令和7年12月18日(木曜日)10時~12時
Web会議による開催
1.外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議におけるこれまでの議論の整理について
2.外国人児童生徒等の就学・進学・就職機会の確保について
3.その他
【佐藤座長】
皆さん、おはようございます。
定刻になりましたので、ただいまから、外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議第9回を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多用のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は議題が2つあり、議題1においては、これまでのこの会議で議論してきた3つの検討事項、指導内容の深化・充実、指導体制の確保・充実、そして日本語指導担当教師等の指導力の向上、この3つの検討事項について議論の整理をしたいと思います。
そして、議題2においては、この会議のもう一つの検討事項である、外国人児童生徒等の就学・進学・就学機会の確保について、次の会議で議論することを予定していますので、それに先立って、事務局から主な検討事項を説明していただきます。
では、議事に入る前に、教員養成について動きがあったということですので、教師の指導力の向上にも関わりますので、まず、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【片桐調査官】
ありがとうございます。
それでは、教員養成の関係で、12月の初めに今後の教職課程や教員免許制度の在り方について中教審の教員養成部会のワーキングから中間まとめが出されましたので、このことにつきまして、概要を御報告させていただきます。
資料は参考資料5と6になります。
参考資料5、まず、経緯につきましてですが、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会においては、令和6年12月の「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(諮問)」を受けまして、計10回の審議を経て、令和7年10月15日に論点整理をまとめました。
この論点整理では、主な検討課題として、社会の変化や学習指導要領の改訂等も見据えた教職課程の在り方、教師の質を維持向上させるための採用・研修の在り方、多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方が挙げられており、ワーキングや作業部会でさらに議論が進められることとなっています。
続きまして、参考資料6になります。
これを受けまして、12月5日に開催された教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループでは、「今後の教職課程や教員免許制度の在り方について(中間まとめ)たたき台」が議論されましたので、その内容について説明をさせていただきます。
多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成には、養成・採用・研修の各段階において、それぞれの強み、専門性を伸ばせるような仕組みにしていくこと。行政段階では共通で学ぶべき内容の再構造化、専門的な学習に基づく強み・専門性も含めた教師養成を行い、研修では、身につけた強み・専門性をさらに伸ばせる機会を提供することなどが必要であることが示されています。
教員免許状の見直しのイメージですが、右の図のように、様々な強み・専門性を持った教師がチームとなることで、学校教育全体の質を向上することなどを目指しています。このように身につけた強み・専門性を可視化し、かつ、現職教員が保有する免許状の修士レベル化を目指すとともに、大学と教育委員会、学校現場との連携をさらに強化することを目的とした改正を行うこととしています。
見直しの考え方としては、免許状取得に必要な事項・科目区分の再構成や、新たな教育課題に対応する事項の追加、様々な強みや専門性を持った柔軟な教職課程の実現により、全ての教職課程で学ぶべき内容(共通性)と、各大学等での独自の学び(多様性)、双方の見直しを通じ、教員養成の質の向上を目指すこととしています。
教師としての基礎能力の考え方として、大学の授業においても深い学びを実践するものとなるべきであり、カリキュラムの質の重視、理論と実践を子供の学ぶ姿で統合し、「教育及び児童生徒理解」と「教科の指導」の2本を柱とした再構造化を図ることが示されています。
5ページからは、学校種ごとの見直しのイメージが示されており、例えば6ページ、小学校では、見直し後は、教科指導の科目には「教育の方法及び情報通信技術」が、児童生徒理解の科目には「教師としての適応力・回復力・自己管理能力の育成」や「教育における多様性の包摂」などが示されています。
中学校と高校も同じような内容が示されています。
12ページからは、学部学科等において強み専門性に関する科目を修得する場合のイメージが示されており、強み専門性の例として、教育学、法学、理学などの学校教育や教科指導等の裏づけとなる各教科の専門的な事項、生徒指導、学校経営などの指導法や児童生徒理解等をさらに伸ばす科目、特別支援学校や他校種・他教科等の他の教員免許状、教員養成と親和性の高い他の資格科目の一例として、登録日本語教員の例に挙がっています。
また、強み専門性の学びの要素の例として、指導法や児童生徒理解、心理関係などが示されており、日本語指導についても、受入れ体制、文化適応、言葉と認知の発達、子供の日本語教育の理論と方法など、文部科学省が公表しているモデルプログラムに合わせた内容を例として挙げています。
このワーキング等においては、さらに教職課程等の議論が進められるとのことですので、この有識者会議の議論と調整を図ってまいりたいと思います。
以上です。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
それでは、議題1、外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議におけるこれまでの議論の整理についてです。議論の整理を進めるに当たって、これまでの主な議論、あるいは資質・能力を育成する日本語指導に向けてまとめた資料を事務局に作成していただきましたので、まず、説明をお願いします。よろしくお願いします。
【片桐調査官】
それでは、この会議において、これまで御議論いただき、多くの御意見をいただきました。その内容を資料にまとめましたので、説明をさせていただきます。
資料1を御覧ください。
まず、背景・総論として、一人一人が自分のよさや可能性を認識し尊重する共生社会の実現が不可欠であり、学校教育における多様性の包摂や、誰一人取り残されず、他者のウェルビーイングを思いやることができる教育環境を整備することが求められています。
ストレングス・アプローチの考え方の下、全ての子供たちの長所・強みに着目する視点、エンパワーメントを取り入れることや、周りの子供や大人が多様性を尊重することを学ぶなど、マジョリティーの変容につなげていくことが重要です。
子供たちの強みを十分に伸ばしていくためには、家庭や地域、学校、教育行政等がつながり、ネットワークを形成しながら支援を行っていくことが必要であり、学校の教育活動全体を通じて、外国人児童生徒等のことばの力を育むことが求められています。
分野ごとの議論として、指導内容の深化・充実については、資料2で詳しく説明させていただきますが、外国人児童生徒の資質・能力を育成するための指導の在り方や、全ての教師や支援員等が子供たちに質の高い学びを提供できるようにするための方策について御意見をいただきました。
4ページ目です。
指導体制の確保・充実については、地域の実態に応じた支援の在り方について、地域に関係なく、子供たちへの教育内容や質を保障するために、集住地域でも散在地域でも指導体制の構築に当たっては、人材育成や配置の工夫や、オンラインの活用や初期支援における手厚い対応が必要であることなどの御意見をいただきました。
校内体制の整備については、日本語指導だけではなく、学校全体としてどのように外国人児童生徒を受け入れていくか。持続的な体制をつくるためには、校務分掌への位置づけなど組織的な体制づくりが必要であり、その際、管理職のリーダーシップやコーディネーターの役割を担う教員の力量が非常に重要であること。日本語指導は日本語指導担当教員だけに任せるのではなく、連携して、在籍学級担任や教科担当の教員や様々な外部人材の協力を得ていくことが重要であり、そのためには協力を得られる体制づくりを構築するための方策について検討が必要であること。
6ページ目、日本語指導担当教員の配置とキャリアパスについては、教員の数が限られている中での効果的な配置・運用の在り方の検討や、日本語指導の専門性を持つことがキャリアとして社会的に認知されるような仕組みが必要であること。
日本語指導補助者や母語支援員との連携については、一層の配置促進や教師との効果的な連携に向けて、実態把握や具体的な連携の在り方等を示していくことや、支援員の雇用の安定や待遇の改善が必要であること。
7ページ目、関係機関との連携については、連携・協働の仕方、その連携を支える仕組みづくりについて、課題も踏まえながらの検討が必要であることや、外国人保護者との連携が重要であることなどの御意見をいただきました。
日本語指導担当教師等の指導力の向上については、教員養成の在り方について、外国人児童生徒教育について全ての学生や教員が学ぶことが必要であり、全員が学ぶ基礎的な内容、専門性を持つ人が学ぶ応用的内容、登録日本語教員を目指す人が履修する高度な内容という3段階の構成が必要であることや、9ページ目、教師等の採用について、大学での学びを生かす配置と日本語指導の専門性を身につけることに対する学生のインセンティブが伴った制度設計が必要であること。
教師等への研修については、在籍学級も含め、学校教育活動全体での対応が重要であるため、全ての教員が外国人児童生徒教育の一定の専門性や力量を備える必要があり、そのための研修の機会や、登録日本語教員の活用に向けた方策については、登録日本語教員に学校で御活躍いただくため、児童生徒等に対する日本語教師初任者研修プログラムやモデルプログラムの受講を求めることなどの御意見をいただきました。
このような議論を踏まえまして、資料2として、資質・能力を育成する日本語教育に向けて、実現に向けた方向性や日本語指導のイメージなどについてまとめましたので、引き続き説明をさせていただきます。
【久保課長補佐】
それでは、資料2について御説明させていただきます。
この資料2に関しては、この会議において、これまで資料内容の深化・充実に関していただいた御議論を踏まえまして、7月の第4回、第5回の本有識者会議でもお示しいたしました「資質・能力を育成する日本語指導」に向けまして、現時点の方向性等についておまとめしたものでございます。
本資料につきましては、今後の有識者会議での取りまとめに向けまして、日本語指導のイメージをより具体化するような議論に資するよう作成したものでありますので、本日の御議論等も踏まえまして、引き続き、改善ですとか、報告書に向けたブラッシュアップをさせていただくというような方向で考えております。
