令和7年12月1日(月曜日)14時00分~16時00分
文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はYouTube Live上のみ)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)
【貞広座長】 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより第7回「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
本日も御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
それでは、本日の会議開催方式と資料につきまして、まず、事務局より御説明をお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 事務局、草野でございます。本日もよろしくお願いいたします。
本会議は、ウェブと対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催をさせていただきます。報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御出席者の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、委員の皆様は、御発言の時以外も含めて、会議中はオンにしていただければと思います。
次に、資料の確認でございます。本日の資料は、議事次第にあるとおりでございますので、不足等ございましたら、お知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。
それでは、本日の議題に入ります。本日、議題が3つございます。1つ目は、現在、文部科学省が行っている学校の適正規模・適正配置の在り方に関する2つの調査研究につきまして、中間報告をいただきます。議題の2つ目は、複数自治体で広域連合を設立し、教育委員会運営等を行っていらっしゃる京都府相楽東部広域連合の取組について御発表いただきます。そして、議題3、その他といたします。
では、議題1に入ります。議題1は少子化時代に対応した学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究の中間報告についてでございます。本日は、有限責任監査法人トーマツ様、そして、株式会社ファインコラボレート研究所様の2社に御出席いただいています。各調査研究の中間報告に先立ち、まず、事務局から調査研究のポイントや本日の会議において、特に議論を行っていただきたい論点につきまして、御説明をいただきたいと思います。それでは、事務局お願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 再び事務局、草野でございます。参考資料1で御用意してございます資料は令和6年度の補正予算の資料となりますが、学校の適正規模・適正配置の関係の委託調査でございまして、現在、調査中でございます。4月の本会議におきまして、ファインコラボレート研究所様から御発表いただいております、昨年8月にまとめていただいた調査では、適正規模・適正配置に向けた自治体の計画策定などについてまとめていただきましたので、その調査も踏まえて、本年度の調査では今、御覧いただいております参考資料1のポンチ絵の下部に記載してございますとおり、左側の教育効果、真ん中の通学の在り方、右側の都道府県と市町村の連携、この3つについてとなってございます。
教育効果につきましては、学校統合や、それに伴う学校とほかの施設との複合化や共用化によってどのような効果があったのかについて調査をいただいてございます。通学の在り方につきましては、通学の時間や距離のほか、スクールバスや公共交通機関の利用も含めて調査をいただいております。3つ目の県と市町の連携につきましては、現状や課題を含めて調査をいただいてございます。今年度の調査になりますので、最終的な報告書は、また年度末に向けてまとめていただくことになってございますが、本会議の議論に生かしていただく観点から中間的な報告ということでございます。
本日の議論との関係につきましては、参考資料2で御用意をしてございます。これまでの議論の整理でございますけれども、前回の会議でも同様のものを示してございますが、本日の議論に関係するところにつきましては、深めていただきたい論点というところで下線、赤線を付してございます。
具体的には2枚目の真ん中のところになりますが、首長部局や都道府県等と連携した適正規模・適正配置の計画の検討というところと、その下の部分、また、3枚目になりますが、真ん中のあたりの通学時間、通学距離、通学手段等の通学環境といったところになります。トーマツ様からは通学の関係、ファインコラボレート研究所様からは教育効果の関係と、都道府県と市町村との連携、この2つについて中間の御報告をいただくことになってございます。ファインコラボレート研究所様におかれましては、昨年度まとめていただいた調査からの進展も含めて、報告をまとめていただけることになってございますので、その観点も含めた報告内容となってございます。
いずれの論点につきましても、本会議において委員の皆様から御発言をいただいておりますので、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。それでは、早速いらしていただいている2社からの発表に移らせていただきたいと思います。1社1社ずつの御発表の後に質疑応答というよりも、2社にまとめて御発表いただいた後に、全体を通じて皆様に御議論いただく段取りでございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、本日お越しいただいております、有限責任監査法人トーマツの齊藤綾子様、よろしくお願いいたします。
【齊藤マネージャー】 よろしくお願いいたします。それでは、投影されております資料で御報告をさせていただきます。
まずは、我々のほうで進めております調査概要から御説明させていただきたいと思います。資料の3ページを御覧いただければと思います。今回ですけれども、我々、学校の統廃合に伴う通学手段の確保策に関しまして、導入・運用の現状や課題、それから対応事例の調査を通じまして、今後、必要な支援の方向性の整理ということを進めております。調査手法といたしましては、アンケート、それからヒアリング調査を取っておりまして、本日、夏頃に実施しましたアンケート調査結果の概要及び、現在推進中ではありますけれども、ヒアリング調査を踏まえた現時点での取りまとめを御報告させていただきます。
それでは、アンケート調査の結果から御説明させていただきます。資料5ページをお願いいたします。まず、今回のアンケート調査でございますけれども、学校統廃合に伴う通学の現状及び課題の概要を把握することを目的に実施をいたしました。対象といたしましては、文科省様で実施されております学校規模の適正化及び少子化に対応した学校教育の充実策に関する実態調査を基にしまして、令和4年度及び5年度に統合事例があると回答があった自治体としております。各自治体に対しては、統合事例のうち、新しいものから最大3校について回答いただくように依頼をいたしました。結果として、167の市区町村より285校について回答を得ております。
続いて、6ページを御覧いただければと思います。結果のサマリーをお伝えいたします。まず、回答全体の傾向ですが、今回対象となった学校のうち76%がスクールバスを導入しているということでございました。スクールバス以外の通学手段としては、保護者による送迎や公共交通機関、自転車が主なものとなっております。その下、スクールバス導入済みの学校については、利用要件、それから導入に伴う懸念や課題、利用者側からの改善要望等を聞いております。利用要件については、通学距離を基準に要件を定めているという学校が過半数でございました。
国が定める適正配置の基準を下回る基準でも、利用対象としている学校も小学校ですと7割近く、中学校では6割近くということになっております。導入に向けた課題や懸念については、運行業者や運転手の確保、事故の懸念、予算の確保、体力低下といったものが主なものとなっております。児童生徒や保護者からの要望としては、停留所の位置の見直し、自宅の近くに設置をしてほしいと、そういった声が最も多く選択されたところでございます。一番下、青い箱、スクールバスを導入していない学校については、未導入の理由や課題などを聞いております。未導入の理由に関しては、「徒歩通学が可能だから」という理由が最も全体としては多いですけれども、検討したものの導入に至らなかったといった学校では、「公共交通機関の定期代補助のほうが効果的と判断したから」といったものが多くなっております。一番下のスクールバス導入に向けて自治体単体で解消困難な課題としては、財源の確保、それから運転手や業者の確保が挙げられております。これ以降の資料で、ただいま言及しました調査結果の詳細をまとめておるところではあるんですけれども、本日発表時間の都合もございますので、この場での説明は、サマリー資料にとどめさせていただきたいと思います。
資料ですが、数枚めくっていただきまして、24ページ以降を御覧いただければと思います。こちらからヒアリング調査についての説明に移らせていただきます。
25ページをお願いいたします。先ほどのアンケート調査に回答いただいた自治体を中心としまして、スクールバス導入済みの自治体に対しては導入に伴う課題や取組、未導入の自治体に対しては導入を見送った背景でしたり、ほかの手段による対応についてヒアリングをしております。
次の26ページをお願いいたします。まず、スクールバス導入済みの自治体に対する調査から御説明いたします。こちらは先ほど見ていただいたアンケート調査結果の再掲になります。スクールバス導入済みの自治体からは、課題として、運転手や事業者の確保、子供たちの安全管理、同じく子供たちの体力の低下、長時間乗車に伴う対応、それから放課後活動の制約や待ち時間というものが導入に伴う課題として挙げられておりました。これらの課題に対応している取組についてヒアリングで調査をしております。
次のページを御覧いただければと思います。先ほど前のページで整理をしておりました各課題への対応事例でございます。各事例の詳細はこの後、御説明をいたしますけれども、例えば市の教育方針を踏まえてバスの乗車時間中に教育活動を行っている事例でしたり、地域と連携して放課後の活動の充実化を図ったり、安全管理に取り組む事例というものがございます。また、運転手や事業者の確保については、地域住民向けのバスの一本化でしたり、近隣小中学校での共同利用の事例もあるというところでございます。
次のページお願いいたします。また、ヒアリング調査の中では、アンケート調査では取り切れなかった課題もお伺いをしております。まず、複数の自治体から聞かれたものとして、最近の熱中症でしたり、獣害、不審者等を懸念いたしまして、必ずしも要件を満たさない家庭からもスクールバス利用を希望する声が上がるなど、スクールバスへの期待が高まっているという状況が聞かれております。それから、その下の予約管理等に伴う業務負担というところですけれども、バスの運行に伴って、予約管理でしたり予算管理、それから支払い事務など業務が多いことで職員の負担になっているほか、これらが路線拡大の障壁にもなっているとの実態も聞かれております。それから、車両の確保を課題として挙げる自治体もございました。また、地域によっては居住地が分散していることにより、バスのルート設定が困難といった声も聞かれております。
