令和7年9月29日(月曜日)14時00分~16時00分
文部科学省 ※対面・WEB会議の併用(傍聴はYouTube Live上のみ)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)
【貞広座長】 定刻となりましたので、ただいまより第6回「令和の日本型学校教育」を推進する学校の適正規模・適正配置の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
本日も御多忙の中、出席いただきまして誠にありがとうございます。自治体の方々におかれましては、とりわけ恐らく議会中だと思われます。そうした忙しい中御出席をいただきましてありがとうございます。
それでは、本日の会議開催方式と資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 担当室長、草野でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本会議は、ウェブと対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催をさせていただきます。報道関係の方と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきお願いいたします。
会議を円滑に行う観点から、大変恐縮ではございますが、御出席者の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、委員の皆様は、御発言時以外も含めて、会議中はオンにしていただきますようお願いします。
次に、資料の確認でございます。本日の資料は、議事次第にあるとおりでございますが、参考資料として、公立小中学校の適正規模・適正配置に関する文部科学省の取組についてというものを御用意してございます。令和8年度の概算要求の内容について、この会議の関係というところをまとめた資料でございます。
不足等ございましたら、またお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。
それでは、本日の議題に入ります。議題1は「小規模校として存続する場合の工夫」に関る新たな視点について、御議論をいただければと存じます。
本日は、長野県松本市様、山形県高畠町様、鹿児島県垂水市様、そして、青森県佐井村様の皆様に御出席いただいています。各自治体からの事例発表に先立ちまして、事務局から本日の各事例のポイントや、本日の会議において特に皆様から議論をいただきたい点について簡単に御説明をいただきたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 再び草野でございます。資料1を御覧いただければと存じます。こちらの資料は、第4回でご議論いただき、まとめたものとして、前回第5回の参考資料としてお出ししたものをもとに追記したものになります。前回のご議論の際に、この会議の道行き、各回でご議論いただきたいことについて、ご案内やご説明が不足して分かりづらいところがございましたので、ここでお詫び申し上げるとともに、各回でのご議論いただきたい点をご説明する趣旨でご用意したものでございます。
赤の下線部がポイントになりますが、1枚目、今後さらに議論を深めることが必要な論点として、2枚目下線部ですが、事例を踏まえて検討を深めていくこと、3ページ目の赤囲いが本日ご議論をいただきたいポイントでございます。統合の際の留意点や工夫について、これまで発表やご議論をいただいてまいりましたが、とはいえ、域内に小学校や中学校が1校しかなくて、学校の統廃合が困難な場合においてどのような工夫ができるかという点、GIGAスクール構想の1人1台端末の整備といった、前回の平成27年の手引から状況が変わっている点もございますので、このような変化も踏まえながら、小規模校での教育活動の充実方策や留意点等について、本日はご議論をいただきたいというものでございます。
そのような観点から、二拠点居住など、自治体の施策や区域外の他の自治体や学校と連携した教育の質の向上の工夫として、長野県松本市さん、山形県高畠町さん、ICT活用の工夫として、鹿児島県垂水市さん、小規模校の再開や存続の工夫として、青森県佐井村さんからご発表をいただくものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
【貞広座長】 ありがとうございました。
それでは、早速自治体からの発表に移ります。本日、各自治体から事例発表いただいた後に、短くそれぞれ事実確認を中心とした質疑応答の時間を設けます。また、全ての事例発表、質疑応答が終わった後に、全体を通じて御議論いただく時間もまた設けますのでよろしくお願いいたします。
それではまず、本日お越しいただいています長野県松本市教育委員会の竹内賢様、御説明をお願いいたします。
【松本市教委竹内主査】 長野県松本市教育委員会教育政策課の竹内と申します。
本日は当市の取組、松本デュアルスクールの取組について御紹介させていただきます。お時間をいただきまして誠にありがとうございます。本来であれば上司と来るべきところただいまの決算特別委員会の真っただ中で、すみません、担当の私だけですが、よろしくお願いいたします。
この松本デュアルスクールですが、令和5年の5月から始めた制度でして、今年で3年目になります。初年度から多くの子供たちに来ていただきまして、去年、今年と、どんどん子供たちが増えてきているなと実感しております。小規模校の維持存続と、また今いる子供たちのより一層の学びが深まることを期待しまして、今後とも推進していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
当市の紹介を簡単にさせていただきたいと思います。長野県松本市は、長野県の大体中央辺りに位置しておりまして、平成の大合併で大きくなりまして、現在では長野県内で一番広い市になっております。また、首都圏からは松本市街には電車や車で大体3時間から4時間ということで比較的来やすいかなと思います。
人口は約23万人で、世帯数が11万人の現在中核市になっております。こちらに記載はしていませんが、小学校が28校、中学校が19校ありまして、様々な学びを展開しているところです。
まず、松本デュアルスクールを始めたきっかけを少しお話ししたいと思います。右側の吹き出しに書いてございますが、やっぱり地域コミュニティーの核である学校がなくなるということは、学校だけじゃなくて地域の衰退につながるということはもう周知の事実ですけれども、それを顕著に考えて新しい制度をつくらなきゃいけないということで始めた制度になっております。
令和4年11月に安曇地区という地区で、市長と住民の「こんだん会」という意見交換が行われたんですが、その時に住民の方からも、ぜひデュアルスクールを始めましょうよというお話があったことや、当市としましても、小規模な学校をなくしていくという方針は今のところないので、いろんな工夫を進めながら子供たちの学びを保障していきたい、そういった思いが合致したというところが一番の理由かなと思います。また、地域にとっても、やっぱり子育て世代が増えることは大きいので、学校、地域、行政でその課題を共有しまして、松本デュアルスクールを始めようという形になっております。
次のスライドが、松本デュアルスクールの概要です。当市の場合は、区域外就学制度を活用した制度になっております。住民票は異動させませんが、学籍だけを異動させることで、松本市内の学校に通うことができるようにしております。学籍を異動させていますので、当然、出席日数は出席として認められますし、保護者としましても、住民票を移さないので、比較的簡単に松本の学校に通わせることができて、松本の暮らしも体験できるといった制度になっております。
その下が利用できる児童生徒の条件を書いてありますが、まず1番、松本市の小中学校で学びたい意欲のある児童生徒ということ、私はこれが一番大事かなと思っています。やっぱり制度を知って申し込んでくるのは保護者なんですが、本当に子供たちが、こちらの学校に気が向いているかというところを来ていただいたときに面談させていただいて聞いています。やっぱり連れてこられたという気持ちだけだとなかなかフィットせずに、その後もうまくいかないということがありますので、大事かなと思います。また、対象は長野県外の小学1年生から中学3年生、それとともに、松本市内の小学校区に住んでいただくということを条件にしております。
また、期間におきましては、最短1か月から1年ということにしております。1年以上の希望がある方は学校と相談の上決定していくのですが、住民票を移していただいて実際に住んでいただくということを前提にしています。また、長い期間を設定している理由としましては、やっぱり実際に暮らすという視点に立ちまして、地域に根差した豊かさを実感するには時間が必要かなと思っています。1週間、2週間という体験も大事なんですが、楽しかったというだけで終わらずに、やっぱりこの地に住みたいなと思っていただくために長い期間を設定しております。
次のスライドをお願いします。
こちらが松本デュアルスクールのイメージ図ですが、右側の松本の児童生徒というところ、やっぱり来る子供たちにとってはかなりメリットがあるのですが、当然来ていただく松本の子供たちにもメリットが大きいかなと思います。やっぱり1人、2人の友達にもう一人加わるだけで学びの質も高まりますし、遊びの選択肢も広がると聞いています。また、保護者にとっても気軽にお試し移住ができるというところが大きいと思います。目指すところとしましては、やっぱり制度を利用していただいて、最終的に移住していただくというところを目指したいのですが、こういった学校、こんな学びがあるよというところを知っていただくだけでも大きいかなと思いますので、関係人口の増加としても大事かなと思います。
では次のスライドをお願いします。
積極的な受入れを行っている2校について御紹介したいと思います。地図で言いますと、憧れの山間地と書いてありますが、割と市の西側の、この辺一帯が山なんですが、山の中にある学校、大野川小中学校と奈川小中学校を積極的に御紹介しています。デュアルスクール制度としては、どの学校でも対応できるようにはしているのですが、やっぱり都会の方、県外の方が求める学びを提供できるのはこの2校かなということで進めております。どちらも小規模な学校でして、統廃合も考えなければいけないのですが、現在はこの2校をまずは積極的に御紹介させていただいている次第です。
次のスライドが、令和5年度、6年度の実績ですが、令和5年度が初年度で、問合せが25件、学校見学者数は8世帯13人、制度利用者も5世帯6人の児童生徒が来ていただいております。主立ったところで言いますと、やはり居住されているところは首都圏かなと思います。令和6年度につきましても、制度利用者が9世帯11人の児童生徒に来ていただきまして、実際3世帯の御家族が既に移住を完了しています。最初は大体皆さんスモールスタートで、1か月からスタートするのですが、延長も可能としておりますので、2か月、3か月、半年住んだらもう住人になっていたみたいな、そんな御家族がいらっしゃって、やっぱり移住制度としても効果が高いのかなと感じております。
