手洗いというのが明記されていないというふうなことになっていますので、この辺りがはっきりと示せればよいのではというふうに考えているところです。
また、白衣を脱いでトイレに入るという意味を考えれば、個室と白衣を着脱する場所を遮る壁というのは、床から天井までしっかりあるのが望ましいのではないかなというふうに思うのですが、この解説本のほうでは、床のところと天井のところに隙間があるといったような例が記載されています。この辺りもアップデートしていければいいのではないかなというふうに考えているところです。
続いて、4点目です。前日調理の在り方についてです。これまで原則、前日調理を禁止とし、生鮮野菜等の皮むきや切裁等も控えてきました。これにより、現在は調理従事者の早朝勤務、また、野菜使用量をなかなか増やすことが難しいといった現実、そして、地場産物等の活用が制限されるなどの課題が生じている場合がございます。持続可能な学校給食の運営のために、地場産物の積極的な活用を可能とすること、深刻な人材不足への対応、配送問題など、総合的な検討が必要な時期に来ているのではないかなというふうに感じているところです。
こちらは、参考までに、ある単独調理校と給食センターの作業工程表から、よく使用する野菜の下処理と切裁にかかる時間をスライドにまとめてみました。スライサーを使用するか、手切りで作業を行うか、また、単独校とセンターでは、実際に作業にかかる人数等により大きな差がありますので、一概にこの時間が全ての施設に当てはまるわけではありませんが、今回まとめさせてもらった施設においては、いずれも約1時間程度作業にかかっているというような実態がございます。多くの野菜を使用したり、例えば少し大きさがふぞろいであったり、多少土や虫がついていたとしても、やはり地場産物を使用したいといった場合には、調理員が早朝からの勤務が必要になったりというようなことも起こっているようですが、この早朝勤務にも限界がございます。もちろんとてもきれいな地場産物がそろう地域もたくさんあり、地場産物が一律課題になっているといったことでは決してないのですが、今後さらに地場産物等の活用を進めるに当たり、冷蔵庫での保管を条件に、一部前日の皮むき等を処理、そういった部分を可能にするなど、検討が必要な状況に来ているのではないかなというふうにも感じることがございます。
令和元年度には、文部科学省のほうからも、適切な衛生管理が確保できると判断した場合には、基準に記載されている以外の方法を一律に排除するものではないといった文書も出されているところです。適切な衛生管理の確保というのがどのような内容なのか、どこまでの作業を可能にするのかなど、ぜひ協議をさせていただければと考えているところです。
学校給食衛生管理基準を緩めることは、やはり食中毒のリスクを高めることにもつながるため、簡単にはできません。慎重に検討する必要があると思っています。しかし、完璧な安全マニュアルを作成しても、現場において実現可能なものでなければ、調理従事者の負担になったり、献立の魅力の低下、そして、学校給食そのものの維持困難という別のリスクも招いてしまうことが考えられます。この有識者会議で、各分野の専門でいらっしゃいます委員の皆様方とともに、安全性の維持と持続可能な学校給食の実現に向けた新たな学校給食衛生管理基準へのアップデートをぜひ検討していきたいなというふうに考えております。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。私からの報告は以上とさせていただきます。
【勢戸座長】 棚橋委員、ありがとうございました。
学校現場においては、スキルの継承であったりとか、ウェットの現場からドライへの運用の負担という課題があるということ、さらには検収者の表記の仕方であったりとか、その他ちょっと細々表記の仕方という点で、現状の衛生管理基準では現場の対応が難しい部分があるということについて、御自身の経験を交えながら御発表いただきました。ありがとうございました。
では、ただいまの棚橋委員からの御説明内容について、御発言等ある方がいらっしゃいましたら、Zoomの挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。私のほうから指名させていただきますけど、中込委員、手を挙げられているみたいなんですけど、御発言をお願いします。
【中込委員】 よろしくお願いします。棚橋さんの一番最初のお話の中で、現場の検収については栄養士さんと調理従事者というふうなことがあって、大変現場で忙しくて、誰でもと言うと失礼ですけれども、いれる方がやってほしいというふうなことでしょうけれども、私たちが納入業者としてやっぱり感じるのは、朝行っても、やっぱり現場の方たちは忙しいんです。物すごく人手が不足していて、立ち会うのもしんどいわけです。我々も次の学校のところも早く来てほしい、早く来てほしいというふうに言われるから、早く行きたいがために、本来学校がいろいろな検収のチェックをするのに、我々としても一緒に読み合わせではないけれども、早くしてほしいから一緒に早くやろうとするんです。そういうふうにしている現実があります。
じゃあ栄養士じゃなくて調理員さんが代わったとしても、今の場合、今使うものはやってくれますけど、あした使うとかもう少し後でいいものは後にしてくださいというふうに言われるんです。そうすると、朝、会社から順番に効率よく配送していくんですけれども、受けてくれる時間が、やっぱり学校で指定をされてしまうんです。そうすると、昔は我々の場合には、時間を非常に緩くしていただいたために、鍵を借りて冷蔵庫に入れておいたりとかというふうなことで、現場で臨機応変にやっていたんです。それが管理会社が入るから、鍵を預かれない、もしくは8時以降に来てくださいというと、学校の前に一番最初に私たちが行くところには、もう7台、8台、順番待ちをしている状況なんです。そうすると、昔は十二、三校行けたのに、今は五、六校で終わる。そうすると、車が3倍にも4倍にもなってしまうというふうな状況なんです。
