令和7年11月10日(月曜日)13時00分~15時00分
文部科学省※対面・WEB会議の併用(傍聴はYouTube Liveのみ)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)
【赤星専門官】 定刻となりましたので、ただいまより第4回学校における持続可能な保健管理の在り方に関する調査検討会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙の折、御参加いただき、ありがとうございます。本日もよろしくお願いいたします。
本日の出席状況につきまして、全員御出席、うち遠藤委員、柏原委員、富永委員、長沼委員、藤髙委員、明神委員、弓倉委員、吉田委員、渡辺委員につきましては、オンラインでの御出席となっております。
なお、田中委員より遅れて参加される旨を伺っております。また、柏原委員、藤髙委員より途中で退席される可能性がある旨を伺っております。
また、本日は参考人として一般社団法人日本臨床耳鼻咽喉科医会理事、朝比奈紀彦様、公益社団法人日本眼科科医会常任理事乳幼児・学校保健担当、近藤永子様、一般社団法人日本臨床整形外科学会顧問、新井貞男様、慶應義塾大学医学部整形外科学教室准教授、渡辺航太様に御出席いただくほか、本日もオブザーバーとして、こども家庭庁成育局成育基盤企画課、母子保健課、厚生労働省医政局地域医療計画課、同省健康・生活衛生局健康課も出席しております。
オンラインで御参加いただいている皆様に御発言の仕方などを御説明させていただきます。会議中、御発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、議題に対し御賛同いただく場合はカメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
続きまして、資料の確認をいたします。本日の資料は事前にお送りしましたとおり、議事次第、資料1、説明資料(ヒアリング1)。資料2、説明資料(ヒアリング2)。資料3、説明資料(ヒアリング3)。参考資料1、参考人一覧。参考資料2、健康診断や養護教諭・学校医等について。参考資料3、議論の進め方・着眼点となっております。議事に沿って画面共有にて御覧いただきますが、不足がありましたら事務局よりお送りいたしますので、コメントまたは御発言にてお申出いただければと思います。
なお、議事に入る前に、前回の検討会に関して弓倉委員より長沼委員からの御質問への御回答について、御発言を訂正されたい旨の御連絡をいただいております。弓倉委員、お願いいたします。
【弓倉委員】 日本学校保健会の弓倉でございます。前回の検討会におきまして、日本学校保健会が現在行っている保健教育、保健管理に関する調査委員会の説明をさせていただきました。そのときに長沼委員から、歯科の事後措置についての質問をいただきました。そのときは、事後措置についての調査項目は含まれると回答させていただいたのですけれども、その後確認したところ、事後措置に関する調査項目は残念ながら現在、含まれていなかった、含まれておりませんでしたので、その旨、訂正しておわびを申し上げます。
以上でございます。
【赤星専門官】 ありがとうございました。
それでは、以後の議事進行につきましては、髙田座長にお願いしたいと思います。
【髙田座長】 それでは、本日もよろしくお願いいたします。では、議事次第に沿って進めさせていただきます。議題1、関係団体等へのヒアリングになります。本日は、先ほども御紹介がありましたが、一般社団法人日本臨床耳鼻咽喉科医会、朝比奈紀彦参考人、公益社団法人日本眼科医会、近藤永子参考人、一般社団法人日本臨床整形外科学会、新井貞男参考人、渡辺航太参考人より御説明いただきます。
ヒアリングにつきましては、それぞれ御説明15分程度と質疑15分程度、合わせて30分とさせていただきます。なお、各参考人におかれましては、質疑終了後、御退席していただいて差し支えございません。
それでは、一般社団法人日本臨床耳鼻咽喉科医会、朝比奈紀彦参考人よりヒアリングを行います。御説明資料につきましては、資料1となりますので、よろしくお願いいたします。
朝比奈先生、よろしくお願いいたします。
【朝比奈参考人】 日本臨床耳鼻咽喉科医会の学校保健担当理事をしております朝比奈です。これより耳鼻咽喉科学校健診の現状と課題ということでお話をしたいと思います。
次、お願いします。まず、耳鼻咽喉科領域の学校健診は必要かということですけれども、何といっても耳鼻咽喉科はコミュニケーションの基本的である聴覚と音声言語に関わっています。そのほかにも生命の維持に欠かせない摂食と呼吸、免疫に深く関わる扁桃組織、運動能力の向上と体の安全保持に関連するような平衡機能、あと日常生活に潤いを与える嗅覚と味覚、こういったことが耳鼻咽喉科の守備範囲でありまして、同時に学童期は、これらの諸器官が急速に発達する時期に当たります。また、児童生徒や保護者は、これら感覚器の異常を訴えにくいということも特徴として挙げられますので、学校健診を通じて異常を見つける必要があります。この右側の図は、横浜市の小学校の「健康手帳」から抜粋したものですけれども、児童にも分かりやすく説明をしています。
次、お願いします。では、耳鼻咽喉科学校健診がどのような流れで実施しているかということですけれども、まずは事前に保健調査票の内容を確認して、一人一人の耳鼻咽喉科領域の健康状態について把握しておきます。そして、実際の学校健診の場で耳・鼻・喉の所見を見ます。例えば耳疾患としては慢性中耳炎、滲出性中耳炎、耳垢栓塞などがありますけれども、難聴の原因となるような疾患がないかどうかをスクリーニングします。また、鼻、喉の疾患としては、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド、扁桃肥大などありますけれども、集中力の低下であったり、授業中の居眠り、睡眠呼吸障害を引き起こすような疾患がないかどうかをスクリーニングしています。
次、お願いします。そして、同時に難聴と音声言語に関する健診、スクリーニングも行っています。音声言語については、会話法と絵図版法というものを組み合わせて、発声障害や構音障害、あるいは吃音などについてスクリーニングしています。難聴については、事前に選別聴力検査を実施していますので、その結果をもとに中耳炎の有無などを実際の健診の場で確認をして、難聴の精査の必要性についてスクリーニングしています。このように耳鼻咽喉科学校健診は、限られた時間内で多くの児童生徒に対して、多くの健診項目を実施しなければいけません。
次、お願いします。次に耳鼻咽喉科医が学校健診を行うことが望ましい理由についてですけれども、まず正確に耳・鼻・喉の局所所見を取るには、鼻鏡や耳鏡などの健診器具を使用した専門的な手技が必要となります。また、日常生活や学校生活で、視覚と並んで十分な情報獲得ができない原因の1つとしては、聴覚の障害があります。また、正確に意思の伝達ができない原因としての音声言語の障害というものもあります。これらのコミュニケーションに関わることというのには専門的な知識を有する耳鼻咽喉科医による診断が必要となります。また、そのコミュニケーション手段について、事後措置として学校側に適切な保健指導や支援を行えるのも耳鼻咽喉科専門医であります。
次、お願いします。以上のような背景を踏まえまして、耳鼻咽喉科学校健診の現状と課題について少しお話ししたいと思います。1つは、問題点としては学校医、学校健診を担当できる耳鼻咽喉科医が不足しているということです。これはもちろん地域差があるのですけれども、ほとんどの地域では多数校を兼務しているために、時間的な、身体的な負担が大きい問題があります。また、学校医の高齢化が進んでいる反面、学校保健活動に協力的でない耳鼻咽喉科医も多数おります。また、新規開業医が学校医に就任するのを拒否することもあります。また、大都市だったらば、耳鼻咽喉科医が充足しているとも言い切れないのですけれども、多数校兼務のために新たに受け持つ余裕がないというのが現状です。
次、お願いします。2年前に耳鼻咽喉科学校の配置率と、あと耳鼻咽喉科医による健診の実施率というものを調査したのですけれども、その結果は、このグラフのように配置率は約80%、実施率は90%弱という結果が出ています。
次、お願いします。これは学校医配置率の推移なのですけれども、内科、耳鼻科、眼科の3科校医体制というものが一般的となった頃に比べますと、徐々に学校医配置率というのは上がっていくことが分かります。
次、お願いします。しかし、この図のように都道府県別に見ると大きな地域差があります。このように耳鼻咽喉科学校医の未配置、あるいは耳鼻咽喉科医による健診の実施されていない地域が生じる理由というのは、地域によって様々なのですけれども、単に耳鼻咽喉科医不足だけで説明できるということではないのですけれども、こういった地域に対してどのように対応していくか。これは耳鼻咽喉科学校健診の課題となっています。
次、お願いします。2つ目の問題として学校健診の実施の主体である教育委員会の理解不足ということが挙げられます。自治体によっては耳鼻咽喉科医による学校健診は不要であると認識されています。理由としては、耳鼻咽喉科領域の学校健診が内科学校医でも十分にできるという誤った認識を持っているためです。そのために内科学校医が耳鼻咽喉科領域の学校健診を実施しているという理由で、耳鼻咽喉科の学校医健診医が配置されていない自治体も多数あります。また、このような体制が確立していますと、新たに耳鼻咽喉科の学校医や健診医を配置するにしても、そのための予算措置がとれないという問題も発生します。
次、お願いします。3つ目の問題としては、地域医師会の非協力・理解不足ということが挙げられます。学校医を選任する決定権というのは地域の医師会にあるわけなのですけれども、その医師会において耳鼻咽喉科領域の学校健診は内科校医でも十分できる。だから、耳鼻咽喉科医による健診が不要だというような認識をされているところもあるために、なかなか耳鼻咽喉科学校医、健診医の配置が進まない。そういった自治体もあることは事実であります。
次、お願いします。こういった課題と状況への対応なのですけれども、学校健診を担当できる耳鼻咽喉科医の確保が難しい地域、こういうところでは、まずは地域の情勢に見合った健診システムを構築すること。たとえば専門医による健診推進事業、これは北海道の例なのですけれども、へき地の学校巡回健診、これは群馬県の例ですけれども、こういったことを行っているところもあります。2番目としては勤務医の協力を仰ぐこと。3つ目としては、自治体(行政区域)の枠を超えた学校医・健診医の派遣ということですね。これも兵庫県などでは耳鼻咽喉科医会が独自となって学校医・健診医の派遣をコーディネートしているようなこともやられています。