その次のスライドは、今まで体験していただいた方のアンケート調査を取った結果になっています。左側が児童生徒、右側が保護者です。児童生徒はやはり喜んでいただいたかなと思います。右側の保護者のところで、1番の就学までの手続方法についてということで、簡単だと私は感じていたのですが、簡単だと感じた割合が64%で、どちらともいえない、大変だったと思われた方が40%弱いたという形になっております。ここは今後の課題だなと感じているのですが、やっぱりデュアルスクール制度自体がまだ全国的にもまれでして、学校にも市の教育委員会にも相談するときに、その制度は何ですかというところから始まりまして、若干手続が大変だったという話を聞いています。
次のスライドが、また制度利用者の声ですが、制度を利用した児童生徒からはたくさんいいお話をいただいています。やっぱり山間部の学校なので、都会ではできないスキーですとかクロスカントリー、こういったものも授業でやりますので、そういう体験的な学びができたというところと、自校給食なので給食が温かくてすごくおいしいというような御意見もいただいています。
また、こちらには書いていないのですが、実際に受け入れた学校の先生からもいろいろな声を聞いています。先生方からは、やっぱりこれだけ自分たちの学校に来ていただけるということは、自分たちの学校にすごく魅力があって、私たちも頑張っているのだなというところを再認識できたと聞いています。また、人が1人来ることで教え方も変わってきますし、いろいろ柔軟に対応することの大切さも学べたということで、より先生方が柔軟な、フランクな感じになってきたとも聞いています。
次のスライドが令和7年度の現状です。現時点で、赤文字のところですが、10世帯13人が既に来てくれるようになっています。実際、今日9月29日からも、大野川小中学校には小2の双子が来ています。奈川小学校にも、小学6年生が1人来ている状況です。
次のスライドが、我々が松本デュアルスクールを始めるに当たり、いろいろ検討したことを載せさせていただいております。まずは情報収集から始まりまして、まず苦労したのが庁内の調整でした。我々の場合は教育委員会発信だったんですが、やっぱりこのデュアルスクール自体が、教育制度はあるのですが、本当に移住と密接な関係がある制度だと思っております。関係する課としましては、移住の担当課、住宅の担当課、あと市の出張所、出先の、当市では地域づくりセンターと呼んでおりますが、地域づくりセンター、公民館等との連携が必須だと思います。制度設計から開始まで1年なかったのですが、綿密に制度設計しまして、庁内、部局横断して協力してやっていこうという体制をつくっています。
3番の学校との調整も実は結構苦労したのですが、学校としては先生方の仕事を増やすのはなかなか大変だということで、なるべく増やさない形で何とかお願いしたいというところで、なるべく市側でできることは我々教育委員会で進めるような形を取っています。また、地元住民への説明も非常に大切でして、やっぱり小さなコミュニティーなので、どんな子が来るのだろうということを保護者の方ですとか地域の方も気になると感じています。そういった情報を、最初のうちは先生だったり、自分の子供からこんな子が来たよということを知るような状況だったんですが、なるべく教育委員会としても発信していくことが大事かなと思っています。
次のスライドが、当市の区域外就学の要綱改正です。一文加えただけですけれども、「市内への一時的な移住等により、体験的な就学を希望する児童生徒等」という文言を加えて対応しております。
その次のスライドが実施までのざっくりとした流れですが、まず最初の赤い矢印のところですが、これは松本市のホームページです。見学・面談をウェブで申し込んでいただきます。そうしたところで、私のほうでもう一度電話でヒアリングをさせていただいた後、やっぱり質問が多岐にわたるので私のほうでまとめて回答するようにしております。その後、学校見学と面談は平日に保護者とお子さん一緒に来ていただくということで、こちらも必須にしているのですが、学校見学と、あと、その後に住宅の候補地の紹介も行っているところです。実際来るよということになった場合は、教育委員会同士で区域外就学の協議書を交わすことと、学校同士はほぼ転校の手続と同じなので手続を進めていきます。
次のスライドが、今までやってきた中で期待される効果と課題をまとめさせていただいています。やっぱり学校、地域、行政、各々で大きなメリットが高いと感じています。学校としては、人が増えることはもちろんうれしいことですし、地域としても、子育て世帯が田舎に来るってすごく大きいことで、インパクトが大きいかなと思います。あと、我々行政としましても、学校は統廃合していく予定は今のところないので、学校規模の維持として効果が高いなと感じています。
また、課題はここに書き切れないぐらいあるのですが、やっぱり子供1人来るだけでも学校職員の負担は増えますし、地域の皆さんへの説明も大事だと思います。市の担当職員が最初から、伴走支援までは行かなかったとしても、学校と一緒に進めていくこと、こちらが大事かなと思っています。
すみません、最後のスライドに、松本デュアルスクールとはちょっと違うのですが、先ほど紹介しました、大野川小中学校、奈川小中学校と、もう一校、山間地の安曇小中学校というこの3校、小中合わせてこの6校が協力して新たな学びを今考えております。3エリア6校が連携してつくる魅力ある新たな学校の在り方ということで、松本市の教育委員会、学校、あとは先生方と、主人公である子供たちがともに学びながら考えていくということを令和6年度から始めております。具体的に何をやるかというところはまだこれからですが、今年度から小学校、中学校ごと日課を統一しています。日課を統一しているので、できるだけ一緒に学ぼうというスタイルで学んでおります。ただ、毎日対面でというわけにはいかないものですから、対面とオンラインのハイブリッドで交流する機会を増やしまして、まるでこの6校が一つの学園であるかのような、そんなイメージで学びを深めております。やっぱり小規模校では、こちらの6校、どの学校も統廃合を検討しなければいけないところですが、学びの質を高めて、なるべく統廃合しないように工夫を凝らしながら進めている次第です。
以上です。よろしくお願いいたします。
【貞広座長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの松本市の御発表につきまして、質疑応答に入ります。御質問や御意見おありの方は挙手をいただければと思います。オンラインの方は挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。
では、丹間委員、どうぞ。
【丹間委員】 御発表ありがとうございました。松本市をはじめ、長野県自体が非常に公民館活動が盛んで、中でも松本市は三ガク都ということで、学びを基盤にした地域づくりも進んでいるところだと理解しております。その上で今日の御説明としては、教育行政としてこのデュアルスクールという取組をどう進めてきたかということが中心だったんですけれども、他方で、なぜこういう取組がこの松本市あるいは安曇地区や奈川地区で実現できたのかといったときに、その地域の力といいますか、地域住民の方たちの声とか思いという点で、どういう背景があったのかなと。今日の御説明では、住民への説明や地域住民の理解が必要だということはお話しいただいたんですけれども、むしろこういった取組を始めるには、幾ら行政側が学校の統廃合の方針を持っていないとしても、住民の側に学校を地域に残していきたいという思いと実際の活動がないとなかなか難しいのかなと思いまして、やはり松本市は非常に教育に対する住民の方たちの当事者意識も高いですし、活動も盛んなところだと思いますので、ぜひその辺りの活動の前史について少し教えていただけたらと思います。
【貞広座長】 それでは、よろしくお願いいたします。
【松本市教委竹内主査】 御質問ありがとうございます。まず、検討を開始しました安曇地区というところが、地域のことを考える人たちが、意識が高いといいますか、やっぱり自分たちの地域がなくなっていくということに本当に身近に危機感持って活動している方が多いなと感じています。松本デュアルスクールという制度自体も、この地区住民は知っていたというところもありますし、制度だけじゃなくて、その後のアフターフォローといいますか、特に一番気にするところが住環境です。実績のところの一番右側にも、滞在先としてシェアハウスと書いてあるのですが、やっぱり山間地なので賃貸がないんです。大野川小中学校の学校区の中は、実は観光地なんですよね。乗鞍という観光地でして、ペンションですとか民宿がたくさんある地域で、その皆さんがぜひ協力したいということで声を上げてくれたというのも大きいです。今、一番滞在先として多いのが、こちらのシェアハウスが多くて、割と家具家財もそろっているので気軽に来れるというところも大きなポイントかなと思います。
【貞広座長】 よろしいですか。
【丹間委員】 松本市も平成合併後に、四賀地区では、たしか4つの小学校を一つに統合していたかと思います。私も以前、調査で訪問させていただきました。そういう意味では、何か住民の人たちの危機感みたいなものが、こういう実際の活動や取組にあたって、しかも、それを行政と協働して進めていくというところで非常に重要だなと思って聞かせていただきました。ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございます。それも安曇地区からは、住民の方から最初のアイデアができたということですよね。まさに当事者意識、当事者としてそれに関わってプランの道筋をつくっていくという御報告をいただいたと思います。
もうお一方ぐらい御質問を受けられますが、いかがですか。
では、牧野委員、どうぞ。
【牧野委員】 事実関係的な質問をお願いします。憧れの山間地ということで、最後にお話があったような、西部山間地区6校に対して、こうしたデュアルスクールを展開していこうという受け止めで合っていますか。対象は松本全市の小中学校なんだけれども、特に進めていこうと思っているのは、松本市の西部山間地区の6校で、そちらのほうに相談があった場合はいかがですかみたいな進め方をされているのでしょうか。
【松本市教委竹内主査】 確かに制度設計上はどの学校でも対象可能としておりますが、実態としては、御希望があったらこの2校以外を御紹介しているという状況でして、こちらとしても一番来ていただいてうれしいのもこの2校ですし、やっぱり山間地区の学びを体験していただきたいという思いでやっています。
【牧野委員】 実際に問合せがあるときは、そういう山間地に行きたいという話で相談があるんですかね。それとも、ほどよく田舎とかのんびり里山とか書いてありますけど、ほかの地区でもお願いできますかみたいな話もあるんですか。
【松本市教委竹内主査】 ほとんどがこの2校でお願いしたいという問合せです。中には、移住を検討されている人や、2地域居住を希望されている人のほかにも、やっぱりどうしても今の学校にフィットしなくて、学校に足が向いていない、そこをリフレッシュして、この山の中でのびのび暮らさせて学ばせてあげたいという方も多いかなと思います。
【牧野委員】 そうすると、小学校の児童数、中学校の生徒数の中で、そういった他からの移住、首都圏からの移住の生徒さん、児童さんは何人ぐらい、あるいは何%ぐらい?