魚は早くしてほしい。デザートは数えるだけだから10時以降にしてほしいと。調理の方も、時間をやっぱり優先順位をつけられているというふうなことを考えると、調理員さんが検収をしたとしても、我々のほうの結果はそんなに変わらないんじゃないかというふうには思っています。圧倒的に人が不足しているんです。
それともう一つは、やっぱり設備、ハードの問題もあると思うんです。新しいところは当然冷蔵庫、冷凍庫しっかりしていますし、古いところは冷凍庫もない、冷蔵庫もないというふうなところもあります。あとソフトの部分では、キャリアのある調理員さんと、あと委託の人たち、当然やっぱり差が結構出てきているかなというふうに感じます。でも圧倒的に人の問題をクリアをしていかなきゃいけない問題も、片側ではあるのかなというふうには思っています。
以上です。
【勢戸座長】 中込委員、ありがとうございました。
ほかに御意見等ございませんでしょうか。どうぞ。
【川村座長代理】 私のアプリには挙手のマークがないもので、すみません。どこにあるんでしょうね。リアクションなのかな。
それはさておいて、先ほどのプレゼンで、爪ブラシに言及されておりましたね。私としては、爪ブラシというのがワンウェイの使い方という点で何か所か見るんですけど、やはり消毒の水溶液につけているんですけど、その衛生管理すらもうおおむねほとんどされてないんです。乾かして衛生的に乾燥して翌日使うということなんですけど、現場では爪ブラシというものは、やはり必須なものなのかなと。その前段に、やはり手洗いの重要性、それから爪、個人の衛生管理の点検表、これにはうたってないわけですけど、どこの調理施設でも、みんな衛生点検表、健康チェック表を書いていますよね。そこの記載の中に爪というもの、手洗いは2回やるというのもおおむね皆さん御存じで、手洗い場にも、やるかどうかは別にしても、写真もついているわけです。それを徹底することにより、爪ブラシの衛生管理よりは、いや、極論ではないんですけど、なくても、それほど衛生管理を爪ブラシの徹底を求めなきゃならないんであれば、なくせとは言いませんけど、そこにことさら爪ブラシの運用云々というところは、やはり現場では必須のものなんでしょうかね。その前段での調理員さんの衛生管理で事足りるような頃に来ているのかなというように思います。いかがでしょうか。
【勢戸座長】 先生、私のほうから答えますが、大量調理施設衛生管理マニュアルで、爪ブラシの設置が書かれていたと思うんです。なので、必須です。
【川村座長代理】 基本的には爪を短く切ることというようなところもあるものですからね。分かりました。ありがとうございます。
【勢戸座長】 ありがとうございます。
ほかに御意見等ございませんでしょうか。ちょっと私のほうからは挙手が見えないので、棚橋先生の御発表に対する質問はこれで終わらせていただいて……、ごめんなさい、森委員見えましたので、森委員お願いします。
【森委員】 よろしくお願いします。先ほどのお話にも、今、川村先生から爪ブラシのお話もあったんですけれども、プレゼンしていただいた内容にも、白衣を着た後の手洗い等々あったんですけれども、検収のお話もありました。働いている方が、このステップにどういった意味があるのかとか、そういったところがやっぱり理解していただくところも大事かなと思って、記載される内容について理解していただくのもそうなんですけれども、どういうふうに生かしてもらえるかという記載の仕方というのも重要になってくるかなというふうに見させていただきました。
以上です。
【勢戸座長】 森委員、ありがとうございます。また多分、解説とかというのの書き直し、改定が必要になってくるかと思うので、そういったところはその辺でもうちょっと、こういう意味があるので何回も手を洗ってくださいよとかというのを書き込むのがベストかなとちょっと感じました。ごめんなさい、私の意見です。
ほか。中込委員、まだ。
【中込委員】 何度もすみません。先ほど棚橋さんのほうから、前日の下処理のお話が出たと思うんですけれども、これは具体的にどういう、今回そういう形の方針を出されるのか、非常に私としては興味があるところ。基本的には下処理ということですから、野菜とか根菜類とかのそういうふうなことだと思うんですけれども、ほかの調理品も含めて、基本的に学校給食の食材は前日納品をさせていただきたいというのが、一番我々としては、物流業者としては時間指定とかそういうものがないのと、お互い現場の調理、また、納品をする私たちにとって、もし納品のミステークがあったときには、当日フォローができるんです。これ、結構頻繁にあるんですけれども、今、再配達という人がいないんです。そういう意味では、要綱の中にも、基本当日とはうたっているけど、両者の間で話し合ってくださいみたいなところがあるんですけれども、その基準みたいなもの。乾物はいいです。じゃあヨーグルトとか、ほかの冷凍食品なんかも、冷凍庫があれば基本的にオーケーだと思っているんです。品質が保っていられれば、冷凍庫、冷蔵庫のものは前日納品を基本とするみたいな、そんな表現にしていただくと、現場のオペレーションも、事前に数を調整とかそういうふうなこともできるので、当日の朝ぎりぎりに入ってぎりぎりに計量したり、いろんなことを当日しなきゃいけないということもありますので、前日の準備にやっぱりいろんなお互いのことがカバーできるのではないかなというふうに思っております。ぜひ前日納品ということも含めて検討していただければというふうに思います。
【勢戸座長】 ありがとうございます。
ほかにありますでしょうか。伊東先生お願いします。
【伊東委員】 ありがとうございます。私も現場の人間として、棚橋先生の今回発表していただいた内容がうなずくところが、もうほぼほぼうなずくところばかりです。本当にこういったところが解決できたり、解説のほうで記載ができていければ、栄養士は現場では1人でやっているものですから、新しく栄養士になった方も1人でやっていく中で、こういったところがきちんと書かれていると、本当に現場としては大変ありがたいなと思います。本当に棚橋先生の御意見に同意しているところです。
