令和7年12月19日(金曜日)10時00分~12時00分
Web開催
赤間委員,新井委員,川井委員,窪田座長,阪中委員,坪井委員,松本委員,宮田委員,米玉利委員
総崎生徒指導室長
【事務局】 ただいまより、令和7年度第3回「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、議事の進行は、座長にお願いしたいと思います。
【座長】 おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
早速、議事に入らせていただきたいと思います。議題の1「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針の改訂について」です。
前回の会議では、大変活発に意見交換ができまして、改訂案について、御意見・御質問をいただきました。その後事務局によりまして、意見募集、パブコメを11月7日金曜日から11月28日金曜日まで実施いただいたところです。
本日はまず、意見募集手続において寄せられた御意見等について、あらかじめお手元に届いていると思いますけれども、資料1のとおり、事務局にまとめていただいております。また、その意見募集手続の結果を踏まえて、資料2-2のとおり、改訂案をお示しいただいておりますので、併せて御説明いただきたいと思います。 ※事務局より資料1、資料2の説明があった。
※事務局より資料1の説明があった。
【座長】 御説明ありがとうございました。事務局のほうからは、意見募集手続において250件もの多くの御意見が頂戴されたこと、それから、それを踏まえて必要な追記や修正を行ったこと等について御説明をいただきました。
ただいまの御説明を踏まえて、委員の先生方から御質問、御意見等があれば、御発言をお願いいたします。いかがでございますか。
【委員】 言葉の定義なんですけれども、基本調査とか詳細調査をするときの遺族との話の中で、様式2を用いてという言い方をしているわけですけれども、この様式2を用いてというのは、例えばどういう定義づけで考えたらいいのかと。例えば基本調査が終わった後に、御遺族に説明するという場面がありますが、このときに様式2を用いてというのは、記入済みの様式2を使って説明するという意味なのか、それとも空白のまだ何も書いていない項目だけが書いている調査、何を調査するかという項目だけが書いてある空欄、空白の様式2というのを使うという趣旨なのか。そこはどういうふうに理解しておけばいいでしょうか。これは質問です。
【座長】 事務局、御回答よろしくお願いします。
【事務局】 御質問いただき、ありがとうございます。20ページになりますけれども、改めて御確認いただければと思います。
まず、冒頭に基本調査の際は様式2を用いて情報を時系列にまとめるなどして整理することと書いております。こちらの様式2は、まさにまずブランクの様式2を埋めていくという意味での用いてかと思っておりますけれども、また、最後の御遺族への説明というところについては、ここと別で(3)に書いているところでございますが、基本調査に関する遺族への説明として、様式2を用いてと書いてございます。こちらについては当然ながら、結果の御説明というところで「調査結果がまとまった段階で、様式2を用いて」と書いてございますとおり、様式2を埋めてある状態のものを御遺族に提示をしながら御説明をするということを基本とする。
一方で、それはもう、そういった細かい話を聞きたくないといったようなことをおっしゃられる御遺族もある可能性も踏まえて、この際、遺族の意向によってはというところも書かせていただいたというところでございます。
【座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、御質問、御意見、委員、どうぞ。
【委員】 ありがとうございます。研究調査を様式2に基づいて研究調査のために、文科省に報告するという部分なんですが、児童生徒名を表記する形になっていますね、様式2は。これは調査研究のために児童生徒名を書かなければならないという要請はあるんでしょうか。それらの属性はもちろん学校とか年齢とかいろんなことがあるとしても、御遺族にとってみると、個人名を文科省に報告をするという前提で合意してくださいというのって、とても何か抵抗があるなというのは感じているんですが、その辺り、個人名の必要性という辺りをちょっと検討していただければと思うんですが、どうでしょうか。
【座長】 ありがとうございます。この点については、いかがでございますか。
【事務局】 事務局としての考えている点でございますけれども、調査研究もそうでございますが、文部科学省に提出をいただく際には、個人情報などの取扱いについてはしっかりと必要のない個人情報については不開示情報を参考にしながら、消す、マスキングをした上で共有をしていただくということを考えてございますので、調査研究において、このお名前の部分は基本的には使う必要もないと思いますし、入っていないものを文部科学省は調査研究に使うといったことで考えているところでございます。
【座長】 ということですが、委員、いかがでしょう。
【委員】 そうするとこの児童生徒名というふうに書いてある部分は削除して様式2を出すということですか。
【事務局】 そうですね、黒塗りにしていただくなり、そこの部分を削除していただくなりという形で御対応いただくことを想定しております。
【委員】 つまり、原則として書くことが前提になるんでしょうか、それとも初めから児童生徒名、遺族の了解がある場合に限るとか何かないと、こういうふうに書いてあると児童生徒名は必須という感じがすると思います、この学校側は。その個人情報と言われているのがどの辺のことかというのを個人情報だけど、児童生徒名を個人情報とお考えになるかどうか、学校側が出すときに。児童生徒名も個人情報保護の関係で消していいんだというふうに思われるかどうかということです、学校現場の先生方がこれを出すときに、あるいは教育委員会の方が。児童生徒名とあると、最初は書いちゃうんじゃないかなと思うんです、この様式2。もし要らないならば、児童生徒名というところを削っていただくなり、児童生徒名、イニシャルでも可とか、匿名で可とか何か入れておくという必要がとてもあると思います。
遺族にとってみれば児童生徒名、生徒名、個人名で出るか、研究のためだから別に使ってもいいけど、子供の名前を使われるということについては、すごく抵抗があるだろうというふうに思うのですが、その辺りのことなんですが。
【座長】 この点いかがですか。
【事務局】 ありがとうございます。あくまでこの基本調査の様式は、まず基本調査として埋めていただく学校と学校の設置者で、しっかりと情報を共有していただくという上で書いていただくものだと。その段階で、児童生徒名の記載というところは必要になってくるかなと思っております。というのも、この基本調査の結果をしっかりと確認をして、詳細調査が必要かどうかというところを学校の設置者が判断していただく上で、事案を特定するという観点で、ここを調査としては埋めていただく必要があると思っているところです。
他方で、この調査様式を文部科学省に御提供いただくときには、個人情報の保護の観点で、必要なマスキングなどをしていただくということを考えておりますので、その点がしっかり分かるような記載ぶりなどについても、御意見を踏まえて、また、少し検討させていただければと思います。
【委員】 お願いいたします。
【座長】 ありがとうございます。最後の同意書のあたりに個人名は伏せた状態で提供するとか何かもう分かるように入れていただくとか、そこは御工夫いただけるんでしょうけど、この中にそれも入っていたほうがいいかなと。御検討ください。貴重な御意見ありがとうございます。ほかにいかがでございますか。