まず、1ページ目ですけれども、こちらに関しては、日本語指導が必要な児童生徒をめぐる現状と課題ということで、特に指導内容の深化・充実に係るものについて記載をさせていただいております。
課題につきましては、御案内のとおりですけれども、日本語指導が必要な児童生徒が急速に増加している、6.9万人、10年間で約2倍というところもありましたが、その上で、児童生徒の母語も多様化しており、集住地域・散財地域それぞれにおいても課題が生じているという状況があります。
他方、国においては特別の教育課程の制度化を行い、各学校でも活用されてきたところでありますが、上記のような児童生徒数の増加等の現状を踏まえまして、本有識者会議でも、外国人児童生徒等の教育の充実について総合的な検討が求められるとされてきたところです。
その中で、最後の4ポツですけれども、現在、中教審におきまして、次期学習指導要領に向けて検討が進んでいるところでありまして、本年9月に出された論点整理におきましては、基本的な方向性として3つ、主体的・対話的で深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保の3つの方向性が示されたところであります。
これらを踏まえつつ、自らの人生をかじ取りすることができる、また、民主的で持続可能な社会のつくり手を育成するというところが基本的な方向性として示されております。この論点整理におきましては、日本語指導が必要な児童生徒の教育課程の方向性についても示されております。中教審での議論を十分に踏まえて、この有識者会議でも検討していくことが必要であるというところを改めて記載させていただいております。
こうした現状に対して、課題ですけれども、特に指導内容に関する主な課題について挙げております。
日本語指導が必要な児童生徒に関しましては、特に子供たちの背景、言語・文化、来日歴、発達段階と多様でありますけれども、こうした個々の実態に応じた指導・支援が必要とされているところです。他方で、指導の内容を決定する際に、表面的な日本語能力ですとか、児童生徒が現在できてないことに焦点化されるようなことであったり、語彙ですとか文法・文字等の指導に偏ってしまうというような場合もあると考えられています。
現状、日本語指導の内容について示されている手引等におきましては、必ずしも資質・能力の育成までを視野に入れているということですとか、指導の目標・方針というのが必ずしも明確でない。それによって日本語の習得に重点が置かれていると解釈がされやすかったり、担当者の判断に委ねられやすいということもあるかと思います。
また、日本語指導が「特別の教育課程」の時間内に限定されていたりですとか、在籍学級との学びの連続性や役割分担が不明瞭であるというようなこと、また、長期的な支援・指導が必要だというような考え方が共有されていないという場合もあるかと思います。
もちろん、学校現場におきまして、大変工夫を重ねて指導を行っていただいているところではありますが、我々のほうも指導をサポートする手段ですとか情報が体系的にお示しできていないというようなところもあって、教員のニーズに現状、十分に応じることができていないというところも課題につながっているのかなと考えております。
2ページ目をお願いいたします。
こうした主な現状、課題に対しまして、今後の日本語指導の在り方を考えていくことが必要となりますが、このページではその前提といたしまして、外国人児童生徒等に必要な力の獲得のために何が重要かといったようなことを少し前提として整理させていただいております。
外国人児童生徒等にとって日本語の学習というのは、単に言語の習得だけではなくて、まさに学習に参加することによって社会で必要な知識・技能を身につけ、他者、社会とつながって、将来的に自律的に社会生活を送ることができるようになるということに当たっては非常に重要であると考えております。
このため日本語指導におきましては、コミュニケーションに必要な言語能力のみならず、教科等の学習に参加し、理解・表現するための言語能力ですとか、アイデンティティの形成・自己実現のために言語を使う力といったようなことも含めて総合的に育むことが重要であると考えています。
これらにつきましても、既に示されている資質・言語の力ではありますけれども、そうしたことを改めて踏まえていく必要があると考えています。
こうした3つの「言語の力」の総合的な獲得には、自ら学び、将来にわたっても必要な資質・能力が身につくように、教科との統合的な学習ですとか、母語や学習言語の活用、また、こちらで「外化」と使わせていただいておりますけれども、なるべく表現していくことによって、意味理解ですとか概念の獲得ということが不可欠になってくるだろうと考えております。
こちら「外化」という言葉ですけれども、これまでもアウトプットですとか、ほかの児童生徒とともに生きた言語を使うことによって学んでいくことが重要というところは既に示されているところでありますが、ここで言う「外化」というのは、下の米印に記載しておりますとおり、「書く・話すなどの活動を通じ、知識の理解、頭の中で思考したことなどを表現すること」としております。こちらにつきましては、12月15日の教育課程特別部会総則・評価部会でも提起されているところでありますが、まさに学習の基盤となる言語能力について、児童生徒が知識・技能ですとか資質・能力を身につけていくためには、言語による表現であるかというようなことが特に重要になってくるだろうというようなところで示されているものでありまして、こういった全体の議論を踏まえて、こちらでもこのような言い方を今回使わせていただいております。
少しそれましたが、この四角の3つの「言語の力」の総合的な獲得に向けまして、なぜそうしたことが重要か、また、その際、何が重要かといったような点について、下の点線の四角の中で少しお示しさせていただいております。
この3つの「言語の力」というのは相互に関連しているからこそ、学習の内容を表現するなどの学習参加のための言語の力ですとか、そういった基礎的な語彙、表現というところも含めて総合的な育成が必要だというところであります。言語の力に関しましては、課題を探求したりですとか、その過程で言語を使っていくということで、教科の学習と切り離さずに育成することが必要ということを改めて示させていただきました。
また、特に複数の言語的背景を有する外国人児童生徒等につきまして、第1言語、第2言語がお互いに影響しながら発達するというところも踏まえまして、日本語も母語の発達も乏しい場合、思考力等の発達というところも十分に生かされないというところもあるかと思います。そうしたことも踏まえまして、日本語の学習だけでなくて、母語による知識・理解ですとか運用能力というところも有効的に活用することが必要であると考えております。
また、学習への参加に当たりましては、教科で前提とされる語彙ですとか、談話・文法・語の使い方等の学習言語の習得も重要というような点、さらに、一番最後、学校教育の中で様々な教育活動と関連づけながら、表現、外化していきながら育成することが必要ということも改めて記載しております。
これらに関しましては、継続的・長期的な指導・支援が必要であるということもございますので、そのような見通しを持って、具体的な方向性の整理ですとか施策を考えていく必要があると思っております。
次のページをお願いいたします。
そうした考え方を踏まえまして、基本的な方向性として、こちらのページにお示しをさせていただいております。これについて、背景からも含めて記載をしておりますけれども、国内・国外も含めまして、グローバル化が進展する、少子化・人口減少が進むといったような中で、一人一人が自分たちの可能性を認識する、他者の価値を尊重するといったようなところを実現していくことが必要であります。
その中で、学校教育におきましては、児童生徒の多様性を包摂するといったようなこと、一人一人の可能性を開花させるということがこれまでも言われてきたところです。
そのために多様性を強みといたしまして、他者とつながりながら、自らの人生を主体的に切り開く力というところをまさに育成していくことが重要であると。その基盤として3つの言語の力を日本語指導、外国人児童生徒等に対してもつけていくことが特に重要ではないかというところをお示ししております。
その際に日本語の知識、技能の習得だけではなくて、先ほど申し上げましたような教科学習に参加するということですとか、日本語で思考・表現するといったようなことを一体的に育んでいくことが重要であると考えておりまして、こうした方向性の下で、今後、具体的な方策について検討していきたいということでございます。
特に具体的な方策の例といたしましては、これまでも御議論の中で具体的なものを幾つか示していただいて、御意見いただいているところですので、そういったところも含めまして、今後、報告書等の中にも盛り込んでいきたいと考えております。
次のページをお願いいたします。
最後になりますが、これまで示してきました3つの言語の力を育成する日本語指導のイメージについて記載しております。これは基本的方向性ですとか前提となる考え方を基に、今後、児童生徒が教科学習に参加し、日本語で思考・外化、知識を獲得・活用できるようにするため、基本的な方向性としては、継続的・長期的な見通しの基で、3つの言語の力を総合的に育成するという目的。また、教科学習等の連携、母語の知識・理解の活用等を進めていくということを主に軸として記載させていただいております。
まず、イメージの在り方としては、日本語指導の目標、身につける言語の力について上のほうに記載をさせていただいております。例えばどのようなものが目指されるかというところを上の帯のほうに記載しておりますけれども、そうした身につける力に応じまして、下の太い帯のところで指導の内容・方法ですとか指導の形態についてお示しをしております。
これらの最上部の矢印ですとか帯が右に向かって伸びているところに関しては、来日直後からの経過する期間ですとか児童生徒の発達段階、もしくは学校段階等を通じて、長期的にその状況に応じて身につけていくところを表現したいという趣旨でございます。
また、指導の形態・内容・方法等につきましては、来日直後等に当たっては、児童生徒等の状況に応じて取り出し指導の比率が多くなるという場合もあると思いますが、全体として、在籍学級、学校全体での取組も含めそれらが連携、また、児童生徒等が学びを往還しながら身につけていくものであるというところを少しお示ししております。
また、指導の内容・方法について、オレンジの取り出し指導の部分のうち太文字で記載しているとおり、特別な教育課程での取り出し指導に関しては、例えば、学校・社会生活に必要な知識、そこで日本語を使って行動する力を身につけるといったようなことですとか、在籍学級での学習に参加し、理解するための力を育むというところを主な目的として置いております。
また、在籍学級での学びにおきましても、青字の太いところですが、取り出し指導で学んだことを土台にしながら学習に参加する、また、思考を深め、広げる、そして表現していくといったようなところを目的としております。それぞれ各指導の場におきまして、母語での学習経験、知識・理解の活用といったようなところはいずれも必要になってくると考えております。
また、最後に、学校全体として、多様性を包摂するための働きかけ、指導・支援が行われるべきであるというところにつきましても、最後の緑色の帯のところで示しているところであります。