検収責任者についても、解説のほうでは、委託調理業者では調理従事者にお願いしていいよというようなことが解説では書かれているんですが、ここはあくまでも調理を委託している場合というふうになっているので、そこのところも、委託していなくても、直営だとしてもお願いできるんであれば、ここは直していったほうがいいのかなというところも、棚橋先生と同じように思いました。
あと、納品時の温度管理についても、不測の事態の回避についてということでありますけど、冷凍食品は、ほぼほぼ基準よりもちょっと高い温度で納品されることが多いなというところがありますので、そういったところも、ちょっと高い温度で納品されたときにはどういうふうにしたらいいかということも記載があると、現場としてはありがたいなと思います。すみません、お願いします。
以上です。
【勢戸座長】 伊東先生、ありがとうございます。
告示の中の基準に書き込む部分と、さっきも言いましたように解説等で書き込む部分等があるかと思いますので、またその辺をまとめるときに、漏れないように御意見いただければと思います。
では、ほか、棚橋先生の発表でよろしいでしょうか。
いけるみたいなので、申し訳ないです、続いて、学校現場の実態について、学校給食の調理業務等を担う事業者側の立場から、東委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【東委員】 日本給食サービス協会の東です。よろしくお願いいたします。
このたび日本給食サービス協会からは、今般の基準改正に関する改善要望書を提出させていただきました。第1回の会議の際に、私から受託事業者としての主要な要望を発言させていただきましたが、その後、協会、理事会社の実務担当者等の意見も伺い、まとめたものです。
安全・安心で給食の提供を続けるために、今般見直しする基準に関することのほか、運用面に関する要望も書かせていただきました。この会議では、基準の見直しを検討していただきますが、先ほど申したように、基準以外の細かいことについては、自治体の皆さんに、給食事業者が限られた人員、予算の中でどのように業務を行い、どのようなことに困っているか、話を聞いていただきたいと考えておりますので、文部科学省様から御指導いただきたいと思っております。
それでは、資料の説明をいたします。このまま進めていってよろしいでしょうか。
【勢戸座長】 こちらでは1枚目が映っております。
【東委員】 はい。では、順に説明していきます。棚橋委員の御発言と重複する部分も幾つかありますので、ちょっとお耳を貸していただければと思います。
まず、幾つか項目を分けておりますが、最初に調理環境・衛生管理に関する課題ということで、第1回目の会議のときにもお話ししましたとおり、現在、給食調理場の環境が、非常にやはり厳しい環境下に置かれております。25度・湿度80%を保つというような基準が満たされている調理場を探すほうが逆に難しい環境下です。老朽化の話も先ほど出たとおり、特に我々の受託している学校給食調理場も、夏場、今年はまだ6月は比較的過ごしやすかったですが、昨年は6月から10月までの期間は、この基準を満たしている施設がほとんどなかったというふうに報告を受けております。回転釜の周りなどは、場所によっては50度近くに上がっている場所もあるというふうに聞いております。こちらのほうも、この基準の中でどのような期間で整備をしていただくのか、この後には同じ環境だけじゃなくて、器具類の老朽化に対する対応に関しても御要望させてもらっていますが、全てのものが古くなっているところに対する設備の整備に関しての提言がいただけたらよろしいなというふうに思っております。
また、衛生に関する部分におきましては、大量調理マニュアルとの整合性ということを望んでおります。基準に差異があったりですとか、記載が少し違っていたりだとかしますので、そちらの整合性を図っていただきたいと思います。
2つ目としては、献立作成及び作業動線に関する課題ということで、いろいろな調理場がありまして、我々も受託をしているのですが、設備・人員に見合った運用になっているのか、何か動線に関しても一定の基準でしたり、サンプルのようなものを示していただくことは可能なのかというようなことを言われている会員企業が非常に多くおります。特に夏場では、サラダ等の提供が行われる、サラダ、生では出さないと思いますが和え物などに関しても、適温給食ということを考えていくと、冷蔵庫の容量が足りなかったり設備が足りていないということで、同じ時間帯にいろいろなものを配膳しなくちゃいけないということで、こちらのほうも器具等の整備、保冷バットとか保温食缶など、そういうようなものを準備することが好ましいような記載ができないのかというようなことも言われております。
そして3番目、ここは納品に関してですが、先ほどの棚橋先生のお話とはちょっと異なってしまって申し訳ないんですけれども、我々給食の委託を受ける中で、一番最初にネックになるのが納品の検収作業です。前回も少し触れさせていただいきましたが、今回、各会員企業から意見を伺いますと、早いところですと朝の4時台、5時台、6時前の納品が、かなり多くの場所で発生をしております。我々の調理従事者が検収を行うんですが、検収を行う人間も、責任者という形で現場の責任者ないしは副責任者の立会いということが義務づけられているところが多く、時間差を用いてということも、現実的に調理が始まって終わるまではずっといますので、約12時間現場にいなくてはいけないという日が毎日というような労働環境になっているところがあります。この辺りが実際に学校の栄養教諭、学校長も早い時間はどなたもいらっしゃらないので、この検収の責任をどこまでいただけるのかというところが、トラブルが幾つか起こっております。品物をちょっと変えてもらわないといけないですとか、数のことですとか、そういうところのトラブルも発生しております。
