令和8年3月25日(水曜日)15時00分~16時30分
WEB会議にて開催
【荒瀬座長】 では、定刻となりました。ただいまから第3回高等学校教育の振興に関する懇談会を開催いたします。御多用の中、本日は御出席いただきまして誠にありがとうございます。
いろいろと調整が必要なことがあったということで、少し会議の開催が間遠になっていたのでありますけれども、今日こうしてお集まりいただきましてありがとうございます。
最初にお断りしておかなければいけないんですけど、私も今日は実は京都からオンラインで参加しておりますが、ちょっと雨のせいかもしれませんけど電波状態が悪いですので、もしも途中で音が聞こえづらくなったりとか画像が怪しくなったりすると画像は消して、音声の場合はちょっと進行に関わりますので、度會参事官補佐に進行をお願いすることにしておりますので御了解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
この懇談会でございますが公開が原則であります。本日も報道関係者や一般の方向けにユーチューブで配信しておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
では、配付資料につきまして、度會さんから御説明をお願いいたします。
【度會参事官補佐】 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の議事、配付資料は議事次第のとおりとなっております。
資料について不足等ございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
以上になります。
【荒瀬座長】 本日の議事は3つです。議事次第に示されているとおりなんですけれども、いずれも非常に大きな内容になっておりまして、ともかく今後、こういったことについて議論をしていくことが必要であることは間違いないわけなんですけれども、本日、どの程度まで突っ込んで話ができるかというと、これはなかなか難しいところがあるかもしれません。とりわけ最後の高等学校入学者選抜については少し時間的な、ゆとりといいますか、ない可能性もありますので、いずれにせよ、今日で終わりではないということで進めていきたいと思います。
では、まず議題の1、高校教育改革についてでありますが、橋田参事官から御説明をよろしくお願いいたします。
【橋田参事官】 高校担当参事官の橋田でございます。それでは資料1-1をベースに、まず、高校教育改革に関するグランドデザインの概要のポイントのみ御説明いたします。
前回の懇談会での委員の皆さんの御意見ですとか、その後の関係団体等のヒアリング踏まえまして、去る2月13日にグランドデザインを公表したところでございます。こちらの1ポツのこの背景・必要性にございますように、2040年には少子高齢化、生産年齢人口の減少等が一層深刻化し、労働力需給のギャップが生じる可能性が指摘されていると。こうした中、生徒の可能性を広げ、能力を伸ばしていくことが重要であり、ひいては我が国の経済・社会の基盤を強いものとしていくことが求められているところでございます。こうした社会変化に対応する教育を首長や産業界、大学等と連携協働しながら進めるため、その共通のビジョンとしてこのグランドデザインを策定したところでございます。
2ポツの高校改革の方向性にあるとおり、視点1、AIに代替されない能力や個性の伸長のため、好きを育み、得意を伸ばす機会の確保、スクール・ポリシーを踏まえた教育活動の改善、公表などの内容になっております。
視点2では、経済・社会の発展を支える人材育成のために、探究・文理横断・実践的な学びの充実、専門高校の機能強化・高度化、さらに視点3では、多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保のため、都道府県の実情等に応じた学校配置・規模の適正化、小規模校を含む遠隔授業等の推進などを示しているというところでございます。この3つの視点を重視しながら高校改革を進め、さらには大学、大学院に至る一貫した改革に取り組むこととしております。
2ページを御覧ください。本グランドデザインを踏まえ、都道府県において実行計画を策定いただきます。国としては、その計画を着実に実現できるよう安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築にも取り組むこととしております。これに先立ち、令和7年度補正予算においては高校教育改革のための基金を都道府県に造成し、パイロットケースとして改革先導拠点の創出、取組の成果の普及にも取り組むことにしております。
また、中ほどでは新しい学校のイメージやその取組例を示しておりまして、専門高校の機能強化・高度化、普通科改革、地理的アクセス・多様な学びの確保等に取り組むことにしております。このような取組の一環としてグローバル人材育成支援、学校と地域が連携・協働した学力向上・学習支援も取り組むことにしたいと。
さらに下にございますように、2040年までに達成を目指す目標として職業教育の高度化、普通科の在り方の転換、多様な学びの確保に関する目標値、こちらを設定しているところでございます。
3ページを御覧ください。こちらは高校改革の基金、前回も紹介させていただいたところでございますけれども、令和7年度補正予算において3,000億を計上し、3つの類型として改革先導拠点を進めることにしております。
資料の5ページを御覧ください。こちら、基金のほう、現在、公募を開始しておるところではございますけれども、資料の6ページをお願いいただければと思いますけれども、この公募を開始いたしまして事業計画を募っているところでございまして、今後計画が作成され次第、また準備、審査を行い、採択をしていくことで予定しております。
7ページを御覧ください。こちらは、省庁関係の事業になりますけれども、今回新たに令和8年度地方財政計画において、地方団体が地域の実情に応じ、人材育成に向けた取組を進められるよう高等学校教育改革等推進事業債、これも新たに創設することになっております。こうした事業も有効活用いただきながら、今回、令和8年度地方財政計画等を見据え、以上が御説明でございますけれども今後、グランドデザインに基づく取組、また様々展開されることになりますので、ぜひまた皆さんからこうした状況の中、今後の取り組むべき内容や課題等について御指摘いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
これまでにもお聞きした御説明もあるわけですけれども、ただいまの御説明を踏まえて、意見交換の時間を今から20数分だけなんですけれども設けたいと思います。皆様から御意見ございましたら、ぜひお願いしたいと思いますが、少しの間、度會さん、進行よろしくお願いいたします。
【度會参事官補佐】 もし御意見や今後どう進めていったらいいかなど、そのアイデアなどがありましたら御意見をいただきたいと思います。
今城先生、お願いします。
【今城委員】 ありがとうございます。アイデアではないですけども、ちょっと現状を伝えさせていただきたいなと思っています。
高知県議会、昨日、終わりまして、高等学校等教育改革促進基金について本県でも基金の条例の設置、それから6,000万円の予算の繰入れということで議会に上程をしまして、昨日承認をいただいたところです。この基金によります公立高校への支援ということについては大変ありがたく、お礼も申し上げたいなと思っています。
ただ、3類型のパイロットケースの創出と、それから実行計画については、本当に現在、我々事務局内で作業中ではありますけれども、時間的には非常に厳しいというのが正直な感想です。特に施設整備の予算の積算ですとか、それから関係者との協議というものには時間を要しています。
また、実際に取り組むとなった場合にも、施設整備に要する期間というのは基本設計、実施設計、それから建築から完了ということまでには相当期間を要するということで、令和10年度までの完成というのは相当無理が生じるのではないかなということを危惧しています。
これにつきましては、我々も別途要望もさせていただきたいなということを考えています。ただ、本県でも精いっぱい取り組んでいまして、この2月には知事と一緒にやっております総合教育会議でも共有をして、それからこの4月からは産学官の会議を立ち上げることとしていまして、とにかくオール高知でやっていこうというところまでは来ていると、ちょっとそういった現状がございます。
以上です。
【度會参事官補佐】 ありがとうございます。