私からも質問ですけれど、パブリックコメントはどういう方から寄せられていましたか、御遺族がとても多かったんでしょうか、どんな感じだったか、ちょっと教えてください。
【事務局】 ありがとうございます。任意の記載でございますので、回答をしてくださった方々は、全てが埋まっていたわけではございませんけれども、御遺族団体の方々からの御意見を多数頂戴しているところでございます。
【座長】 ありがとうございます。かなり御遺族への配慮がより行き届いた形の改訂になっているかなというふうに思いました。ほかにいかがでございますか。委員、どうぞ。今度は正しく手が挙がっています。
【委員】 様式2を用いての関係で、御遺族に説明するところの記載です。ページで言うと、20ページ、第3節のところです。この20ページ、(3)の遺族への説明で、質問としては、先ほど様式2を用いてというところで、既に記入済みの様式を使うということは分かりました。そしてここから質問と意見なんですけれども、その様式2を用いて、この後に「遺族の意向によっては」というところ、どういう意味なのかということを思っていたら、先ほど事務局から、詳細なことはあまり聞きたくないという遺族もいるという趣旨の説明がありました。というケースはもちろんあるのだろうなということは前提として、この遺族の意向によってはというところが逆にちょっと言い方は悪いですけれども、あまり積極的に説明したくないときに、学校要因が絡んでたりしていたときに、遺族が何も言わなかったから、詳しい説明、もしくはここの概要の提示などをしなかったというふうな、これまた言い方はよくないんですけれども、言い訳に使われてしまうというケースも出てくるのかなということを想像します。
そうすると、この遺族の意向によってはということを書く場合というのは、遺族はどういう意向を示すことができるのかということを具体的な選択肢として示さないと、この遺族の意向によってはというのはどういう意味なのかということが御遺族なり、それから遺族団体の人とか、それから学校、教育委員会、関係当事者にとってみてうまく理解ができない可能性があるなと思いました。
もう少し言うと、この後ろに「調査結果の概要を提示するなどの対応」ということがありますけれども、この提示するというのは、一般的に解釈すると見せるという意味なのかなというふうに捉えられるんですけれども、それだと見せるだけで渡さない、渡すことはしないという、渡さなくてもいいというふうにも取れるし、ここのそのこととの関係が、あまり明確でないということがあるので、私はここの文章としては、遺族の意向によってはということをもし仮に残すのであれば、選択肢、例えばそれは口頭の説明なのかとか、それから文章を見せる、それから文章を提供するとかいう、そういった対応ということの具体的な遺族の人が選択し得る具体的な選択肢というものを示したほうがいいんじゃないかと思います。じゃなければ、遺族の意向によってはというのも取ってしまうというのも、文章の作り方なのかなというふうに思いました。
あまり長く説明すると長くなってしまうんですが、ここの場面というのは、具体的にこの御遺族と基本調査の結果というのが一定まとまったときに御遺族とどう対応するかという結構重要な場面なのかなと思いました。というのと、この部分について基本調査を研究、分析のために使うというときに、同意が必要だということにしようかという話を今しているわけですけど、同意が必要な場面になるのであれば、なおさら御家族、御遺族が取り得る選択肢、もっと極端なことを言えば、文章をこの時点でのという前提ではありますけれども、この時点での調査の状況を表すものという前提はつきますけれども、この時点で分かったこと、分からなかったこと、こうではないかというふうに考えられることというのをまとめたこの基本調査の結果というのを言ってしまえば渡す、提供するということが、御遺族として取り得る選択肢だということをはっきり書いたほうがいいんじゃないかなと思いました。質問と意見です。
【座長】 御意見ありがとうございました。ここは前回からちょっと問題になっていたところでもあったかと思いますけれども、事務局いかがでしょうか。
【事務局】 ありがとうございます。御懸念については、理解をさせていただきましたので、また、具体的にどのように修正を考えるのか、そして、場合によっては、この点について、まさに文部科学省に様式2を提供していただく上での留意点でもあろうかと思いますので、その共有をお願いする、別途こちらの指針に基づいた対応をお願いする教育委員会向けの通知などで書くことができるのかとか、そういったことも含めてちょっと検討が必要かなと思ったところでございます。ほかの委員の先生方からもこの点もし御意見があれば承っておきたいと思います。
【座長】 大変重要な点だと思いますので、ほかの委員の先生からも御意見いただけたらと思いますけれども、いかがでございましょうか。これまでもその詳細調査のところで、希望をあえて言ってこなかったから希望しなかったというふうな解釈の下で詳細調査に移行しない例が大変多かったみたいなことも含めて、この意向確認みたいなところは非常に留意しないと、というふうな議論はこれまでも大変あったと思うんですけれども、ほかにいかがですか。
この点、特にほかの委員からは御意見ございませんでしょうか。それでは、よりきちんと御遺族の権利といいますか、いろんなことが伝わるような方向での修正について、また、改めて御検討いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
それではこの件に限らず、ほかの委員から質疑の点であったり、感想も含めて御意見いただけたらと思いますけれども、委員、どうぞ。
【委員】 38ページの第6節ですが、表題で自殺予防と再発防止の順番を入れ替えていますが、第6節の5つ目の丸とその一つ下の括弧中の表記は、もともと再発防止が先でした。ところが、38ページの下から3行目では、もともと再発防止が先だったのを、自殺予防を先にして、第6節の表題と逆になっています。39ページの2行目も、もともと再発防止が先だったのが逆になって、この表題と逆になっています。さらに「自殺の自殺予防」という表記になっているので、どういう形で整理したのか、お伺いしたいと思います。
【座長】 よろしくお願いいたします。
【事務局】 御指摘ありがとうございます。申し訳ございません、修正をしっかりと全体に反映させるべきだったところを、修正が漏れている点も多々あったという形でございます。
再発防止・自殺予防という並びで、もともとそれが自殺予防と再発防止、前後がばらばらな形で入っておりましたので、再発防止・自殺予防という順番で整理をさせていただく過程で、修正をし、反映しそびれている部分がございました。御指摘ありがとうございます。
【座長】 ありがとうございました。細かいところを見ていただいてです。ほかにございますか。委員、どうぞ。
【委員】 すごく悩ましくて、従前から、資料を見ているときから悩ましくて、先ほどのことに戻ってしまうんですけれども、委員がおっしゃっているところへ戻ってしまうんです。答えがあるわけで言っているのではないんですけれども、本当に純粋に子供の自殺を再発防止したいという願いからしますと、その背景にある要因について、基本的に学校要因も家族要因も含めて分かるということがないと、なかなか再発防止につながらないという思いは、それは皆さんあるんだと思いますし、本当に知りたい、個人的に知りたいんじゃなくて、背景としてデータが欲しいということがあるんだと思うんです。