この辺りが実際に一番の困難なところと、あとは今までの基準にも記載されているとおり、非常に納品時には行わなくてはいけない作業が多くあります。品名、数量、納品時間、納入業者、製造業者、所在地、生産地、品質、鮮度、箱の汚れなどなど、あと温度ですとか全て記載しなくてはいけないですが、受け取ることももちろん御検討いただきたいですし、こちらの記載に関してももう少しデジタル化して、例えば、直接データで来るですとか、何かもう少し簡素化できるようなことはないのかなというふうに、そういう声が結構多く出ております。
あとは大きなメーカー様などから入ってくる品物に関しては適切な管理はされていると思いますが、特に自校方式の学校給食に関しては、地域の小売店様から納品していただいていることが多々あります。その場合、基準に書かれているように、施設の管理ですとか納品先の施設管理ですとか、安全衛生基準がきちっと御指導されていないケースが幾つか見受けられますので、そちらのほうも御検討していただけたらいいのかなと思っております。
次に、衛生管理体制に関する課題です。こちらに関しては、我々の調理従事者が、設備を借りてやらせていただいているということもありますが、調理作業上に不必要な物品を持ち込まないということから、我々の水分補給に関わるものも中に持ち込まないでくれということであったり、あとは連絡体制が取れるような電話、そういうものも駄目だというようなことで御指導いただいているところが結構多いんですけれども、現実的に水分補給をしていかないと、この時期特に厳しいということで、こちらもこのようなことを積極的に記載していっていただきたいなと思っております。
あとは白衣の基準に関しても書いてあるとおりで、木綿のものが好ましいと書いてありますが、実際木綿の白衣は非常に通気性もよくないですし、今、いい素材がいっぱい出ておりますので、そちらのほうも新しいものが使えるような記載にしていただきたいと思っております。
次の5番目の二次汚染の考え方に関してですが、極端なところでいくと、汚染作業後の作業を同一人物ができないというようなことを言われている地方自治体が幾つかあります。非常に非効率的ですので、こちらのに関しても明記のほうを変えていただき、全て白衣を替えるとか作業着を替えることによって非汚染作業にも移れるような、そのようなものにはっきりと書いていただけると助かるというように言われております。
次は特殊食、宗教食とかアレルギー対応に関してですけれども、こちらも幾つか書かれている部分はありますが、現実的には各学校において結構運用方法が変わっておりまして、除去食を基本とするというふうに書かれております。アレルギー食と一般の給食ということで2種類で対応していただいているところもありますが、幾つも除去食が発生していたり、あとは学校の方針により代替食の準備を行ったりで、宗教食が幾つかそこに入っていたりということで、非常に多くの種類のものを作らなくてはいけない学校が存在しております。この辺りも2種類に収める、または3種類で収めるというようなはっきりとした明記。代替が難しいというものに関しては、お弁当の対応をする、そういうようなことも御検討いただきたいと思っております。やはり複雑化すると非常に安全性を確保することが難しいので、また、設備に関しても、専用で作れる場所が準備していないところが多々ありますので、その辺も御検討していただきたいと思っております。
次に、検収に関してはさっきも触れたとおりです。ただ、こちらのほうでも触れていますが、我々は基本的には調理業務の委託が主たる委託内容ですけれども、発注も我々直接しておりませんし、受けるだけの作業ということで、あとは納品業者に関しても、選定にも入っていないのがほとんどのプロセスですので、納品業者に対してどこまで対応が可能なのかということを明記していただくのか。現実的には発注される側、栄養教諭の先生とは言いませんけれども、学校サイドで品物を受け取っていただくのが、一番安全の確保等、間違いをなくすということではよろしいのではないのかなというように考えております。
7番目と8番目と9番目がありますが、こちらの7番目に関しては、調理後の2時間以内ということで、これも前回触れさせていただきましたが、現実的にはこれが守れていない現場が非常に多く存在しております。やはり揚げ物ですとか、場合によっては焼き物に関しても、設備上の問題で、かなり早い段階で出来上がっているものがあります。センターにおきましても、配送の状況から鑑みると時間は守られていないのかなということで、こちらも現実的なものに変えていただきたいというふうに思っております。可能であればもちろん2時間以内に喫食できるような形ということも必要なのかなと思いますが、現実に沿うようなものに検討していただきたいと思っております。
あとは8番目に関してはかなり格差があると思いますが、食材の使用基準に関してです。こちらもいろいろな解釈で、いろいろなものを使われております。鶏がらですとか豚骨を使っているところもまだかなりありますし、レバーに関して、卵の取扱いに関しても統一感がないなということで、この辺りに関してはどのように解釈を我々がすればいいのかというふうに思っております。
また、作業基準の統一のほうにも係りますが、食材、特に野菜に関して、先ほども棚橋先生のほうで時間の目安を示していただきましたが、非常に手切りということにかなり重きを置かれている学校、現場が多くあります。設備的にはスライサーですとか必要な器具がそろっていても、多くのものを手で切らなくてはいけないということで、人の確保が難しい現在、その辺りがある設備は使わせていただけるような、そういう方針にしていただけると非常に我々としても取り組みやすいですし、また、こちらにも記載させてもらっているとおり、これからさらに調理員の確保が難しくなることを踏まえると、野菜に関してはカットしてあるものですとか冷凍のものを推奨していただくようなものに変えていただけたら、非常に助かるなというふうに思っております。