次のページお願いいたします。こちらのページですけれども、運転手確保の課題に対して、地域で取り組む事例を挙げております。こちらに記載の自治体はアンケート調査の回答自治体ではございませんが、別途追加的に行った調査を踏まえてヒアリングに御協力をいただいております。まず、一番上の新潟県佐渡市でございますが、こちらスクールバスの運行を個人に委託しているという例でございます。現状、市全体で28路線のバスを運行しておりますけれども、そのうち23路線を約40人の個人に委託しているという状況です。運転手はおおむね50歳から75歳、路線バスや大型トラックの運転手経験者が多いようでございます。こうした形態を取っている背景としては、域内に全路線を委託可能な事業者がいないということが大きな理由になっておりまして、事業者がカバーできない範囲はやむを得ず、個人に委託をしているということでございました。どうしても朝夕の稼働のみとなってしまうため、まとまった業務にできないということで安定的な雇用といったような形を取りづらいということも課題として挙げられておりました。また、個人の方が運行できない場合の代替者の確保ということも運営上の課題であるということでございます。資料にはございませんけれども、40人の個人委託先との契約事務等の業務負担もかなり大きいようではございます。
もう1点が、下半分、青森県平川市の事例でございます。こちらはスクールバスの運行を地域運営組織に委託しているという事例になります。こちらの例では、冬場の徒歩通学が困難な時期限定でこういった運用しているということです。運転手の多くの方が農家の方ということでございます。課題として、現状の体制では、通年の運行が困難であるということでしたり、運転手の方々も高齢であるということで、取組の継続性という意味では課題を感じていらっしゃいます。こうしたように、地域と連携して通学手段の確保を行っている事例もございますけれども、いずれも持続的な運用には課題があるということが実態と言えるかと考えております。
次のページをお願いいたします。こちらのページも、アンケート調査の回答自治体ではありませんけれども、特徴的な事例を載せております。こちらはスクールバスに係る事務を共同学校事務室で実施をしている例になります。宮崎県五ヶ瀬町でございますが、現状町内で4台のスクールバスを運用しておりますけれども、共同学校事務室の拠点校である五ヶ瀬中学校というところに町内の学校のスクールバスに係る事務も集約しているということでございます。予約事務に精通した職員が担当することで、バス会社でしたり他校との連携、調整がスムーズにできているということでしたり、教員の方々が教育活動に専念できているということはおっしゃっておられました。これらはスクールバス等の導入や運用に伴う事務負担への対応事例として御紹介をさせていただきました。
次のページをお願いいたします。続いてですけれども、スクールバスの導入を見送った自治体へのヒアリング結果を御説明します。ヒアリングの中ではスクールバス導入の阻害要因を改めて伺いましたけれども、主なところとしては、教職員の負担増でしたり運転手の確保、それから将来的な廃止の可能性というものが挙げられておりました。
次の32ページをお願いいたします。スクールバスを導入していない自治体の中にもほかの方法で児童生徒の通学手段を確保している例がございますけれども、市内の巡回バスのダイヤ調整により、児童生徒の通学手段を活用できるようにしている例でしたりとか、スクールタクシーの導入をしている例、それからスクールバスを公共交通に統合している例などもございます。この後、この辺りの詳細は御説明をいたします。
それでは、ページめくっていただきまして、資料33ページ目です。先ほどヒアリング調査結果のサマリーで触れました各事例について御説明をいたします。
まず、34ページを御覧いただければと思います。こちらは福島県田村市の事例でございます。こちらがバスの乗車時間を活用して教育活動を実施している例でして、市の人材育成方針も踏まえまして、バスの乗車中に英語の耳慣れのためにCDの放送を行っているということでございます。
続きまして、35ページでございます。こちらも福島県田村市の例でございますけれども、スクールバスの待ち時間を有効に設計している例でございます。めだかの学校という地域住民主体の放課後活動を行っておられまして、主に小学校低学年が参加をしています。これはおおむね午後4時頃までの活動ということでございまして、低学年の児童がこの活動に参加することで、高学年の下校時間とタイミングを合わせて一緒にスクールバスで下校することができているということでございます。めだかの学校はスクールバス導入以前から実施されていた活動でございますけれども、地域の活動をうまく活用することで、バスの運行時間の設計でしたり、待ち時間の有効活用につなげている例かと思います。
続きまして、36ページです。こちらが児童生徒の安全管理に関する取組の事例になります。まず、新潟県南魚沼市ですけれども、児童同士で登下校の安全について話し合う機会を設けて、児童自身の安全意識の向上を図っているという事例でございます。各学期の始業時期と終業時期に、同じスクールバスに乗車する児童が集まって、登下校の安全について話し合う機会を設けているということでございます。
続いて、37ページを御覧ください。こちらも児童生徒の安全確保に関連した事例でございます。山形県遊佐町では見守り隊という地域の方による子供たちの見守り活動を行っておられます。この見守り隊ですが、学校統合前から地域にあった活動ということですが、学校の統合及びスクールバスの導入により地域との関わりが減ってしまうという懸念があったことから、統合後も継続して取組を行っているということでございます。
続いて、38ページを御覧ください。同じく山形県遊佐町の事例ですけれども、運転手や事業者の確保への対応として、町営バスをスクールバスに統合した事例となります。以前はスクールバスと町営の路線バスを業者に委託していたということですけれども、撤退をしてしまったということで、町営バスをスクールバスに一本化して、町直営で運行する形態に移行しているという例でございます。バス1台当たり児童生徒四、五十名と若干名の地域住民が混乗しているという形でございまして、住民による子供の見守りにもつながっているということでございました。
続いて、39ページでございます。こちらも運転手や事業者の確保への対応事例になりまして、新潟県南魚沼市ですが、近隣の小学校と中学校でスクールバスを共同利用することで、限られたバスでしたり運転手を効率的に運用しているということでございます。
続いて、40ページでございます。このページからはスクールバス以外の方法で児童生徒の通学手段を確保している事例になります。まず、御覧いただいている岐阜県本巣市ですけれども、市内の巡回バスを児童生徒の通学手段として活用しておられます。こちらの学校の統合に当たって、スクールバスの導入も検討したということですけれども、予算の観点から追加の費用負担がなく利用できる市内の巡回バスを活用することになったということでございます。巡回バスの所管部署でしたり、委託事業者、それから巡回バスと接続する鉄道等、各社との調整が必要だったということでございますけれども、そういった複数の地域の事業者、関係者と調整の上、運行時間でしたり停留所の調整を行った上でこのような形態を取っているということでございます。
続いて、41ページです。長崎県長崎市でのスクールタクシーの導入事例になります。こちらの自治体に関しても、統合に伴ってスクールバスの検討も行ったということでございますけれども、想定利用人数が少ないこと、それから周辺の道路事情でしたり、また、費用面の負担を加味してタクシーを選択されています。もともと地域にタクシー事業者が多かったということもこうした選択が可能だった背景にあるようでございます。
最後に42ページでございます。スクールバスを公共交通に統合した事例でございます。茨城県常陸太田市ですけれども、以前はスクールバスを導入していたということでございますけれども、スクールバスの運行に係る市の費用負担が大きくなってしまっているということ、それから路線バスの利用者が減少しているということを受けて、スクールバスを公共交通に再編するという対応を取っておられます。児童生徒の通学手段の確保、それから地域交通の維持活性化を合わせた取組というように見られるかと考えております。
具体的な事例の御紹介は以上でございます。
最後に簡単ですけれども、44ページ目を御覧いただきまして、簡単にまとめをさせていただきます。前半にまず、アンケート調査結果で触れましたとおり、スクールバスの運用に当たっては、長時間乗車でしたり放課後活動への制約、それから待ち時間の対応、安全管理など、児童生徒の生活面でしたり安全面に関する課題というものがまず、生じ得るところでございます。こうした課題に対しては、先ほど触れたような他自治体の事例などの情報提供を通じて、運用上の工夫を支援するということも一定程度可能かとは考えられます。ただ、一方でということで申しますと、その下のところに書いておりますけれども、まず、近年の環境変化、例えば先ほど触れましたとおり、熱中症でしたりとか熊の被害でしたり、通学中の事故でしたり、そういった懸念から、スクールバスの導入に対して保護者側からも期待が高まっているという声は複数の自治体から聞かれたところです。ただ、教育委員会側では予算管理でしたり支払い事務などの業務負担でしたり、それから運転手の確保といったような物理的な課題が導入や拡大の障壁となっているといった状況にございます。特に運転手など、担い手の確保で申しますと、既に導入済みの自治体でもその持続性が課題として認識されているところでございます。
こうした状況も受けまして、今後予想される展開というところでございますけれども、今回御報告した事例にも一部含まれておりますが、今後より地域運営組織でしたり、NPOによる運営、それから地域交通との連携でしたり、そうした地域資源を活用した多様な取組も進みつつある状況で、今後も進んでいくのではないかと見ております。特に小規模の自治体を中心に人材不足が深刻化する中でございますので、こういった地域の多様な輸送手段でしたり、担い手を活用した運営モデルの構築ということが求められてくるのではないかと捉えております。
これも踏まえますと、最後のボックスになりますけれども、地域の状況に応じた体制構築自体を支援していくということも今後、必要ではないかと考えます。それに伴いまして、通学手段でしたり担い手が多様化していくということを考えますと、例えば運転手の質の確保でしたりとか安全管理、特に事故が起きた場合にどのように、誰が責任を持つのかというところ、それから事務の効率化でしたり、こういった新たに顕在化し得る課題に対しても対応を検討していく必要があるのではないかということを考えております。簡単ですけれども、今後の施策の検討に向けた現時点での施策ということでまとめさせていただきました。