ですが、ここで文科省への報告をする際に、例えばさっきの個人名は伏せてもいいけれども、学校要因、家族要因として考えられることについてここは書かないでほしいと御遺族の方が言った場合に、そこを省く、あるいはチェックが入っているところについて黒塗りを入れたら、そこにチェック入っていたと分かってしまうので、どうするんだろうと、チェックを入れているところは、言わないでほしいと言われたらチェックを外して、白紙のまま出すのかとか、あるいは学校が把握していたその事実について、遺族は聞いていなかったじゃないか、どうしてこれはもっと早くに遺族に知らせてくれなかったのかというふうになったときに、学校はどうするかということが起きてくるだろうなというのがとても現場にいらっしゃる先生たちとしては、心配になるだろうなと思うんです。
先ほどの基本調査から詳細調査は、いずれにしてもその場面で起きる葛藤なので、回答はないと思いつつ、この遺族の同意を得るというのは本当に難しい、実際は難しくなってくるというふうに思わざるを得なくて、その辺、特に現場にいらっしゃる先生方はどういうふうにお考えなのかなと、遺族の同意を取って文科省に報告をするという様式2を使ってという、そこが実現可能なのかどうかという辺りを少し伺いたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
【座長】 ありがとうございます。この辺り、もしかしたら委員とか委員とかに少し御意見を伺うといいかなという気がしますけど、いかがでしょうか。現場のお立場として、このチェックをしたものをどういうふうにするか、委員、どうぞ。
【委員】 ありがとうございます。なかなか実際、ケースによっていろいろ違うとは思いますので、難しいのではないかなと思いますが、ただ、同意をやっぱり得なければいけないことは間違いないんじゃないかなと思います。そもそもは遺族の方とどういうふうに学校がコミュニケーションを取っていくか、教育委員会とかも入りながら同意を得ていく、と思いますけれども、そういう中で同意を得ていく、そのためにこういう指針があるということが、学校にとっては支えになるということは間違いないんじゃないかなというふうに思っています。
例えば10ページのところに、事故死とか転校などの説明はしないという記載もありますけれども、そういうことも遺族の方から、事故死という形にしてほしいという要望があるいうことは当然出てくることではないかなと思いますが、こういう指針があることによって、そういう説明は難しいということを答えることができるのではないかなと思いますので、そういう意味でもこの指針は学校にとっては支えになるのではないかなと感じています。
【座長】 ありがとうございました。関連して委員、よろしくお願いいたします。
【委員】 ありがとうございます。今委員がおっしゃったところと、基本的に私も同じ思いを今持っていて、お話をさせていただきたいと思います。
まず、遺族の思いを大切にするというのが大きな改訂の原則としてありますし、そこの基本調査と詳細調査の意向というところに関しては、本当に難しいなと思っています。あくまでも学校のほうが御遺族と寄り添いながら、御遺族によっては、やっぱり我が子のこの死をこれからに生かしてほしいと思っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
そういう方に関しては、この調査に関して本当に詳しく調べて、いくということに対しても、きっと全く反対なさらず協力してくださる方もいらっしゃると思います。でも、やはり思いによっては、なるべくもうそっとしておいてほしいとか、うちの子が亡くなったことをそんな人様にというような方もいらっしゃいますので、そこに関して本当にお一人お一人の思いを学校や教育委員会が大切に対応していくということがますます大切、重要になってくるのではないかなとお話を聞いていて思っています。
ですので、何が正解で、何をしなければならないのかというところは、なかなか明記することは難しいと思いますけれども、やはりその御遺族の御意向というところを本当に大事にしながら、この調査を国にどのように上げていくのかとか、本当にそこまでやらなければいけないのかというところを学校と教育委員会がよく話をしながら、特に文科省に相談をしながらというところで進めていかれたらいいなと思っています。この件に関しては以上でございます。
【座長】 ありがとうございました。委員、何か補足なさることございますか。
【委員】 いいえ、今おっしゃっていただいたお二方の先生方の御意見、本当に現場の方々に、そのとおりに聞いていただきたい。文章を読んだだけじゃなかなか分からないんじゃないかなと思うので、そこのところが伝わるように現場の先生方に伝わって、指針が本当に支えになるような用いられ方をしてほしいということをつくづく思いました。よろしく、ありがとうございました。
【座長】 ありがとうございます。事務局から何かこの件についてございますか。
【事務局】 御意見、様々御指摘をいただきましたので、それを踏まえて、どういった形で現場に示していくことができるかというところ、パブリックコメントでもしっかりこの指針が浸透するようにということを全般の意見としていただいております。
我々はこの指針を改訂終わりましたときには、しっかりと学校現場も含めて、オンラインなども活用して、説明会などもしっかり開催していきたいと思っておりますので、そういった中での周知も含めて、対応として、どういった形がよいかというところを、もう一度検討させていただきたいと思います。
【座長】 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。委員、お待たせいたしました。どうぞ。
【委員】 先ほどの委員の質問と重なるところが多いのですが、56ページから57ページにかけて、ちょっと見せていただけるとありがたいなと思います。56ページです。ここには、死亡した児童生徒に関して把握した事実を背景ごとに書いていくとあります。私も子供の自殺を何としても減らしていきたい。そのためには、背景に何があったのかということをつかまないと、最終的にどういう手だてを打っていけばよいのかというところに行き着けない。ですから要因分析をしていく。ただ、ここに把握した事実とありますが、学校問題に関していえば、例えばいじめがあったとか、体罰があったとか、これらは事実として把握できて、ある意味、根拠資料も恐らく用意できる、出せと言えばだすことができる。しかし一方で、57ページに家庭要因がでてきますが、仮に家庭要因で親子関係での悩みというところにチェックしたとするときに、これを御遺族に見せるというようなことが起きるわけです。そのときに、それはどうした根拠からチェックすることになったのだと問われたときに答えることができるのか。もちろん御遺族から、実は家でこういうことがあったんですと聞かされていれば、チェックできる。しかし、そうでない場合はどうするのか。
実際にチェックする場合を考えると、例えば、担任の先生にこの日にこういう相談を児童生徒がしていた。その相談内容に基づいて、親子関係での悩みがあるということを学校としては把握したので、ここにチェックをしましたということになると思います。しかし、家族からのしつけ・叱責に関する悩みというようなことについて、推測ではつけられるはずがない。つまり、根拠事実がどこにあるのかということを考えてチェックするとしたときに、家庭要因について、どのぐらいチェックできるのだろうか、また、チェックしたときに、様式2を使って御遺族に説明していくことがどれだけできるのだろうか、と考えてしまいます。