あとは、報酬の問題ですね。時間的・身体的な負担がかなり大きいですので、それに見合った報酬がちゃんと支払われているかどうかということもあります。あとは、学校健診の実施時期は6月末までという規定を見直すこと。時間的な余裕がこれで少しは出てくるのではないかと思います。そして、赤字で書いてありますけれども、重点的な健康診断、つまり、健診をする学年を固定することで、時間的・身体的な負担を軽減する。こういったことが対応策としては考えられます。
そして、学校健診を担当できる耳鼻咽喉科医がいない場合、確保できない場合ですけれども、これは耳鼻咽喉科領域の健診を内科校医が代行するということを想定した対応というのが必要になります。的確なスクリーニングによって耳鼻咽喉科専門機関を受診するよう、そこに導くために耳鼻咽喉科領域に関する保健調査票の内容、これを充実させるということが重要だと思います。
ここで少し、赤字で書きました重点的健康診断について説明したいと思います。次、お願いします。重点的健康診断というのは、まだ耳鼻咽喉科医の絶対数が30%、学校医の数が30%台と少なかった1980年代、その頃に耳鼻咽喉科専門医による学校健診を普及させる、そのための効果的な方法として提案されたものです。重点的健康診断については、決して間引き健診などと非難されないためにも、しっかりとした認識が必要でして、その在り方については、このスライドに示したとおり、今年改訂した耳鼻咽喉科健康診断マニュアルにも記載してあります。
次、お願いします。重点的健康診断というのは、政令指定都市などの大都市でも約6割の自治体で行われています。その対象の学年も各自治体によって様々です。
次、お願いします。中学校も同様で、やはり6割、7割の自治体が重点健診を行っていて、その対象とする学年というのも、その地域に見合った対応ということで様々であります。
次、お願いします。以上の点を踏まえまして、重点的健康診断を行う際の留意点、これについては、全国の耳鼻咽喉科学校医、健診医に対しては明確に周知はしています。具体的には、このスライドのような内容になりますけれども、まず健診を行わない学年に十分対応しているかどうか。保健調査票で症状がある者で、学校側、養護教諭が必要であると判断した者、耳鼻咽喉科学校医が健診の必要があると判断した者、あとは選別聴力検査で異常があった者、また、前の年の健診で異常があった者、あとは児童生徒本人、あるいは保護者が健診を希望している者、こういった者には、基本的には健診を行うということで対応するように留意しています。
2番目としては、最終的に健診を行わなかった児童生徒に対して、健康保持増進を損なわないための対応をしているか。例えば個別の保健指導・健康相談などを行ったり、集団での対象としたような学校保健委員会などでの講話を行ったり、あるいは保健だよりを活用しての耳鼻咽喉科領域の疾患についての啓発など、こういったことを推奨しております。あとは、こういった重点的健康診断について、所轄の教育委員会、医師会、耳鼻科医会、あるいはPTAで共通した認識の下で実施しているかどうか、これも非常に重要なことです。また、同じ地域の耳鼻咽喉科学校医の間で、異なった見解を持っているということも困りますので、重点的健康診断に対する意見の相違がないかどうか、この辺りも十分に検討して行うべきであるということを留意点として挙げております。
次、お願いします。課題への対応として、もう一つ重要なことは、所轄の医師会、教育委員会の協力を得るということです。これも非常に重要なことでして、まず耳鼻咽喉科医による学校健診の必要性、特に聴覚、音声言語健診、あとは事後措置としての支援、こういったことを専門的に行えるのは耳鼻咽喉科医であるということを主張していくことが大切です。その場合、新たに耳鼻咽喉科学校医や健診医、これを配置することに伴って地方交付税措置の見直しということが、そういった自治体でも必要になるということも問題になると思います。
次、お願いします。以上、耳鼻咽喉科学校健診の今後に向けて臨床耳鼻科医会としての方針を最後にまとめたいと思いますけれども、まず最大の課題は健診を担当できるマンパワー不足である。学校医の高齢化・新規の学校医のなり手不足、こういったことでさらに情勢は深刻化していくことが懸念されています。しかし、耳鼻咽喉科領域の学校健診は聴覚、音声言語に関するコミュニケーション障害、これを専門的に診断・支援できる耳鼻咽喉科専門医が行うべきであります。最終的な目標としては、耳鼻咽喉科学校医の配置率100%・全学年全員健診なのですけれども、なかなかすぐにそうはいきませんので、当面は、まずは耳鼻咽喉科医による学校健診実施率100%、これを目指していきたいと考えています。そのためには、地域医療の中核である学校保健に対する意識を深めるための努力も必要でしょうし、所轄医師会および教育委員会の協力、これが必要となります。
また、マンパワー不足への対応としては、自治体の枠を超えた学校医・健診医の派遣であったり、勤務医の協力、これが不可欠であると思います。それに伴いまして、学校医・健診医として時間的・身体的負担に見合った報酬、これが得られることが条件となりますので、各地域における行政側との折衝も重要な課題になると思います。
以上で耳鼻咽喉科の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
【髙田座長】 朝比奈先生、ありがとうございました。
ただいま耳鼻咽喉科学校健診の現状と課題、それから、課題への対応、最後に今後に向けて総括としてまとめていただいております。ただいまの朝比奈参考人の御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
そういたしましたら、まず柏原委員からお願いできますでしょうか。
【柏原委員】 丁寧な説明、ありがとうございました。では、質問です。2つあります。1つはスライド8で、都道府県別の耳鼻咽喉科校医の配置率と健診率の実施がグラフで示されたかと思います。この中で、配置がされていない都道府県が明らかになっていますが、その中で青森県、岩手県や沖縄県などのように、耳鼻咽喉科医が配置されていなくても健診を実施している自治体は、内科医の先生が中心となって耳鼻科健診をやっていらっしゃるのだと思われます。ですので、おっしゃるように耳鼻咽喉科の専門医を配置することが望ましいということは当然そうだと思いました。
一方で、グラフから耳鼻咽喉科の校医が配置されているのに健診を実施していない自治体が幾つ見受けられます。これは、正しいかどうかお教えいただきたいのですけれども、例えば滋賀県や熊本県に関しましては、耳鼻咽喉科の校医が配置されている数よりも、耳鼻咽喉科の健診率のほうが低いという数値が出ているようです。これはグラフの読み方として正しいのかどうかということをお教えいただきたいのが1点目です。
2点目は、スライド9の地方交付税では、校医は恐らく4名配置できるという枠で、国のほうは予算化されていると思うのですけれども、これが3名というのは、一般的に自治体でも3名という意味なのでしょうか、やはりその場合でも地方交付税は4名予算化されているということは、イニシアチブをとって共通理解を図っていくということが必要ではないかというように感じたのですが、先生の御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【髙田座長】 朝比奈参考人、お願いいたします。
【朝比奈参考人】 まず健診の実施率と学校医配置率の問題ですけれども、スライドの8番です。もう1回出していただけますか。確かに私もあまり深く考えていなかったのですが、この滋賀県などは、確かに学校医配置率よりも健診実施率のほうがちょっと低めには出ていますね。これは確認をしてみます。普通は、こういうことはあり得ないはずなので、これは申し訳ないです。確認をさせていただきます。
ただ、かなり地域差があると言いましたけれども、例えば沖縄県などはすごく特殊なケースでして、学校医という括りで耳鼻咽喉科医が全て内科的な健診も、眼科的な健診もやっている。そういった体制が戦後からずっと続いている。なかなか教育委員会も、それを改善してほしいと言っても動かないというような現状があります。そういったところが幾つかほかにも、長崎もたしかそうだったような気がするのですが、耳鼻咽喉科学校医としてではなくて、学校専門医として従事しているために、このような大きな差が出ているということです。
あと、地方交付税についてですが、確かに4名分の学校医の報酬というのが分配はされているのですけれども、必ずしも均等に割り振られているわけではなくて、特に重点的健診をしているような自治体では内科学校医に比べて学校医報酬が少ない。その分、それを例えば内科校医のほうに上乗せされているような自治体もありますし、そういった体制が整っているようなところも結構見受けられます。ですので、先ほどの説明の中でもお話ししましたけれども、新たにまた、例えば重点健診をしているところが全員健診をしたいということになりますと、それに伴う報酬の増額ということをしないと、耳鼻咽喉科学校医も納得はしないでしょうし、逆にその予算をどこから捻出していくのかということで、また1つの問題が出てくるということがあります。
以上でお答えになっているでしょうか。申し訳ございません。
【髙田座長】 ありがとうございます。
柏原委員、いかがでしょうか。
【柏原委員】 ありがとうございました。状況を把握することができました。健康診断の実施の有無が、その全国の子供たちの健康格差にならないような仕組みが必要だというように認識をいたしました。ありがとうございました。
以上です。
【髙田座長】 ありがとうございます。
続きまして、遠藤委員、お願いいたします。
【遠藤委員】 朝比奈先生、ありがとうございました。学校健診において耳鼻咽喉科の専門医の先生の健診が特に必要である項目が改めて分かりました。その1つが聴覚と音声言語の学校健診ということですけれども、難聴については、十分なスクリーニングができているとは思うのですが、音声言語健診は、どれくらい実施されているものなのでしょうか。というのは、現職の養護教諭に聞いても、耳鼻咽喉科医がこれを行っているというのは、ほとんど聞いておりませんのと、多くの学生にそういった経験があるか聞いてみても、1人もおりませんでした。