【松本市教委竹内主査】 実績としましては、8枚目のスライドですが、この3年間やってきまして、デュアルスクールからの移住ということは3組になっています。ただ、地域としては、もともとは移住者が多かった地域なんですが、現状としては、パーセンテージとしては元からいた方が多いかなと思います。質問の答えになっていますかね、すみません。
【牧野委員】 例えば奈川小学校の児童数が4人って出ていますよね。この中で移住されてきた、あるいはデュアルスクールの対象になっている児童数って何人ぐらいですか。あるいは奈川中学校でもいいんですけれども。
【松本市教委竹内主査】 こちらの4人、中学生7人は元からいた方です。
【牧野委員】 そうなんですか。
【松本市教委竹内主査】 はい。
【牧野委員】 要するにここに入ってない?
【松本市教委竹内主査】 そうですね。デュアルスクールで来てはいるのですが、まだ移住まではつながっていないです、奈川は。
【牧野委員】 なるほど。だから、ここの生徒数や児童数には入れてないと。
【松本市教委竹内主査】 入れてないです。失礼しました。
【牧野委員】 分かりました。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。まだ御質問あろうかと思いますけれども、全体が終了したところで、改めて御質問を受け付けたいと思います。ありがとうございました。
それでは、続きまして、本日オンラインで御発表いただきます山形県高畠町企画課の鈴木祐介様、そして、高橋瑞基様、御説明をお願いいたします。資料はこちらで共有していただけるんですかね。お願いいたします。
【高畠町企画課高橋主事】 山形県高畠町役場企画課の高橋と申します。本日は高畠町のデュアルスクールということで発表のほうをさせていただきます。
それでは、早速始めさせていただきます。まず、高畠町の概要について、簡単に触れさせていただきます。高畠町は山形県の南のほうに位置しております、人口が約2万1,000人ほどの町になっております。新幹線の停車駅がありまして、東京駅から直通で約2時間と20分ほどで来ることのできる町となっております。
次のスライドをお願いいたします。
続いて、高畠町の小中学校の状況について説明させていただきます。まず、小学校は町内に3つの小学校がありまして、児童数は約980名となっております。この中でも特徴的な学校としましては、二井宿小学校という学校がありまして、こちらの学校は全学年複式学級の形を取っております。デュアルスクールで参加されるお子様が一番多いのもこの学校となっております。
次のスライドをお願いいたします。
続いて、中学校になります。町内に1つの中学校がありまして、生徒数は約580名となっております。平成28年の4月に開校しておりまして、それ以前は町内に4つの中学校があり、その4つの中学校が1つの統合中学校として開校したものとなっております。
元の旧中学校については、それぞれ利活用がされておりまして、以下のような状況となっておりますので、記載しております。
次のページをお願いします。続きまして、就学前の児童数の内訳ということで書いておりますが、0歳から5歳まで約650名の子供がおります。先ほど申し上げました小中学校の児童生徒数から比較しますと、ここ数年で子供の数が大きく減っているということが見て取れるかと思います。
次のページをお願いいたします。ここから本題のほうに入らせていただきます。
高畠町のデュアルスクールについては、株式会社あわえ様に業務委託をしておりまして、一緒に協力するような形で事業を実施いただいております。地域居住や移住・定住の促進を目的として実施をしております。
高畠町のデュアルスクールの特徴としましては、体験入学型という制度を活用いたしまして実施をしております。こちらが、受入れ学校(高畠町の学校)と送り出し学校(在籍校)の2つの学校の校長先生の同意を得られれば、実施に至るという形を取っております。
この体験入学型により、住民票と学籍は残したまま、高畠町の学校へ通学いただくことが可能となっております。町内の学校での通学期間も、在籍校の出席日数としてカウントすることが可能となっております。
次のスライドをお願いいたします。
こちらはデュアルスクールの効果を記載しております。記載しているものは、一般的に言われているようなデュアルスクールの効果を書いておりますが、最近ですと、「合う場所」の再発見ということで、現状不登校で悩まれている保護者の方からの問合せが増えております。そういった方々の再出発支援という側面でも利用いただくことが可能となっております。
こちらに記載はありませんが、高畠町の子供たちもこのデュアルスクールを非常に楽しみにしておりまして、新しい友達が増えるということで非常に喜んでおられます。デュアルスクールに参加された子供さんの発言や行動に、高畠町の子供たちも非常に刺激を受けたりですとか、例えば小規模校であれば、人数が少ないがために普段できなかった体育の授業のチーム分け、チームを組んでチーム同士で競うこともできるようになったり、そういった効果もあるということで、学校からはお話をいただいております。
次のスライドをお願いいたします。
デュアルスクールの活用補助金について説明させていただきます。「「またね」「うふふ」があふれるウェルビーイングなまちづくり事業」ということで、こちらは国のデジ田交付金の地方創生推進タイプのほうを、令和4年度から6年度まで採択をいただきまして、その事業の一環としてデュアルスクールにも取り組んでおります。
当時の町長部局、商工課ほかの職員がこの事業の支援をしておりまして、デュアルスクールの導入に向けた流れとしましては、デュアルスクールは教育事業にはなりますが、町長部局からまちづくりの文脈で、最初に町教育委員会のほうに提案を行いました。国の補助を受けながら、町内の子供に豊かな教育環境をつくることができるということで、教育委員会、教育委員の皆様にも賛同いただきました。
その後、町内の小中学校の校長先生で組織される校長会という会議に事業提案を行いまして、その後、受入れの候補先として2つの小学校の校長先生と個別に協議を行いまして、受入れに向けた準備を進めることが可能となりました。
次のスライドをお願いいたします。
デジ田交付金の採択期間中の事業内容についてです。まず、令和4年度は、町教育委員会、受入れ予定の学校と協議を重ねまして、デュアルスクール受入れに向けた準備、仕組みの構築を行いました。5年度は、4年度で検討した受入れの仕組みを基に、実証的に受入れのほうを行いました。この実証的な受入れが成功したことを受けまして、令和6年度に本格的な受入れを開始いたしました。事業費等については記載のとおりとなっております。
次のスライドをお願いいたします。
5年度と6年度の受入れの実績について見ていきたいと思います。5年度については、1月の5日間に受入れを行いまして、長崎県のほうから3人の親子に参加いただくことができました。高畠町の和田小学校という学校で受入れを行いまして、小学1年生の女の子、幼稚園年長児のお子様に参加いただきました。
幼稚園の年長児がいらっしゃったということで、こちらの方については町のこども園のほうで、一時保育という制度を活用して滞在いただきました。
宿泊施設は、町の滞在施設がありましたので、そちらに滞在いただきました。
続いて、令和6年度になります。本格的に受入れを開始したということで、7月・9月・11月・1月ということで、4期、合計5回の受入れを実施いたしました。
受入れ件数としては6家族18人の親子に参加いただきまして、二井宿小学校という先ほどの小規模校で5家族、和田小学校で1家族ということで受入れを実施いただきました。
次お願いします。令和5年度の実証的受入れを経て、令和6年度に改善した点について説明させていただきます。
まず、受入れ期間については、5日間から2週間ということで延長しております。こちらは、受入れいただいた学校の先生方の意見などを基に変更したもので、子供たちがやっと慣れてきたところでお別れとなってしまって、もう少し期間を延長できると、子供たちのより深い関係とか成長が見られるのではないかというところで実施しているところです。
受入れ校の拡大ということで、初年度は1校のみでしたが、2校に拡大をしております。
続いて、宿泊施設の拡大というところで、こちらも初年度は1つの施設のみでしたが、町の2つの旅館にも協力いただきまして、滞在施設を拡大しているところでございます。
覚書と誓約書の様式の作成という点で、令和5年度、初年度までは出席日数の取扱いや事故発生時の対応については明文化されておらず、口頭での確認にとどまっておりました。また、事故発生時の責任の所在も不明確となっておりましたので、これらの課題を受けまして、覚書と誓約書という2つの書式を作成いたしました。こちらについては、後ほどまた触れさせていただきます。
次お願いします。続いて、令和4年度から6年度まで実施して見えてきた課題を受けてということで、3年間実施してきた中で、課題が3点ございました。
まず1点目は、このデュアルスクールの取組を、町役場の職員だけで継続していくということは難しいということがありました。デュアルスクールの受入れ実施前から受入れ期間中、受入れ終了後まで、それぞれ、学校との調整ですとか参加される親子の対応というところで様々やるべきことがありますので、そこが課題となっておりました。そういった中で、町役場だけではなくて、地域の多様な主体が関わって事業を継続していくということを考えました。
2点目は、これまで旅館等に滞在いただいておりましたが、実際に移住や2地域居住を検討するとなったときに、なかなか旅館では実際の暮らしをイメージしづらいというところで、デュアルスクールで利用いただける施設の整備ということが課題としてありました。
最後の3点目になりますが、親の仕事の問題について、なりわいの確保という課題がありますので、実際にデュアルスクールで来ていただいた際に、仕事体験ができる取組ができないかというところを考えました。
以上の課題を受けまして、令和7年度に国の第2世代交付金事業に申請をいたしまして、採択をいただいております。
次のスライドをお願いいたします。
今年度、令和7年度の取組について説明をさせていただきます。まず1点目は、受入れ校を町内6つの全ての小学校に拡大いたしました。令和6年度末に、各小中学校を対象に受入れ意向調査を実施いたしまして、7年度に学校を訪問しまして、再度受入れ意向の確認を行いました。それを経まして、全ての小学校で受入れが可能な状況となっております。
続きまして、高畠町内の児童のデュアルスクール体験ということで書いておりますが、受入れいただいた学校の子供たちから、自分たちもデュアルスクールに行くことはできないかという声がたくさんありまして、今年度、何とか実施できないかというところで現在調整中であります。