もしかすると逆に、この根拠では説明できないから、このことが背景として考えられるのだけれどもチェックできない、というようなことが起きてしまうのではないかと危惧します。例えば虐待があったというのが実際に通告されて、確認されていればいいけれども、子供が虐待まがいの状況があると言ったとします。それに基づいてチェックし、御遺族に見せるというようなことが実際できるのかどうかと考えたときに、背景といっても、学校が関わっているところについては根拠資料に基づいてチェックできるけれども、それ以外のところはチェックしずらいのではないか。そうすると、要因分析し、背景をつかんでいくといったときに、どこかで偏りのようなものが出でしまうのではないかという懸念があります。
その辺に、非常に困難があるのではないかと思います。どうしていけばよいのかという点については、委員の質問、御意見と重なるところがありますけれども強く感じるところです。どうしたらよいのかなという投げかけに終わってしまいますけれども。
【座長】 御意見ありがとうございます。この辺り本当にどうしたらいいのかというところなんですけど、そもそもですから、報告する時点であげられないという時点、以前に学校としてそもそもここにチェックをつけることに対して非常に大きなちゅうちょが生じるであろうというふうなことでもありますよね。その辺りどうでしょうね、また、すみません、委員にお伺いするんですけれども、今のあたりとかいかがですか。
【委員】 委員のおっしゃることは本当にそのとおりだなと思います具体的に今、担任の先生が根拠を把握していればチェックができるというのはそのとおりで、推測や思い込み、もしくは周辺情報でつけるわけにはいかないのは間違いないかなと思います。
ただ、担任の先生が当該の子供から、またはお母さんやお父さんもしくは家族からこういうことがということを担任の先生に相談されていて、具体的にそれを担任の先生が把握していたとしても、それをチェックしてしまうと、その保護者の方なりが到底そんなことはないと、うちの子がうそを言っているんだとか、ふだんのお母さんとの関係の中でそういうふうに言われるだろうなと学校が認識していれば、そこにもう子供が亡くなっているわけですから、なかなかその間に立って具体的な事実はつかんでいるんだけれども、これを保護者に見せるとなると、そこにチェックをするわけにはいかなくなる部分が出てくるだろうなと思います。
つまり、原則として子供の具体的な事実をつかんでいれば、そこはチェックをするんだけれども、保護者に見せた段階でそんなことはないと言われてしまうと消さざるを得なくなるということが出てくると思うので、委員がおっしゃったように、正確な事実を集約するという意味では、正確なものが出てこなくなる可能性は十分あるなと思いますが、学校はそういう形で、進めていかざるを得ないだろうなと思います。
【座長】 ありがとうございます。その点に関して事務局、何かコメントございますか。本当に悩ましいところで、また、さらに検討しなくてはと危惧していますが。
【事務局】 非常に大事な点について、この会議での議論という形で、御指摘をいただいた点、感謝申し上げます。実際にこの指針でチェックをつけていこうといったときに、学校に非常に困難が伴う可能性があるという点は、御指摘の懸念というところもあり得る部分だと思いますけれども、ただ一方で、我々やはり問題行動等調査においても、自殺の要因として、こういった家庭問題、親子関係の不和だとか、そういったところも含めて聞いたりしているところでございまして、やはり今までの問題行動等調査の結果でも、非常に不明がとにかく多いというような結果になってしまっているのですが、そこは学校ができる調査の限界がそこにあるということを示す結果でもあるかと思っておりますので、この指針で運用していく中で出てくる課題として、さらにまた掘り下げていくべき部分なのかもしれないと思っているところでございます。
【座長】 ありがとうございました。また、今後のさらなる検討というところで、ありがとうございます。
そうしましたらいかがでしょうか。ほとんど意見は出尽くしたという、まだまだ今のことも含めて検討すべき点はあるかとは思いますけれども、この改訂案についての議論は一応ここまでとさせていただきます。よろしゅうございますか。様々な御意見ありがとうございました。
そういうことで、本日頂戴いたしました意見等を踏まえて、さらに全体、先ほどの表記のチェックミスみたいなことも含めて、改めて事務局とそれから座長である私とで確認させていただいて、必要な修正を行った上で、改訂版の指針として公表するという方向性でということにつきまして、一任していただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【座長】 それでは、今後事務局と協議をして、完成に向けて動いていきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
本当にこれまで事務局、それから、こども家庭庁からの御意見、それからたくさんのパブリックコメント、そして何よりこの委員会での議論を通して、ここまでまだまだ本当に悩ましい点はありますけれども、随分御遺族の意向を尊重する形で改訂が整ったのではないかと思っています。改めまして、本当にありがとうございました。
それでは続いて、議題2「その他」といたしまして、今後の本協力者会議における検討事項について、資料3のとおり事務局から御提示いただいておりますので、概要について御説明お願いいたします。
※事務局より資料3の説明があった。
【座長】 説明ありがとうございました。事務局としましては、今後、本協力者会議の下にワーキンググループを設けた上で、学校・教育委員会が医療機関等と連携した早期対応に係るガイドラインの検討を行いたいということについて御説明をいただきました。
委員の先生方には、今後の議論の前提として、児童生徒の自殺予防を図る観点から、医療機関等との連携を含む学校の早期対応の在り方をまとめる上で、それぞれのお立場から考えられる課題や視点について御意見をいただけたらと思います。
すみません、ここで直接これに関係するところも若干ないところもあるんですが、前回の会議で委員から、実際に現場で子供の自殺対応として効果を上げているようなことについて事例がないのかみたいな御質問がありまして、必ずしもそれに全てお答えするものでもないんですけれども、私が所属する心理臨床学会というところの自殺対策専門部会というものが、会員に対して行った調査の結果を少し簡単に御説明させていただけたらと思いますので、すみません、事務局、心理臨床学会が会員対象にアンケートをしたということです。
実はこの学会3万人ぐらい会員がいるんですけれども、ごめんなさい、実際にこの調査に応じることができたのは102名ということで、非常に少ない方のデータではあります。2年間の間で自殺危機に関わった。
かなりもう深刻な自殺企図をぎりぎりで防いだという点、それから、自殺企図があった、自殺念慮とかそういう話を聞いた。それから実際に亡くなったという経験を持つ方、全部で102名のうちの何名がということなんですが、実際に担当している生徒さんの危機を防いだというのがこのぐらい、自殺企図はこのぐらい経験しているとか、勤務校で生じているんだけれども、実際にそのカウンセリングにはつながっていなかったというところで、かなり多くの方が亡くなった生徒を経験しておられます。つまり、回答した方はやっぱりそういう身近に経験した方が回答してくださっているということであって、全てのスクールカウンセラーがこんなたくさんの事例を経験しているわけではありません。
ちなみに私自身も、こういうお話を聞く程度はありますけど、ここまでの危機は長くSCをやってきて、私自身もここの回答ではしていないということです。
どういう生徒さんの危機だったかというと、ちょっと大事なデータかと思っているんですけど、やっぱり何らかの関わりがあった生徒さんの場合に、介入できたということなんです。それから、少なくとも生徒さん自身ではなくても、担任とか教員とその児童生徒についての情報共有されていたようなケースに関しては比較的支援ができているという、これはそういう意味のデータです。