これは特に重要な健診項目ということですが、学校現場で担当されている、耳鼻科の先生方もそのような認識があるのでしょうか。あと、局所所見を正確に取るためには、健診器具を利用した専門的な手技が必要ということを御報告いただきましたけれども、携帯用のLEDの耳鼻鏡とかを使ったほうが詳しい健診ができると思いますが、そういう意味なのでしょうか。今ほとんど学校では光源のない耳鏡が使われていると思います。中には耳に使ったものをそのまま、鼻に使われる先生もいたり。最後に重点健診のご提案についてですが、やはり学校医が不足していく中で、こういった方法をとっていくというのもとても有効な方策ではないかと思ました。導入の際、法整備以外のハードルとしては、どのようなものがあるのかについて教えていただければと思います。
【髙田座長】 ありがとうございます。
朝比奈参考人、お願いいたします。
【朝比奈参考人】 音声言語検診についてですけれども、これは耳鼻咽喉科の学校保健に関する研修会、講習会でも盛んに必要性と実施しなければいけないという、これも学校保健安全法にちゃんと記載がありますので、やらなければいけないということは周知しているのですけれども、アンケート調査を行いますと、まだ6割弱ぐらいなんですね。なぜかというとやはり健診で時間がかかるので、そこまでやっている余裕がないというような理由が非常に多いです。
この音声言語検診で、例えば保健調査票の内容で何か言葉について少しおかしいというところにチェックがあれば、それも1つの参考資料として、さらに会話法で子供たちの名前を自分で言わせて、「よろしくお願いします」と発声させる。あと、絵図版を使うんですね。ぞう、テレビ、ハサミ、きりん、この4つの単語を発声させるだけで、ほぼ、大体スクリーニングができます。慣れてくると時間がかからないので、大体20秒ぐらいでできると思います。これもしっかり周知はしているのですが、なかなかすべての耳鼻咽喉科学校医が実施しているというところまでは、まだ至っておりません。
あと、健診器具についてですけれども、これもいろいろですよね。耳は耳鏡で、鼻は鼻鏡で、口の中は舌圧子で、その3つを全部使いながら見ている先生もいますし、耳と鼻は全部耳鏡で見ている先生もいます。昔は光源というのは、いわゆる額帯鏡というのを使ってやっていたんですけれども、今はそれぞれの先生がLEDの光源を持ってきて健診していますので、子供たちを固定しなくても、健診する我々が動いて見るだけで、大体所見が取れますので、そういった意味では、昔よりはかなり健診としてはやりやすく、スムーズに、スピーディーにやれるようにはなってきていると思います。
あとは、重点健診についてですけれども、これは先ほど説明した内容では不足ですかね。15番のスライドです。
【遠藤委員】 この留意点が解決すれば、特にハードルはない。
【朝比奈参考人】 そうです。
【遠藤委員】 よくわかりました。ありがとうございました。
【朝比奈参考人】 ハードルというか、ただ、幾らこれを言ったところで、例えばメディアが健診していない学年があるじゃないか、健診していない子がいるじゃないかということを言えば、それはそれで確かに、それだけで不公平じゃないかと言われても仕方がないのですけれども、少しでもそれに対して対応できるようなことはしないといけないということで、こういった留意点について周知はしています。
ただ、あと1つ問題なのは、以前に学校保健安全法施行規則の改正があったときに、異常がない児童生徒に対しても異常なしと通知することが提言されました。そのため重点健診をしている学校では、健診していない児童生徒に対して「異常なし」と通知することができません。これが私個人的にもすごく引っ掛かっていて、どうしたらいいのかなというのが、いつも考えていることではあります。
以上です。
【遠藤委員】 ありがとうございました。
【髙田座長】 ありがとうございました。
富永委員が御発言御希望ということなので、お願いいたします。
【富永委員】 よろしいですか、まだ時間は。
【髙田座長】 はい。お願いいたします。
【富永委員】 朝比奈先生、どうもありがとうございました。学校薬剤師の富永です。実は、学校薬剤師として学校で環境衛生検査を行い、執務記録簿に結果等を記入する時、この1年の記録を見てみると耳鼻科健診が行われている学校と行われていない学校があることが分かります。もちろん、私は、熊本県の薬剤師会会長もしておりますので、子供たちが平等に、耳鼻科健診を受けていただきたいと思っているところなのですが、実際、先ほど出ました耳鼻科健診の器具、舌圧子とか鼻鏡、耳鏡、これの消毒等にすごい悩んでられる養護教諭もおられて、地区によるとは思うのですけれども、その辺もぜひ学校薬剤師がお手伝いして、効率的といいますか、ひとり耳鼻科クリニックが多いものですから、なかなか時間が割けないという医師もいらっしゃるということも聞きますので、なるべくみんなで協力して耳鼻科健診が行われるようにと考えるところですが、いかがでしょうか。そういう周囲の地道な協力で可能な部分もあるのでしょうか。教えてください。
【髙田座長】 朝比奈先生、お願いします。
【朝比奈参考人】 健診器具についてですけれども、今はやはりオートクレーブによる消毒というのを推奨しています。ただ、健診器具は、今でも学校が全て保管しているようなところも多数あるのですけれども、滅菌業者に委託して、健診人数分だけ学校側が教育委員会を通じて取り寄せる、そういったところもかなり増えています。ですので、予算が許すのであれば、そういったほうがいいのではないかなと。そういった消毒面の心配もなくなります。しかし、健診器具も全員健診すると人数分の器具が必要になってきて、それに対する予算というものも必要になってくるし、その辺り本当に耳鼻科の場合はいろいろな問題があるのも事実です。
以上です。
【富永委員】 ありがとうございます。実は、そういう相談を受けてディスポーザブルの舌圧子とかを購入したらどうなのかという話になると、校長先生がやっぱり渋い顔をなさるというか、予算がないという話にまたなるわけです。ただ、それで衛生的な環境が守られて健診ができるとなれば、そういうところにこそお金を使うべきで、先ほど耳鼻科の――耳鼻科はもちろん、校医さんの報酬の件もありましたけれども、その辺もなかなか合わない。時間もない、行けない、行きたいのは山々なんだよという話は聞きます。だから、先ほど棒グラフが、熊本は逆転していましたけれども、そういう事情もあるということで、できれば、そういう必要な、効率的な健診をさせるための予算というのは必要だと思っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【朝比奈参考人】 ありがとうございました。
【髙田座長】 ありがとうございました。
会場の方はよろしいでしょうか。では、手短にお願いいたします。
【子吉委員】 時間が押しているところ、すみません。2点あります。11ページの保健調査票の内容を健診医が確保できない地域で充実させる必要があるというところ、あると思うのですけれども、実際に何か先駆的にやっているところがあるのか、どんな項目を想定されているのかという具体的な内容がもしあれば教えていただきたいなと思うのと、あと、重点的健康診断の留意点のほうを実施すればカバーできるのかなというお話があったと思うんですけれども、実際にもう実施されているところで、何か実際にこれはもうされているということですかね。留意点に関する内容は、されていて、全員健診をカバーするような感じで実施されているという認識でよかったでしょうか。
【髙田座長】 朝比奈先生、お願いいたします。
【朝比奈参考人】 まず、保健調査票についてですけれども、これも耳鼻咽喉科医会と学会の合同の学校保健委員会というのがありまして、そこで健康診断マニュアルというのを作っています。これは医会と学会のホームページからも、どなたも見ることができますし、ダウンロードもできますので、ぜひ参考にしてほしいのですけれども、日本学校保健会で作ったマニュアルでは不十分なので、どのような保健調査票の内容にしたらいいかということを書いてあります。例えば小学校の場合などでは、児童の健康状態をよく分かっているのは養護教諭であるということもありますので、養護教諭がチェックするような保健調査票というものも実は入っています。そういったものを参考にしてやってもらえれば、かなり内科校医が代行したとしても、それによって、異常が疑われた場合はすぐに専門医療機関へ受診する、導けるということになると思います。これが一番必要であり、また、確実な方法ではないかなと私は思っています。
あと、重点健診の留意点については、これはあくまでも最低限ですよね。実際に健診しており、学校医の考え方次第ではありますけれども、こういったことは最低限やらないと、本当に間引き健診と言われても仕方がないということは口を酸っぱくして全国の学校医の先生には言ってあります。ですから、これだけではないですけれども、最低限、これだけはしてほしいなということで、これを周知しています。
以上です。
【髙田座長】 ありがとうございます。
子吉委員、よろしいでしょうか。
【子吉委員】 はい。ありがとうございました。
【髙田座長】 ほかは、よろしいでしょうか。ありがとうございます。一般社団法人日本臨床耳鼻咽喉科医会、朝比奈紀彦参考人へのヒアリングは、これをもちまして終了とさせていただきます。朝比奈参考人におかれましては、お忙しいところをありがとうございました。
【朝比奈参考人】 ありがとうございました。
【髙田座長】 この後、御退席していただいても差し支えございません。
【朝比奈参考人】 ありがとうございました。
【髙田座長】 ありがとうございました。
続きまして、公益社団法人日本眼科医会、近藤永子参考人よりヒアリングを行います。御説明資料につきましては、資料2となりますのでよろしくお願いいたします。
近藤先生、御準備できましたら、お願いいたします。
【近藤参考人】 日本眼科医会乳幼児・学校保健担当常任理事の近藤永子です。よろしくお願いいたします。
では、よろしくお願いします。次のスライド、お願いします。私たち学校医、眼科医は、児童生徒の見る力を守る専門家である、そういった立場から本日はお話をさせていただきます。
次、お願いします。こちらは眼科に関わる学校健診の現状を示しています。視力検査が学校で施行され、眼科学校医は目の疾病など健診時に診るわけですが、その際は、この視力検査の結果や保健調査票を参考にしながら、気になることなど直接児童生徒に助言や指導をする、そういった役割を担っています。また、定期健診の項目にはありませんが、色覚検査も眼科における大切な検査です。本日は、これらの検査項目と、そこで判明する健康現象の観点から、その意義についてお話しするとともに、最後には学校医不足や、その好事例報告についても触れたいと思います。