これはあくまでイメージですけれども、目指す指導の在り方のイメージの一つとして参考にしていただき、少し御意見をいただければと思っております。
あと、参考資料として、この後、5ページから8ページにおいて、中教審での論点整理の関連部分を掲載しておりますので、こちらは御参考として御覧いただければと思います。
以上になります。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
資料1でこれまでの議論の整理をし、そして、それを踏まえて、資料2で、特に日本語指導の内容の充実・深化に関わる方向性を具体的に示していただきました。
それでは、これを踏まえて、この後、皆さんから御意見をいただきたいと思います。全員から御意見いただきたいと思いますので、お一人6分程度でお願いします。そして、さらに御意見がある場合は、会議後に事務局にメールでお送りいただければと思います。
最初に、齋藤委員がこの後、途中で退室する予定と伺っていますので、まず、齋藤委員のから御意見をいただければと思います。齋藤委員、お願いします。
【齋藤委員】
ありがとうございます。
では、私から3つ、コメント・意見、そして期待を申し上げさせていただきます。
まず、1点目です。今回、日本語指導の再定義ということで御提案くださっています。再定義というのは、新しいメッセージとしてインパクトのある言葉ですし、戦略的にもとてもよいと思うのですけれども、一方で、今回の御提案の内容を拝見しますと、これまでも『手引』であったり、それから『ことばの力のものさし』であったり、あるいは研修の『モデルプログラム』等で、繰り返し伝えられてきたことと重なっている部分が多くあります。再定義といった場合に、何を再定義するのかを明確に示す必要があると思います。
併せて、「資質・能力を育成する」という修飾句が「日本語指導」の前についていますが、ここで言う資質・能力とは何なのかということを明示いただけると、さらにメッセージ性が強くなるのではないかと思います。
今回、3つの力ということで、これまでも研修の中で、あるいは研修動画の中で文部科学省さんからメッセージとして出されていたものが明示的に言語化して示されることは、とてもいいなと思っていますし、今回、資料2で御提案くださった内容というのは、現場の実態・課題と、それからここまでの私たちの議論、また、30年かけて積み上げてきた日本語指導、日本語教育、外国人児童生徒等教育に関する知見というものが非常に明確に反映されていてすばらしいなと思ったところです。再定義と資質・能力について、ぜひ具体的に、これなんだというところをお示しいただければというのが1点目です。
次に、2点目ですけれども、今回、新しい表現として「外化」が加えられました。アウトプットと私のほうでは理解しましたが、言語教育においても、日本語教育、日本語指導においても、違和感は全くありません。日本語を学ぶ子供たちですので、合わせて、インプット、インターラクションを重視する必要があるという点を明記いただけるとよろしいかと思います。
学習指導要領改訂に向けた議論の中で「徹底的な外化が必要だ」とされているのは、日本語ネーティブのお子さん方で、日本語の力をネーティブとして持っていることを前提とし、思考する力を育む上で、ヴィゴツキーの内言化が理論的背景になっていると思いますが、自分の気持ちや考えを言語で表現するというプロセスが重要だというメッセージだと理解しました。けれども、日本語を学んでいる途中の子供にとっては、まず、インプットを受けて言葉を理解するということや、周囲とのインターラクションによってその言葉の意味や運用の仕方を学ぶというプロセスは非常に重要です。ですので、外化に加えて、インプットを、漢字の言葉で何と表現したらいいのかは考えなければならないですけれども、インプットとインターラクションの重要性をも強く打ち出していただけたらと思います。
3点目ですが、資料2の4ページ目の図についてです。これまでの議論や、把握してきた現場の状況、そして理念として掲げたいことが一枚の図として、的確に表されていると思って拝見しました。その中で、3つの点でご意見を申し上げます。
まず、上にある、来日直後からの時間軸で示された日本語の指導内容・目標、あるいは目的についてです。上の細めの矢印のところに、学校生活への適応・支援と基礎的な日本語の習得についてです。グラデーションになっているのではっきりと切り分けているわけではないということはメッセージとして伝わってはいるのですけれども、できればスタート直後から、生活への適応・支援と基礎的な日本語の習得が、くびきをかけるようにといいますか、連動しながら高めていくんだということが分かるような図のほうがよいかと思います。
下の太い矢印のところの左側の、学校生活に必要な知識等を日本語を使って行動する力としてを身につけることを考えてみますと、例えば教室掲示の文字を見て、この教室は何なのか分かるというような活動が想像されますが、基礎的な日本語の学習と生活への適応とを合わせて学ぶことになります。段階性として、生活適応、その次が基礎的な日本語と区分けするのではなく、並行して最初からスタートする必要があるという示し方にしていただくと、現実にも合っていますし、先ほど来御指摘のある、日本語の知識・技能だけに傾斜してしまうような教育を避けるための示唆になると思いました。
次に、この図の中の太い矢印のオレンジ色の上の部分の、「在籍学級での学習に参加し理解するための力を育む」の黒いポツの2つ目のところです。「課題解決型・トピック型」と示されていますが、課題解決型であることは非常に重要だと思っています。 なぜかというと、言語の力を育むことを目標にするのは大変大事ですが、学び方を学ぶということも日本語の学習の中に織り込んでいただくということが重要かと思うからです。学習指導要領の改訂においても、探究型・問題解決型の学習をする力を高めるということが目指されていますし、その結果として、中核的な概念を形成することの重要性が示されていると思います。一つ一つの細かな知識・技能を身につけ理解していくだけではなくて、それを応用しながら探究していく力、探究的な学びの力を、取り出しの日本語指導の中でも育みつつ、在籍学級での学習活動に参加できるようにしていくことを明示的に示していただけるとよいのではないかと思います。
上の細い矢印であれば、学習参加のための日本語の習得に、探究する力を高めていくための要素が含まれているといいかと思います。それは、先ほど、外化のほかにインプット、インターラクションもとお話ししたんですけども、そのインターラクションとも強く関わることです。周囲の者と一緒に探究活動をする力、探究的な学び方を織り込んでいただけたらと思います。
最後に、3つの言語の力を育むためにこの図を提案してくださっているわけですが、自己実現に関わる要素をこの図の中に加えてはどうでしょうか。と、上が時系列での学習内容の配置、下が取り出しの学習活動と在籍学級や学校での学習活動との関連として示され、これらを通じて3つの言語の力を育んでいくということがトータルで伝わりやすくなるかと思います。
以上です。ありがとうございました。
【佐藤座長】
ありがとうございました。1番目の資質・能力の育成というのは、より具体的にどんなイメージでお話しされていますか。どういうところにつけ足したらいいのか、何か案がありますか。
【齋藤委員】
例えば前提となる3つの言語の力に関する考え方の説明の部分に、かなり資質・能力に該当することがらが書かれてあります。太字のところでしょうか。他者や社会とつながり、自律的に学ぶというような点などです。それを育む上では、3つのことばの力が必要ですという示し方になるのかと思いました。
【佐藤座長】
分かりました。資質・能力というところをより明確に把握できるように表現してということですよね。
【齋藤委員】
そうですね。私の理解が十分じゃないかもしれませんけれども、例えば、外国人児童生徒教育としてどのような資質・能力を高めるのかがあり、それを実現するための言葉の力としてはこの3つの言葉の力なんだという関係でしょうか。それが分かりやすいかもしれません。
以上です。
【佐藤座長】
分かりました。
それで、2番目のインプット、インターラクションはとても大事だと思いますので、検討する必要があります。
久保さん、何か回答ありますか。どうぞ。
【久保課長補佐】
ありがとうございました。齋藤先生からいただいた最初の御質問と次の資質・能力のところで、現時点の事務局の考え方だけ少しお話しできればと思いました。
1つ目の日本語指導の再定義のところですけれども、何から再定義するのかということに関して、資料1のほうの日本語指導の再定義、2ページにも少し示させていただいておりますが、基本的には、まず対象になってくるのは、今の学校法施行規則で言っているような日本語指導の定義の仕方であったりだとか、特に日本語を身につける学校教育に適応するといったようなところを前提に置いているようなところからの再定義なのかなと思っております。そういう意味で、日本語だけではなくて、さらにその先の学習につながるようなところですとか、より広い意味で捉え直していくといったところがまずはあるかなと考えております。ただ、議論の範疇がかなり広くなってきているところもありますので、事務局のほうでまた整理させていただければと考えております。
その次、資質・能力に関してですけれども、資料2の3ページ目の図のほうにも少し示させていただいておりますが、資質・能力、主には外国人児童生徒等にかかわらず、その他の児童生徒も含めまして、今、学習指導要領の議論の中でも言われているような、人生をかじ取りしていくですとか、そういったところを知識・技能ですとか資質・能力の考え方といったところを念頭に置いております。
他方で、齋藤先生がおっしゃったように、外国人児童生徒等の固有の状況ですとか現状を踏まえて、特に多様性を強みとしていくというようなところですとか、以前御提案いただいたようなレジリエンスみたいなところ、特にそういったところが必要になってくるというようなところもあるかと思います。
今回の資料につきましては、まだ全体として求められている資質・能力の育成に向けて、特にそこを目指していくに当たっては、日本語指導において3つの言語の力を身につけていくことが必要というところまでしか関係性はお示しできていないんですけれども、また、資質・能力に関しましても、特に外国人児童生徒等について、こういった資質・能力が特に重要であるといったような観点も、より具体化していければなと思っております。
そのほか御指摘いただいたインプット、インターラクション、特に、インプットは内化みたいな形になるかと思いますが、御指摘いただいた点、ごもっともかと思いますので、そちらについても反映等をさせていただきたいと思っております。
そのほかの御指摘についても、同じように検討させていただきます。ありがとうございます。
【佐藤座長】
齋藤委員、ありがとうございました。
それでは、これからどなたでも結構ですけれども、会議の中で必ずお一人1回発言をしていただければと思います。私から指名していってよろしいですかね。
工藤委員からまずお願いしまう。これまでの議論を踏まえて、今日、かなり子細に提案をしていただきましたので、御意見があればぜひ伺いたいと思いますので、工藤委員からお願いします。
【工藤委員】
ありがとうございます。私のほうから、感想を中心にお話しさせていただければと思っておるところです。