やっぱり難しいのは、リスクがある生徒さんってなかなかその支援につながってこないということ。そういう生徒さんと保護者との連携も難しい。それからスクールカウンセラーは非常勤ですので、やっぱり実際に対応がしにくいとか勤務時間が少ないとか、それから医療機関との連携についても、やっぱり半分近くの方が非常に難しいというふうに言っているということが分かりました。
なので、やっぱり当たり前のことなんですけど、教職員との連携であったり、子供たちがしんどいときに相談してくれるような関係づくりみたいなことであるとか、実際にそういう児童生徒が起きたときの、先ほどの校内連携型危機対応チームでどう動くかということも含めたプロトコールがちゃんとあることであるとか、それから、今回のまさに取組だと思うんですけれども、医療機関を含む外部機関とのネットワークが日頃からできていることみたいなことが非常に重要であるというふうな、その上で、いざリスクが高い生徒が見つかったときには、早い段階でSCに伝わったり、ネットワークを使ってやれるみたいなことが重要だみたいなことが、このアンケートにはなっていたというふうなことです。
ありがとうございました。以上です。
何が必要かというときにやっぱり本当にネットワークが必要かなというとこで、ありがとうございました。先ほどの事務局の御説明に関して、御発言、ぜひお願いいたします。
委員、いかがですか。
【委員】 医療との連携ということで、総論的にはとても大事だというふうに思っているんですけれども、多分、学校としては、既にかかりつけの医療機関があるケースだったらば話は別なんだけれども、やっぱり突発的にオーバードーズとかリストカットが問題になってきたときに、どこの医療に連絡していいのかさっぱり分からないと思います。例えば精神科にいきなり新患として今すぐ診てくれというふうにして受けてくれる医療機関はどこにもないと思うんです。本当に事が起きてしまった後に救急医療機関が一時的にタッチするんだけれども、一瞬のタッチで終わってしまうと思うんです。
ですから、総論的にはいいんだけれども、果たしてこういったことを進めるに当たってのグッドプラクティスがどこかの地域で何か属人的に行われているのであれば、それをベースに押し広げていって、一般化していくということができるような気がするんです。何か医療というふうに言っているけれども、多分何かのピンチがあったときに、医療機関、あちこち当たったりとか、ここなら診てくれるとか、これは先に身体救急が先だよねという、そういうトリアージをしてくれるところを間につながなければいけない気がしていて、つまり、いきなり教育と医療ではないと僕は思っているんです。地域の保健行政機関ですよね。それが保健所なのか精神保健福祉センターなのか、そういうトリアージをするいろんな地域の医療的資源に関する情報が集約されているところとタイアップしていかないと、いきなり個別的に面倒見てくれる人のいいお医者さんを探すみたいな感じになっちゃうと、多分これはあっという間についえてしまって、終わりになるのかなというふうに感じました。
【座長】 ありがとうございます。長野県とかの、ちゃんと言えませんけど、若者の危機対応何とかチーム、ありますよね。かなり何年かまた、ああいうところがグッドプラクティスになり得るんでしょうか、どうなんでしょう。
【委員】 ちょっと僕、そういうふうなことを精神保健福祉センターの幾つかが学校と連携してやっているというふうな話は、これまでも散発的に聞いているんですが、その成果とか報告についてきちんと情報を把握していないので、何とも言えないなと思っていますし、あと自治体によってはやっぱり圏域のキャッチメントが広いので、その精神保健福祉センターが直ちに動けるか、例えば北海道の場合、北海道の精神保健福祉センターが隅々まで行けるのかって、それはなかなか悩ましいと思っています。
政令指定都市であればこれはかなり機敏に動くことができるので、やっぱりそういうキャッチメントが広い自治体においては、やっぱり保健所みたいなものも連携の中に組み込んでいかないと、いいモデルができない。いずれにしても、この教育と保健行政が少しこれを機会に距離を近くなる、そこを挟んで医療ともつながるというふうにしていったほうが、無責任体制にはならないのではないかなと思います。
【座長】 ありがとうございます。この辺り、いかがですか。事務局として何か既に御検討のこととかあったりしますか。
【事務局】 ありがとうございます。先生の御意見、そのとおりだと思いながら、拝聴させていただきました。やはり学校とこの医療機関との連携ということを我々まずうたってはいるんですけれども、具体的に連携先はどこなんだということを考え始めた段階で、すぐにいきなり医療機関ではないかもしれないというところに、まさに、ある意味で、我々もどことつながったらいいのか、どことの連携を規定していけばいいのかというところの検討がちょっと行き詰まったところもございましたので、まず、保健部局とのつながりを強化していくというところを、一つ大きな視点いただいたかなと思っております。
今後、我々も、こども家庭庁などにも相談をしながら、グッドプラクティスにつながっているような自治体について、幾つかヒアリングなどもできないかといったことも検討していきたいと思いますし、この関係に、この関係機関と連携して対応するという観点で言いますと、4月から施行される自殺対策基本法に、まさに協議会というものが各自治体つくることができるということになってまいりますので、こういった協議会のガイドラインなどとも関わってくる話かなと思っているところでございます。引き続き、いろいろとワーキングで議論させていただきたいと思っております。
【座長】 ありがとうございました。本当に日常の臨床でも、半年待ちとか医療機関もどこの地域でもそういうところばかりなので、ありがとうございます。ほかに御意見ありますか。委員、どうぞ。
【委員】 すみません、何度も申し訳ありません。今、委員がおっしゃったこと、本当にそうだなと思っているんですが、今協議会のことをおっしゃられましたよね、自殺対策のための、これはすごく大切だと思っていますが、同じような仕組みとして要保護児童対策協議会というのが市町村にできています。
私はこの関わっているんですが、虐待の問題についても、学校と福祉部局というのは本当に20年前、十数年前、関係が悪かったんです。学校が虐待について、行政の福祉の方が児童相談所と連携するというのが物すごく難しかったということがあったんです。でも、その頃は本当に絶望的なのかなとか思っていたし、要保護対策協議会が何かができると思っていなかったところもあったんですが、この十数年で、本当に市町村が大きく変わってきました。学校から小学校、中学校からの虐待に関しての相談が要対協、子ども家庭支援センターにどしどし寄せられてきますし、子家センの職員が学校に出向いて子供たちと安全を図ったり、お話を聞いたり、そして、児童相談所に通告をしたりということが頻繁に行われるようになってきているんです。
やはりこれってすごく意味がある。今、そのうまくいっているところとうまくいっていない市町村もまだまだありますけど、それに加えて、次の部分として保健と福祉と教育が一体にならないとならないという事案がとても増えてきたんです。例えば虐待だったらば特定妊婦問題があって、虐待を防ぐためには特定妊婦としてのお母さんを保健と福祉が一緒になって支援しないと、生まれてきた子供の虐待が起きるという、そういう意味でこの保険と福祉というのも区市町村はなかなか関係難しくて、保健センターが簡単に福祉と一緒になっているかというとそうではない市町村がたくさんあるんです。という意味で、この保健と教育がすぐにつながるかというとこれも本当に大変だろうと思います。