次、お願いします。まず、視力検査です。人は目からその情報の80%から90%を得ると言われます。ですから、見るということは、学校での学習や日常生活に直結する問題です。この視力の成熟には、小さいときからくっきり見ることが必要で、それにはタイムリミットがあります。
次、お願いします。ここで視力の発達の基本的なことを説明しますと、もともと赤ちゃんは、ぼんやりしか見えませんが、3歳までに急速に視力が発達し、小学校入学前、6歳ぐらいまでに視力1.0を得ると言われます。その後、6歳から8歳ぐらい、つまり、小学校低学年でほぼ完成されると言われます。子供に尋ねますと、例えば黒板でも見えるとは言いますが、それがくっきり見えているのか、意外にその症状は当てにならないものです。
次、お願いします。このように目からくっきりした情報を得ることにより、脳が反応して視覚が発達するわけですが、その感受性は、実はこのように生後3か月から1歳半が最も高く、その後低下し、脳が反応する感受性というのは6歳から8歳ぐらいで低下してしまいます。この時期を逃すと、大人になって眼鏡で矯正しても視力が出ない弱視になってしまいます。弱視は50人に1人と言われ、この感受性が少しでも残っている、そういった時期に見つけて治療すれば治すことができます。もちろん、3歳児健診で見つけることが理想ですが、それでも要精査となった子供の約4分の1が未受診のままとなっており、就学時健診や学校での視力検査は、この弱視発見の最後の砦と言えます。
次、お願いします。次の視力検査の意義としては、近視の増加です。こちらは文科省の学校保健調査の裸眼視力1.0未満の割合の推移で、令和6年の報告になります。このように右肩上がりの推移を示し、今や小学生の4割近く、中学生は6割、高校生は7割と増加の一途をたどっています。この裸眼視力1.0未満の多くが近視が原因であると言われますので、すなわち、これは近視の増加を意味します。
次のスライド、お願いします。こちらは近視の子供の年齢とその進行速度を示したものですが、左図のように近視の進むスピードは低年齢ほど、特に小学低学年のほうが進みやすいことが示されており、また、右図のように低年齢で近視になるほど、その後、近視の度数が強く、つまり、強度近視になりやすいということが分かっています。ですから、進みが速い低年齢のときに進行を抑制することが大切になり、その意味でも毎年測定している学校での視力検査は大変意義があります。
次、お願いします。実は強度近視になりますと、このように網膜剥離とか緑内障、近視性黄斑症など将来重篤な視力低下を引き起こすと言われる疾患発症のリスクが高くなることが指摘されており、だからこそ児童生徒の視力検査、特に低年齢での視力低下を検出し、少しでもその進行を抑制するために、1日2時間を目標とする屋外活動の推進とか近業時の注意、例えば30センチ画面から離す、30分見たら30秒、目を休めるなどの1次予防や近視進行抑制治療へとつなげることが重要になります。
次、お願いします。学校での視力検査は、図のように黒板の字が見えるなど学校生活に支障のない見え方であるかどうか、これを見る検査ではありますが、検査結果を基に疾病や時には心因性視力障害などの可能性も考慮できます。また、判定B以下で眼科への受診勧奨することにより、早期の近視や弱視の見逃しなど見つける可能性もあります。受診勧奨しても、約半数が受診していないという現状もありますので、眼科健診では個々に対応し、指導するよい機会にもなります。
次、お願いします。さて、次は色覚検査の意義についてです。日本では男子の5%、女子の0.2%に先天性色覚異常が見られると言われています。色覚検査は、この生まれつき持つ色覚の特性を検査するものであり、平成14年までは学校健診の必須項目であったものが一旦削除され、平成26年の学校保健安全法施行規則の一部改正などの通知が発出され、現在は事前にその検査の意義を説明した上で、希望者を対象として行われる検査となっています。ただ、この検査は児童生徒が自分の持つ色覚の特性を知る機会ですので、ぜひ一度は義務教育中に色覚検査を受ける機会を設けることは非常に意義があると考えています。
次、お願いします。この色覚の特性、色覚の多様性とも言ったりしますが、色が全く分からないというわけではなく、日常生活にはそれほど不自由ではありませんが、ただ、程度や状況によって色を見間違えて周囲から誤解を受けることや色を使った授業の一部が理解しづらいことがあり、学校生活の指導には配慮が望まれます。このチューリップの葉っぱの緑と植木鉢の茶色の区別がしづらい、そういった場合があるわけです。また、日常生活の中でも、自分の色の見え方を知っておくことで、例えば焼肉が生焼けなのか、よく焼けているのか分かりづらいこと、そういったことを知っておくことで、自分で気をつけることもできます。
次、お願いします。学校での指導だけでなく、色覚の特性を知らないまま進学や就職の問題に直面したり、あるいは就職した後に配置転換や転職を余儀なくされるケースも報告されてきています。できれば子供たちが将来に希望を持ち、自分の個性を伸ばすことができるよう、保護者をはじめ、私たち社会が正しく理解し、導くことが望まれています。
次、お願いします。次に眼の疾病及び異常についての項目です。その1つに眼位検査があり、これは斜視などを検出することが目的となっています。レセプトベースの調査において、斜視は日本人の約50人に1人と言われ、このように5歳から19歳までに高い傾向にあるのは、就学時健診や学校健診で検出されるためと考察されています。子供の斜視では、2つに見えるという複視などは感じにくいのですが、立体的に見える力、両眼視の喪失や眼精疲労、斜頚の原因になると言われています。
次、お願いします。また、斜視の患者のアンケートにおいては、斜視があることで友達との付き合いに支障があったり、人と打ち解けられないなどの回答が見られます。子供の斜視では、複視は感じないので気づきにくい、弱視のリスクがあったり、立体的に見る両眼視機能が得られないなど学校での学習や生活、また、心理面でもマイナスになり得ます。検査で見つけて治療につなげることができ、改善が見込めるという意味で検査の意義があります。
次、お願いします。次に最近の話題である子供の電子機器の使用状況ですが、これは非常に長くなっており、いろいろな面で子供に影響を与えています。眼科領域では近視進行という観点からも危惧されていますが、斜視との関連も問題になります。
次、お願いします。スマホ内斜視という言葉がメディアでも取り上げられていましたが、この後天共同性内斜視、つまり、あるとき急に内斜視になり、物が2つに見えるという症状が出るのですが、その患者では16歳をピークに中高生で発症頻度が高いことが分かっており、また、もともと斜視や弱視などの既往がある方に発症しやすいという傾向が分かりました。すなわち、学校健診で低年齢のうちから、斜視や弱視の検出をすること、そして、デジタルデバイスの適切な使用方法を助言することが非常に大切となるわけです。
次、お願いします。こちらは外眼部の診察で検出される疾患を挙げました。左上のこの睫毛内反、これは逆睫毛ですが、しばしば健診で検出される異常です。ただ、程度が軽く見られても、実は右のところのように目の表面に傷があり、視力障害につながることもあります。流行性角結膜炎など感染性の疾患やアレルギー性結膜炎など健診の時とは限らず、日頃の観察で症状があるときは眼科を受診することを周知することが大切です。その意味でも、保健調査票の充実や活用が有用と思われます。最近、中高生では診療を受けずに直接インターネットや雑貨店でコンタクトレンズを購入したり、おしゃれ目的でカラーコンタクトレンズなどを不適切に使用する生徒が増加しています。最初に医療機関を受診して、適切な使用方法やレンズケアの方法を学ぶことが重要です。そのためにも、特に中高生では健康教育や啓発活動を重視することが望まれます。
次、お願いします。これまでお話ししましたように、児童生徒及び学校保健を取り巻く眼科領域での環境の変化は著しいものがあります。そのために、例えば健診という形だけにとらわれるのではなく、学齢によっては健康教育や啓発に力を入れ、それを眼科医が担当することで養護教諭の負担軽減につながると考えます。また、既に行っているところもあるようですが、学校保健委員会や学校での講演などをオンラインで行うことにより、学校医自身の負担軽減もでき、不足している地域でも眼科医が関わりやすくなると思います。
次、お願いします。健診時期については、可能であれば原則今のように6月30日までとし、どうしても日程調整をするのが大変な場合は、例えば1学期末までを目安にするなど柔軟に対応していただけますと、学校医だけでなく、調整をする学校側の負担軽減にもつながるのではないでしょうか。
次、お願いします。眼科学校医が不足しているところでの対応について、都道府県からいただいた報告では、健診医として参加をしているというのがありました。この場合、自治体の枠を超えて都道府県単位で医師会と眼科医会が連携して派遣をしていました。それには大学及びその関連病院の協力もあり、働き方改革などの制限はありますが、地域医療貢献ということで、勤務する病院側も配慮や協力をしているケースでした。また、多い生徒数の場合に複数で健診に出向き、その場合は必ず上級医と若手医師が一緒に参加することで、若手医師の育成にもなる。すなわち、将来、学校医になり得る医師を育成する機会にもなっているわけです。また、少子化や医師偏在などにより、今後も現行どおりの健診が難しくなる地域が出てくると思います。既にそのような地域では、複数校を1か所に集めて健診をしているという報告がありました。すなわち、これらの好事例で共通しているのは、自治体の協力や理解、より広域で児童生徒を取り巻く地域全体の協力が必要になると思います。
次、お願いします。今後の眼科健診においては、変化する現代の健康課題に対応することがますます必要になります。低年齢では特に視力検査やその事後措置、そして高学年から中高生では、健康リテラシーの熟成が、ひいては将来の疾病予防につながります。例えば近視進行予防やデジタルデバイス使用については、学校生活だけでなく、家庭においての日常生活の中でも屋外活動推進やデジタルデバイスの適切な使用など1次予防が必要であり、そのためには保護者も含めた啓発により疾病予防への行動変容につながると考えています。