また、食器の洗浄機、食洗機に関しても、学校の給食現場では多く入っているんですが、すすぎ専用で使われているケースが非常に多く、せっかく洗剤を入れて食器を洗える状態ですが、食器自体は手洗いで洗って、洗浄機ではすすぎというような、そういうような使われ方をしているところもあるので、こちらのほうもある器具、機材に関しては最大限使えるような指針を出していただけるといいのかなというふうに思っております。
逆に、10番に書かせてもらっている、安全装置がないような回転釜での揚げ物など、非常に危険度の高い調理を強いられているところがありますので、こちらに関しては、再度しっかりとした安全確保の記載が出てくるといいのかなというふうに思っています。
また、少し長くなりますが、その他として幾つか書かせていただいております。ちょっと要約して話をさせていただきますと、我々委託を受けている業者として、本当に人材の確保ということが非常に厳しくなってきております。冒頭で話していただいたとおり、まず働く環境が非常に厳しい。高温多湿のところで、1年の半分ぐらいはそういう環境で、逆に冬場に関しては非常に寒い場所で仕事をするということで、新しく人材確保をすることが難しい状況になっておりますので、オペレーションの部分も含めて、再度持続可能なと言えばよろしいかと思いますが、これから先、続けていけるように、先ほどの設備の利用方法ですとか、あとは食材の考え方ですとか、少し御検討していただけるといいのかなと。この安全衛生管理基準の改定と直接関係があるかどうかは分からない部分も多々ありますので、文部科学省様のほうには少し御検討していただけると非常に助かります。
ちょっと行ったり来たりで説明が分かりづらくて申し訳ないんですが、私からの資料の説明は以上です。ありがとうございました。
【勢戸座長】 東委員、ありがとうございました。
学校給食の安全・安心を確保しつつ、いかに学校給食を持続可能な形としていくかという観点から、現在の学校給食衛生管理基準に関する課題や提案等について御発表いただきました。
それでは、ただいまの東委員の御発表内容について、御発言のある方がいらっしゃいましたらZoomの挙手ボタンを押していただくようお願いします。どなたかございませんでしょうか。高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 すみません、岩手県紫波町役場の高橋です。私は自治体の事務職員側なので、ちょっと事務職員の立場から、今の東委員のお話を聞かせていただいた感想をちょっとお伝えできればと思います。
今のは基本的に調理受託事業者さんの目線でというお話が前提にありましたので、ちょっとその目線からお話しさせていただきますと、私、今、新築の学校給食センター整備を進めていく中で、調理委託業務の仕様書がかなりばらつきがあるなと。これは自治体に権利があるので、違いがあるというのはある意味いいことなのかもしれないんですけど、片方では50ページぐらいの仕様書が書き込まれているのに、別な自治体では6ページ、7ページの仕様書というのがざらにあるわけですよね。それは国の基準もないですし、恐らく協会さんでの標準仕様みたいなものもないので、かなりばらつきが出ると。下手するとそれは栄養教諭が書いてなくて事務職員が書いて、ほかの自治体の例を見たりして、最後、栄養教諭が手直ししている可能性が高いと思うんですけれども、そういったもののほかのものを写したりとか、あとはもしかしたら調理受託事業者さんから参考例をもらって、それを展開したりしている例があるのではないかなと思います。
正直、多分ほかの公共施設管理、要は清掃とか維持管理に比べて、かなり学校給食調理受託の分野は研究が進んでないんじゃないかなというのが正直な所感です。なので、今みたいに仕様書に書いていれば済む話なのに、何かこうしてほしいとか、自治体がおかしいんじゃないかとか、パワハラとかは別ですけれども、そういった話になると。その辺も仕様書と契約書でちゃんとコントロールされれば、こんなことにはならないだろうと。当然現場の運用で、都度協議しなければいけない部分もあるんですけど、自治体にやらされているみたいな話が中心になっていて、それを仕様書とか契約書でどう断れるようになっているのかなというのが、正直言って気になったところです。
やっぱり大前提として、棚橋委員が1スライド目に、少子化と財政難だという話があったと思うんですけど、根本はそこだと思うんですよ。東委員の中でかなり改善要望がたくさんあるんですけど、実際国のほうの文科省の補助で手当てされているのは空調の部分だけだと思うんです、今いろいろ見ると。機器の部分とかは、基本的に大規模改修か新築しないと手当てがないので、これだけ入れ替えたいとかといっても補助が基本的にはない。しかも空調の3分の1しか自治体には手当てされてなくて、それも下限上限があるという中で、全部やっぱりできないんじゃないかと。そういう中で、これもできない、これもできないからカット野菜を使ったほうがいいという、調理側の効率的な部分はおっしゃるとおり。そこで衛生的に担保される部分もあるかもしれないんですけれども、やっぱり棚橋委員が最初に言ったとおり、全部否定しているわけじゃなくて、できることを増やしながら衛生管理も守って、かつ給食自体を維持できる仕組み、その中で緩和するものは緩和する、狭めるものは狭めるというのが根底にあるべきなのではないかなというのが、お二人の話を聞いて感じたところです。
すみません、長くなりましたが以上です。
【勢戸座長】 ありがとうございます。
ほかに御発言ございませんでしょうか。
ないようなので、最後に食品安全モニター制度の概要等について、内閣府食品安全委員会事務局より御説明をお願いいたします。
【楠川課長】 ありがとうございます。内閣府食品安全委員会事務局の情報・勧告広報課というところにおります楠川と申します。本日はお時間いただきましてありがとうございます。