今回の取組に関しては、おっしゃったように総合教育会議や産業界との連携など、県を挙げて取り組むということが重要になってきます。かねてより高知県さんにおかれては、いろいろとアイデアや、これまでも御要望とかをいただいたりしてきたところでございますので、我々としても都道府県の取組、伴走しながら進めていきたいと思っておりますので、一緒に足並みそろえてやっていければと思っております。
ほかに御意見などありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
岩本委員、お願いします。
【岩本委員】 岩本です。よろしくお願いします。声、大丈夫でしょうか。
先ほどあった話とちょっとつながるんですけど、私も今、いろいろな都道府県の教育委員会さんといろいろ相談に乗らせていただきながらやっていて、一番皆さんが苦労して困っているのが、この3年間の結構厳しい期間の設定が、本当はいいことを、本当に価値あることをやりたいと思っているんだけど、この期間までに終わることで何とかしなきゃいけないということで、すごいハードルを、ハードルというか、それによってもう仮設の何かものしかつくれないんじゃないかとかって言っているような状況というのが、何というか、両手の指では数え切れないぐらい聞く話なので、ちょっと今から難しい部分はあるとは思うんです。何とかちょっとここを弾力的にできると、より効果的な税金の使い方とかになるのではないかというのが1つ目です。
2つ目が、今回5月15日ですかね。申請締め切って審査に入ると思うんですけれども、そこで必ずしもみんながみんな、全部が採択されることではきっとないんだろうとしたときに、ぜひその再チャレンジの機会というか、を作っていただくのがいいかなと思いますし、その際には今回、2月申請、3月申請、そして5月申請と3回用意されていましたけど、例えば、そういったような形で7月申請、8月申請、9月申請とかあって、仮に7月でちょっとうまくいかなかったら、また次、8月の申請にも出せるとか、9月の申請にも出せるとか、何でしょう、PDCAをやっぱり短い時間でも何度も回転できるような形だとかですと、それぞれ企画側がその審査のプロセス通して磨き上げられていくところになるかなと思いますので。
ちょっとそういったところの、何ですかね、いいか悪いかを決めるというより一緒にこの都道府県の高校教育改革を育てていくというかですね。そういったスタンスでのプロセス設計とかがもし可能であれば、恐らくそっちのほうがいいのではないかなと思いますというのが2点目です。
3点目が実行計画の策定のところで、高知県さん、もうすばらしい動きをされていて、もうまさに高知県さんのつくり方とか、モデルになっていくんじゃないかなと、ちらっと聞いただけで思ったんですけれども、やはり今回の高校教育改革はどうしても高校の中の話、高校だけでできる話ではない部分ですね。産業界、高等教育機関とか、そういったところとの連携、協働もそうですし、人材育成システム改革のような発想となると、もう教育委員会の範疇を超えていますので、ここはやはり知事のリーダーシップとかコミットメントが非常に重要になってくるところかと思いますので。
先ほどあったような、例えば総合教育会議の下でつくっていくとか、産官学で入っているような協議会で議論を進めていった中で、できれば高校生とかの声なんかも拾いながらだと思うんですけれども、つくっていった計画が結果的に、この計画の実行を、教育委員会さん頑張って、各高校さん頑張ってという教育委員会や高校任せになる計画ではなく、そこに産業界はどういう役割やコミットメントというか、で果たしていくのかとか、小中学校の教育もかなり、進路指導とかキャリアの考え方とか、もっと保護者さんの意識だとかも変わっていかないと難しい部分というのが、専門高校の割合を増やすにしろ、理数系を学びたい子たちを増やすにしろ、高校だけではできないところですので。
そうすると小中の話になると、例えば市町村の役割だとかというところも出てくるかと思いますので、今回、高校教育改革の実行計画と狭く捉え過ぎずに、その県、都道府県の人材育成システム改革の計画だというぐらいのところで、小中学校、高等教育機関とか、産業界、それぞれの役割だとかを含めてしっかりと計画して、高校だけが頑張って、でも、周りはついてきてなくて、最後、割を食うのが高校側、やった側だみたいなふうにならないような作り方になるように、ぜひ実行計画の作り方とかつくるものを示すときに国からもそういったような視点で投げかけていくとか、知事だとか、そういったところも含めて、参画をしやすいつくり方というところを設計していただけるといいのかなと思います。
すいません、一旦、以上です。
【度會参事官補佐】 とても重要な視点をいただいたと思っております。申請に当たって、基金という性質にもなりますので、そこのなかなか難しさというものが一定ございますけど、いただいた今の申請のサイクルで今のところ、2月、3月、5月に期限を設けてやっております。
岩本委員から再チャレンジのお話もいただきましたけれども、我々としても、どう各県の取組をブラッシュアップしていったらいいかとか、その辺も含め伴走しながらだとか考えて、いただいた御意見も基にどういうサイクルだとか、チャレンジの機会というものを考えていけるか、また検討していきたいと思います。
また、いろいろ高校、教育委員会だけではなくて、産業界、高等教育機関、地域の方々、また高校生の実際の声というものを含めて考えていかなければならないと思いますけれども、そういったところに我々としても、いかに入っていけるか、アドバイスや伴走していけるかというところが大事だと思いますので、いただいた御意見を基に、また、いい取組になるように考えていきたいと思います。
ほか御意見ございませんでしょうか。どんな御意見でも大丈夫でございますので、どうぞよろしくお願いします。
【荒瀬座長】 復活しました。
【度會参事官補佐】 先生、よろしくお願いします。
【荒瀬座長】 度會さんありがとうございました。
度會さんから御意見はということが聞こえていましたが、なかなかこれ、今、出しづらいかもしれませんが、いかがでしょうか。
【田村座長代理】 すみません、田村です。
本当に私も、この基金自体はありがたいんだけれども、やっぱり申込みまでの時間が短くて、すごくそれでわらわらしているというお話は聞こえてきております。せっかくのかなりの予算ですので、もう本当に具体的じゃなくて申し訳ないんですが柔軟に、申込みの期間も先ほど岩本委員がおっしゃったことに賛成で、申込みの期間や方法についても、それから予算の運用についても、ぜひとも柔軟な方向に持っていただけますようにお願いできればと思います。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。本当に大きなお金なので、使わなければもったいないではなくて、これを使って本当にどんなことをしていくのかというのをちゃんと考えて使っていかないと、あまり意味のないお金になってしまったら、そちらのほうがとても本当残念ですので、ですから、そこのところはおっしゃるように各自治体がしっかり考えられることができるようにというか、考えてもらわなければならないですよね。
いかがでしょうか。どうぞ今村委員、どうぞ。
【今村委員】 すいません、私ちょっと、岩本さんの御発言の途中に入ってきたので、もしかしたら重複していたり、もうこの話は終わったという内容かもしれないので、僭越ながら、恐縮しながらお話しするんですけど。
この基金のところなんですけど、結構今、いろんなところから、何ていいますか、幾らぐらいで仕事してくれるの、みたいなお声がけをいっぱいいただくことが増えまして、とにかくお金いっぱいあるから、カタリバさんでやりたいことって何千万ぐらいでやってくれるのか、ちょっと言ってくれて企画書をくれれば、それ全部盛り込んでおくからみたいなノリの取りまとめをしている方々からの声がけをいただいたりすることがあって。
そもそも本当はどういうビジョンの下で、どういう県立学校、公立学校としての位置づけをどういうふうに県としてはしていきたいからという、そのビジョンとか、そのストーリーと、みたいなものがあって、そこをやっぱりみんなでちゃんと、心からこれだというものを考えていただいて、それを裏づけるようなコンテンツとして、アプリケーションとして乗ってくるものは、こういうレベルのことだと思うんですけど、それら全てをそろえて今回出さなきゃいけないと思って焦っている人たちから、ビジョンとかストーリーよりもとにかく盛り込んじゃおうみたいな、そういう産業界の動きにちょっと不安を感じています。