続いてのスライドをお願いします。デュアルスクールの受入れまでの仕組みについて、説明させていただきます。
1番から9番までの項目がありまして、まず一番初めに、受入れ学校選定ということで、町内の小中学校から受入れの意向の確認調査を行いまして、受入れの学校を選んでいきます。
続いて、受入れ日程等を受入れ学校と協議・決定ということで、期間によっては、学校行事ですとかテスト期間と重なっていて受入れができないというところが多くありますので、そこを学校と協議し決定していくところがあります。
3点目が、申込者を募集ということで、2番で決定しました受入れ期間・受入れ学校を基に、株式会社あわえ様のほうで募集サイトで募集をいただきます。
4番の申込者のヒアリングを実施という点で、こちらはオンライン上で実施するものになりますが、参加者を選定するために実施しております。例えば子供の特性ですとか、食物アレルギーの有無、学校生活において配慮が必要なことがあるか、そういったところを確認するものとなっております。また、ここで、希望する学校、日程、滞在施設、その他参加に当たっての疑問点などを確認いたします。
このオンラインヒアリング後に、ヒアリングシートという子供の情報を記載いただく様式がありまして、そちらを提出いただくことで参加が決定いたします。受入れいただく学校には、このヒアリングシートの情報を事前に共有しています。
続きまして、5番の在籍学校長、教育委員会へのデュアルスクール実施についての打診ということで、私、役場企画課のほうから在籍校、教育委員会のほうに、デュアルスクールを実施させていただきたいということで打診の連絡をさせていただきます。
これが了承を得られましたら、6番の申込者が体験入学承認申請書を提出いたしまして、7番、町教育委員会で審査・承認をいたします。
それを経ますと、8番のオンライン顔合わせということで、こちらは参加親子、受入れ学校の先生、町役場、株式会社あわえさん、町移住コーディネーターが出席し、実施するものとなっております。
こちらは受入れのおよそ2週間前に実施するものでして、ここでは関係者の顔合わせ、期間中の学校生活についての説明や準備物の確認、通学方法や滞在先についての確認、その他の疑問点の解消を目的として実施しております。
ここまで、8番までが終了しますと、ようやく9番の受入れ実施ということに進むことができます。
次お願いします。その他の手続についてということで触れさせていただきます。
こちらは在籍校と受入れ校による覚書の締結ということで、出席日数や事故等が発生した場合の対応について、取決めを事前に文書で交わしております。受入れ校と在籍校の校長先生の署名と押印をいただきまして、両校で保管するものとなっております。
次お願いいたします。こちらが保護者による誓約書の記入ということで、こちらは体験入学になりますので、受入れ校でも在籍校でも、万が一事故などがあった場合は責任を負うことが難しいということで、期間中の生活全般においては、全ての責任を保護者に負っていただくということを誓約してもらう様式となっております。
次お願いいたします。こちらが出欠報告と学習記録の送付ということで、期間中の出席日数の報告の様式となっております。画面上に載せておりませんが、学習記録ということで、期間中に学んだ単元の内容ですとか、子供の様子などをまとめた書類を受入れ校で作成いただきまして、作成後に在籍校へ送付しております。
次お願いいたします。ここで最後になりますが、参加者の感想ということでまとめております。
まず、参加いただいた保護者の声ということで、「2地域居住や移住を検討します」「今までにない子供の一面が見られた」「積極的に発言する姿を初めて見た」「親としても子供と向き合える時間だった」ということで、感想をいただいております。
次お願いいたします。こちらは参加いただいた子供の声になります。「親友ができた」「帰りたくない、すぐにまた高畠町に行きたい」「全校生徒と話ができて楽しかった」など、親子共に前向きに、期間中の生活に満足いただけたんだなというような感想をいただいております。
次お願いいたします。こちらは受入れ側の感想ということで、学校の声を記載しております。「初めての受入れで不安も大きかったが、終えてみると成果も大きかった」「デュアルスクールの子供の積極的に発言する姿が、受入れ校の子供たちにとっていい刺激となっていた」ということで声をいただいておりまして、なかなか学校側も負担が大きいものとはなっておりますが、その負担以上に、受入れをしてみてのメリットが大きいというところで、学校側にも協力をいただいているところがあります。
次お願いいたします。こちらは地域の声ということで書いておりますが、学校生活以外にも、地域の催しなどにも積極的に関わっていただいておりまして、そういったところでいただいております。「都会から親子と交流することでにぎわいが生まれて楽しかった」「高畠町での交流を楽しんでもらえて私たちもうれしい」「次のデュアルスクールはいつなの、と地域全体でデュアルスクールを楽しみにしている」ということで、学校のみならず地域全体でも、地域ぐるみでデュアルスクールを受け入れていただいております。
以上で発表のほうは終了となりますが、当町としましては、今後も2地域居住の推進を目指しまして、デュアルスクール事業については積極的に取り組んでいきたいと考えております。本日は御清聴のほう、ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御発表につきまして、お一方かお二方ほど質疑を受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。
加藤委員、どうぞ。
【加藤委員】 茨城大学の加藤でございます。高畠町の御発表ありがとうございます。私もというか、もう20年ぐらい前にはなるんですけど、山形大学に勤めておりました時期で、高畠町さんだと糠野目小学校さんの先生なんかとは割と交流があった記憶がございます。今日は御発表ありがとうございました。
二井宿小学校のところ、かなり山の中だったような記憶なので、そこでこういう取組をされているのは非常に関心高く、今日はお話を聞かせていただきました。
質問は2つなんですけども、2週間ぐらいがちょうどいいというようなことであったのですが、ちょっと期間を長くするとか、そういった今後の取組の拡大というか、そういうところのイメージや予定なんかを教えていただきたいというのが一つと、たしか中学校は1つになってしまったんですかね、小学校の数と比べると、かなりそこにみんな集まってくるみたいな感じでやっていらっしゃるような感じだと思うんですけども、体験というか、デュアルスクールに来られた方々が小学校から中学校にという、そういう、中学校になったらどうなるんだとか、どう通うんだとかというような、その先の質問とかお話なんかはされていたのかというようなところで、この2つ、お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【貞広座長】 では高畠町様、よろしくお願いいたします。
【高畠町企画課高橋主事】 御質問のほうありがとうございました。
まず1点目の、今後の事業の拡大という点については、現状、受入れ期間を2週間ということで設定して実施をしておりまして、この経緯としましては、やはりなるべく受入れ側、受入れをしていただく学校の先生たちの負担を少なくしたいというところで、1週間からスタートしまして、今の2週間という形を取っております。
ただ、実際に移住ですとか2地域居住を考えた際に、より高畠町の暮らしを知っていただくという点では、先ほどの松本市さんのように期間を長く設けるという検討も必要かなと考えておりますので、期間については今後、柔軟に検討していきたいという考えがあります。
2点目、中学校での受入れの予定というところで御質問いただきましたが、現状、中学校のほうに受入れの調査をさせていただいて、なかなか、やはり学校の中の課題が様々あるというところで、そういった中で実施が難しいというような回答をいただいております。
ただ、参加者のニーズとしましては、中学校になっても引き続きデュアルスクールに参加して高畠町に行きたいという声もいただいておりますので、そういったお話を学校に持っていきながら、何とか実施できるように検討を進めていきたいと考えております。
以上になります。
【貞広座長】 ありがとうございます。
加藤委員、何か応答ありますか。
【加藤委員】 松本市さんのときにも似たようなことで、小学校に体験入学に来るんだけれども、やっぱり長く住むということは、その後の中学校とか、さらに言えば高校みたいなことをどうイメージされて、体験したり移住を決めているのかみたいなところに、ちょっと興味を持ちました。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。この点、もし松本市さん、すぐにお答えできれば今。少し時間があったほうがよければ、また後ほどまとめてお答えいただきますが。後ほどで。はい。
加藤委員、それでよろしいですか。場合によっては、ほかの自治体さんにも共通する質問項目かもしれません。どうもありがとうございます。
では、すみません、こちらで一旦質疑応答の時間を閉じさせていただきまして、続きまして、本日オンラインで御用意いただいています鹿児島県垂水市教育委員会の川﨑史明様、河野和一様に御説明をいただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
【垂水市教委河野指導主事】 どうぞよろしくお願いいたします。垂水市教育委員会学校教育課の川﨑課長、そして私、河野指導主事でお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、垂水市における小規模校のICT活用について、取組を御紹介いたします。
次のページをお願いします。現在、垂水市には小学校8校、中学校1校ございますが、令和4年度から境小学校が休校となっております。9月現在、小学生が449人、中学生が246人在籍しております。
次のページをお願いします。それぞれの学校の現在の外観になります。平成24年に4つの中学校を再編いたしまして、垂水中央中学校として今年で18年目を迎えております。全ての小学校から、ほとんどの児童が垂水中央中学校に進学します。
少子化により、6つの小学校では複式学級を有する小規模校化が進んでおります。また、そのうち4校、新城小、協和小、牛根小、松ケ崎小は、同一学年の児童数が1人から2人の学校、極小規模校になっております。