冒頭の座長からのお話もありましたとおり、前回3月に開催されましたこちらの有識者会議で、食品安全委員会の擁します食品安全モニターのほうから、現行の学校給食衛生管理基準における食品添加物に関する記載について意見があった旨を御紹介いただいたと聞いております。このことにつきまして、背景も含めて正しく御理解いただければなと思っておりまして、当方より、まずは食品安全委員会そのものの御紹介をさせていただいた上で、食品安全モニターの制度の概要及びいただいた意見の具体的な内容を御説明させていただきたいと思います。
食品安全委員会は平成15年7月に発足しておりまして、食品の安全性に関するリスク評価を主要な業務とする組織でございます。その発端はと申しますと、我が国においてもBSEの感染牛が確認されて、一種のパニックと言えるような状況が生じたところにございます。そのパニックというような状況に至るまでの行政の対応を検証しまして、今後の在り方を検討するという目的でBSE問題に対する調査検討委員会が設置されまして、当時の国際的な情勢というのも鑑みた上で、消費者の健康保護を最優先としてリスクアナリシス、ここではリスク分析と書いていますけれども、我々はどちらかといったらリスクアナリシスという言葉を使うことが多いんですが、リスクアナリシスの枠組みを導入しまして、独立した行政機関でリスク評価を行うことなどが報告書の形で提言されております。
この専門家の提言を受ける形で、食品安全に関する関係閣僚会議におきまして、食品安全委員会の設置と食品安全基本法の制定を内容とします「今後の食品安全行政のあり方について」が決定されまして、翌年には国会審議を経まして、法律が成立・施行しておるというものでございます。
食品安全におけるリスクアナリシスというのは、具体的な対策の検討ですとか、検討の実施等を含みますリスク管理の部分と、リスク評価と、消費者の方々も含めて、意見、情報の交換を行うリスクコミュニケーションという3つのパートを含む枠組み、これによって食品の安全性の向上を図ろうという枠組みでございまして、それが食品安全基本法の第11条から第13条までに、それぞれリスク評価に関する条、リスク管理に関する条、リスクコミュニケーションに関する条というのが設けられているというものでございます。
我が国の食品安全行政において、リスク管理とリスク評価についてどういった役割分担が行われているかを図解したものでございます。例えば、食品添加物に関する使用基準ですとか、食品添加物の規格、あるいは農薬についても使用方法ですとか残留基準の設定、そういったものはリスク管理の領域に属するところでございまして、そういったものを定める際に、食品としての安全性の評価というのはリスク評価、こちらを内閣府の食品安全委員会のほうでやっているということでございます。そのリスク管理機関とリスク評価機関のコミュニケーションもそうですし、関係する方々、業界の方というのもいらっしゃいますし、消費者の方もいらっしゃいます。そういった方々を含めてリスクコミュニケーションをやっていくという形で、食品安全行政が進められているということでございます。
こちらのスライドでは、食品安全委員会の仕事についてリスク評価に焦点を絞ったものになっておりますけど、次に、食品安全委員会の役割についてもう少し詳しく御説明したいと思います。ただいま申し上げました有害化学物質とか有害微生物が人の健康に悪影響を及ぼすリスクについて科学的な評価を行うのがリスク評価でございますが、それ以外にも、リスク評価の結果に基づいて講ずべき措置に関する勧告ですとか、あるいはそれ以外にも意見を述べるといったようなこともできます。さらに実施状況についてのモニタリングというのも行われるということでございます。リスクコミュニケーションについては食品安全委員会だけでできるわけではなくて、消費者庁をはじめとします関係省庁と連携しつつということになりますけれども、リスク評価の内容ですとか講じられる措置等について、様々な方々と意見交換、情報の交換をやっていくということで、意見交換会ですとか、あるいはホームページを通じた情報の提供というのを行っているというところでございます。
そのほか食品安全に関する緊急事態が生じましたら、国の研究機関などの協力も得つつ、迅速に科学的知見の提供を行うといったことも役割として入っております。
それから、最初のところでも御説明しましたけれども、BSE問題に関する調査検討委員会の報告書では、行政に消費者保護を軽視するような体質があったということが1つ反省点として挙げられておりまして、消費者をリスクアナリシスの枠組みにおけるパートナーとみなしてコミュニケーションを重視していこうということが、この報告書の中に書かれております。そういったこともありまして、食品安全基本法の検討の段階から、食品安全行政について意見を提出する食品安全モニターというものを置くというのが方針として決まっておりまして、食品安全委員会の発足とともに、同年度中に最初のモニターを選出して委嘱するといったことが行われております。
食品安全モニター制度の目的等でございますけれども、日頃の生活の中、あるいは業務の中で気付かれた食品安全に関する様々な課題について報告をいただいたり、食品安全委員会の運営について、こうしたらいいんじゃないかというような改善点を提案していただいたりといったことを通じて、食品の安全性の確保に関する施策をより改善する、進めていくということを目的としております。こういった目的で設けられているモニターでありますので、食品に関する一定の知識を有する方を前提としておりまして、資格ということもございますし、業務の経験ということもございますけれども、そういった方々に活動を依頼しております。活動期間は、委嘱する期間は1年なんですけれども、更新もあることにしていまして、最長5年まではお務めいただくことができるような仕組みになっておりまして、定員は全国で470名、実際に450名を超える方々に例年登録いただいているところでございます。