次、お願いします。最後のスライドです。学校健診は、全ての児童生徒の健康を守るセーフティーネットであり、単なるスクリーニングではなく、児童生徒の視覚発達を社会で支える仕組みへと進化すべき段階に来ています。それには教育関係者、保護者、国や自治体、医療者が連携し、未来ある子供たちの学ぶ力を支える、見る力を守る学校健診へ眼科医として関わっていきたいと思っております。御清聴、ありがとうございました。
【髙田座長】 近藤参考人、ありがとうございました。
ただいま眼科健診の検査等の意義、それから、健診の時期、学校医不足への対応の好事例、今後の眼科健診の在り方についておまとめいただきました。ただいまの御説明を踏まえまして御意見、御質問等がございましたら、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
明神委員、お願いいたします。
【明神委員】 ありがとうございます。浜松医科大学の明神でございます。このたびは御説明いただき、弱視の治療や早期発見の必要性をとてもよく理解できました。ありがとうございました。その上で2点質問させていただきたいのですけれども、まず1点目は、弱視や眼位の異常などは、就学前健診で結構多く拾われている、最後の砦というようなところをおっしゃっていました。そうすると、そこで拾われて就学後に新規発見される割合は、それほど高くないような印象が出ました。眼科の先生の御負担も鑑みて、毎年実施するのは視力検査に限って、その上で眼位検査は就学前健診に絞ったり、先ほど耳鼻科医会の朝比奈先生がおっしゃったような重点的健康診断という形で学年を固定して実施したりするのがいいように感じたのですけれども、その辺り、先生、どうお考えでしょうか。
【近藤参考人】 ありがとうございます。確かにおっしゃるように弱視の発見というのは、就学時健診よりも、それから、低学年になるとだんだん発見率が少なくなると思います。ただ、先ほど言ったようにこの小学校の1、2、3年という低学年というのは、弱視の発見だけでなく、先ほど言った近視が一番進行するので、それでも受診勧奨しても50%しか、結局は受診しないということを考えますと、やはり生徒一人一人を見る機会が特に低学年には逆に必要なのかなと私たちは感じております。
【明神委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおりで、学校でどこまでスクリーニングで取って、どこまでが受診されるかは、検討課題なのかなと思うのです。そうすると、視力検査は毎年実施すると思うんですけれども、その上で実際に眼科の先生に直接診察されるのを2年生に限定するというようなところは、それはどうでしょうか。
【近藤参考人】 基本的に先ほど言ったように1年生、2年生、3年生というのは、学校では視力検査しかいたしません。もちろん、それで2年生だけに限定する意味がちょっと難しいとは思いますが、毎年確認することで眼科に少しでも行くことによって屈折検査がしっかりとできるというと、少しでも今、早い時期に治療に結びつけることができますので、特にこの1年生、2年生、3年生みたいな小さいときにこそ、逆に言うと安定した時期と比べると必要なのかなと考えております。
【明神委員】 ありがとうございます。それは視力検査がということでよろしいですか。
【近藤参考人】 視力検査と、それから、眼位に関してももちろんそうですけれども、視力検査は大事ですね。毎年行っていくのは必要だと思っております。
【明神委員】 ありがとうございます。必要性は十分承知しております。
あと2点目、先ほど児童生徒の継続的な視覚管理に眼科医が関わることが重要とおっしゃっていただいて、もちろんそれはそうかなとは思っているんですけれども、実際、眼科の先生もお忙しくて、なかなか学校医の確保というのが難しい地域もあると思います。その中でも養護教諭や学校医の負担軽減を眼科の先生が担うというところを、医会として進められるのがいいというふうにお考えということでよろしいですか。
【近藤参考人】 はい。基本的にやはり私たちも、ちゃんと学校医として眼科が入っているところは現行通りですが、全く入っていないところにおいては、基本的に健診医としてうまく回っているところがあるので、また、そういう形で特に学校医で内科の先生、小児科の先生が専門ではないのに、逆に判断を委ねられたりするのが非常に難しい場合に、たとえ健診でも眼科医が入ることが非常に大事かなと感じております。そして、耳鼻科の先生も耳鼻科のときにおっしゃっていたんですが、自治体の理解というのが非常に大事で、実は今回の都道府県下のアンケートでも、実際、眼科医は昔と比べて、その地区では増えている。医師会も、それから、眼科医会も学校医として眼科が加われますというふうに言ったのですが、もういいです、内科の先生、いらっしゃるので眼科医はいいですと言われてしまったりとか、同じ地域に講演に行きました際に養護の先生からも、眼科の健診に、眼科の先生、たまに来てほしいのですが、どうもそれがいるのにできない場合、どこへ言ったらいいでしょうという質問をこの間、講演では伺いましたので、私たちとしては、どうしても難しい場合は健診医で行く。それでも地区によっては、基本的に全く眼科が関与できないときにというところもあると思うんですね。その場合は、段階的に、例えば問診票とか、そういうところで、どういうふうなことが出たら眼科へ行くというようなものを充実させることによることができるのではないか。
それとあとは、地域的に、そのうち学校医すら、いわゆる内科医すらもいないような地域も出てくると思うんです。これは少し先の話になりますが、1か所に数校集めるのはもちろん現在でもやられています。それでも駄目な場合は、各自治体にある3歳児健診のときに使っています検査があるのですが、フォトスクリーナーを使うことによって屈折検査と斜視の検出ができるので、もう本当に医師がいないような地域は、それでもどこかの学年で、そういうことをするのも1つの手かなというふうに、段階的に不足、不足といっても、自治体にちゃんとそれが伝わっているのかを含めてきちっと把握することが必要というふうに感じています。
【明神委員】 ありがとうございます。
【髙田座長】 明神先生、よろしいでしょうか。
【明神委員】 はい。
【髙田座長】 そうしましたら、続きまして柏原委員、お願いいたします。
【柏原委員】 ありがとうございました。1つ感想と、1つ質問をさせていただきます。感想としては、やはりデジタル化に伴ってスクリーンタイムというのが増えているというところと、視力低下というところが、今、注目すべき健康課題と認識しております。また、眼科の先生方が全国一律に積極的に関わっていただけることは、個人的にはとても期待しているところです。
質問です。色覚検査の件ですけれども、確かに必要なお子さんはいると感じています。10枚目のスライドですが、この中で希望調査の徹底というのは、理解しましたが、この中で、学校のブルーの枠組みの中の左側ですが、希望者に学校で色覚検査を実施し、また眼科医の受診のために、眼科医が校内の健診で検査をするというように見て取れるのですが、これは2回やるという意味なのでしょうか。というのが、学校では1回の検査でもよいのかどうかということを先生の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
【近藤参考人】 ありがとうございます。これについては、1回でもという意味で、もちろん希望調査なので、もう小さいうちから分かって、眼科で一度診断も受けましたという人は、分かっていますということでやらなくてもいいと思うんです。実際は色覚検査自身は、すごく地域差もあるんですけれども、あるところでは、東北ブロックなどに聞きますと、9割方きちっと希望調査をしっかりやっていますというところもあれば、九州ブロックなどに聞きますと三十何%、4割弱ぐらいしか実はやられていない。同じような希望調査といっても、ものすごく地域に差があるということは、それに対する先生方の認識とか、そういうのも違うから、ぜひその辺は一律ちゃんと希望を取って、一度は何かをやれる機会をということの意味です。
【柏原委員】 ありがとうございました。以上です。
【髙田座長】 ありがとうございました。
続きまして、富永委員、お願いいたします。
【富永委員】 薬剤師会、富永です。どうもありがとうございました。近藤先生。今、柏原先生から言われたのですけれども、学校環境衛生検査の中で照度というのがあって、明るさの基準があるわけです。もちろん、それは児童生徒らがちゃんと見えるということが条件で、黒板の照度があって、机上の照度もあってということでした。ところが、今おっしゃったように、ギガスクール構想の前倒しでスクリーンタイムがすごく増加していて、近視が増加するとか、視機能障害のリスクが上がるとか、そういうことをおっしゃっていましたが、その電子黒板とか端末の輝度の問題、つまり、照度ではなくて、その眩しさといいますか、輝度の問題があると思うんですね。眼科の先生からして、この基準がないのはいかがなものかと私は思ってお聞きしたいのですけれども、今後の保健指導等もあるかもしれませんが、法律で、もし学校環境衛生基準を定めるとすれば、それは必要かどうか少しアドバイスをお願いしたいんですけれども、よろしくお願いします。
【近藤参考人】 御質問、ありがとうございます。おっしゃられていますように、教室の照度とか、机上の照度については、しっかりと先生方が、薬剤師会の先生方が測っていただいています。近視進行抑制に関しては、基本的には1,000ルクスから、照度で言いますと1,000ルクスから3,000ルクスぐらいあると非常にいいと言われていて、外に出るだけでも、木陰でも7,000とかいきますので、そういう意味で外に行きましょうという近視の照度の関係は、最近分かってきましたので言われています。
輝度に関しては、多分、このタブレットとか、PCを使う以前なので、今まではICTの進め方で文科省からも出ています、いわゆる自分の映り込みがないように、影になっていないようにとか、あるいは眩し過ぎない、自分がいいようにという、そういったざっくりしたものはきちっとあると思うんです。これから、じゃあ、輝度が与える影響とか、個人、個人で眩しさに関する違いもあると思いますので、これはいただいた意見を参考としまして、私たち、持ち帰って今後の課題とさせていただければと思います。
【富永委員】 ありがとうございます。よろしくお願いします。
【近藤参考人】 はい。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、遠藤委員、お願いいたします。