まず、資料1でこれまでの議論の整理をいただいたところの指導内容のところでは、4ページに記載のあるところが、まさに学校としては、目の前にいる生徒とともに、いわゆる評価に関わるところ、学力の把握というのがやはり最大の課題で取り組んでいるところでございます。その中でも、評価と指導の一体化を我々はもちろん目指してやっている中では、学習指導要領で示されている教育内容、また、各教科の目標と日本語指導の指標との関係を大きな枠組みとして見える形で提示していくことが求められるというのは、まさに今、指導に当たっている教員が必要としているところを御記載いただいて、とてもありがたく思っております。
また、学力の問題が日本語能力の未修得なものなのかどうか、また、その子の本来の力がどうかというのを見取るためということでは、最後にありますが、適切なアセスメントと相談支援の仕組みを確立することというところが、各校、各自治体等でも取り組んでいるところだと思いますので、そういったところは、これから取り組むべきことということでおまとめいただいたのはありがたく思っております。
あと、指導体制の中では、校内体制のところでは、5ページでも管理職のリーダーシップ、あるいはコーディネーターの役割を担う教員の力量、力量の中には経験も含まれますけれども、非常に重要であるというところで、この部分につきましても、各校工夫しているところですけれども、これが重要であるとおまとめいただいたところ、ありがたく思っております。
また、校内体制のところで言えば、母語支援員の方に、現在、学校等では非常に御協力いただいているところがありますので、そういった教員の資質を伸ばしていく、また、研修も行いながら、支援員の雇用であるとかそういったことも非常にありがたく思っているところですので、その点についても、今後充実していくことが求められますので、7ページに御記載いただいたところは、とてもありがたく思っているところでございます。
さらに、今、母語支援員の方に行っていただく中では、次回の議論かもしれないんですけれども、各自治体等で、我々中学校で言えば、高校入試の入試制度というのは様々、異なっております。実は母語支援員の方たちも入試制度のことがあまり詳しくない場合には、なかなか学級担任が伝えたいことが生徒に伝わらない、また、保護者にも伝わらないということで苦慮する場合というのがございますので、そういったところは、いずれ支援員の方の指導力向上の中での研修という中では、そういったことも必要かとは思っておりますので、そのことは今、触れさせていただきました。
最後に、これは意見ということではないんですが、資料2の最後のページ、4ページに当たるところでおまとめいただいている図でございますけれども、これはすばらしいもので、来日直後から発達段階、学校段階を通じて長期的に育成するというこの流れはいいんですが、学校としての悩みは、来日直後に生活の適応・支援や日本語の習得、また、学習参加の日本語の習得をほぼ同時に行わなければいけない。そういった必要性を感じながら、どう効果的にできるかというのは悩みながら工夫しているところですけれども、ただ、おまとめいただいた日本語指導のイメージが実現できるように、学校としては頑張っていきたいと思うものになっておりますので、とてもありがたく思っております。
長くなりました。私から以上でございます。
【佐藤座長】
工藤委員、ありがとうございました。1点だけ、ぜひ伺いたいんですが、2点目におっしゃっていただいた管理職のリーダーシップということですが、この教育を進める上で管理職のリーダーシップの重要性というのはよく言われるんですが、具体的にどういうことが必要だとお考えでしょうか。一言をお願いできればありがたいです。
【工藤委員】
分かりました。私の立場で言えば、管理職自体も必要性に応じながら柔軟に対応する、その柔軟な多様性の理解というのを素養として持っている必要があるかなと思っています。
また、今、ICT機器も様々ある中では、例えば、プリントと通知等を配る際にも、ICTを通じればもちろんすぐ翻訳できるような機能があるのを、実際、学校の教員の中ではそういうのは使ってはいけないというような考えがあったりもします。つまり、従来の指導に固まってしまう考え方がありますけれども、そういったことは、より効果的なこと、その生徒にとって必要なことは何かを考えながら、場合によっては、校内の特別支援を考えるような委員会の中では、方向性を示していくようなことが必要かなというところがあります。
実際、本校でも柔軟に対応しようということで、様々なニーズ、合理的な配慮なども様々上がってくる中では、これは日本語指導が必要な生徒に限らず、必要なことはとにかく取り入れよう。やってみて効果が出なければ、また別の方法を考えようみたいな、そういった柔軟な対応性が必要かなというのが一つリーダーシップの中にあるかなと思っております。
回答になっているか分かりませんが、私はそう思っております。
【佐藤座長】
ありがとうございました。次に、小島委員、お願いできますか。
【小島委員】
ありがとうございます。では、3つほどと思います。
先ほど齋藤委員がおっしゃられた点にはすごく共感するところでして、今回のおまとめいただいた点については、私も全体的にとても共感、賛成でございます。
その中で、資料2の中でありました、齋藤委員も御指摘されていらっしゃいました図のところなんですけれども、とても分かりやすいなと思って拝見したところです。以前、吉田委員もお示ししていた図と重なるのかなと思いながら拝見しました。
その中で、これは時系列に、来日直後となっているのですが、この中に、日本生まれ日本育ちの子だったり、就学前に来た子をこの中に入れていただきたいなと思いました。といいますのも、この資料2の一番前のページの中でも言及されていた、日本語も母語も発達、「乏しい」という表現は検討が必要かと思いますが、つまり、ことばが発達段階の子供たちですよね。という子どもたちであるにもかかわらず、抱えている課題が見えにくいために、周辺化されてしまう子供たちとして多いのが、日本生まれ日本育ちだったりとか、就学前に来た子供たちです。日本語での会話は流暢であるんだけれども、今回出てきました「外化」、特に思考していくというところでは困難を抱えている子供たちの存在が、どうしても社会から見えにくい部分であるため、資料2の3枚目の中で、学習参加のための日本語習得から自立した学習参加へという中に、そういう子たちが多いんだというところを見逃さないようにしていくための言及は必要なのではないかと思いました。
先ほど齋藤委員が、学校生活の適応・支援と基礎的な日本語を一緒にするというお話をされたけれども、2段目の図がグググッと左に来るかなと思いましたので、私ももうちょっと左に来てほしいなと思いました。どうしても基礎的な日本語の学習にとらわれてしまって、学校現場の中では日本語ができないと教科の活動に参加できないというふうに思われてしまう場合が多いものですから、そうではないんだと。逆に言えば、母語の力を活用しながら教科の学習はできるんだというメッセージをお伝えするためにも、なるべく左に行ってほしいなと思った次第です。その点が1つ。
2つ目が資質・能力のところで、さっき齋藤委員がおっしゃられたところでもあったり、また、久保課長補佐からのお話にもあったところだと思うんですけれども、私は目指すべきところというのは、学習指導要領です、という点を強調したいです。どうしても学校現場の中では、日本語を母語にする子たちが上で、その下に日本語指導が必要な子供たちという考え方が多いように感じてしまう部分が多いものですから、どの子も目指すものは同じです、学年相当の学習指導要領で求められる力を目指していくんですというメッセージを資質・能力のところでは強く出していくことがあるといいのではないかと思いました。
あと3つ目が、研修の場という話の中で、先ほど工藤委員もおっしゃられた母語支援員さんのことです。母語支援員さんの強みは、母語も日本語も子供たちのことばの力を評価できるという点でございますので、母語でもアセスメントができる方たちであるというところを強く研修で出していただきたいなと思います。
本学でも、母語支援ができる方たちに対してアセスメント、多言語でDLAの研修なども行っているのですが、その方たちの強みであることを母語支援員さんたちにもメッセージとしてお伝えすると大変喜ばれますので、すごく重要だなと思っています。
どうしても、学校では日本語を翻訳するとか通訳するというようなお仕事をメンイにされている場合が多く、サブ的なポジションとして自治体で位置づけられている場合があったりするんですけども、そうではなく、母語支援員さんだからこそできるお仕事というところで、子供たちの強みを見取ることができることであることを自治体にも母語支援員さん自身にもお伝えしていただきたいです。そして、母語支援員さんたちがそうしたことを学べるような場をつくっていくことの重要性も必要性も広まってほしいです。私は母語支援員さんに対する研修メニューというのも提示するようなことがあってもいいんじゃないのかなと思っております。
その一方でなんですけれども、少し危惧している部分が、翻訳機器というのが学校現場で使われることです。私もあるものは全部積極的に使っていくべきだと思うんです。ですけれども、それが安易に活用されることによって、子供たちの言語発達ですとか概念形成というところが阻害されている現状というのも一部あるんですというのは、以前にお伝えしたいと思います。子供たちはあくまでも言語発達の段階である。それは中学生であっても、高校生であっても同様です、という点です。安易にポケトークなどの翻訳機器で子どもとの対話を全てを終わらせてしまうようなことはしないように、使用にあたっては慎重さだったりとか、倫理的な配慮というのが不可欠なんですというメッセージは、同時に私は出していくべきなのではないかなと思います。
以上になります。
【佐藤座長】
ありがとうございました。最初にお話ししていただいたこの図ですけれども、子供の多様性に全部対応できるのは難しいので、どう工夫するかという話だと思います。
久保さん、今の質問に何かありますか。
【久保課長補佐】
ありがとうございます。まさに事務局の中でも、そもそも学習参加に向けた日本語の指導なんだというところが前提にあるというところですとか、最初から学校生活への適応・支援だけじゃなくて、全て並行して状態に応じてやっていくべきものなんだというような御意見とか、中でも議論はあったんです。
一方で、絵柄としてどう示すかみたいなところですとか、恐らく小島先生とか齋藤先生におっしゃっていただいたように、最初から3つ始まって、それが並行して走っていくみたいな形にできればとは思うんですが、ちょっとまた見せ方のほうは、現時点でうまいやり方がちょっと見つからなかったところもありまして、また検討させていただきます。
ただ、お考えに関しては、我々としてもそのような形でお示しできたらと考えております。ありがとうございます。
【佐藤座長】
そうですね。なかなか難しいかもしれませんけれども、少し工夫していただければと思います。
それから、母語指導員の活用などについて、母語指導員の登用の仕方などについては、資料1のところでも書き込まれてはいるんですが、確かに小島委員がおっしゃったように、母語指導員の研修等についてもしなければ、入れる必要があるかなと思いました。ありがとうございました。
それでは、佐古委員、お願いします。
【佐古委員】