以上で発表を終わります。ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございます。貴重な御報告をいただきまして、感謝申し上げます。冒頭で申し上げました進行のやり方を変えさせていただいて、大変情報量が多かったので、ここでも少しお時間を取って、事実確認などの質問の時間を設けたいと思います。御質問ある方はいらっしゃいますでしょうか。オンラインの方も含めて、挙手ボタンを押していただければ、御指名申し上げますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。また、2社の御報告終わった後にも時間を設けますので、そちらで、また立ち返っていただいても結構です。
それでは、続きまして、株式会社ファインコラボレート研究所様の望月伸一様、御説明お願いいたします。
【土肥取締役】 ファイン研究所の土肥と申します。私のほうから御説明させていただきます。
残りの委託事業について中間報告させていただきます。1ページを御覧ください。3つの委託事業の概要になります。1つ目は、①のA、教育効果やコスト削減効果などで、上段の水色の部分です。再編効果に関する業務となりますが、アンケートやヒアリングなどを基に、再編効果、検証手法などの整理、学校再編のタイプ分類を行っております。2つ目は①のB、保護者などとの合意形成の進め方で、中段のピンク色の部分です。適正規模・適正配置を行う上で、合意形成の進め方について悩んでいる自治体が多いため、まず、業務の流れを整理し、アンケートやヒアリングなどを基に、各段階ごとの合意形成の目的ややり方について把握整理をしています。A、Bの2つの委託事業は教育や建築、まちづくりなどの有識者に適宜御意見を伺いながら進めています。3つ目は、③、学校の適正規模・適正配置に向けた都道府県と市区町村の連携の調査研究で、下段の青色部分です。適正規模・適正配置を進めていると、様々な課題が見えてきます。その中で、特に都道府県と市区町村の連携の在り方や効果などについて把握整理をしています。
では、2ページ以降で3つの事業の現段階の検討状況について御説明します。まず、2ページからは、Aの教育効果やコスト削減効果等についてです。
3ページを御覧ください。3ページは現時点で整理した学校再編による効果と課題の一覧です。先行事例やアンケートヒアリングなどにより、再編効果を5項目に整理しました。再編効果の1つ目は学校規模の確保です。内容としては、適正規模の確保、すなわち小規模校の解消や教職員の確保による免許外教科担任の解消、1学級当たりの人数の確保、複式学級の解消などが挙げられます。2つ目は通学区域の見直しです。内容としては、分散進学の解消、小中学校区の整合、また、通学時間については、30分ぐらいまでならよいとの意見が多いですが、それを超えた場合の通学手段の確保などが挙げられます。3つ目は地域との連携強化です。内容としては、新たな地域資源、地域人材の活用などで、通学時の見守りが強化されて遅刻が減った事例などもありました。4つ目は教育環境の充実です。内容としては、多目的室やオープンスペースなどの新たな教室の整備、ICT機器などの充実などで多様な学習展開につながっていることなどが挙げられます。5つ目はコスト削減です。学校数が減ることで施設整備費が削減されたり、事務員が減ることによる学校にかかる総コストの削減などが挙げられます。さらに、再編後、新たな学校で教育活動を行うことによって、教育効果を高める様々な要素も見えてきています。例えば小規模校が解消されることでクラス替えができるようになり、固定化した人間関係から解放されたり、たとえ適正規模にならなくても、ある程度人数が確保されることで多様な考え方に出会い、自分の考えを深めることができるようになっています。特に町村などでは小規模のデメリットを最小化するために義務教育学校にしているところも多くあり、1年生から9年生の縦割り活動の充実などを含めて、知識、スキルの習得や人間性の形成といった教育効果につながっているということが見えてきています。
一方で、再編による課題もあります。統合で地域が広がることで、地域の分断やスクールバスなど通学手段の確保などがありますが、再編による効果だけでなく、課題も併せてまとめたいと考えています。学校再編による効果検証は、統合後にアンケート調査を実施しているところはありますが、再編効果を体系的に、あるいは定量的に検証している事例は、ほとんどないことが分かってきました。再編の効果検証をどうやるか、検証方法が分からず悩んでいる自治体もあるため、4ページのような検証例も併せて調査報告書ではまとめていきたいと考えています。
5ページを御覧ください。人口規模を基に、政令指定都市から町村まで基礎自治体を8つに区分し、大規模、標準、小規模の小・中・義務教育学校の学校数を見ると、保有状況に違いがありそうです。さらにアンケート結果から分かる適正規模・適正配置の取組状況と見比べることで、人口規模による傾向が見えてきそうです。例えば右の表は、人口10万から20万人の自治体を市域面積の小さい順に並べたものです。市域面積が100平方キロより小さいところでは、小中ともに19学級以上の学校が多いですが、100平方キロ以上の広域になりますと、5学級以下の学校も出現し、再編をしても小規模は解消されていない状況などが分かります。
主な傾向をまとめたものが6ページになります。例えば中核市で、30学級以上の過大規模校から6学級の小規模校まで保有しており、同じ市内で二極化が進んでいるため、大規模校と小規模校の両方の対応が必要です。また、同じ人口規模でも、市域面積が広がると学校数や小規模、過小規模校の割合に違いが出てきます。さらに人口規模が小さくなると、小中1校ずつなど、最小単位まで学校数が減っています。こうした状況を都道府県別に分析したり、継続的に変化を押さえるなどしてデータ化していくと、各自治体が自分と似ている自治体を見つけたりすることもできるのではないかなと考えております。
このような傾向とアンケート結果を基に、学校再編のタイプ分類を検討しています。それが7ページです。政令指定都市は独自の基準や体制で再編を進めているため、1つのタイプとしました。そのほか、また当面は標準規模が維持できるタイプ、大規模校と小規模校が混在して両方の対応が必要なタイプ、自治体内で義務教育学校、あるいは小中1校ずつなど最小単位まで再編統合済みのタイプ。また、行政主導ではなく、保護者や地域などからの要望で、地元主導で進めるため、方針も計画も策定しないタイプなど、大きく7つくらいに分類できそうだと考えています。再編効果があったと回答した自治体にヒアリングをしてみると、人口規模によらず、複式学級は子供自身に学ぶ力が備わっていないと成立が難しいなどの理由で、複式学級の解消を最優先にしています。また、町村では、再編してもクラス替えができない状況ではありますが、1年生から9年生の異学年が身近にいる効果が大きい、先生が増えることで、子供、保護者にとっても相談できる人が増えてよい効果があるなどのお話が聞けました。こうしたタイプ分類や他の自治体の状況をこれから取り組む自治体の参考にしていただきたいと考えています。
現時点での委託事業Aのまとめとしては、人口20万人以上であれば、適正規模・適正配置に取り組むことで適正規模を確保できるが、人口20万人未満で、市域面積が広がると再編しても小規模校の解消が難しい。特に人口5万人未満になると、施設一体型の義務教育学校などで学年を超えた交流を増やすことなどによって、小規模でも社会性や非認知能力の育成などにつながるといった再編効果が出てきそうだということが分かってまいりました。
次に、8ページからは、Bの合意形成の進め方についてです。9、10ページを御覧ください。合意形成の進め方を整理するに当たって、まず、適正規模・適正配置の取組の流れを整理してみました。第1段階は、適正規模・適正配置方針の検討段階、第2段階が学校再編を自治体全体で検討する段階、第3段階が学校再編をエリア別で詳細に検討する段階、第4段階か開校に向けた移行段階、第5段階が統合というように開校に至るまでの流れを整理しました。また、ゼロ段階として検討開始段階を入れています。そもそもどういう段階になったら検討を始めればいいのかといった声も聞かれるため、進め方の最初に位置づけました。例としては、ピーク時から児童生徒数が半減したときや、あるいは校舎の建て替えのタイミングなどが考えられます。各段階ごとにどのような成果物を求めているのかを明らかにして、必要な合意形成内容の検討につなげたいと考えています。
11ページで、各段階の成果物の構成を示しています。各段階の成果物は、公表資料を基に分析したいと考えていますが、例えば適正規模・適正配置の方針であれば、平成27年の文科省の手引が公表された頃に策定されたものと、令和の日本型教育の答申が示された以降の方針がありますが、近年の方針では、これからの学校像を具体的に示しているなど、内容に違いが見られます。方針策定段階では、まず、目指す教育の姿を明らかにすることが重要だということが見えてきています。
もう一度、9、10ページの業務の流れに戻っていただき、フローの一番下に記載いたしましたが、各段階に応じて、合意形成の目的ややり方が異なってくるものと考えられます。例えば、方針策定段階では目指す教育の姿、これからの学校像を関係者と共有することが目的となるため、取組の背景として、児童生徒数や施設状況などの現状を提示しながら、目指す学校像を浸透させる必要があります。学校再編の第2段階では、目指す姿を実現するための手法として、再編の組合せなどについて理解してもらうことが目的となるため、再編案を複数提示して、それぞれの効果や課題について意見交換する必要があります。何より合意形成では、分かりやすい資料で丁寧に説明や意見交換することが重要になっています。また、各段階ごとの合意形成のやり方には様々な種類ありそうです。例えば、方針策定段階でも、方針ができてから説明会をするパターンや、方針ができる前に推計や方針案を提示して意見交換するパターンなどがあります。これについては、13、14ページにありますように、先行事例を事例集として整理するとともに、各自治体の担当者がどの段階で何をすればよいか見つけられるような、Q&A集のようにまとめていきたいと考えています。
Bの最後、15ページです。最初に御説明したAの再編効果の委託調査の中で自治体にヒアリングをすると、統合経験のある校長先生から④の開校までの移行段階、実行段階の進め方が統合後のスムーズな学校運営には非常に重要であるといったお話が複数ありました。また、この図は、実際に令和10年4月に義務教育学校開校に向けて、現在取り組んでいる自治体の例ですが、現在取組中の自治体でも移行期間中に何を準備しておけばよいか、手探りで進めている状況です。統合前の現在の学習の在り方を明確化し、統合後の学習の在り方がどのように変わるかを具体化しながら、施設の使い方とも連動させることができるように、教職員とのワークショップなどを通じて取り組んでいます。
16ページからは、3つ目の委託事業、③、都道府県と市区町村の連携についてです。17ページにありますように、アンケートを取ってみると、都道府県と市区町村の連携はあまり進んでいないということが分かります。その中でも、教職員の配置や授業交流、出前授業、ICT機器の共同調達などでは連携が始まっているようです。