複式学級の授業のメリットとしましては、一人一人の興味・関心などに応じた、きめ細やかな学習を展開しやすいこと。そして、自ら学び考える学習態度を育成しやすいということが挙げられます。つまり、子供たち、学習者主体の授業を推進しやすいというメリットがあります。
一方、デメリットとしては、常に少人数の友達、あるいは先生と生徒1人での学習になってしまうことがありますので、多様な他者と考えを交流する機会、これが少なくなってしまうということだと私たちは考えています。つまり、他者の考えから自分の考えを再度構築して学びを深めていくという場面をどうやって確保していくか、これが課題であると言えます。
そのため、本市では、学習者主体の授業を推進するために予習型反転学習、そして自由進度学習、さらに、他者の考えから学びを深める学習の確保のために遠隔合同授業、こちらに着目しました。
予習型反転学習は、タブレット端末を家庭に持ち帰り、自分のペースで予習をしてきます。先生たちが、家庭学習としてタブレット端末に宿題を出すという形が圧倒的に多いです。そして、翌日の授業で、その調べたこと、取り組んだ宿題、こちらを友達と共有して解決を図っていく、協働的な学びのことを指します。
自由進度学習というのは、自ら学習課題を立てて解決方法を自己選択・自己決定して取り組む、個別最適な学びのことです。こちらも授業の中、あるいは単元の中で、自分のペースで進めていくという形が圧倒的に多いです。
ここで、本市が特に力を入れている、一番最後の遠隔合同授業について紹介いたします。
次お願いします。この遠隔合同授業を実施するために必要な環境整備について、御説明いたします。
通信回線については、令和2年度まで、本市には光回線が届いていないという状況がございました。何度も市で協議し、垂水市を3つの北部・中央部・南部のエリアに分けて整備を進めてきました。具体的に申しますと、中央と南部は光回線を整備する。北部は小規模校が多いことから、機能的なポケットWi-Fiルーターで対応するなど、コスト面にも工夫をしました。また、ポケットWi-Fiルーターを併用することで、校外でもICTを活用した学習が可能となります。
それでは、遠隔合同授業の実際、中身について詳しく説明します。
遠隔合同授業では、その目的に応じて3つの型があります。1、小規模校同士の遠隔合同授業。2、市内最大規模――これは垂水小学校というのですが、垂水小学校と小規模校同士の遠隔合同授業。この小規模校は、1校のみならず2校3校と複数になるときもございます。そして、3、全ての小学校でもってつくられた遠隔合同授業です。
次お願いします。遠隔合同授業というのは、テレビ会議を使用して、他校の子供と合同で学習を行うことです。
従来の複式学級では、限られた友達との交流になってしまいがちでした。また、担任の先生は2つの学年を間接指導しながら、同時に2つの学年の学習状況を見届けることが必要となります。
1の小規模校同士の遠隔合同授業においては、複式学級を単式化する、これを図ることで、子供は相手意識、目的意識を持ち、いつもと違って同学年の友達と交流し、考えを広げたり深めたりすることができます。また、教師は単学年、1つの学年の指導と見届けに専念しやすいというメリットがあります。
評価については、同じ教室内にいる在籍校の担任が行うようにしています。
なお、進度を合わせたり、事前に担任同士が打合せを行ったりすることが必要ですので、算数などでは基本的に単元全体で遠隔合同授業を行うことが大変効率的です。
次お願いします。先日、9月5日に、垂水小学校と小規模校の4校による高学年の特別活動の遠隔合同授業が実施されました。これは、2の形の遠隔合同授業です。
最も同学年の人数が多い垂水小学校の児童、一番大きな写真と右下の写真がそうですが、こちらとほかの小学校の児童が触れ合う機会となりました。彼らは数年後に同じ中学校、垂水中央中学校に進学することから、仲間づくりを意識した取組となっています。
次お願いいたします。最後に、3の全学校による遠隔合同授業についてです。
本市では、全ての学校の総合的な学習の時間を「ふるさと垂水」というタイトルで実施しております。令和6年度の総合的な学習は、ICTを効果的に活用し、子供たちの学びを広げ深化させるために、子供たちがそれぞれの校区の特色ある産業、観光といった地域素材への取材・体験を通して、未来の垂水の在り方を自分なりに構想し、市に提案する動画を作成しました。その動画はクラウド上に保存し、全ての学校が視聴及びコメントを共有できるようにし、遠隔合同授業で考えを交流しました。
御覧いただいていますのは、各学校の動画の一部です。全ての学校が、未来の垂水に思いや願いを込めたキャッチコピーも作成しました。
次お願いします。さらにその後、全小学校をオンラインでつないだ遠隔合同授業を行っています。事前に各学校の動画、質問などが共有されておりましたので、子供たちは他校の友達と活発に意見を交流することができました。
こちらのスライドですが、昨年度のリーディングDXスクール実践事例の紹介のスライドです。児童は意見交流ができるだけでなく、クラウド活用によって共同編集する技能も身につけてきています。
年々、各学校の教員同士のつながりが深まり、今年度に入ってからも遠隔合同授業を実施した回数というのは、今9月現在ですがかなり増えておりまして、例えば特別支援学級の担任同士で話し合って、やってみようということで1学期に複数回、遠隔合同授業を行っております。
次お願いいたします。これは、小規模校同士の遠隔合同授業での児童の感想の一部です。他者の意見に多く触れることで、意見を比較する対象が増え、理解が深まったり、自分の意見に自信を持ったりしている様子がうかがえます。また、中学校への入学前から、ほかの小学校の児童について、つまり未来の同級生について少しでも知っているということが、中学校入学後の生活に安心感を与えているようです。垂水中央中学校において、9月現在、中学1年生の新規不登校生が出ていないというのが、この取組の成果ではないかなと考えております。
さて、ICTを活用した授業改善・業務改善を推進するためには、先生方のICT活用スキルの向上が欠かせません。本市は毎年、先生方のニーズに応える、ICTに特化した合同研修会を実施しており、大変好評です。
次お願いします。また、市民の皆様が学校の応援団になってくださることが必要であると考え、PTA研修会や市の広報紙、そして児童生徒が学校以外でも学ぶ場や活躍する場を設定し、ICT教育の広報・普及に取り組んでおります。
本市のこのような取組は、全国で高い評価をいただいているところです。昨年度は、日本ICT教育アワード全国ICT教育首長協議会会長賞や、ICTコネクト21教育DX推進自治体表彰をしていただくなど、大変ありがたくうれしく思うとともに、NEXT GIGAの取組に向けて、私たちも気持ちを新たにしたところです。
職員の資質向上、学校外の取組について、もう少し補足して説明いたします。遠隔合同授業の導入・拡充を図るためには、先生方への理解とICTスキルの向上が必要であると考えました。また、より多くの実践紹介によって、自分の学級でもしてみようかなと思ってくれる先生を増やすという狙いから、研修会を定期的に企画・実施しました。
一つは、各学校の担当者による「情報教育部会」です。これは年間5回、各学校の代表者が集まる会で、遠隔合同授業の企画や児童生徒のICTスキル向上のための研修を計画するなど、本市のGIGAスクール構想の推進役を担っています。
次の「GIGA研修会」は、市内の全教員を対象にした、年3回のオンラインによる研修会です。ここではアプリの使い方や授業におけるICT機器の活用方法などを研修します。
最後の「夏季合同研修会」は、今年度は残念ながら台風のため実施できませんでしたが、夏季休業中に丸一日、市内の全教職員を1つの会場に集めて、ICTに関する研修会を実施しています。
では、成果と今後の展望です。これらの取組を通し、他者から学ぶ機会を持つことができた児童の様子が見られ、情報活用能力も向上している姿が見られるとともに、中1ギャップの解消、そして教員の業務改善、こちらも進みつつあります。
今後の展望として、遠隔合同授業の回数や実践は増えてきております。そこで、今後はその授業内容の質の向上に向けた具体的な研修が必要であると考えています。
また、研究開発学校で進めている情報活用能力の育成について、さらなる向上を目指した教育課程の在り方の研究をしていくということになります。
以上で、垂水市の取組の紹介を終わります。左側のこれは垂水市のキャラクターでして、「たるたる」といいます。御清聴ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございました。
それでは、こちらについてもお一方かお二方ほど御質問を受け付けたいと思います。もちろん、後半にまとめて御質問いただく機会も設けます。いかがでしょうか。
猿田委員、どうぞ。
【猿田委員】 垂水市さん、どうもありがとうございました。私も秋田県五城目町の職員です。猿田と申します。よろしくお願いします。
私から質問なんですけども、中学校が1校で小学校が7校と言いましたかね、そもそも適正規模とか配置の話から、今、統合の話とかそういった話は進んでいるのかなとか出ているのかなというのが一つ気になりました。
もう1つは、これは感想なんですけども、先ほどのデュアルスクールの2県のお話とこのICTの話、どうつなげてくるのかな、つなげて考えたらいいのかなということを考えていたんですけれども、垂水市さんのお話の中で、多様な他者との交流ということをおっしゃっていたと思うんですけども、これが多分、デュアルスクールで見ているところと同じところなのかなと思って聞いておりました。大変勉強になりました。
3つ目なんですけど、そもそも遠隔の授業の程度というか、その辺の考え方とか、恐らく時間割とかを工夫されて、なるべく遠隔を組みやすいようにしていると思うんですけども、遠隔学習の頻度とか程度とかのあたりの考え方を、ちょっと教えてもらいたいなと思いました。お願いします。
【貞広座長】 ありがとうございます。統合の見通し、またはデュアルスクールという考え方とICTの効果的な活用を行っている取組との接合について、何か見通し、アイデアがあればということと、このICTを効果的に活用した遠隔教育の頻度や、または教科とか学年とかいろいろあるかと思いますけど、その考え方をどのように整理されているのかという御質問をいただきました。お答えになれる部分だけでも結構ですので、お願いできますでしょうか。
【垂水市教委川﨑課長】 課長の川﨑と申します。1点目について、私のほうから説明させていただきたいと思います。