食品安全モニターの方々に我々が期待することなんですけれども、我々と地域の方々とのかけ橋となっていただければということで考えておりまして、地域の方々の声を届けていただくとともに、評価書ですとか行政によってとられる様々な措置などについて、科学的な内容を含んでいるわけですけど、それを分かりやすく伝えてもらうというところもお願いできればと思っております。
もう少し細かく見ていきますと、食品安全委員会のほうに、気づかれた時点で随時様々な提言、報告をいただくという随時報告、食品安全委員会のアンケート調査に対する回答、これは課題報告といいます。それから、様々な研修とかセミナーに参加していただくこと。日常の広報活動ということで、SNSなんかのフォローをしていただくということ。さらには非公開の危害情報がありましたら、それも報告いただくということにしております。
それで具体的にいただいたのが、今このスライドの随時報告に当たるところで、御意見は学校給食衛生管理基準の第3の1(2)の3というところで、学校給食用に購入される食品の選定に当たって、「有害もしくは不必要な着色料、保存料、漂白剤、発色剤、その他の食品添加物が添加された食品については使用しないこと」とされていることに関してです。この文面だけを見ますと、有害な食品添加物が含まれていて、給食の材料としては使用すべきでないような、そういった食品も流通しているとか、あるいは食品添加物はそもそも有害または不必要なものだといったようなことを示唆しているようにも読み取れますので、食品衛生法に基づく我が国の食品添加物の規制の現実とは相容れないということで、食品安全に対するリスクの正しい理解を妨げるものなんじゃないかと、そういった御意見だったのかと思っております。
我々のほうでは、いただいたものは、学校給食の安全そのものに対する意見ということじゃなくて、リスクコミュニケーションに関する御意見として整理させていただきまして、文部科学省さんのほうに回答をお願いしておりました。そうしましたところ、いただいたこちらの部分の記述というのは、食品衛生法に基づく規格基準に適合する食品の中に安全でないものがあることを示唆するという意図ではないんだけれども、今やられているような別途基準の見直しが予定されているので、その中で関係府省と相談していきたいといったような趣旨の御回答をいただいておりまして、本日に至っているというものでございます。
ちなみに最後に申し上げますと、我々の食品添加物の関わりというのは、消費者庁からお寄せいただいた案件について、食品健康影響評価に関することにとどまりますので、例えば食品添加物の基準の設定に関すること、あるいは現場での監視に関することについては、それぞれより詳しいお話をということでしたら、改めて消費者庁とか厚生労働省のほうから御説明いただければと思っているところでございます。
私からは以上でございます。
【勢戸座長】 御説明ありがとうございました。食品安全委員会事務局から、食品安全行政の概要、学給給食や衛生管理基準に対して寄せられた随時報告の内容について御説明いただきました。
それでは、ただいまの御説明内容について、御発言のある方がいらっしゃいましたらZoomの挙手ボタンを押していただくようお願いします。質問等はございませんでしょうか。
では、私のほうで、食品添加物が悪者であるというような間違った表記をただすということを忘れないように、改定に挑むということでよろしいでしょうか。
【楠川課長】 そうです。私どものほうからお願いするようなことではないんですけれども、意見の趣旨というのはそういうことだったのかとは思っております。
【勢戸座長】 分かりました。肝に銘じて修正いたしたいと思います。
ほか、何か御発言ないでしょうか。
それでは、ないようなので、議題1についてはここで終わらせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、議題2に入ります。関係団体等からのヒアリング等の実施について(案)です。まずは資料5に基づき、事務局から説明をお願いいたします。
【矢野課長補佐】 事務局でございます。ヒアリングの実施案について、資料4を基に御説明させていただきます。
前回の会議の中で、ヒアリング対象につきまして、委員から何か御提案があればということで御意見を募りましたが、特にございませんでしたので、事務局のほうで案をまとめまして、今回審議に諮るということにさせていただきました。
今までも議論されていたり、あるいは委員の御所属の関係から、カテゴライズしますと、学校関係者と生産者団体、あるいは消費者団体というところに大別できるのかなと思っておりまして、世の中にあまた団体自体はあるわけですけれども、やはり給食に特に関わりの深い団体様に御意見を聴取しようかというところで選出をさせていただいたところであります。さりとて時間が無制限にあるわけではございませんので、この委員会で対応できる時間ということで、案として次回、次々回の会議において、3団体ずつ各15分間程度、ヒアリングを実施しようかというふうに考えた次第でございます。それ以外の関係団体様には、書面で意見聴取をするということで考えております。つまり、こちらから御意見につきまして調書をお送りして、そのペーパーを基にヒアリング同等の意見書のようなものを御提出いただいて、それを基に議論いただくというような形で考えておるところでございまして、実際のリアルタイムのヒアリングの対象はこの6団体、書面で御意見をお寄せいただこうと考えておりますのがこの4団体というところで考えておるところでございます。まず、学校関係者ということで学校栄養士協議会、現場の栄養士、学校栄養職員、栄養教諭の団体でございます。生産者団体ということで、米飯の委託炊飯をされている業者団体の日本炊飯協会、パンの製造者の集まりであります全日本パン協同組合連合会、牛乳関係で一般社団Jミルク、農林水産物の関係で、いわゆる農協さんです。水産物のところでは大日本水産会にお願いをしようかと。
書面による意見対象とはそれ以外のところでありまして、給食の食材卸の団体様であるとか、消費者関係の団体様に意見聴取をお願いしようかというふうに考えておるところでございます。