20ページを御覧ください。現在の学校を取り巻く課題を5つの観点で整理したものです。方針策定段階で、実態や課題を基に課題を整理すると、通学の在り方や教職員、施設、学校運営、ICTといった5つの観点は共通で出てくるものになります。
これを時系列に整理したものが22、23ページです。Bの合意形成のところで御説明した検討段階ごとに、ソフト、ハードの両面から様々な課題が見えてきます。また、左側に部門名がありますが、適正規模・適正配置の取組は関係組織が多岐にわたるものであり、学校教育部門であれば、教育総務課や学務課など、施設・学習環境部門であれば学校施設課や給食課など、さらには財政などの首長部局との連携も必要になるなど、様々な連携が必要となることが分かります。
そのため、21ページで、様々な課題とそれを解決するために必要な連携を5つ整理してみました。1つ目は市区町村の教育委員会の適正規模・適正配置担当が直面している課題です。2つ目は、1つ目の課題を解決するために、教育委員会内でも教育部門と施設部門での連携が必要になります。3つ目は、教育委員会と首長部局との連携です。まちづくりや予算との連動などで必要となります。4つ目は市区町村と都道府県の連携です。教員配置や特別支援など、市区町村だけでは解決しきれない課題への対応が必要です。さらに5つ目として、市区町村と都道府県、国まで含めた連携も必要であると考えられます。
25ページで、具体的な連携の事例とさらなる展開について整理しています。連携によって効果があったと回答した県にヒアリングをしてみると、ICT関連や特別支援教育などの連携で効果が見られ始めているようです。また、個別施設計画を担当するハード部門と適正規模担当のソフト部門を統合した組織をつくり、一体となって検討を始めている自治体も出てきています。複雑な課題もばらばらに対応するのではなく、併せて一緒になって検討することで解決策が見えてくるのではないかと考えられます。
最後に、26ページを御覧ください。学校に係る総コストを見てみると、改修修繕費、光熱水費などの施設関連から教職員の人件費までかかっていますが、基礎自治体が負担しているものは、主に斜め斜線の項目で、そのほかは都道府県や国の補助金、交付金などから負担されており、1校当たり3億から5億円となっています。こうした視点からも、国、都道府県と市区町村の連携による見直しは重要であると考えられます。
説明は以上です。
【貞広座長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの2つ目の御報告につきまして、御質問を承りたいと思います。挙手ボタンを押していただければ、こちらから順次御指名を申し上げます。いかがでしょうか。すごく情報量が多いので、そしゃくするだけでも大変かもしれませんけれども、いかがでしょうか。オンラインの方もどうぞ、遠慮なく挙手いただければと思います。いいですか。
じゃあ、私から1点御質問申し上げてもいいでしょうか。今日お示しいただいているものについてだけでも、こうした最適配置、再配置を検討している自治体さんにとって資するものだと、大変優れた御研究をしてくださっているんですけれども、その意味で確認なんですが、スライドの9ページから10ページのところに、1から5までのフェーズを分けて整理していただいていますけれども、①で2年、②でプラス3年かかるということで、③と④は、その後のフェーズに来るという意味ですよね。ということは、少なく見積もって、統合後の学校を立ち上げられるまで10年見越しなさいということですよね。バックキャスト的に考えると、まだ大丈夫だろうみたいな段階で手をつけないと賢くできないと、そういう理解でよろしいですか。
【望月代表取締役】 お答えさせていただきます。9ページ、10ページのフェーズですが、これは実際に業務に取り組んでみますとこういう流れでございます。
余談でございますが、適正規模・適正配置の方針を立てないで再編を始めている自治体もかなりございます。やはりそうしますとうまくいかないという例が出てきております。今、先生おっしゃったように、やってみますと適正規模・適正配置の方針で約2年ぐらいかかります。最初の半年間で、将来推計ですとかいろいろな実態課題を明らかにしながら検討委員会を開いて意見交換してまとめていく。そして、その次に方針が立ちますが、将来推計をしておりますので、全てを再編するのかどうかというのは分かりませんが、まず、再編が必要だというところは、次の第2フェーズに入ります。全体的にまとめていって、部分的にやるところは3番という形になるわけですが、一部、具体的にワークショップを開きながら、住民の皆さんに合意形成を取っていく。この段階に入りますと、お金を含めて効果を示していかなければいけない。こういう形で一部分なのか、全体的に再編するのか、それは両方ございますが、全体的に再編する場合、3つ、4つの中学校区、同時並行に動かすということで非常に大変な状況になります。こういうところで時間がかかります。
それから、地域の皆さんが同じ考え方ではございませんので、いいよというところと、これじゃまずいというところがございますので、そういうところを聞いていきますと時間がかかってまいります。
そして、まさしく再編計画がまとまりまして、議会承認を取って決定していくというのが第3段階でございます。そして、そこから先、開校まで3年間、ないしは4年間、時間がかかると。この間、施設のほうをどのように見直していくのか。それから、簡単に言えば、新しい学習環境をどうするのか、現在の学習環境と新しい学習環境、これを建物といかに調和していくのか、こういうところの検討というのがかなり大事だというところも、統合を経験した校長先生から話が出てきていますが、ここの部分の在り方がなかなかまだ明確ではない状況です。
また、一番のポイントは、効果検証をきっちりやっているところが非常に少ない状況でございます。やっていてもアンケートを取るだけということで、最初から最後までどのように検証していくのか、これを早めに取り組んでいる教育委員会の方々にお示しする必要があると思います。将来推計というのを少し長く取っていかなきゃいけないというところと関連しますが、先生おっしゃったように、下手をしますと10年ぐらいかかってしまうので、教育委員会が、もともと行っていた生まれた子供が学校に上がるまで、5年、6年の推計ではなくて、10年、20年の推計が必要だというところと連動してまいります。こういう体系も見えてきた状況でございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。今日御出席いただいている丹間委員や加藤委員、私も研究者の立場から複数の自治体の統廃合のこうしたプロセスに関わっている肌感として、10年ぐらいかかるというのは確かにそうだなというのがあります。かつ、①、②ももちろんなんですけど、③の段階ですと、すごく教育委員会さんの事務局の腕力というか、事務能力が量的にも質的にもすごく問われるところがあって、なかなか人員不足だとできないというあたりもあるかなという感覚があるんですけど、この辺り、何か御意見ありますでしょうか。
【望月代表取締役】 それで、先ほどの3番のところで御説明をさせていただきましたが、連携のところ、スライドで参りますと21ページでございます。そうしますと、様々な課題と書いてございますが、ここのところで上から2番目、ブルーの帯を入れておりますが、再編検討を市区町村の教育委員会だけでは十分行うことができないということになります。首長部局との連携、ないしは都道府県の方々にもサポートしていただきたいという意見は出てきております。
【貞広座長】 お答えいただきまして、ありがとうございました。であるにもかかわらず、現状ではなかなか連携が進んでいないという問題提起もいただいたというところでございます。ありがとうございます。
私ばかりが質問してしまって申し訳ありません。ほかの方いかがでしょうか。よろしいですか。
では、全体を通じまして、御質問だけではなく御意見も承りたいと思いますが、いかがでしょうか。丹間委員、どうぞ。
【丹間委員】 まず、前半の通学のところで、トーマツさんの御報告ありがとうございました。通学手段の確保というのは、まちづくりの全体、特に地域交通の確保に関わっているんだということが大変よく分かりました。あとは、スクールバスへの期待が高まっているということも御報告いただいたと思います。
他方で、私も地域と関わる中で、期待だけではなく安全面に対する不安ということを、地域によっては声として聞いたことがございます。それで、これはお尋ねしたいというか、論点になってくるのは、今、通学手段、特にバスを提供する際の手段が多様化していて、さらに今回の御報告では提供主体も多様化していると。つまり運送事業者さんにお願いして、事業者としては、営業として第二種免許で運行しているようなスクールバスもあれば、他方で車両を自治体が準備して運転手を雇用している例もあれば、あと今回、私も驚いたんですけれども、個人委託で運行しているところもあると。そうなってくると、スクールバスの安全の質保証といったときに、その質が自治体によってかなり異なってくるという状況になるのではないか、そこに大きな懸念を持っております。
実際、距離としては、これも驚いたんですけど、4キロ、6キロというような基準を下回る距離でも運行しているところも多いということで、距離は短いんですけれども、短くてもそこで何か事故があってはいけませんので、免許や研修の問題があります。経験者の採用等、各自治体で工夫や努力もされているとは思うんですけれども、スクールバスの安全性の保証をどうするのかという点が一つあると、前半の報告について思いました。
後半のファインコラボレート研究所さんの動向については、私としては合意形成のプロセスということで非常に関心を持って聞かせていただきました。なかなか一つのモデルで示すというのは難しいかなとは思うんですけれども、このようにビジュアルにまとめていただいたことで、分かりやすく整理された面もあると思いました。そういう中で、住民との合意形成ないしは行政への合意形成ということはもちろんなんですけど、住民と行政でそれぞれ歩み寄って一つの合意をつくり上げていくという考え方に立つと、それぞれの地域で自治の成熟というか、その度合いが非常に違うのかなと思っていて、その辺りを教育委員会の担当者がどこまで把握して合意形成の進め方を考えているのかなということが重要になると思いました。
それで、先ほどページで言うと21ページのスライドのところで、様々な課題について首長部局との連携も必要だということが書かれていまして、合意形成が取りづらいとか、それから学校のことは教育委員会、他方でまちづくりとの連動という課題が書かれていたんですけれども、これはフォーマルな連携だけではなくて、インフォーマルな情報共有ということも含めて、それぞれの自治体、さらにその中の地区でどのように自治がこれまで歴史的に積み重ねられてきているのかということを踏まえて、合意形成のプロセスであるとかシステムを考えていかないと、失敗して地域にしこりを残して終わったとか、教育行政、教育委員会への不信感や不安を大きくして、それでも統合を進めていくというようなことになっている地域もありますので、ぜひそこのところは丁寧にやっていく必要があるんだなという感想を持ちました。