保健の方たちは、すごく守秘義務ということを物すごく考えていらっしゃるので、要対協でその中で守秘義務を解除するわけです。これに文化としてそこに入っていくのがとても難しいという状況がありました。
お医者さんであればなおさらなんです、その守秘義務の範囲で入っていくのが難しいのは。ですが、やはり虐待の防止のために、だんだんこの関係もできてきているという意味で、一つの虐待とはまた違うかもしれないですけど、自殺予防についても、この協議会あるいは要対協、こうしたもので出来上がってきている福祉と教育の関係、それに加えて保健の関係、ここをそれぞれの学校が持っている地域、市町村で、そこに着目していただいて、教育機関がなかなか乗れなかったところなんですが、こういう問題で学校が本当に必要なんだと思って要対協に参加していただき、逆に市町村と結びついていただく、保健と結びついていただくということをぜひともしていただきたいというのが一つです、ネットワークづくりには。
それから今おっしゃったとおり私たちのシェルターでも、子供を医療につなげなければいけないというのが起きるわけです。そのときに、すぐにどこの病院に行けばいいかとか、お医者さんに行けばいいかというのは、私たちが、職員がやっても難しいわけです。私たちはメディカルソーシャルワークをやってくださる心理士の方がいらして、その方が子供と継続的に対応してくださっていて、緊急にやっぱり必要なときというか、その方がお医者さんを当たっていただいて、ここで予約取りましたと言ってやっていただくんです。そういう方がいないと医療機関に子供をつなげるというのはすごく難しいです。
なので、そうしたところも含めて現実の対応ができる、実際に動けるネットワークをつくっていただきたいとつくづく思います。すみません、長くなって。
【座長】 ありがとうございます。ちょっと方向性が見えた感じもします。ありがとうございます。委員、どうぞ。
【委員】 今、出されている御意見はとても大事で切実な問題でして、委員もおっしゃいましたが、北海道は何十キロも離れたところまで行かないと精神科、心療内科がないという地域がたくさんあります。行っても、予約が何か月待ちということがごく普通になっています。学校が医療機関と連携しようと判断したときに、危機的な状況が高いのであれば、最優先に対応できるような仕組みがあるとよいと考えます。直接医療機関に連携しようとしても難しいことが多いと思うので、委員のお話にありましたように、保健所のようにきちんと対応できるところは地方にあると思いますから、厚生労働省と連携して、厚生労働省から、本当に危機的な状況が極めて高い場合は最優先でその子に対して、何らかの形の措置が取れるように、医療機関や保健所に対しても、メッセージを出すようなに連携してやっていただきたいと思います。北海道のように、すぐに行ける医療機関がないような地域にとっては、ぜひその辺りも配慮していただければ助かると思います。よろしくお願いします。
【座長】 貴重な御意見、ありがとうございます。委員、どうぞ。
【委員】 今、委員がおっしゃったことは、学校現場でもとてもリアルに感じていまして、ここ数年、五、六年ぐらいの間に、要対協の話がありましたけれども、そういう福祉と教育との連携というのは大幅に進んできたし、連携ができるようになってきたというふうに実感をしています。
資料の中にあった校内連携型危機対応チームの核に、ネットワーク型支援チームを立ち上げていくということですけれども、そのネットワークの中にどういう組織とかメンバーを入れていくかということが求められるんじゃないかなと思います。確かに議論を聞いていて、医療のメンバーがなかなか入ってこない、学校だと校医さんはいるわけですけれども、なかなかこういうところには入って来ていただけない、いただけないというか、そういう存在になっていないかなという気がししています。
実際にそういった事例が、重大な危機が発生したときに、区の教育委員会の保健部局などに問合せをしたときに、そこが間に入ってうまく機能してくれるのかというと、それもなかなか難しいというのが現状かなと思っていますので、このネットワーク型のところの組織をどういうふうにつくっていくのかということ、どのように新しいバージョンに変えていくということがとても大事なポイントだと学校現場では、リアルに感じています。よろしくお願いします。
【座長】 ありがとうございます。それでは、委員、どうぞ。
【委員】 ありがとうございます。この医療機関等との連携というところ、とても大切だと感じています。ただ、学校現場に行ったときのことですけれども、やはり保護者に医療機関の話をすると、うちの子は病気だというんですかと大変憤慨なさる方々もいらっしゃいます。スクールカウンセラー等の専門職の力を借りながら、保護者の対応をしているところでありますが、今後やっぱり子供の困り感というところをお伝えしながら、医療機関だけでなく、多くの相談機関というものに着目をして示すことが重要なのではないかということも感じています。ですので、医療機関等というところのその「等」の部分をぜひ大切にしていきたいなと思っています。
それから、足を運びやすい小児科等も、やはりもう予約がいっぱいというところもありますので、先ほど、先生もおっしゃっていましたけれども、文科省だけではなく、国としてというところを大きく動き出せる一歩になるといいなというところも一つ感じています。
もう1点としては、いつも同じことを申し上げているんですけれども、突発的なオーバードーズとかリストカットというのがここまで増えてきているという現状を考えますと、早期対応ということも大切ですが、未然防止というところをもっともっと考えていかなければならないのではないかと思っています。子供たちのストレスとの向き合い方であるとか、心の持ち方であるとか、そういうことに関しても子供たちに働きかけていく必要があるのではないか。何よりも、未然防止というところに、私としては今後も力を入れていきたいというふうに考えておりますので、ぜひお力をお借りしながら進めていけたらと思っています。以上でございます。
【座長】 ありがとうございました。幅広い御意見で私もいつもいつも申し上げていることなんです。先ほど委員もおっしゃったけど、やっぱりそこでネットワーク、連携の担い手としての人材の確保というか、マンパワーの確保というところは本当に欠かせないところで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーも含めて、その辺りが進むことをいつもいつもお願いしているところです。委員、どうぞ。
【委員】 今、座長がおっしゃったことと重なりまけれども、コーディネーターを誰がやるのかというところが一つポイントかなと思います。これは私の経験の中で特殊な例ですけれども、自殺の危険が非常に高い生徒がいるということがわかった状況の中で、ある程度財政的に余裕があり、校医さんの役割に準じて、精神科医を入れることができた学校がありました。そうすると、その方に相談することが非常にやりやすくなる。ですから、校医として精神科医が学校に配置されるような体制がつくられていけば、学校も相談しやすくなるし、危険お高い児童生徒を学校が医療にどうつなぐのかという点に関して、物すごくハードルが高いのですが、そこのところがクリアしやすくなると思います。専門的な医療機関につないでいくためには、学校の教員以外の専門家、「いや、これは、医療につがないと無理です」と保護者に助言してつないでいくことができるような状況をつくることが必要だと思います。