あとは、取りあえず直さなきゃいけなかった施設も今回を機に直そうみたいなノリのところのお話も聞いたりもしていたので、どうしたら本当の意味で今回良いモデルとなるものをつくれる熟議の場が各県で行われるのか、そのメンバーは誰なのか、教育委員会が持ち帰って取りあえず盛り込んで、いろんなアプリを乗せたものを申請する形ではないものに持っていけるような、そういうメッセージの発信と、そういうことじゃないということを発信していただきたいなと思っていました。
プラスして、その期限についても、そういうやり方だったら急がなくていいということも制度的に整えたほうがいいかなということも私も感じました。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
期限については、これ、なかなか難しい問題がきっとあるんだと思うんですけれども、今回でおしまいにしないというのも何か大事なんじゃないかなと思っています。各県がこういう大きなお金を渡されて、自由に考えていいよって言われるのは今までなかったことですよね。ですから、そのなかったことをやるのに、どうしたらいいんだろうって思うのは当たり前のことで、慌てない県があったとしたら、それがよっぽど不思議なぐらいで。
ですから、これまで考えたことがたくさんあるという県もあるでしょうけれども、やっぱり一番多いのは、どうしたらいいんだ、急にこんなこと言われて、どうしたらいいんだということで、慌てていらっしゃると思うんですよね。だからその中で少しずつ動きが見えていくだろうから、可能な限り、待てるだけ待つということは一つ非常に大事なことなんでしょうね。それを皆さん、おっしゃっているんだと思います。
というのと同時に、これだけでもう終わってしまうんじゃなくて、こういったことを振り返って、また、よりよいものに、まさに省察をして、工夫改善をして、次に生かしていくようなことができるようにしていかないと、本当に生きたお金の使い方にならないということも思いますので、その辺りも含めて、ぜひ今後検討していただければと思います。
すいません。青木委員、どうぞ。
【青木委員】 基金事業の話だけじゃなくていいんですよね、という理解でお話します。
まず、基金の話題が出ましたので、政策手段としての基金、前回もお話ししましたが、今回のこの基金であれば3年という期限が切られていますので、とにかくそれを使い切ることを想定された制度設計というか、政策の選択をしているわけでありますので、やっぱり基金事業の申請、応募、採択で国が手を離さないように、伴走支援って言葉がありましたけれども、使い切るところまでしっかり支援をしていただくのが国に対しての私の意見というか、お願いになります。
そうなりますと、やはり高校教育政策において国と地方の関係というのは、これまで自主財源で都道府県が基本的には任されていたことが多いわけでありますので、先ほど荒瀬先生がおっしゃったように、都道府県としてもいろいろ悩むことが今後も基金事業採択された場合にもあるわけですので、国と地方の関係の高校教育において、どういう関係、あるいは、どういう制度上、関係を結んでいけばいいのかというのを、国としても基金事業をつくったから、採択したから終わりではなくて、継続的に模索していただければなと思います。
少し抽象的な話になりますけれども、2040年プランというのは各省庁でいろいろ出しているわけですけど、今回、高校教育でいうと2040年に高校生になるということは今年、去年あたり生まれた子供ですよね。そうすると、そういう子供たちって、かなり多くの子たちが22世紀を目撃する世代になるんですよね。なので、そういう「世代感」の子供たちにどういう高校教育を提供するのかというのは、今の現役世代にとっては非常に重要な課題を引き受けているんだなと思います。
その意味で、どういう人を、どういう人づくりの政策なんだろうかって考えた場合に、アドバンスト・エッセンシャルワーカーって言葉があるんですが、それに近いものとして例えば最近、アメリカではブルーカラーミリオネアという言葉が注目されていたりとか、伝統的にドイツではマイスターという、職人がいわゆるホワイトカラーの上級職的な人と同じだけの収入を得る社会的地位が約束されているわけですので、日本社会において、どういうキャリアを歩んだら、どういう収入が確保されるのかみたいなこともやっぱり高校教育を通じた人づくりで重要な観点になると思います。
その意味では、やはりステークホルダーが、高校教育界隈だけじゃなくていろんな産業界との連携が必要だろうなというのは、非常に理解できるところでありますし、国と地方の関係について私、申し上げましたが、これまで文部科学省と県教委が一応は関係を結びながら高校教育を進めてきたとするならば、国としても、例えば地方債、総務省所管で高校教育にコミットするようなことも含めて、国と地方の関係が文部科学省と県教委の関係ではないんだというようなことで、どういう関係を文部科学省起点に構築していくのかというのは非常に大事な観点になろうかなと思います。
最後なんですけど、今回、公立高校改革ということで、これだけ大きなお金が措置されたのは非常にいいことだと思いますし、私立の無償化というのも同時に進められていると。そうすると世界的な基準で言えば、私立高校も高校教育を担う両輪の一つでありますので、例えば今回の基金のプランでも出ているように、多様な教育ニーズとか地方人口減少地域での教育ニーズというものを公立高校だけが引き受ける構造は、これ、果たしていいのかということですね。私立にもどういうふうに協力していただくのかというのは、一方でやっぱり必要な観点ではないかなと思います。
以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
最後おっしゃったことを含めて、今回の決定、だからとっても大きな話ですけれども、この大きな話でおしまいにするんじゃなくって、これを本当にスタートとしていろいろ議論していく必要があるということなんでしょうね。
考えてみたら我々のこの会議も今、懇談会という名前になっていますけれども、高校ワーキングというのは既にこれまで2回ありましたし、高等学校教育部会というのも中教審に置かれたこともありましたし、高等学校をどうしていくのかは本当に非常に重要なテーマなんだけれども、なかなか共通言語が見いだせないといいますか、生徒にとって何が重要か、考えを進めていく上でも今回のことを一つの契機にしていくことが大事なんじゃないかなということを改めて感じました。ありがとうございました。
いかがでしょう。いろいろと御意見出ましたが、事務局、橋田参事官、何かございましたらお願いします。
【橋田参事官】 御意見ありがとうございました。
基金の関係で申しますと、資料の十分説明できませんでしたけども、資料の5ページのところの公募概要にもう少しお示ししておりますけれども、今回の取組の中では各都道府県、グランドデザインを踏まえて都道府県の人材育成上の課題、これをきちんと設定いただくと。これは当然、人口動態ですとか産業構造の変化を踏まえて、そういうものをしっかり踏まえた上で企画立案いただくということで、まず、それが出発点となって、その中で当然、総合教育会議等で活用しながら、産業界、地域、大学とまさに一体となって取り組んでいただく発想でやっております。ですので、まさに教育改革、何のためにこの教育改革に取り組むかという中での様々な環境整備、それをしっかり考えていただきたいというところになります。
その上で、先ほど来、3年間の期限のお話ありましたけれども、今回補正を計上するに当たって高校無償化に伴う公立高校への影響というのも懸念される中で、補正予算で3,000億、基金、取れましたけども、やはり政府全体としての基金ルールというのが3年間というところと併せて早期執行というところも一方でございます。
そうしたはざまの中で、私どももこの間、全都道府県との個別相談会ですとか、プラスしての再相談会含めて、この趣旨をお伝えさせていただいたり、そうした中でまた今、各県、いろいろ工夫しながら一方で悩みながら、この申請に向けての準備をされているものと認識しております。
この申請の、この後の展開というところでございますけれども、私ども、これ、しっかりとした審査を踏まえて採択の決定をしたいと思っておりますけども、再チャレンジの機会は何かしら設けさせていただくことを考えておりますけれども、これがどのような形になるかというのはしっかり追って整理の上、アナウンスができるようにしたいと考えております。
いずれにしても、この改革そのものがグランドデザイン、あるいは基金の3年間で終わるものではございませんし、ここにも説明したとおり、今後また交付金等の新たな財政支援も含めてしっかり考えていかないといけないところもございます。そうした中で本日の先生方の御意見、また各県の状況も踏まえながら、またこれが、継続的に取組が進むよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。