昨年度1年間で、垂水市で生まれた全ての子供たちの数が、実は35人なんです。かなり小規模校、少子化が進んでいる町になります。そうしたときに、その35人のうち25人ぐらいは垂水小学校に行く。あとの10人ぐらいを残りの7つの小学校がパイの奪い合いをするという形になってしまいますので、やはり、もう小規模校の存続についてもかなり厳しいところが出てきているというところがございます。
そこで昨年度、それぞれの小学校の学校運営協議会で協議をしてもらって、一応全ての小学校から、統合について、再編について考えてくださいという意見書をいただきました。そこで、今年1年間かけて、市の中で、学校の在り方検討委員会の開催を今している途中でございます。早ければ3年後ぐらい、遅くても4年後ぐらいには、その道筋が出てくるのかなというふうに思っているところです。
以上です。
【垂水市教委河野指導主事】 では、2点目について御回答いたします。本市は非常に縦に、南北に長い市でして、実は先ほど言いました7つの小学校のうちの5つの小学校出身の生徒は、バスで北部から南部から、1本ずつ通ってきます。
ですので非常に、そもそも学校に通う上での非常に予算というのが厳しい状況でして、本来、他者との多様な交流のためには、集まって子供たちを交流させる機会を教育委員会としてはたくさん持たせたいところではあるのですが、その予算が非常に難しい。
そんな中で、子供たちのICTスキルが高まることで、例えば遠隔合同授業での共同編集などができるようになる。その時間短縮だったり能力だったりといったものが上がるようにしていきたいというのが、この活動の一つのポイントになります。
そしてもう1つは遠隔の頻度になるんですけれども、大体、それこそ去年の回数で数えたときに、市内全域で10とかでした。トータルでですね、十何回やりましたというような、これは回数で言っておりますが、これが既に1学期の段階で10を超える数をやっております。それは、1つの単元、先ほど算数の説明をしましたが、算数全体の単元でやりましょうというときにも、これは1回でカウントしています。それでももう10を超えているというぐらいに広がりが出てきているということ。
一方で、低学年はなかなか難しいですので、やはり中高学年がメインとなっているということがあります。
そして、子供たちが朝から、もうつないでおこうというような形に少しずつ今なってきておりまして、朝来たら、もうつないで、「おはよう」というのをほかの学校の子供たちと画面を通してするという。各学校同士は簡単に集まれない距離なものですから、これをしてみないかというのは、教頭先生とか、あるいは先ほどの情報教育部会のメンバーがアイデアを出してスタートしているというような状況があります。
すみません、答えになっているでしょうか。
【貞広座長】 猿田委員、よろしいですか。
【猿田委員】 大丈夫です。ありがとうございます。
【貞広座長】 単元で数えて10って、結構多いと思うんですよね。日常化とまではいかないまでも、日常化に向けてという方向性ということで、私が持っていた印象よりも非常に多い印象だったので、非常に勉強になりました。ありがとうございます。
この件については、特にデュアルスクールのようなリアルな多様な他者との交流と、ICTをどう組み合わせていくのかというような考え方については、ほかの自治体の方にももろもろお考えがあろうかと思いますので、もしよろしければ後ほど応答いただければと思います。ありがとうございました。
それでは続きまして、同じくオンラインで御用意いただいております、お待たせいたしました、青森県佐井村教育委員会の山本尚樹様、御発表をお願いいたします。
【佐井村教委山本課長】 青森県佐井村教育委員会の山本と申します。こういった説明のほうは不慣れで、分かりづらい部分もあるかと思いますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
それでは、早速ですが、資料をベースに説明を進めさせていただきます。限られた時間ですので割愛しながら、概要を中心に説明させていただきます。
3ページのほうをお願いします。佐井村ってどんなところということですが、青森県の下北半島、通称まさかり半島の西側に位置し、細長い形状となっています。地形のほうは平たん地が少なく、全体面積の92.5%を森林が占めており、僅かな平たん地や入り江に9つの集落が点在しています。北側に隣接しているのが、マグロで有名な大間町となっています。
役場のある中心部から最も遠いのが、今回御紹介する吉崎地区、集落で、距離的には30キロほどですが、道路事情により所要時間は車で約50分、冬季間では60分程度を要します。
次のスライドをお願いします。
人口の推移・推計ですが、昭和30年の5,642人をピークに人口減少が進み、令和27年には842人と推計されています。現在、令和7年8月末時点では1,577人、839世帯となっており、65歳以上の割合は49.5%、15歳未満は5.5%となっています。そのうち、牛滝地区の状況は87人、43世帯となっています。
次のスライドをお願いします。
本村の学校教育の状況ということで、(1)は近年の動向と現在の配置状況であり、牛滝小学校は平成31年度から休校し、令和5年度に再開しています。牛滝中学校は令和3年度から休校し、令和7年度、本年度から再開しています。
(2)は現在の児童生徒数の状況であり、牛滝小・牛滝中学校では共に1名ずつが在籍している状況です。(3)は今後の入学者数の状況見込みとなりますが、牛滝小学校は令和8年度・令和9年度にそれぞれ1名、牛滝中学校は令和9年度に1名が入学予定となっています。
次のスライドをお願いします。
村の学校規模・学校配置の適正化に関する基本的な考え方となりますが、本村における学校は地域コミュニティーの核としての性格を有することが多く、学校統合の適否の判断は、教育的観点のみならず、地域の様々な事情を総合的に考慮すべき困難な課題となっています。
(1)教育的な観点では、単に教科書等の知識や技能を習得させるだけでなく、集団の中で多様な考え方に触れるなど、社会性や規範意識を身につけることも重要です。
(2)地理的要因や地域事情による小規模校の存続では、教育的な観点の一方で、通学条件など児童生徒の負担や安全を考慮し、適正規模化が困難である地域の学校を存続という判断も尊重される必要があると考えています。
次のスライドをお願いします。
牛滝小学校の再開に係るこれまでの取組(概要)となりますが、その前に、現在在籍している児童生徒や、休校といった判断に至った背景について、少し説明いたします。
在籍者は、もともと牛滝地区出身です。現在中学1年生の生徒は、四人きょうだいの一番上になるんですが、この生徒が小学校入学を見据えた段階で、村中心部の小学校へ入学させたいという家庭からの御意向が示され、そのまま平成31年度(令和元年度)に佐井小学校のほうへ入学されました。
また、同年度から在籍児童がゼロになることを踏まえ、当該校の在り方について同地区と意見交換などを実施し、同地区では20代から30代の未婚の若者も複数在住しており、今後、婚姻や子育てに関して、地域に学校がないということはハンデや不安につながり、定住への大きな影響があるとして、明確な見通しはありませんが、休校という決断に至ったところです。
休校中の学校施設は、再開はもちろんですが、地域・地区の避難所でもあることから、定期的な簡易清掃や防犯上の見回り、地域の集会や行事など、積極的な活用を推奨しながら、地区と委託業務を締結し、維持管理を図ってまいりました。
そんな中、令和3年8月下旬に、当該御家庭のほうから牛滝のほうに戻りたいという相談を契機に、再開に向けた取組が始動されました。
村では、在学を望む意向があるならば最大限に応えたいという方針の下、村長部局との協議を皮切りに、教育委員会会議や村議会への説明、また牛滝地区との意見交換などを重ねつつ、青森県教育委員会教育事務所様との連携・共有、また学校施設の整備計画や開校準備委員会の設置・開催を迅速かつ丁寧に進めながら、令和5年度からの再開に備え、注力してまいりました。
次のスライドをお願いします。
こちらは、村長、教育長部局及び既存の小中学校教員で構成する、村立牛滝小学校開校準備委員会の設置要綱となります。
次のスライドをお願いします。
こちらは、開校準備委員会の施設整備部会と運営環境整備部会の主な活動内容と実績報告となります。
次のスライドをお願いします。
牛滝小学校の開校に伴う教職員の引継ぎについては、休校明けということで、当時、教育長が校長から引継ぎを受けておりましたので、その引継ぎ書を基に、教育長、教育委員会事務局及び既存の小学校教職員が同席の上、赴任される校長先生はじめ教職員に引継ぎを行い、少しでも安心・安定した学校運営ができるよう、柔軟かつ丁寧な対応を心がけたところです。
次のスライドをお願いします。
牛滝小学校の開校に当たり、前任者が不在という異例の環境からのスタートであることや、極小規模校であることを踏まえ、学校間での行事、授業などでの交流を積極的に推奨するため、教職員間の交流、意思疎通などの連携や、事務職員の不在に伴うサポート体制の構築を図りつつ、当該地域が究極の地域密着の学校であり、地元地域の期待や機運の高まりは抑え切れないものがあったので、村教育委員会が潤滑油となり、双方の意向などを踏まえ、調整役に徹し、信頼関係構築に尽力いたしました。
最後に、牛滝小中学校の児童生徒数の見込みを記載していますが、予定を上回り、ますます地域が発生することを期待しております。
以上で、拙い説明となりましたが、青森県佐井村立牛滝小中学校の休校再開に伴う取組についての説明を終わります。御清聴ありがとうございました。
【貞広座長】 ありがとうございました。
では、ただいま御発表いただきました佐井村の事例報告につきまして、御質問があれば受け付けます。いかがでしょうか。
では、私から一点申し上げたいと思います。休校から再開するという事例をつぶさにお見せいただくこと、私は初めてでしたので大変勉強になりました。こういう形で再開ということになるんだなということでしたけれども、先ほど山本先生の御説明の中に、上位組織、教育事務所や青森県の教育委員会に相談の上というお話がありましたけれども、具体的にどのようなことを御相談され、どのような御助言を受けたのかということを御存じであれば、御教示いただけませんでしょうか。
【佐井村教委山本課長】 まず、そういった動きが始動された際に、教職員の人員配置、人事異動などの兼ね合いもありましたので、まだ決断はしていなかったのですが、今後そういう可能性もあるということも踏まえ、また、実際に再開が決定した場合、どういった準備などが想定されるのかなどを相談しながら、御助言・御指導をいただいたというところです。