ですから、学校に精神科医の方が校医さんとしていれば、その点がかなりやりやすくなると考えられる。ただ、それを1校ごとにというのは、現状としては無理だと思います。地方のことを考えれば精神科医だって何人いるか分からないような地域もある。各学校というよりも、市町村教育委員会、あるいは地域ブロックというようなレベルで考え、精神科医の校医さんがいるのと近い状況をつくっていくということが、今考えるべきところかなと思っています。そのために、学校と精神医療をつなぐコーディネーターというのをどう位置づけるのか。担い手として、養護教諭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等々含めて、考えていく必要があるかなと思っています。
【座長】 ありがとうございました。委員、どうぞ。
【委員】 先ほど委員から、未然予防というのが大事だという話があったんですけど、僕、それに関してちょっとだけ私見がございまして、意見させていただくんですけれども、私どもが現在、これまで経年的にやっている2年に1回の全国の精神科医療機関の調査で、すごく10代の薬物依存症者がこの10年で激増していて、もうそのほとんどが市販薬なんです。従来の市販薬依存症の患者さんのおよそ4分の3が現在、中学もしくは高校在籍中なんですよ。みんなオーバードーズしながら何とか学校に通っていたり、あるいは学校に行けなかったりとかってしているわけです。
今我々が行った全国の高校生調査とか中学生調査を見ても、やっぱりクラスに1人ぐらいはもう確実にオーバードーズの当事者がいるんですよ。そこで未然予防で、一次予防に力を入れたことをやると、何が起きるかというと、例えば違法薬物を念頭に置いては「ダメ。ゼッタイ。」的なものになるんですよ。のみならず、我々があちこちから聞いているのは結構高校なんかでは、校則の改正をしてオーバードーズ禁止にしているわけですよ。なのでSOSの出し方教育とかって、SOSを出しなさいって言いながら、SOSを出したら停学とか退学になっちゃうおそれもあるわけなんです。結構、学校現場はこの程度の二枚舌がいろんなところであるんです。
例えば、オーバードーズは救命救急に行くほどのオーバードーズではないけど、プチオーバードーズをしながら、時々保健室で休みつつ、中学生活や高校生活をやっている子供たちは結構いるんです。それでも高校卒の資格を取ることが大事だったりもして、先生たちも日々苦労しながら付き合っているんです。
でもその中で悩むのが、ちょっと今回はいつもよりも多めなんだけど、病院に連れていったほうがいいのかどうなのか、様子見ていいのか、もうこういう判断で多分現場では困っていて、だから、そういう意味でもさっき言った保健行政機関なのかどうか分からないけど、学校が相談にしやすい場所、ここに電話してくれればいろんなマネジメントしてくれるという場所が継続的にあり続けないと、多分、日々の学校の先生たちが安心してそういった子たちを抱えることができないと思うんですよ。実はそういう子たち、学校卒業すると自殺リスクが下がるし、あるいは学校を中退するとリスクが下がるんですが、でも、長く見ているとやっぱり高卒の資格とか、すごく大事になってくるんですよ。なので、問題を持ちながらも学校生活を送ることができる支援ということも、僕はすごく大事なのかなと思っています。
最初の未然予防の話に戻るんですけど、このオーバードーズとかリストカットの話はもう昔ながらの一次予防に特化したものでは無理です。そうしないと校則で禁止するとか「ダメ。ゼッタイ。」とかという大号令やきれい事になっちゃうんです。二次予防の要素も含んだ、1.5次予防と言ったらいいのかな、こういうふうなコンセプトでやっていかなければ、この自殺対策はできないというふうに私は考えています。
【座長】 ありがとうございます。まだまだ現実と何か遊離した教育がなされて、ほかに御意見いかがですか。委員、お時間の限界があると伺いましたけど、どうぞ。
【委員】 今の先生の話とか先生のアンケートを聞いてて、なるほどなと思ったんですけど、もう少し何が必要かというところを自分の中で整理したいんですけれども、先生のさっきの話の中で、プチオーバードーズしながらというところで、そしてちょっと多めに飲んだから、大丈夫かなみたいな話のところでどうしたらいいかと、医療と連携、どういうふうにしたらいいのかというのが現実的に迫られていたということの話と、先生のアンケートのところで、スクールカウンセラーの人が50%ぐらい医療連携が課題だと、医療連携が課題だと答えた人が50%ぐらいいるというのは、たしか数字が見えたんですけれども、そのときの医療連携が必要だというのは、どういう連携の内容が具体的に必要だと思ったのかとか、それから、どうしてそれができなかったのかというところがもう少し分かってくると、医療に求めることというのがもうちょっと明確になるのかなと思いました。
というのは、医療機関に対しては我々いろんなことを求めたり要望したり、願ったりするんですけれども、実際的には、もう行けば皆さんも分かるように、要は治療が必要な人じゃないと、実際的にはそんな相手にしていられないし、そもそも診療報酬だって、つく、つかないというのが行動原理の中にやっぱりどうしても入ってくるし、また、医療の必要性の優先度からやっぱり対象をスクリーニングするというか、ある意味選ばれていく、選んでいくわけなので、そうした場合、この学校と医療との連携のときの必要な連携というのは一体そこは何なのかというのをもうちょっと整理していかなきゃいけないのかなと。
先ほど先生が、ほか、皆さんがコーディネーター中心になる人みたいな話もありましたけれども、医療連携が逆に言うと、医療連携が必要だと感じている人って一体誰なのかということを、もう少しピックアップして、その方なんかに御意見を伺うのがいいかなと思いました。
もうちょっと言うと、医者に医療界の人に学校との連携、どう考えますかってボール投げたって、そんな多分答えすぐ来ないので、間を取り持つというか両方のことが、自殺予防の実態とか学校現場の状況が分かっている人と、医療のことがちょっと分かる人との間ぐらいの人に話をしてもらうと、もっとよく見えるのかなと思いました。これは意見というか、こうしたらどうかという提案めいたお話です。
以上です。
【座長】 ありがとうございます。今後の課題として実際、私、いつも衝撃的なのは自殺の背景要因のところで精神疾患がかなり高く挙がってきているということは、きちんと医療機関につながって診断を受けていてもこれだけたくさんの人が亡くなっているということで、まさに本当の意味での連携がない、うまくいっていないからだろうというふうにすごく思うんですよね。そういう意味で、やっぱりそれが実現するための方策というところを深めていくということが、もう喫緊の課題かなとすごく思っているところです。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
それでもやっぱり、医療機関というか、精神科医の子供を診てくれる精神科医の先生がどれだけいらっしゃるかとかね、仕組みを工夫しつつ、何とかそこがドラスティックに変わらないものだろうかなんてついつい思っちゃうんですけど、いかがですか。
【委員】 すみません、何度も発言して申し訳ないんですが、本当に医療につなげればそれでいいというわけではなかったり、学校の先生方と親しくしていると、結構そういう方を紹介されてくることも多いんだけれども、そういう自殺リスクの高い子たちを抱えている精神科医って結構、所属施設で孤立しがちなんですよ。また、学校からよく分からないのを連れてきたみたいな感じになってしまうこともある。正直言うと診療報酬ベースで言えば、お金にはならないというか、持ち出し分が多いわけなんです。また、学校のほうも医療につながった途端に、さあっと潮が引くように、先生方は遠くへ行っていくんですよ、とにかく入院させてくださいみたいな感じで、いや、そうじゃないよねってすったもんだしながら、学業をやっていくことも大事だよねって思うんだけど、でもやっぱり先生方も不安なんだと思うんですよね。だから全てが医療じゃなくって、やはりその医療的なサジェスチョンもしながら、先生方を支えていく、スーパーバイズしていく仕組みみたいなものも必要なんですよね。