【貞広座長】 ありがとうございます。丹間委員、1つ目のことについてはお答え、応答があったほうがいいですよね。
【丹間委員】 もしありましたら。
【貞広座長】 トーマツ様、お願いいたします。
【齊藤マネージャー】 ありがとうございます。安全の質保証は論点じゃないかというところは、我々も調査をしていて同意見でございます。
先ほど、最後のまとめのところにも書かせていただきましたけれども、先生おっしゃるとおり、今後より各地域の資源を生かして、担い手も多様化してきますし、先ほどの契約形態もそうですし、どういう手段を使うかというのがより多様になってくると思いますので、そういった中で、先生おっしゃるような安全の質の保証もそうですし、先ほども書きましたけれども、事故が起きないのが一番ですけれども、起きてしまうということも一定程度想定した上で、その辺りの責任の所在をどうするのかというところでしたり、あとは個人委託でしたりとか、スクールバスを一本化していたりする中でも、かなり路線を多く、30本とか走らせている自治体も多くございますので、そうするとかなりの事務負担というのも発生をしている状況です。複数の手段も組み合わせて今後運営をしていくとなりますと、その辺りの個人負担というのも今後より論点になってくるのではないかなと思っておりますので、例えばそこの集約をしていくですとか、そういった形というのも今後検討し得るところかなとは思っております。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。ほかにお一方ぐらい、御質問を受けられる時間がございますけれども、猿田委員、どうぞ。
【猿田委員】 前半のトーマツさんの関係で聞きたいことは、アンケート調査のところで、恐らく紙には載っていないんでしょうけど、アンケートですので、バスの運営主体とかそういったものも、委託だとかそういったものも恐らく調査されているんですよね。多分その中で、資料の中にありましたけど、学校の事務の部分で統合してやったりしているところもあるんですよね。スクールバスというか、登下校の責任の主体とかというのも結構自治体間で違っていて、実は自治体の担当者でスクールバスの話をすると、話がほとんどかみ合わないんですよ。うちは委託だからこうだとか、うちは市営のバスだからこうだという感じで、なので、その辺のパターン分類というのが分かると、より何か見えてくるものが、使う側としては分かりやすい内容になるんじゃないかなという気がしました。先ほどの個人委託の件も含めて、すごくいろんな事例が全国にあるんだなということを改めて教えていただきました。
それと、後半のファインコラボレートさんのほうで思ったこと、これは感想なんですけども、11ページなんですけども、手引の内容が近年よく見られる方針の構成例というところで、市が目指す学校のイメージが入っているというのがすごく印象的だなと思っています。新しい教育委員会制度とか首長部局との連携が深まった結果、こういったものが出ているんだろうなという感じはしますけど、一方で、7ページのGの部分なんですけど、行政主導ではなく地元主導で進めるというパターンも体系化されるということで、すごくいろいろなパターンの学校に対する考え方があるんだなというのが、こちらもまた改めて感じさせていただきました。
合意形成の方法は、すごく私も参考になるなと思って見ていました。行政機関で働く身としては、学校改築に限らず、住民との合意形成というのは常々思うところがあります。先ほど10年かかると言いましたけど、これに改築とか新築とかという話になると、もっともっとかかってしまうんだろうなというのも思いますし、私たちも学校改築でこういった取組をしたんですけども、4年の間で参加する保護者が変わっていくという、10年とか15年となると、もっともっと変わっていくんだろうなというのを想像しながら、その辺をどうやってケアして合意形成を続けていくのかというのはすごく大事だなと思ってお話を伺っておりました。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。フェーズを順調に進めていって10年ということですからね。1つ目の件は、恐らく最終報告書に向けたリクエストのような御意見だったかと思います。何か応答ありますでしょうか。
【齊藤マネージャー】 現時点でそこまできれいに整理をしているかというと今後の検討になるかなと思いますけれども、いただいた御意見を踏まえて、文科省様とも相談をさせていただき、その辺りの整理は試みたいと思います。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
それでは、本日いただきました調査研究の中間報告についての御質問は以上とさせていただきます。
それでは、続きまして、議題の2に入ります。議題2は、京都府相楽東部広域連合からの御発表になります。本日は京都府相楽東部広域連合の教育委員会の御担当者様にオンラインにて出席をいただいています。発表に先立ちまして、事務局から本日御発表いただく趣旨や、特に委員の皆様に議論を行っていただきたい論点につきまして、簡単に御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 事務局、草野でございます。本日御発表いただきます京都府相楽東部広域連合の教育委員会は、地方自治法に基づく広域連携の制度で、京都府相楽郡の2町1村で構成をされました広域連合の教育委員会となります。広域連合として教育委員会を設置しまして、学校の設置管理をしている事例といいますのは、今回御発表いただきます相楽東部だけと認識しておりますが、先ほども御覧をいただきました、参考資料の2のところを今、映し出しておりますが、こちらはこれまでの議論の整理の2枚目、真ん中の一番下のところの赤線として、都道府県との連携や市町村間の連携等による学校支援と示しておりますとおり、1小学校1中学校の自治体が存在している中で、自治体間の連携の事例というところを踏まえて、本日、また御意見をいただきたいと思っております。
以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。それでは、早速でございますが、京都府相楽東部広域連合からの御発表に移ります。御発表の後に質疑応答で御議論いただく時間を設けたいと思います。本日は広域連合の教育委員会の竹谷様と松田様が御参加くださっています。御説明をお願いいたします。
【松田課長代理】 皆さん、こんにちは。京都府にあります相楽東部広域連合教育委員会、学校教育課の松田でございます。本日はこのような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、資料に従いまして、早速、御紹介のほうをさせていただけたらと思います。まず初めに、相楽東部広域連合は、京都府南部の中山間部に位置し、笠置町、和束町、南山城村から構成されております。人口減少が進んでおります。子供が年々少なくなっている中ではありますが、学校や教育施策に関して一定の理解を得ているところでございます。本教育委員会が所管します学校は小学校、中学校合わせまして、5校です。それぞれ単学級の小規模校になります。特徴的なのは、後ほどまた御説明させていただきますが、笠置中学校には、笠置町南山城村に在住する児童生徒が通っています。広域連合を構成するまで、昭和30年から中学校組合として形成されておりました経過がございます。
次のページをお願いします。次に、各町村の御紹介をさせていただきます。まず、笠置町は、京都府内で最も少ない人口ではありますが、周りを山で囲まれ、中心部を一級河川の木津川が流れております。ボルダリングの聖地やカヌーの発祥の地とも呼ばれ、自然豊かで四季折々の様子をうかがうことができます。最近では鍋フェスタを毎年開催し、多くの観光客が訪れております。
次のページをお願いします。次に、和束町です。和束町は茶どころとして、特に宇治茶の主産地として有名であり、町内には山間部を中心に茶畑が広がっております。人口は相楽東部広域連合内では最も多く、最近ではワールドマスターズのマウンテンバイクの競技会場にもなっており、注目されているところでございます。
次のページをお願いします。最後に、南山城村は京都府唯一の村の自治体あり、近隣には滋賀県、三重県、奈良県にまたがる位置にあります。和束町と同じく、茶産業を主要産業としており、歴史文化的な行事が今もなお大切に受け継がれている一方で、移住者の姿もあり、最近ではそんな行事への観光とともに、道の駅を利用する方々が増え続けております。
次のページお願いします。それでは、相楽東部広域連合の概要について御説明させていただきます。相楽東部広域連合が設立されました経過については、平成17年から進められてきました、いわゆる平成の大合併から始まります。地方分権の進展に伴い、市町村の役割が増大する一方で、行政サービスを安定的に供給するために経費削減に努めてまいりましたが、依然として財政が課題として上がっておりました。そこで、平成7年に地方自治法改正で導入されました地方広域連合に着目し、行政事業を共同化する広域連合連携を目指しました。
次のスライドは、この形態について表したものになります。まず、平成17年6月に東部3町村と府で業務連携の検討を行いました。その後、同年7月に7つのワーキングを設置し、部門ごとに検討いたしました。その結果、教育部門、環境部門、塵芥処理について、広域連携を生み出すことに至りました。
次のページをお願いします。その結果、広域連合に係る協議を京都府で行い、平成18年4月に、広域連合、業務連携協議会を発足いたしました。その後、京都府より相楽東部広域連合の設立の許可を得まして、平成21年4月に相楽東部広域連合教育委員会が発足いたしました。
次のページをお願いいたします。発足した後、本教育委員会に大きく影響を与えたことが2つあります。1つ目は社会教育について、既に連携している事業が多くあったことと、2つ目は、昭和30年、1955年より、笠置中学校において、既に一部事務組合を設立されていたことが要因であったようです。
次のスライドお願いします。次に、御紹介するのは、相楽東部広域連合の構成についてでございます。まず、画面右側を御覧ください。既に述べておりますように、相楽東部には3町村があります。そして、相楽東部広域連合長は、それぞれの首長の1人が就任し、ほかの首長は副連合長として、広域連合を支える構造になります。広域連合長の任期は2年であり、改選時期ごとに首長による選挙で次期広域連合長が就任しております。そして、広域連合長をトップといたしまして、総務課及び環境課を配置し、事務局長が行政事務をつかさどります。また、事務局長は広域連合議会の事務局も兼ねております。一方、教育委員会の構成については、画面左側を御覧ください。教育委員会をはじめとして、教育長が学校教育課、生涯学習課をつかさどります。それぞれの構成職員については、御覧のとおりです。教育委員会が3町村それぞれで構成しているよりも、教育長が3人から1人、教育委員が3分の1に、そして、事務局員が13人から9人に削減されたことにより、当時の予算からは約4,900万円の削減につながったと聞いております。
次のページお願いします。続いて、財政面の構造について御紹介させていただきます。御覧のように、基本的には各町村から本教育委員会へ予算計上されております。その計上され方は大きく3つになります。まずは、必要な予算を均等割りしていることです。緑色で示したものです。こちらについては、主に職員の給与や本教育委員会の全体の準備がこれに当たります。