ありがとうございます。議論をまとめていただきまして、ありがとうございます。
私は、教員の養成ということに関心を持ってお聞きしておりますけれども、冒頭で教員養成部会のまとめの御説明がありまして、基本的には私の理解では、これからの教員養成の教職課程は、コアとなる共通の部分をミニマムなものにして、それに得意分野を加えて教員を養成するというような構造でこれから整理すると受け止めております。
今回の資料で、学生が教員としての得意分野を形成する一つの分野といいますか、内容として日本語指導というのが明記されたというのは、これは非常に大きなことかなと思っているんですが、一方では、この会議でも出ておりましたけれども、全ての学生が日本語指導の基礎を学ぶというところからすると、それは選択的なものになっているということはちょっと気になるんですが、その辺は委員の方々はどうお考えになるかということをお聞きしたいと思っています。
それからもう一つは、選択的な内容とされました項目が、学部段階の履修内容としてどうなのかということについても、若干、専門の先生方の御意見をお聞きしたらと思っておいます。たくさん並んでおりますが、外国人児童生徒等教育概論から実践研修までとなっています。養成段階とそれ以降の教師の成長を連続的にとらえて考えることが必要になると思います。そうすると、当然ですが、学部段階で完結するわけではなくて、基礎的なものを学んだ上で、その後、それを積み上げていくということになると思うんですが、その積み上げるところで、例えば有力な候補は教職大学院になると思うのですが、日本語の能力を高めるようなプログラムなりコースなりを設計して、それを学部と連続して、体系的に日本語の得意な教師を養成するというコースもあり得ると思います。その観点から見ると、学部段階での内容と大学院段階の内容、特にそれは教職大学院に入れるべきだと思うんですけれども、そういうものについてちょっと区別化するというか、ある程度整理しながら、日本語能力についても体系的に教育を学ぶというような仕組みを提案するということが必要ではないかと思っております。
もう1点、これはちょっと教員の養成から外れるんですが、先ほど委員の中で校長のリーダーシップについての御議論がありました。私は今、徳島県という散在地域におりますので特にそういうことを思うんですけれども、特定の先生方が日本語指導に苦労されるというようなことではなくて、学校の先生方がチームを組んで日本語の指導に当たったり、子供の学校生活への適応について協力するという体制がとても大事だと思うんです。そういうことについては、資料の1番の記述は若干抽象的で分かりにくいので、そこは少し具体的なものが入ればいいのかなという思いを持って聞いておりました。
以上でございます。ありがとうございました。
【佐藤座長】
ありがとうございました。基礎的な部分と専門的な部分、そして、それを学部段階と大学院でどう役割分担をしていくのかという議論で、大学院との連動をどうしていくのかという点については、この有識者会議ではそこまで入っていないと思いますけれども、そうそういう議論が必要だということですね。
それから、3番目、「チーム学校」という話は、この有識者会議でも多分出たと思いますけれども、チーム学校として校内体制をどう整備していくのかという議論だったと思います。事務局のほうで何かありますか。今、佐古委員のほうからお話しいただいた部分について、こういう方向性があるんじゃないか、あるいは、もう少し議論が必要なんじゃないかという考え方があれば、お聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
全て解決できるわけではないので、学部段階での教員養成部会の作業部会が動いているということですので、それもにらみながら、教職大学院も含めて今後専門性をどう積み上げていくかという議論がこれから必要だというような課題を提起するということでも構わないと思います。
確かに、有識者会議の中で、学部段階、それから大学院段階、そして、それを研修というところまでどうつなげていくのかというところについて、まだ議論が足らない部分があるかもしれないですね。
【片桐調査官】
ありがとうございます。皆様御意見いただきまして、ありがとうございます。
私どももそうだと思っておりまして、教員養成部会で示している内容は、あくまで例として示させていただいておりまして、どの段階でどれを、また、例えばコアカリキュラムの中に入れるとしたらどういう内容というのは、ぜひ御意見いただけたらなと思いますし、今後の検討課題でもあると思っております。
また、チーム学校というところで、例えば、校長のリーダーシップとしてはどういうものが必要かということですとか、あとこれまでの議論で出ておりますのが、コーディネーターの役割が必要ではないかというところが言われているんですけれども、では、そのコーディネーターの役割の方がどういう役割を持つべきなのかとか、そういったところも御意見をいただければと。重要だというところは今まで示しているところなんですけれども、では具体的には何かとか、そういったリーダーですとかコーディネーターの方が必要な資質というのがどういうものだということと、それを育てるためにはどうすればいいかというところがまだ検討が必要かなと思っておりますので、そのことについて御意見があれば今日いただけたらと思います。また、この有識者会議以降も引き続き検討は必要かと思っておりますので、もし何かありましたら、よろしくお願いいたします。
【佐藤座長】
時間が余れば、今の話は議論していければと思います。ありがとうございました。
続いて、徳永委員、お願いできますか。
【徳永委員】
ありがとうございます。丁寧にこれまでの議論をまとめていただいて、本当にありがとうございました。
私のほうから大きく2点ありますが、1つはここに入っていない観点です。発表のときにも少しお話ししましたが、当事者の子供たちの声を聞き、それを政策や実践づくりに生かしていくということはぜひ入れていただきたいと思います。指導内容や指導体制、指導力の向上などに焦点が当たっていて、真ん中にいるはずの子供たち、様々な課題を生きている当事者の子供の視点がどこまで反映されているのかと疑問に思いました。そこがとても大事だと思いますので、彼らの強みが引き出されるように、彼らがどういう課題を抱えているのかとか、どんなニーズを持っているのかとか、あるいは学校に何を望んでいるのかとか、そういったことを彼らから意見聴取や対話をして、それを施策や学校づくりに生かすということが重要だということ、そういった文章が入っていると、いろいろな学校や自治体でも参考にされると思いました。
この点は教育振興基本計画でも、子供や若者とともに、彼らの周囲にいる保護者や支援者、教育関係者など、多様なステークホルダーとの意見聴取や対話を行って、それを施策や実践に反映していく重要性が指摘されていますので、その点について気になったというのが1点目です。
2つ目は、今後、報告書をまとめていく段階で議論されるかもしれませんが、この会議の外国人児童生徒等の教育の充実に向けてのビジョンや重要なコンセプトとして、資料1の背景・総論に挙がっていると思います。例えば、誰一人取り残さないこととか、子供の強みを引き出すこととか、マジョリティーの変容とか、ネットワークをつくって支援をしていくこと、言葉の力を育むことなど重要なコンセプトが挙がっていると思いますが、これらがその後の分野ごとの検討事項とどのようにつながっているのかが気になりました。
果たしてこれらのコンセプトが指導内容とか指導体制、指導力の向上などに通底するコンセプトになっているのかが気になったので、教員や支援者の育成など個人への働きかけだけではなく、より広い視点から子供の強みを引き出す学校文化をどうつくっていけるのかとか、既存の価値観をどう問い直していくのかとか、保護者や地域とどうネットワークをつくり支援体制を強化していくのかとか、大きなコンセプトと、各論のミクロな視点を統合していくと、一体感のある報告書になり、メッセージも伝わると思いました。
それと関連して、マジョリティーの変容とか、多様性を強みとするなど、様々な大きな用語が出てきていると思いますが、これらがなじみがなかったり抽象的だったりするので、きちんと理解されずに捉えられてしまうこともあると思います。報告書の中でこれらの用語が何を意味しているのかというのを明確に書いていくことも大事だと思いました。
以上2点です。ありがとうございます。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
1点目、当事者の意見を捉えながら、教育をどう進めていくのかというようなことはとても大事なので、それをどこかに入れるかということです。2点目について事務局から何かありますか。要するに、いろいろコンセプトが並んでいるけれども、それを具体的な個別の施策とどうつなげていくのか、それをどう表現していくのかということについては、いかがですか。
【久保課長補佐】
ありがとうございます。
まず、いただいた2点目のほうですけれども、今回御指摘いただいたとおり、ミクロなところ、今回、指導内容ですとかそういったところに集中してお示しはしているんですが、最終的には全体像というか、各論を踏まえて大きな一つのコンセプトの下で、それぞれこういった施策をやっていくというところのつながりをお示ししていきたいと思っております。
他方で、背景・総論で書いてある全ての項目について、各項目で全部吸収するというよりかは、例えば、ストレングス・アプローチの考え方であれば、指導内容のところが特に力点になるですとか、地域、学校、社会との連携であれば指導体制のところが特に関連するものになっていくですとか、そういっためり張りが出てくるかと思うんですけれども、できる限りコンセプトは通底するものとして、全体の関係性とかしっかり見ていければと思っております。御指摘いただいてありがとうございます。
もう一つですけれども、最初にいただいた子供たちの意見をちゃんと捉えるというところですが、まさに内閣府のほうで行っていらっしゃる「こども若者★いけんぷらす」というような仕組みを活用しまして、既に、ある学校の児童生徒さんからも意見聴取をさせていただきまして、その報告については、次の1月の会議の中でもさせていただきたいと思っております。
まさに国の政策を考える際に、意見を聴取してそれを反映するということとともに、報告書の中でも、各現場においてもそういった取組が重要であるというメッセージもぜひ出していけたらなと思っております。ありがとうございます。
【佐藤座長】
分かりました。とても大事な意見ですので、どこかに入れておくことと、それから系統性みたいなものがはっきり分かるようにすればいいということだと思いますので、ぜひこれは取り入れていければと思います。では、浜田委員、お願いできますか。
【浜田副座長】
失礼いたします。ありがとうございます。
資料2の4ページの図が今、話題になっておりますので、それを中心にコメントさせていただきたいと思います。
日本語指導の再定義については、先ほど齋藤委員からお話があったことと重複することが多いんですけれども、私自身も、外国人の子供たちの将来の姿、どういった子供たちに育てていくのかということが前提としてすごく大事だなと考えておりますので、強みを生かすという視点で、一般の子供たちと違うところについても、理念というか全体の方針として打ち出していくということは重要かなと思っています。それが1点です。