意外に医療、医療って言うけど、いや,これは医療じゃないだろうと医療の側から見ると見えることも結構あるので、そういう意味では、やっぱり中間的なつなぐセクションをつくることがとても大事なんじゃないかなと思います。それはもう厚生労働省を巻き込まないと絶対できないと思うんですが。
【座長】 そうですね、それぞれのところにさっき先生がおっしゃった、コーディネート機能というのがいろんな次元で必要かなということもすごく思うんです。ありがとうございます。
特に、今後の御検討なので、今日多様な御意見いただいていますから、それを含めてこのワーキンググループのメンバー構成であったり、ここでのミッションみたいなところが深まるといいかというふうに思います。委員、何か。
【委員】 すみません、それぞれの委員の先生方がおっしゃったこと、本当にそうだなと思ってお聞きしていたんですけれども、1.5次予防と言うんですか、だから自殺予防教育にしても、そうしてやることが絶対駄目ってならないような自殺予防教育の適切な内容はどういうものかということを考えていく必要が本当にあるな、死にたいと思っても不思議じゃないし、オーバードーズするようなことも人生の中にはあって、そういう友達がクラスにいてても、どうやっていくのか、排除しないで。そういう学びの自殺予防教育をやっぱり考えていく必要があるかなと改めて思いました。
それから、予防教育を政令指定都市や、都道府県と割と形になってちゃんとできたのは、保健部局の人とすごいつながりで、そこの人と本当に密に連絡を取ったり会議をしたり、実際にやって、やっと本当にほかのそこの地域の高校や中学校や小学校に実践できるということの経験があったので、やっぱり保健部局を早期対応のときにも、すごく学校のサポートを一緒にできることになるかなと思っていました。
それから、自殺予防教育にしても、そしていろんなこととつながるにしても、やっぱりそれの研修、どういうふうに自殺予防教育をやっていくのかというふうに、医療機関や保健部局とか福祉部局とつながっていくのかというようなことのやっぱり先生方への研修が、ちゃんと組み込まれていることが大事だし、そこの学校の研修に保健部局やいろんなところが来てくださるように声をかけた教育委員会やそういった方々も一緒に教員研修、多くはないですけれども、参加してくださるところも何校かあるんです、声をかけてくださっているところに。だからそういう研修に、そういう福祉部局や保健部局の方が一人でも二人でも来てくださって、そこの中の研修でペアワークとかで一緒に教員も話をしたり、そういう機会もちょっと微々たるものかもしれへんけれども、あってもいいんかななんて思いました。取り留めのないことですけど。
【座長】 ありがとうございます。先生のいろんなところでの実践で、既にそういう動きがあるところもあるということなので、その辺りも伺いながら進められればいいかなと思いました。大体、様々な御視点の御意見いただきましたけど、事務局のほう、いかがですか。
【事務局】 様々な御意見いただきまして、ありがとうございました。我々も今後どのような点に留意しながら、この早期対応のガイドラインというものをまとめていこうかというところ、まだ特段大きな視点を持っていなかったところですので、本日、委員の皆様方に御指摘いただいた様々なところ、まず、医療機関等と連携したと言っておりますけれども、医療機関、前に出ておりますが、逆にこの「等」の部分が非常に重要になってくるのではないかといったところであったり、しっかりとコーディネートをする役割をどう確保していくかといったような視点をしっかりと押さえた上で議論をさせていただきたいと思っております。
今後、冒頭に申し上げたように、こちらの協力者会議の下に設置するワーキングというところで議論をさせていただきたいと思っておりますので、具体の進め方などにつきましては、座長と御相談をさせていただきながら進めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【座長】 そうしましたら、本日の議題に関してはここまでですけれども、何かそのほかのことでちょっとこの場を借りておっしゃりたいこととかございましたら、どうでしょうか。大丈夫ですか、それでは、事務局にお返しいたします。
【委員】 すみません。
【座長】 委員、どうぞ。
【委員】 申し訳ない、先ほど言えばよかったのですけども、学校と保健の連携って言ったときに、私はやっぱり学校の仕組みからいうと、養護教諭が果たす役割がものすごく大きいのではないかと思っています。それをどう機能させるのかということを学校サイドから見ると、とても大事になってくる。そういう意味で、先ほどのポンチ絵というかリーフレットを見ると、コーディネート役、あるいは学校における保健ということで考えたときに、外側にコーディネートを置くだけではなくて、養護教諭のネットワークとか、養護教諭が、コーディネーターの役割を果たす上で非常に重要だと思いますので、そのことを意識して、位置づけながら、仕組みをつくっていくことが必要かなと考えます。すみません、最後に付け足しのようになってしまいましたけれども、気になりましたので、言わせていただきました。
【座長】 ありがとうございます。ちょっと補足で言うと、本当に養護教諭の先生って、自殺に限らず様々な危機対応のときに、かなり中心的な重要な役割を担われるんだけれども、学校の組織の中で必ずしもその発言権が十分に確保されていたりしないことも、多々あるというふうに私は理解していて、そういう意味でもちょっと明確にしていただくのはとてもありがたいかなと思いました。委員からまた手が挙がっていますけど、いかがですか。
【委員】 すみません。今の御意見に、先生や委員のそうなんですよね、養護教諭の先生はすごく熱心であっても、なかなか一人職みたいなところがあるので、私が何か連携でうまくいっているのは、養護教諭の先生と生徒指導の先生が一緒になって打合せをしたりやるときには、生徒指導の生徒指導部長は割と全体を見て動かして、発言しやすいお立場にあるので、そのお二人と一緒にやれるときがうまくいくかと思うので、養護教諭の先生、スクールカウンセラーの先生、生徒指導の先生なんかをちょっと、教育相談部もかもしれませんが、そういうところ、また誰が中心になるか考えていただけたらと思いました。
【座長】 ありがとうございました。どうぞ、ほかの先生方も何か思い出されたこととか刺激されたこととかございましたら、おっしゃっていただければと思いますが、よろしいですか。もし何かございましたら、メールでも事務局にお伝えいただければと思います。
それでは、熱心な御議論ありがとうございました。議題2までをここで終了させていただきます。では、事務局にお返しいたします。
【事務局】 改めまして、本日の様々な御意見、御議論、本当にありがとうございました。委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、感謝申し上げます。本日の会議は、こちらで終了させていただきたいと思います。今後とも、また、ワーキンググループの動きなども座長と御相談をさせていただきますので、座長におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日は、皆様、どうもありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局児童生徒課