説明としては以上です。
【勢戸座長】 ありがとうございました。事務局からは、限られた会議時間を有効活用しつつ、学校給食関係者からの意見を幅広く反映させるため、会議でのヒアリングと書面による意見聴取を実施する方針について御説明いただいたほか、それぞれの体制についても案を示していただきました。
それでは、ただいまの事務局からの御説明について御発言のある方いらっしゃいましたら、Zoomの挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。
【川村座長代理】 川村です。よろしいでしょうか。
【勢戸座長】 はい、川村先生どうぞ。
【川村座長代理】 そうしますと、その形式は15分でヒアリングということは2・4、6団体の皆さんに御意見をこの場で発言してもらって、また、今日のような形で、そこについて私たちが質問というか、ちょっと聞いてみたいなということで進むということでよろしいでしょうか。
【勢戸座長】 事務局、お願いします。
【矢野課長補佐】 御指摘のような形で考えております。
【川村座長代理】 ありがとうございます。
【勢戸座長】 よろしいですか。
【川村座長代理】 はい。
【勢戸座長】 では、ほか、御発言ございませんでしょうか。砂川委員、お願いします。
【砂川委員】 国立感染症研究所の砂川と申します。いろいろ勉強になって、ありがとうございます。
今日、学校給食現場の方々の御意見をお伺いしながら、特に人手が足りないであるとか、あと、労働衛生としての環境の悪化であるとか、そういう単に衛生の観点だけではなかなか解決が難しいような、そういった場面も多々あるんだなということがよく分かりました。今の御説明は、いわゆる次にヒアリングをしていく対象の御提案があったというふうに思うんですけど、私は学校現場の方々の御意見をもうちょっと聞いたほうがいいんじゃないかというふうな、今日そんな印象を持ちました。今挙げられている人たちを聞かないという意味ではなくて、もうちょっと現場の状況についての情報をいただいたりしてはどうかと思いました。
その観点で、先ほど労働衛生みたいな話をしましたが、ちょっと私、専門外なのでとんちんかんなことを言っているかもしれませんが、労働衛生であったりとか、いわゆる施設の老朽化みたいなところもあったりしたので、そういったあたりの専門に研究されているような方がいないかとか、そういう本質にちょっと突っ込んでいけるような情報をもう少し深掘りしてもいいんじゃないかというところは、ちょっと感じたところです。なので、御意見申し上げました。
以上です。
【勢戸座長】 砂川委員、ありがとうございます。
ほか、御発言ございませんでしょうか。ないようなんですけど、現場はそれぞれ内容が違うので、これが正解という意見も僕は聞けないと思うんで、たくさん聞いたほうがいいとは思うんですけど、時間的なものもありますから、その辺は現場の棚橋先生、伊東先生からもうちょっと情報をいただけたらと思います。
ほか、ないでしょうか。いいですか。それでは、棚橋委員、お願いします。
【棚橋委員】 失礼します。先ほどからたくさんの委員の先生に御意見いただいているんですけれども、私、本当に今日は東委員からのちょっと報告を受けまして、全てに通ずるところかなと思うんですが、やはり衛生管理基準に書かれていることの解釈の個人差というのが非常に大きいのかなというふうに感じました。東委員の資料、御発言具体的にいただいていないところですが、ちょっと書類のほう見せていただいている、目で追っていく中でも、こんなことが起こっている現場があるんだというようなことも書かれていたりしますので、この辺りがやはり解釈が統一されるような感じにアップデートできたらいいのかなというふうに考えているところです。
また、ちょっと話は戻ってしまうんですが、私が検収の作業のところで一例として出させてもらいました、栄養教諭が必ず検収をしなければいけないようなところは避けていただきたいというところで、ただ、配送のところとかそういったところでも現在大きな課題もたくさん出てきていますので、やはりこの辺りは前日納品を可能にしていくような表記をもう少し書くような、そういったところでの総合的に、それぞれのお立場の方がうまく御勤務いただけるような形に仕上げていけたらいいのかなというふうに考えているところです。
また、学校現場のほうの状況であれば私ももちろん発言はさせてもらいますし、伊東委員のほうもよく御存じかと思いますので、その辺りで御発言させていただきながら、様々な業種の方々から、現状のほうを聞かせていただけたらなというふうに思っています。ありがとうございます。
【勢戸座長】 ありがとうございます。
ほかに御発言ございませんでしょうか。ないようなので、議題2については以上とさせていただきます。
ヒアリング及び書面による意見聴取、それぞれの対象については、本日皆様から頂戴した御意見等を踏まえ、座長に御一任させていただき、ヒアリングの日程と併せて事務局と調整させていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【勢戸座長】 では、異議がないようですので、ありがとうございます。
それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。貴重な御意見等をいただきまして、ありがとうございました。
最後に、次回の予定について、事務局より御説明をお願いします。
【矢野課長補佐】 事務局でございます。
次回の会議につきましては、事前に御連絡させていただきましたとおり、8月27日木曜日を予定しております。開催時間につきましては調整の上、改めて御連絡させていただきます。
以上です。
【勢戸座長】 それでは、以上をもちまして、本日の会議を閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――
文部科学省総合教育政策局健康教育・食育課