それから、4ページの図のところで、特別な教育課程と在籍学級との関係について、非常にうまくまとめていただいたと思っています。先ほど小島委員からもありましたけれども、日本生まれ、日本育ちの子供たちであっても、やはり取り出しの指導が必要な場面もあるかなと思っていますので、オレンジとブルーの比率は変わるけれども、何らかの形で指導ができるといいということなのかなと思っています。
それと、特にブルーの部分、在籍学級の指導についても考えていくことが重要かなと思っているんです。特に日本生まれ、日本育ちの子供たちが在籍学級にいる場合もそうですけれども、日本語指導の再定義に加えて、子供たちが在籍学級に戻ってきたときの教科指導においてどのような配慮をするかとか、あるいは授業をつくっていくかということが大事で、先ほど共通性、専門性という議論も行われていますけれども、その共通に全ての教員が持たなければならない力というのは、まさしくこの在籍学級の子供たちの中にそういう多様な子供たちがいた場合に、どのように指導を進めていくかということなのではないかなと思っています。
例えばですけれども、現行の学習指導要領の中では、障害のある子供たちについて、学習活動を行う場合に生じる困難さに対して、どのような指導、工夫をしていくかということがかなり内容に即して具体的に記述をされています。ですので、日本語指導が必要な子供たちについては、具体的にどんな工夫が必要かということをそういった形で明示するということも考えられると思いますし、例えば、今回の学習指導要領の中で、言葉を用いて思考を深めるという点が非常に強調されているというお話がございましたけれども、例えば海外ですと、イギリスなんかでは移民の子供たちが増えてきた、英語が母語でない子供たちが増えてきたことが、教員養成の中でランゲージアウェアネスと呼ばれるような言語に意識を向けることが重要だという提案にもつながっているということもありますので、ぜひ水色の部分についても何らかの提案ができればと考えています。
それから、そういった共通な力をどのように養っていくか、指導力の向上の観点になるかと思いますけれども、例えばですけれども、コアカリキュラムの中の各教科の指導法ですとか、それから、今回新しい教員養成課程の内容として、教育の方法及び情報通信技術というものが加わったと先ほどお話があったんですけれども、そういった教員養成の中で、つまり、日本語教育概論とかいうような授業ではなく、教科の指導法とか教育方法論の授業の中で、日本語指導の必要な子供たちがいたときにどんな授業の工夫ができるかとか、それは日本語指導だけではなくて、恐らく多様性の包摂という中で、特別支援の対象の子供たちも含めて、多様な子供たちに対してどのような配慮をするかという話になろうかと思うんですけれども、そういった科目の中で扱っていただくということもすごく大事かなと思います。
この間、皆さん御承知のように、ICT活用については教科の指導法の中で扱われるようになって、養成の中でICTの活用が進んでいったというような経緯もございますので、ぜひそういった形で、平たく薄く指導力が養えればなということです。
それと、専門のところではどうするかということなんですけれども、先ほど大学院レベルでというふうなお話もありました。実は、強みをつくるという点では、例えば開放制の大学では、ずっと話題になっておりますような登録日本語教員向けの科目を開講しているような大学もございますので、そういった大学では、それを強みとして学部レベルでも養うということは可能ですし、それから、教員養成を行っている大学でも、例えば大阪教育大とか学芸大とか、フラッグシップで一部の大学では既にそういった科目も設置されていますので、強みという話になると、各大学、各養成課程でどんな強みを養うのかという差別化の議論にもなってこようと思いますので、できる大学からどんどん、そういった学部レベルでの養成もしていただけたらと思っています。
大学院には、むしろ先ほどから話題になっていますような管理職として必要な力とか、あるいはコーディネーターとしての力、例えば、学校の中で地域と連携を進めていったり、あるいは日本語指導補助者、母語支援員さんとどのように連携を進めていくかとか、あるいは地域全体で見ますと、指導主事というような立場でどのように施策を進めていくかというところも含めて、そのような内容については、ぜひ大学院で養成を図っていただければと思っております。
それとあと、先ほどの資料2の4ページの図に関わっては、今日、小島委員もいらっしゃいますけれども、例えば身につける言葉の力として3つ要素が挙がっていますけれども、そういったものがことばの力のものさしとどういうふうに関わってくるのかということをやっぱり示さないと、現場の先生方は実際に授業をつくっていただくのが非常に難しいので、その部分についても、ぜひ手当てが必要かなと考えております。
すみません、以上です。
【佐藤座長】
ありがとうございました。浜田委員、この資料2のブルーと、在籍学級のところでもう少し具体的に書き込んだほうがいいのではないか話でしたが、具体的にどういうイメージですか。
【浜田副座長】
要するに、在籍学級に日本語指導が必要な子供がいて、今も少し書かれているんですけれども、ここに書かれている、例えば視覚教材とか機械翻訳とか、支援が入り込む、ここに書かれていますけれども、それを図にはもうこのように書いてくださっていますので、具体的に学習指導要領ですとか、あるいは受入れの手引みたいなところに少し書き込むというようなところが重要かなと考えています。
【佐藤座長】
分かりました。ありがとうございます。
今の点で事務局から何かありますか。
【久保課長補佐】
ありがとうございます。最後の御指摘のところでは、まさに今回まとめさせていただいたようなイメージですとか、いただいた御意見を踏まえて、方向性としてはこうといったようなところが資料1とか資料2に出てきているという状況でございますので、これを踏まえて具体的にどういう出口の施策をやっていくのか、今お話があったようなガイドラインですとか、その他の授業なのか、学習指導要領なのかみたいなところにつきましては、また、次回以降お示しをさせていただきたいと考えておりますので、また、そちらについても御議論いただきたいと思っております。
ことばの力のものさしとの関係ですけれども、こちらも今回3つの言語の力という形でお示しするに当たって、確かに混乱が生じるというところは想定しておりまして、事務局の中でもう少し整理が必要かなと思っております。コミュニケーションに必要な言語の力みたいなところを言葉の物差しで言っているものと、含んでいたり含んでいなかったりみたいな関係性とかもあると思いますので、その辺も少し整理させていただきたいと思っておりますし、その過程でまた、各委員の先生方に御了見いただくこともあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【佐藤座長】
ありがとうございました。浜田委員が、教職大学院では管理職として、あるいはコーディネーターとしての役割を中心にしたほうがいいのではないかという御意見をいただきましたので、さっきの佐古委員の議論とも絡んでくると思いますので、時間があれば、議論していきたいと思います。
一通り皆さんの御意見を伺いたいと思います。横溝委員、お願いできますか。
【横溝委員】
今まで様々な議論を行ってきたことをまとめていただき、ありがとうございます。資料1を拝見すると、随分会が進んだなと感じています。
私の立場で、主に研修について少しお話をさせていただけたらと思います。事務局がまとめてくださった資料にも、外国につながる児童生徒に関わるたくさんの新しい言葉だったり、重要な概念等が示されています。これをどう現場に下ろしていくかということの仕組みをもっともっと考えていく必要があるだろうと思っています。
この会議で何回か議論が出てきたと思いますが、各自治体がどのように研修をしていくかというのが非常に大きな課題となっているのかなと思いますし、特に、校内体制を整える管理職だったり在籍級担任、そして、そのほか一般教員等に向けての研修について、もう少し提示を具体的なものにしていただけたらなと感じています。
本市の日本語支援に関わる体制については、第6回で説明をさせていただきました。加配の教員の指導力向上だったり育成については力を入れている部分であるんですが、同時に、全ての教員においても、外国につながる児童生徒の現状だったり、よりよい指導、支援、教員の経験年数に応じた関わり方とか役割についての研修も行っています。
少し手前みそなんですが、作ったものがありますので、見ていただけたらと思うんですが、見えていますか。
本市では第1ステージ、初任として、どの学級にも外国につながる子供たちが増えてきておりますので、現状どうなのかとか、よりよい指導・支援についてまず考えてみましょうということをオンデマンドでやっております。それから、第2ステージ中堅で、学年分掌に主に関わる先生方に向けては、学年のリーダーとして、どんな役割が彼らを受け入れるときに必要なのかとか、それから、現状とかよりよい指導・支援について。そして、オンデマンドで、また第3ステージは主幹の先生方について学校体制づくり、教員間の連携なんかも含めて研修をさせていただいています。
そして管理職の研修として、先ほどからお話が出ていますが、管理職の役割について。私自身、管理職はやったことがないので、文部科学省の受入れの手引等を見ながら、こんなことが重要ですよとか、外部の連携をしっかり取ってくださいねということもやっておりますし、管理職御自身が本市の日本語支援事業、どんなことが受入れのときに必要なのかということも知っておいていただく必要がありますので、そういったものも研修でさせております。
そして先ほど来、コーディネーターの役割というのもありましたが、本市では特別支援教育コーディネーターの養成研修に、外国につながる児童生徒の理解研修を1コマ入れてもらっております。国際教室担当者は278校にいるんですが、残り230校ぐらいには国際教室がないものがありますので、恐らくこういった方々がまず受入れに関わると思いますので、どの学校に来ても受入れができるようにという体制を整えようとしているのが現状です。まだまだ足りない部分もあるかなとは自分自身、思っております。
それから、小島委員からありました母語支援ボランティアの研修というのを横浜市教育委員会事務局として初めて12月末に行う予定です。内容は、母語支援ボランティア事業とはどんなものだろうというのをまずしっかり知ってもらうこと。それから経験談、今までこんなことで苦労しましたとか、こんなふうに教員と関わっていますとか、それこそ先ほど出ていますストレングス・アプローチじゃないですけれども、母語ができる人が彼らをうまく見取っていただいて、担任の先生につないでいただくというのが非常に重要になってくると思っています。
そして、参加者同士で情報交換して、よりよい支援とか、よりよい関わり方を身につけてもらうというのも非常に重要かなと思っております。今、支援をしてくださっている方もですし、これから支援を始めようとしている方々、そして、派遣をしてくださっている国際交流ラウンジのスタッフなんかも含めて、今、60名ぐらいが申し込んでくれているような状況ですので、初めての試みでちょっとどきどきしているんですけど、こういった機会をうまく使いながら、学校の理解とか、子供たちの理解を広めていけて、よりよい支援がまた広がっていけばいいなと思っています。