以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
申請の再チャレンジ、どういう形か分からないけれども、検討したいというお話でしたし、また、今後の交付金のお話も御説明いただきました。本当にこれからどうしていくのかというのを、これはいつまでもずっとだらだら続けるという話じゃなく、本当にきちんとスタートラインを、しっかりとみんなで共有しながら始めていって、どういう在り方がいいのかというのをいろんな段階で話が行われていますよね。そのいろんな段階の話が行われているのを一つ重ね合わせて、じゃ、どうしていくのかみたいなことに行く場面がきっと近い将来、出てこないといけないんだろうなということを思いました。ありがとうございます。
それでは続きまして、議題の2に移りたいと思います。通信制高校についてであります。
こちらも橋田参事官から御説明をお願いいたします。
【橋田参事官】 今回の懇談会の検討事項の中で、通信制高校に関わる内容もこちらの懇談会の検討事項とさせていただいておりましたけれども、現在、次期学習指導要領に向けた検討、これ、全体の中で検討がなされているところでございますけれども、通信課程の取扱いについては懇談会の委員の皆様から様々な御意見を踏まえた上で、論点、方向性を整理して、これを今後、教育課程部会総則・評価部会の議論につなげていきたいと考えております。本旨は、そういう前提の下で通信制高校の現状、また論点について御説明させていただいて、今後の方向性についてぜひ御意見を賜りたいと考えております。
その上で、この資料の2ページでございますけれども、現状のところで申しますと通信制高校の数が全体として増加傾向にあると。特に私立高校、私立の通信制の校数が大きく増加している状況でございます。
3ページでございますけども、特に今、広域通信制高校の学校数ですけれども平成10年以降、急激に増加しておりまして現在133校になっている状況でございます。
4ページでございますけれども、こちら、通信制の生徒数についても特に私立の生徒数が大きく増加しているところでございます。
5ページでございますけれども、在籍する生徒の就業状況でございますけれども、まず、上のグラフ、青の正社員就業者の割合が減少する一方で、特にこの下のデータにございますように不登校経験を有する生徒さんですとか、多様な生徒さんの実態がうかがえる状況にもなってきているところでございます。
その上で6ページでございますけれども、こちらは通信制課程の概要でございます。もともと勤労青年に高校教育の機会を提供するものとして添削指導、面接指導、試験の方法により教育を実施しているというところ、また、これらに加えて多様なメディアを利用した指導を行うことができることになっているところでございます。近年では先ほど御説明したとおり、多様な生徒に対して教育の機会を提供している面があるところでございます。
右下にございますように、教育課程の特例といたしまして各教科・科目の添削指導の回数、面接指導の単位時間の標準を示しているところでございます。さらに多様なメディアを利用して行う学習を計画的かつ継続的に取り入れて指導を行った場合には、面接指導等の時間数のうち10分の6以内の時間数を免除することができること、さらに生徒の実態等を考慮して、特に必要がある場合は複数のメディアを利用することにより、合わせて10分の8以内の時間数を免除できる仕組みになっているところでございます。
7ページでございますけれども、広域通信制について点検調査を通じて明らかになった不適切な事例、事案を少し整理したものになっております。例えば面接指導の回数が不足している、添削指導、面接指導内容がふさわしくない、相当する教員免許を有していない者が指導を行っていたなどの事案が見られたところでございます。
その上で8ページでございますけれども、これまで文科省としても質の確保・向上のために、例えばこうしたガイドラインを定め、主体的な学校運営改善のための取組や所轄庁における指導監督の際に参照すべき指針を示しているところでございます。学校の管理運営に関する事項と併せて、右側にございますように教育課程等に関する事項も示しているところでございます。
9ページでございますけれども、こちらは認可基準の標準例といたしまして所轄庁の設置認可の際に特に確認しておくことが望ましい標準的な事項を示しております。立地条件、名称、規模、通信教育を行う区域、教職員組織、10ページには施設設備、通信教育の方法等に関する内容を示しているところでございます。
11ページを御覧ください。こちらは、いわゆる高校無償化に関する三党の合意でございます。この中では私立の通信制について支給上限額を33.7万円に引き上げる一方で、通信制高校における管理運営の適正化、質の確保・向上ということで情報公開の徹底、点検の強化等の内容が盛り込まれているところでございます。併せて議員立法の関係の動きになりますけれども、早急に定時制教育及び通信教育振興法の改正といった内容も盛り込まれているところでございます。
12ページはグランドデザインの通信制高校の基準になっておりまして、ガイドラインに基づく都道府県の継続的な指導助言等について盛り込んでいるところでございます。
13ページ以降は検討の方向性というところでございますけれども、14ページ、検討の前提というところですけれども、通信制高校を取り巻く状況というところで、先ほど御説明したような状況がある中で、一人一人の個性や実情に応じて多様な可能性を伸ばす、多様性への対応を図りつつ、義務教育において育成された資質・能力をさらに発展させながら、自立した学習者として社会で生きていくために広く必要となる資質・能力を身につけられるよう、共通性の確保を併せて進めることが必要であること。さらに、生徒が人間関係を築きながら社会性を育み、自分のよさや可能性を認識し、多様な人々と協働する機会も充実させていくことが重要であると示しております。
その上で教育の質の確保・向上といたしまして、通信制課程における教育、添削指導や面接指導などにより行われますけれども、全日制、定時制課程と同等の学習が求められるものであり、学習指導要領において各教科・科目の添削指導の回数、面接指導の単位時間数の標準を示しているところでございます。各学校においては柔軟に具体的な回数や時間を設定し、十分な学習量を確保する必要があるところでございます。また、教師と生徒、あるいは生徒同士が直接関わる機会の充実を図ること、多様な背景を有する生徒への対応が重要になっているところでございます。
一方で、先ほど来説明したとおり、依然として不適切な学校運営等が指摘される高校も存在する中での質の確保・向上のところを図っていく必要があるところでございます。これらの全体を踏まえまして、通信制課程における学びを実質化させるための改善と、通信制高校には多様な背景を有する生徒が多く在籍している現状のバランスを考慮しながら、具体的な教育課程の在り方を検討していくような内容を整理させていただいております。
15ページでございます。こちらは平成30年改訂での主な改訂部分、右側、特に赤字部分で示しておりますけれども、当時は学校設定教科に関する科目のうち、専門教科・科目以外のもの、また、総合的な学習の時間の添削指導の回数、面接指導の単位時間数について、1単位につきそれぞれ1回以上、及び1単位以上確保した上で各学校が適切に定めるものとしております。
さらに、いわゆるメディア減免の取扱いについては、生徒の実態等を考慮して、特に必要がある場合にこういった免除ができること、さらに免除する場合には添削指導、面接指導との関連を図り、学習評価の充実に関わる内容でございますけれども、これの内容にも配慮しながら、本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう十分配慮しなければならない、そういった見直しを前回改訂では図っているところでございます。
その上で18ページを御覧ください。こちらは通信教育の状況について現在、文科省で調査を集計している最中でございます。その暫定版・調整中のデータを本日の会合に準備させていただいたものとなっております。
その上で、例えば現代の国語でございますけれども、こちらについて各校で定める添削指導の回数、大半が標準回数の3回となっているところでございます。また、添削課題の1回当たりの設問数でございますけれども、緑にございますように、この20から29問のところが約36.8%となっている状況でございます。
また、右側の記述式問題の設問数のところでございますけれども、青の部分、この1から4問、また、赤の5から9問のところは26.9%という状況になっているところでございます。