【遠藤委員】 近藤先生、ありがとうございました。1つ教えてほしいことがあります。スマートフォンの影響等で途中斜視が増えているという報告がされています。健康診断マニュアルにもあるカバー、アンカバーテストを行って、養護教諭が、スクリーニングするというのは、そもそもできるのか、または有効かということ、眼科医による健診ができない場合には、行ったほうがいいのかについて教えていただければと思います。
【近藤参考人】 先生、ありがとうございます。基本的にはカバー、アンカバーテストなどは、もしかしたら、それは非常に難しくて、こここそ眼科医がやっぱりやるべきものというふうに認識しております。先ほどあった途中で出てくる急性の内斜視というのは、いいことに自覚がしやすいんです。子供の頃から持っている斜視は自覚かないから、それは眼科医の診察で検出をするのですが、途中から何か物が2つに見えると言い出しますので、そこは養護の先生に、そんなことがあったらということで日頃の観察から拾っていただけるといいと思います。そこには、実は素因として既往に弱視とか斜視がある子に表れやすいと言われているので、そういう素因を持った子を少し早い段階から拾って、それでデジタルデバイスの使い方などを注意することによって、共同性内斜視を、いわゆるスマホ内斜視を起こさなくする予防にはつながると思いますので、そういう面で養護の先生に協力いただけたらと思います。
【遠藤委員】 よく分かりました。ありがとうございました。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 先生、ありがとうございました。スライド22ページの未来ある子供たちの見る力を守る学校健診へというポンチ絵に、単なるスクリーニングではなく、児童生徒の視覚発達を社会で支える仕組みへと進化すべき段階、と記載されています。今回改めて眼科健診や眼科における健康課題の認識を深めることができましたが、この文章を読むと、従前の眼科健診から一歩進んで、もう少し精密度高く検診を実施するとか、社会で支える仕組みへというところが、学校健診の趣旨を超えたような印象を強く受けました。ここについての御見解を教えていただきたいと思います。
【近藤参考人】 そうですね。少し抽象的で申し訳ありませんでした。基本的には検査をやって、検査から分かることというのが述べたとおりなのですが、そうではなくて、やはり近視とかに、デジタルデバイスに関しましても、日常生活、家に持ち帰ってからの生活が非常に大事になるので、健康教育、大事な学校保健というところでいきますと、そういった子供たちの啓発とか、そういったことが非常に必要になると考えていますので、どちらかというと健診で異常を見るとかだけでなく、プラスアルファの健康管理のところに専門的な健康教育とか、子供たちにつなげることが必要になっていますねということをメッセージとして伝えたかったということです。それには時にやっぱり親が理解をしていただかなければいけないので、場合によって何か学校で催しがあるとき、保護者を集めたような会があったときに、たまには眼科医を招いて、そういった講演みたいなことをして、親も巻き込んでいくような形も必要なのかなということです。
【髙田座長】 いかがでしょうか。
【田中委員】 学校保健安全法には、まず学校は、定期健康診断、学校健診を実施する前に保健調査を実施する。そして、日常において、養護教諭をはじめとする、全ての教職員は家庭での健康観察を踏まえて、学校生活を送るにあたり支障があるかスクーリングし健康状態を把握するという、役割、法的な縛りがあります。健診後、健康相談や、日常の健康管理につながるのではないかと思います。学校健診の実施において精密検査を要するのかというと、そこはまさに健康相談につなげたり、あるいは専門医のほうにつなげることが望ましいのではないかなと、学校現場の立場として感じました。
以上です。
【近藤参考人】 ありがとうございます。もちろん、学校現場では、それでいいと思っております。
【髙田座長】 ありがとうございます。
藤髙委員、御発言、御希望ということなのでお願いいたします。
【藤髙委員】 ありがとうございます。視力の低下というのは、学校の健康課題になっておりまして、近視等が進みやすい学童期には健康診断の結果を基に学校での保健指導や保護者啓発に取り組んでいるところです。また、眼位の異常等も発見されることが多くありますので、医療のほうに確実につないでいくといった取組も大事に実施しているところです。もちろん、先ほどから出ておりますデジタル端末の使用についての指導の重要性も強く感じておりまして、取組を少しずつ進めているところではございます。
先日、本校で行いました学校保健委員会でも視力低下とスマホ内斜視が話題になりまして、学校医の先生のお話から保護者も家庭におけるスマホ等の使用について、改めて考えを深められたところです。眼科健康診断においては、健康診断を基にした健康教育、これを重視した取組が今後より一層必要になるのではないかなと思っております。近視が進行することによって、将来の目の病気になるリスクも高まりますから、改めて学童期の子供たちの目を守るために、学校医の先生方とより連携を図った健康診断の実施、そして健康教育を進めていくことができればと思っています。
ただ、耳鼻科の先生同様、複数校を担当されているということで、とてもお忙しいです。最後のほうに述べられましたけれども、原則6月30日まで実施でということで、地域の実情をというところもありましたけれども、学校としましたら、こういった観点からも原則6月30日までの実施をお願いしたいと考えております。より健康診断から健康診断に基づく健康教育というところを今後大事に取り組んでいけるといいなと思っております。すみません、感想でした。
【近藤参考人】 ありがとうございました。
【髙田座長】 ありがとうございます。
近藤先生、何かございますか。いかがでしょうか。
【近藤参考人】 私ですか。
【髙田座長】 はい。
【近藤参考人】 いえ、本当にいろいろな貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。また、私たち、これを持ち帰りまして眼科としてもいろいろ対応を考えていきたいですし、何しろ学校の現場で働く養護の先生たちとも、どういう形が今の学校健診に必要かというのは、相談しながらやっていけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、御発言は、御希望の委員は、よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして、公益社団法人日本眼科医会、近藤永子参考人へのヒアリングは終了させていただきます。近藤参考人、お忙しいところ、ありがとうございました。
【近藤参考人】 ありがとうございました。
【髙田座長】 近藤参考人におかれましては、御退席いただいても差し支えございません。
それでは、時間か押しておりますけれども、お待たせしました。最後に一般社団法人日本臨床整形外科学会、新井貞男参考人、渡辺航太参考人よりヒアリングを行います。資料3につきまして、新井参考人より御説明いただけるとのことですので、よろしくお願いいたします。
【新井参考人】 では、よろしいでしょうか。
【髙田座長】 お願いいたします。
【新井参考人】 では、始めさせていただきます。平成28年から開始し、10年を経過した学校健診における運動器検診に関し、意見を述べさせていただきます。
次、お願いします。検査項目を実施する意義について、日本臨床整形外科学会では、運動器検診の結果、どういう診断がなされているかを知るために、アンケート調査を行っております。これは運動器検診後、会員の医療機関を受診した児童生徒の診断結果を平成28年の運動器検診開始後、毎年行っている調査です。平成28年から9年間で3万8,264例の報告がありました。
次、お願いします。症例は全国の都道府県から報告がありました。次、お願いします。小中高の報告があり、小学校高学年、中学校での報告が多く上がっています。次、お願いします。男女比はほぼ半々です。次、お願いします。9年間の受診勧告理由です。側弯症の疑いが最も多く、年度を追うごとに増加傾向にあります。関心が高まっていることが推測されます。腰の前後屈痛、片脚立ちができない、しゃがみ込みができないは減少傾向です。
次、お願いします。9年間の診断結果を見てみますと、側弯症が47.2%と最も多く診断されていますが、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)等の疾患も診断されています。
次、お願いします。診断後の事後措置を見ますと、指導観察が50%前後です。コロナの影響があった令和2年度と令和3年度を除き、手術症例が存在しています。ただし、他専門医紹介の中にも手術となった症例があると思われ、手術症例はもっと多いと思われます。
次、お願いします。指摘された側弯度Cobb角を見てみますと、経過観察でよいCobb角20度未満が90%近くを占めますが、手術適用となる50度以上の症例が必ず存在しています。
次、お願いします。側弯度が20度以上と指摘された症例を見てみますと、小学校5年生以降の女子に指摘頻度が急増しているのが分かります。これが着衣の問題の原因と思われます。以上、9年間の運動器検診のアンケート結果を報告しました。
次、お願いします。検査項目を実施する意義を検討するために、運動器検診でどういう診断がなされているかを見てみます。重複してチェックされていますが、傾向は分かると思います。
次、お願いします。「背骨が曲がっている」から「しゃがみ込みができない」まで6つの留意ポイントの各々について、受診勧告からどのような疾患が診断されているかを見てみます。
次、お願いします。側弯の疑いの受診勧告からの診断は、59.8%は側弯症が診断されていました。0.1%ですが、発育性股関節形成不全が診断されていることに注目する必要があります。脚長差が原因で代償性側弯を来していることが原因と思われます。
次、お願いします。腰の前後屈痛により受診勧告されて診断された疾患は、その他の脊椎疾患、側弯症、腰椎分離・すべり症、椎間板ヘルニア等が診断されていました。主として脊椎疾患ですが、下肢の拘縮、体の硬さによる前後屈痛も診断されていました。
次、お願いします。しゃがみ込み不可で受診勧告され、診断された疾患は、体の硬さ由来の下肢の拘縮が最も多く、45.5%でした。また、しゃがみ込みという動作から、オスグッド病などの膝疾患、足関節や足部や下肢の疾患が多く診断されていました。また、発育性股関節形成不全やペルテス病が診断されていました。これはしゃがみ込みができないという簡単な検査で、重大な疾患の診断につながっており、重要な検査項目です。