【貞広座長】 何か県教委さんや事務所のほうから具体的な御助言はありましたか。
【佐井村教委山本課長】 再開に当たって必要な関係書類の整備などは、本来であれば前任者が行うのですが、間が開いてしまうということで、既存の村内の別の学校の先生方の協力も得ながら進める必要があるというふうに御指導いただいていました。
また、人事異動などに関しても、何名の教職員が配置される予定で、どういった方が赴任されるのかについても、地域の事情なども考慮していただいて、なるべく地域にマッチした先生を配置できるように、要望などはしておりました。
【貞広座長】 ありがとうございます。円滑な開校に向けて、事前に要望や御相談をされて情報共有されていたということを承りました。ありがとうございます。貴重な情報をいただきましてありがとうございました。
それでは一通り、4つの自治体の方々に事例の報告をいただいたところです。ここからは、特定の自治体でも結構なんですけれども、全体を貫く御質問も幾つか受けていますので、そちらを確認した上で、さらに御質問したい内容を委員の皆様に確認した上、それぞれの自治体の応答をお願いしたいと思います。
先ほど来出ているものといたしましては、第一に、基本的に今回は小学校の事例を中心に御報告をいただきましたので、中学校段階への接続や道筋についてどのような見通しをお持ちであるかという点や、第二に、デュアルスクールという、リアルで多様な他者と交流することを想定する学校と、ICTの効果的な活用によってオンライン上で多様な他者との交流を促すような活動の2つを御報告いただきましたので、それらの2つの活動の橋渡しや、例えば教科や学年などにおいて、低学年ではなかなかオンラインは難しいというお話もありましたけれども、どのような組合せをする・しない、組合せをするのであればどのようなアイデアや方向性をお持ちなのかということ。
そして、3番目といたしましては、オンラインを活用した学びにせよ、デュアルスクールのようなリアルで対面で他者と交流する活動にしても、頻度や期間、学年、教科などの考え方について、どのようにそれぞれの自治体で整理されているのかといったようなことの御質問をいただきました。
委員の皆様、さらにこういうことを聞きたいというようなことがありましたら、お出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。オンラインの先生方もよろしいですか。
では、恐縮です、順番にということで、では松本市さんから、全てではなくお答えできるところ、その事例に該当するものとしないものもあろうかと思いますので、お答えできるところだけでもよろしくお願いいたします。
【松本市教委竹内主査】 ありがとうございます。まず1点、すみません、訂正から入らせていただきたいのですが、牧野委員から御質問いただきました、スライドでいうと7枚目なんですが、7ページ目の大野川小中学校と奈川小中学校の人数には、デュアルスクールの方も含まれています。
ただ、5月1日時点の数字なので、今年で言いますと大野川小中学校が2名、奈川小中学校では小学校1人・中学校1人という形で、人数に入っております。
といいますのも、やっぱり学籍を異動しているので、その人数もカウントするのが正しいと思いますし、小規模校の維持・継続に当たってはその1人がすごく大きな鍵になってきますので、なるべく長い期間いていただくようにお願いをしています。
ちょっと話がそれちゃうんですが、以前、徳島県のデュアルスクールを体験されたお母様から、打合せをしたいと。とても意欲的なお母さんで、お話を伺ったときに、どんなことを話したいのかと思って聞いてみましたら、我々参加者は楽しいことだけさせてもらって、地域に何も恩返してきていないと。デュアルスクールで来ている地域にも何かメリットが、目に見えるものがやりたいんだよというようなお話を聞きまして、本当に新しい考え方ですごく参考になったりました、ただ、そういったお話があるということは、逆に反対の気持ちもあるのかなというふうに考えていまして、地域としては、その期間だけ楽しいことだけ来ている、いいとこ取りと思われてもあんまりよくないなと思いますので、区域外就学制度を活用して実際に学籍を移して、そこが実際カウントが1になって、それがその学校の維持・継続につながるのであれば、来ていただいている地元の人も喜ぶかなと思いますので、そこも大事にしていきたいなと思っています。
あと、先ほど垂水市さんの御発表の中で、遠隔合同授業をする中で、朝からZoomをつないでおいて、ほかの学校とも「おはよう」というところは、すごくいいなと思っています。
我々も最後のスライドで御紹介したのですが、6校でリアルタイムICTでつないで、1つの学園のようにというところを目指しているのがまさにそこのところで、特に理科の授業なんかは対面じゃなきゃできないですし、ただ、ICTを活用してオンラインでもできる授業もあると思いますので、その双方、両方をつなぎながら、あと、こちらの1校の安曇小中学校は小規模特認校もやっているので、デュアルスクール、小規模特認校、あとこのICTの対面との併用というところで、学びを深めていきたいなというふうに考えています。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。まさにあらゆる方策を使って学びの充実を図っていくという応答をいただきました。ありがとうございます。
では次に、山形県高畠町様、いかがでしょうか。
【高畠町企画課鈴木係長】 ありがとうございます。申し遅れましたが、私、企画課の鈴木と申します。本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
中学校との接続については、全校で、全地区でデュアルスクールの実施が、当町のほうでも受入れが実施できそうですし、それが拡大していくに当たって、数年後、あのお友達がいる中学校に通いたいという声がきっと出てくるだろうなというふうに考えております。
なので、デュアルスクールを拡大していく中で、そういった、「あのお友達がいる学校」に行けるような環境というところを、高畠町としてはつくっていきたいなというふうに考えているところです。
中学校だけではなくて、その後の県立高畠高校も町内1校でありますので、そちらのほうでは今年度から、来年度留学生、県外入学生の地域みらい留学、そちらのほうの取組も連携しておりますので、小中高を連携した取組、また、そこに大学生との交流事業というところも幅広く、多様な学生たちが集まって、教育、学びに対して様々な取組を展開できればなというふうに考えているところです。
また、ICTとデュアルスクールの接合の部分については、非常に私どもも垂水市さんの取組、非常に面白いなというふうに考えているところでした。
遠隔授業において、まずはデュアルスクール視点でいくと、送り先校と受入れ校としての関係を、遠隔授業であったりとか、そういったところで初めきっかけをつくる。あとは、遠隔授業において、例えば地域の文化学習などを行って、遠隔授業でデュアルスクールの受入れ校のことも、文化の違いをオンラインで披露し合うような授業があっても面白いかなと思っております。
そういった関係性を構築した上で、実際にあの町に行ってみたいとか、あのお友達に会いたいというようなときに、当町のデュアルスクールであったり、そういった制度を活用しながら実際の交流というものを図っていければ、非常にオンラインとリアルという部分でハイブリッドな交流事業ができるのかなというふうに思って聞いておりました。
あと、当町においても、小規模特認校の設定というところについては、様々な活動の中で考えていきたいところでございました。
デュアルスクールの頻度については、今、当町の中でも年間10件は行っていないような状況でありましたので、まだ適正な頻度というところについては見えていないところでありますけれども、地域の要望等があれば柔軟に適用して、対応していきたいなというふうに考えているところです。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。学校段階の広がりも、リアルとオンラインでの組合せの広がりも見据えているという応答をいただきました。ありがとうございます。
なかなか、学校事情ですぐには難しい部分もあるのかもしれませんけれども、そこもあるということ、あった上で、長期的にはそういうことを見据えているというお話をいただきました。どうもありがとうございます。
では続きまして、垂水市さん、お願いいたします。
【垂水市教委河野指導主事】 遠隔合同授業のことを御理解いただいたり評価していただいて、すごくうれしいなと思って聞かせていただきました。
まず、リアルな交流とICTでの交流というのは、私どももやはりリアルな交流、つまり子供たちを会わせて活動できるのが一番よいというふうには考えております。しかしながら、その頻度を上げていきたいと考えたときに、やはりそれは遠隔合同授業がよいのではないかなというのが現状です。
一番やりやすい教科として、算数が挙げられます。御紹介いたしましたが、予習型反転学習と遠隔合同授業、その2つを組み合わせたものが算数の授業でしたが、今年度、国語でもチャレンジしようという学校が出てきました。
それに加えて自由進度学習、つまり、単元全体を一つの遠隔合同授業の形を取りながら、子供たちが単元内自由進度学習をやっていくような取組というものにもチャレンジしたいと。どんどん難しくなっているのですが、先ほど、朝からつないでというところを、いいアイデアだなというふうに言ってくださったのですが、実はその意見が出てきたのは今年度なんです。
それは、私も立ち会っていたのですが、教頭研修会のときでした。市内の7小学校・1中学校の教頭先生が集まって行う研修の中で、彼らが今後の学校の小中連携はどうあるべきかを話していく中で、もっともっとICT機器が子供たちにとって身近なもの、文房具になっていくためには、もっと気軽さが必要だ、もしかしたら朝からつければトラブルもあるかもしれない、でも、そこを恐れるのではなく、思い切って各学校がアイデアを出し合って、つなげるような雰囲気をつくろうではないかというのを話し合ってスタートしたのが、この朝からつなぐという活動でした。
では、それによって何か課題が出てきたかというと、心配するようなことはなくて、やはり子供たちはそれを上手に使って人間関係をつくっているなというのを、私は耳にしているところです。
頻度という意味では先ほどお伝えしましたので、以上になります。
【貞広座長】 ありがとうございます。