また、下の添削課題の種類といたしましては青の自校制作課題が約半数、オンラインでの回答が20%になっている状況でございます。
続いて19ページを御覧ください。こちらは各校で定める1単位当たりの面接指導単位時間数でございますけれども、標準時間1単位時間の学校が多い状況でございますけれども、一部、それを超える単位時間を設定しているところもございます。
また、右側の多様なメディアを利用して行う学習による面接指導の減免でございますけれども、10分の6以内の時間数で行う学校、これは約7割で実施しているところ、さらに10分の8以内で行う学校、これが約1割になっている状況でございます。
20ページを御覧ください。多様なメディアの種類については大きく分けて高校講座、自校制作、その他等々ございますけれども、インターネットによる映像授業等の配信でも行っている状況でございます。
また、下の学び直しの状況でございますけれども、既存科目の中で義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための指導を行っている学校数は、約3割となっているところでございます。また、そうした指導を行っている場合、指導内容全体に占める割合、これが青にございますように1割から2割のところが66%となっているところでございます。
21ページ以降は、その他、歴史総合ですとか数学Ⅰ等の状況を示しておりますけれども、おおむね同様の傾向が見られるところでございます。
その上で35ページに飛んでいただきまして、こちらは総合的な探究の時間でございますけれども、1単位の添削指導の回数については標準回数の1回というのが約65%の一方、2回というのも約25%になっているところでございます。
36ページでございますけれども、この下にございますように面接指導の単位時間数、これは標準の1単位時間が約7割の一方、2単位時間が約22%というところでございます。このように他の教科科目と少し違う傾向が見られるところでございます。
その上で37ページでございますけど、特別活動でございます。この10分の6以内の減免の実施校が約37.8%、また10分の8以内の減免が約7%というところでございます。
その上で、こうした状況も踏まえながら38ページ、具体的な論点をお示ししております。1ポツは、添削指導の回数・面接指導の単位時間数の在り方について、通信制課程における学びの実質化を図り、その充実を図る観点からどのように考えるか。なお、多様な背景を有する生徒が多く在籍している状況も踏まえ、検討すべきではないかというところでございます。
下の総合的な探究の時間、現行では標準単位数は3から6単位で、課題を発見し、解決していくための資質・能力の育成という観点での観察・実験、発表、討論などを取り入れながら特色ある教育活動を行うことになりますけれども、現状、必要な添削指導の回数、面接指導のコマ数は1単位につきそれぞれ1回以上、及び1コマ以上という状況でございます。この回数について、総合的な探究の時間の趣旨に照らしてどのように考えるかというところでございます。
右側でございますけれども、先ほどのメディア減免の取扱いでございますけれども、その時間数について、対面による指導や協働的な学びの時間を確保する等の観点からどのように考えるかというところでございます。
下の特別活動でございますけれども、ホームルーム活動等は集団教育の場として欠かすことができないものであるところではございます。特に通信制課程においては働きながら学ぶ者もいる中で、多様な年齢層の生徒が在籍している状況でございます。このような生徒が集まり交流を図る観点から申しますと、この人間形成の面から見て教育効果の高いものと捉えられます。
全日制、定時制課程と同様の授業時間を確保することは難しいとはいえ、このような特別活動の重要性に鑑み、卒業までに30コマ以上指導するものとしております。一方で、特別活動について、例えば10分の6の時間数を免除した場合は卒業までに12コマしか実施されないところもございます。メディア減免の在り方について、この社会性を育む観点からどのように考えるかというところをお示ししております。
続いて39ページを御覧ください。3ポツの単位制の柔軟化との関係でございます。高校については50分の授業を1コマとし、35コマの授業をもって1単位として計算することを標準としております。現在、総則・評価特別部会においては1単位を細分化いたしまして、卒業に必要な単位は74単位から148単位ということ、50分掛×17コマの授業をもって1単位とすることを標準とするとする案が示されているところでございます。
こうした点も踏まえながら先ほどのページ、次の論点について検討する必要があるというところで、特にこの総則・評価特別部会においては生徒の実態、教育課程全体を通じた資質・能力の育成に資すると認める場合には、一定の限度の下で標準より減じて履修単位を設定することを可能とする案、これが示されているところでございます。
現在、特に2単位の必履修科目については単位数を減じることはできないとしておりますけれども、これは2単位から単位数を減じた場合、1単位になってしまうということで半分の時間で目標の実現を図ることは困難と考えてきたところがございます。これは先ほどのような計算方法の見直しによって、2単位科目については新たに4単位になるということで、例えばこの3単位に減単すると授業時数としては25%の減となるところがございます。現在、特に必要がある場合は3単位の科目を2単位に減単することを可能としている中で、現在、減単不可としている標準が2単位の必履修科目についても1単位の範囲内で減単を認める案が示されていると。
その際、この添削指導の回数、面接指導のコマ数、これを減単した場合の在り方をどのように考えるかということ、学びの実質化を図り、学びの充実を図る観点、面接指導においてメディア減免が存在することを踏まえ、検討すべきではないかということで、一通りの、今日のところはまず論点をお示しさせていただいておりますので、また皆様からの御意見を頂戴した上で、また方向性をさらに進めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。今のこの議題の2の始めの部分で、これは次期学習指導要領の検討が教育課程部会や総則・評価部会等で行われているということで、委員として入っていただいている方もいらっしゃるわけですけれども、そういったところに反映していく必要があるということですね。学習指導要領によって通信教育、通信制について具体的に規定がありますので、充実した質の高い通信制教育をやっていこうとすると、そこのところにきちんとした反映が必要になってくるということであります。今日は論点をお示しいただいて、具体的にそれについて御意見をいただいて、また、これもちょっと今日だけではどうにもならない面があるかと思うんですが、御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
通信制も今までもいろいろやってきて相当変わってきたかと思うんですけれども、まだなかなか十分ではない面があるのではないかという御指摘もあるところですが。
ありがとうございます。長塚先生、どうぞお願いいたします。
【長塚委員】 長塚です。この通信制に関しては私立が多いので度々意見を申し上げているところです。今、別途、本格的に検討いただいているということでございますけれども、通信制はそもそも勤労青年のために創設されたという、時代的背景が全く違うところで生まれたものでございます。ついては、今日、学校の施設とか、教育課程などの基準が特例的に緩和されてきています。そして、それらの結果、本来の趣旨とは異なる目的で利用されて、学校数とか生徒数も増大している、ざっくり言うとそんな課題が見えているわけなんですね。
ですから、特に定通振興法の改正、及び特例措置の見直しを必要としているのではないかと感じております。私立高校を担う団体からも、しばしばそのことが懸念されているわけです。不登校などの多様な生徒が増加しているということは確かなんですけれども、通信制課程だけに適用されている特例措置というのが、果たして今日求められている高校の共通性を担保できているのか、通信制に通う生徒たちに共通のしっかりとした教育をしていることになるのかという、実質的なところが問われているのではないかなと思っております。
もう一つは、特に広域通信制高校における収容定員、これが一つの学校で何万人なんていうふうになってしまっているのは、一人一人の生徒をしっかりと育てることからすると、かなり問題があるのではないかということも私立の中から意見が強く出ているわけです。無秩序と言ってもいいような収容定員の設定の仕方、これが設置認可県では歯止めが効かない状態ですよね。