次、お願いします。片脚立ち不可で受診勧告され、診断された疾患は、異常なしが54.4%と大部分でした。バランス障害も9.8%でした。しかし、発育性股関節形成不全の診断もなされており、片脚立ちという簡単な検査で疾患の診断につながっていました。
次、お願いします。肘の屈伸時の異常は、全体から見れば指摘頻度は低いですが、受診勧告された場合は、肘関節障害が43.5%指摘されており、異常なしは31.5%と少なく、異常の指摘頻度が高くなっています。
次、お願いします。バンザイ動作ができないから受診勧告され、診断されたのは、上肢や下肢の硬さ由来の拘縮が多く、上肢だけでなく下肢の硬さも診断されており、バンザイ動作ができない子は全身が硬い可能性もあり、子供ロコモとの関連も含め、注目すべきです。肩関節障害も当然ですが、19.6%診断されています。
次、お願いします。いま一度、各検査項目を実施する意義について見てみると、いずれも重大な疾患の診断に役立っており、その検査方法も簡便です。脊柱及び胸かくの疾病及び異常の有無並びに四肢の異常等を観察するのに役立っていると考えられます。
次、お願いします。運動器検診で見つかった症例を供覧します。小学3年生の女子、受診勧告理由は、側弯症の疑いです。確かにダブルカーブの側弯を認めます。診察した医師は、側弯だけでなく、骨盤の傾きに注目して骨盤のレントゲンを追加しています。
次、お願いします。骨盤のレントゲンです。左の股関節が完全脱臼しているのが分かります。この状態でも、学校では普通に体育の授業を受けていたそうです。運動器検診がなければ、成長し、痛みを訴えるまでは診断されることはなかったと思われます。
次、お願いします。14歳女性です。50度超えのダブルカーブを呈した側弯症です。できれば前年で見つけたかったと思います。
次、お願いします。児童生徒のプライバシーの問題ですが、運動器検診で問題となるのは側弯症です。
次、お願いします。昨年1月の文科省通知でも、「原則着衣またはタオル等で体を覆い」となっています。
次、お願いします。しかし、側弯症検診を行う場合、肩の高さ、ウエストライン、肩甲骨の位置、肋骨隆起の4つのチェックポイントを診察することが重要です。
次、お願いします。日本側弯症学会では、脱衣が原則であり、最低限背部を直視できることが見逃しを防止するために必要であるとしています。
次、お願いします。スライドは側弯症疑いで当院に来院した11歳、女性です。着衣で前屈してもらい、背部の写真を撮りましたが、これで側弯症を疑うことが可能でしょうか。レントゲンでは、Cobb角18度の側弯を認めました。側弯症は、早期発見し、軽度であれば成長期の一時期、装具治療を行うことにより進行を予防することが可能です。
次、お願いします。この症例は13歳4か月の女子です。78度で発見され、手術を受けています。脱衣による側弯症検診でプライバシーが侵害され、精神的ダメージを受けたとの報告もあります。しかし、高度側弯症となり、手術を受けた場合、精神的ダメージだけでなく、傷跡が残り、身体的ダメージも受けます。しかも、体内に矯正の金具が入ることになります。
次、お願いします。もう一例は、14歳、男子です。113度の重度側弯で発見され、矯正手術を受けています。手術により側弯は矯正されましたが、手術創は残り、運動制限もあります。
次、お願いします。さて、学校健診はスクリーニングであり、診断ではないとする意見もありますが、健診で見た児童生徒が来院した場合、初診料は算定できず再診となります。保険診療では学校健診はスクリーニングではなく、診察と位置づけられています。
次、お願いします。先ほどスライドで示しましたが、着衣での側弯症検診は困難です。着衣で検診を行い、側弯症の見逃しがあった場合、責任の所在はどこにあるのでしょうか。行政、学校長だけでなく、診察である以上、学校医の責任は免れません。最近、着衣では十分な検診が行えないとして、学校医を返上しようとする医師も出てきております。
次、お願いします。そうはいっても、あちこちから脱衣での学校健診に対する批判が出ております。できるだけプライバシーを配慮して学校健診を行う工夫が必要です。学校健診の必要性、脱衣が必要であることの説明を事前に説明しておく。場合によっては、保護者向けの説明書を作成する。着衣での健診を希望する保護者には、着衣での健診では視認できない部分があるため、疾病を見逃す可能性があることを御了承くださいなどの同意書を用意する必要があるかもしれません。実施場所は、衝立やカーテン等の配置を工夫し、個別の診察スペースを確保し、他から見られない工夫が必要です。検査方法の工夫として補助検査機器を導入することも方法の1つです。
次、お願いします。しかし、令和4年度、脊柱側弯症検診に関する調査研究事業では、補助検査機器を用いた検診は、全国13の都道府県でしか導入されていません。導入に対する更なる働きかけが必要です。
次、お願いします。また、側弯症検診時の工夫として、後ろを向いてもらい、養護教諭などの補助者に体操服をまくり上げて背部を診察する方法も、体の前面を見せないということで女子には抵抗が少ないようです。スライドは、当院に来た患者さんですが、看護師に服をまくり上げてもらい、背部を診察したものです。ウエストラインの左右差が分かります。レントゲンでは18度の側弯症でした。
次、お願いします。検査の実施時期ですが、6月30日終了にはこだわらないですが、成長期に側弯は進行するので、毎年同じ時期に施行するのが望ましいと思います。
次、お願いします。事後措置に関しては、側弯症などの脊柱・胸郭の異常に関し、疑いがあれば整形外科医の受診を進めます。四肢の疾患の診断がついた場合は、医師の指導に従います。問題は、しゃがみ込みができない、片脚立ちができない、バンザイができないと指摘された、いわゆる子供ロコモの場合です。生活様式に起因するものが多く、体育の時間にストレッチ、体操等を取り入れてもらうことにより、翌年、受診勧奨が減ったという報告もあります。
次、お願いします。養護教諭や学校医の負担軽減等に関しては、運動器検診保健調査票を活用し、保護者に運動器検診に対する理解と見る目を持ってもらう。保健調査票にチェックがある場合は、検診時に重点的に見るなどの対応が可能で、検診時の負担が軽減されます。
次、お願いします。脱衣の問題が、養護教諭や学校にとってストレスとなっています。学校医は内科、小児科医が主体であり、側弯症をチェックできているかという不安も持っております。
次、お願いします。日本学校保健会が発行した子供の運動器の健康では、学校医の負担軽減を図り、側弯症検診における地域格差をなくす意味で、補助検査機器の導入を推奨しています。
次、お願いします。渡辺航太先生の文献の引用です。総じて全体として、低値なのですが、視触診で実施している地域のほうが検査機器を導入している地域に比べ、被患率が低い傾向が見られます。
次、お願いします。脱衣の問題と学校医の側弯症検診のストレスを軽減する意味で、機器を用いた側弯症検診が重要です。検査機器を用いた側弯症検診は、学校医の側弯検診の負担軽減に役立つだけでなく、検査の際、女性の技師が行うことにより、プライバシーに配慮することができます。Smile Scan等の従来型のモアレ機器は、長年のデータの蓄積があり、信頼性があります。また、近年着衣での検査が行える検査機器も開発されており、今後の展開が期待されます。
次、お願いします。御清聴、ありがとうございました。以上です。
【髙田座長】 ありがとうございました。
ただいま運動器検診の現状と課題ということで、実施の意義や実施方法、特に側弯症におけますプライバシーに配慮した検診実施時期の工夫、それから、検診の実施時期、事後措置、最後に、養護教諭、学校医等の負担軽減につきまして御説明をいただきました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、挙手、お願いいたします。いかがでしょうか。
渡辺委員、お願いいたします。
【渡辺委員】 日本医師会の渡辺です。学校医が整形外科の先生に質問するとは、何か失礼かもしれないのですけれども、意見と質問、そしてお願いを簡単にさせてください。
1点目は、先生が運動器検診の結果で診断された病気を示されたと思うのですけれども、例えば片脚立ちだったら股関節の形成制限、しゃがみ込みでペルテス病、腕の屈伸で野球肘とかいうことがあったんですけれども、実際には内科健診の間にこれらを見つけるのは非常に困難なことが多いのですけれども、これは問診票で見つけたんですか、それとも内科健診のときの運動器検診で見つけられたのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。
それから、2点目は、先生がお示しになられたとおり、脱衣に対しては、必要な健診は行わなければいけないということをやはりきちんと説明して啓発し、理解されない場合は、学校健診自体を受けるかどうかというところを明確にする必要があると思っています。先生のお考えを、日本医師会も進めていきたいと思っております。
3点目は、先生が検査の、側弯検診の実施時期を毎年同じ時期にとおっしゃったのですけれども、これは、内科医の指針を示しておられるなら可能かもしれませんけれども、後から述べられた検査機器によって毎年同じ時期に全例の検査というのは、まず無理だと思います。例えば秋田県にしても、德島県にしても、全県やっていますけれども、2台か3台の機械を回し、1年間で一定の学年をやっとできているというレベルですので、全学年検診は難しいように思います。毎年同じ時期が望ましいというのは、内科校医の健診をお示しになられたのか、確認させていただきたいと思います。
最後に、これはお願いなんですけれども、先生が最後にお示しになられたように、側弯症の機器が複数出ています。ある方によれば、安い機械で簡単にできる、例えばスコリオデバイスなんかは非常によいとおっしゃる先生や関係者がおられるのですけれども、この機器における精度の違いをぜひ専門家のお立場で検証していただきたいと思います。検査の機械の違い、判定医の違い、それから、今、先生がさっきお示しになられた個人の医師の違いの、どう違うかというのを具体的にお示しになっていただいたほうが現場で採用されやすいと思いますので、ぜひ今後御検討いただきたいと思います。
以上でございます。