朝からつないでということ、いいですねという御意見も出ていましたけれども、私もそれも含めまして、すごくこの取組は大事だなと思ったのは、学校って子供だけではなくて教師も育つ場ですので、小規模校の先生をつないで、教師の学びのネットワークをしっかりとつくっていらっしゃるというところも、すごくすばらしいなと思いました。そういうところからやはり具体的なアイデアが出てくるという、そういう仕掛けをされているというところが非常に戦略的だなというふうに、勉強させていただいたところでございます。ありがとうございます。
では最後に、佐井村の方々、いかがでしょうか。
【佐井村教委山本課長】 まず、中学校への道筋というところですが、少ない人数の中ですので、中学校を卒業するまで、学年単位でいきますと保育所からということで、10年以上同じ顔ぶれで成長するということで、どの子がどんな性格で、何が好きで、どういう人なのかというのも一通り把握した中で共に生活しているという状況なので、小学校から中学校に入学した際に特に心配するということは考えにくいのかなと思います。
また、デュアルスクールについてですが、他者との交流ということで、当村は大分都市部から離れている過疎地ですので、こちらから外に出向くという考え方で、グローバル教育という部分で、英語などを含めた語学研修と異文化理解を目的に、国内・国外への派遣事業なども展開しています。
また、平田オリザ先生を招聘いたしまして、演劇を通じたコミュニケーション能力の向上であったり、教育講演会ということで、現在の教育、また今後必要とされる教育の力などについて講演いただいて、関係者と共有しながら、今後の活動の参考とさせてもらっておりました。
最後に、ICTの活用という部分ですが、当村においても同様の推進はしております。本県の場合ですが、ICTの設置については市町村単位となっていますので、市町村でシステムが若干違うというところから、教職員の働き方改革にもつながるのですが、システムが市町村によって違うと、異動になった際に、ちょっとしたことなんでしょうけれども、また改めて操作方法などを勉強する必要があるということで、今、県のほうで、教育事務所単位での統一というものも図っているということで、そういった部分でも、先生方の負担軽減にもなるし、利活用の向上などにもつながるものかなというふうに感じております。
以上です。
【貞広座長】 どうもありがとうございます。
私が勝手に柱立てをしてしまいましたけれども、今、一通り各自治体の方々に応答いただいたところです。最後に、これを聞いてなおのこと、どうしても聞いておきたいということがありましたら、お一方かお二方、お出しいただけるかと思いますが、いかがでしょうか。
どうぞ、丹間委員。
【丹間委員】 事実確認になるかもしれませんけれども、垂水市では、4枚目のスライドにございますように、学年一、二名ということでかなり小規模化が進んでいるんだと。そういう中で、13枚目のスライド、さらっと口頭でお話しになられたんですけれども、教員同士のつながりということに加えて、特にその中で特別支援学級の間でも、学校の単位を超えた交流が行われているということを聞いて大変驚きました。
つまり、このかなり極小規模になっている学校にも、特別支援学級というのがそれぞれあるということなのかどうなのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
【貞広座長】 垂水市さん、再度申し訳ありませんが、お願いできますでしょうか。
【垂水市教委河野指導主事】 小規模校は、まず1人学級が結構あります。そして、小規模校にも特別支援学級がある学校があります。
ですので、やはり小規模校の特別支援学級には、1人だったり2人だったりというような所属になってしまうので、支援学級の先生同士でもいろんな研修会なんかでつながりを持たれて、遠隔合同授業やってみない、という話をしたり、例えば七夕飾り作りというような自立活動なんかを取り入れてやったというふうなお話も聞いているところです。
【貞広座長】 よろしいでしょうか。
では、牧野委員、どうぞ。
【牧野委員】 すみません、松本市の竹内主査、よろしくお願いします。小規模特認校の話が出たので、ちょっとデュアルスクールと小規模特認校の関係といいますか、安曇小学校が小規模特認校というお話しされていましたでしょう。ということは、市内の他の通学区から通っている方がいらっしゃるということですよね。
【松本市教委竹内主査】 はい。
【牧野委員】 そうですよね。大野川小学校や奈川小学校は、小規模特認校にはされていないんですか。
【松本市教委竹内主査】 していないです。
【牧野委員】 それはどうしてなんですか。デュアルスクールと小規模特認校ってどういう位置づけにされているんですか。
【松本市教委竹内主査】 大野川小中学校と奈川小中学校は特に山深くて、小規模特認校にすると通学だけで1時間近くかかってしまうというところが大きくて。安曇小中学校であれば意外に市街に近いので、距離的な問題もあります。
【牧野委員】 そうですか。飯田市は上村小学校を小規模特認校にして、1時間かけて通学の確保をやっているんですけどね。バスで。
【貞広座長】 それは自治体ごとのお考えということですかね。
【牧野委員】 ええ。近いものですから。
【貞広座長】 そうですよね。長野チームですからね。(笑)
【松本市教委竹内主査】 ちなみに、小規模特認校は今、この安曇小中学校ともう1校、また山間部のところが減っていて、その2校だけです。
【牧野委員】 要するに松本市さんの考え方というのは、小規模特認校は保護者の方が責任を持ってそこの学校に通わせてくれということなんですね。
【松本市教委竹内主査】 そうです。
【牧野委員】 分かりました。ありがとうございます。
【貞広座長】 ありがとうございます。
我々がより伺いたいことは尽きないんですけれども、そろそろ時間が尽きるようですので、また追加にどうしても知りたいという御質問については、文科省の事務局様がつないでくださると思いますので、よろしくお願いいたします。
改めまして、本日は長野県松本市、山形県高畠町、鹿児島県垂水市、そして青森県佐井村の皆様、大変貴重な事例のご報告をいただきまして、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
この後は、委員同士でさらに少しだけ、5分ほどですけれども協議をいたしますので、自治体の方々におかれましては、適宜ご退室をいただいても結構です。どうもありがとうございました。
それでは、全体を通じまして、委員の皆様、何か御意見がありましたら、お一人本当に一言ずつか、お一人かお二人ぐらいしか伺えないんですけれども、いかがでしょうか。
丹間委員、どうぞ。
【丹間委員】 今日の一つ目の議題は、小規模校として存続する場合の工夫だったんですけれども、私としては、全国の全ての子供たちにとっての学校教育って何なんだろうというふうに考えてご発表をきいておりました。
つまり、公立学校ですので、就学指定を受けてそこに通うわけですけれども、その環境というのは、子供たちも保護者も、それを変えることは難しい。自分が就学指定を受けた学校の環境を自分では変えられないという中で、本来であれば誰もが通いやすく、また通いたくなるような学校であるべきなんだけれども、実際にはこういうデュアルスクールという形で、就学指定を受けている学校とはまた別の学校に、短い期間ですけれど、一時的に身を置いてみるというような取組が、今起きているんだということです。
これは全国全てのご家族がこういうことができるかというと、恐らく交通費とか滞在費とかそれなりにかかってくるのではないかなということで、全ての子供たちがこれに参加できるとも限らないという中で、しかし他方で、こういった精力的な取組、非常に効果も見られるということが分かりました。
そういう中で、学校教育を受ける子供たちの姿とか、保護者の義務教育への意識の変化を強く感じたところです。
今日、松本市の方との質疑の中で、今の学校にフィットしていない子供も来ていらっしゃるとか、あるいは高畠町のコンセプトの中で、不登校等の再出発支援というようなことが書かれていました。やはりそういう形で、不登校とか、今の学校にフィットしないとか、そういう子たちが実際、今の学校で増えてきている中で、これはデュアルスクールとして受入れをする学校側、自治体側だけの問題ではなくて、やはりそれを送り出している自治体の側の適正規模・適正配置ということもしっかりと考えていかなければならないのではないかと。そこまで距離をかけなくても、その自治体の中で何か共生的な、やっぱり共生社会としての学校づくり、これが非常に大事だし、それを学校という単位や自治体という枠を超えてネットワークしていく必要があると思いました。
この10年で、特別支援学級の数も非常に増えていまして、そういう意味で、垂水市でもこんなに小規模なのに特別支援学級があるという事実に私も驚かされた面もあります。ぜひ全ての子供たちにとって、それから共生社会というような観点で、今後の論点としても議論を深めていきたいなと思いました。
以上です。
【貞広座長】 ありがとうございます。
今の、丹間委員の御指摘は、学校の適正規模・適正配置ということにとどまらず、いかに全ての公立学校、全ての子供について包摂的なものにするのかということの宿題だと思います。多様な子供の学びをいかに保障していけるのか、その際に、メインは教育課程なり、先生方のご尽力なりということだと思いますけれども、それをサポートする、新たな考え方の適正規模・適正配置というものを、どうみんなで知恵を出していけるのかということを、改めて考えさせられる会でございました。
もう少し意見交換の時間を取れればよかったんですけれども、私の仕切りが悪くて定刻となってしまいましたので、本日は皆様から意見をいただくのはここで、申し訳ありません、断腸の思いでございますけれども、一度区切らせていただきたいと思います。本日はここまでとさせていただきます。
本日皆様からいただいたご質問やご意見も踏まえて、今後もさらに議論を深めてまいりたいと思います。
最後に、次回の予定につきまして、事務局よりお知らせお願いいたします。
【草野教育制度改革室長】 室長、草野でございます。本日は誠にありがとうございました。
次回の協力者会議の日程につきましては、追って事務局よりご連絡、ご相談させていただきたいと思ってございます。
以上でございます。
【貞広座長】 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしましたので、これにて閉会いたします。どうもありがとうございました。
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