それから実際には設置認可県じゃなくて、施設が置かれている県での指導監督がもう限界があるという声が以前からあるので、この辺をしっかりやらないと、いろいろなことを決めはつくっても実際、現実的にしっかりとした教育をする方向にもっていけないのではないかという心配をしております。
別途、岩本委員から御意見の資料が出されておりました。これを拝見しまして、具体的にはここに書かれてあるようなことが、これから非常に大事じゃないかと思ったところでございます。
以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
それでは今村委員、お願いいたします。
【今村委員】 大切な論点を投げかけていただいて、指導要領の改訂の議論をしているこのタイミングに、ここでも意見をさせていただく機会をいただきましてありがとうございます。
幾つか申し上げたいんですけど、1つ目が通信制課程の位置づけなんですけれども、もはや例外的な教育機会としての設定、その前提を、もう覆していかなきゃいけないところにあるなと思っていて。今までは通信制課程で学ぶ子は、どこか本流から外れた選択というところがあったかなと思うんですけど、補完的な位置づけにとどまるのではなくて、もはや、これが高校教育の一つの中核的モデルとして捉え直すぐらいの必要性もあるのではないかと、そういった点も含めて今回投げかけていただいているんだと理解しているんですけれども、そのように捉えたときに、どうしていくのかということを考えなきゃいけないんじゃないかなと思っているというのが1点目です。
2つ目が、これ、大変難しいんですけれども教育の質の捉え方です。今回の議論でも添削指導の回数とか面接指導の時間数とかメディア活動、メディア減免とか、そういったところの量的な基準の整理がどうしても中心には、制度的にはなっていくと思うんですけど、そういう枠組みから外れた子たちが通信制を選んでいる側面はやっぱり大きいような気もしてて、その義務づけにどれだけ意味があるのか。やったふりの学びの機会を機会の保障というのかというところが、非常に難しいことは前提で申し上げているんですけど、そこなのかというところが難しいなと思って。
やっぱり問うべきは、その子の学びが本当に成立しているのかというところ、子供が学びにちゃんと接続できているのかという質の側面をどのように保障していくのかというところ、通信制過程、やっぱり自分の時間を自分で使うことを前提にしているので、なおさら質の保証は本当にその子の学びが実現しているのかというところに力点を置いた、これは指導の量的な観点というよりは、やっぱり学びが届いている機関なのかというオルタナティブをどう見ていくのかというところの評価機関をつくるのか、評価システムをつくるのかというところで捉え直していかないと、何か本質を見失うのではないかな。また、指導の時間が小さくなった全日制課程みたいな感じになってしまうのではないかというところもあって、自由さのところを、どう質として捉え直すかというところが重要かなと思います。
通信制課程の本質で柔軟性、時間、場所、方法の柔軟性にあると思うんですけど、面接時間の減免とか、一律の運用になっているケースも指摘されているところで、制度の運用と個別最適の捉え方のギャップをどうするかというところなんですけれども、やっぱりこれも例外的な措置ではなくて、どうしたら本当に個別最適な学習計画の中で支援していけるのかという、制度そのもの、個別最適に寄せていく視点で、先ほどの2つ目と重なるんですけれども、評価をしていくということが重要なのではないかなと思っています。個別支援計画に近い世界観なのかなとは捉えています。
あと4点目なんですけど、これが最後なんですけど、資料にもあるとおり通信制はやっぱり不登校経験のある生徒がすごく在籍している現状で、なんですけど、多様な背景と整理されているんですけど、現場の感覚では体系が多様というよりも、これまでの学校との関係の中で学びの接続が切れてしまった子とか、これまでの学校ではない形をあえて選びたい子供たち、不登校のみならず、そういった子たちの学び直しの場であり、学びと社会を再びつなぎ直す場として機能する側面が非常に多いと思います。
そうなったときに、やっぱり教育課程や支援の在り方をどのように位置づけていくのか。特にその支援の在り方をどのように位置づけていくのかというところ、特に支援職の方がどれぐらい私立の通信制課程にちゃんといるのか。心のケア含めて、または面接指導のときだけ学校のキャンパスを使えるんじゃなくて、例えばちょっと今日は誰かと会いたいなと思ったときに、通信制の広域通信制のフリースペースとかを例えば使って、そこにいられるということも非常に福祉だと思うんですけれども、そういった支援の側面を何か明確に位置づけていくことも、先ほどの量的な時数のことを決めるよりもというか、同時に必要なのかなと思っています。
すいません、長くなったんですけど、現場の実態と制度設計が乖離しないような議論をさらに深めていく必要があるなと思っています。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。では、塩瀬委員、お願いします。
【塩瀬座長代理】 ありがとうございます。
先ほど、今村委員がおっしゃっていたことも関係するかと思いますが、全日制に行けないという前提みたいに通信のことを捉え過ぎな気がしています。高校の教育改革でも、「セーフティーネットとしての云々」という文言がついてくるんですが、その通信を最初から第1志望で選んでいる生徒たちが出てきているという事実をもっと踏まえないといけないと思います。
そういう意味でいうと、まるで通学回数を減らした全日制という基準で通信制高校の質の向上を議論してしまうと、全日制高校を手本に学校種を戻そうという観点が強く働いてしまうと思います。面接指導の対面しばりも、これだけオンラインの同時双方向でやり取りができる時代は想定されていません。対面という言葉も、以前とは意味ががらっと変わっていると思います。やはり、面接や対面、添削という言葉自体が制度設計された時代から、現代において変化していることを前提として、もう一度、質の向上の中身を考え直さないといけないと思います。
以前から使っていた言葉を字面通りそのまま使ってしまうと、ただただ元に戻そうとしているようにも見えます。教員免状を持っている先生の人数についても、外形的に今の通信教育や、通信制学校を定義するのはやめたほうがいいのではないかと思います。現代のオンライン教育で実現できていることを見極めた上で、必要な質というものを改めて定義すべきです。現在の通信制高校という場を求めている人たちのニーズに応えられるような、新しい通信制高校の制度設計というのができるとよいなと思っております。
具体的なことは岩本さんのペーパーに書かれていたことなども、細かな点は皆さんで議論されたらいいと思いますので、以前と異なる環境にある学校についての考え方をちゃんと変えるということを言い切ったほうがよい気がします。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
それでは今城委員、お願いいたします。
【今城委員】 またちょっと紹介になるのかもしれませんし、今回のこの趣旨とはちょっと異なるのかもしれませんけれども、我々、県立の通信制の教育ということで少し御紹介もさせていただきたいと思うんですけれども、確かに皆さんおっしゃるように生徒の多様な学び方、そのニーズに応えるためにということで、通信制の教育の充実というのは重要だと考えているところです。
ただ、本県の場合は本当に中山間地域が多くて、スクーリングを受けるといってもなかなか公共交通機関では通学できない地域がもう本当に多く点在しています。ですから我々が考えているのは、地域の全日制の高校にスクーリングの機能を持たせていくことが必要ではないかなということです。そのため、通信制の協力校ということで全日制の高等学校の教員がスクーリングを行うことを今、考えています。そうすることで、通信制の生徒の居場所づくりにもなる。それから地域との触れ合いを通じて社会性の育成も行えるというような、そういったことについて今、検討をしている状況でございます。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
では田村委員、どうぞ。
【田村座長代理】 ありがとうございます。皆さんがおっしゃったこととも重なるのかなと思うんですが、少なくとも3つの機能を果たしていただく必要があるかなと。