次に、市町村の人口によって配分される人口割です。青色で示しているものです。こちらについては、主に3町村合同事業に関わる費用がこれに当たります。
最後に、町村独自の分担金については、具体的な例を申しますと、笠置町から直接、笠置小学校校舎の修繕に係る費用、これが分担金に当たるものになります。赤色で示しているものです。
最後に、広域連合を設置したことによる利点と課題について御紹介します。まずは財政面の利点です。次のページをお願いします。相楽東部にとっては、教育管理費用に関して、町単独で計上できないような巨額な施策が可能になるということが大きな利点です。一方で、町村にとっては教育への支出金が抑えられることから、ほかの首長部門に多く充てられることです。
続いて、施策面の利点です。こちらについては、主に3点挙げさせていただきました。1つは、一般的な自治体と違い、他の首長部局に影響されずに教育に関する独自の施策を進められることです。2つ目は、ほんの一例ですが、教育振興費、あるいはいわゆる行事であったり、教材備品等に係る共通の事務、契約等、こちらについて一手に進められるということが2つ目の大きな利点です。3点目が、合併に伴い、学校教育、社会教育ともに、規模拡大に伴い、各種事業に関わる予定を取りまとめることができ、施設等の利用に関して、重なりが生じにくくなるといった点でございます。
続いて、課題です。一般的な自治体にも言えることですけれども、自治体の首長の意向が施策、財政面ともに大きく影響します。相楽東部広域連合については、3町村またがりますので、各首長の意向を踏まえて施策を進めることになることから、3者3様の場合はなかなか困難になるということです。また、最終決裁者の首長が3町村にまたがることで、契約事務に関して、決裁が一般的な自治体と比べ、時間を要することです。通常、決裁事務については1か月ほどの余裕を持って事務手続をしております。3つ目の課題ですけれども、課長や事務職員が各町村から3年を原則として派遣されていることです。人事異動により、各町村の役所に戻ることになりますので、後任者にとって、職場の近くに前任者がいない場合が起こり得ます。よって、組織として業務が安定的に継続されていくことに不安が残るという点です。
最後に、課題とまでは言いませんが、今後、懸念されることを御紹介させていただきます。1つ目は財政面に関してでございます。先ほどの各町村からの派遣の課題を打開するために、令和6年より相楽東部広域連合の職員として3年間に限り採用しているところであります。3年間のうちに各町村から派遣されている職員を5人から2人にする計画でございます。教育委員会の事務分担には、教育に関して専門性の高い分担内容もあります。よく言えば、専従職員を確保することにつながりますが、まだまだ道半ばですので、これまでどおり、組織として維持できるか見守る必要がございます。
2つ目は、施策面に関してでございます。こちらについては、文化的事業の合同開催が挙げられます。規模拡大により事業が拡声する一方で、合併前から、町村によって独自に営まれていた土台や仕組みがあることや、異動が広範囲にあること等の理由により、実施には消極的であるということでございます。
以上、お聞き苦しい点もあったかもしれませんが、相楽東部広域連合からの発表とさせていただきます。ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございました。では、ただいまの御発表につきまして、御質問、御意見を承ります。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。では、牧野委員、どうぞ。
【牧野委員】 ありがとうございました。笠置町さんには去年、私のゼミのゼミ生が過疎調査で入りまして、大変お世話になりました。ありがとうございました。
それで、幾つか質問があります。そもそも論になるんですけれども、私は今、大学の教授ですが、その前は長野県飯田市長で、飯田市長は南信州広域連合の連合長を兼ねるということで、広域連合の運営については16年ずっとやってきて、それなりの知見はあると思っています。広域連合の設立の経過で、まず、お聞きしたいんですけれど、これは普通だと逆じゃないかと思うところなんです。国の政策としては、広域連合をまず先にできるように制度をつくったのですが、それがなかなかうまくいかない地域が多かったので、それではしようがないから平成の大合併に踏み切ったという、そういう流れが全国的にあったかと。普通はそういうことで、我々もそういう中で、広域連合でうまくやっていこうと思っていたら、合併だぞと言い出して、いきなり今度は一緒になれという話になった。そういう経緯だったというように記憶しているんですけれど、皆さん方の場合はそれが逆になるわけですよね。そもそも、大合併のときになぜ合併しなかったというところがあると思うんですけど、そこについて、まず教えてもらっていいですか。
【貞広座長】 お答えになれる範囲でお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【松田課長代理】 私も4月から教育委員会に採用になりまして、まだ分からない部分もたくさんあるんですけれども、私の知る限りというただし書があるんですけれども、おっしゃるように、確かに平成の大合併で、いわゆる京都府南部の相楽地域というか、エリアでも合併がございました。相楽東部の隣にあります木津川市という市も、平成の大合併によって、3つの町村が一つの市をつくるということになりました。もう少し掘り下げますと、また、さらに隣にも町がございまして、いわゆる7町村を一つに、平成の大合併でしようとしたんですけれども、諸事情ございまして、今申し上げたように3町村が一つの市をつくって、残る町村は現状維持になったという経過がございます。その中で、合併できなかったので、市が財政面に関して立ち行かないというのが明らかになっておりましたので、何とか広域連合のほうでという経過があったようでございます。
【牧野委員】 ありがとうございます。それで、続けてなんですが、広域連合の構成について、広域連合長のお話がありました。恐らく3町村長で、広域連合長と副連合長の任にあたるということだと思うんですが、広域連合長は2年ごとに3町村で交代していくという感じなんですか。それとも、3町村の中で、そのたびに話し合って決めるという感じなんですか。
【松田課長代理】 こちらについては、一応2年ごとに交代になるんですが、あくまで選挙ということになっておりますので、必ずしも順番に輪番制で回っているわけではないと聞いております。
【牧野委員】 広域連合長が選挙で決まるのは私もよく分かっているところですが、必ずしもそのまま順番に交代しているわけではないということですね。
【松田課長代理】 ないということです。一応選挙で。
【牧野委員】 ありがとうございます。もう一つ、その左の教育長の選任の話なんですけれど、こういった場合、教育長はどのように選任されるんですか。
【松田課長代理】 3年1回。
【牧野委員】 それはそうだと思うんですけど。
【松田課長代理】 選任するのは連合長になります。
【牧野委員】 連合長から指名……。
【松田課長代理】 指名というか、議会に諮られて。
【牧野委員】 指名で議会に諮ってですね。恐らくそれは3町村長が話し合って決めていると考えてよろしいですかね。
【松田課長代理】 そうですね。そのようになります。
【牧野委員】 ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。ほかの委員の方々いかがでしょうか。よろしいですか。
実は、私、10年ほど前にヒアリングでお世話になっておりまして、その節は大変お世話になりました。その上で、私からも2点御質問を申し上げたいんですけれども、先ほどファインコラボレート研究所様のところから、都道府県との連携がいまいち進んでいないというお話があった経緯を受けての御質問が1つ目です。
スライドの、設立までの経緯についてのところで、京都府との協議という記載があるんですけれども、広域連合を作るには手続上のハードルももろもろあろうかと思います。協議といいながらサポートしてくださったのか、それともあくまでも協議であったのかというところが1つです。平たく言うと、京都府さんの上位政府から御支援があったのかどうかということを伺いたいということが1点と、先ほど牧野委員がおっしゃっていた構成についてのところですけれども、今、指導主事の方がお二人ということなんですが、これはもともとそれぞれの自治体さんで持っている指導主事の合計の数と比べるとどうなのかということです。それぞれの町に指導主事さんがそもそもいらしたのかということも含めて伺いたいのですが、よろしいでしょうか。
以上、2点でございます。
【松田課長代理】 ありがとうございます。まず、1点目の京都府との協議に関わってという御質問ですけれども、こちらについてはサポートをしていただけるように協議というものの中でしてきたと聞いております。
2つ目の指導主事の配置人数に関してですけれども、こちらについては、しっかりとした資料がなかったんですけれども、各町村で1人はいたのかなとは思うんですけれども、3町村合わせまして、指導主事を2人。実は私も今、立場としては指導主事の立場と、あと学校教育課の課長代理という立場を兼ねておりまして、実際には指導主事というものが3人いるというような構成になっております。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。お三方いらっしゃると、小学校籍、中学校籍、そしてプラスというように、かなり指導主事の体制も整ってくるということですよね。一つの自治体でお一人ですと、全部それをやらなきゃいけないということになるので、恐らく頭数以上に機能強化ということなのかなと伺いました。どうもありがとうございます。
他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、全体討議の中でまた御意見をいただければと思います。ありがとうございました。
何よりも今日、お仕事でお忙しい中、御発表いただきました相楽東部広域連合の二方に心よりお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
【松田課長代理】 ありがとうございました。
【貞広座長】 では、続きまして、最後の議題3に入ります。議題3はその他と記載されていますけれども、配付資料4の調査協力者会議議論のまとめ骨子(案)についての意見交換になります。最初に、事務局から趣旨や特に委員の皆様から御意見を頂戴したい論点につきまして、御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 事務局、草野でございます。本会議は本日7回目ということで、多くのお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。第1回の会議資料でもお示ししておりますとおり、本会議の設置の期間は本年度末までということでございまして、今後、議論のまとめを念頭に、次回以降、素案ですとか報告案といった段階に進む準備をさせていただきたいと思っております。その前段階としまして、これまでの御議論やヒアリングの内容を基に項目を並べたものになりますけれども、骨子(案)という形で御用意をしてございます。