【新井参考人】 ありがとうございます。まず、野球肘とか、そういったものが、現場でそのまま診断されるわけではなくて、健診で学校医の先生が疑いを指摘していただいたものです。それはこの内容自体は、整形外科的というか、内科の先生でもできるような方法を作られました。だから、しゃがみ込みができないというのは、いろいろな原因があるんですけれども、それができるかできないかだけを見ていただければいいかなと思って、肘なんかも、完全に伸びているか伸びないかというだけで、内科の先生に不評なのですけれども、やってくださっています。場合によっては保健調査票のみでやっているところもあるようです。そこら辺のところは、私は把握し切れておりません。
2番目、何でしたでしょうか。すみません、たくさんあったので。
【渡辺委員】 先生、あまり詳しくお話にならなくて結構でございます。すみません。
【新井参考人】 はい。あと、最後スコリオデバイスの件なのですけれども、一長一短があって、この精度というのはちょっと難しいです。あくまでも補助検査法として位置づけてほしいのですけれども、なぜかというと、100%、レントゲンを撮らないと分かりません。あくまで補助検査なので、これで精度がどうのこうのと言われても、それはちょっと無理かなと。体位というか、その格好、学校でちゃんと撮れるか撮れないかが大きな問題になってきます。機器の問題というよりは、その場の問題なので、ある程度参考値として扱うべきではないかなと思っております。精度、ちょっと無理です。以上でよろしいでしょうか。
【髙田座長】 ありがとうございます。検診の時期についてはいかがでしょうか。
【新井参考人】 検診の時期は、あくまでも学校医が判断する時期は同じにしてほしいということです。はっきり言って、検査機器を用いてやるのは、より細かくはなりますけれども、その時期というのは、はっきり機器が、そんなにたくさんあるわけではないので、それを交代でやっていきますので、ずれていきます。ただ、学校医が見るのは同じ時期でやってほしい。ある程度、1年間に急速に進む子がいるので、側弯症が強く疑われるのであれば、もう補助検査機器を使わずにすぐ整形外科医の受診を促したほうがいいのではないかなと思っています。
【髙田座長】 ありがとうございます。
渡辺委員、よろしいでしょうか。
【渡辺委員】 結構です。ありがとうございます。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そうしましたら、弓倉委員、お願いいたします。
【弓倉委員】 新井先生、どうもありがとうございます。28ページと29ページのところに重度の側弯例を出していただいておりますが、子供たち、いずれも14歳とか13歳4か月なので、学校の健康診断で側弯検診も含めた形で受けていた生徒ではないかなと思うのですが、この方々はやはり病歴的に見落とされていたのか、あるいは1年で、先ほど先生がおっしゃられたように急激に側弯というのは進行するもので、そういう形でやむなくこんなふうになってしまったというふうに理解したほうがいいのか、それを教えていただければと思います。
以上でございます。
【新井参考人】 ありがとうございます。これを言うのは非常に難しいのですけれども、急速進行例と、見落とされた例が混在していると思います。他には、必ずしも運動器検診を受けているかというと、事情があって受けられていなかったり、休んだりとかもあります。帰国子女であったりして、健診の機会が失われていたとか、不登校でそういったものが受けられなかった、運動器検診自体受けられなかったというようなこともございます。いろいろな要因が重なっていると思います。いろいろなケースがあるのではないかなと思います。ただ、早期に見つければ、こういった症例を減らすことは可能です。稀に装具内悪化例というのもあるんですが、ほとんどは装具を装着すれば進行は防止できます。いかに早期に見つけるかというのが大切ではないかなと思っています。よろしいでしょうか。
【弓倉委員】 はい。ありがとうございます。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、ございますでしょうか。明神委員、お願いいたします。
【明神委員】 浜松医科大学の明神と申します。側弯症について、大変勉強になりました。ありがとうございます。この中で、側弯症に限った質問にはならないのですけれども、健診医が自院への受診を促して、初診料が算定できないことには驚きました。そのため、見逃しの責任を懸念して学校医返上というのも、そのお気持ちはお察ししました。その一方で、内科の先生が、確かにそういう背景もあり、側弯の検査に躊躇する、御負担になっているというところも聞いております。実際、臨床整形外科学会の先生方の中で、どれぐらいの割合で学校医を受け持たれているか、学校医の中で整形外科の先生がどれぐらいいらっしゃるかというようなデータというのは御存じですか。すみません、こちらで調べたものの、見つからなかったので先生にお伺いしました。
【新井参考人】 私自身は整形外科医ですが、学校医をやっております。学校医の七、八割は内科医、小児科医です。2021年の日本臨床整形外科学会の会員基本調査では、日本臨床整形外科学会会員のうち学校医をしているのは、回答してくれた会員4641名中1041名(22%)でした。学校医の中で、整形外科医の占める割合は、少し古いデータで申し訳ないですが、2016年に千葉県医師会が行った調査では千葉県内900の小中学校で学校医のうち整形外科医は7.8%でした。また、今年の千葉市(政令指定都市)医師会の調査では学校医171名中、整形外科医は11名(6.4%)でした。
【明神委員】 ありがとうございます。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。そうしましたら、藤髙委員が途中退出されておりますけれども、コメントをお預かりしておりますので、事務局から御紹介させていただきます。
【赤星専門官】 事前に藤髙委員からいただいたコメントを御紹介させていただきます。運動器検診において最も発見される側弯の疑いは、学童期の健診において発見されることが多く、また、症状が急激に進行する場合もあり、学校としても健康診断の折に学校医に保健調査や学校での観察を基に丁寧に伝え、健康診断が効果的に実施できるようにしているところです。また、文科省から発出されました児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備についても学校医との打ち合わせを十分行うとともに、児童や保護者への説明も丁寧に行い、理解を得て実施しているところです。
説明をお聞きし、改めて事前説明や実施場所の工夫、健診方法の工夫等が重要であることを深く考えたところです。検査の実施時期について、6月30日にはこだわらないが、成長期の側弯は進行するので、毎年同じ時期に施行するのが望ましいとありましたが、学校の健康診断においては、内科健康診断の中で実施されており、内科健康診断で行われるほかの内容について、全て同じように扱うことができるかどうかも含めて、検討しなければならないと思っています。学校としては、特に心臓の疾病や異常等は、現行の6月30日までには実施し、学校生活の配慮等、行っていきたいところです。
運動器のみ別に実施する場合を想定しても、学校医の負担及び養護教諭、そして児童生徒の負担が増えますし、健康診断は教育活動、特別活動として実施しておりますので、内科健康診断を2回に分けて実施することは難しい部分もあると考えます。整形外科専門の先生を配置いただき、学校医と分担し、一緒に実施できれば大変ありがたくも思いますが、整形外科校医の配置はすぐには難しく、配置等に当たっては様々な課題を整備する必要があると考えます。そのような中、機器を活用した運動器検診についてお話がありました。これまでに話したこと等も踏まえ、総合的に考えても機器の活用は有効な方法になると考えます。学校医の負担の軽減及び児童生徒等の側弯の疑いの早期発見につながり、精密な検査や治療、学校等での配慮等につないでいくことができるのではないかと考えます。
以上です。
【髙田座長】 ありがとうございます。
いかがでしょうか。新井先生、何かコメントございますでしょうか。
【新井参考人】 おっしゃるとおりだと思います。同意見でございます。
【髙田座長】 ありがとうございます。
本日、参考人で御出席いただいております渡辺航太先生、何かございましたら一言お願いできればと思います。
【渡辺参考人】 ありがとうございます。慶應大学の渡辺と申します。先ほど弓倉先生から御指摘があって、検診をやっていても、私、どちらかというと手術する立場でやっております。結構、初診でいらしたときに結構な角度で、検診は受けていますかと言われると、受けているのか、受けていないのか分からないみたいなパターンもやっぱりあって、いろいろな理由があるのだと思うのですけれども、すり抜けている部分が多いのかなと。先ほど新井先生からのスライドで少し出ていましたけれども、13歳ぐらいの女の子だと、やっぱり側弯症の罹患率、被患率というのは二、三%なければいけないわけですね。
そういったところがやっぱり、どこの都道府県も、これ、運動器検診が始まる前なので、正確には現状、比較できないですけれども、1%切っているところの都道府県も結構多かったので、そういった面からやっぱり、皆さんいろいろ工夫されてやられているんですけれども、その中で少し、どうしてもすり抜けてしまっている部分があるのかなというのは感じております。ただ、これはある程度、皆さん、一生懸命やった上ですので、批判とか、そういうことではなくて、やっぱりいろいろな方策で精度を上げていく必要は、一方ではあるのかなと感じております。
【髙田座長】 ありがとうございます。
そのほか、御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。これをもちまして、一般社団法人日本臨床整形外科学会、新井貞男参考人、渡辺航太参考人へのヒアリングは終了とさせていただきます。新井参考人、渡辺参考人、お忙しいところをありがとうございました。新井参考人、渡辺参考人におかれましては、御退席していただいて差し支えございません。本日のヒアリングは以上となります。
次に、議題2、その他になります。事務局より連絡事項等、ございますでしょうか。
【赤星専門官】 事務局でございます。委員の皆様、また、参考人の皆様におかれましては、誠にありがとうございました。次回の検討会の日時につきましては、後日、事務局より御連絡させていただきます。
以上です。
【髙田座長】 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございました。
── 了 ──
文部科学省健康教育・食育課