一つはアカデミックに学力が上がる、学力をつけていく。それからもう一つが、やっぱり伴走していくということですね。伴走することによって自己調整学習といいますか、1人で学ぶ力もつけていく必要があるし、それと同時に人と学ぶ、先生とであったり、あるいはピア、仲間と一緒に学ぶ、あるいは社会の人と学ぶ、それをやっぱり支援していく必要があるんだろうなと。
それから3つ目が、今村委員もおっしゃったんですが社会との接続ですね。高校で学んでいる、そのときの社会との接続というのもあるでしょうし、卒業した後の社会との接続という、この少なくとも3つの機能というのを十分果たせるものになっているのかどうかということが課題かなと思います。
岩本委員も書かれていらっしゃいますけれども、私も総合的な探究の時間で1単位、月2回の添削指導で足りるとはどう考えても思えなくて、対面でやっている総合的な探究の時間でもかなり対話によって気づきがあったり、振り返りをしたりとか、新たな学習課題に気づいたりっていったような、そういうやっぱり探究が深まっていく、そういう学習過程なので、何かちょっと1回だと何となくサマティブっぽいというか、総括的っぽいですよね。そうじゃなくって、もっと学びの途中に関わっていくプロセス支援という意味での、言葉が添削指導ってなっていますので、そういう形がもうこれから望まれるんだろうなと思います。
例えばオンラインでとか、ピアレビューを入れるとか、同期型、非同期型のフィードバックをいろんな形でできるような、そんな感じでちょっとプラットフォームも大分充実してきたところもあるので、もう少しここ、言葉も含めて考え直していく時期なのかもしれないと思います。
あとは、もう1点は、そうですね。今後、卒業後のフォローといいますか、この3年間終わりじゃなくって、どういうふうにこの学校を卒業したら社会と接続していけたのかというところを、ちょっと追っかけていくことも必要なのかなと思います。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
では青木委員、どうぞ。
【青木委員】
まず、論点なんですけれども、言わば広域通信制私立高校の非違行為に対して、どうするのかということが発端だとすると、カリキュラム改革で何とかする方法論と、もう一つ、そうじゃないものである意味、枠づける方法論があると思っていて、今回カリキュラム改革ということで、教育課程部会との議論に連動させていただけるということで、すごくありがたいなと思いました。
順番、逆で、外枠からって話なんですけど、これ、やっぱり減免措置の10分の8とかいうのをある意味、売りにしているところがあるわけですよね。広告で誤認させてみたいなことなんだと思うんです、要するに。そうすると何というんですかね、医療の世界では、医療法における医療広告の規制ってあるわけで、似たようなことをやっぱりやらないといけないんだと思うんです。需要側に誤認を、ある意味、需要側の救いにはなっている部分があるのは否めないんですけれども、ただ、例外的な規定を売りにするのは現行の仕組みからするとこれ、需要側に誤認させているとみなしたほうがいいので、広告規制って何とかならないのかなとは思います。
それと、需要側の調査はやっぱりしたほうがいいのではないかなと思います。現行の評価制度では、教育サービスの提供側の学校法人とか、学校に対しての評価調査ということですけれども、何か需要側に対してのアンケートとか、何でもいいんですけど実態を把握するのも大事じゃないかなと思いました。
あと、カリキュラムでありますが、高等学校通信教育規程ですか。あれの見直しになるんだと思います。必要なことって。通信教育の方法等って見だしがある第2条の第1項というのが添削指導、面接指導及び試験って書いてあって、第2項でメディア教育って入っているわけですけれども、こういう構造が今、塩瀬委員もおっしゃったようにいろんな教育方法が発達している中で、これでいいんだろうかというのは、こういう場では具体的なカリキュラムの議論の場ではない、こういう場で、少し検討してもいいんじゃないかななんて思いました。
あとは、通信制高校についてのカリキュラムで、これも岩本委員のペーパーに書かれていることなんですけど、特活とか探究というものを共通性って観点からすると通信制高校でも入れなきゃいけないし、やってもらわなきゃいけないし、いろいろな方法でしっかりやっていこうということで減免をどうするかって議論もあり得る一方で、共通性というものをもうちょっと考え直して、いろいろ困難を抱えている子であれば、その探究とか特活というもの自体を免除の対象にすることを果たしてよしとするのかどうかというのは、私は考えていいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺、少し考えられないかななんて思いました。
以上です。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
では岩本委員、お願いします。
【岩本委員】 お願いします。資料も少し共有させていただきながらでと思うんです。これ、映っていますでしょうか。ありがとうございます。この通信制の教育課程に関しては私、長塚委員をはじめ、多くの今の委員の先生たちと問題意識はかなり共通で持っております。
再三出ていますけども、もともと働きながら学ぶ青年に対してつくられた制度ですので、コロナのときに令和答申つくったとき、学校教育の機能というので学習機能と社会的機能と教育福祉的機能って3つ、これがすごく重要だった、重要だよねと、令和の時代において、これの3つというのは非常に重要だと確認されたと思うんですけども、要は働きながら学ぶ青年は、もう既に実社会で仕事をしながら人間関係だとか、そういった中でもまれながら社会性を身につけて、それでも、その中でもさらに学びたいという、当時、高校進学率50%以下の時代につくられたような制度ですので、非常に学ぶ意欲ある勤労学生向けに設計された、学習機能により特化した、自学自習を、自立した学習者を前提につくられた制度を今まで、今も引きずって来ていると。
再三言われていますけども、でも今の現状の通ってきている多くの生徒はそういう状況ではない。もっと言うと教育福祉的機能や、この社会的機能がより一層必要な部分をやっぱり占めている生徒も多くいることに対して、今までの高校ワーキング等でずっと議論されてきた共通性の確保をどうやっていくのかというところが今の話だと思いますので、基本的には定通振興法の改正とか含めて、抜本的に見直していくということだと思うんですけども、今日は学習指導要領の教育課程というところで、ちょっとそこのみに絞って5点お話させていただけたらと思います。
再三出ていました総合的な探究の時間のところ、1単位につき1回というようなところは、これでは本来の目的を果たし得ないというところで、先ほど面接指導とか添削指導という名前の話もありましたけども、私もできるんだったら例えば伴走指導とか伴走支援みたいな枠組みなのかをつくって、やっぱり2月に1回なのか、そういった形で寄り添ったりとか、プロセスに指導支援が行われる、最低限のところはそういった形にしないと総合的な探究の時間の本来の目的というところには最低限いかないだろうというところで、こういったところは加えていく。名称変更が難しければ、添削指導の中でもそういった形をとるようなことを変えていくというようなところが必要かと思います。
特別活動に関しては、これは協働性だとか社会性を育んでいく上で非常に重要な時間ですので、総合的な探究の時間と同様に、もう特別活動というのはメディア減免の対象からは除外すべきだと思いますし、ここの時間数というのも全定通で同じ程度の時間で、それを別に面接指導で、全部対面でやる必要はないとも思いますので、当然オンラインとか同時双方向とか多様な学び合い、人との関わり合い、現場だとか社会接続の方法ってありますので、そこは別に校舎に集めろって話ではなく、でも人と関わりながら特別活動の本来の趣旨を最低限、不登校とか含めて、こういう子たちにこそ大切な時間をちゃんとやって卒業させてあげないと、本当、社会に出てから困っていく姿をどれだけ見てきているのかという中で、本当にこういったところは特活も総探も含めて、やっぱり社会に出て自立して生きていける力を育てられる教育課程の最低限の基準というところでの見直しをしないといけないと思います。
また、今まで再三出てきているこのメディア減免の話です。これもちょっとすいません、長くなっているんでもう端的にいきますけど、メディア減免という特例自体、撤廃も含めて検討してもいいのではないかと思いますし、少なくともこの10分の6とか10分の8という、今の時代にこれだけ大切な対話的な時間を減免する必要があるのかというところで、ここは抜本的に例えば10分の2とか含めて検討する。また、複数のメディアもやっぱり最低限、複数使う場合には今、もう同時双方向が、ネットの時代ですのでできますので、そういったところは活用するのは条件にすべきだと思います。