参考資料2の「これまでの議論の整理」として途中段階での議論の整理も紙にしておりますので、事項ベースのほうを骨子(案)にしますと、多くの記載ぶりはこれを踏まえたものになっておりますけれども、少し御説明を申し上げます。資料を御覧いただければと思います。映し出しているものでございます。
大項目としては、4つになります。1ポツが議論の背景と前提、2ポが議論のまとめの位置づけと基本的考え方、3ポツが平成27年手引き改訂の方向性、4ポツがその他文部科学省において取り組むべき事項ということで4つでございます。
1ポツの議論の背景と前提につきましては、本会議の設置紙でも言及してございますけれども、本会議の御意見の本体に入る前の現状や前提について整理して記載をするものでございます。
続きまして、2ポツでございますが、議論のまとめの位置づけと基本的考え方は、これまでの議論でも御意見をいただいてございますとおり、平成27年の手引きの基本的な考え方は引き続き大切であるものの、平成27年手引きの後の状況の変化を踏まえた上で考え方を深めたり、観点を追加したりということが必要になるなど、基本的な考え方を記載していくものございます。
3ポツの平成27年手引き改訂の方向性は、まさしくこれまで御意見をいただいている内容を記載する本体部分になろうかと思っておりますが、(1)適正規模・適正配置検討の際に考慮すべき事項として、「①基本的な考え方」とそれに附属するその他の観点。具体的に、「②その他の踏まえるべき観点」の1つ目のポツの「検討のロードマップ」については、この会議でも強く御意見をいただいております、結果を先送りしない時間軸を意識すべきというところも記載していこうと思ってございます。それから、児童生徒への配慮や通学など、「③統合の場合に考慮すべき事項」、それから、「④小規模校存続の場合に考慮すべき事項」として項目を立ててございます。
「(2)その他」として、「都道府県教育委員会による市区町村教育委員会への支援」、「地方公共団体間の連携」、「学校間の連携」、「学校規模に応じた学校マネジメントの在り方」、「休校判断時の考慮事項」、「過大規模校についての考慮事項」を記載しまして、最後に、4ポツとして、「その他文部科学省において取り組むべき事項」としております。
参考資料2の内容や、これまでの御意見を含めまして素案をまた準備してまいりたいと思ってございますが、その前に、素案の準備に向けて御意見をいただければと思ってございます。
以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。では、ただいま御説明いただきました議論のまとめ、骨子(案)につきまして、委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいと思います。オンラインの方も含めまして、Zoomの挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。合わせまして、私がお願いをして、今の手引きを参考資料3として、目次だけつけていただいていますので、そちらも御覧いただきながら御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。委員の皆様ももちろんなんですけれども、今日調査の報告をいただいた2社の方々も、調査研究をしてくださっている観点から、こういうことを少し厚みを持って書き込んだほうがいいんじゃないかというような御意見があれば、ぜひお聞かせいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
丹間委員、どうぞ。
【丹間委員】 骨子案の細かい表現については、今後詰めていくことになると思います。「その他」という言葉が少し気になりまして、ここは、例えば3の(1)の②も、「その他」という付随的なものというよりは、それぞれが基本的な考え方の上に立って踏まえていくべき、かなり重要な観点になってくるかと思います。それから、同じく3の(2)の「その他」に関しても、何か支援とか連携とか考慮事項を表すような具体的な言葉にしていく必要がありますし、同じく4番についても、これは「その他」とありますけど、国として取り組むべき事項にしていくと。
表現については、まず、そういったことを今後詰めていくというのもあるんですけれども、私が特に気になっていることは、参考資料3で2015年1月の手引の目次もお示しいただきました。現行の手引というのは、私の理解ですと両論併記になっていて、前半のところで適正規模・適正配置を進めていくということで、学校統合という言葉も使いながら書かれているのに対して、後半が小規模校の存続や休校再開ということも記されているというように理解しておりました。実際に、これももしファインコラボレート研究所さんの調査などでも分かっていれば知りたいのですが、手引の影響は非常に大きくて、例えば住民に対する説明会の際にも、文科省の手引ではこういうことが言われているというように度々引用されていると理解しています。そのときの引用のされ方が、例えば手引の前半部分だけを引用している例なども多いのかなと思ったときに、もちろん我々は、教育委員会に向けての手引としてつくっていくんですけど、最終的には住民や保護者の方に対しても教育委員会から示されていくものだというようなことも踏まえて書いていく必要があるかなと。単に両論併記というよりは、私は合意形成のところに一番関心を持っているわけですけれども、現行の手引は学校設置者が主体的に判断して、決定して進めていくんだということも書かれているんですけど、地域の方々や保護者の方々もその選択のプロセスに参加していく、その選択肢というのも、あらかじめあるものを選んでいくというだけではなくて、統合か存続かという二項対立というか、二者択一ではなくて、それを止揚していくような、アウフヘーベンしていくような、そういう選択もあり得るわけなので、ぜひそういう自治体や地域の創発性、創造性を生かしていけるような、そういう手引にする必要もあると考えているところです
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。手引きの実際の示され方について、もし情報があれば、ファインコラボレート研究所様に御示唆をいただければと思うんですが、合意形成の在り方が非常に重要で、ここに主体性が必要だということで、今、3ポツ(1)②の最後のポツになっていますけど、これは特出しして、しっかり書いていただいたほうがいいですかね。
【丹間委員】 可能であれば、ぜひそのほうが、新しい手引きの重要な観点として示せると思います。
【貞広座長】 ここに難しさもあり、また自治の成熟という意味での読みもありというところですので、御検討いただければと思います。
ファインコラボレート研究所様、どのように住民に向けて手引きの内容が示されているか、もし情報をお持ちでしたらば御教授ください。
【望月代表取締役】 少しお答えさせていただきます。私どものほうは、11ページで簡単に書かせていただきましたが、適正規模・適正配置の答申というのが一番最初になります。
そうしますと、スライドでまいりますと、9ページ、10ページのところで、まず、最初に適正規模・適正配置の方針を立てていくというところになりますが、既にこの段階で検討委員会というのを開くわけですが、メンバー構成というところでまいりますと、保護者の方、それから公募市民の方、それから地域の代表の方、様々な方がお入りになられます。ですから、単純に学校に関係する方々だけじゃなくて、地域の方も入ってまいりますので、前提として、現在どういう状況になっているのかというところを非常に多面的に整理していかなければいけないということになります。
ですから、児童生徒数の変化、ないしは地域の状況、財政的な問題、それからコミュニティーの在り方がどうなっているかとか、そういうところを含めて、あと、最近ですと学校施設、ないしは学校運営がどうなっているのかということで、特に不登校の問題ですとか、特別支援の問題ですとか、それぞれの教育委員会が特に出さなければいけないことを示しています。こういうところを現在、ないしは10年後、20年後の実態課題で示しながら論点を明らかにしていく。そのときに、ここに書いてありますように、教育ビジョンに基づいて、これからの学校像というのをより具体的にしていくことで、基本方針にしていくというような対応をしておりますが、できましたら、今日、その資料は全部用意しておりませんので、かなりいろいろまとめているところがありますので、もう1回、そこはぜひ見ていただいてもよろしいかと思います。実態がどうなっているのかということを中心に御説明させていただければと思います。
【貞広座長】 ありがとうございます。よろしいですか。では、牧野委員、どうぞ。
【牧野委員】 平成27年の手引きから10年たって、今、ファインコラボレートさんから話があったように、その間どういう実績を出してきたかということは、これはきちんと検証して振り返ってということを、ここの議論の背景、それから、ここの経過に至るまでのどこかに書くのか、PDCA的に言えば、Cの部分はどこかにほしいなというのが正直なところです。27年手引から10年でどうだったのかと。
その上で、今回の改定は、それをベースにして、こういう考え方を出していくんだというところは、私はいるんじゃないかなという気がするんです。いろいろ課題はあるという中で、今日も話に出ていたように、10年なり15年なりの長期にわたるんだというような話も含めて、そういうものを捉えてどうするのか、あるいは、私が気になったのは、供用開始後の検証ができていないという、まさにチェックができていないというところがすごく気になっていたんですけど、そういうところをどう捉えるかとか、いろいろこれまでやってきた取組を総括した上で、こういう考え方で、手引の改訂を行っていますというのがスタンダードなまとめ方じゃないかなと思うんですけれど、いかがですか。
【貞広座長】 そうですね、検証をしてということなんですけど、とはいえ、10年しかたっていないとなると、これからが効果検証のフェーズかもしれないんですけれども、現行、現時点では踏まえていただいてということになるかと思います。ありがとうございます。
ほかの委員の方々いかがでしょうか。猿田委員、どうぞ。
【猿田委員】 会議の最初の1回目、2回目のほうで、この手引きに関しては、10年前の手引きの論点って結構今でも生きているなというのは率直に思いますという話をした記憶があります。10年という期間で検証が可能かどうかというのは確かに難しいところがあるし、あと、10年前と今では人口の推移なんかも地域によって大分違う、見込みが違ってしまっているところもあるので、なかなか難しい面はあるのかなと思っています。手引全体に関しては、今日の広域連合の話もそうなんですけど、前回の長野県と山形県と鹿児島県の小規模校の皆さんの取組が、すごくみんな自信満々で自己肯定感が高い感じを受けたんです。そのことをすごく印象に受けていて、逆に規模が適正な学校って自信満々にこういう取組を発表できるのかなというのは疑問に思ったところはあるんです。