今示したものは本当に一例で、もっともっといい方法があると思っていますので、そういったことがもう少し広がるような文部科学省からとしての提示をしていただけたらなと感じております。
以上です。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
資料1の4ページとか5ページぐらいのお話だと思いますが、横浜の事例は非常に先進的な事例で、こういう先進的な事例を踏まえて、具体的にどのように書き込んだらいいのかについて、横溝委員、何かいい案はありますか。具体的な事例としては分かるんですけれども、それを具体的にどのように書き込めばいいんでしょうかね。
【横溝委員】
本市の例で言うと、各教員の経験年数に応じて、外国につながる子供たちの現状について必ず知って、研修で通過をしていく形にしておりますので、そういった教員経験年数に応じた研修みたいなところがうまく表現していただけるといいのかと感じます。
【佐藤座長】
なるほど。分かりました。ありがとうございます。
今の件について、事務局から何かありますか。意見を伺うということでよろしいですか。
【片桐調査官】
ありがとうございます。研修については、様々な研修が考えられまして、例えば教員のはもちろんですし、管理職であったり、日本語指導の支援者の方であったりの研修も考えられるところで、私どもとしまして、受入れの手引のほうで、研修が必要ですよということと、研修の内容として例えばこういうことが考えられますというところを書かせていただいているんですけども、現状ではそれぞれ5行ぐらいしか書かれていなくて、支援員については、例えば日本の学校のカウンセリング的な内容を学ぶことですとか、学習言語の習得をいか図るかなどの研修をすることも必要ですみたいなことが書かれている。私どもとしましても、これで十分だと思っているところでございませんで、それぞれの必要な役割というのは今回の有識者会議で御議論いただくところで、それに合わせて、ではどういう内容を研修に入れていくのかというところを、例えば手引なのか、ほかのものなのか、何らかで示せていけたらいいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
そうですね。研修一般の議論というよりは、さらに経験年数であるとか、いろんな属性ごとに研修の必要性みたいなものを書き込んでいく、しかもそれをガイドラインあるいは手引などで示していくという話ですので、ぜひそういう方向で行きましょうかね。ありがとうございました。
それでは、吉田委員、お願いできますか。
【吉田委員】
ありがとうございます。まず、事務局の皆様、非常に丁寧にまとめていただいて、ありがとうございます。
まず、資料2の、皆様話題にされている4ページの図について、少しお話しさせていただいて、その後、資料1のほうのお話をさせていただきたいと思います。
まず、4ページの図ですが、下のところの指導の形態のところは、私、出させていただいた資料も参考にしていただいたのかなと思って、ありがとうございます。皆さんおっしゃっているように、この青い部分が今まであまり語られてこなかった。そして、現場で先生方が一番どうしたらいいのかなと悩まれる部分になると思います。この部分に関しては、資料1のほうに、もう少しここでやっていくようなことを書き込んでいくほうがいいのではないかなと思っております。
そして、上に身につける言語の力の例というところで、先ほど来話題になっているように、私自身も学習参加のための日本語の習得というのは、もっと左にも来てほしいなと思っています。欄も狭い中でどう表示するのかの難しさもあると思うんですが、1つはグラデーションを斜めに入れていくというようなやり方もあるのかなと思っています。今グラデーションになっていますが、グラデーションの方向性としては縦になっているのかなと思って、多分、斜めになると思うんですよね。学校生活への適応・支援と基礎的な日本語の習得は、かなり斜めに重なり合って入ってくると思いますし、基礎的な日本語の習得をやりながらも学習支援参加のための日本語の習得が当然入ってくると考えると、グラデーションの色合いを斜めに入れていって、もう少し全体に左にずらしていくというような表示の仕方があるのかななどということを先ほどからちょっと考えておりました。
今お話ししたようなところから、今度、資料1のほうを見ていったときに、先ほどの図の下の青い部分は、こちらの資料1のほうでは3ページから4ページ辺りに関わる内容になっているのかなと思っています。児童生徒の様々な力を引き出し、効果的な指導を行うための方策の検討というようなところで、例えば、丸の3つ目、4つ目辺り、あるいは5つ目辺りなんていうのは、青い部分と関連する内容が相当ここに入ってきているんだろうと思って、ここのところで、もうちょっと具体的に何ができるのかというようなところを示していくことができればいいのかなと思います。
何度か私も強調させていただいたように、翻訳に依存することで言語習得の機会が損なわれたりというようなことも、実際現場では生じる可能性がかなり高いことで、これも、教師も頼ってしまう、子供自身も頼ってしまう、なかなか言語の獲得が進まないというようなことも当然あり得ると思うので、その辺りも丁寧に示していく必要もあるかなと。ある程度書いていただいているんですけれども、どんなふうに使ったらいいのかという辺りも、少し具体的に書き込めるといいのではないかなと思っておりました。
4ページの上の部分、1つ目の丸のところも教科の話なので、先ほどお話ししたように、ここのところをもうちょっと詳しくしていけたらいいのではないかなということです。
その下の評価の話なんですけれども、「指導と評価の一体化の観点から」というところと「特別の教育課程における学びが正当に評価されず」という、ここの2つの丸の部分というのは現場的には本当に大きいところだと思います。特別の教育課程については、指導要録のほうでも、総合的な欄に何時間これをやってというのは書くわけですけど、日本語を学びつつ参加している教科のほうの評価はどうなるのかという問題が非常にあって、そこをどう評価したらいいのか。それが結局、評定という数字になって高校入試にも関連していく。そういうところで現場の先生方が悩まれているという実態があると思います。その部分が大きな課題であるところとなっているわけですけれども、その課題についてどういう方向性で考えていけばいいのかというところまで本来は示せるといいんだろうなということを思っていました。
それから、その下の指導体制の確保・充実に関して、4ページ目から5ページ目にかけて書いていただいている部分で、散在地域についてもここでいろいろと書いていただいて、ありがとうございます。ここに書いていただいていることは、いずれもとても妥当なことだと思っております。とはいえ、根本的に基礎定数は18人に1人だと加算されるわけですけど、散在地域ではそれが当てはまらない。支援員とかに頼るしかないというような状況があって、その中で、最後書いていただいている予算の問題が生じて、青森県は県教育委員会が立ち上げのところを市町村教育委員会を支援する仕組みとかも参考にして書いてくださっていると思うんですけど、予算の部分で使えるのは、きめ細やかな支援事業だけなわけですよね。国としては、きめ細やかな支援事業をやっているのでそれを使ってくださいねというわけですけれども、これで本当に全国一律いい形に行くのだろうかというのは、体制としてはまだまだ弱いなということを正直感じます。
ほかの散在地域の自治体の方からも、特別の教育課程を組むのに、例えば、日本語ゼロで来た子に何時間支援をするところからやったらいいんだろうと。限られた予算ということの中で、先ほどの資料2の図を実現しようとするわけですけれども、オレンジ色の部分は予算が必要になるわけです。ここを教員がやるにしても支援員がやるにしても、ここに予算が必要だと。本当にゼロから始める子に週何時間ぐらい保障すればいいのか。予算と子供の現実の間で、多くの教育委員会が悩んでいるのではないかなと思うんです。そういったところに何らかの、このぐらいは必要ですよねというようなことを示していくということは必要なのではないかと私は思っています。全国どこの自治体に子供が来ても、住む場所によって受けられる支援が違い、学力を支えてくれる仕組みが全く差が出てしまうというのは、子供の目線から見ればとても不公平なことだと思いますので、そこを国として、このぐらいは必要なんですよと。それをどういうふうに支えればいいかというところをもうちょっと強く打ち出せないものかなということを私としては強く感じています。
あと、資料1についてもう一つ思ったところは、どうしても散在地域は支援員に頼らざるを得ないというところで、はっきり言って、母語支援員は入れないです。そういう人材がいないというほうがはるかに多くて、日本語支援員が入るのが精いっぱいなわけですけれども、その日本語支援員の研修というのはどうなのかというところで、教員等への研修という形では書いてくださっていますけれども、支援員の研修というところもはっきりと、母語支援に限らず打ち出していく必要があるのではないかと思っています。本当に人がいないところで、一部の自治体ではハローワークに募集を出して、経験とか資格とか問わずに人を集めているというケースもあるわけです。現場に入れて、はい、お願いしますと。そこで何が起こるかというと、子供についてまわるお世話係のようなことになってしまう。でも、支援員さんが来たから、支援員さん、お願いねと。そういうようなことが、実際には残念ながら、一部には確実に起こってしまっているのではないかということを非常に危惧しています。
ですので、自治体が支援員を雇うといったときに、その支援員に対しての研修、これは教育委員会でやるのでなくても、例えば派遣する母体があれば、母体に対してちゃんと研修していますよねというところで話していくというような形で、民間のほうで研修するということがあってもいいのかもしれないんですけれども、いずれも、教員に限らず、支援員にも研修というのは非常に重要で、そこをどういうふうにしていくのかというところ、きちんと明示していく必要があるのではないかと思っています。
以上です。ありがとうございました。
【佐藤座長】
ありがとうございました。皆さんから出てきている資料2の4枚目の図かな、これJSLだとか手引のところでも随分議論したんですが、直線型、ないし単線にしてしまうとなかなか分かりにくいので縦にした記憶があります。そして、それを矢印で引っ張ったような記憶があるんですけれども、これは1枚の図だからなかなか難しいんですね。誰に向かって発信するかということとも関わり、現場で使いやすいもの、わかりやすいものにしていく必要があります。理念としてこういう考え方だけれども、それを具体的に現場に下ろしたときにどうなるかということですので、工夫が必要かなと思います。
次、高階委員、お願いできますか。
【高階委員】
高階です。私のほうから3点です。
まず、資料1の9ページ、登録日本語教員の活用についてということで、以前にもこの会議の場でも少しお話しさせていただきましたけれども、学校現場にはそういう思いがあって、もっともっと関わりたいという先生もいますので、そういった先生がスムーズに登録日本語教員の資格を取れるような仕組みが、ここは非常にハードルが高いのかもしれませんが、そういったことがもし可能であれば、検討していただければなというのが1点です。