メディア減免が必要だという生徒がいるというのも分かりますので、そういう生徒は特例的に対応するというところの、これは特別な教育課程になっているわけですので。ただ、特別な事情のある生徒という本当に必要な子のみがちゃんと使えるように精緻に定義をして、先ほど今村委員も言っていましたけど、例えばそういった子には個別支援計画みたいな形でその子に特に必要な形でつくって、必要に応じてメディア減免なんかも活用しながらやっていくという、一人一人に手厚い、一斉にみんながこれ使うという話ではなく必要な生徒がちゃんと丁寧に使える形に見直していくことだと思います。
あとは単位制のところで、今回新しい学習指導要領で精緻化していくところで、ここをどう計算していくのかという話ありましたけど、この細分化していったときの端数になっていく0.5回とか、0.5単位時間みたいなところだと教育効果できませんので、それを切上げていくというところは必要だと思いますし、安易に削減というか、しない形のほうがいいかと思います。
最後ですけれども、この教育課程の特例ですね、通信制課程の。ここの考え方自体をやっぱり見直す必要があると思います。今、通信制高校、増えてきていますので、それぞれ当然、スクールミッション的なものとかスクール・ポリシーあると思いますし、そういった中で各学校が柔軟な教育課程を編成して、特色化を図りながらカリキュラムマネジメントしていくというのは通信制においても重要だと思いますので。
今回、今まで出てきている面接指導や添削指導の回数だとかというのは、今、標準みたいな扱いになっていますけども、これは特別な事情がある子たちの下限、最低限の最低基準なんだと。その上で、各学校がそれぞれのスクール・ポリシーだとか、あと生徒の実態に応じて必要な資質・能力を身につけていけるように。一応、再三出ていますけど全日制と定時制と学習の量及び質、方法論は違うにしても、量と質が同等程度になるような形で各学校が教育課程を編成するところで、これは標準ではなくて下限、最低限、高校教育として必要な部分という最低限の下にやっていく必要があるかなと思います。
すいません、以上です。
【荒瀬座長】 それでは篠原委員、どうぞ。
【篠原委員】 ありがとうございます。
皆さんおっしゃっているとおり、60年ぐらい前にできた勤労青年のための枠組みというのを大きく見直す必要というのはあると思います。そのときのスタンスとして塩瀬委員もおっしゃっていましたけれども、今の全日制、定時制の枠の中に同じように通信制を入れるというのは多分、需要者側とさっき青木先生おっしゃいましたけど、生徒たちにはあまり支持されないのではないかなということを感じます。
彼らは、もちろんいろいろな背景を持っているわけですけれども、今の学校とは違う学びというものを通信制に求めて、だからこそ、生徒数の増加というのがあるのではないかなということを考えます。それは2040年に、先ほどおっしゃいましたけど、今年、生まれた子供たちが高校生になっていくと。先ほどの高校の在り方を考えるときもそうですけれども、私たちは多分、今の状況をこういうふうに変えるというように考えるのではなくて、未来はどうなっていくから、こういうふうにしなくてはいけないという、そういうスタンスで、このことを捉える必要があるのではないかなということを一つ思いました。
それともう一つは、通信制の学びの中に先ほど3つの要素があるということはありましたけれども、根本的には自学自習という大きな土台があるんですね。つまり、それは添削であり、面接指導であり、試験以外に彼らは自分の自由になる時間を使って、何かの学びをしているはずなんですね。それは例えばですけれども、NHK学園であればテレビ、ラジオで学んでいるかもしれない。でも、例えば別の生徒は、その自由な時間を使ってアルバイトをし、社会的な活動をしているかもしれない。それからもちろん、例えばスポーツ、芸術の分野で、海外で練習に励んでいるかもしれない。そのときの様々なネットワークなり、人との関わりというのを持っている。
つまりこれ、学校、通信制の高校以外の時間というのを別の形で過ごしていることが大前提にあることを一つ、共通理解としておきたいと思います。たしか、高知の例を伺ったときにも、その方、定時制だったかもしれませんけど、自分は自由な、通信制かな、やっぱり。自由な時間を使って例えばNPOで活動することの面白さに気づきましたとか、そういう全く学校とは違う活動を知る時間を自分でつくっているという、そういう子供たちもいるということだと思います。
それから、もう一つが先ほどの特例の、何というんでしょう、厳密さとか、そういうことがありましたけれども、ガイドラインを読んでいただければ特に必要のある場合ということで自宅療養、登校困難、仕事、海外生活、教育効果の確保可能などという特別な事情というのはきちんと明記されているんですね。
ですので、これも再三申し上げていますけれども、これまでのガイドライン、さっき不適切な例というのをまた御紹介くださっていましたけれども、それも本当に普通にやっている学校からすれば、あり得ないような項目が挙がっているわけなんですね。ルールを守っていないところは、やはりそのルールをきちんと守ってもらうこと、それが必要なんだとまず思います。そこの対策というのをどうするかということが一つ必要かなと感じました。
広域のことについて言えば、やはり認可の自治体だけでは手に負えないのは、もう明白だと思います。これも再三申し上げていますけれども、広域については国レベルでもう少しきちんと関与することがあってもいいのではないかなと思いました。
以上でございます。
【荒瀬座長】 ありがとうございました。
我々がこれまでしてきた議論の私なりの受け止め方なんですけれども、歴史的経過とかがいろいろあっていろんな制度が出てきた。昼間、集まって勉強するというのが、まずは当たり前の形として生まれたのかもしれません。でも、夜に集まってもいいんじゃないかとか、あるいは学校に来なくてもいいんじゃないかとか、そういうことがいろいろとその時代時代に応じてつくられてきた。
我々は今、それを全部知っているというか、持っているわけですよね。そこに振り分けていく発想ではなくって、生徒一人一人が自分の意思でもって、そこをどう選択して学びの場を自分でつくっていくのか。周りの大人は、いかにそれを支えていくのかというのを考えていくことを重要視していこうということで、議論がここまで来たと思っています。
そういう中では、私さっき、今城委員がおっしゃっていた現実的に今、どういうふうに高知県の公立高校がなっていこうとしているのかというのは、これ、いずれまたじっくりと伺って共有する必要があるんじゃないかなと思います。全定通の枠も取っ払ってもいいんじゃないかみたいなことを選択したらいいんじゃないかというようなことも、この議論の中ではあったわけですけれども、ある意味、高知県はそういう意味では地理的な背景があるということなのかもしれませんが、ともかくちょっとほかとは違った動きを今、もう既になさっているということですので、そういったことも学びながら、また考えていきたいと思います。
すいません、進行がまずくて予定していた時間にもうあと1分切ってしまいました。入試の話をしなければならないんですが、これ、説明だけしていただいて議論しないというのはあまりにもいいかげんなので、事務局ともまた御相談しますけれども、皆さん、ちょっと近々また会議を持つということで御了解いただいて、入試の話を含め、あるいはまた今日、し切れなかったことも含めて、そのときに話し合っていくということでいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、そのようにしたいと思います。申し訳ありません。もうほとんど時間が本当になくなってしまいました。
それでは、今後のスケジュールについて、度會さん、よろしくお願いします。
【度會参事官補佐】 本日も様々御議論、そして御意見いただきましてありがとうございました。
今、荒瀬先生からありましたように、高校入試の在り方などについては、また次回以降、お時間いただければと思っております。スケジュールについては、また調整させていただきまして、いずれにせよ4月以降にはなりますが、また御連絡させていただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
【荒瀬座長】 ありがとうございます。
では本日、これで終了したいと思います。ありがとうございました。
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