手引きとして適正な規模ですというのは正しいんでしょうけども、小規模校の取組の中で、特に地方の小規模な自治体がどう自己肯定感を高く、住民サービスとして教育を考えているかというのはすごく大事な論点だと思いますので、ぜひたくさん取り上げていただければなと思っています。
以上です。
【貞広座長】 また事例集のような形で、具体的に取り上げていただくに加えて、3ポツ(1)の④の小規模校存続の場合に考慮すべき事項というか、存続するときには、こういう未来志向で存続させる、いろいろなやり方があるみたいな、そういう書きぶりにしていただくようなイメージでしょうか。
【猿田委員】 そうですね。どうしてもこの手の話って、書いてしまうと小規模校が悪いみたいな捉え方があるじゃないですか。地方創生とかもそうなんですけど、どうしても地方が弱くなっているという言葉として、そのように捉えてしまう場合もあるので、その辺は少し配慮していただければなと思います。
【貞広座長】 ありがとうございます。今日、ファインコラボレート研究所様の報告でも人口規模が一定以下で、かつ広域ですと、どうしても小規模にならざるを得ないというところがありましたので、そういうところの価値剥奪をしないように、むしろそこの教育を充実させる方向性もあるんだということもしっかり書いていただきたいと、これは両論併記で書いていた、平成27年の手引と軌を一にするところかもしれません。ありがとうございます。
牧野委員、どうぞ。
【牧野委員】 私がチェックと言ったのは、別に適正規模にしなきゃいかんとかそういう話じゃないんです。小規模も含めてうまくやっているところはうまくやっているんだということをちゃんと検証していけばいいのであって、両論併記という言い方になるのかどうか分からないんですけれど、それこそ各地域の事情に合った形での学校の在り方を追求するんだということで私はいいと思うんです。考え方として。
ただ、ちゃんとチェックしなきゃいかんということで、10年が短いか長いかという話をされますが、私は長いなと正直思うんです。というのは、やっている職員も変わってしまうんですね。猿田さんもそうですけど、今は教育委員会から離れてしまっているように、どんどん変わっていっちゃうわけですよね。そういう中で、どういう形で継続性を持たせて、こういう取組を続けていくかということはすごく大事な話だと思うので、そういったことがちゃんとできるような、そういう方向性というのは出していく必要があるんじゃないかなと思います。
【貞広座長】 ありがとうございます。ほかに御意見ありますでしょうか。大学教員の習い性で御指名申し上げて大変恐縮でございますが、オンラインで御参加の加藤委員、いかがでしょうか。
【加藤委員】 すみません、ここまで発言がなく。今日情報が多過ぎたので、どこを論点に考えたらいいのかなというのが分からなくなって。
【貞広座長】 それは我々も一緒ですけど、本当にたくさんインプットされた状態で、まだそしゃくできていない感じがあります。
【加藤委員】 ただ、私自身も統廃合の座長を、委員長を幾つかやってきた経験からいうと、手引きでもって統廃合に踏み切るみたいなところの判断してもらえるような中身として、はっきり書かれてもらわないと、今度は逆に何を手がかりにしたらいいのかというようにもなりかねないという心配というか、27年の手引きのでも、よくよく読むと、かなり学校が存続できる話が書いてあるんですけど、そこに固執というか、そこに重きを置いてしまうと、じゃあ統廃合しなくていいんですかみたいな話になっちゃって、話が委員会を設立する前の話に戻りかねないようなことを経験したことがありますけど、そういう意味では新しい時代というか、これからの時代の学校の理想のようなところでもって、こういう学校の維持のために統廃合するべきだというようなところははっきり書いてあったほうがいいんじゃないかなとは思います。
ただ一方で、地域の事情もあるので、小規模校存続の場合の質の向上みたいなところに、ある一定レベルのこういう教育、質保証ができているのかどうかというチェックリストじゃないですけど、もう少しそういうものを求めていいんじゃないかなと思うんですよね。小規模校を存続できる、恐らく日本全国の小規模校、ずらっと並べたら本当に多種多様に存続されているような気がするんですけど、果たしてそれでいいのかみたいな。この前、鹿児島の報告を受けたときに、オンラインをかなり活用しているようなところもあったりとか、あそこの小規模は存続しているけどこういうことしかやっていなくて、こっちはすごくやっているじゃないかみたいな感じにならないような書き方の工夫のようなものを、私は今日の話を聞いて、イメージしています。
一つ、相楽広域連合さんのところの質問をさせていただいていいですか。
【貞広座長】 もちろんです。どうぞ。
【加藤委員】 南山城村の小学校のホームページの写真を見て、学校がすごくすてきな建物だったんです。今後、連合
の中で、例えば小学校の建て替えとかになった場合には、連合の中で、新しく学校を建てるとか、学校の建て替えみたいなときの予算みたいのをこうするというのは、さっき予算の話はあったんですけど、学校を建てるとか、学校を大きく建て替えるというのはすごく予算が大きい話で、さっきの矢印のところだとうまく出ないのかなと。そういう大きな予算の考え方みたいなのが、もしお分かりでしたら教えていただければ。
【貞広座長】 突然の御指名にもかかわらず、小規模校の質保証という大変重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。私も全く同じ意見でございます。
学校の建て替えなどの大規模予算については、どのような運用の方向性をお持ちかという御質問かと思いますけれども、どなたにお答えいただけますでしょうか。松田様、よろしくお願いいたします。
【松田課長代理】 御質問にお答えさせていただきます。先ほどお示しさせていただきました予算の枠取りとは確かに規模感が違いますので、どういったことになるのかというところになるんですけれども、基本的には、具体的な質問の中で言うと、校舎の建て替えに関しては、各町村のいわゆる意向というか、そういうものが大きく作用しますので、これに関して協議する中で教育委員会も当然入ってくるわけですけれども、最初の建てる、建てないあたりについては、首長部局との連携というのが基本的なことになってくるかなと思います。
【貞広座長】 加藤委員、よろしいでしょうか。追加で御質問ありますか。
【加藤委員】 大丈夫です。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。そうなんですよね。木を生かしたとてもすてきな校舎で、私もとても印象的に覚えています。
その他、御意見、御質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。では、丹間委員、どうぞ。
【丹間委員】 先ほど加藤委員の御意見も伺って、大きな問題というのは学校の小規模化に対して受け身でいる自治体や地域であって、そこでの教育の質保証というのが大事だという点は私も全く同じ意見でおります。ただ学校を残せばいいということではなくて、その学校でどんな教育を実現していくのかということが大事だと思います。そういう意味で、前回、第6回の会議で高畠町や松本市や垂水市に御報告いただいた取組について、先ほど猿田委員から自信をもって報告されていたという御発言がありましたが、私も全く同じ感想を持ちまして、そういう小規模だけれども、そういった教育活動をしっかりと質を保証して実施できているかどうか、あるいはこれからもそれが続けられるかどうかということは改めて確認して、点検して、その上で適正規模化について判断していくということが必要になるのではないかと思いました。
いろんな条件や環境を工夫してもしきれない場合も出てくると思いますので。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。工夫してもしきれない場合は次の一手として何があるというところで、今日の広域連合というのは一つの手だてになるのかもしれませんけれども、その先も見据えてというような御意見だったかと思います。ありがとうございます。
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。事務局からどうぞ。
【草野教育制度改革室長】 事務局、草野でございます。先ほど、丹間委員からもお話のあったところで、補足で一言、恐縮でございます。
平成27年の手引で、両論併記というところで、地域の方の合意形成への参画といったところの言及をいただいたところでございます。我々も平成27年の手引きでは、自治体が主体的に当然判断をしていくんだというところは書かせていただいておりますが、判断に当たって、地域の方をどう扱うかというところに観点を置いてあのように書いているというよりは、自治体がちゃんと積極的に考えるんだよという趣旨で書いたつもりであったんですが、そのようにうまく取られていないというような御指摘なのかなと思いました。おそらくそういったところも次の改訂の中では配慮しながらやっていくべきなんだというような趣旨かなということで認識をしたところでございます。
また、牧野委員からチェックのところのお話もいただきました。振り返りのところで、どれぐらいのデータで書いていけるかというのは少し課題があるかなと思いますが、まさしく今回の教育の効果といったところで、ファインコラボレート研究所様にも調査いただいております。また、先ほど丹間委員からもお話のありました、小規模のままですとか、教育の質みたいなところは、人口動態も含めてどういった教育を目指していくのかというような、今日の報告の中にも重点的に書いていただいたところをしっかり考えていく、積極的に自分事としてやる、できなかったら県もやる、フォローする、支援していくんだというところが重要な点かなというように、事務局として今、お伺いしたところでございますので、そういった点も含めて、うまく次の資料の準備に進ませていただければと思ってございます。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。ぜひ今のことも含めて委員の皆様にいただいた御意見の内容を踏まえまして、事務局にて素案を次回準備していただきたいと思います。
それでは、少し早いですけれども、本日はここまでとさせていただきたいと思います。御報告いただきました、有限責任監査法人トーマツ様、株式会社ファインコラボレート研究所様、京都府相楽東部広域連合様、大変貴重な御報告をいただきまして、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。
最後に、次回の予定について事務局よりお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 事務局でございます。次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をさせていただきたいと思ってございます。
以上でございます。
【貞広座長】 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしました。これにて閉会いたします。ありがとうございました。
03-5253-4111 (代表)
メールアドレス:syokyo@mext.go.jp