2つ目が、先ほどから少し出ていた母語支援員の研修ですが、私が感じるところで言うと、研修の中身ですけれども、私は前、一度聞いてすごくいい話だなと思ったのが、母語支援員はただ単に通訳をしているのではないということで、生徒指導上の問題とかがあったりして通訳で入ってもらうことも多々あるんですけれども、そういうときは文化が違ったりするので、ただ単に訳すと、話が全然かみ合わなくてうまくいかないというようなことが結構あるんです。なので、支援員の方がおっしゃっていたのは、そういう文化の違いも踏まえた上で、ある意味、翻訳するだけではなくて調整役を担っているというような話があって、それがすごく分かりやすかったんですよね。なので、もしそういう研修の場があるのであれば、当事者といいますか、支援員の方がまさにどういうことに工夫しながら活動しているのか。失敗談とか、そういった話を聞けると、非常に実りのある研修になるのかなということを感じました。
3つ目ですが、これは最後、感想の話になりますが、資料2の1ページ目の課題のところに、「児童生徒の表面的な日本語能力やできないことに焦点化され」というフレーズがあると思うんですが、ここまさに御指摘のとおりで、どうしても日本語指導が必要な生徒に出会うと、ついつい日本語が苦手な子というふうに捉えがちなんですが、私の好きなフレーズで、大阪大学の外国ルーツを支援している「ふくふくセンター」というのがあるんですが、そこのパンフレットの最初のキャッチコピーに、「日本語ができない子どもとして見ますか。それとも、複数のことばと文化を持つ可能性のある子どもとして見ますか。」という、そんなキャッチコピーのフレーズが載っているんです。これはすごく分かりやすいというか、ストンと納得できる分かりやすい表現で、生徒の見方をちょっと変えて見るだけで、可能性のある子どもと見ると、すごく生徒の能力を伸ばしてあげようという、子どもたちをポジティブに捉えて指導に当たることができるので、非常に教育的にも効果があるんじゃないかなと。私は今、勤めている学校でも大阪大学のこの言葉をよく使わせていただくんですけれども、まさにそういう視点を持つ支援者、教員、そういった人をたくさん育てることができたらなと、この資料を見て感じました。3点目は感想です。
以上です。
【佐藤座長】
ありがとうございました。
それでは最後、野口委員が入っていらっしゃいますね。お願いできますか。
【野口委員】
すみません、大分遅く入ってしまったので、少しずれているかもしれませんが、資料を拝見した上での意見をお伝えしたいと思います。
これまでの議論をおまとめいただきまして、ありがとうございました。
私が気になった点は、全体的に、より複合的なニーズについても触れられている部分があまりないと思いました。4ページにおいて、学力の問題が日本語能力の問題なのか、特別支援なのかといった点は指摘されており確かにそのアセスメントをしていくことは重要ですが、外国人で発達障害があったり不登校だったり、特定分野に特異な才能があったり、複合的なニーズのある子供もいることを踏まえていただきたいなという視点がどこかに入るといいと思います。
それを踏まえた時に、特別支援教育に関わる部署やや教育支援センターなど、縦割りではない様々な部署との連携ということが必要になってきます。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも含めてみたいな文言はありましたが、より縦割りにならないような、そういう体制づくりについて触れられるといいのかなと思いました。
この間、特別支援教育ワーキンググループや、特定分野に特異な才能のある子供のワーキンググループの委員としても議論に参加をしていますが、それぞれのカテゴリーにおいて様々な業務や専門性が積み重なっていくこと学校現場にとってかなり負担だと思います。先ほど横溝委員がおっしゃっていた、特別支援教育コーディネーターに外国人と児童生徒についても研修をするというところもそうだと思うんですが、本当はもうちょっと包括的にコーディネートができる人が学校に、すぐには難しいかもしれませんが、専属で必要なってくるのではないかなと思ったりしています。
外部との連携というのも、カテゴリーごとにコーディネーターを配置して、それぞれのコーディネーターが縦割りで連携することは現実的ではないんじゃないかなと思います。例えばインクルーシブ教育コーディネーターみたいな形で、多様性に関する学校全体の施策を校長先生と一緒に検討したりですとか、学校内外にある資源を整理して、外部との連携を担当する役割といった視点で、実現可能な形で複合的なニーズに対応していく体制整備を推進する、といったような点が含まれるとよいのではないでしょうか。
以上です。
【佐藤委員】
ありがとうございました。そうですね、今、野口委員がおっしゃっていただいた、複合的な子供たち、外国にルーツのある子供で障害を持った子供は当然いるわけですので、そうした子供に対する支援の在り方というようなところは、この資料1の中にも入っていないのかなと思います。
そして、あともう一つ、野口委員がこれまで主張されておられる、個別に対応するのはとても大事なことではあるけれども、現実的にできるのかどうかという議論があるので、「チーム学校」という言い方の中にそうような表現が入ればいいなと思いました。
それでは、時間が押してきましたので、議題1については、これで一通り皆様から御意見を伺いました。さらに御意見があろうかと思いますので、ぜひ事務局のほうにメールでお知らせください。よろしくお願いいたします。
議題2、外国人児童生徒等の就学・進学・就職機会の確保に移ります。
それではまず、事務局のほうから説明をお願いします。
【片桐調査官】
それでは、資料3について説明をさせていただきます。
次回の会議では、外国人児童生徒等の就学・進学・就職機会の確保についてのヒアリングと意見交換をさせていただく予定です。それに先立ちまして、主に御議論いただきたい内容を資料3にまとめておりますので、説明をさせていただきます。
まず、就学促進のための方策の在り方についてです。
就学につきましては、令和2年の日本語教育の推進に関する基本的な方針に基づき、外国人の子供の就学状況把握、就学促進のために自治体が講ずべき事項を指針として取りまとめ、指針においては、外国人の子供の就学の促進及び就学状況の把握が示されています。
外国人の子供の就学状況の把握、就学促進に関する取組としましては、外国籍の方の転入時の住民登録窓口での働きかけや、教育委員会との情報共有、新1年生に対する外国語での就学案内の送付、不就学または就学状況が不明な子供に対して、電話や家庭訪問による就学状況の確認、就学促進などの事例を周知してきたところです。自治体におかれてはこのような取組が進められており、不就学の可能性のある子供の数は減少しております。これらの取組をさらに進めるためには、どのようなことが考えられるか。
次、プレスクール等の取組の推進についてですが、一部の自治体においては、学校生活への円滑な適用に向け、学齢期に近い外国人幼児のためのプレスクールや来日直後の外国人の子供を対象とした初期集中指導・支援等が実施されています。日本語指導が必要な児童生徒数が増加し、入学当初の対応が課題となる中、このような取組を進め、充実させるためには、既に取組を進めている事例の周知のほか、どのような支援方策が考えられるかについて御意見をいただければと思います。
2ページ目になります。
外国人生徒の進学・就職の促進方法についてです。
令和2年の指針では、高等学校等への就学の促進についても示しています。高校入試の配慮事項に関する文部科学省からの通知においては、外国人児童生徒等を対象とした特別定員枠の設定や、受検に対しての配慮等の取組の推進を依頼しており、特別定員枠を設定する自治体や受検に対する配慮を行う自治体は増えていますが、さらに取組を進めるために考えられる方策は何か。
また、企業と連携したキャリア教育やキャリア支援、保護者への対応については、日本語指導が必要な高校生等の中途退学率は高く、進学率は低く、進学も就職もしていない者の率は高く、課題となっております。そのため、文部科学省では今年度、外国人生徒のキャリア支援等に関する調査研究を実施しており、高等学校等における外国人生徒に対するキャリア教育及びキャリア支援の実態調査や、研究協力校等による実践を行い、それらを踏まえて、外国人生徒等のためのキャリア支援やキャリア教育の効果的な方策等を検討し、年度末までにポイント集を作成することとしています。
さらに、外国人生徒のキャリア教育やキャリア支援を推進するためには、関係機関や大学、企業等との連携、保護者への対応などが必要ですが、どのような課題があるか。また、取組を進めるために考えられる方策は何かについて御意見をいただければと思います。
なお、就学促進の指針や高校入試の通知など関係の文書の抜粋など、3ページ以降につけております。
次回の会議では、外国人児童生徒等の就学・進学・就職機会についてですので、主にこの資料の検討事項について御議論いただければと思います。
説明は以上です。
【佐藤座長】
ありがとうございました。次回は1月16日ですが、外国人児童生徒の就学・進学・就職機会の確保ということで議論を行います。よろしくお願いしたいと思います。
それでは、本日の議論、少し早いですけれども、ここまでとさせていただきます。最後に事務局から、いろんな意見をいただきましたけども、何かお答えすることがございますか。
【片桐調査官】
ありがとうございます。本日、たくさんの御議論、御意見をいただきましたので、資料1と資料2につきましては、さらに修正を重ね充実させて、報告書を取りまとめのほうに進めていきたいと思います。どうもありがとうございました。
【佐藤座長】
それでは、今日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
今、事務局から話がありましたように、皆さんから今日、御意見、また御提案をいただきました。資料1のところで欠けているところ、あるいは、もうちょっとここを付け足したほうがいいのではないかというような貴重な意見もありました。
そして資料2は、とても的確にまとめていただきましたけれども、1枚の図におろすとなかなか難しい面もあります。一目で分かる分かりやすさというのがありますけども、分かりやすさの反面、それがうまく表現できないというところもございますので、今日の議論を踏まえて次回までに、あるいは次々回までに提案をしていただけると思いますので、お願いします。
それでは最後に、事務局より連絡事項をお願いします。
【片桐調査官】
本日もたくさんの御議論をどうもありがとうございました。
それでは、資料4に示しておりますが、次回、第10回は1月16日金曜日10時から12時を予定しております。
以上でございます。
【佐藤座長】
ありがとうございます。それでは、次回1月16日、10時から12時ということでございますので、またお集まりいただければと思います。
本年最後でございます。先ほど横溝委員がおっしゃっておられたのかな、随分長く議論を積み重ねてきたなと思います。御協力いただきまして、本当にありがとうございます。どうぞ皆さん、よいお年をお迎えください。また来年、お目にかかりたいと思います。今日はどうもありがとうございます。
これにて閉会します。
―― 了 ――
総合教育政策局国際教育課